JP4976129B2 - ポリオレフィン用チーグラー・ナッタ触媒 - Google Patents
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Description
【0001】
本出願は、1997年1月28日付けで出願した表題が「Ziegler−Natta Catalysts for Olefin Polymerization」の米国特許出願連続番号08/789,862[2001年1月16日付けで米国特許第6,174,971号(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)として発行された]の一部継続出願である2000年10月13日付けで出願した表題が「Ziegler−Natta Catalyst For Narrow to Broad MWD of Polyolefins,Method of Making,Method of Using,And Polyolefins Made Therewith」の米国特許出願連続番号09/687,560(これもまた引用することによって本明細書に組み入れられる)の一部継続出願である。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般に触媒、触媒の製造方法、触媒の使用方法、重合方法、および前記触媒を用いて製造した重合体に関する。より詳細には、本発明は、ポリオレフィン用触媒およびチーグラー・ナッタ(Ziegler−Natta)触媒、前記触媒の製造方法、前記触媒の使用方法、ポリオレフィンの重合およびポリオレフィンに関する。
【背景技術】
【0003】
オレフィン(またアルケンとも呼ばれる)は、分子が二重結合で一緒に連結している対の炭素原子を1対以上含有する不飽和炭化水素である。オレフィンに重合工程を受けさせることでそれらをポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンなどに転化させることができる。通常用いられる1つの重合方法は、オレフィン単量体をチーグラー・ナッタ型の触媒系と接触させることを伴う。いろいろなチーグラー・ナッタ型のポリオレフィン用触媒、それらの一般的製造方法およびその後の使用は重合技術で良く知られている。そのような系は、典型的に、チーグラー・ナッタ型の重合用触媒成分、共触媒および電子供与体化合物を含有する。チーグラー・ナッタ型の重合用触媒成分は遷移金属、例えばチタン、クロムまたはバナジウムなどのハロゲン化物と金属水素化物および/または金属アルキル(典型的には有機アルミニウム化合物である)から生じた錯体であり得る。そのような触媒成分は一般にマグネシウム化合物に担持されていてアルキルアルミニウムと錯体を形成しているハロゲン化チタンで構成されている。主にプロピレンおよびエチレンの重合用として考案された触媒および触媒系に関する発行された特許は数多く存在し、それらは本分野の技術者に公知である。そのような触媒系の例が特許文献1、2、3、4、5、6、7、8および9(これらは引用することによって本明細書に組み入れられる)に示されている。
【0004】
通常のチーグラー・ナッタ触媒は、式:MRx[式中、Mは遷移金属化合物であり、Rはハロゲンまたはヒドロカルボキシルであり、そしてxは前記遷移金属の原子価である]で一般的に表される遷移金属化合物を含んで成る。Mは典型的にIV族からVII族の金属、例えばチタン、クロムまたはバナジウムなどから選択され、そしてRは塩素、臭素またはアルコキシ基である。一般的な遷移金属化合物はTiCl4、TiBr4、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(OC3H7)2Cl2、Ti(OC6H13)2Cl2、Ti(OC2H5)2Br2およびTi(OC12H25)Cl3である。そのような遷移金属化合物を典型的には不活性固体、例えば塩化マグネシウムなどに担持させている。
【0005】
チーグラー・ナッタ触媒は一般に担体に担持されており、即ち固体状の結晶性担体の上に沈着している。そのような担体は、通常のチーグラー・ナッタ触媒に含まれる成分のいずれとも化学的に反応しない不活性な固体であり得る。そのような担体はしばしばマグネシウム化合物である。触媒成分用の担体源を与える目的で使用可能なマグネシウム化合物の例は、ハロゲン化マグネシウム、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、オキシハロゲン化マグネシウム、ジアルキルマグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムおよびマグネシウムのカルボン酸塩である。
【0006】
そのような重合用触媒を用いて生じさせる重合体の特性はその触媒が有する特性の影響を受け得る。例えば、重合体の形態は典型的に触媒の形態に依存する。良好な重合体形態には、粒径と形状が均一であることとかさ密度が満足されることが含まれる。その上、非常に小さな重合体粒子(即ち微細物)の数を最小限にすることがいろいろな理由、例えば移送ラインまたは再循環ラインの詰まりを回避することなどの理由で望ましい。また、重合反応槽の中に塊および糸状物が生じることがないように非常に大きな粒子も最少限にすべきである。
【0007】
使用する触媒の種類の影響を受ける別の重合体特性は分子量分布(MWD)であり、これは所定重合体樹脂に含まれる分子の長さの変動の幅を指す。例えば、ポリエチレンの場合、MWDが狭いとじん性、即ち穴開き、張力および衝撃性能が向上し得る。他方、MWDが幅広いと加工が容易になりかつ溶融強度に好都合になり得る。
【0008】
チーグラー・ナッタ触媒に関していろいろなことが知られているが、それらがもたらす重合体の収率、触媒の寿命、触媒の活性そして特定の特性を有するポリオレフィンをもたらす能力を向上させようとする研究が継続して行われている。
【特許文献1】
米国特許第4,107,413号
【特許文献2】
米国特許第4,294,721号
【特許文献3】
米国特許第4,439,540号
【特許文献4】
米国特許第4,114,319号
【特許文献5】
米国特許第4,220,554号
【特許文献6】
米国特許第4,460,701号
【特許文献7】
米国特許第4,562,173号
【特許文献8】
米国特許第5,066,738号
【特許文献9】
米国特許第6,174,971号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様では、触媒の製造方法を提供し、この方法は、a)マグネシウムジアルコキサイド化合物をハロゲン化剤と接触させることで反応生成物Aを生じさせ、b)反応生成物Aを1番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させることで反応生成物Bを生じさせ、c)反応生成物Bを2番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させることで反応生成物Cを生じさせ、そしてd)反応生成物Cを3番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させることで反応生成物Dを生じさせることを含んで成る。前記2番目および3番目のハロゲン化/チタン化剤に四塩化チタンを含めてもよい。前記2番目および3番目のハロゲン化/チタン化段階の各々に含めるマグネシウムに対するチタンの比率を約0.1から5の範囲にしてもよい。反応生成物A、BおよびCの各々に次のハロゲン化/チタン化段階を受けさせる前に炭化水素溶媒による洗浄を受けさせておいてもよい。反応生成物Dに炭化水素溶媒による洗浄をチタン種[Ti]含有量が約100ミリモル/L未満になるまで受けさせてもよい。
【0010】
本発明の別の態様では、本発明の触媒成分を有機金属剤と接触させることを一般的に含んで成る方法で生じさせたポリオレフィン用触媒を提供する。前記触媒成分は、この上に記述した如き方法で生じさせた触媒成分である。本発明の触媒に重合製造工程に適した綿毛形態(fluff morphology)を持たせることができ、それを用いると、分子量分布が少なくとも5.0のポリエチレンを生じさせることができ、かつ約125ミクロン未満の粒子の濃度が低い均一な粒径分布がもたらされ得る。本触媒の活性は重合条件に依存する。本触媒が示す活性は一般に触媒1g当たり少なくとも5,000gのPEをもたらす活性であるが、また、その活性を触媒1g当たり50,000g以上のPEまたは触媒1g当たり100,000g以上のPEをもたらす活性まで高くすることも可能である。
【0011】
本発明の更に別の態様では、a)1種以上のオレフィン単量体を本発明の触媒の存在下で一緒に重合条件下で接触させそしてb)ポリオレフィン重合体を抽出することを含んで成る方法で生じさせたポリオレフィン重合体を提供する。前記単量体は一般にエチレン単量体でありそして重合体はポリエチレンである。
【0012】
本発明の更に別の態様では、本発明で生じさせた重合体を含んで成るフィルム、繊維、パイプ、織物材料または製造品を提供する。そのような製造品は、本発明の触媒を含めた工程で生じさせた重合体を含んで成る層を少なくとも1層含有させたフィルムであり得る。
【0013】
本発明の別の態様では、触媒成分を触媒合成用溶液から沈澱させる時にアルミニウムアルキルを添加して触媒合成用溶液の粘度を制御することで前記触媒成分の平均粒径が前記合成用溶液中のアルミニウムアルキルの濃度を高くするにつれて大きくなるように沈澱を修正することを含んで成る触媒製造方法を提供する。この方法に、更に、触媒を生じさせる時に前記触媒の平均粒径が前記合成用溶液中のアルミニウムアルキルの濃度を高くするにつれて大きくなるように前記触媒成分を有機金属である予活性化剤(organometallic preactivating agent)と接触させることも含めてもよい。
【0014】
本発明の別の態様では、a)マグネシウムジアルコキサイド化合物をハロゲン化剤と接触させることで反応生成物Aを生じさせ、b)反応生成物Aを1番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させることで反応生成物Bを生じさせ、c)反応生成物Bを2番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させることで反応生成物Cを生じさせ、d)反応生成物Cを3番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させることで反応生成物Dを生じさせ、そしてe)反応生成物Dを有機金属である予活性化剤と接触させることで触媒を生じさせることを含んで成る触媒製造方法を提供する。前記マグネシウムジアルコキサイド化合物は、一般式MgRR’[式中、RおよびR’は炭素原子数が1−10のアルキル基であり、同一もしくは異なってもよい]で表されるマグネシウムアルキル化合物と一般式R”OH[式中、R”は炭素原子数が2−20のアルキル基である]で表される直鎖もしくは分枝アルコールと式AlR”’3[式中、少なくとも1個のR”’は炭素原子数が1−8のアルキルもしくはアルコキサイドまたはハライドであり、そして各R”’は同一もしくは異なってもよい]で表されるアルミニウムアルキルを含んで成る反応の反応生成物である。前記触媒の平均粒径はマグネシウムアルキルに対するアルミニウムアルキルの比率を高くするにつれて大きくなる。
【0015】
前記2番目および3番目のハロゲン化/チタン化剤に四塩化チタンを含めてもよい。前記2番目および3番目のハロゲン化/チタン化段階の各々に含めるマグネシウムに対するチタンの比率を約0.1から5の範囲内にしてもよい。反応生成物A、BおよびCの各々に炭化水素溶媒による洗浄を次のハロゲン化/チタン化段階を受けさせる前に受けさせておいてもよい。反応生成物Dに炭化水素溶媒による洗浄をチタン種[Ti]含有量が約100ミリモル/L未満になるまで受けさせる。
【0016】
本発明の更に別の態様では、a)本発明の触媒の存在下で1種以上のオレフィン単量体を一緒に重合条件下で接触させそしてb)ポリオレフィン重合体を抽出することを含んで成る方法で生じさせたポリオレフィン重合体を提供する。前記重合体の平均粒径は前記触媒の調製で用いるマグネシウムアルキルに対するアルミニウムアルキルの比率を高くするにつれて大きくなる。前記単量体は一般にエチレン単量体でありそして重合体はポリエチレンである。
【0017】
本発明の更に別の態様では、本発明を用いて生じさせた重合体を含んで成るフィルム、繊維、パイプ、織物材料または製造品を提供する。この製造品は本発明を用いて調製した重合体を含んで成る層を少なくとも1層含有させたフィルムであり得る。
【0018】
別の態様は、オレフィンの重合で用いるに適した触媒を生じさせる方法を包含する。この方法は、塩素化剤とマグネシウムアルコキサイド化合物を反応させることでマグネシウム−チタン−アルコキサイド付加体を生じさせそして前記マグネシウム−チタン−アルコキサイド付加体をアルキルクロライド化合物と反応させることで塩化マグネシウムである担体を生じさせることを含んで成る。次に、その担体を四塩化チタン(TiCl4)と反応させることでポリオレフィンの製造で用いるに有用な高い活性を示す触媒を生じさせる。
【0019】
本発明の1つの態様では、ブチルエチルマグネシウム(BEM)と式ROH[式中、Rはアルキル基、例えば炭素原子を約1から20個含有するアルキル基である]で一般的に表されるアルコールと反応させることでマグネシウムアルコキサイド化合物を最初に生じさせる。次に、そのマグネシウムアルコキサイド化合物を式:
