JP4970199B2 - 冷却装置の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒を循環させる冷凍サイクルを利用して冷却液タンクから供給される冷却液を冷却する際に用いて好適な冷却装置の制御方法に関する。
一般に、レーザ加工機では、ワークの材質,板厚,加工速度及び加工面粗度等によってレーザ側の負荷が大きく変動する。したがって、レーザ加工機に冷却液を供給(循環)する冷却装置では、このような負荷変動に対しても十分に追従できる冷却性能が要求されるとともに、特に、加工精度に大きく影響するミラー等の光学部品に対する熱的安定性を確保し、加工品質の低下を回避する上からも、温度変動の少ない高度で精密な冷却精度が要求される。
従来、このような用途に使用される冷却装置としては、特許文献1に開示される冷却装置が知られている。この冷却装置は、レーザ加工機等の被冷却物から戻された冷却液を貯留する冷却液タンクと、この冷却液タンクの供給口から流出する冷却液を送出する送液ポンプと、この送液ポンプから吐出する冷却液を熱交換により冷却して被冷却物に供給する冷却器(熱交換器)を備えるとともに、冷却器から流出した冷却液の温度を温度センサにより検出し、検出した温度に基づいて冷却器の冷却温度を制御する制御系、より具体的には、温度センサにより検出した温度に基づいて、冷却器に冷媒を循環させる冷凍サイクルにおける圧縮機の回転周波数(回転数)をインバータ制御する制御機能を有する制御系を備えている。
ところで、圧縮機のインバータ制御は、制御部からインバータ回路に付与される制御信号により圧縮機の回転数を可変制御するため、制御できる回転数の範囲に限界があり、通常、最大冷却能力の数十パーセント以下の低負荷領域では、インバータ制御が困難となる。このため、低負荷領域に対応させた冷却装置も特許文献2で知られている。この冷却装置は、冷凍サイクルを構成する圧縮機の回転数をインバータにより一定の範囲で可変して被冷却物の温度(水温)を制御するとともに、水温がインバータによっては制御できない温度まで低下したなら、ホットガスバイパス回路を開く制御を行い、特に、ホットガスバイパス回路を開いた状態で水温が上昇したなら、当該ホットガスバイパス回路を開いた状態で圧縮機の回転数を上昇させるとともに、当該回転数が予め設定した回転数に達したならホットガスバイパス回路を閉じ、かつ圧縮機の回転数を低下させる制御を行う制御機能を備えたものである。
特開2003−329355号 特開2001−74318号
しかし、上述した低負荷領域に対応させた従来の冷却装置(その制御方法)は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、冷凍サイクルの基本回路に対して、別途のホットガスバイパス回路を追加する必要があるため、ホットガスバイパス回路を構成する回路配管や分岐継手及び開閉バルブ(制御バルブ)等の冷媒回路部品が必要となり、部品点数の増加に伴うコストアップや配設スペースの確保による装置の大型化を招く。
第二に、低負荷対策は、絶対的に必要なものではなく、低負荷が生じる環境において必要になる。したがって、小型の冷却装置のように、コスト上の観点からオプションとして用意する場合には、ホットガスバイパス回路を取付けるに際し、冷凍サイクルの回路の接続変更を伴い、取付作業が大変になる。
本発明は、上述した課題を解決するため、少なくとも、インバータ制御される圧縮機2,凝縮器3,電子膨張弁4及び熱交換器5を接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルCcと、熱交換器5に接続することにより冷媒との熱交換により冷却液タンク6から供給される冷却液Wを冷却し、この冷却液Wを被冷却物Hに循環させた後、冷却液タンク6に戻す冷却液回路Cmと、冷却液Wの液温Twを検出し、検出した液温Twが予め設定した設定液温Twcとなるように圧縮機2の回転数Rを制御する制御部7とを備える冷却装置1の制御方法において、液温Twが予め設定した設定液温Twcに対して所定の温度分Todだけ低い低負荷温度Twd以下になること,前回の膨張弁制御モードが終了してから予め設定した設定時間Δtc1が経過していること,液温Twが下降傾向にあること,及び圧縮機2の回転数Rが設定回転数Rc以下であること,を満たすことを条件に、通常モードから膨張弁制御モードへ移行させる制御を行い、及び/又は液温Twが予め設定した設定液温Twcに対して所定の温度分Touだけ高い非低負荷温度Twu以上になること,前回の通常モードが終了してから予め設定した設定時間Δtc2が経過していること,液温Twが上昇傾向にあること,及び電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時における開度以上であること,を満たすことを条件に、膨張弁制御モードから通常モードへ移行させる制御を行うとともに、膨張弁制御モードでは、少なくとも、圧縮機2の回転数Rを下限回転数RLに固定し、かつ予め設定した条件に基づき電子膨張弁4の開度のオフセット値を変更しつつ当該開度を可変して液温Twに対する制御を行うことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、オフセット値を変更するに際しては、熱交換器5の入口冷媒温度Txが予め設定した第一設定冷媒温度Tcx1以下であること,入口冷媒温度Txが下降傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を増加させることができるとともに、液温Twが予め設定した第一設定温度Tw1以下であること,液温Twが下降傾向にあること,熱交換器5の入口冷媒温度Txが予め設定した第二設定冷媒温度Tcx2以上であること,入口冷媒温度Txが上昇傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を条件にオフセット値を減少させることができ、さらに、オフセット値を変更するに際しては、液温Twが予め設定した第二設定温度Tw2以上であること,液温Twが上昇傾向にあること,電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時における開度以下であること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を増加させることができる。
