JP4001477B2 - ポリオレフィンのmwdを調整するチーグラー・ナッタ触媒、製造方法、使用方法そしてそれを用いて製造したポリオレフィン - Google Patents
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Description
【関連出願参照】
本出願は、1997年1月28日付けで提出した表題が「Ziegler−Natta Catalysts for Olefin Polymerization」の米国特許出願連続番号08/789,862(引用することによって本明細書に組み入れられる)の一部継続出願である。
【0002】
【発明の背景】
1. 発明の分野
本発明は触媒、触媒の製造方法、触媒の使用方法、重合方法そして前記触媒を用いて製造した重合体に関する。本発明は、別の面において、ポリオレフィン用触媒、前記触媒の製造方法、前記触媒の使用方法、ポリオレフィンの重合およびポリオレフィンに関する。本発明は、更に別の面において、チーグラー・ナッタ触媒、前記触媒の製造方法、前記触媒の使用方法、ポリオレフィンの重合およびポリオレフィンに関する。
2. 関連技術の説明
1950年代の初頭頃からチーグラー(Ziegler)型のポリオレフィン用触媒、その一般的製造方法そしてその後の使用が重合技術で良く知られるようになってきた。
【0003】
しかしながら、チーグラー型触媒について多くの事が知られるようになってきたが、それらを用いた時の重合体の収率、触媒寿命、触媒活性および特定の特性を有するポリオレフィンを製造する能力を向上させることに関する研究が継続して行われている。
【0004】
1981年3月10日付けでKimura他に発行された米国特許第4,255,544号には、(A)マグネシウム化合物とハロゲン化チタンの反応生成物と(B)有機アルミニウム化合物を含んで成る触媒を用いてエチレンを重合させる方法が開示されており、そこでは、成分Aの調製を、マグネシウムジアルコキサイドとハロゲン含有ケイ素化合物とアルコールを反応させて固体状の物性を生成させた後に前記固体状の物質をアルコキシ含有ケイ素化合物の存在下でハロゲン化チタンと反応させることで行っている。
【0005】
1990年4月3日付けでJob他に発行された米国特許第4,914,069号には、向上した活性と選択性を示すオレフィン重合用触媒成分の調製が開示されており、そこでは、前記触媒成分の調製を、(a)アリールオキシ、アルキル、カーボネートまたはアルキルオキシ基を少なくとも1個含むマグネシウム化合物のハロゲン化を1番目の四価チタンハロゲン化物と1番目の電子供与体を用いて行い、(b)その結果得られた生成物を2番目の四価チタンハロゲン化物に接触させそして(c)その結果処理されたハロゲン化生成物を不活性な炭化水素液で洗浄することにより行っている。このような方法では、2番目の電子供与体を工程(a)または(b)で用いており、そして工程(b)の生成物を工程(b2)で3番目の四価チタンハロゲン化物に40℃から140℃の温度で接触させた後、そのように処理された生成物を工程(c)で洗浄している。
【0006】
1992年10月13日付けでShellyに発行された米国特許第5,155,187号には、一般にケイ素含有化合物とジアルキルマグネシウムとアルコールとハライド含有金属化合物とアルミニウムアルコキサイド、及び2番目のハライド含有金属化合物の反応生成物である触媒を用いた重合方法が開示されている。
【0007】
1997年3月11日付けでBuehler他に発行された米国特許第5,610,246号には、シリカに担持された触媒を用いてプロピレンを重合させる方法が開示されている。前記触媒は、シリカを任意順で(1)炭化水素に可溶な少なくとも1種のマグネシウム含有化合物および(2)ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化アルミニウムおよびそれらの混合物から成る群から選択される1番目の変性用化合物に接触させた後に2番目の特定変性用化合物に接触させて得られる生成物を含んで成る。
【0008】
1997年5月20日付けでZandonaに発行された米国特許第5,631,334号には、少なくとも1種のオレフィンの(共)重合用触媒固体(catalytic solid)を製造する方法が開示されており、この方法は、マグネシウムと少なくとも1種の遷移金属を共沈させることを含んで成る。
【0009】
しかしながら、従来技術にそのような進展があったにも拘らず、そのような従来技術の文献のいずれにも、予備活性化された(preactivated)ポリオレフィン用触媒に熱処理を行うことは開示も示唆も成されていない。
【0010】
更に、そのような従来技術の文献のいずれにも、予備活性化されたポリオレフィン用触媒に熱処理を行うと重合体の分子量分布(「MWD」)に何らかの影響が生じるであろうことは開示も示唆も成されていない。
【0011】
このように、本技術分野ではポリオレフィン用触媒が求められている。
【0012】
本技術分野では、更に、ポリオレフィン用触媒の製造方法も求められている。
【0013】
本技術分野では、更にその上、オレフィンを重合させる方法も求められている。
【0014】
本技術分野では、更にその上、種々のMWDを示すポリオレフィンが求められている。
【0015】
本技術分野では、更にその上、種々のMWDを示すポリオレフィンを製造し得ることに加えてまた高い活性を示しかつ優れた綿毛形態を有するポリオレフィン用触媒が求められている。
【0016】
本技術分野では、更にその上、用いるポリオレフィン用触媒に予備活性化され、かつ熱処理を行うことでポリオレフィンのMWDに影響を与える方法が求められている。
【0017】
本図を包含する本明細書および請求の範囲を再吟味することで本技術分野における前記および他の要求が本分野の技術者に明らかになるであろう。
【0018】
【発明の要約】
本発明の1つの目的は、ポリオレフィン用触媒を提供することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、ポリオレフィン用触媒を調製する方法を提供することにある。
【0020】
本発明の更に別の目的は、オレフィンを重合させる方法を提供することにある。
【0021】
本発明の更に別の目的は、種々のMWDを示すポリオレフィンを提供することにある。
【0022】
本発明の更に別の目的は、種々のMWDを示すポリオレフィンを生成し得ると共にまた高い活性を示しかつ優れた綿毛形態を有するポリオレフィン用触媒を提供することにある。
【0023】
本発明の更に別の目的は、予備活性化されたポリオレフィン用触媒を熱処理して使用し、ポリオレフィンのMWDに影響を与える方法を提供することにある。
【0024】
本発明の1つの態様に従い、ポリオレフィン用触媒が提供される。この触媒は、a)一般式MgRR’で表されるジアルキルマグネシウムと一般式R”OHで表されるアルコールを含んで成る反応生成物として一般式Mg(OR”)2で表される可溶マグネシウムジアルコキサイドを合成し[ここで、R、R’およびR”は、各々、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルであるが、R、R’およびR”のいずれか2つ以上は同一或は異なっていてもよい]、b)前記マグネシウムジアルコキサイド化合物を1個のハロゲンを1個のアルコキサイドと交換し得る穏やかなハロゲン化剤(halogenating agent)に接触させて反応生成物「A」を生成させ、c)反応生成物「A」を1番目のハロゲン化/チタン化剤(halogenating/titanating agent)に接触させて反応生成物「B」を生成させ、d)反応生成物「B」をより強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物「C」を生成させ、e)反応生成物「C」を予備活性化剤である有機アルミニウム(organoaluminum preactivating agent)に接触させて予備活性化された触媒を生成させそしてf)前記予備活性化された触媒を加熱する工程を含んで成る方法で製造する。前記予備活性化された触媒を工程f)で約90℃から約150℃の範囲の温度に約30分から約24時間の範囲の時間加熱する。