TiCln(OR’)4−n
[式中、R’はアルキル、シクロアルキルまたはアリール基であり、そしてnは1から3である]
で一般的に表される塩素化剤と一緒にする。前記マグネシウムアルコキサイド化合物と前記塩素化剤を混合すると結果としてマグネシウム−チタン−アルコキサイド付加体が生じる。
【0020】
アルキルクロライド化合物を前記マグネシウム−チタン−アルコキサイド付加体と反応させると塩化マグネシウム(MgCl2)である担体と1種以上の副生成物、例えばエーテルおよび/またはアルコールなどが生じる。次に、そのMgCl2にTiCl4による処理を受けさせるとMgCl2に担持されているチーグラー・ナッタ触媒が生じる。この触媒を用いて生じさせたポリオレフィンは狭い分子量分布を示し、従って、それを最終用途製品、例えばバリヤーフィルム、繊維およびパイプなどに成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の1つの態様に従う触媒成分製造方法は、一般に、金属ジアルコキサイドを金属ジアルキルとアルコールから生じさせ、その金属ジアルコキサイドにハロゲン化を受けさせることで反応生成物を生じさせ、その反応生成物を1種以上のハロゲン化/チタン化剤と3段階以上の段階で接触させることで触媒成分を生じさせた後、その触媒成分に予活性化剤、例えば有機アルミニウムなどによる処理を受けさせる段階を包含する。
【0022】
本発明の1つの態様は一般に下記の如くであり得る:
1. MRR’+2R”OH→M(OR”)2
2. M(OR”)2+ClAR”’x→「A」
3. 「A」+TiCl4/Ti(OR””)4→「B」
4. 「B」+TiCl4→「C」
5. 「C」+TiCl4→「D」
6. 「D」+予活性化剤→触媒
前記式中のMは、適切な如何なる金属であってもよく、通常はIIA族の金属、典型的にはMgであり得る。前記式中のR、R’、R”、R”’およびR””は、各々独立して、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル部分であり、ここで、RおよびR’の炭素原子数は1から20、一般に炭素原子数は1から10、典型的には炭素原子数は2から6であるが、炭素原子数は2から4であってもよい。R”の炭素原子数は一般に3から20であり、R”’の炭素原子数は一般に2−6であり、そしてR””の炭素原子数は一般に2−6であり、これは典型的にはブチルである。R、R’、R”、R”’およびR””の中の2個以上の任意組み合わせも使用可能であり、同じであってもよいか、或はR基の組み合わせは互いに異なってもよい。
【0023】
前記態様が式ClAR”’xを含んで成る場合、Aは、1個のクロライドを1個のアルコキサイドと交換する能力を有する非還元性好酸素性化合物(nonreducing oxyphilic compound)であり、R”’はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、そしてxはAの原子価引く1である。Aの例にはチタン、ケイ素、アルミニウム、炭素、錫およびゲルマニウムが含まれるが、これは典型的にチタンまたはケイ素であり、この場合のxは3である。R”’の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよび炭素原子数が2−6の類似物が含まれる。本発明で使用可能な塩素化剤の非限定例はClTi(OiPr)3およびClSi(Me)3である。
【0024】
この上に示した態様の金属ジアルコキサイドに塩素化を受けさせることで反応生成物「A」を生じさせる。生成物「A」の正確な組成は未知であるが、それはある程度塩素化された金属化合物を含有すると考えており、それの一例はClMg(OR”)であり得ると考えている。
【0025】
次に、反応生成物「A」を1種以上のハロゲン化/チタン化剤、例えばTiCl4とTi(OBu)4の組み合わせなどと接触させることで反応生成物「B」を生じさせる。反応生成物「B」は、恐らくは、塩素化およびある程度塩素化された金属とチタン化合物の複合体であろう。反応生成物「B」はチタンが染み込んでいる担体MgCl2を含んで成る可能性があり、例えば恐らくは(MCl2)y(TiClx(OR)4−x)zなどの如き化合物で表され得る。反応生成物「B」を触媒スラリーから固体として沈澱させることができる。
【0026】
2番目のハロゲン化/チタン化段階で生じさせる反応生成物、即ち触媒成分である「C」もまた恐らくはハロゲン化およびある程度ハロゲン化された金属とチタン化合物の複合体であると思われるが、「B」とは異なり、恐らくは(MCl2)y(TiClx’(OR)4−x’)z’で表され得る。「C」のハロゲン化度は生成物「B」のそれよりも高いであろうと予測する。そのようにハロゲン化度がより高いことで、もたらされる化合物の複合体は異なり得る。
【0027】
3番目のハロゲン化/チタン化段階で生じさせる反応生成物、即ち触媒成分である「D」もまた恐らくはハロゲン化およびある程度ハロゲン化された金属とチタン化合物の複合体であると思われるが、「B」および「C」とは異なり、恐らくは(MCl2)y(TiClx”(OR)4−x”)z”で表され得る。「D」のハロゲン化度は生成物「C」のそれより高いであろうと予測する。そのようにハロゲン化度がより高いことで、もたらされる化合物の複合体は異なるであろう。このような反応生成物の説明が現時点で確率が最も高い化学的性質の説明を与えるものであるが、本請求項に記述する如き発明をそのような理論的機構により限定するものでない。
【0028】
本発明で用いるに適した金属ジアルキルおよび反応体である金属ジアルコキサイドには、適切なポリオレフィン用触媒を生じさせる目的で本発明で用いることができるいずれも含まれ得る。そのような金属ジアルコキサイドおよびジアルキルには、IIA族金属のジアルコキサイドおよびジアルキルが含まれ得る。そのような金属ジアルコキサイドもしくはジアルキルはマグネシウムジアルコキサイドもしくはジアルキルであってもよい。適切なマグネシウムジアルキルの非限定例には、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどが含まれる。ブチルエチルマグネシウム(BEM)が1つの適切なマグネシウムジアルキルである。
【0029】
本発明を実施する時の金属ジアルコキサイドは、一般式Mg(OR”)2[式中、R”は炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表されるマグネシウム化合物であり得る。
【0030】
そのような金属ジアルコキサイドは可溶でありかつ典型的には非還元性である。非還元性化合物は、MgRR’などの如き化合物の還元で生じ得る不溶な種(これは結果として幅広い粒径分布を示す触媒をもたらす可能性がある)ではないMgCl2を生じさせると言った利点を有する。加うるに、Mg(OR”)2[これは、穏やかな塩素化剤による塩素化に続く次のハロゲン化/チタン化段階を伴う反応で用いた時にMgRR’よりも低い反応性を示す]を用いると結果としてもたらされる生成物の均一性がより高くなる可能性があり、例えば触媒粒径の制御および分布がより良好になる可能性がある。
【0031】
使用可能な金属ジアルコキサイド種の非限定例には、マグネシウムブトキサド、マグネシウムペントキサイド、マグネシウムヘキソキサイド、マグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)および系を可溶にするに適した如何なるアルコキサイドも含まれる。
【0032】
非限定例として、アルキルマグネシウム化合物(MgRR’)とアルコール(ROH)を以下に示す如く反応させることでマグネシウムジアルコキサイド、例えばマグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)などを生じさせることができる:
MgRR’+2R”OH→Mg(OR”)2+RH+R’H
この反応は室温で実施可能でありかつこれらの反応体は溶液を形成する。RおよびR’は各々炭素原子数が1−10の如何なるアルキル基であってもよくかつ同一もしくは異なってもよい。適切なMgRR’化合物には、例えばジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウムおよびブチルエチルマグネシウムが含まれる。このMgRR’化合物はBEMであってもよく、この場合のRHおよびR’Hはそれぞれブタンおよびエタンである。
【0033】
本発明を実施する時、所望の金属ジアルコキサイドをもたらす如何なるアルコールも使用可能である。その使用するアルコールは、一般に、一般式R”OH[式中、R”は炭素原子数が2−20のアルキル基であり、その炭素原子数は少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも炭素原子数6であり得る]で表される如何なるアルコールであってもよい。適切なアルコールの非限定例には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2−メチル−ペンタノール、2−エチルヘキサノールなどが含まれる。直鎖もしくは分枝のほとんど全てのアルコールが使用可能であると考えてはいるが、分枝度がより高いアルコール、例えば2−エチル−1−ヘキサノールなどを用いてもよい。
【0034】
添加するアルコールの量は多様であり得、例えば排他的ではないが0から10当量の範囲内であってもよく、一般的には約0.5当量から約6当量(当量は全体に渡ってマグネシウムまたは金属化合物を基準にした当量である)の範囲であり、約1から約3当量の範囲であってもよい。
【0035】
アルキル金属化合物を用いると結果として溶液の状態で非常に高い粘度を示す高分子量種がもたらされる可能性がある。アルミニウムアルキル、例えばトリエチルアルミニウム(TEAl)などを反応に添加すると個々のアルキル金属分子間の結合が崩壊する可能性があり、それによって、そのような高い粘度を低くすることができる。そのようなアルキルアルミニウムの金属に対する比率を典型的には0.001:1から1:1の範囲にしてもよく、0.01から0.5:1にしてもよく、かつまた0.03:1から0.2:1の範囲にしてもよい。加うるに、そのようなアルキル金属が示す粘度を更に低くする目的で電子供与体、例えばジイソアミルエーテル(DIAE)などの如きエーテルを用いることも可能である。そのような電子供与体の金属に対する比率を典型的には0:1から10:1の範囲にするが、0.1:1から1:1の範囲にしてもよい。
【0036】
前記金属アルコキサイドにハロゲン化を受けさせる段階で用いるに有用な作用剤には、本発明で用いた時に適切なポリオレフィン用触媒をもたらすであろう如何なるハロゲン化剤も含まれる。そのようなハロゲン化段階は、当該ハロゲン化剤が塩化物を含有する(即ち塩素化剤である)塩素化段階であり得る。
【0037】
そのような金属アルコキサイド化合物のハロゲン化を一般的には不活性な雰囲気下の炭化水素溶媒中で実施する。適切な溶媒の非限定例には、トルエン、ヘプタン、ヘキサン、オクタンなどが含まれる。このハロゲン化段階では、金属アルコキサイドのハロゲン化剤に対するモル比を一般に約6:1から約1:3の範囲内にし、約3:1から約1:2の範囲にしてもよく、約2:1から約1:2の範囲にしてもよく、かつまた約1:1にしてもよい。
【0038】
このハロゲン化段階を一般的には約0℃から約100℃の範囲内の温度で約0.5から約24時間の範囲内の反応時間実施する。このハロゲン化段階を約20℃から約90℃の範囲内の温度で約1時間から約4時間の範囲内の反応時間実施してもよい。
【0039】
このハロゲン化段階を実施することで前記金属アルコキサイドにハロゲン化を受けさせた後、そのハロゲン化物である生成物「A」にハロゲン化/チタン化処理を2回以上受けさせてもよい。
【0040】
その用いるハロゲン化/チタン化剤は、2種類の四置換チタン化合物[4個の置換基の全部が同じでありかつ置換基がハライドまたは炭素原子数が2から10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである]の混合物、例えばTiCl4またはTi(OR””)4などの混合物であってもよい。その使用するハロゲン化/チタン化剤は塩素化/チタン化剤であってもよい。
【0041】
そのハロゲン化/チタン化剤は単一の化合物または化合物の組み合わせであってもよい。本発明の方法では最初のハロゲン化/チタン化後でも活性のある触媒がもたらされはするが、しかしながら、望ましくは、全体で少なくとも3段階のハロゲン化/チタン化段階を実施する。
【0042】
前記1番目のハロゲン化/チタン化剤は典型的に穏やかなチタン化剤であり、これはハロゲン化チタンと有機チタネートの混合物であってもよい。その1番目のハロゲン化/チタン化剤は、TiCl4/Ti(OBu)4が0.5:1から6:1の範囲内のTiCl4とTi(OBu)4の混合物であってもよく、その比率は2:1から3:1であってもよい。そのようなハロゲン化チタンと有機チタネートの混合物は反応してチタンアルコキシハライド、即ちTi(OR)aXb[ここで、ORおよびXはそれぞれアルコキサイドおよびハライドであり、そしてa+bはチタンの原子価、典型的には4である]が生じると考えている。
【0043】
