JP4971119B2 - 偏光子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光子の製造方法に関する。
テレビ、パソコン、携帯電話等の各種液晶表示装置(LCD)には、偏光子が用いられている。通常、前記偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを染色・一軸延伸することで作製されている。PVAフィルムを一軸延伸すると、PVA分子に吸着(染色)した二色性物質が配向するため、偏光子となる。
近年、テレビ用としてのLCDの用途が急増しており、その画面のサイズも大型化している。これに伴い、テレビに用いられる偏光子にも、大型化が要求されている。このような大型の偏光子の製造には、製造設備等も大型化するため、巨額の設備投資が必要であった。
例えば、従来は、PVAフィルムを浴槽に浸漬させることで、膨潤、染色、架橋させながら延伸を行い、偏光子を作製していた。しかしながら、これでは、大型の偏光子を製造する場合、大きな浴槽が必要となる。また、浴槽を用いた製造方法では、浴槽中の液濃度が経時的に変化するため、煩雑な日常の液管理が必要となり、これに伴い、計測器や調整器等の特別の装置も必要となる。
このような問題を解決する方法として、PVAフィルムに気相中で液を噴霧する方法が挙げられる。この方法では、気相中で液を噴霧することで、液濃度の経時変化の影響を受けることなく、常に新しい液をPVAフィルムに接触させることができる。また、この方法では、浴槽を必要としないため、製造設備の小型化が可能となる。
具体的には、例えば、洗浄工程において、シャワーでPVAフィルムに液を接触処理する偏光子の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。また、染色工程および架橋工程において、液をPVAフィルムに噴霧する偏光子の製造方法も提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、これらの方法で偏光子を製造すると、偏光子がカールしてしまうという問題があった。
特開2001−290027号公報 特開2003−185834号公報
そこで、本発明は、噴霧処理により親水性ポリマーフィルムに液を接触させても、カールの発生が防止された偏光子を製造可能な偏光子の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の偏光子の製造方法は、
親水性ポリマーフィルムを膨潤液に接触させて膨潤させる膨潤工程と、
前記親水性ポリマーフィルムを二色性物質を含む染色液に接触させて染色処理する染色工程と、
前記親水性ポリマーフィルムを延伸処理する延伸工程とを有する偏光子の製造方法であって、
前記膨潤工程における前記膨潤液の接触を、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの両面に前記膨潤液を噴霧することで実施することを特徴とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために、一連の研究を重ねた。その結果、膨潤工程において、気相中で、親水性ポリマーフィルムに膨潤液を接触させる際に、前記フィルムの両面に前記膨潤液を噴霧することにより、偏光子のカールが防止されることを見出し、本発明を為すにいたった。本発明によれば、噴霧により膨潤液を親水性ポリマーフィルムに接触させることが可能であるため、浴槽を用いた従来の製造方法と比べ、製造設備を大型化することなく、特別の装置も不要であり、しかも、液濃度等の管理も不要である。したがって、本発明の製造方法は、低コスト且つ高効率で、大型の偏光子の製造に対応可能な方法である。
本発明の製造方法において、前記膨潤液を20秒以上噴霧することが好ましい。前記膨潤液の噴霧時間を20秒以上とすることにより、前記親水性ポリマーフィルムを十分に膨潤させることができ、偏光子のカールの発生をより好適に防止することが可能となる。前記膨潤液の噴霧時間は、より好ましくは、30〜120秒の範囲であり、さらに好ましくは、40〜60秒の範囲である。
本発明の製造方法において、前記親水性ポリマーフィルムに対する前記膨潤液の噴霧量は、特に制限されないが、0.06〜0.19mL/1cmの範囲であることが好ましい。
本発明の製造方法において、前記染色工程における前記染色液の接触を、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に前記染色液を噴霧することで実施することが好ましい。なお、本発明では、膨潤工程において、親水性ポリマーフィルムの両面に膨潤液を噴霧しさえすれば、偏光子のカールの発生を防止することができる。したがって、前記染色工程における前記染色液の噴霧は、前記親水性ポリマーフィルムの両面に行ってもよいし、片面のみに行ってもよい。