この場合、発明の好適な態様により、低負荷温度Twdは、設定液温Twcに対して所定の温度分Todだけ低い温度に設定することができるとともに、非低負荷温度Twuは、設定液温Twcに対して所定の温度分Touだけ高い温度に設定することができる。一方、通常モードから膨張弁制御モードへの移行は、液温Twが低負荷温度Twd以下になることに加え、前回の膨張弁制御モードが終了してから予め設定した設定時間Δtc1が経過していること,液温Twが下降傾向にあること,圧縮機2の回転数Rが設定回転数Rc以下であること,を満たすことを条件に行うことができるとともに、膨張弁制御モードから通常モードへの移行は、液温Twが非低負荷温度Twu以上になることに加え、前回の通常モードが終了してから予め設定した設定時間Δtc2が経過していること,液温Twが上昇傾向にあること,電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時における開度以上であること,を満たすことを条件に行うことができる。また、オフセット値を変更するに際しては、熱交換器5の入口冷媒温度Txが予め設定した第一設定冷媒温度Tcx1以下であること,入口冷媒温度Txが下降傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を増加させることができるとともに、液温Twが予め設定した第一設定温度Tw1以下であること,液温Twが下降傾向にあること,熱交換器5の入口冷媒温度Txが予め設定した第二設定冷媒温度Tcx2以上であること,入口冷媒温度Txが上昇傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を条件にオフセット値を減少させることができ、さらに、オフセット値を変更するに際しては、液温Twが予め設定した第二設定温度Tw2以上であること,液温Twが上昇傾向にあること,電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時における開度以下であること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を増加させることができる。
他方、冷却液タンク6内に冷却液Wを加熱可能なヒータ8を配設し、少なくとも、液温Twが予め設定した過小負荷温度Twds以下になったならヒータ8をONにし、かつ液温Twが予め設定した非過小負荷温度Twus以上になったならヒータ8をOFFにする制御を行うことができる。この際、ヒータ8をOFFにする制御は、液温Twが非過小負荷温度Twus以上になったこと、及び圧縮機2の回転数Rが予め設定した監視回転数Rcs以上であること、の双方を満たすことを条件に行うことができる。なお、この監視回転数Rcsは、圧縮機2の運転可能最高回転数Rmaxに対して所定の回転数分Rosだけ小さい回転数に設定することができる。また、過小負荷温度Twdsは、設定液温Twcに対して所定の温度分Todsだけ低い温度であって、低負荷温度Twdよりも低い温度に設定することができるとともに、非過小負荷温度Twusは、設定液温Twに対して所定の温度分Tousだけ高い温度であって、非低負荷温度Twuよりも高い温度に設定することができる。
このような手法による本発明に係る冷却装置1の制御方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) インバータ制御される圧縮機2を搭載する冷却装置1であっても低負荷領域における液温Twの制御を容易かつ安定に行うことができる。
(2) 膨張弁制御モードでは、少なくとも、圧縮機2の回転数Rを下限回転数RLに固定し、かつ予め設定した条件に基づき電子膨張弁4の開度のオフセット値を変更しつつ当該開度を可変して液温Twに対する制御を行うようにしたため、ホットガスパイパス回路等の別途の冷媒回路を追加する必要がなく、制御上の変更或いは既設の機能部品(温度センサ等)の利用により実施できる。したがって、部品点数の削減に伴うコストダウン、更には配設スペースの確保が不要になることに伴う装置全体の小型コンパクト化に寄与できる。
(3) 低負荷温度Twdは、設定液温Twcに対して所定の温度分Todだけ低い温度に設定したため、低負荷温度Twdを設定するに際し、設定液温Twc、特に、設定液温Twの制御上におけるディファレンシャル下限温度を考慮した低負荷温度Twdを容易かつ的確に設定できる。
(4) 非低負荷温度Twuは、設定液温Twcに対して所定の温度分Touだけ高い温度に設定したため、非低負荷温度Twuを設定するに際し、設定液温Twc、特に、設定液温Twの制御上におけるディファレンシャル上限温度を考慮した非低負荷温度Twuを容易かつ的確に設定できる。