【0025】
本発明の別の態様ではポリオレフィン重合体を提供する。この重合体は、本発明の触媒の存在下で1種以上のα−オレフィン単量体を共に重合条件下で接触させることを含んで成る方法で製造する。一般に、前記単量体はエチレン単量体でありそして前記重合体はポリエチレン重合体である。
【0026】
本発明の更に別の態様では本発明のポリオレフィン用触媒と不活性支持体を含んで成る触媒系を提供する。前記不活性支持体は一般にマグネシウム化合物である。
【0027】
本発明の更に別の態様では触媒を製造する方法を提供する。この方法は、一般に、a)一般式MgRR’で表されるジアルキルマグネシウムと一般式R”OHで表されるアルコールを含んで成る反応生成物としての一般式Mg(OR”)2で表される可溶マグネシウムジアルコキサイドを合成し[ここで、R、R’およびR”は、各々、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルであるが、R、R’およびR”のいずれか2つ以上は同一か或は異なっていてもよい]、b)前記マグネシウムジアルコキサイド化合物を1個のハロゲンを1個のアルコキサイドと交換し得る穏やかなハロゲン化剤に接触させて反応生成物「A」を生成させ、c)反応生成物「A」を1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物「B」を生成させ、d)反応生成物「B」をより強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物「C」を生成させ、e)反応生成物「C」を予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させそしてf)前記予備活性化された触媒を加熱する工程を含んで成る。前記予備活性化された触媒を工程f)で約90℃から約150℃の範囲の温度に約30分から約24時間の範囲の時間加熱する。
【0028】
本発明の更に別の態様ではα−オレフィンの重合方法を提供する。この方法は、一般に、a)1種以上のα−オレフィン単量体を触媒の存在下で共に重合条件下で接触させそしてb)ポリオレフィン重合体を抽出する工程を含んで成る。好適には、前記単量体はエチレン単量体でありそして前記重合体はポリエチレンである。この方法で用いる触媒は、(i)一般式MgRR’で表されるジアルキルマグネシウムと一般式R”OHで表されるアルコールから一般式Mg(OR”)2で表されるマグネシウムジアルコキサイドを合成し[ここで、R、R’およびR”は、各々、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルであるが、R、R’およびR”のいずれか2つは同一か或は異なっていてもよい]、(ii)前記マグネシウムジアルコキサイド化合物を1個のハロゲンを1個のアルコキサイドと交換し得る穏やかなハロゲン化剤に接触させて反応生成物「A」を生成させ、(iii)反応生成物「A」を1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物「B」を生成させ、(iv)反応生成物「B」をより強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物「C」を生成させ、(v)反応生成物「C」を予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させそして(vi)前記予備活性化された触媒を加熱する工程で製造する。
【0029】
本図を包含する本明細書および請求の範囲を再吟味することで本発明の前記および他の目的が本分野の技術者に明らかになるであろう。
【0030】
【発明の詳細な記述】
触媒成分を生成させる本発明の方法は、一般に、ジアルキル金属とアルコールから金属のジアルコキサイドを生成させ、この金属ジアルコキサイドをハロゲン化し、ハロゲン化/チタン化を1工程以上で行って触媒成分を生成させ、前記触媒成分に予備活性化剤、例えば有機アルミニウムなどによる処理を行って予備活性化された触媒を生成させそして前記予備活性化された触媒に熱処理を行う工程を包含する。
【0031】
本発明の方法に関して提唱する機構は一般に下記の通りである:
1. MRR’+2R”OH→M(OR”)2;
2. M(OR”)2+ClAR”’x→「A」;
3. 「A」+TiCl4/Ti(OR””)4→「B」;
4. 「B」+TiCl4→「C」(触媒成分);
5. 「C」+TEAl→予備活性化された触媒;そして
6. 予備活性化をされた触媒の熱処理。
【0032】
前記式中、Mは適切な如何なる金属であってもよく、好適にはIIA族の金属、最も好適にはMgである。前記式中、R、R’、R”、R”’およびR””は、各々独立して、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビル部分であり、RおよびR’は、炭素原子を1から20個、好適には炭素原子を1から10個、より好適には炭素原子を2から6個、更により好適には炭素原子を2から4個有し、R”は一般に炭素原子を3から20個含み、R”’は一般に炭素原子を2−6個含みそしてR””は一般に炭素原子を2−6個含みそしてこれは一般にブチルである。R、R’、R”、R”’およびR””のいずれか2つ以上組み合わされている場合、それらは同じであってもよく、又異なっていてもよい。
【0033】
前記式ClAR”’x中、Aは、好適には、1つのクロライドをアルコキサイドと交換し得る非還元性で親酸素性の(nonreducing oxyphilic)化合物であり、R”’は好適にはアルキルであり、そしてxは、Aの原子価から1を引いた値である。Aの例にはチタン、ケイ素、アルミニウム、炭素、錫およびゲルマニウムが含まれ、その中でチタンが最も好適であり、この場合のxは3である。R”’の例にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどが含まれ、これらの炭素原子数は2−6である。
【0034】
生成物「A」の正確な組成は未知であるが、これは部分的に塩素化された金属化合物を含有すると考えており、そのような化合物の一例はClMg(OR”)であり得る。1番目のハロゲン化/チタン化工程で生成物「B」を生成させるが、この生成物は、恐らくは、塩素化された金属と部分的に塩素化された金属とチタン化合物の錯体であり、これは例えば恐らく(MCl2)y'・(TiClx(OR)4-x)z'で示すことができる。2番目の塩素化/チタン化で生成物「C」を生成させるが、この生成物もまた恐らくは塩素化された金属と部分的に塩素化された金属とチタン化合物の錯体であると思われるが生成物「B」とは異なり、これは恐らく(MCl2)y・(TiClx'(OR)4-x')z'で示すことができる。「生成物C」の塩素化度の方が生成物「B」のそれよりも大きいであろうと予測される。このように塩素化の程度がより大きいと異なる化合物の異なる錯体が生成するであろう。反応生成物に関するそのような記述でそれの化学に関する現時点で最も妥当な説明を提案するが、そのような理論的機構は本請求の範囲に記述する如き発明を限定するものでない。
【0035】