別法として、そのような1番目のハロゲン化/チタン化剤は単一の化合物であってもよい。1番目のハロゲン化/チタン化剤の例はTi(OC2H5)3Cl、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(OC3H7)2Cl2、Ti(OC3H7)3Cl、Ti(OC4H9)Cl3、Ti(OC6H13)2Cl2、Ti(OC2H5)2Br2およびTi(OC12H25)Cl3である。
【0044】
そのような1番目のハロゲン化/チタン化段階を一般的には最初にハロゲン化生成物「A」を室温/周囲温度の炭化水素溶媒に入れてスラリー状にすることを通して実施する。適切な炭化水素溶媒の非限定例には、ヘプタン、ヘキサン、トルエン、オクタンなどが含まれる。生成物「A」はそのような炭化水素溶媒に少なくともある程度溶解し得る。
【0045】
前記ハロゲン化/チタン化剤を可溶な生成物「A」に添加すると固体状生成物「B」が室温で沈澱して来る。その使用するハロゲン化/チタン化剤の量は固体状生成物を溶液から沈澱させるに充分な量でなければならない。一般的には、その用いるハロゲン化/チタン化剤の量は金属に対するチタンの比率を基にして一般に約0.5から約5の範囲、典型的には約1から約4の範囲であるが、約1.5から約2.5の範囲内にしてもよい。
【0046】
次に、前記1番目のハロゲン化/チタン化段階で沈澱して来た固体状生成物「B」を適切な任意の回収技術で回収した後、溶媒、例えばヘキサンなどを用いて室温/周囲温度で洗浄する。一般的には、その固体状生成物「B」の洗浄を[Ti]が約100ミリモル/L未満になるまで行う。本発明の範囲内で、[Ti]は、第2世代のチーグラー触媒として働き得るいずれかのチタン種を表し、これは本明細書に記述する如き反応生成物の一部ではないチタン種を含んで成るであろう。次に、その結果として得た生成物「B」に2番目および3番目のハロゲン化/チタン化段階を受けさせることで生成物「C」および「D」を生じさせる。各ハロゲン化/チタン化段階の後に生じた固体状生成物を[Ti]が所望量未満、例えば約100ミリモル/L未満、約50ミリモル/L未満または約10ミリモル/L未満などになるまで洗浄してもよい。最終的なハロゲン化/チタン化段階を受けさせた後の生成物を[Ti]が所望量未満、例えば約20ミリモル/L未満、約10ミリモル/L未満または約1.0ミリモル/L未満などになるまで洗浄してもよい。[Ti]を少なくすればするほど第2世代のチーグラー種として働き得るチタンの量が少なくなることで結果として向上した触媒が生じ得ると考えている。[Ti]をより少なくすることは結果として向上した触媒が得られる、例えばMWDをより狭くする要因になり得ると考えている。
【0047】
2番目のハロゲン化/チタン化段階を一般的には前記1番目のチタン化段階で回収した固体状生成物、即ち固体状生成物「B」を炭化水素溶媒に入れてスラリー状にすることを通して実施する。前記1番目のハロゲン化/チタン化段階で用いるに適するとして挙げた炭化水素溶媒を用いることができる。この2番目および3番目のハロゲン化/チタン化段階で用いる化合物または化合物の組み合わせは前記1番目のハロゲン化/チタン化段階で用いたそれと異なり得る。必ずしも必要ではないが、この2番目および3番目のハロゲン化/チタン化段階でも前記1番目のハロゲン化/チタン化段階で用いた作用剤と同じ作用剤をより高い濃度で用いてもよい。2番目および3番目のハロゲン化/チタン化剤はハロゲン化チタン、例えば四塩化チタン(TiCl4)などであってもよい。このハロゲン化/チタン化剤を前記スラリーに添加する。この添加は周囲温度/室温で実施可能であるが、また、周囲温度および圧力以外の温度および圧力下で実施することも可能である。
【0048】
この2番目および3番目のハロゲン化/チタン化剤に一般的には四塩化チタンを含める。この2番目および3番目のハロゲン化/チタン化段階の各々に含めるマグネシウムに対するチタンの比率を典型的には約0.1から5の範囲内にするが、また、約2.0の比率も使用可能であり、かつ約1.0の比率も使用可能である。この3番目のハロゲン化/チタン化段階を一般的には室温のスラリーの状態で実施するが、また、周囲温度および圧力以外の温度および圧力下で実施することも可能である。
【0049】
使用する四塩化チタンの量または代替のハロゲン化/チタン化剤の量もまた当量で表すが、本明細書に示す当量はマグネシウムまたは金属化合物を基準にしたチタンの量である。この2番目および3番目のハロゲン化/チタン化段階の各々のチタン量を一般に約0.1から約5.0当量の範囲内にするが、約0.25から約4当量の範囲内にしてもよく、典型的には約0.3から約3当量の範囲内にし、そして約0.4から約2.0当量の範囲内にするのが望ましい可能性がある。1つの特別な態様では、この2番目および3番目のハロゲン化/チタン化段階の各々で用いる四塩化チタンの量を約0.45から約1.5当量の範囲内にする。
【0050】
上述した方法で生じさせた触媒成分「D」を有機金属触媒成分(「予活性化剤」)と一緒にすることでオレフィンの重合に適した予活性化触媒系を生じさせる。遷移金属含有触媒成分「D」と一緒に用いる予活性化剤は典型的に有機金属化合物、例えばアルミニウムアルキル、水素化アルミニウムアルキル、リチウムアルミニウムアルキル、亜鉛アルキル、マグネシウムアルキルなどである。
【0051】
この予活性化剤は一般に有機アルミニウム化合物である。この有機アルミニウムである予活性化剤は典型的に式AlR3[式中、少なくとも1個のRは炭素原子数が1−8のアルキルまたはハライドであり、そしてRは各々同じまたは異なってもよい]で表されるアルミニウムアルキルである。この有機アルミニウムである予活性化剤はトリアルキルアルミニウム、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEAl)およびトリイソブチルアルミニウム(TiBAl)などであってもよい。Alのチタンに対する比率を0.1:1から2:1、典型的には0.25:1から1.2:1の範囲内にしてもよい。
【0052】
場合により、そのようなチーグラー・ナッタ触媒を前以て重合させておいてもよい。一般的には、本触媒を共触媒と接触させておいた後、その触媒を少量の単量体と接触させることで、そのような予重合工程を実施する。予重合工程は米国特許第5,106,804号、5,153,158号および5,594,071号(引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。
【0053】
本発明の触媒は全ての種類のα−オレフィンの単独重合または共重合を起こさせるための如何なる方法でも使用可能である。例えば、本触媒はエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテンおよび炭素原子数が少なくとも2の他のα−アルケンおよびまたそれらの混合物に触媒作用を及ぼす目的で使用可能である。前記の共重合体は望ましい結果をもたらす可能性があり、例えば幅広いMWDおよび多頂分布、例えば二頂および三頂特性などをもたらす可能性がある。本発明の触媒はエチレンからポリエチレンを生じさせる重合で使用可能である。
【0054】
本発明ではいろいろな重合方法が使用可能であり、例えば単一ループおよび/または多重ループ方法、バッチ方法、またはループ型反応槽を伴わない連続方法などが使用可能である。本発明を利用することができる多重ループ方法の一例は、1番目のループで起こさせる重合反応の結果としてもたらされるポリオレフィンが示すMWの方が2番目のループで起こさせる重合反応でもたらされるポリオレフィンのそれよりも低くなるようにすることで結果として幅広い分子量分布および/または二頂特性を示す樹脂を生じさせる二重ループシステムである。別法として、本発明を利用することができる多重ループ方法の別の例は、1番目のループで起こさせる重合反応の結果としてもたらされるポリオレフィンが示すMWの方が2番目のループで起こさせる重合反応でもたらされるポリオレフィンのそれよりも高くなるようにすることで結果として幅広い分子量分布および/または二頂特性を示す樹脂を生じさせる二重ループシステムである。
【0055】
そのような重合方法は例えば塊状、スラリーまたは気相方法などであり得る。本発明の触媒はスラリー相重合で使用可能である。重合条件(例えば温度および圧力)は重合工程で用いる装置の種類ばかりでなく用いる重合工程の種類にも依存し、これらは本技術分野で公知である。一般的には、温度を約50−110℃の範囲内にしそして圧力を約10−800psiの範囲内にする。
【0056】
本発明の態様の結果としてもたらされる触媒が示す活性は、少なくともある程度ではあるが、重合方法および条件、例えば使用する装置および反応温度などに依存する。例えば、エチレンからポリエチレンを生じさせる重合の態様で本触媒が示す活性は、一般に、触媒1g当たり少なくとも5,000gのPEをもたらす活性であるが、触媒1g当たり50,000g以上のPEをもたらす活性にすることも可能であり、かつ触媒1g当たり100,000g以上のPEをもたらす活性にすることも可能である。
【0057】
本発明の結果としてもたらされる触媒は、加うるに、向上した綿毛形態を有する重合体をもたらし得る。このように、本発明の触媒を用いると均一なサイズ分布を示す大きな重合体粒子を生じさせることができ、存在する微細粒子(約125ミクロン未満)の濃度は低濃度、例えば2%未満または1%未満のみである。本発明の触媒は粉末かさ密度が高い大きな粉末を含有していることで移送が容易であり、重合製造工程に適する。本発明の触媒を用いると、一般に、微細物の量がより少なくてかさ密度(B.D.)がより高い重合体がもたらされ、B.D.値は約0.31g/cc以上、約0.33g/cc以上、約0.35g/cc以上でさえあり得る。
【0058】
オレフィン単量体を重合反応ゾーンに導入する時、それを反応条件下で液体である非反応性の伝熱剤である希釈剤に入れて導入してもよい。そのような希釈剤の例はヘキサンおよびイソブタンである。エチレンを別のアルファ−オレフィン、例えばブテンまたはヘキセンなどと一緒に共重合させる場合、その2番目のアルファ−オレフィンを0.01−20モルパーセントで存在させてもよく、約0.02−10モルパーセントの範囲で存在させてもよい。
【0059】
場合により、電子供与体を前記ハロゲン化剤、前記1番目のハロゲン化/チタン化剤または次のハロゲン化/チタン化剤1種または2種以上と一緒に添加してもよい。前記2番目のハロゲン化/チタン化段階で電子供与体を用いるのが望ましい可能性がある。ポリオレフィン用触媒を生じさせる時に用いるに適した電子供与体は良く知られており、本発明では、適切な触媒をもたらすであろう適切な如何なる電子供与体も使用可能である。電子供与体(またルイス塩基としても知られる)は、酸素、窒素、燐または硫黄を含有していて電子対を当該触媒に供与し得る有機化合物である。
【0060】
そのような電子供与体は単官能もしくは多官能化合物であってもよく、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸およびこれらのアルキルエステル、脂肪族もしくは環状エーテル、ケトン、ビニルエステル、アクリル誘導体、特にアクリル酸アルキルまたはメタアクリル酸アルキルおよびシランの中から選択可能である。適切な電子供与体の一例はフタル酸ジn−ブチルである。適切な電子供与体の一般的例は一般式RSi(OR’)3で表されるアルキルシリルアルコキサイド、例えばメチルシリルトリエトキサイド[MeSi(OEt3)]などであり、ここで、RおよびR’は炭素原子数が1−5のアルキルであり、同一もしくは異なってもよい。
【0061】
重合工程では、本触媒を合成する時に内部電子供与体を用いてもよくそして本触媒を重合時に活性化させる目的で外部電子供与体または立体選択性制御剤(stereoselectivity control agent)(SCA)を用いてもよい。触媒を生じさせる反応を行っている時に内部電子供与体を前記ハロゲン化またはハロゲン化/チタン化段階中に用いることができる。通常の担持チーグラー・ナッタ触媒成分を生じさせる時に内部電子供与体として用いるに適した化合物には、エーテル、ジエーテル、ケトン、ラクトン、N、Pおよび/またはS原子を有する電子供与体化合物および特定種のエステルが含まれる。特にフタル酸のエステル、例えばフタル酸ジイソブチル、ジオクチル、ジフェニルおよびベンジルブチルなど、マロン酸のエステル、例えばマロン酸ジイソブチルおよびジエチルなど、ピバル酸アルキルおよびアリール、マレイン酸アルキル、シクロアルキルおよびアリール、アルキルおよびアリールカーボネート、例えばジイソブチル、エチル−フェニルおよびジフェニルカーボネートなど、こはく酸エステル、例えばこはく酸モノおよびジエチルなどが適切である。
【0062】
本発明に従う触媒を生じさせる時に使用可能な外部供与体には、有機シラン化合物、例えば一般式SiRm(OR’)4−m[式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびビニル基から成る群から選択され、R’はアルキル基であり、そしてmは0−3であるが、mが0、1または2の時にはR’とRが同じであってもよく、R’基は同一もしくは異なってもよくそしてmが2または3の時にはR基は同一もしくは異なってもよい]で表されるアルコキシシランなどが含まれる。
【0063】
本発明の外部供与体は下記の式:
【0064】
【化1】
【0065】