(5) 膨張弁制御モードへの移行は、液温Twが低負荷温度Twd以下になることに加え、前回の膨張弁制御モードが終了してから予め設定した設定時間Δtc1が経過していること,液温Twが下降傾向にあること,圧縮機2の回転数Rが設定回転数Rc以下であること,を満たすことを条件に行うようにしたため、低負荷温度Twd,設定時間Δtc1,液温Twの変化傾向及び設定回転数Rcを組合わせた、より的確なタイミングによる移行制御を行うことができる。
(6) 通常モードへの移行は、液温Twが非低負荷温度Twu以上になることに加え、前回の通常モードが終了してから予め設定した設定時間Δtc2が経過していること,液温Twが上昇傾向にあること,電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時における開度以上であること,を満たすことを条件に行うようにしたため、非低負荷温度Twu,設定時間Δtc2,液温Twの変化傾向及び電子膨張弁4の前回の開度の組合わせた、より的確なタイミングによる移行制御を行うことができる。
(7) 好適な態様により、オフセット値を変更するに際し、熱交換器5の入口冷媒温度Txが予め設定した第一設定冷媒温度Tcx1以下であること,入口冷媒温度Txが下降傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を増加させる変更を行えば、第一設定冷媒温度Tcx1,入口冷媒温度Txの変化傾向及び設定時間Δtcoを組合わせた、より緻密で的確な変更を行うことができる。
(8) 好適な態様により、オフセット値を変更するに際し、液温Twが予め設定した第一設定温度Tw1以下であること,液温Twが下降傾向にあること,熱交換器5の入口冷媒温度Txが予め設定した第二設定冷媒温度Tcx2以上であること,入口冷媒温度Txが上昇傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を減少させる変更を行えば、第一設定温度Tw1,第二設定冷媒温度Tcx2,液温Twの変化傾向及び設定時間Δtcoを組合わせた、より緻密で的確な変更を行うことができる。
(9) 好適な態様により、オフセット値を変更するに際し、液温Twが予め設定した第二設定温度Tw2以上であること,液温Twが上昇傾向にあること,電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時における開度以下であること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を増加させる変更を行えば、第二設定温度Tw2,液温Twの変化傾向,電子膨張弁4の前回の開度及び設定時間Δtcoを組合わせた、より緻密で的確な変更を行うことができる。
(10) 好適な態様により、冷却液タンク6内に冷却液Wを加熱可能なヒータ8を配設し、少なくとも、液温Twが予め設定した過小負荷温度Twds以下になったならヒータ8をONにし、かつ液温Twが予め設定した非過小負荷温度Twus以上になったならヒータ8をOFFにする制御を行うようにすれば、冷却液タンク6に収容した冷却液Wをヒータ8により強制的に加熱、即ち、強制的に負荷を高くできるため、圧縮機2の運転上の制約や冷却装置1以外で発生する外乱等により液温Twが大きく低下するような場合であっても、速やかに対応することが可能となり、安全性及び信頼性の更なる向上に寄与できる。また、冷却液タンク6内に配設することにより当該冷却液タンク6に収容した冷却液Wを加熱可能なヒータ8を用いるため、コスト上の観点からオプションとして用意する場合であっても、容易に後付けできるとともに、冷凍サイクルCcの回路内に予め用意する配設スペースも不要となる。
(11) 好適な態様により、ヒータ8をOFFにする制御を、液温Twが非過小負荷温度Twus以上になったこと、及び圧縮機2の回転数Rが予め設定した監視回転数Rcs以上であること、の双方を満たすことを条件に行うようにすれば、ヒータ8をOFFするに際し、非過小負荷温度Twusと監視回転数Rcsを組合わせた、より緻密で的確な制御を行うことができる。
(12) 好適な態様により、過小負荷温度Twdsを、設定液温Twcに対して所定の温度分Todだけ低い温度であって、低負荷温度Twdよりも低い温度に設定するようにすれば、設定液温Twc及び低負荷温度Twdを考慮した的確な過小負荷温度Twdsを容易に設定することができる。
(13) 好適な態様により、非過小負荷温度Twusを、設定液温Twに対して所定の温度分Todsだけ高い温度であって、非低負荷温度Twuよりも高い温度に設定するようにすれば、設定液温Twc及び非低負荷温度Twuを考慮した的確な非過小負荷温度Twusを容易に設定することができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る制御方法を実施できる冷却装置1の構成について、図5及び図6を参照して具体的に説明する。
図5は、冷却装置1の全体構成を示す。冷却装置1は、熱交換器(冷却器)5を備え、この熱交換器5の一次側5fに冷凍サイクルCcを接続するとともに、熱交換器5の二次側5sに冷却液回路Cmを接続する。
図6に冷却液回路Cmの具体例を示す。冷却液回路Cmは、冷却液(冷却水,冷却溶液等)Wを貯留する冷却液タンク6を備える。例示の冷却液タンク6は、容積が15〔リットル〕であり、冷却液供給ライン12s及び冷却液戻りライン12rを介してレーザ加工機等の被冷却物H(図5)に接続する。そして、冷却液供給ライン12sの中途には、冷却液タンク6に貯留する冷却液Wを被冷却物Hに供給するための送液ポンプ13を接続するとともに、この送液ポンプ13に対して熱交換器5の二次側5sを直列に接続する。また、冷却液タンク6は、上端開口を覆うタンクカバー6cを備え、このタンクカバー6cには、過小負荷時に用いるヒータ8を取付ける。このヒータ8はタンクカバー6cの内面から下方に突出し、冷却液タンク6に収容される冷却液Wの中に浸漬する。なお、例示のヒータ8は、電熱線を防水性のハウジングで覆った1.5〔kw〕の電熱ヒータである。さらに、冷却液供給ライン12sには、冷却液Wの圧力を検出する液圧計15及び冷却液Wの温度(液温)Twを検出する液温センサ16を付設するとともに、冷却液タンク6には、給液口17,ドレンライン18,フロートスイッチ19,液面計20,ストレーナ21等をそれぞれ付設する。