本発明で用いるに適したジアルキル金属およびその結果得られる金属ジアルコキサイドには、本発明で用いた時に適切なポリオレフィン用触媒を生成するであろう如何なるジアルキル金属も金属ジアルコキサイドも含まれる。好適な金属ジアルコキサイドおよびジアルキル金属にはIIA族の金属のジアルコキサイドおよびジアルキルが含まれる。このような金属ジアルコキサイドまたはジアルキル金属は最も好適にはマグネシウムジアルコキサイドまたはジアルキルマグネシウムである。
【0036】
本発明で使用するジアルキルマグネシウム[MgRR’](RおよびR’はこの上に記述した通りである)は如何なるジアルキルマグネシウムであってもよい。勿論、RとR’は同一か或は異なっていてもよい。適切なジアルキルマグネシウムの非制限例にはジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどが含まれる。ブチルエチルマグネシウム(BEM)が好適なジアルキルマグネシウムである。
【0037】
本発明で使用する金属ジアルコキサイドは、好適には、一般式Mg(OR”)2[式中、R”は、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表されるマグネシウム化合物である。このマグネシウムジアルコキサイド化合物は、一般式MgRR’[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なっていてもよく、炭素原子数が1−10のアルキル基である]で表されるマグネシウム化合物と一般式R”OH[式中、R”は、炭素原子数が4−20のアルキル基である]で表される線状もしくは分枝アルコールを反応させて得られる反応生成物である。
【0038】
このような金属ジアルコキサイドは最も好適には可溶性で非還元性である。非還元性化合物は、MgRR’の如き化合物が還元されて生成する不溶性Ti+3種(これは幅広い粒子サイズ分布を示す触媒を生成する傾向がある)ではなくMgCl2を生成すると言った利点を有する。加うるに、Mg(OR”)2はMgRR’に比べて低い反応性を示すことから、穏やかな塩素化剤による塩素化に続いて同時に穏やかな反応体による塩素化/チタン化そしてより強力な反応体による2番目の塩素化/チタン化が緩やかに進行しそして続いて反応が次第に強くなり、その結果、より均一な生成物、即ち触媒粒子がより大きくかつ粒子サイズ分布がより均一な触媒が生成し得る。
【0039】
有用な金属ジアルコキサイドの好適な種の非制限例には、マグネシウムブトキサド、マグネシウムペントキサイド、マグネシウムヘキソキサイド、マグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)、そしてそのような系を可溶にするに適した如何なるアルコキサイドも含まれる。最も好適な金属アルコキサイド種はマグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)である。
【0040】
非制限例として、下記の式:
MgRR’+2R”OH→Mg(OR”)2+RH+R’H
に示すように、アルキルマグネシウム化合物(MgRR’)、例えばブチルエチルマグネシウム(BEM)などとアルコール(ROH)、例えば2−エチルヘキサノールなどを反応させることによりマグネシウムジアルコキサイド、例えばマグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)などを生成させることができる。
【0041】
BEMの場合のRHおよびR’Hはそれぞれブタンおよびエタンである。この反応は室温で起こって反応体が溶液を形成する。2以上の如何なるR基も、同一、或はR基の全部が互いに異なっていてもよい。
【0042】
本発明を実施するに際し、所望の金属ジアルコキサイドを生成する如何なるアルコールも使用可能である。そのようなアルコールは、非制限例として、一般式R”OH[式中、R”は、炭素原子数が4−20のアルキル基である]で表される如何なるアルコールであってもよい。このアルコールは線状または分枝していてもよい。このようなアルコールの非制限例にはブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノールなどが含まれる。好適なアルコールは2−エチルヘキサノールである。
【0043】
このようなアルコールの添加量は一般に約0.5当量から約4当量(全体に亘ってマグネシウムもしくは金属化合物を基準にした当量)の範囲、好適には約1から3当量の範囲である。ほとんど如何なるアルコールも使用可能であると考えてはいるが、分枝度が高い方(higher order branched)のアルコール、例えば2−エチル−1−ヘキサノールなどを用いる方が好適である。使用されるアルコールの炭素原子数は一般に少なくとも3、好適には少なくとも4、より好適には少なくとも5、最も好適には少なくとも6である。
【0044】
アルキル金属化合物は電子不足の結合を有することから非常に会合し易く、その結果、溶液中で非常に高い粘度を示す高分子量種を生成する。個々のアルキル金属分子間の会合を壊すアルキルアルミニウム、例えばトリエチルアルミニウムなどを添加することにより、そのような高い粘度を減少させることができる。アルキルアルミニウムと金属の好適な比率は0.001:1から1:1、より好適には0.01から0.1:1、最も好適には0.03:1から0.05:1である。加うるに、前記アルキル金属の粘度を更に減少させる目的で電子供与体、例えばジイソアミルエーテル(DIAE)などのエーテルを用いることができる。電子供与体と金属の好適な比率は約0:1から約10:1の範囲であり、より好適には約0.1:1から約1:1の範囲である。
【0045】
前記金属アルコキサイドをハロゲン化するハロゲン化工程で用いるに有用な作用剤には、本発明で用いた時に適切なポリオレフィン用触媒を生成するであろう如何なるハロゲン化剤も含まれる。このハロゲン化工程は好適には塩素化工程であり、好適なハロゲン化剤は塩化物である。
【0046】
好適なハロゲン化剤である塩化物(「塩素化剤」)は、好適には、マグネシウムアルコキサイドを部分的に塩素化する一塩化物化合物である。好適な塩素化剤は、一般式ClAR”’xまたはClAOR”’x[式中、Aは、1個のクロライドをアルコキサイドと交換し得る非還元性で親酸素性の化合物であり、R”’はアルキルであり、そしてxは、Aの原子価から1を引いた値である]で表されるものである。Aの例はチタン、ケイ素、アルミニウム、炭素、錫およびゲルマニウムであり、その中でチタンおよびケイ素が最も好適であり、この場合のxは3である。R”’の例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどであり、これらの炭素原子数は2−6である。本発明で用いるに有効な塩素化剤の例はClTi(OiPr)3およびClSi(Me)3である。
【0047】
前記金属アルコキサイド化合物のハロゲン化は一般に不活性雰囲気下の炭化水素溶媒中で実施する。適切な溶媒の非制限例にはトルエン、ヘプタン、ヘキサン、オクタンなどが含まれる。好適な溶媒はヘキサンである。
【0048】
このハロゲン化工程において、金属アルコキサイドとハロゲン化剤のモル比は一般に約6:1から約1:3の範囲、好適には約3:1から約1:2の範囲、より好適には約2:1から約1:2の範囲、最も好適には約1:1の範囲である。
【0049】
このハロゲン化工程は一般に約0℃から約100℃の範囲の温度で約0.5から約24時間の範囲の反応時間で行われる。このハロゲン化工程は好適には約20℃から約90℃の範囲の温度で約1から約4時間の範囲の反応時間で行われる。
【0050】