[式中、R1およびR4は、両方とも、ケイ素と結合している第一級、第二級もしくは第三級炭素原子を含有するアルキルもしくはシクロアルキル基であり、R1とR4は同じまたは異なってもよく、R2およびR3はアルキルまたはアリール基である]で表されるシラン化合物から選択可能である。R1はメチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはt−ブチルであってもよく、R2およびR3はメチル、エチル、プロピルまたはブチル基であってもよく、必ずしも同じである必要はなく、そしてR4もまたメチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはt−ブチルであってもよい。具体的な外部供与体はシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CMDS)、ジイソプロピルジメトキシシラン(DIDS)、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン(CIDS)、ジシクロペンチルジメトキシシラン(CPDS)またはジ−t−ブチルジメトキシシラン(DTDS)である。
【0066】
上述した触媒を用いて生じさせたポリエチレンが示すMWDは少なくとも5.0であり得、約6.0より高い可能性もある。
【0067】
本発明のポリオレフィンはいろいろな用途で用いるに適し、例えば押出し加工などで用いるに適し、それによって幅広い範囲の製品を生じさせることができる。そのような押出し加工方法には、例えばブローンフィルム押出し加工、キャストフィルム押出し加工、スリットテープ押出し加工、ブロー成形、パイプ押出し加工および発泡シート押出し加工が含まれる。そのような加工には単層押出し加工または多層共押出し加工が含まれ得る。
【0068】
本発明を利用することができる最終使用用途には、例えばフィルム、繊維、パイプ、織物材料、製造品、おむつ構成要素、女性衛生品、自動車構成要素および医療用材料が含まれ得る。
【0069】
本明細書で引用する全ての文献(研究論文、米国特許および外国の特許および特許出願の全部を包含)は具体的に引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。
1番目の組の実施例
本発明を一般的に記述してきたが、本発明の特定態様を単に説明しかつ本発明の実施および利点を示す目的で以下の実施例を示す。本実施例は説明として示すものであり、決して本明細書の範囲も請求項の範囲も限定することを意図するものでないと理解する。
【0070】
この系列の触媒で利用する合成スキームは下記の通りである(比率は全部BEMが基準である):
(BEM+0.03 TEAl+0.6 DIAE)+2.09 2−エチルヘキサノール→Mg(OR)2
Mg(OR)2+ClTi(OPr)3→溶液A
溶液A+(2 TiCl4/Ti(OBu)4→触媒B(MgCl2が基になった担体)
触媒B+X TiCl4→触媒C
触媒C+0.156 TEAl→最終触媒
最適な配合はX=0.5から2であると考えており、触媒CにTEAlによる予活性化を受けさせる前に行う洗浄の回数は0から2回である。チタン化がより有効に起こるように触媒調製に下記の修飾を受けさせた:
触媒B+X TiCl4→触媒C
触媒C+Y TiCl4→触媒D
触媒D+0.156 TEAl→最終触媒
示すように、XおよびY=0.5から1.0の場合、TiCl4の添加を2段階で完了させる。触媒Cに洗浄を一般的には1から2回受けさせる一方、第二世代のチーグラー種として働く可溶なチタン種を除去する目的で、Y後に2回の洗浄を実施する。
【実施例1】
【0071】
窒素パージボックス内で3Lの丸底フラスコにBEM−1を1412.25g(2.00モル)、TEAl(ヘプタン中24.8%)を27.60g(0.060モル)およびDIAEを189.70g(1.20モル)加えた。次に、カニューレを用いてその内容物を窒素流下で20Lのビュッキ(Buchi)反応槽に移した。次に、前記フラスコを約400mlのヘキサンで濯いで、それも前記反応槽に移した。撹拌機を350rpmに設定した。
【0072】
1Lのボトルに2−エチルヘキサノール(543.60g、4.21モル)を加えて蓋をした。次に、それをヘキサンで全体積が1Lになるように希釈した後、前記反応槽に加えた。質量流量制御装置を用いて前記溶液を前記反応槽にカニューレで移した。初期の塔頂温度は25.3℃でありそしてそれが29.6℃の最大温度に到達した。前記添加(約2時間)後、前記ボトルを400mlのヘキサンで濯いで、それも前記反応槽に移した。その反応混合物を0.5バールの窒素圧下で一晩350rpmで撹拌したままにした後、熱交換器のスイッチを切った。
【0073】
前記熱交換器のスイッチを入れて25℃に設定した。クロロチタントリイソプロポキサイドを2個の1Lボトルに加える(774.99および775.01g、全体で2.00モル)ことで全体で2リットルにした。質量流量制御装置を用いて各ボトルの内容物を前記反応槽にカニューレで移した。初期の塔頂空間部温度は24.6℃でありそして2番目のボトルの添加を行っている間にそれが25.9℃の最大温度に到達した。ボトル1および2の添加時間はそれぞれ145分および125分であった。この添加後、各ボトルを200mlのヘキサンで濯いで、それも前記反応槽に移した。その反応混合物を0.5バールの窒素圧下で一晩350rpmで撹拌したままにした。熱交換器のスイッチを切った。
TiCl 4 /Ti(OBu) 4 の調製
標準的なシュレンクライン技術を用いて、四塩化チタン/チタンテトラブトキサド混合物の調製を5リットルの丸底フラスコ内で実施した。1Lの加圧ボトルの中で680.00g(1.99モル)のTi(OBu)4をヘキサンで全体積が1Lになるように希釈した。次に、この溶液をカニューレで前記反応槽に移した。前記ボトルを200mlのヘキサンで濯いで、それも前記反応槽に移した。1Lのメスシリンダーの中で440ml(〜760g、4.00モル)のTiCl4をヘキサンで全体積が1Lになるように希釈した。前記5リットルのフラスコに入っている溶液を撹拌しながら、この反応槽にTiCl4溶液をN2圧下でカニューレを用いて滴下して加えた。この滴下が終了した後、その1Lのシリンダーを200mlのヘキサンで濯いで、それも前記反応槽に移した。1時間後の反応混合物をヘキサンで全体積が4Lになるまで希釈した後、使用するまで前記フラスコ内に貯蔵した。
【0074】
熱交換器のスイッチを入れて25℃に設定した。カニューレおよび質量流量制御装置を用いてTiCl4/Ti(OBu)4の混合物を20リットルの反応槽に移した。初期の塔頂空間部温度は24.7℃でありそして225分間の添加中にそれが26.0℃の最大温度に到達した。この添加後の容器を1リットルのヘキサンで濯いだ後、1時間撹拌した。
【0075】
撹拌機のスイッチを切って、その溶液を30分間沈降させた。その反応槽を1バールに加圧し、浸漬管を下げそして取り付けられている透明なプラスチック製ホースを通って固体状触媒が出て行かないことを確保することで、その溶液をデカンテーションした。次に、その触媒を下記の手順で3回洗浄した。加圧容器を用いてこれを秤の上に置き、この容器の中に2.7kgのヘキサンを計量して入れた後、前記反応槽に移した。撹拌機のスイッチを入れて、触媒混合物を15分間撹拌した。次に、前記撹拌機のスイッチを切って、前記混合物を30分間沈降させた。この手順を繰り返した。3回目のヘキサン添加を受けさせた後のスラリーを一晩沈降させ、そして熱交換器のスイッチを切った。
【0076】
その上澄み液をデカンテーションで除去し、そして前記反応槽にヘキサンを2.0kg加えた。撹拌を350rpmで再開し、そして熱交換器のスイッチを入れて25℃に設定した。1リットルのメスシリンダーの中に四塩化チタンを440ミリリットル(760g、4.00モル)加えた。このTiCl4をヘキサンで1リットルになるまで希釈した後、カニューレおよび質量流量制御装置を用いて前記溶液の半分を前記反応槽に移した。初期の塔頂温度は24.7℃であり、これが前記添加中に0.5℃上昇した。全添加時間は45分間であった。1時間後に撹拌機のスイッチを切って、固体を30分間沈降させた。その上澄み液をデカンテーションで除去した後、触媒をこの上に記述した手順に従ってヘキサンで1回洗浄した。この洗浄が完了した後、その反応槽にヘキサンを2.0kg移して、撹拌を再開した。この2回目のTiCl4滴下を残りの500ミリリットルの溶液を用いてこの上に記述した様式と同じ様式で完了させた。この滴下後、前記シリンダーを400ミリリットルのヘキサンで濯いで、それも前記ビュッキに加えた。1時間の反応後に撹拌機のスイッチを切って、固体を30分間沈降させた。次に、その上澄み液をデカンテーションで除去した後、触媒をヘキサンで3回洗浄した。次に、前記反応槽にヘキサンを2.0kg移した。
【0077】
1リットルの加圧ボトルにTEAl(ヘキサン中25.2%)を144.8g(312ミリモル)加えた。そのボトルに蓋をした後、ヘキサンで1リットルになるまで希釈した。次に、質量流量制御装置を用いて、その溶液を前記反応混合物にカニューレで移した。120分間の添加中にスラリーの色が暗褐色に変わった。初期の塔頂温度は24.5℃であり、これが25.3℃の最大温度に到達した。この添加後のボトルを400ミリリットルのヘキサンで濯いで、これも前記反応槽に移した。1時間の反応後、撹拌機のスイッチを切って、触媒を30分間沈降させた。その上澄み液をデカンテーションで除去した後、その触媒をこの上に記述した手順に従って1回洗浄した。この洗浄後、前記反応槽にヘキサンを2.7kg加えた。次に、その内容物を3ガロンの加圧容器に移した。前記ビュッキを1.0kgそして0.5kgのヘキサンで濯いだ後、それらも前記加圧容器に加えた。推定触媒収量は322gであった。
【0078】
1つの態様における組成(重量パーセントで表す)は下記であった:Clが53.4%;Alが2.3%;Mgが11.8%およびTiが7.9%。各元素の実測範囲は下記であった:Clが48.6−55.1%;Alが2.3−2.5%;Mgが11.8−14.1%およびTiが6.9−8.7%。各元素の範囲は下記であり得る:Clが40.0−65.0%;Alが0.0−6.0%;Mgが6.0−15.0%およびTiが2.0−14.0%。
【0079】
表1に、TiCl4/Ti(OBu)4添加、3回の洗浄、1回目のTiCl4添加、1回目の洗浄および2回目のTiCl4添加および次の3回目の洗浄後のサンプルに関して測定した[Ti]を挙げる。上澄み液1−4はTiCl4/Ti(OBu)4添加後の上澄み液である。上澄み液5および6は1回目のTiCl4添加後の上澄み液である。上澄み液7−10は2回目のTiCl4添加後の上澄み液である。
【0080】
【表1】
【0081】
比較実施例1:
3回目のチタン化を省きそして2回目のチタン化を1/4の量のTiCl4を用いて実施する以外は実施例1の様式と同様な様式で比較実施例1の調製を行った。
実施例2:
2回目および3回目のチタン化を各チタン化段階中に0.5当量のTiCl4を用いて実施する以外は実施例1の様式と同様な様式で実施例2の調製を行った。
比較実施例2:
2回目のチタン化中に用いるTiCl4の量を比較実施例1で用いた量の約4倍にする以外は比較実施例1の様式と同様な様式で比較実施例2の調製を行った。2回目のチタン化後にヘキサンによる洗浄を1回実施した。1つの態様における組成(重量パーセントで表す)は下記であった:Clが57.0%;Alが2.0%;Mgが9.5%およびTiが10.0%。各元素の範囲は下記であり得る:Clが55.0−57.0%;Alが2.0−2.6%;Mgが8.9−9.5%およびTiが10.0−11.0%。
比較実施例3:
2回目のチタン化後にヘキサンによる洗浄を2回実施する以外は比較実施例2の様式と同様な様式で比較実施例3を調製した。1つの態様における組成(重量パーセントで表す)は下記であった:Clが53.0%;Alが2.3%;Mgが9.7%およびTiが9.5%。各元素の範囲は下記であり得る:Clが52.6−53.0%;Alが2.0−2.3%;Mgが9.7−10.6%およびTiが8.7−9.5%。
【0082】
表2に、調製した触媒を挙げる。
【0083】
【表2】
【0084】
表3に、実施例1および比較実施例1から3を用いて製造した重合体が示したMWDデータを示す。このデータは、触媒/共触媒系が決まっている場合には洗浄回数を多くするか或はTiCl4を用いた3回目のチタン化段階を加えるとより狭いMWDを達成することができることを示している。重合体樹脂が示す固有のMWDは一般に下記の順で高い:
比較実施例1<実施例2<比較実施例3<実施例1<比較実施例2。
【0085】
【表3】
【0086】
表4に示すように、前記触媒は各々が微細物(125ミクロン未満の粒子)の濃度が低い粉末をもたらしはしたが、しかしながら、チタン化段階を2回用いて生じさせた本発明の触媒を用いるとかさ密度がより高い綿毛物が一貫してもたらされる。
【0087】
【表4】
【0088】
このような特性は、実験室で作成した沈降効率曲線(図1に示す)で示されるように、重合体の沈降効率に実質的な影響を与える。本発明の実施例1の触媒を用いて製造した本発明の重合体では溶液から生じた最初の10mlの綿毛物が急速に消失することが分かり、このことは、比較実施例3の通常の触媒を用いて製造した重合体のそれらよりも沈降速度が速くかつ重合体の形態が良好であることを意味する。
合成用溶液の粘度制御
触媒合成中の溶液の粘度を変えることでその溶液から沈澱して来る触媒成分の沈澱を修正することができることを見いだした。そのように触媒成分の沈澱を修正することで結果として生じる触媒の粒径および前記触媒を用いて生じさせる重合体の粒径に影響を与えることを見いだした。触媒合成用溶液の粘度は存在させるアルミニウムアルキルの相対量に応じて変わり得る。従って、触媒の粒径および前記触媒を用いて生じさせる重合体の粒径は使用するアルミニウムアルキルの相対量に応じて変わり得る。