本発明の製造方法において、さらに、前記親水性ポリマーフィルムを架橋液に接触させて架橋する架橋工程と前記親水性ポリマーフィルムを調整液に接触させて調整する調整工程とを有し、前記架橋工程における前記架橋液の接触および前記調整工程における前記調整液の接触の少なくとも一方の接触を、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に前記架橋液および前記調整液の少なくとも一方の液を噴霧することで実施することが好ましい。前記架橋工程および前記調整工程における前記架橋液および前記調整液の噴霧も、前記親水性ポリマーフィルムの両面に行ってもよいし、片面のみに行ってもよい。
本発明の製造方法において、前記膨潤工程、前記染色工程、前記架橋工程および前記延伸工程からなる群から選択される少なくとも一つの工程において、前記親水性ポリマーフィルムを搬送しながら連続処理することが好ましい。ただし、本発明の製造方法は、連続処理に限定されず、バッチ処理であってもよい。
本発明の製造方法において、前記親水性ポリマーフィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムが好ましく、前記二色性物質はヨウ素が好ましい。
つぎに、本発明の偏光子の製造方法について、例を挙げて、以下に説明する。本発明の製造方法は、親水性ポリマーフィルムを材料とし、例えば、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整工程、乾燥工程等の一連の工程を有する。
(1)親水性ポリマーフィルム
前記親水性ポリマーフィルムとしては、特に制限されず、従来公知のフィルムが使用できる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルムや、これらの部分ケン化フィルム等の親水性ポリマーフィルム等が挙げられる。また、これらの他にも、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム、延伸配向されたポリビニレン系フィルム等も使用できる。これらの中でも、後述する二色性物質であるヨウ素による染色性に優れることから、PVA系ポリマーフィルムが好ましい。
前記PVA系ポリマーフィルムの原料ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニルを重合した後にケン化したものや、酢酸ビニルに対して、少量の不飽和カルボン酸や不飽和スルホン酸等の共重合可能なモノマーを共重合したポリマー等が挙げられる。前記PVA系ポリマーの重合度は、特に制限されないが、水に対する溶解度の点等から、500〜10000の範囲が好ましく、より好ましくは、1000〜6000の範囲である。また、前記PVA系ポリマーのケン化度は、75モル%以上が好ましく、より好ましくは、98〜100モル%の範囲である。
前記親水性ポリマーフィルム(例えば、PVA系フィルム)の大きさは、特に制限されないが、厚みは、例えば、15〜110μmの範囲であり、好ましくは、38〜110μmの範囲であり、より好ましくは、50〜100μmの範囲であり、さらに好ましくは、60〜80μmの範囲である。本発明の製造方法を連続処理で実施する場合は、前記親水性ポリマーフィルム(例えば、PVA系フィルム)は、ロールに巻回した原反フィルムの形態が好ましく、この場合、フィルムを搬送しながら、各工程で処理が施される。また、本発明の製造方法が、バッチ処理で実施される場合は、所定の大きさにカットした親水性ポリマーフィルム(例えば、PVA系フィルム)が使用される。
(2)膨潤工程
本発明では、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの両面に膨潤液を噴霧することが特徴である。
前記膨潤液としては、例えば、水、グリセリン水溶液、ヨウ化カリウム水溶液等が使用できる。前記膨潤液の温度は、特に制限されないが、例えば、5〜50℃の範囲であり、好ましくは、10〜45℃の範囲であり、より好ましくは、20〜40℃の範囲である。