このハロゲン化工程を実施して前記金属ジアルコキサイドをハロゲン化した後、生成物「A」にハロゲン化/チタン化処理を1回以上行う。
【0051】
この1回以上のハロゲン化/チタン化工程で用いるハロゲン化/チタン化剤は、好適には、四置換チタン化合物(ここで、この4つの置換基は全部同一であってもよくそしてこれらの置換基はハライドまたは炭素原子数が2から10のアルコキサイドまたはフェノキサイドであってもよい)、例えばTiCl4またはTi(OR)4などである。このハロゲン化/チタン化剤は好適には塩素化/チタン化剤である。
【0052】
この好適な塩素化/チタン化剤は単一の化合物または化合物の組み合わせであってもよい。本発明の方法では、1番目の塩素化/チタン化工程の後でも活性を示す触媒が生成するが、しかしながら、塩素化/チタン化を好適には少なくとも2回実施し、これらの工程の各々で異なる化合物または化合物の組み合わせを用いてもよく、この場合、逐次的に行う塩素化/チタン化工程の各々で用いる塩素化/チタン化が逐次的に強くなることを包含する。
【0053】
1番目の塩素化/チタン化剤は好適には穏やかなチタン化剤、例えばハロゲン化チタンと有機チタネートのブレンド物などである。この1番目の塩素化/チタン化剤は、より好適には、TiCl4/Ti(OBu)4が約0.5:1から6:1の範囲、最も好適には約2:1から3:1の範囲のTiCl4とTi(OBu)4のブレンド物である。このようなハロゲン化チタンと有機チタネートのブレンド物は反応してチタンのアルコキシハライド、即ちTi(OR)aXb[ここで、ORおよびXはそれぞれアルコキサイドおよびハライドであり、a+bは、チタンの原子価で、典型的には4であり、そしてaおよびbは両方とも端数(fractional)、例えばa=2.5でb=1.5であってもよい]を生成すると考えている。
【0054】
別法として、1番目の塩素化/チタン化剤は単一の化合物であってもよい。単一化合物としての1番目の塩素化/チタン化剤の例は、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(OC3H7)2Cl2、Ti(OC3H7)3Cl、Ti(OC4H9)Cl3、Ti(OC6H13)2Cl2、Ti(OC2H5)2Br2およびTi(OC12H25)Cl3である。
【0055】
1番目のハロゲン化/チタン化工程を一般に炭化水素溶媒中で実施する。適切な炭化水素溶媒の非制限例にはヘプタン、ヘキサン、トルエン、オクタンなどが含まれる。好適な溶媒はヘキサンである。
【0056】
1番目のハロゲン化/チタン化剤を可溶生成物「A」に添加すると固体状生成物「B」が室温で沈澱して来る。
【0057】
このハロゲン化/チタン化剤の使用量は固体状生成物がその溶液から沈澱して来るに充分な量でなければならない。このハロゲン化/チタン化剤の使用量は、一般的には、金属に対するチタンの比率を基準にして、一般に約0.5から約5の範囲、好適には約1から約4の範囲、最も好適には約1.5から約2.5の範囲である。
【0058】
前記1番目のチタン化工程で沈澱した固体状生成物「B」を、次に、何らかの適切な回収技術を用いて回収した後、炭化水素溶媒で洗浄する。
【0059】
2番目のハロゲン化/チタン化剤として用いるに適した化合物には、前記1番目のハロゲン化/チタン化剤として用いるに適したハロゲン化/チタン化剤が含まれるが、但し、好適には、この2番目のハロゲン化/チタン化剤の方が強力なハロゲン化/チタン化剤である。より強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤は、好適にはハロゲン化チタン、より好適には四塩化チタン[TiCl4]である。
【0060】
2番目のハロゲン化/チタン化工程は、一般的には、前記固体状生成物「B」を炭化水素溶媒に入れてスラリー状にして反応生成物、即ち触媒成分「C」を生成させることにより実施する。前記1番目のハロゲン化/チタン化工程で用いるに適切であるとして挙げた炭化水素溶媒を用いてもよい。一般に使用する四塩化チタンの量は、一般に約0.1から約5当量の範囲、好適には約0.15から約4当量の範囲、最も好適には約0.175から約2.5の範囲である。
【0061】
触媒成分「C」を共触媒成分(「予備活性化剤」)である有機アルミニウムと一緒にすることで、オレフィンの重合で用いるに適切な予備活性化された触媒を生成させる。遷移金属を含有する触媒成分「C」と共に用いる共触媒は、典型的に、Ia、IIaおよびIIIa族の金属の有機金属化合物、例えばアルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハイドライド、アルキルリチウムアルミニウム、アルキル亜鉛、アルキルマグネシウムなどである。
【0062】
このような予備活性化剤は好適には有機アルミニウム化合物である。この予備活性化剤である有機アルミニウムは好適には式AlR^3[式中、R^は、炭素原子数が1−8のアルキルまたはハライドであり、ここで、R^は、同一もしくは異なり、そして少なくとも1個のR^はアルキルである]で表されるアルキルアルミニウムである。この予備活性化剤である有機アルミニウムは、より好適には、トリアルキルアルミニウム、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEAl)およびトリイソブチルアルミニウム(TiBAl)などである。最も好適な予備活性化剤はTEAlである。Alとチタンの比率は0.01:1から2:1の範囲であり、好適には0.25:1から1.2:1である。
【0063】
前記予備活性化された触媒は、次に、約90℃から約150℃の範囲の温度で熱処理を行い、好適には約100℃から約125℃の範囲の温度にする。前記スラリーをそのような高温に約0.5時間から約24時間の範囲の保持時間、好適には約1時間から約4時間の範囲の保持時間の間保持する。その後、最終的な固体状触媒を回収して炭化水素溶媒で洗浄する。
【0064】
場合により電子供与体を前記ハロゲン化剤、穏やかな1番目のハロゲン化/チタン化剤またはより強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤と共に添加してもよい。最も好適には、電子供与体を前記2番目のハロゲン化/チタン化工程で用いる。
【0065】
本ポリオレフィン用触媒の製造で使用する電子供与体は良く知られており、本発明では、適切な触媒を与える適切な如何なる電子供与体も使用可能である。
【0066】
電子供与体は、酸素、窒素、燐または硫黄を含有していて電子対を触媒に供与し得る有機化合物であり、これはまたルイス塩基としても知られる。
【0067】
そのような電子供与体は単官能もしくは多官能化合物であってもよく、有利には脂肪族もしくは芳香族カルボン酸およびそれらのアルキルエステル、脂肪族もしくは環状エーテル類、ケトン類、ビニルエステル類、アクリル誘導体、特にアクリル酸もしくはメタアクリル酸アルキル、およびシラン類の中から選択される。適切な電子供与体の好適な例はフタル酸ジ−n−ブチルである。適切な電子供与体のより好適な例は、一般式RSi(OR’)3[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なっていてもよく、炭素原子数が1−5のアルキルである]で表されるアルキルシリルアルコキサイド、例えばメチルシリルトリエトキサイド[MeSi(OEt3)]である。
【0068】
本発明の触媒系の支持体は、慣用のチーグラー・ナッタ触媒の成分のいずれにも化学的反応性を示さない不活性な固体でなければならない。このような支持体は好適にはマグネシウム化合物である。本触媒成分を支持する目的で用いるべきマグネシウム化合物の例は、ハロゲン化マグネシウム、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライドおよびマグネシウムのカルボン酸塩である。好適なマグネシウム化合物は塩化マグネシウム(MgCl2)である。