一方、冷凍サイクルCcは、主要機能部として、圧縮機2,凝縮器3,電子膨張弁4を備えており、この電子膨張弁4の冷媒流出側を熱交換器5の一次側5fの一端口(冷媒流入口)に接続するとともに、熱交換器5の一次側5fの他端口(冷媒流出口)は冷媒ストレーナ31を介して圧縮機2の冷媒流入側に接続する。これにより、矢印Fc方向に冷媒が循環する冷凍サイクルCc(冷媒回路)が構成される。このような冷凍サイクルCcの基本的な機能は公知の冷凍サイクルと同じである。また、冷凍サイクルCcには、圧縮機2から吐出する冷媒の温度、即ち、吐出冷媒温度Toを検出する吐出冷媒温度センサ33,凝縮器3から吐出する冷媒の温度、即ち、凝縮冷媒温度Tcを検出する凝縮冷媒温度センサ34,熱交換器5の入口側の冷媒温度(入口冷媒温度)Txを検出する熱交換器入口温度センサ35をはじめ、各種センサ類を付設するとともに、凝縮器3には、この凝縮器3を空冷する凝縮器ファン36を付設する。矢印Ffが凝縮器ファン36による送風方向を示している。さらに、圧縮機2の駆動には電動モータ41を使用し、この電動モータ41はインバータユニット42に接続する。例示の電動モータ41は、120°通電方式により作動するセンサレスブラシレスDCモータであり、スター結線された三つの巻線(界磁コイル)を備えている。インバータユニット42は、インバータ回路42i及び直流電源回路42sを備え、インバータ回路42iの出力部を電動モータ41に接続するとともに、直流電源回路42sの交流入力部は三相交流電源に接続する。
そして、各センサ33,34,35,凝縮器ファン36,インバータ回路42i、さらに、電子膨張弁4,液温センサ16及びヒータ8は、それぞれ制御部(コントローラ)7に接続する。制御部7は、制御系の主要部を構成し、冷凍サイクルCcを含む冷却装置1の全体の制御を司る機能を有する。また、インバータ回路42iと直流電源回路42s間には、直流電源回路42sからインバータ回路42iに流入するインバータ入力電流Iiの大きさを検出する電流検出器43を付設し、この電流検出器43は制御部7に接続する。制御部7は、操作パネル等を用いた操作部及び液晶表示パネル等を用いた表示部が付属するとともに、CPU及びメモリ等を内蔵したコンピュータ機能を備え、予め格納した制御プログラムにより各種処理及び制御(シーケンス制御)を実行する。
次に、本実施形態に係る制御方法について、図5〜図7を参照しつつ図1〜図4に示すフローチャートに従って説明する。
本実施形態に係る制御方法の概要は次のようになる。通常の負荷状態では標準モードによる制御が行われる。一方、低負荷状態になれば、標準モードから膨張弁制御モードに移行する(図1)。低負荷状態では、膨張弁制御モードによる制御が行われる(図2)。また、低負荷状態を脱すれば、膨張弁制御モードから標準モードに復帰する(図3)。他方、膨張弁制御モードにおいて、さらに、負荷が低下することにより、過小負荷状態になれば、ヒータ8がONするとともに、この過小負荷状態を脱すれば、ヒータ8がOFFする(図4)。以下、処理手順について具体的に説明する。
まず、制御部7では、予め、低負荷状態であることを判定する冷却液Wの液温Twに対する低負荷温度Twd、低負荷状態を脱したことを判定する液温Twに対する非低負荷温度Twu、モード切換の移行禁止期間を設定する設定時間Δtc1,Δtc2、低負荷状態であることを判定する圧縮機2の回転数Rに対する設定回転数Rc、オフセット値を変更する際の条件となる熱交換器5の入口冷媒温度Txに対する第一設定冷媒温度Tcx1及び第二設定冷媒温度Tcx2,液温Twに対する第一設定温度Tw1及び第二設定温度Tw2をそれぞれ設定する。
例示の場合、低負荷温度Twdは、設定液温Twcに対して所定の温度分Tod(例えば、0.5〔℃〕)だけ低い温度、即ち、Twd=Twc−Tod〔℃〕に設定する。設定液温Twcは、冷却液Wの液温Twに対してユーザサイドで設定される。設定液温Twcが20〔℃〕に設定され、Todが0.5〔℃〕であれば、低負荷温度Twdは19.5〔℃〕となる。通常、液温Twに対する制御上のディファレンシャルは、設定液温Twcに対して、Twc±0.5〔℃〕程度となるため、ディファレンシャルの下限温度にTwdを設定することにより、低負荷状態であると判断でき、ディファレンシャルの下限温度を考慮した低負荷温度Twdを容易かつ的確に設定することができる。
また、非低負荷温度Twuは、設定液温Twcに対して所定の温度分Tou(例えば、0.5〔℃〕)だけ高い温度に、即ち、Twu=Twc+Tou〔℃〕に設定する。設定液温Twcが20〔℃〕に設定され、Touが0.5〔℃〕であれば、非低負荷温度Twuは20.5〔℃〕となる。したがって、少なくともディファレンシャルの上限温度にTwuを設定することにより、低負荷状態を脱したと判断でき、ディファレンシャルの上限温度を考慮した非低負荷温度Twuを容易かつ的確に設定することができる。
さらに、設定回転数Rcは、圧縮機2の運転可能最低回転数Rminに対して所定の回転数分Ro(例えば、50〔rpm〕)だけ大きい回転数、即ち、Rc=Rmin+Ro〔rpm〕に設定する。その他、例示の場合、設定時間Δtc1は30〔s〕、設定時間Δtc2は40〔s〕、第一設定冷媒温度Tcx1は−14〔℃〕、第二設定冷媒温度Tcx2は−10〔℃〕、第一設定温度Tw1はTw1=Twc−0.1〔℃〕、第二設定温度Tw2はTw2=Twc+0.1〔℃〕にそれぞれ設定することができる。