前記親水性ポリマーフィルムに前記膨潤液を噴霧する手段としては、任意の適切な噴霧装置が用いられる。前記噴霧装置としては、例えば、GSIクレオス社製の商品名「プロコンBOY」、扶桑精機(株)製の商品名「MKシリーズ」、DeVILBISS社製の商品名「T−AFPV」、ACCUSPRAY社製の商品名「56シリーズ」等が挙げられる。前記噴霧装置において、噴霧用ノズルの数は、例えば、1〜10個の範囲であり、好ましくは、1〜8個の範囲であり、より好ましくは、1〜4個の範囲であり、前記噴霧用ノズルの孔径は、例えば、0.3〜2mmの範囲であり、好ましくは、0.5〜1.2mmの範囲であり、より好ましくは、0.75〜1mmの範囲である。前記噴霧用ノズル1個当たりの流量は、例えば、10〜1200mL/秒の範囲であり、好ましくは、10〜700mL/秒の範囲であり、より好ましくは、10〜150mL/秒の範囲である。噴霧空気圧力は、例えば、0.05〜3MPaの範囲であり、好ましくは、0.1〜1MPaの範囲であり、より好ましくは、0.2〜0.5MPaの範囲である。噴霧角度は、例えば、45°〜135°の範囲であり、好ましくは、60°〜120°の範囲であり、より好ましくは、80°〜120°の範囲である。前記噴霧用ノズルを複数個用いる場合、隣接する前記噴霧用ノズル間の距離は、例えば、5〜500mmの範囲であり、好ましくは、25〜300mmの範囲であり、より好ましくは、50〜200mmの範囲である。
前記膨潤液の噴霧において、前記噴霧用ノズルと前記親水性ポリマーフィルムとの間の距離は、前記噴霧空気圧力等に応じて適宜に決定することができるが、15cm以下の範囲が好ましい。前記距離を前記範囲とすることで、前記膨潤液をロスなく、確実に前記親水性ポリマーフィルムに接触させることができる。
前記膨潤液の噴霧時間は、前述のとおりである。前記親水性ポリマーフィルムに対する前記膨潤液の噴霧量も、前述のとおりである。
前記膨潤液の噴霧によって、前記親水性ポリマーフィルムは、膨潤前のフィルム(原反)の長さに対して、通常、1.1〜1.5倍に膨潤する。
なお、本工程において、同時に前記親水性ポリマーフィルムの延伸を行ってもよい。この場合における延伸手段および延伸倍率等は、後述の延伸工程と同様である。
(3)染色工程
つぎに、前記膨潤後の親水性ポリマーフィルムを、二色性物質を含む液(染色液)に接触させる。
前記二色性物質としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ヨウ素や有機染料等が挙げられる。前記有機染料を使用する場合には、例えば、可視光領域のニュートラル化を図る点より、二種類以上を組み合わせることが好ましい。
前記染色液としては、前記二色性物質を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。前記溶液における二色性物質の濃度は、特に制限されないが、0.03〜0.20重量%の範囲が好ましい。
また、前記二色性物質としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、ヨウ素に加えて、助剤としてヨウ化物をさらに添加することが好ましい。前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等があげられる。これらのヨウ化物の添加割合は、前記染色液において、0.05〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.10〜5重量%の範囲である。
例えば、ヨウ素とヨウ化カリウムとを組み合わせて使用する場合、前記溶液におけるヨウ素(A)とヨウ化カリウム(B)の割合(A:B(重量比))は、例えば、A:B=1:5〜1:100の範囲であり、好ましくは、A:B=1:7〜1:50の範囲であり、より好ましくは、A:B=1:10〜1:30の範囲である。
前述のとおり、前記染色工程における前記染色液の接触は、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に前記染色液を噴霧することで実施することが好ましい。この場合における前記染色液を噴霧する手段および条件等は、前記膨潤液を噴霧する手段および条件等と同様である。
前記染色液の接触は、前記染色液の噴霧以外の方法で行われてもよい。例えば、前記接触は、前記染色液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により行われてもよい。この場合には、染色浴が用いられる。この場合における前記染色液(染色浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、5〜120秒の範囲であり、好ましくは、10〜90秒の範囲であり、より好ましくは、15〜60秒の範囲である。前記染色液(染色浴)の温度は、例えば、5〜42℃の範囲であり、好ましくは、10〜40℃の範囲であり、より好ましくは、15〜35℃の範囲である。その他の条件は、前記噴霧の場合と同様である。
なお、本工程において、同時に前記親水性ポリマーフィルムの延伸を行ってもよい。この場合における延伸手段および延伸倍率等は、後述の延伸工程と同様である。
(4)架橋工程
つぎに、前記染色処理後の親水性ポリマーフィルムを、架橋剤を含む架橋液に接触させる。