【0069】
場合により、そのようなチーグラー・ナッタ触媒を予備重合させ(pre−polymerized)てもよい。予備重合工程は、一般的には、共触媒に接触させた後の触媒を少量の単量体に接触させることにより行う。予備重合工程は米国特許第5,106,804号、5,153,158号および5,594,071号(引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。
【0070】
本触媒は如何なる種類のα−オレフィンのホモ重合でも共重合でも公知の任意方法で使用可能である。本触媒は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン、そして炭素原子数が少なくとも2の他のα−アルケン、そしてまたそれらの混合物に触媒作用を及ぼすに有用である。本発明の触媒は好適にはエチレンを重合させてポリエチレンを製造するのに使用される。
【0071】
本発明の結果得られた触媒は非常に高い活性を示すが、これは少なくとも部分的にはオレフィンの重合条件に依存する。本触媒の活性は、一般に、触媒1g当たり少なくとも6,000gのPEであるが、また、触媒1g当たり100,000gのPEを超える触媒活性も示し得る。
【0072】
本発明の結果得られた触媒は、追加的に、優れた綿毛形態を有する重合体を与える。このように、本発明の触媒は、均一なサイズ分布を示す大きな重合体粒子を与え、極めて小さな微細粒子(約125ミクロン未満)は存在していても僅かな濃度にすぎない。本発明の触媒は高い粉末かさ密度を示す大型の粉末を含有していて移送が容易であることから、これは重合製造工程にそぐう。
【0073】
前記重合工程は塊状、スラリーまたは気相重合であってもよい。本発明の触媒をスラリー相重合で用いるのが好適である。重合条件(例えば温度および圧力)は用いる装置の種類に依存するばかりでなく使用する重合工程の種類にも依存し、これは本技術分野で公知である。温度は例えば約50−200℃の範囲でありそして圧力は約10−800psiの範囲である。
【0074】
オレフィン単量体は希釈剤(これは反応条件下で液状の非反応性伝熱剤である)中において重合反応ゾーンに導入することができる。そのような希釈剤の例はヘキサンおよびイソブタンである。エチレンを別のアルファ−オレフィン、例えばブテンまたはヘキセンなどと共に共重合させる場合には、2番目のアルファ−オレフィンを0.01−20モルパーセント、好適には0.02−10モルパーセントの量で存在させることができる。
【0075】
本重合方法では、本触媒の合成時に内部電子供与体(internal electron donor)を含めそして重合時に本触媒を活性にする目的で外部電子供与体または立体選択性調節剤(stereoselectivity control agent)(SCA)を含めるのが好適であり得る。本触媒の生成反応を行っている時の塩素化工程または塩素化/チタン化工程中に内部電子供与体を用いることができる。慣用の支持型チーグラー・ナッタ触媒成分を生成させるための内部電子供与体として用いるに適した化合物には、エーテル類、ジエーテル類、ケトン類、ラクトン類、N、Pおよび/またはS原子を有する電子供与体化合物、そして特定種のエステル類が含まれる。特にフタル酸エステル、例えばフタル酸ジイソブチル、ジオクチル、ジフェニルおよびベンジルブチルなど、マロン酸エステル、例えばマロン酸ジイソブチルおよびジエチルなど、ピバリン酸アルキルおよびアリール、マレイン酸アルキル、シクロアルキルおよびアリール、アルキルおよびアリールカーボネート類、例えばジイソブチル、エチルフェニルおよびジフェニルカーボネートなど、こはく酸エステル、例えばこはく酸モノおよびジエチルなどが適切である。
【0076】
本発明に従う触媒を生成させる時に用いることができる外部供与体(external donors)には、有機シラン化合物、例えば一般式SiRm(OR’)4-m[式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびビニル基から成る群から選択され、R’はアルキル基であり、そしてmは0−3であり、ここで、RはR’と同一であってもよく、mが0、1または2の時には、R’基は同一または異なっていてもよく、そしてmが2または3の時にはR基は同一もしくは異なっていてもよい]で表されるアルコキシシラン類などが含まれる。
【0077】
本発明の外部供与体は、好適には、下記の式:
【0078】
【化1】
【0079】
[式中、R1およびR4は、共に、ケイ素に結合している一級、二級または三級炭素原子を含むアルキルもしくはシクロアルキル基であり、ここで、R1およびR4は同一或は異なっていてもよく、R2およびR3は、アルキルまたはアリール基である]
で表されるシラン化合物から選択する。R1はメチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはt−ブチルであってもよく、R2およびR3は、メチル、エチル、プロピルまたはブチル基であってもよく、必ずしも同一でなくてもよく、そしてR4もまたメチル、イソプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはt−ブチルであってもよい。具体的な外部供与体はシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CMDS)、ジイソプロピルジメトキシシラン(DIDS)、シクロヘキシルイソプロピルジメトキシシラン(CIDS)、ジシクロペンチルジメトキシシラン(CPDS)またはジ−t−ブチルジメトキシシラン(DTDS)である。
【0080】
上述した触媒を用いて製造したポリエチレンは、少なくとも4.0、好適には少なくとも5.0、より好適には少なくとも6.0、更により好適には少なくとも7.0のMWD(MW/MD)を示すであろう。
【0081】
【実施例】
本発明を一般的に記述してきたが、以下に示す実施例は単に本発明の特定態様を示す目的で与えるものである。本実施例は説明として与えるものであり、決して本明細書も請求の範囲も限定することを意図するものでないと理解する。
触媒調製
この実施例では制御形態ポリエチレン用触媒(controlled−morphology polyethylene catalyst)を説明し、この触媒を用いると、この触媒を用いて得られる重合体の固有分子量分布(MWD)を微調整する(fine tuning)ことができる。このようにMWDを調節することにより、単一の触媒系を用いて多様な品質の重合体を得ることができる、即ち射出成形用重合体(狭いMWD)からインフレーシヨンフィルム用重合体(幅広いMWD)の範囲の用途で用いられる多様な品質の重合体を得ることができる。
【0082】
触媒の調製を下記の如く行った:
工程1
BuEtMg/DIAE/TEAl(1:0.6:0.03)+2−エチルヘキサノール(2.09)によって可溶中間体Aを生成させる。
工程2
中間体+1.0 ClTi(OPr)3によって可溶中間体Bを生成させる。
工程3
中間体B+Ti(OBu)4/TiCl4(2.0:1.0)によって固体状予備触媒を生成させる。
工程4
予備触媒+TiCl4(0.25)+TEAlによって最終触媒を生成させる。
工程5
次に、前記最終触媒を90℃で以下の表1に示す如き時間加熱処理する。
重合