【0089】
合成用溶液に入れるアルミニウムアルキルの量を変えて触媒を調製しそして試験をこれらの触媒を用いて結果として生じさせた重合体綿毛物の試験と一緒に実施した。実施例3に触媒調製で用いた合成を記述しそして表5に結果としてもたらされた触媒および重合体の大きさを示す。
【実施例3】
【0090】
用いた合成は下記の通りであり、比率は全部BEMを基準にした比率である:
1. (BEM+X TEAl+0.6 DIAE)+(2+3X) 2−エチルヘキサノール→Mg(O−2−エチルヘキシル)2・[Al(O−2−エチルヘキシル)3]
2. Mg(O−2−エチルヘキシル)2・[Al(O−2−エチルヘキシル)3]+ClTi(OPr)x→「A」
3. 「A」+2TiCl4/Ti(Obu)4→「B」(MgCl2が基になった担体)
4. 「B」+Y TiCl4→「C」
5. 「C」+Z TiCl4→「D」
7. 「D」+0.156 TEAl→触媒
Y=Z=1の4種類の触媒を前記一般的合成に従って1リットルのビュッキ反応槽内で調製した。1番目の反応では、TEAlの量が結果として触媒の粒径に対して与える影響を研究する目的でそれの量を変えた。いくらか存在する未反応のアルミニウムもしくはマグネシウムアルキル種によってチタン錯体量が減少することがないようにする目的で各触媒合成中に2−エチルヘキサノールの相対量を調整した。以下の表に、合成した触媒、使用したBEM、TEAlおよび2−エチルヘキサノールの相対量、触媒が示した平均粒径および各触媒を用いて生じさせたポリエチレン樹脂が示した平均粒径を挙げる。
【0091】
以下の表に、各触媒に関して得た粒径分布データを示す。分かるであろうように、平均粒径分布はTEAl濃度を高くするにつれて向上する。
【0092】
【表5】
【0093】
表5に示すように、触媒の平均粒径および結果としてもたらされる綿毛物の平均粒径は両方ともが最初の触媒合成用溶液で用いるTEAl濃度を高くするにつれて大きくなる。アルミニウムアルキルの相対量を変えることで触媒合成溶液の粘度を変えることができる。そのように溶液の粘度を変えることでその溶液から生じさせる触媒成分の沈澱特性を変えることができ、それによって結果としてもたらされる触媒成分の平均粒径およびその触媒を用いて結果として生じさせる重合体の平均粒径に影響を与えることができる。合成用溶液に入れるアルミニウムアルキルの濃度を高くするにつれて触媒成分の平均粒径が大きくなることが分かる。また、合成用溶液に入れるアルミニウムアルキルの濃度を高くするにつれてその触媒を用いて結果として生じさせる重合体樹脂の平均粒径も大きくなることが分かる。
【0094】
アルミニウムアルキルの量はアルミニウムアルキルとマグネシウムアルキルの比率に換算して測定可能であり、それの範囲を約0.01:1から約10:1の範囲にしてもよい。この上に記述した触媒を用いて生じさせたポリエチレンが示すMWDは少なくとも4.0であり得、それを約6.0にまで高くすることも可能である。
【0095】
表5に示した触媒101はこの上に記述した如き実施例1と同じ触媒である。1つの態様における組成(重量パーセントで表す)は下記であった:Clが53.4%;Alが2.3%;Mgが11.8%およびTiが7.9%。各元素の範囲は下記であり得る:Clが40.0−65.0%;Alが0.0−6.0%;Mgが6.0−15.0%およびTiが2.0−14.0%。
【0096】
表5に示した触媒102は1つの態様において下記であった:Clが47.0%;Alが3.4%;Mgが13.1%およびTiが4.0%。各元素の範囲は下記であり得る:Clが40.0−65.0%;Alが0.0−6.0%;Mgが6.0−15.0%およびTiが2.0−14.0%。
【0097】
表5に示した触媒103は1つの態様において下記であった:Clが50.0%;Alが2.4%;Mgが12.1%およびTiが3.9%。各元素の範囲は下記であり得る:Clが40.0−65.0%;Alが0.0−6.0%;Mgが6.0−15.0%およびTiが2.0−14.0%。
【0098】
表5に示した触媒104は1つの態様において下記であった:Clが53.0%;Alが3.1%;Mgが12.8%およびTiが4.2%。各元素の範囲は下記であり得る:Clが40.0−65.0%;Alが0.0−6.0%;Mgが6.0−15.0%およびTiが2.0−14.0%。
【0099】
本発明のポリオレフィンはいろいろな用途、例えば押出し加工方法などで用いるに適し、それによって幅広い範囲の製品を生じさせるに適する。そのような押出し加工方法には、例えばブローンフィルム押出し加工、キャストフィルム押出し加工、スリットテープ押出し加工、ブロー成形、パイプ押出し加工および発泡シート押出し加工が含まれる。そのような加工には単層押出し加工または多層共押出し加工が含まれ得る。本発明を利用することができる最終使用用途には、例えばフィルム、繊維、パイプ、織物材料、製造品、おむつ構成要素、女性衛生品、自動車構成要素および医療用材料が含まれ得る。
【0100】
本発明の代替態様に従い、数回の反応を包含する方法を用いてポリオレフィン重合用触媒を生じさせる。最初に、マグネシウムアルキル化合物[即ちMg(R*)2(ここで、R*は炭素原子数が約1から20の同一もしくは異なるアルキル基であり得る)、例えばBEMなど]を下記の反応:
BEM+2ROH→Mg(OR)2
(ここで、Rはアルキル基、例えば炭素原子を約1から20個含有するアルキル基である)
に従ってアルコールと反応させることで可溶なマグネシウムアルコキサイド化合物を生じさせる。前記式ROHで表されるアルコールは分枝しているか或は分枝していなくてもよい。適切なアルコールの例は2−エチルヘキサノールである。BEMとアルコール反応体をマグネシウムアルコキサイド化合物に転化させるに適した如何なる反応条件も添加順も使用可能である。1つの態様では、前記アルコールをBEM溶液に添加することで反応混合物を生じさせて、それを周囲の温度および圧力下に維持する。この反応混合物の撹拌を可溶なマグネシウムアルコキサイド化合物が生じるに充分な時間行う。
【0101】
その結果として生じたマグネシウムアルコキサイド化合物を穏やかな塩素化剤と混合すると、下記の式:
Mg(OR)2+TiCln(OR’)4−n→[Ti(OR’)4−nCln・Mg(OR)2]m
[式中、R’はアルキル、シクロアルキルまたはアリール基であり、nは1から3であり、そしてmは少なくとも1であり、2以上であってもよい]
に従ってマグネシウム−チタン−アルコキサイド付加体が生じる。望ましくは、nは1である。反応体にTiCln(OR’)4−n[ここで、R’=アルキルまたはアリール、そしてnは1である]およびまたTi(OiPr)3Cl[ここで、iPrはイソプロピルを表す]を含める。この過程では、そのようなマグネシウム−チタン−アルコキサイド付加体を生じさせるに適した如何なる条件も使用可能である。1つの態様では前記過程を周囲の温度および圧力下で実施する。前記反応体の混合をそのようなマグネシウム−チタン−アルコキサイド付加体が生じるに充分な時間行う。前記マグネシウム−チタン−アルコキサイド化合物が立体的に障害を受けていることで前記チタン化合物の塩素原子とマグネシウムアルコキサイド配位子の複分解が起こり難いことからそのような付加体が生じると考えている。本質的に、その付加体は全部ではないが大部分がMgCl2に転化する。
【0102】
その後、前記マグネシウム−チタン−アルコキサイド付加体とアルキルクロライド化合物をそれらが担体であるMgCl2に変化するように混合する。この反応は下記の如く進行する:
[Ti(OR’)4−nClnMg(OR)2]m+R”Cl→「TiMgCl2」+R”OR
ここで、R”はアルキル基、例えば炭素原子を約2から18個含有するアルキル基であり、そして「TiMgCl2」はチタンが染み込んだ担体であるMgCl2を表す。R”は分枝しているか或は分枝していなくてもよいが、ある態様では、R”が分枝していない方が望ましい可能性がある。可能なアルキルクロライド化合物には、塩化ベンゾイル、クロロメチルエチルエーテルおよび塩化t−ブチルが含まれ、特別な態様では塩化ベンゾイルが望ましい。前記マグネシウムアルコキサイド付加体に添加するアルキルクロライドの量はその反応に要する量より多い量であってもよい。この反応混合物に含めるMg(例えばBEM)の量に対する塩化ベンゾイルの量の比率は約1から20(即ち約1:1の比率から約20:1の比率)の範囲であってもよいか、或は約1から10であってもよく、約4から8の範囲にするのが望ましい可能性がある。この反応は塩化マグネシウムである担体が沈澱するに適した如何なる条件下でも実施可能である。1つの態様では、反応体を担体であるMgCl2が沈澱するに充分な時間還流させる。t−ブチルクロライドを用いる態様では、その反応物を還流中に加熱してもよい。塩化ベンゾイルまたはクロロメチルエチルエーテルを用いる態様では、反応体を還流させている間の温度を室温にしてもよい。この反応ではまた1種以上の副生成物、例えばエーテル(この上に示した反応に示した)なども生じる。MgCl2を沈澱させている間にTiを存在させるとそれが高い活性を示す触媒をもたらす点で主な役割を果たすと考えている。
【0103】
MgCl2である担体を反応混合物から分離した後、その担体を例えばヘキサンなどで洗浄することでいくらか存在する汚染物をそれから除去してもよい。次に、MgCl2である担体をTiCl4で処理すると下記の式に従って触媒のスラリーが生じる:
「MgCl2」+2 TiCl4→触媒
この処理は触媒スラリーが生じるに適切な如何なる条件下でも実施可能であり、例えば周囲の温度および圧力下で実施可能である。この触媒スラリーを例えばヘキサンなどで洗浄した後、乾燥させる。その結果として得た触媒にアルキルアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム(TEAl)などを用いた予活性化を受けさせることで、その触媒が重合反応槽を腐食しないようにしてもよい。より具体的には、前記触媒に含まれる塩化チタンをアルキルアルミニウム化合物と反応させるとそれはチタンアルキルに転化する。そうしないと、その塩化チタンが水分にさらされると変換を受けてHClが生じ、その結果として重合反応槽の腐食がもたらされる可能性がある。
2番目の組の実施例
本発明を一般的に記述してきたが、本発明の実施および利点を示す目的で以下の実施例を本発明の特定態様として示す。本実施例は説明として示すものであり、決して本明細書の範囲も請求項の範囲も限定することを意図するものでないと理解する。
【0104】
特に明記しない限り、標準的なシュレンク技術を用いて、あらゆる実験実施例を不活性な雰囲気下で実施した。本発明の方法に従って数種の触媒(サンプルC−M)を調製した。加うるに、サンプルAおよびサンプルBと呼ぶ2種類の通常触媒も調製したが、サンプルBは、他の触媒サンプルと比較する目的で、米国特許第5,563,225号に従って調製したサンプルである。本実施例に必要な化合物の多く、即ち2−エチルヘキサノール、塩化ベンゾイル、塩化n−ブチル、塩化t−ブチル、クロロメチルエチルエーテル、ClTi(OiPr)3およびTiCl4をAldrich Chemical Companyから購入して、受け取ったまま用いた。BEM含有量が15.6重量%でAl含有量が0.04重量%のヘプタン溶液をAkzo Nobelから購入した。触媒サンプル全部が示す触媒粒径分布(平均粒径D50を包含)の測定をMalvern Mastersizerを用いて行い、そして本明細書に示す粒径分布値は全部体積平均を基に計算した値である。
【0105】
ヘキサンをPhillipsから購入して、3Aモレキュラーシーブのカラム、F200アルミナのカラムそしてBASF R3−11銅触媒が充填されているカラムに12mL/分の流量で通すことで精製を行った。エチレンを触媒サンプル各々の存在下で重合させる目的でAutoclave Engineer反応槽を用いた。この反応槽の容量は4リットルであり、これには向かい合う2個のピッチプロペラが備わっている混合用邪魔板が4個取り付けられている。ドーム装備背圧調節装置を用いて反応圧力を維持しかつ蒸気と冷水を用いて反応温度を維持しながらエチレンおよび水素を前記反応槽に導入した。ヘキサンを希釈剤として前記反応槽に導入した。特に明記しない限り、重合を表3Aに挙げる条件下で実施した。結果として生じたポリエチレンが示す綿毛物粒径分布(質量を基準)をCSC Scientific Sieve Shakerを用いたふるい分け分析で得た。微細物のパーセントを125ミクロンより小さい綿毛物粒子の重量パーセントとして定義する。
参考例