前記架橋剤としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物等があげられる。これらは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記架橋液としては、前記架橋剤を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば、水が使用できるが、さらに水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。
前記溶液における架橋剤の濃度は、特に制限されないが、例えば、前記溶媒(例えば、水)100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、1.5〜8重量部の範囲であり、さらに好ましくは、2〜6重量部の範囲である。
前記架橋剤含有溶液は、偏光子の面内の均一な特性が得られる点から、前記ホウ素化合物の他に、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等のヨウ化物等の助剤を含んでいてもよい。これらの中でもホウ酸とヨウ化カリウムとの組み合わせが好ましい。前記溶液における前記助剤の含有量は、例えば、0.05〜15重量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜8重量%の範囲である。
前述のとおり、前記架橋工程における前記架橋液の接触は、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に前記架橋液を噴霧することで実施することが好ましい。この場合における前記架橋液を噴霧する手段および条件等は、前記膨潤液を噴霧する手段および条件等と同様である。
前記架橋液の接触は、前記架橋液の噴霧以外の方法で行われてもよい。例えば、前記接触は、前記架橋液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により行われてもよい。この場合には、架橋浴が用いられる。この場合における前記架橋液(架橋浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、5〜120秒の範囲であり、好ましくは、10〜100秒の範囲であり、より好ましくは、15〜90秒の範囲である。前記架橋液(架橋浴)の温度は、例えば、20〜70℃の範囲であり、好ましくは、40〜60℃の範囲である。その他の条件は、前記噴霧の場合と同様である。
なお、本工程において、同時に前記親水性ポリマーフィルムの延伸を行ってもよい。この場合における延伸手段および延伸倍率等は、後述の延伸工程と同様である。
(5)延伸工程
つぎに、前記親水性ポリマーフィルムを延伸する。前記親水性ポリマーフィルムの延伸処理は、例えば、ロール延伸機、テンター延伸機等の任意の適切な延伸機を用いて、従来公知の方法で実施すればよい。なお、本工程は、前記膨潤工程、前記染色工程、前記架橋工程等の各工程で実施してもよいし、別個独立に実施してもよい。
前記延伸工程を、別個独立に実施する場合には、例えば、前記親水性ポリマーフィルムを、延伸液に接触させながら延伸してもよい。
前記延伸液としては、特に制限されないが、例えば、ホウ酸、ヨウ化カリウム、各種金属塩やその他のヨウ化化合物、亜鉛化合物等を含む溶液が使用できる。この溶液の溶媒としては、例えば、水、エタノール等が使用できる。前記延伸液は、具体的には、例えば、ホウ酸およびヨウ化カリウムを含むことが好ましく、前記両者の含有量は、例えば、合計で2〜18重量%の範囲であり、好ましくは、合計で4〜17重量%の範囲であり、より好ましくは、合計で6〜15重量%の範囲である。また、前記ホウ酸(A)とヨウ化カリウム(B)との含有割合(A:B(重量比))は、例えば、A:B=1:0.1〜1:4の範囲であり、好ましくは、A:B=1:0.2〜1:3.5の範囲であり、より好ましくは、A:B=1:0.5〜1:3の範囲である。
前記延伸工程における前記延伸液の接触は、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に前記延伸液を噴霧することで実施することが好ましい。この場合における前記延伸液を噴霧する手段および条件等は、前記膨潤液を噴霧する手段および条件等と同様である。
前記延伸液の接触は、前記延伸液の噴霧以外の方法で行われてもよい。例えば、前記接触は、前記延伸液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により行われてもよい。この場合には、延伸浴が用いられる。この場合における前記延伸液(延伸浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、15〜180秒の範囲であり、好ましくは、25〜165秒の範囲であり、より好ましくは、30〜150秒の範囲である。前記延伸液(延伸浴)の温度は、例えば、40〜75℃の範囲であり、好ましくは、50〜70℃の範囲である。その他の条件は、前記噴霧の場合と同様である。