一方、制御部7は、動作時に次の制御を実行する。今、冷却装置1は、低負荷状態ではない通常の負荷状態にあり、液温Twに対するフィードバック制御が正常に行われているものとする。したがって、制御モードは標準モードである(ステップS100)。
標準モードの場合、冷却液回路Cmでは、送液ポンプ13の作動により、冷却液タンク6に貯留する冷却液Wが、冷却液供給ライン12sを介して被冷却物Hに供給されるとともに、被冷却物Hを熱交換により冷却した冷却液Wは、冷却液戻りライン12rを介して冷却液タンク6に戻される。この際、冷却液供給ライン12sを流れる冷却液Wは、冷却器(熱交換器)5により冷却される。即ち、冷却器5に流入した冷却液Wは、冷凍サイクルCcにおける冷却された冷媒との熱交換により冷却される。冷凍サイクルCcでは、圧縮機2の運転により冷媒が矢印Fc方向に循環し、冷凍サイクルCcによる冷媒冷却が行われる。なお、図6中、矢印Fw…は冷却液Wが流れる方向を示す。
そして、被冷却物Hに供給される冷却液Wの液温Twは、液温センサ16により検出され、制御部7に付与される。これにより、制御部7はインバータ回路42iに制御指令を付与し、圧縮機2(電動モータ41)の回転数Rを可変することにより、液温Twが予め設定した設定液温Twcとなるようにフィートバック制御する。この際、インバータ回路42iの入力部には、直流電源回路42sから直流電圧が付与され、インバータ回路42iは、内部のスイッチング素子により直流電圧をスイッチングする公知のインバータ制御を実行する。
他方、冷却装置1が低負荷状態になった場合を想定する。図1に、低負荷状態になったときの処理手順をフローチャートで示す。この場合、冷却液Wの液温Twが低下し、低負荷温度Twd以下(Tw≦Twc−Tod〔℃〕)になったなら、他の条件を考慮して低負荷状態であることを判断する(ステップS1)。即ち、制御部7は、液温Twが低負荷温度Twd以下になることに加え、前回の膨張弁制御モードが終了してから設定時間Δtc1が経過していること(ステップS2),液温Twが下降傾向にあること(ステップS3),圧縮機2の回転数Rが設定回転数Rc以下であること(ステップS4),の各条件を満たしたなら低負荷状態であると判断する。図7中、te1が、低負荷温度Twd以下になった時点を示す。なお、液温Twが下降傾向であるか否かは次のように判断する。即ち、所定のサンプリング間隔により順次検出した液温Twにおける現在の検出値とこの検出値の直前における複数の検出値の平均値を比較し、現在の検出値が平均値よりも小さいときは下降傾向と判断する。したがって、現在の検出値が平均値よりも大きいときは上昇傾向と判断する。そして、ステップS1〜S4の各条件を満たしていれば、このときの電子膨張弁4の開度及びオフセット値を制御部7に一時記憶する(ステップS5)。電子膨張弁4の開度(基本開度)は、圧縮機2の回転数Rと液温Twに基づいて設定する。また、過熱度(=圧縮機の吸込温度−熱交換器5の入口冷媒温度Tx)は、循環液量や周囲温度により変動するため、過熱度が予め設定した過熱度設定値となるように電子膨張弁4の開度を調節する。この調節のため、基本開度に対して加算又は減算する値がオフセット値となる。
一方、電子膨張弁4の開度及びオフセット値を記憶したなら、膨張弁制御モードへの移行準備を行う。この場合、圧縮機2の回転数Rを下限回転数RL(例示は、600〔rpm〕)に固定するとともに、標準モードにおける電子膨張弁4の開度及びオフセット値をクリアして膨張弁制御モードで使用する電子膨張弁4の開度及びオフセット値を初期設定する(ステップS6,S7)。以上の処理が終了したなら、低負荷状態に対応した膨張弁制御モードへ移行する(ステップS200)。このように、膨張弁制御モードへの移行を、液温Twが低負荷温度Twd以下になることに加え、前回の膨張弁制御モードが終了してから予め設定した設定時間Δtc1が経過していること,液温Twが下降傾向にあること,圧縮機2の回転数Rが設定回転数Rc以下であること,を満たすことを条件に行うようにすれば、低負荷温度Twd,設定時間Δtc1,液温Twの変化傾向及び設定回転数Rcを組合わせた、より的確なタイミングによる移行制御を行うことができる。
図2に膨張弁制御モードの処理手順をフローチャートで示す。膨張弁制御モードでは、圧縮機2の回転数Rを下限回転数RLに固定した状態を維持し、電子膨張弁4の開度(オフセット値)のみを可変して液温Twの制御を行う。まず、膨張弁制御モードに移行後又は前回のオフセット値変更後から設定時間Δtcoが経過していること(ステップS11),熱交換器5の入口冷媒温度Txが第一設定冷媒温度Tcx1以下であること(ステップS12),入口冷媒温度Txが下降傾向にあること(ステップS13),の各条件を満たしたなら、オフセット値を「条件A」により増加させる変更を行う(ステップS14)。この「条件A」は電子膨張弁4を「+1」開く変更となる。なお、入口冷媒温度Txが下降傾向であるか否かは、上述した液温Twの場合と同様に、所定のサンプリング間隔により順次検出した入口冷媒温度Txにおける現在の検出値とこの検出値の直前における複数の検出値の平均値を比較し、現在の検出値が平均値よりも小さいときは下降傾向と判断する。したがって、現在の検出値が平均値よりも大きいときは上昇傾向と判断する。このように、熱交換器5の入口冷媒温度Txが予め設定した第一設定冷媒温度Tcx1以下であること,入口冷媒温度Txが下降傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を増加させる変更を行えば、第一設定冷媒温度Tcx1,入口冷媒温度Txの変化傾向及び設定時間Δtcoを組合わせた、より緻密で的確な変更を行うことができる利点がある。