エチレンの重合で用いた反応槽(Engineerオートクレーブ)は容量が4リットルであり、これには、2つの対向ピッチ混合用プロペラ(pitch mixing propellers)が付いている混合用邪魔板が4枚取り付けられている。エチレンと水素をTeledyne−Hastings Raydist質量流量制御装置を経由して反応槽に導入し、この間ドーム充填背圧調節装置(dome loaded back−pressure regulator)で内部の反応圧力を一定に保持する。Barber−Coleman ControllerにつなげたKammer Valveを用いて反応の温度を蒸気および冷水(反応槽のジャケット)で維持する。ヘキサンを希釈剤として用いた。
実験変数:
温度 80℃
反応時間 60分
圧力 125psi
触媒 スラリーを0.2cc(触媒を約10mg)
共触媒 TEAlを0.25ミリモル/L
流量 H2/C2を0.25
【0083】
【表1】
【0084】
触媒溶液のサンプリングを2、4、6および24時間の時に行った。この段階における熱処理によって、表1および図1(TEAlが共触媒)のSR5およびGPCデータが示す如く、触媒の固有MWDが著しく幅広くなる。ここでは、最初の6時間の加熱によりMWDが着実に高くなって行くことが分かる。その時点で幅広くなる度合が横ばいになる(levels out)。このようなデータは、更に、可能性として本触媒の分子量分布を重合体用途を基にして所望値に微調整することができることを示している。最後に、本触媒に熱処理を行っても、それが示す高い活性も優れた綿毛形態も全く失われないことが分かる。
【0085】
本発明の説明的具体例を詳細に記述してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱しない他のいろいろな修飾形が本分野の技術者に明らかになりかつ容易に成され得ることは理解されるであろう。従って、本明細書に添付する請求の範囲の範囲を本明細書に挙げる実施例および説明に限定することを意図するものでなく、むしろ、本請求の範囲は本発明に帰する特許が与えられ得る新規性を持つ特徴の全部を包含するとして解釈されるべきであり、そのような特徴には、本発明に関係する当業者がそれの均当物であるとして取り扱うであろう特徴の全部が含まれる。
【0086】
本発明の特徴および態様は以下のとおりである。
【0087】
1.
a)一般式Mg(OR”)2[式中、R”は、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表される可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物を1個のハロゲンを1個のアルコキサイドと交換し得るハロゲン化剤に接触させて反応生成物Aを生成させ、
b)反応生成物Aを1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Bを生成させ、
c)反応生成物Bをより強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Cを生成させ、
d)反応生成物Cを予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させ、そして
e)前記予備活性化された触媒を約90℃から約150℃の範囲の温度に約30分から約24時間の範囲の時間加熱する、
ことを含んで成る方法で製造したポリオレフィン用触媒。
【0088】
2. 前記可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物が一般式MgRR’[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なっていてもよく、炭素原子数が1−10のアルキル基である]で表されるアルキルマグネシウム化合物と一般式R”OH[式中、R”は、炭素原子数が4−20のアルキル基である]で表される線状もしくは分枝アルコールを含んで成る反応の反応生成物である第1項記載の触媒。
【0089】
3. 前記可溶マグネシウム化合物がマグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)である第2項記載の触媒。
【0090】
4. 前記アルキルマグネシウム化合物がジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウムまたはブチルエチルマグネシウムである第2項記載の触媒。
【0091】
5. 前記アルコールがエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールまたは2−エチルヘキサノールである第2項記載の触媒。
【0092】
6. 前記反応が更にアルキルアルミニウムも含んで成る第2項記載の触媒。
【0093】
7. 前記アルキルアルミニウムがトリエチルアルミニウムである第6項記載の触媒。
【0094】
8. 前記アルキルアルミニウムとマグネシウムの比率が0.001:1から1:1である第7項記載の触媒。
【0095】
9. 前記触媒が重合製造工程にそぐう綿毛形態を有しかつ均一な粒子サイズ分布を示すことに加えて約125ミクロン未満の粒子のレベルが低い第1項記載の触媒。
【0096】
10. 前記反応が更に電子供与体も含んで成る第2項記載の触媒。
【0097】
11. 前記電子供与体とマグネシウムの比率が約0:1から約10:1の範囲である第10項記載の触媒。
【0098】
12. 前記電子供与体がエーテルである第11項記載の触媒。
【0099】
13. 前記ハロゲン化剤が一般式ClAR”’x[式中、Aは、非還元性で親酸素性の化合物であり、R”’xは、炭素原子数が約2から6のヒドロカルビル部分であり、そしてxは、Aの原子価から1を引いた値である]で表される第1項記載の触媒。
【0100】
14. 穏やかな前記1番目の塩素化/チタン化剤が2種類の四置換チタン化合物のブレンド物であり、ここで、4つの置換基が全部同一でありそしてこれらの置換基がハライドまたは炭素原子数が2から10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである第1項記載の触媒。
【0101】
15. 穏やかな前記1番目の塩素化/チタン化剤がハロゲン化チタンと有機チタネートのブレンド物である第14項記載の触媒。
【0102】
16. 穏やかな前記1番目の塩素化/チタン化剤がTiCl4/Ti(OBu)4が0.5:1から6:1の範囲のTiCl4とTi(OBu)4のブレンド物である第15項記載の触媒。
【0103】
17. 工程b)が更に一般式RSi(OR’)3[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なっていてもよく、炭素原子数が1−5のアルキルである]で表される電子供与体も含んで成る第1項記載の触媒。
【0104】
18. 前記電子供与体がメチルシリルトリエトキサイドである第17項記載の触媒。
【0105】
19. より強力な前記2番目の塩素化/チタン化剤がハロゲン化チタンである第1項記載の触媒。
【0106】
20. より強力な前記2番目の塩素化/チタン化剤が四塩化チタンでありそしてチタンとマグネシウムの範囲が0:1から2:1である第19項記載の触媒。
【0107】
21. 前記予備活性化剤である有機アルミニウムが式AlR^3[式中、R^は、同一もしくは異なり、炭素原子数が1−8のアルキルまたはハライドであり、そして少なくとも1つのR^はアルキルである]で表されるアルキルアルミニウムである第1項記載の触媒。
【0108】
22. 前記予備活性化剤である有機アルミニウムがトリアルキルアルミニウムである第21項記載の触媒。
【0109】
23. アルミニウムとチタンの比率が0.1:1から2:1の範囲である第22項記載の触媒。
【0110】
24.