この延伸工程における前記親水性ポリマーフィルムの延伸倍率は、例えば、前記膨潤後の親水性ポリマーフィルムの長さに対して、例えば、1.05〜3.0倍の範囲であり、好ましくは、1.1〜2.5倍の範囲であり、より好ましくは、1.2〜2.0倍の範囲である。
(6)調整・乾燥工程
最後に、前記親水性ポリマーフィルムをヨウ化物含有水溶液(調整液)に接触させた後、乾燥することにより、本発明の偏光子が得られる。
前記ヨウ化物含有水溶液におけるヨウ化物としては、前述のものが使用でき、その中でも、例えば、ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム等が好ましい。このヨウ化物含有水溶液によって、前記延伸工程において使用した残存するホウ酸を、親水性ポリマーフィルムから洗い流すことができる。
前記水溶液が、ヨウ化カリウム水溶液の場合、その濃度は、例えば、0.5〜20重量%の範囲であり、好ましくは、1〜15重量%の範囲であり、より好ましくは、1.5〜7重量%の範囲である。
前述のとおり、前記調整工程における前記調整液の接触は、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に前記調整液を噴霧することで実施することが好ましい。この場合における前記調整液を噴霧する手段および条件等は、前記親水性ポリマーフィルムに前記膨潤液を噴霧する手段および条件等と同様である。前記調整液の噴霧は、少なくとも、前記親水性ポリマーフィルムに前記延伸液が接触した面に実施することが好ましい。
前記調整液の接触は、前記調整液の噴霧以外の方法で行われてもよい。例えば、前記接触は、前記調整液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により行われてもよい。この場合には、調整浴が用いられる。この場合における前記調整液(調整浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、2〜15秒の範囲であり、好ましくは、3〜12秒の範囲である。前記調整液(調整浴)の温度は、例えば、15〜40℃の範囲であり、好ましくは、20〜35℃の範囲である。
前記乾燥は、例えば、自然乾燥、風乾、加熱乾燥等、従来公知の方法で実施すればよい。加熱乾燥の場合は、特に制限されないが、温度25〜60℃の範囲が好ましく、より好ましくは、30〜50℃の範囲であり、さらに好ましくは、30〜45℃の範囲である。
以上、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整・乾燥工程について、説明してきた。これらの工程は、別々に実施してもよいが、一工程にまとめることが可能な工程は、まとめて実施してもよい。また、各工程終了ごとに、調整・乾燥工程を実施してもよい。
このような一連の工程を経て、偏光子を製造することができる。偏光子は、通常、所定の大きさにカットして使用される。
図1に、本発明の偏光子の製造工程の一例を示す。この例では、前記親水性ポリマーフィルム1が複数のロール6により搬送されながら、各工程が実施される。図示のように、この例の偏光子の製造工程は、膨潤工程A、染色工程B、架橋・延伸工程C、調整工程Dを主要な工程として有する。前記膨潤工程Aにおいては、気相中で、親水性ポリマーフィルム1の両面に膨潤液2が噴霧されている。また、前記染色工程B、前記架橋・延伸工程Cおよび前記調整工程Dにおいては、それぞれ、気相中で、前記親水性ポリマーフィルム1の片面のみに染色液3、架橋液4および調整液5が噴霧されている。なお、前記架橋・延伸工程Cにおいては、前記親水性ポリマーフィルム1の架橋と延伸が、同時に行われている。また、同図において、矢印2、3、4、5は、各液の噴霧方向を表し、矢印7は、前記親水性ポリマーフィルム1の進行方向を表す。
(7)偏光子
本発明の偏光子の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜40μmの範囲であり、好ましくは、10〜37μmの範囲であり、より好ましくは、15〜35μmの範囲である。
(8)偏光板
つぎに、本発明の偏光板は、前記本発明の偏光子の少なくとも一方の表面に保護層が積層された構成である。前記保護層は、前記偏光子の片面のみに積層されてもよいし、両面に積層されてもよい。両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の保護層を使用してもよいし、異なる種類の保護層を使用してもよい。
図2に、本発明の偏光板の一例の断面図を示す。図示のように、この偏光板20は、前記偏光子21の両面に保護層22がそれぞれ積層されている。