BEM含有量が15.6重量%のヘプタン溶液(70.83g、100ミリモル)を1リットルの反応槽に仕込むことを通して、本発明触媒サンプルAの調製を行った。次に、前記BEM含有溶液に2−エチルヘキサノールを26.45g(203ミリモル)ゆっくり加えた。この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次に、前記混合物にClTi(OiPr)3が1.0Mのヘキサン溶液77.50g(100ミリモル)をゆっくり加えた。この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌することで[Mg(O−2−エチルヘキシル)2ClTi(OiPr)3]付加体を生じさせた。その後、その結果として生じた溶液にTNBT(34.04g、100モル)とTiCl4(37.84g、200ミリモル)の混合物が入っているヘキサン溶液(250mL)を加えた。この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌すると白色沈澱物が生じた。この沈澱物を沈降させた後、その上澄み液をデカンテーションで除去した。前記沈澱物を約200mLのヘキサンで3回洗浄した。その固体を約150mLのヘキサンに入れることで再びスラリー状にした後、TiCl4(18.97g、100ミリモル)が入っているヘキサン溶液を50mL加えた。そのスラリーを周囲温度で1時間撹拌した。固体を沈降させた後、その上澄み液をデカンテーションで除去した。その固体を200mLのヘキサンで1回洗浄した。次に、その沈澱物にヘキサンを約150mL加えた。この触媒を再びTiCl4(18.97g、100ミリモル)が入っている50mLのヘキサン溶液で処理した。そのスラリーを周囲温度で1時間撹拌した。固体を沈降させた後、その上澄み液をデカンテーションで除去した。その触媒を200mLのヘキサンで2回洗浄した。次に、その沈澱物にヘキサンを約150mL加えた。それをTEAlが25重量%入っているヘプタン溶液7.16g(15.6ミリモル)と周囲温度で1時間反応させることで最終的な触媒を得た。
比較実施例1A
1リットルのフラスコにジブチルマグネシウムが15重量%入っているヘプタン溶液を330ml、テトライソブチルアルミノキサンが20重量%入っているペンタン溶液を13.3mL、ジイソアミルエーテルを3mlおよびヘキサンを153ml導入することを通して、比較触媒サンプルBの調製を行った。その混合物を50℃で10時間撹拌した。次に、0.2mlのTiCl4およびt−ブチルクロライド(96.4mL)とDIAE(27.7mL)の混合物を加えた。この混合物を50℃で3時間撹拌した。沈澱物を沈降させた後、その上澄み液をデカンテーションで除去した。その固体を室温のヘキサン(100mL)で3回洗浄した。その固体を100mLのヘキサンに入れることで再びスラリー状にした。この反応混合物に無水HClを20分間導入した。固体を濾過した後、100mLのヘキサンで2回洗浄した。その固体を再びヘキサンに入れて懸濁させた。このスラリーに高純度のTiCl4を50mL加えた後、その混合物を80℃で2時間撹拌した。上澄み液をデカンテーションで除去した後、その触媒を100mLのヘキサンで10回洗浄した。この触媒をN2流下50℃で乾燥させた。
比較実施例2A
本発明に従う触媒サンプルCの調製を下記の如く行った:滴下漏斗と隔膜と凝縮器を取り付けておいた250mLの3つ口丸底フラスコにBEM含有量が15.6重量%のヘプタン溶液(17.71g、25ミリモル)を仕込んだ。次に、前記BEM含有溶液に2−エチルヘキサノール6.61g(51ミリモル)をゆっくり加えた後、この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次に、その溶液にClTi(OiPr)3(ヘキサン中1M)を19.38g(25ミリモル)加えた。この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌することで[Mg(O−2−エチルヘキシル)2ClTi(OiPr)3]付加体を生じさせた。次に、その結果として生じた溶液に塩化t−ブチルを塩化t−ブチルのBEMに対するモル比が約8:1になるように18.51g(200ミリモル)加えた。この反応混合物を還流温度、即ち約80℃で24時間加熱することでMgCl2沈澱物(即ち次に触媒担体になる)を生じさせた。その白色沈澱物を沈降させた後、黄色がかった上澄み液をデカンテーションで除去した。その沈澱物を約100mLのヘキサンで3回洗浄した。次に、この沈澱物に約100mLのヘキサンを加えた後、その結果として生じた溶液にTiCl4(9.485g、50ミリモル)をゆっくり添加した。そのスラリーを周囲温度で1時間撹拌した。固体を沈降させた後、その上澄み液をデカンテーションで除去した。この触媒を50mLのヘキサンで4回洗浄した。
比較実施例3A
前記フラスコに塩化t−ブチルをより多い量で添加して反応速度を速める以外は比較実施例2Aの手順に従うことで触媒サンプルDを生じさせた。詳細には、前記フラスコに入っている溶液に塩化t−ブチルを37.02g(400ミリモル)加えた後、その溶液を55℃で24時間加熱した。従って、その溶液には塩化t−ブチル/BEMが約16:1のモル比で入っていた(BEMに対して16当量)。期待したように、比較実施例3Aの方が比較実施例2Aよりも収率が高いことを観察した。
【0106】
以下の表1Aに、比較実施例1Aおよび2Aそして実施例1Aおよび2Aで生じさせた触媒の組成を示す。
【0107】
【表6】
【0108】
サンプルCおよびDにおけるMgおよびClの量はサンプルAにおけるそれらの量と同様であった。サンプルCおよびDにおけるTiの量はサンプルAにおけるTiの量とBにおけるTiの量の中間であった。
【0109】
実施例2Aおよび3Aでは、Ti(OiPr)3ClMg(OR)2]nと塩化t−ブチルを反応させた時の副生成物をプロトン核磁気共鳴(1H NMR)およびガスクロ質量分光(GCMS)分析で測定した。主副生成物は予測したt−ブチル2−エチルヘキシルエーテルでもt−ブチル−2−イソプロピルエーテルでもなく2−エチルヘキサノールであることを確認した。この結果を基にして、前記混合物の中である種の還元反応が起こったことで恐らくはイソブテンが生じたと仮定し、それを反応から除去する。図1AにサンプルA−Dが示した粒径分布を示す。サンプルAおよびBの触媒は両方ともが狭い粒子分布を示す。サンプルBの触媒が示した平均粒径の方がサンプルAのそれよりも若干大きい。塩化t−ブチルを用いて生じさせた触媒サンプルCおよびDはより幅広い二頂分布を示す。
比較実施例4A
塩化t−ブチルの代わりに第一級塩化物である塩化n−ブチルをフラスコに加えて塩化n−ブチル/BEMのモル比が約16:1(BEMに対して16当量)の溶液を生じさせる以外は比較実施例2Aの手順に従った。不幸なことに、塩化n−ブチルを用いると50℃に24時間加熱した後でも[Ti(OiPr)3ClMg(OR)2]nの沈澱を起こさせることができなかった。このような観察は塩素置換機構に安定なカルボカチオン種が必要な解離除去(dissociative elimination)(E1)段階が関与することを示唆すると仮定する。
比較実施例5A
触媒サンプルKの調製を下記の如く行った:滴下漏斗と隔膜と凝縮器を取り付けておいた500mLの3つ口丸底フラスコにBEM含有量が15.6重量%のヘプタン溶液(8.85g、12.5ミリモル)およびヘキサン100mLを仕込んだ。次に、前記BEM含有溶液に2−エチルヘキサノール3.31g(25ミリモル)をゆっくり加えた後、この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次に、前記混合物にClTi(OiPr)39.69g(12.5ミリモル)をゆっくり加えた後、この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次に、前記溶液に塩化ベンゾイル(PhCOCl)をPhCOClのBEMに対するモル比が約10:1(BEMに対して10当量)になるように17.6g(125ミリモル)加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌することでMgCl2沈澱物を生じさせた。この白色沈澱物を沈降させた後、その上澄み液をデカンテーションで除去した。その沈澱物を100mLのヘキサンで3回洗浄した。その後、この沈澱物にヘキサンを100mL加えた後、その溶液にTiCl4(4.25g、25ミリモル)をゆっくり添加した。その結果として生じたスラリーを室温で1時間撹拌した。黄色がかった固体を沈降させた後、黄色の上澄み液をデカンテーションで除去した。この触媒を50mLのヘキサンで3回洗浄した。
【0110】
注目すべきは、PhCOClを用いて担体であるMgCl2を生じさせる反応では、塩化t−ブチルとの反応の場合のような加熱を行う必要がなかった。また、図3に示すように、PhCOClを用いて生じさせた触媒サンプルKが示した粒径分布も触媒サンプルAおよびBが示した粒径分布に匹敵していた。
比較実施例6A−11A
各場合ともPhCOClの量をBEMに対するモル当量が1.2から7.2の範囲になるように変える以外は実施例4Aの手順に従うことで更に6種類のサンプル(サンプルE−J)を調製した。
【0111】
図4に、比較実施例5A−11Aの場合の触媒の収率をPhCOCl使用量の関数として示す。触媒の収率はPhCOCl濃度を高くするにつれて最初は高くなった後、約7.0の当量の時に一定になり、約1.7gの最大収率に到達した。以下の表2Aに、比較実施例5A−11Aで生じさせた触媒の組成を示す。
【0112】
【表7】
【0113】
表2Aに示すように、チタン含有量はPhCOCl濃度が6.0当量になるまではそれの濃度を高くするにつれて低下しそして当量をより高くしても一定のままであった。触媒サンプルH−KのTi含有量は触媒サンプルBのそれと同様であったが、触媒サンプルAのそれよりも低かった。このようなチタン量低下の可能な説明は、ベンゾイルエステル生成物または未反応のPhCOClが関与している可能性があると言った説明である。NMRおよびGCMS分析で塩素化反応の主副生成物は安息香酸2−エチルヘキシルおよび安息香酸イソプロピルであることを確認した。そのようなエステルおよび未反応のPhCOClは全部ルイス塩基であり、これらは電子不足のチタンもしくはマグネシウムと錯体を形成し得る。そのような錯体の形成によってチタンが担体からより多い量で抽出されるであろうと考えている。また、担体であるMgCl2との錯体形成によって次のチタン化でTiCl4が起こすエピタキシャル置換が邪魔されるであろうとも考えている。PhCOClの当量が7当量を超えるとチタン濃度が一定になることは興味の持たれることである。この値はClTi(OiPr)3およびMg(OR)2の全部が塩素化されたことに相当する。PhCOClの量がそのような量を超えると、また、エステルの量も一定になり、このことは、そのエステルが最終触媒中のチタン量を決める点で重要な役割を果たしていることを示唆している。
【0114】
PhCOClをいろいろな濃度で用いて生じさせた触媒サンプルE−HおよびI−Kが示した粒径分布をそれぞれ図5および6に示す。PhCOClの濃度を最も低くして(BEMに対して1.2当量にして)生じさせたサンプルEは幅広い二頂分布を示した。PhCOClの濃度を高くするとより狭い一頂分布を示す触媒がもたらされ、従って触媒の形態が向上した。その上、図7に示すように、PhCOClの濃度を高くすると平均粒径(D50)も若干小さくなった。PhCOClとエステル生成物の両方ともが生じさせる担体であるMgCl2上の飽和状態ではないマグネシウム部位と錯体を形成し得ると仮定する。この上に記述したように、そのようなルイス塩基は生じさせる担体からチタンが抽出されるのを補助する可能性がある。このように、チタン錯体が存在しないようにすることで担体形成の原動力を修正することができると考えている。
比較実施例12A
触媒サンプルLの調製を下記の如く行った:滴下漏斗と隔膜と凝縮器を取り付けておいた250mLの3つ口丸底フラスコにBEM含有量が15.6重量%のヘプタン溶液(4.43g、6.25ミリモル)およびヘキサンを30mL仕込んだ(30mL)。次に、前記BEM含有溶液に2−エチルヘキサノール1.66g(12.5ミリモル)をゆっくり加えた後、この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。その後、前記混合物にClTi(OiPr)3溶液(ヘキサン中1M、4.85g、6.25ミリモル)をゆっくり加えた後、この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次に、前記溶液にクロロメチルエチルエーテル(CMEE)(9.45g、100ミリモル)が入っているヘキサン溶液(25mL)をCMEEのBEMに対するモル比が約8:1(BEMに対して8当量)になるように加えた。この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌すると結果としてMgCl2沈澱物が生じた。この白色沈澱物を沈降させた後、その上澄み液をデカンテーションで除去した。その沈澱物を50mLのヘキサンで3回洗浄した。次に、この沈澱物にヘキサンを30mL加えた後、その溶液にTiCl4(2.13g、125ミリモル)のヘキサン溶液(30mL)をゆっくり添加した。その結果として生じたスラリーを周囲温度で1時間撹拌した。黄色がかった固体を沈降させた後、黄色の上澄み液をデカンテーションで除去した。その後、この触媒を50mLのヘキサンで3回洗浄した。
【0115】
図9に、CMEEが基になった触媒サンプルL、PhCOClが基になった触媒サンプルKおよび触媒サンプルAおよびBが示した粒径分布を示す。前記CMEEが基になった触媒サンプルが示した粒径分布の方がサンプルA、サンプルBおよびPhCOClが基になった触媒サンプルKが示したそれよりも若干広い。前記CMEEが基になった触媒が示した粒径分布には約7ミクロンの所にショルダーが存在する。
比較実施例12A
触媒サンプルAおよびTEAl共触媒の存在下でエチレンを表3Aに挙げた条件下で重合させた。