a)i)一般式Mg(OR”)2[式中、R”は、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表される可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物を1個のハロゲンを1個のアルコキサイドと交換し得るハロゲン化剤に接触させて反応生成物Aを生成させ、
ii)反応生成物Aを1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Bを生成させ、
iii)反応生成物Bをより強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Cを生成させ、
iv)反応生成物Cを予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させ、そして
v)前記予備活性化された触媒を約90℃から約150℃の範囲の温度に約30分から約24時間の範囲の時間加熱する、
ことにより製造した触媒の存在下で1種以上のα−オレフィン単量体を共に重合条件下で接触させる、
ことを含んで成る方法により製造された重合体。
【0111】
25. 前記単量体がエチレン単量体でありそして前記重合体がポリエチレンである第24項記載の重合体。
【0112】
26. 前記ポリエチレンが約4.0を超える分子量分布を示す第25項記載の重合体。
【0113】
27. 前記重合が塊状、スラリーまたは気相重合である第24項記載の重合体。
【0114】
28. 前記可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物が一般式MgRR’[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なっていてもよく、炭素原子数が1−10のアルキル基である]で表されるアルキルマグネシウム化合物と一般式R”OH[式中、R”は、炭素原子数が4−20のアルキル基である]で表される線状もしくは分枝アルコールを含んで成る反応の反応生成物である第24項記載の重合体。
【0115】
29. 前記可溶マグネシウム化合物がマグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)であり、前記アルキルマグネシウム化合物がジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウムおよびブチルエチルマグネシウムから成る群から選択されそして前記アルコールがエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールおよび2−エチルヘキサノールから成る群から選択される第24項記載の重合体。
【0116】
30. 前記反応が更にアルキルアルミニウムも含んで成りそして前記アルキルアルミニウムとマグネシウムの比率が0.001:1から1:1である第25項記載の重合体。
【0117】
31. 工程i)−v)のいずれか1工程が更に電子供与体も含んで成りそして前記電子供与体とマグネシウムの比率が約0:1から約10:1の範囲である第25項記載の重合体。
【0118】
32. 前記電子供与体がエーテルである第31項記載の重合体。
【0119】
33. 前記ハロゲン化剤が一般式ClAR”’x[式中、Aは、非還元性で親酸素性の化合物であり、R”’xは、炭素原子数が約2から6のヒドロカルビル部分であり、そしてxは、Aの原子価から1を引いた値である]で表される第24項記載の重合体。
【0120】
34. 穏やかな前記1番目の塩素化/チタン化剤がTiCl4/Ti(OBu)4が0.5:1から6:1の範囲のTiCl4とTi(OBu)4のブレンド物である第24項記載の重合体。
【0121】
35. より強力な前記2番目の塩素化/チタン化剤が四塩化チタンでありそしてチタンとマグネシウムの範囲が0:1から2:1である第24項記載の重合体。
【0122】
36. 前記予備活性化剤である有機アルミニウムが式AlR^3[式中、R^は、同一もしくは異なり、炭素原子数が1−8のアルキルまたはハライドであり、そして少なくとも1つのR^はアルキルである]で表されるアルキルアルミニウムでありそしてAlとチタンの比率が0.1:1から2:1の範囲である第24項記載の重合体。
【0123】
37.
a)一般式Mg(OR”)2[式中、R”は、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表される可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物を1個のハロゲンを1個のアルコキサイドと交換し得るハロゲン化剤に接触させて反応生成物Aを生成させ、
b)反応生成物Aを1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Bを生成させ、
c)反応生成物Bをより強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Cを生成させ、
d)反応生成物Cを予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させ、そして
e)前記予備活性化された触媒を約90℃から約150℃の範囲の温度に約30分から約24時間の範囲の時間加熱する、
ことを含んで成る触媒の製造方法。
【0124】
38. 前記可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物が一般式MgRR’[式中、RおよびR’は、同一もしくは異なっていてもよく、炭素原子数が1−10のアルキル基である]で表されるアルキルマグネシウム化合物と一般式R”OH[式中、R”は、炭素原子数が4−20のアルキル基である]で表される線状もしくは分枝アルコールを含んで成る反応の反応生成物である第37項記載の方法。
【0125】
39. 前記可溶マグネシウム化合物がマグネシウムジ(2−エチルヘキソキサイド)である第37項記載の方法。
【0126】
40. 前記アルキルマグネシウム化合物がジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウムまたはブチルエチルマグネシウムである第38項記載の方法。
【0127】
41. 前記アルコールがエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールまたは2−エチルヘキサノールである第38項記載の方法。
【0128】
42. 前記反応が更にアルキルアルミニウムも含む第38項記載の方法。
【0129】
43. 前記アルキルアルミニウムがトリエチルアルミニウムである第42項記載の方法。
【0130】
44. 前記アルキルアルミニウムとマグネシウムの比率が0.001:1から1:1である第43記載の方法。
【0131】
45. 前記触媒が重合製造工程にそぐう綿毛形態を有しかつ均一な粒子サイズ分布を示すことに加えて約125ミクロン未満の粒子のレベルが低い第37項記載の方法。
【0132】
46. 前記反応が更に電子供与体も含む第38項記載の方法。
【0133】
47. 前記電子供与体とマグネシウムの比率が約0:1から約10:1の範囲である第46項記載の方法。
【0134】
48. 前記ハロゲン化剤が一般式ClAR”’x[式中、Aは、非還元性で親酸素性の化合物であり、R”’xは、炭素原子数が約2から6のヒドロカルビル部分であり、そしてxは、Aの原子価から1を引いた値である]で表される第37項記載の方法。
【0135】
49. 前記ハロゲン化剤がClTi(OiPr)3である第48項記載の方法。
【0136】
50. 前記マグネシウムに対するチタンの比率が約0.5から約5.0の範囲である第49項記載の方法。
【0137】
51. 穏やかな前記1番目の塩素化/チタン化剤が2種類の四置換チタン化合物のブレンド物であり、ここで、4つの置換基が全部同一でありそしてこれらの置換基がハライドまたは炭素原子数が2から10のアルコキサイドもしくはフェノキサイドである第37項記載の方法。
【0138】
52. 穏やかな前記1番目の塩素化/チタン化剤がハロゲン化チタンと有機チタネートのブレンド物である第51項記載の方法。
【0139】
53. 穏やかな前記1番目の塩素化/チタン化剤がTiCl4/Ti(OBu)4が0.5:1から6:1の範囲のTiCl4とTi(OBu)4のブレンド物である第51項記載の方法。
【0140】
54. 前記反応が更に電子供与体も含む第37項記載の方法。
【0141】
55. より強力な前記2番目の塩素化/チタン化剤がハロゲン化チタンである第37項記載の方法。
【0142】
56. より強力な前記2番目の塩素化/チタン化剤が四塩化チタンでありそしてチタンとマグネシウムの範囲が0:1から2:1である第55項記載の方法。
【0143】
57. 四塩化チタンが約0.1から約5.0当量の範囲で存在する第56項記載の方法。
【0144】
58. 前記予備活性化剤である有機アルミニウムが式AlR^3[式中、R^は、同一もしくは異なり、炭素原子数が1−8のアルキルまたはハライドであり、そして少なくとも1つのR^はアルキルである]で表されるアルキルアルミニウムである第37項記載の方法。
【0145】
59. 前記予備活性化剤である有機アルミニウムがトリアルキルアルミニウムである第58項記載の方法。
【0146】
60. アルミニウムとチタンの比率が0.1:1から2:1の範囲である第59項記載の方法。
【0147】
61. 前記予備活性化剤である有機アルミニウムがTEAlである第60項記載の方法。
【0148】
62. 電子供与体が工程a)、b)、c)またはd)のいずれか1工程に存在しそして電子供与体と金属の比率が約0:1から約10:1の範囲である第37項記載の方法。
【0149】
63. 前記触媒が所望の分子量分布を示すポリエチレンの製造で用いるに有用である第37項記載の方法。
【0150】
64.