前記保護層22としては、特に制限されず、従来公知の保護フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、アクリル系、アセテート系、ポリオレフィン系等の樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。
この他にも、特開2001−343529号公報やWO 01/37007号公報に記載されているような、例えば、イソブテンおよびN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の混合押出物からなるフィルム等も使用できる。
さらに、これらの保護フィルムは、例えば、その表面が、アルカリ等によってケン化処理されてもよい。これらの中でも、偏光特性や耐久性等の点から、TACフィルムが好ましく、より好ましくは、その表面がケン化処理されたTACフィルムである。
前記保護層の厚みは、例えば、1〜500μmの範囲であり、好ましくは、5〜200μmの範囲であり、より好ましくは、10〜150μmの範囲である。
前記保護層には、位相差値が最適化されたものを用いることが好ましい。そのような保護層を用いれば、画像表示装置の視野角特性に影響を及ぼすことがない。
前記保護層の位相差値としては、フィルム面内の位相差値(Re)が、好ましくは、0〜5nmの範囲であり、より好ましくは、0〜3nmの範囲であり、さらに好ましくは、0〜1nmの範囲であり、フィルム厚み方向の位相差値(Rth)が、好ましくは、0〜15nmの範囲であり、より好ましくは、0〜12nmの範囲であり、さらに好ましくは、0〜5nmの範囲であり、最も好ましくは、0〜3nmの範囲である。
前記保護層は、例えば、偏光子に前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光子に前記樹脂製フィルム等を積層する方法等、従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
また、前記保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、拡散やアンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。
前記偏光子と前記保護層との接着方法は、例えば、粘着剤やその他の接着剤等が使用され、その種類は、偏光子や保護層の種類等によって適宜決定できる。接着層や粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1〜500nmの範囲であり、好ましくは、10〜300nmの範囲であり、より好ましくは、20〜100nmの範囲である。
また、本発明の偏光板は、例えば、液晶セル等への積層が容易になることから、その最外層に、さらに粘着剤層を有していることが好ましい。図3に、このような粘着剤層を有する偏光板の断面図を示す。図3において、図2と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、偏光板30は、前記偏光板20の一方の保護層22の表面にさらに粘着剤層31が配置されているという構成である。
前記保護層表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、粘着剤の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記保護層の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記保護層の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような粘着剤層は、前記図3のように偏光板のいずれか一方の表面に形成してもよいが、これには限定されず、必要に応じて両面に配置してもよい。
前記粘着剤層としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等の従来公知の粘着剤を適宜使用して形成できる。前記粘着剤層の表面は、汚染防止等を目的として、セパレータによってカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記保護フィルム等のような薄層のフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。
前記粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜35μmの範囲であり、好ましくは、10〜25μmの範囲であり、より好ましくは、15〜25μmの範囲である。
(9)用途