比較実施例13A
触媒サンプルBおよびTEAl共触媒の存在下でエチレンを表3Aに挙げた条件下で重合させた。
比較実施例14A
塩化t−ブチルを用いて生じさせた触媒サンプルCおよびDを用いてエチレンを表3Aに挙げる条件下で重合させた。図9に、比較実施例14Aそして実施例2Aおよび比較実施例13Aで生じさせた重合体が示した綿毛物粒径分布を示す。触媒サンプルCおよびDを用いた時に得た粒径分布は非常に広い。それとは対照的に、触媒サンプルAおよびBを用いた時に得た分布は相対的に狭い。サンプルCおよびDを用いた時に得た綿毛物に含まれる微細物の方がサンプルAおよびBを用いた時に得た綿毛物に含まれるそれよりも多かった。また、サンプルCおよびDを用いた時に得た綿毛物が示したかさ密度も相対的に低かった。
【0116】
【表8】
【0117】
以下の表4Aに、触媒サンプルA、B、CおよびDを用いて生じさせた重合体樹脂が示した特性を示す。
【0118】
【表9】
【0119】
各触媒サンプルが示した活性(マグネシウムが基準)の測定では、最初に当該触媒およびそれを用いて生じさせた重合体を酸に溶解させて残存するMgを抽出することで測定を実施した。残存Mg含有量を基にして触媒活性を決定した。表4Aに示すように、触媒サンプルCが示したMg基準活性の方が触媒サンプルAが示したそれよりも若干低くかつ触媒サンプルBが示したそれよりも高かった。触媒サンプルDが示した活性の方が触媒サンプルAおよびBが示した活性よりも高かった。これらの触媒サンプルを用いて生じさせた重合体が示すせん断反応(shear response)の計算では、高荷重のメルト
インデックス(HLMI)のメルトインデックスに対する比率を確認することで計算を行った。触媒サンプルCおよびDを用いて生じさせた重合体が示したせん断反応はサンプルBを用いて生じさせた重合体が示したせん断反応に類似していたが、サンプルAを用いて生じさせた重合体が示したせん断反応よりも若干低かった。生じたワックスの量は全ての重合体で匹敵していた。
比較実施例15A
塩化ベンゾイルを用いて生じさせた触媒サンプルE−Kを用いてエチレンを表3Aに挙げる条件下で重合させた。図10Aに、この実施例(サンプルG−K)で生じさせた重合体が示した綿毛物粒径分布を示す。PhPOClが基になった樹脂が示した平均粒径(D50)はサンプルAおよびサンプルBの樹脂が示したそれに比べて大きかった。
【0120】
以下の表5Aに、PhPOCl触媒サンプルの形態とこのPhPOCl触媒サンプルを用いて生じさせた重合体が示した形態の比較を示す。
【0121】
【表10】
【0122】
複製理論を基にして、重合体の形態は触媒の形態と関連している可能性がある。しかしながら、サンプルF−Kの場合には重合体の形態が触媒の形態に対応しない(即ち比例しない)と思われる一方、サンプルAおよびBの場合には対応するように思われる。
【0123】
以下の表6Aに、PhPOCl触媒サンプル(サンプルE−K)および触媒サンプルAおよびBを用いて生じさせた重合体が示した特性を示す。
【0124】
【表11】
【0125】
サンプルE−Kが示したMg基準活性の方がサンプルAおよびBが示した活性よりも高い。活性はサンプルK(PhPOClの当量は10である)を除いて一般にPhPOClの当量を高くするにつれて低下した。サンプルE−Kの重合体の密度はサンプルAおよびBの重合体の密度と同様であった。サンプルE−Kの重合体およびサンプルAの重合体が示したメルトフロー率(即ちメルトインデックス)の方がサンプルBの重合体が示したそれよりも高かった。サンプルE−Kの重合体が示したせん断反応はサンプルBの重合体が示したそれと同様であったが、サンプルAの重合体が示したそれよりも若干低かった。生じたワックスの量は全ての重合体で匹敵していた。
比較実施例16A
この上に記述したように、MgCl2沈澱物をヘキサンで洗浄することで、PhCOClが基になった触媒サンプルI(本明細書では以降「サンプルI1」と識別)を調製した。この実施例では、サンプルI1から洗浄段階を省いて同じ様式で生じさせた別の触媒サンプルI2と触媒サンプルI1を比較する。そのように洗浄段階をなくすと触媒製造における時間が有意に短縮されかつ費用も低くなる可能性があると考えている。以下の表7Aに、サンプルI1とサンプルI2の触媒組成を示す。
【0126】
【表12】
【0127】
洗浄段階をなくすと結果としてチタン濃度が約30%低くなった。洗浄した触媒サンプルI1の外観の色は明黄色であった。また、洗浄していない触媒サンプルI2でもTiCl4を添加している間の色は黄色であることは明らかであった。しかしながら、TiCl4を母液と接触させると直ちに無色になった。エステルとTiCl4の錯体は黄色をもたらし得るがTiCl4がPhCOClと反応すると無色の化合物が生じ得ると仮定する。このような観察は、チタンの濃度がPhCOClの量に依存すると言ったこの上で行った考察を裏付けている。余分なPhCOClおよびエステルを除去しておかないとそれらはTiCl2および担体表面の両方と一緒に錯体を形成することでチタンが担体表面に付着しなくなると考えている。
【0128】
図11に示すように、サンプルI1およびサンプルI2が示した粒径分布はほとんど同じであった。従って、触媒の粒径分布は洗浄段階の影響を受けなかった。このような観察はあまり驚くべきことではない、と言うのは、洗浄段階を実施したのは担体であるMgCl2を生じさせた後であったからである。サンプルI1およびサンプルI2の両方を用いてエチレンを重合させた。以下の表8Aに、サンプルI1およびサンプルI2の触媒形態および重合体形態を示す。
【0129】
【表13】
【0130】
表8Aは、更に、粒径分布が洗浄段階の影響を受けないと言った結論を裏付けている。洗浄段階をなくすと重合体に含まれる生じた微細物の数が有意に多くなった。このように微細物が多くなった理由は生産性が低くなったことによる可能性がある。触媒サンプルI1およびサンプルI2を用いて生じさせた重合体の特性を以下の表9Aに示す。
【0131】
【表14】
【0132】
表9Aに示すように、洗浄を受けさせなかった触媒が示した重合活性は洗浄を受けさせた触媒が示したそれのほぼ半分であった。2種類の重合体が示した密度はほとんど同じであった。しかしながら、せん断反応データは、洗浄を受けさせなかった触媒を用いた時の分子量分布の方が洗浄を受けさせた触媒のそれよりも狭いことを示している。触媒の中にPhCOClおよびエステルが存在しているとその触媒の中の活性部位の分布に影響が生じると考えている。
比較実施例17A
また、BEM濃度が触媒の特性に対して示す影響も研究した。100mLのヘキサンで希釈しておいたBEM溶液を用いてPhCOClが基になった1番目の触媒サンプル(サンプルL)を調製した。比較の目的で、20mLのヘキサンで希釈しておいたBEM溶液を用いてPhCOClが基になった2番目の触媒サンプル(サンプルM)を調製した。図12に、触媒サンプルLおよびMが示した触媒粒径分布を示す。両方の触媒とも分布は非常に類似している。触媒サンプルLおよびMそしてそれらを用いて生じさせた重合体の組成および特性をそれぞれ以下の表10Aおよび11Aに示す。
【0133】
【表15】
【0134】
【表16】
【0135】
表10Aおよび11Aは、触媒の組成および重合体の特性はBEMの濃度の影響を本質的に受けないことを示している。
【0136】
結論として、アルキルクロライド、例えば塩化n−ブチル、塩化t−ブチルおよびクロロメチルエチルエーテルなどを用いて新規な触媒を合成した。塩化ベンゾイルおよびクロロメチルエチルエーテルを用いると満足される粒径分布を示す触媒が生じる一方、塩化t−ブチルを用いると結果として二頂分布がもたらされ、そして塩化n−ブチルを用いるとMgCl2を生じさせることができなかった。マグネシウムアルコキサイド付加体に添加する塩化ベンゾイルの量を変えることで触媒調製を最適にした。期待したように、触媒の収率は塩化ベンゾイルの量を多くするにつれて高くなりそしてBEMを基準にした塩化ベンゾイルの当量がほぼ7当量になった時点で飽和状態になった。触媒の粒径分布は塩化ベンゾイルの量を多くするにつれて狭くなった。
【0137】
また、担体を生じさせた後に行う洗浄段階をなくした時の影響を観察する実験も実施した。洗浄を受けさせなかった触媒サンプルは洗浄を受けさせたサンプルに比べて示した活性が低くかつせん断反応も低かった。また、BEM濃度が触媒特性に対して示す影響も調査した。粒径分布も触媒組成も重合体特性もBEMの濃度の影響を受けなかった。
【0138】
本発明の態様を示しかつ説明してきたが、本分野の技術者は本発明の精神および教示から逸脱しない限りそれの修飾を行うことができる。本明細書に記述した態様は単に例示であり、限定を意図したものでない。化学的機構または理論を開示する場合、それは情報および考えを基に示すものであり、必ずしもそれによって範囲を限定することを意図するものでない。本明細書に開示した発明のいろいろな変形および修飾が可能であり、それらも本発明の範囲内である。従って、保護の範囲をこの上に挙げた説明で限定するものでなく、限定するのは本請求の範囲のみであるが、その範囲には本請求の範囲の主題事項のあらゆる均当物が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】図1に、本発明の触媒(実施例1)を用いて生じさせた重合体および通常の触媒(比較実施例4)を用いて生じさせた重合体が示した沈降効率曲線(settling efficiency)を示す。
【図2】図2に、比較実施例1A−2Aおよび実施例1A−2Aに記述した触媒が示した粒径分布を示す。
【図3】図3に、比較実施例1A−2Aおよび実施例4Aに記述した触媒が示した粒径分布を示す。
【図4】図4に、実施例4A−10Aの場合の触媒の収率をPhCOCl使用量の関数として示す。
【図5】図5に、実施例4A−10Aで生じさせた触媒が示した粒径分布を示す。
【図6】図6に、実施例4A−10Aで生じさせた触媒が示した粒径分布を示す。
【図7】図7に、実施例4A−10Aの場合の平均触媒粒径(D50)をPhCOCl使用量の関数として示す。
【図8】図8に、比較実施例1A−2Aおよび実施例4Aおよび11Aに記述した触媒が示した粒径分布を示す。
【図9】図9に、比較実施例3A−4Aおよび実施例12Aに記述した重合体樹脂が示した綿毛物粒径分布を示す。
【図10】図10に、比較実施例3A−4Aおよび実施例13Aに記述した重合体樹脂が示した綿毛物粒径分布を示す。
【図11】図11に、実施例14Aに記述した触媒が示した粒径分布を示す。
【図12】図12に、実施例15Aに記述した触媒が示した粒径分布を示す。
Claims (41)
- 下記(a)〜(d)の工程を含むことを特長とするポリオレフィン製造用の触媒成分Dの製造方法:
(a)マグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式:ClTiR'''x[式中、R'''は炭素原子数が2〜6のヒドロカルビル部分であり、xはTiの原子価−1である]で表されるハロゲン化剤と接触させて反応生成物Aを作り、
(b)反応生成物Aを、2種類の四置換チタン化合物[4個の置換基の全部が同じでありかつ置換基がハロゲン化物または炭素原子数が2〜10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである]の混合物またはハロゲン化チタンと有機チタネートの混合物から成る1番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Bを作り、
(c)反応生成物Bを四塩化チタンを含む2番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Cを作り、
(d)反応生成物Cを四塩化チタンを含む3番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて触媒成分Dとする。 - 前記ハロゲン化剤がClTi(OiPr)3である請求項1記載の方法。
- 前記1番目のハロゲン化/チタン化剤がTiCl4/Ti(OBu)4が0.5:1から6:1の範囲内のTiCl4とTi(OBu)4の混合物である請求項1記載の方法。
- 段階(c)および(d)の各々に含めるマグネシウムに対する四塩化チタンの比率を0.1から5の範囲にする請求項1記載の方法。
- 反応生成物A、BおよびCに次のハロゲン化/チタン化段階を受けさせる前に炭化水素溶媒による洗浄を受けさせておく請求項1記載の方法。
- 反応生成物A、BおよびCに炭化水素溶媒による洗浄を次のハロゲン化/チタン化段階を受けさせる前のチタン種[Ti]含有量が100ミリモル/L未満になるまで受けさせる請求項5記載の方法。
- 反応生成物Dに炭化水素溶媒による洗浄をチタン種[Ti]含有量が20ミリモル/L未満になるまで受けさせる請求項1記載の方法。
- 段階(a)、(b)、(c)または(d)の中のいずれか1つ以上の段階で電子供与体を存在させそして電子供与体と金属の比率を0:1から10:1の範囲内にする請求項1記載の方法。
- 上記触媒成分を不活性な担体上に配置させる段階をさらに含む請求項1記載の方法。
- 不活性な担体がマグネシウム化合物である請求項9記載の方法。
- 触媒成分Dを有機金属の予活性化剤と接触させて予活性化した触媒系にする段階(e)をさらに含む請求項1記載の方法。
- 下記(i)〜(iv)の段階を含む方法で作られた触媒成分Dを有機金属の予活性化剤と接触させる工程(a)を含む方法で作られたポリオレフィン製造用の触媒:
(i)マグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式:ClTiR'''x[式中、R'''は炭素原子数が2〜6のヒドロカルビル部分であり、xはTiの原子価−1である]で表されるハロゲン化剤と接触させて反応生成物Aを作り、
(ii)反応生成物Aを、2種類の四置換チタン化合物[4個の置換基の全部が同じでありかつ置換基がハロゲン化物または炭素原子数が2〜10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである]の混合物またはハロゲン化チタンと有機チタネートの混合物から成る1番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Bを作り、
(iii)反応生成物Bを四塩化チタンを含む2番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Cを作り、
(iv)反応生成物Cを四塩化チタンを含む3番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて触媒成分Dとする。 - 有機金属の予活性化剤が式AlR3[式中、Rは炭素原子数が1〜8のアルキルまたはハライドで、各Rは同じまたは異なってもよい]で表されるアルミニウムアルキルである請求項12記載の触媒。
- 有機金属の予活性化剤がトリアルキルアルミニウムである請求項13記載の触媒。
- アルミニウム対チタンの比率が0.1:1から2:1の範囲内である請求項13記載の触媒。
- 反応生成物A、BおよびCに次のハロゲン化/チタン化段階を受けさせる前に炭化水素溶媒による洗浄を受けさせておいたものである請求項12記載の触媒。
- 触媒成分Dに炭化水素溶媒による洗浄をチタン種[Ti]含有量が20ミリモル/L未満になるまで受けさせたものである請求項12記載の触媒。
- 下記の(a)と(b)の工程を含むオレフィンの重合方法:
(a)下記(i)〜(iv)の段階を含む方法で作られた触媒成分の存在下で1種または複数のオレフィン単量体を重合条件下で接触させ:
(i)マグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式:ClTiR'''x[式中、R'''は炭素原子数が2〜6のヒドロカルビル部分であり、xはTiの原子価−1である]で表されるハロゲン化剤と接触させて反応生成物Aを作り、
(ii)反応生成物Aを、2種類の四置換チタン化合物[4個の置換基の全部が同じでありかつ置換基がハロゲン化物または炭素原子数が2〜10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである]の混合物またはハロゲン化チタンと有機チタネートの混合物から成る1番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Bを作り、
(iii)反応生成物Bを四塩化チタンを含む2番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Cを作り、
(iv)反応生成物Cを四塩化チタンを含む3番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて上記触媒成分を作り、
(ただし、反応生成物A、BおよびCの少なくとも1つに次のハロゲン化/チタン化段階を受けさせる前に炭化水素溶媒による洗浄を受けさせておき、かつ、反応生成物Dに炭化水素溶媒による洗浄をチタン種[Ti]含有量が100ミリモル/L未満になるまで受けさせる)
(b)ポリオレフィン重合体を取り出す。 - 前記重合体が示す分子量分布が少なくとも4.0である請求項18に記載の方法。
- 前記重合体が示すかさ密度が少なくとも0.31g/ccである請求項18に記載の方法。
- 下記(a)〜(e)の工程を含むことを特長とするポリオレフィン製造用の触媒の製造方法:
(a)マグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式:ClTiR'''x[式中、R'''は炭素原子数が2〜6のヒドロカルビル部分であり、xはTiの原子価−1である]で表されるハロゲン化剤と接触させて反応生成物Aを作り、
(b)反応生成物Aを、2種類の四置換チタン化合物[4個の置換基の全部が同じでありかつ置換基がハロゲン化物または炭素原子数が2〜10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである]の混合物またはハロゲン化チタンと有機チタネートの混合物から成る1番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Bを作り、
(c)反応生成物Bを四塩化チタンを含む2番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Cを作り、
(d)反応生成物Cを四塩化チタンを含む3番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Dを作り、
(e)反応生成物Dを有機金属の予活性化剤と接触させて触媒を作る、
[ここで、前記マグネシウムジアルコキサイド化合物は一般式:MgRR’(式中、RおよびR’は炭素原子数が1−10のアルキル基であり、同一もしくは異なってもよい)で表されるマグネシウムアルキル化合物と、一般式:R''OH[式中、R''は炭素原子数が2−20のアルキル基である]で表される直鎖もしくは分枝アルコールと、式:AlR'''3(式中、少なくとも1個のR'''は炭素原子数が1−8のアルキルもしくはアルコキサイドまたはハライドであり、各R'''は同一もしくは異なってもよい)で表されるアルミニウムアルキルとの反応の反応生成物であり、前記触媒の平均粒径はマグネシウムアルキルに対するアルミニウムアルキルの比率を高くするにつれて大きくなる] - アルミニウムアルキルのマグネシウムアルキルに対する比率を0.01:1から10:1の範囲内にする請求項21に記載の方法。
- 段階(c)および(d)の各々に四塩化チタンをハロゲン化/チタン化剤として含めそしてマグネシウムに対する四塩化チタンの比率を0.1から5の範囲内にする請求項請求項21に記載の方法記載の方法。
- 前記マグネシウムジアルコキサイド化合物がマグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)である請求項請求項21に記載の方法記載の方法。
- 前記アルキルマグネシウム化合物がジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウムまたはブチルエチルマグネシウムである請求項21に記載の方法。
- 前記アルコールをエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2−メチル−ペンタノールおよび2−エチルヘキサノールから成る群から選択する請求項21に記載の方法。
- 前記有機金属の予活性化剤がアルミニウムアルキルから成る請求項21に記載の方法。
- 前記1番目のハロゲン化/チタン化剤がTiCl4/Ti(OBu)4が0.5:1から6:1の範囲内のTiCl4とTi(OBu)4の混合物である請求項21に記載の方法。
- 段階(a)(b)および(c)の反応に電子供与体をさらに含める請求項21に記載の方法。
- 前記電子供与体とマグネシウムの比率を0:1から10:1の範囲内にする請求項21に記載の方法。
- 前記電子供与体がエーテルである請求項29に記載の方法。
- 前記ハロゲン化剤がClTi(OiPr)3である請求項21に記載の方法。
- 反応生成物A、B、CおよびDの中の少なくとも1つに炭化水素溶媒による洗浄をチタン種[Ti]含有量が100ミリモル/L未満になるまで受けさせる請求項21に記載の方法。
- 段階(a)、(b)、(c)または(d)のいずれか1つ以上の段階に電子供与体を存在させ、電子供与体と金属の比率を0:1から10:1の範囲内にする請求項21に記載の方法。
- 上記触媒を不活性な担体上に配置させる工程をさらに含む請求項21に記載の方法。
- 不活性な担体がマグネシウム化合物である請求項35記載の方法。
- 下記(i)〜(iv)の段階を含む方法で作られた触媒成分Dを有機金属の予活性化剤と接触させる工程(a)を含む方法で作られたポリオレフィン製造用の触媒:
(i)一般式:Mg(OR”)2[式中、R”は炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表されるマグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式:ClTiR'''x[式中、R'''は炭素原子数が2〜6のヒドロカルビル部分であり、xはTiの原子価−1である]で表される、ハロゲン化剤1個のハロゲンを1個のアルコキサイドと交換する能力を有するハロゲン化剤と接触させて反応生成物Aを作り、
(ii)反応生成物Aを、2種類の四置換チタン化合物[4個の置換基の全部が同じでありかつ置換基がハロゲン化物または炭素原子数が2〜10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである]の混合物またはハロゲン化チタンと有機チタネートの混合物から成る1番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Bを作り、
(iii)反応生成物Bを四塩化チタンを含む2番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Cを作り、
(iv)反応生成物Cを四塩化チタンを含む3番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて触媒成分Dを作る
[ここで、前記マグネシウムジアルコキサイド化合物は一般式:MgRR’(式中、RおよびR’は炭素原子数が1〜10のアルキル基であり、同一もしくは異なってもよい)で表されるマグネシウムアルキル化合物と、一般式:R''OH[式中、R''は炭素原子数が2−20のアルキル基である]で表される直鎖もしくは分枝アルコールと、式:AlR'''3(式中、少なくとも1個のR'''は炭素原子数が1〜8のアルキルもしくはアルコキサイドまたはハライドであり、各R'''は同一もしくは異なってもよい)で表されるアルミニウムアルキルとの反応の反応生成物であり、前記触媒の平均粒径はマグネシウムアルキルに対するアルミニウムアルキルの比率を高くするにつれて大きくなる] - 上記有機金属の予活性化剤が式AlR3(式中、Rは炭素原子数が1〜8のアルキルまたはハライドであり、各Rは同じまたは異なってもよい)で表されるアルミニウムアルキルである請求項37に記載の触媒。
- 上記有機金属の予活性化剤がトリアルキルアルミニウムである請求項37に記載の触媒。
- アルミニウムのチタンに対する比率が0.1:1から2:1の範囲内である請求項37に記載の触媒。
- 下記の(a)と(b)の工程を含むポリオレフィン重合体の粒径を調節する方法:
(a)下記(i)〜(vi)の段階を含む方法で作られた触媒の存在下で1種または複数のオレフィン単量体を重合条件下で接触させ:
(i)一般式:MgRR'(式中、RおよびR’は炭素原子数が1〜10のアルキル基であり、同一もしくは異なってもよい)で表されるマグネシウムアルキル化合物と、一般式:R''OH(式中、R''は炭素原子数が2−20のアルキル基である)で表される直鎖もしくは分枝アルコールと、式:AlR'''3(式中、少なくとも1個のR'''は炭素原子数が1〜8のアルキルもしくはアルコキサイドまたはハライドであり、各R'''は同一もしくは異なってもよい)で表されるアルミニウムアルキルを接触させて、一般式:Mg(OR'')2(式中、R''は炭素原子数が1〜20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである)で表されるマグネシウムジアルコキサイドを作り、
(ii)上記マグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式:ClTiR'''x[式中、R'''は炭素原子数が2〜6のヒドロカルビル部分であり、xはAの原子価−1である]で表されるハロゲン化剤と接触させて反応生成物Aを作り、
(iii)反応生成物Aを、2種類の四置換チタン化合物[4個の置換基の全部が同じでありかつ置換基がハロゲン化物または炭素原子数が2〜10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである]の混合物またはハロゲン化チタンと有機チタネートの混合物から成る1番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Bを作り、
(iv)反応生成物Bを四塩化チタンを含む2番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて反応生成物Cを作り、
(v)反応生成物Cを四塩化チタンを含む3番目のハロゲン化/チタン化剤と接触させて触媒成分を作り、
(vi)上記触媒成分を有機アルミニウム剤と接触させ、
(b)ポリオレフィン重合体を取り出す。
(ここで、上記ポリオレフィンの平均粒径は段階(i)で用いるマグネシウムアルキルに対するアルミニウムアルキルの比率を高くするにつれて大きくなる)
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