同様に、膨張弁制御モードに移行後又は前回のオフセット値変更後から設定時間Δtcoが経過していること(ステップS11),液温Twが第一設定温度Tw1以下であること(ステップS15),液温Twが下降傾向にあること(ステップS16),熱交換器5の入口冷媒温度Txが第二設定冷媒温度Tcx2以上であること(ステップS17),入口冷媒温度Txが上昇傾向であること(ステップS18),の各条件を満たしたなら、オフセット値を「条件B」により減少させる変更を行う(ステップS19)。この「条件B」は電子膨張弁4を「−1〜−3」の間で閉じる変更となる。なお、このオフセット値「−1〜−3」は、液温Twの大きさに応じて選択する。このように、液温Twが予め設定した第一設定温度Tw1以下であること,液温Twが下降傾向にあること,熱交換器5の入口冷媒温度Txが予め設定した第二設定冷媒温度Tcx2以上であること,入口冷媒温度Txが上昇傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を減少させる変更を行えば、第一設定温度Tw1,第二設定冷媒温度Tcx2,液温Twの変化傾向及び設定時間Δtcoを組合わせた、より緻密で的確な変更を行うことができる利点がある。
同様に、膨張弁制御モードに移行後又は前回のオフセット値変更後から設定時間Δtcoが経過していること(ステップS11),液温Twが第二設定温度Tw2以上であること(ステップS20),液温Twが上昇傾向にあること(ステップS21),電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時に記憶した開度以下であること(ステップS22),の各条件を満たしたなら、オフセット値を「条件C」により増加させる変更を行う(ステップS23)。この「条件C」は電子膨張弁4を「+1〜+10」の間で開く変更となる。なお、このオフセット値「+1〜+10」は、液温Twの大きさに応じて選択する。膨張弁制御モードでは、以上の変更処理のいずれかが実行されることになる。このように、液温Twが予め設定した第二設定温度Tw2以上であること,液温Twが上昇傾向にあること,電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時における開度以下であること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間Δtcoが経過していること,を満たすことを条件にオフセット値を増加させる変更を行えば、第二設定温度Tw2,液温Twの変化傾向,電子膨張弁4の前回の開度及び設定時間Δtcoを組合わせた、より緻密で的確な変更を行うことができる利点がある。
また、膨張弁制御モードでは、低負荷状態を脱した否かの監視を行う(ステップS24)。したがって、低負荷状態を脱した場合には、標準モードへの移行処理を行う(ステップS25,S26)。図3に低負荷状態を脱したときの処理手順をフローチャートで示す。低負荷状態を脱した否かの判断は、冷却液Wの液温Twが上昇し、設定した非低負荷温度Twu以上(Tw≧Twc+Tou〔℃〕)になったなら、他の条件を考慮して低負荷状態を脱したものと判断する(ステップS31)。即ち、制御部7は、液温Twが非低負荷温度Twu以上になることに加え、前回の通常モードが終了してから設定時間Δtc2が経過していること(ステップS32),液温Twが上昇傾向にあること(ステップS33),電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時に記憶した開度以上であること(ステップS34),の各条件を満たしたなら低負荷状態を脱したと判断する。図7中、te2が、非低負荷温度Twu以上になった時点を示す。そして、ステップS31〜S34の各条件を満たしていれば、電子膨張弁4の開度及びオフセット値をクリアし、直前に記憶した電子膨張弁4の開度及びオフセット値を再設定する(ステップS35)。また、電子膨張弁4の開度及びオフセット値を再設定したなら、設定時間Δtc3(例示の場合、60〔s〕)の経過を待って標準モードに移行する(ステップS36,S100)。このように、通常モードへの移行を、液温Twが非低負荷温度Twu以上になることに加え、前回の通常モードが終了してから予め設定した設定時間Δtc2が経過していること,液温Twが上昇傾向にあること,電子膨張弁4の開度が前回の通常モードの終了時における開度以上であること,を満たすことを条件に行うようにすれば、非低負荷温度Twu,設定時間Δtc2,液温Twの変化傾向及び電子膨張弁4の前回の開度の組合わせた、より的確なタイミングによる移行制御を行うことができる。
よって、このような本実施形態に係る制御方法によれば、少なくとも液温Twが低負荷温度Twd以下になったなら膨張弁制御モードへ移行させ、かつ少なくとも液温Twが非低負荷温度Twu以上になったなら通常モードへ移行させるとともに、膨張弁制御モードでは、少なくとも、圧縮機2の回転数Rを下限回転数RLに固定し、かつ予め設定した条件に基づき電子膨張弁4の開度のオフセット値を変更しつつ当該開度を可変して液温Twに対する制御を行うようにしたため、インバータ制御される圧縮機2を搭載する冷却装置1であっても低負荷領域における液温Twの制御を容易かつ安定に行うことができる。また、膨張弁制御モードでは、少なくとも、圧縮機2の回転数Rを下限回転数RLに固定し、かつ予め設定した条件に基づき電子膨張弁4の開度のオフセット値を変更しつつ当該開度を可変して液温Twに対する制御を行うようにしたため、ホットガスパイパス回路等の別途の冷媒回路を追加する必要がなく、制御上の変更或いは既設の機能部品(温度センサ等)の利用により実施できる。したがって、部品点数の削減に伴うコストダウン、更には配設スペースの確保が不要になることに伴う装置全体の小型コンパクト化に寄与できる。