本発明の偏光子および偏光板は、液晶表示装置(LCD)やELディスプレイ(ELD)等の各種の画像表示装置に好ましく用いることができる。本発明の画像表示装置は、本発明の偏光子および偏光板の少なくとも一方を用いること以外は、従来の画像表示装置と同様の構成である。本発明の偏光子等を用いた液晶表示装置は、例えば、液晶セル、本発明の偏光子等の光学部材、および必要に応じて照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により製造できる。
本発明の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられる。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例および比較例によってなんら限定ないし制限されない。また、各実施例および各比較例における偏光子のカール値の測定は、下記の方法により実施した。
(偏光子のカール値)
まず、平らな面に偏光子を置いた。ついで、前記平らな面から、前記偏光子の前記平らな面から最も離れた部分までの距離を測定し、これを偏光子のカール値とした。具体的には、図4(b)および図4(c)に示すxまたはyを測定し、これを偏光子のカール値とした。なお、図4(a)は、偏光子がほとんどカールせず、図4(b)に示すxが0.1cm未満の状態を示している。
[実施例1]
(PVAフィルムの準備)
原反PVAフィルム(クラレ社製、商品名「VF−PS」)を、長手方向(MD方向)の長さが13cm、幅方向(TD方向)の長さが6cmになるように、カットし、サンプルのPVAフィルムを得た。このPVAフィルムの厚みは、75μmであった。
(偏光子の作製)
(1)膨潤工程
気相中で、前記PVAフィルムの両面に30℃の水(純水、膨潤液)を36秒噴霧した。この際、噴霧用ノズルと前記PVAフィルムとの間の距離は、5cm、前記PVAフィルムに対する前記膨潤液の噴霧量は、0.1mL/1cmとした。
(2)染色工程
前記膨潤後のPVAフィルムを、0.21重量%のヨウ化カリウムと0.03重量%のヨウ素とを含む30℃の水溶液(染色液)に33秒浸漬した。
(3)架橋工程
前記PVAフィルムを前記染色液から引き上げ、4重量%のヨウ化カリウムと4重量%のホウ酸とを含む45℃の水溶液(架橋液)に78秒浸漬した。
(4)延伸工程
前記膨潤工程、前記染色工程および前記架橋工程の各工程において、同時に前記PVAフィルムの延伸を行った。この際、前記PVAフィルムをMD方向に延伸した。合計延伸倍率は、前記原反PVAフィルムの長さに対して、6.0倍とした。
(5)調整・乾燥工程
前記PVAフィルムを前記架橋液から引き上げ、4重量%のヨウ化カリウムを含む30℃の水溶液(調整液)に10秒浸漬させた。ついで、このPVAフィルムに60℃で4分間乾燥処理を施して、本実施例の偏光子を得た。
[実施例2]
(PVAフィルムの準備)
実施例1と同様にして、サンプルのPVAフィルムを得た。
(偏光子の作製)
(1)膨潤工程
気相中で、前記PVAフィルムの両面に30℃の水(純水、膨潤液)を36秒噴霧した。この際、噴霧用ノズルと前記PVAフィルムとの間の距離は、5cm、前記PVAフィルムに対する前記膨潤液の噴霧量は、0.1mL/1cmとした。
(2)染色工程
前記膨潤後のPVAフィルムの片面のみに、0.7重量%のヨウ化カリウムと0.1重量%のヨウ素とを含む30℃の水溶液(染色液)を33秒噴霧した。この際、噴霧用ノズルと前記PVAフィルムとの間の距離は、5cm、前記PVAフィルムに対する前記染色液の噴霧量は、0.08mL/1cmとした。
(3)架橋工程
前記染色処理後のPVAフィルムの片面(前記染色液の噴霧を行った面)のみに、4重量%のヨウ化カリウムと4重量%のホウ酸とを含む45℃の水溶液(架橋液)を78秒噴霧した。この際、噴霧用ノズルと前記PVAフィルムとの間の距離は、5cm、前記PVAフィルムに対する前記架橋液の噴霧量は、0.15mL/1cmとした。
(4)延伸工程
前記膨潤工程、前記染色工程および前記架橋工程の各工程において、同時に前記PVAフィルムの延伸を行った。この際、前記PVAフィルムをMD方向に延伸した。合計延伸倍率は、前記原反PVAフィルムの長さに対して、6.0倍とした。
(5)調整・乾燥工程
前記架橋後のPVAフィルムの片面(前記染色液および前記架橋液の噴霧を行った面)のみに、4重量%のヨウ化カリウムを含む30℃の水溶液(調整液)を10秒噴霧した。この際、噴霧用ノズルと前記PVAフィルムとの間の距離は、5cm、前記PVAフィルムに対する前記調整液の噴霧量は、0.02mL/1cmとした。ついで、このPVAフィルムに60℃で4分間乾燥処理を施して、本実施例の偏光子を得た。
[比較例1]
気相中で、前記PVAフィルムの片面のみに30℃の前記膨潤液を36秒噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして、本比較例の偏光子の作製を試みた。しかしながら、前記架橋工程において、同時に前記PVAフィルムの延伸を行ったところ、途中でPVAフィルムが破断してしまい、偏光子を得ることができなかった。