a)i)一般式Mg(OR”)2[式中、R”は、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表される可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物を1個のハロゲンを1個のアルコキサイドと交換し得るハロゲン化剤に接触させて反応生成物Aを生成させ、
ii)反応生成物Aを1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Bを生成させ、
iii)反応生成物Bをより強力な2番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Cを生成させ、
iv)反応生成物Cを予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させ、そして
v)前記予備活性化された触媒を約90℃から約150℃の範囲の温度に約30分から約24時間の範囲の時間加熱する、
ことにより製造した触媒の存在下で1種以上のα−オレフィン単量体を共に重合条件下で接触させる、
ことを含んで成るα−オレフィンの重合方法。
【0151】
65. 更に
b)ポリオレフィン重合体を抽出する、
ことを含んで成る第64項記載の方法。
【0152】
66. 前記単量体がエチレン単量体でありそして前記重合体がポリエチレンである第64項記載の方法。
【0153】
67. 前記ポリエチレンが少なくとも約4.0の分子量分布を示す第66項記載の方法。
【0154】
68. 前記重合が塊状、スラリーまたは気相重合である第64項記載の方法。
【0155】
69. 前記ハロゲン化剤が一般式ClAR”’x[式中、Aは、非還元性で親酸素性の化合物であり、R”’xは、炭素原子数が約2から6のヒドロカルビル部分である]で表される第64項記載の方法。
【0156】
70. 前記ハロゲン化剤がClTi(OiPr)3である第69項記載の方法。
【0157】
71. 前記1番目のハロゲン化/チタン化剤が2種類の四置換チタン化合物のブレンド物であり、これが一般式TiCl4/Ti(OR””)4[式中、R””4は、炭素原子数が2から6のヒドロカルビル部分である]で表される第64項記載の方法。
【0158】
72. 前記1番目のハロゲン化/チタン化剤がTiCl4とTi(OBu)4のブレンド物でありそしてTiCl4とTi(OBu)4の比率が約0.5:1から約6:1の範囲である第71項記載の方法。
【0159】
73. 工程(ii)に存在するマグネシウムに対するチタンの比率が約0.5から約5.0の範囲である第72項記載の方法。
【0160】
74. より強力な前記2番目のハロゲン化/チタン化剤がTiCl4である第64項記載の方法。
【0161】
75. TiCl4を約0.1から約5.0当量の範囲で存在する第74項記載の方法。
【0162】
76. 前記予備活性化剤である有機アルミニウムがTEAlである第64項記載の方法。
【0163】
77. 電子供与体を工程i−ivのいずれか1工程に存在しそして電子供与体と金属の比率が約0:1から約10:1の範囲である第64項記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、熱処理が触媒の固有MWDに対して与える影響を示す棒グラフである。
Claims (3)
- a)一般式Mg(OR”)2[式中、R”は、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表される可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式ClTi(OR’’’) 3 [式中、R’’’は、炭素原子数が2から6のヒドロカルビル部分である]で表されるハロゲン化剤に接触させて反応生成物Aを生成させ、
b)反応生成物Aを、炭素原子数2〜10のチタンのテトラアルコキサイドとチタンテトラクロライド(Ti(OR) 4 /TiCl 4 )のブレンド物である1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Bを生成させ、
c)反応生成物Bを四塩化チタンに接触させて反応生成物Cを生成させ、
d)反応生成物Cを予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させ、そして
e)前記予備活性化された触媒を90℃から150℃の範囲の温度に30分から24時間の範囲の時間加熱する、
ことを含んで成る方法で製造したポリオレフィン用触媒。 - a)一般式Mg(OR”)2[式中、R”は、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表される可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式ClTi(OR’’’) 3 [式中、R’’’は、炭素原子数が2から6のヒドロカルビル部分である]で表されるハロゲン化剤に接触させて反応生成物Aを生成させ、
b)反応生成物Aを、炭素原子数2−10のチタンのテトラアルコキサイドとチタンテトラクロライド(Ti(OR) 4 /TiCl 4 )のブレンド物である1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Bを生成させ、
c)反応生成物Bを四塩化チタンに接触させて反応生成物Cを生成させ、
d)反応生成物Cを予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させ、そして
e)前記予備活性化された触媒を90℃から150℃の範囲の温度に30分から24時間の範囲の時間加熱する、
ことを含んで成る触媒の製造方法。 - a)一般式Mg(OR”)2[式中、R”は、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]で表される可溶マグネシウムジアルコキサイド化合物を一般式ClTi(OR’’’) 3 [式中、R’’’は、炭素原子数が2から6のヒドロカルビル部分である]で表されるハロゲン化剤に接触させて反応生成物Aを生成させ、
b)反応生成物Aを、炭素原子数2−10のチタンのテトラアルコキサイドとチタンテトラクロライド(Ti(OR) 4 /TiCl 4 )のブレンド物である1番目のハロゲン化/チタン化剤に接触させて反応生成物Bを生成させ、
c)反応生成物Bを四塩化チタンに接触させて反応生成物Cを生成させ、
d)反応生成物Cを予備活性化剤である有機アルミニウムに接触させて予備活性化された触媒を生成させ、そして
e)前記予備活性化された触媒を90℃から150℃の範囲の温度に30分から24時間の範囲の時間加熱する、
ことにより製造した触媒の存在下で1種以上のα−オレフィン単量体を共に重合条件下で接触させる、
ことを含んで成るα−オレフィンの重合方法。
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