ところで、膨張弁制御モードにおいて、更に、負荷が低下することにより、過小負荷状態になった場合にはヒータ8を使用する。図4に、ヒータ8を使用する際の処理手順をフローチャートで示す。また、このときの液温Twを図7に仮想線Twsで示す。この場合、制御部7では、予め、過小負荷状態であることを判定する液温Twに対する過小負荷温度Twds,過小負荷状態を脱したことを判定する液温Twに対する非過小負荷温度Twus及び圧縮機2の回転数Rに対する監視回転数Rcsをそれぞれ設定する。
例示の場合、過小負荷温度Twdsは、設定液温Twcに対して所定の温度分Tods(例えば、1〔℃〕)だけ低い温度、即ち、Twds=Twc−Tods〔℃〕に設定する。設定液温Twcが20〔℃〕に設定され、Todsが1〔℃〕であれば、過小負荷温度Twdsは19〔℃〕となる。Twdsを、制御上のディファレンシャルの下限温度に設定した前述のTwdよりも更に低く設定することにより、過小負荷状態であると判断でき、設定液温Twc及び低負荷温度Twdを考慮した的確な過小負荷温度Twdsを容易に設定することができる。
また、非過小負荷温度Twusは、設定液温Twcに対して所定の温度分Tous(例えば、1〔℃〕)だけ高い温度、即ち、Twus=Twc+Tous〔℃〕に設定する。設定液温Twcが20〔℃〕に設定され、Tousが1〔℃〕であれば、非過小負荷温度Twusは21〔℃〕となる。Twusを、制御上のディファレンシャルの上限温度に設定した前述のTwuよりも更に高く設定することにより、非過小負荷状態を脱したと判断でき、設定液温Twc及び非低負荷温度Twuを考慮した的確な非過小負荷温度Twusを容易に設定することができる。さらに、監視回転数Rcsは、圧縮機2の運転可能最高回転数Rmaxに対して所定の回転数分Ros(例えば、50〔rpm〕)だけ小さい回転数に設定する。したがって、監視回転数Rcsは、Rcs=Rmax−Ros〔rpm〕に設定される。
今、冷却装置1が過小負荷状態になり、液温Twが低下することにより、設定した過小負荷温度Twds以下(Tw≦Twc−Tods〔℃〕)になったものとする(ステップS41,S42)。図7中、th1が、過小負荷温度Twds以下になった時点を示す。これにより、ヒータ8がONし、ヒータ8による冷却液Wの加熱が行われる(ステップS43)。ヒータ8のONにより、冷却液Wの液温Twは次第に上昇するため、強制的に負荷が高められる。そして、液温Twが上昇し、設定した非過小負荷温度Twus以上(Tw≧Twc+Tous〔℃〕)になったものとする(ステップS44,S45)。図5中、th2が、非過小負荷温度Twus以上になった時点を示す。
この際、圧縮機2の回転数Rを取込み、回転数Rが設定した監視回転数Rcs以上(R≧Rmax−Ros〔rpm〕)であるか否かを判定する。そして、監視回転数Rcs以上の場合、即ち、液温Twが非過小負荷温度Twus以上になったこと、及び圧縮機2の回転数Rが予め設定した監視回転数Rcs以上であること、の双方を満たすことを条件に、ヒータ8をOFFにする制御を行う(ステップS46,S47)。このような制御を行うことにより、ヒータ8をOFFするに際し、非過小負荷温度Twusと圧縮機2の回転数Rを組合わせた、より緻密で的確な制御を行うことができる。
よって、このようなヒータ8を用いれば、特に、過小負荷状態において、冷却液タンク6に収容した冷却液Wをヒータ8により強制的に加熱、即ち、強制的に負荷を高くできるため、圧縮機2の運転上の制約や冷却装置1以外で発生する外乱等により液温Twが大きく低下するような場合であっても、速やかに対応することが可能となり、安全性及び信頼性の更なる向上に寄与できる。また、冷却液タンク6内に配設することにより当該冷却液タンク6に収容した冷却液Wを加熱可能なヒータ8を用いるため、コスト上の観点からオプションとして用意する場合であっても、ホットガスバイパス回路等とは異なり、容易に後付けできるとともに、冷凍サイクルCcの回路内に予め用意する配設スペースも不要となる。特に、本実施形態に係る制御方法によれば、ヒータ8のON/OFFと前述した膨張弁制御モードを併行して行うことにより、性能的にはホットガスバイパス回路を設ける場合と同等の性能を確保できる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,手法,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に、変更,追加,削除することができる。例えば、オフセット値を変更する制御は例示以外の各種変更手法を適用できる。一方、ヒータ8は、タンクカバー6cに取付けた場合を示したが、冷却液タンク6に取付けてもよい。また、ヒータ8は、標準装備として予め組付けてもよいし、オプションとして後付けしてもよい。さらに、ヒータ8のタイプや形状は例示に限定されることなく、各種ヒータを利用することができる。その他、電動モータ41は直流モータを例示したが交流モータであってもよく、その種類は問わないとともに、インバータ回路42i(インバータユニット42)も同様の機能を有する各種タイプにより構成できる。なお、冷却装置1として図1(図2)に示すタイプを例示したが、本発明に係る冷却装置は、例示以外の各種タイプの冷却装置に対しても同様に適用することができる。