[比較例2]
気相中で、前記PVAフィルムの片面のみに30℃の前記膨潤液を72秒噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして、本比較例の偏光子を得た。
[比較例3]
気相中で、前記PVAフィルムの片面のみに30℃の前記膨潤液を72秒噴霧したこと以外は、実施例2と同様にして、本比較例の偏光子を得た。
各実施例および各比較例における各工程の処理条件および偏光子の評価結果を下記表1に示す。
Figure 0004971119
前記表1からわかるように、実施例1、2では、偏光子のカールの発生が防止された。このことから、膨潤工程において、気相中で、親水性ポリマーフィルムの両面に膨潤液を噴霧しさえすれば、それ以外の工程が、液への浸漬によるものであっても、若しくは液の噴霧によるものであっても、偏光子のカールの発生が防止されたといえる。一方、比較例1では、前述のとおり、偏光子の作製途中でPVAフィルムが破断してしまい、偏光子を得ることができなかった。また、比較例2、3では、偏光子が完全に丸まってしまった。これらのことから、膨潤工程における膨潤液の噴霧を、親水性ポリマーフィルムの片面のみに行った場合には、偏光子を得ることができなかったり、得られたとしてもカールの発生を防止できなかった。
以上のように、本発明の偏光子の製造方法によれば、カールの発生が防止された偏光子を製造可能である。本発明の偏光子およびそれを用いた偏光板、画像表示装置の用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられ、その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。
図1は、本発明の偏光子の製造工程の一例を示す模式図である。 図2は、本発明の偏光板の一例の構成を示す断面図である。 図3は、本発明の偏光板のその他の例の構成を示す断面図である。 図4は、本発明の実施例における偏光子のカール値の測定方法を説明する図である。図4(a)は、ほとんどカールしなかった偏光子を示し、図4(b)は、両端が若干カールした偏光子を示し、図4(c)は、完全に丸まった偏光子を示す。
符号の説明
1 親水性ポリマーフィルム
2 膨潤液
3 染色液
4 架橋液
5 調整液
6 ロール
20、30 偏光板
21 偏光子
22 保護層
31 粘着剤層
A 膨潤工程
B 染色工程
C 架橋・延伸工程
D 調整工程

Claims (7)

  1. 親水性ポリマーフィルムを膨潤液に接触させて膨潤させる膨潤工程と、
    前記親水性ポリマーフィルムを二色性物質を含む染色液に接触させて染色処理する染色工程と、
    前記親水性ポリマーフィルムを延伸処理する延伸工程とを有する偏光子の製造方法であって、
    前記膨潤工程における前記膨潤液の接触を、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの両面に前記膨潤液を噴霧することで実施することを特徴とする偏光子の製造方法。
  2. 前記膨潤液を20秒以上噴霧する請求項1記載の偏光子の製造方法。
  3. 前記親水性ポリマーフィルムに対する前記膨潤液の噴霧量が、0.06〜0.19mL/1cmの範囲である請求項1または2記載の偏光子の製造方法。
  4. 前記染色工程における前記染色液の接触を、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に前記染色液を噴霧することで実施する請求項1から3のいずれか一項に記載の偏光子の製造方法。
  5. さらに、前記親水性ポリマーフィルムを架橋液に接触させて架橋する架橋工程と、前記親水性ポリマーフィルムを調整液に接触させて調整する調整工程とを有し、前記架橋工程における前記架橋液の接触および前記調整工程における前記調整液の接触の少なくとも一方の接触を、気相中で、前記親水性ポリマーフィルムの少なくとも一方の面に前記架橋液および前記調整液の少なくとも一方の液を噴霧することで実施する請求項1から4のいずれか一項に記載の偏光子の製造方法。
  6. 前記膨潤工程、前記染色工程、前記架橋工程および前記延伸工程からなる群から選択される少なくとも一つの工程において、前記親水性ポリマーフィルムを搬送しながら連続処理する請求項5記載の偏光子の製造方法。
  7. 前記親水性ポリマーフィルムが、ポリビニルアルコール系フィルムであり、前記二色性物質がヨウ素である請求項1から6のいずれか一項に記載の偏光子の製造方法
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