本発明の最良の実施形態に係る制御方法を実行する際における低負荷状態になったときの処理手順を示すフローチャート、 同制御方法を実行する際における膨張弁制御モードの処理手順を示すフローチャート、 同制御方法を実行する際における低負荷状態を脱したときの処理手順を示すフローチャート、 同制御方法を実行する際におけるヒータを使用するとき処理手順を示すフローチャート、 同制御方法を実施できる冷却装置の全体構成図、 同冷却装置における冷却液回路の構成図、 同制御方法を実行する際の各部の状態を示すタイミングチャート、
符号の説明
1:冷却装置,2:圧縮機,3:凝縮器,4:電子膨張弁,5:熱交換器,6:冷却液タンク,7:制御部,8:ヒータ,Cc:冷凍サイクル,Cm:冷却液回路,W:冷却液,H:被冷却物,Tw:冷却液の液温,Twc:設定液温,Twd:低負荷温度,Twu:非低負荷温度,Tod:所定の温度分,Tou:所定の温度分,Tx:入口冷媒温度,Tcx1:第一設定冷媒温度,Tcx2:第二設定冷媒温度,Tw1:第一設定温度,Tw2:第二設定温度,Twds:過小負荷温度,Twus:非過小負荷温度,Tods:所定の温度分,Tous:所定の温度分,Δtc1:設定時間,Δtc2:設定時間,Δtco:設定時間,R:圧縮機の回転数,RL:下限回転数,Rc:設定回転数,Rcs:監視回転数,Ros:所定の回転数分

Claims (9)

  1. 少なくとも、インバータ制御される圧縮機,凝縮器,電子膨張弁及び熱交換器を接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、前記熱交換器に接続することにより前記冷媒との熱交換により冷却液タンクから供給される冷却液を冷却し、冷却した冷却液を被冷却物に循環させた後、前記冷却液タンクに戻す冷却液回路と、前記冷却液の液温を検出し、検出した液温が予め設定した設定液温となるように前記圧縮機の回転数を制御する制御部とを備える冷却装置の制御方法において、前記液温が予め設定した前記設定液温に対して所定の温度分だけ低い低負荷温度以下になること,前回の膨張弁制御モードが終了してから予め設定した設定時間が経過していること,前記液温が下降傾向にあること,及び前記圧縮機の回転数が設定回転数以下であること,を満たすことを条件に、通常モードから膨張弁制御モードへ移行させる制御を行い、及び/又は前記液温が予め設定した前記設定液温に対して所定の温度分だけ高い非低負荷温度以上になること,前回の通常モードが終了してから予め設定した設定時間が経過していること,前記液温が上昇傾向にあること,及び前記電子膨張弁の開度が前回の通常モードの終了時における開度以上であること,を満たすことを条件に、前記膨張弁制御モードから前記通常モードへ移行させる制御を行うとともに、前記膨張弁制御モードでは、少なくとも、圧縮機の回転数を下限回転数に固定し、かつ予め設定した条件に基づき前記電子膨張弁の開度のオフセット値を変更しつつ前記開度を可変して前記液温に対する制御を行うことを特徴とする冷却装置の制御方法。
  2. 前記オフセット値を変更するに際しては、前記熱交換器の入口冷媒温度が予め設定した第一設定冷媒温度以下であること,前記入口冷媒温度が下降傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間が経過していること,を満たすことを条件に前記オフセット値を増加させることを特徴とする請求項1記載の冷却装置の制御方法。
  3. 前記オフセット値を変更するに際しては、前記液温が予め設定した第一設定温度以下であること,前記液温が下降傾向にあること,前記熱交換器の入口冷媒温度が予め設定した第二設定冷媒温度以上であること,前記入口冷媒温度が上昇傾向にあること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間が経過していること,を満たすことを条件に前記オフセット値を減少させることを特徴とする請求項1記載の冷却装置の制御方法。
  4. 前記オフセット値を変更するに際しては、前記液温が予め設定した第二設定温度以上であること,前記液温が上昇傾向にあること,前記電子膨張弁の開度が前回の通常モードの終了時における開度以下であること,前回のオフセット値の変更から予め設定した設定時間が経過していること,を満たすことを条件に前記オフセット値を増加させることを特徴とする請求項1記載の冷却装置の制御方法。
  5. 前記冷却液タンク内に前記冷却液を加熱可能なヒータを配設し、少なくとも、前記液温が予め設定した過小負荷温度以下になったなら前記ヒータをONにし、かつ前記液温が予め設定した非過小負荷温度以上になったなら前記ヒータをOFFにする制御を行うことを特徴とする請求項1記載の冷却装置の制御方法。
  6. 前記ヒータをOFFにする制御は、前記液温が非過小負荷温度以上になったこと、及び前記圧縮機の回転数が予め設定した監視回転数以上であること、の双方を満たすことを条件に行うことを特徴とする請求項5記載の冷却装置の制御方法。
  7. 前記監視回転数は、前記圧縮機の運転可能最高回転数に対して所定の回転数分だけ小さい回転数に設定することを特徴とする請求項6記載の冷却装置の制御方法。
  8. 前記過小負荷温度は、前記設定液温に対して所定の温度分だけ低い温度であって、前記低負荷温度よりも低い温度に設定することを特徴とする請求項1記載の冷却装置の制御方法。
  9. 前記非過小負荷温度は、前記設定液温に対して所定の温度分だけ高い温度であって、前記非低負荷温度よりも高い温度に設定することを特徴とする請求項1記載の冷却装置の制御方法。
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