JP4969676B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

この発明は、一般家庭において使用される誘導加熱調理器に関するものである。
一般の誘導加熱調理器において、加熱コイルから見た被加熱負荷の電気抵抗値Rは、次式で表される。
2√(ρfμ)…(1)
(上記式において、N:加熱コイル巻数、ρ:抵抗率、f:電流の周波数、μ:比透磁率である)
従って、その電気抵抗値Rは、加熱コイル巻数Nの平方、抵抗率ρの平方根、電流の周波数fの平方根、比透磁率μの平方根に比例した値となる。
鉄、磁性SUS、非磁性SUS、アルミニウムの電気抵抗率や比透磁率は下記の表1に示す値なので、アルミニウム製鍋(以下、アルミ鍋と記載)と比較して、非磁性SUS鍋は約5倍、鉄鍋や磁性SUS鍋は約20倍の抵抗値比を有している。
Figure 0004969676
従って、加熱コイルに同じ電流を流したとすると、アルミ鍋には鉄鍋等の1/20の加熱出力しか得られない。一方、アルミ鍋において所定の加熱コイル電流で所望の加熱出力を得られるように加熱コイルの巻き数Nを調整すると、同じ駆動条件で鉄鍋等を駆動すると1/20しか電流が流れないため、加熱出力は1/400になってしまい十分な加熱出力を得られない。
そこで、表皮抵抗に大きな差がある鉄鍋とアルミ鍋の両方を加熱できるものとして次のような従来の誘導加熱調理器が提案されている。
かかる従来の誘導加熱調理器は、鉄あるいは磁性ステンレス製のような表皮抵抗の大きい鍋と、アルミニウムあるいは銅製の抵抗の小さい鍋の何れも加熱できるように、複数の巻数を選択可能な加熱コイルおよび複数の静電容量を選択可能な共振用コンデンサから成る負荷回路と、負荷回路の加熱コイルや共振コンデンサの接続を切り替えるリレー等の切替え装置と、負荷回路の共振周波数に対応した周波数の高周波出力を供給するインバータを設け、その負荷回路の動作状態に基づいて被加熱体の材質を検知して、切替え装置による共振回路の接続とインバータの高周波出力の周波数を制御することにより、被加熱体の材質の相違による表皮抵抗に大小がある場合も同程度に加熱可能としている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−48945公報
しかしながら、かかる従来の誘導加熱調理器では、表皮抵抗に大きな差がある鉄鍋とアルミ鍋の両方を加熱できるようにするために、被加熱物の材質に応じてリレー等の切替え装置で複数の加熱コイルの接続を切り替えることにより、加熱コイルから見た負荷抵抗値を調整するようにしているが、加熱コイルの接続状態が被加熱負荷の特性に対して適切でない場合にはインバータの高周波出力動作を一旦停止して、切替え装置であるリレーによる接続を切り替えてから再起動する必要があり、スムーズな火力調整ができない問題点があった。また、加熱コイルの切り替えに切替え装置としてリレーを使用するときには、その接点寿命等によりリレーを使用しない切替え装置と比較して回路寿命が短くなる問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、切替え装置であるリレー等による接点接続切り替えによらず、表皮抵抗に大きな差がある鉄鍋とアルミ鍋の両方を加熱可能な誘導加熱調理器を得ることを目的とする。
この発明に係る誘導加熱調理器は、交流電源を直流電圧に変換する直流電源回路と、該直流電源回路の出力母線間に直列に接続されたそれぞれが2つのスイッチング素子を含む3つのアームからなるインバータ回路と、前記3つのアームのうちの特定アーム出力点とその他の2つのアームの出力点との間に、前記特定アームから流れ出る電流の周回方向が逆向きになるようにそれぞれ接続し、互いに磁気的に結合される複数の加熱コイルを含む負荷回路と、前記負荷回路の複数の加熱コイルと磁気結合される被加熱鍋の材質を入力電流と出力電流との相関に基づいて、高インピーダンス材料、中インピーダンス材料、低インピーダンス材料の何れであるか判断する被加熱鍋材質判定手段と、高周波出力制御手段と、を備え、前記高周波出力制御手段は、前記被加熱鍋材質判定手段が前記被加熱鍋が高インピーダンス材質と判断した場合は前記3つのアームをそれぞれ駆動する3アームフルブリッジモードとして、前記特定アーム出力点と一方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルと、前記特定アーム出力点と他方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルとに逆周回方向の高周波電流が流れるように、複数の加熱コイルに高周波電圧を印加し、前記被加熱鍋材質判定手段が前記被加熱鍋がインピーダンス材質と判断した場合は前記3つのアームのうち、前記特定アームを除くその他の2つのアームの駆動手段をそれぞれ駆動する2アームフルブリッジモードとして、前記特定アーム出力点と一方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルと、前記特定アーム出力点と他方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルとに同一周回方向の高周波電流が流れるように、複数の加熱コイルに高周波電圧を印加し、前記被加熱鍋材質判定手段が前記被加熱鍋が低インピーダンス材質と判断した場合は、前記3つのアームのうち、前記特定アームを除くその他の2つのアームの駆動手段をそれぞれ駆動して、前記特定アーム出力点と一方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルと、前記特定アーム出力点と他方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルとに同一周回方向の高周波電流が流れるように、複数の加熱コイルに高周波電圧を印加し、且つそれら2つのアームのいずれか一方のアームについては2つのスイッチング素子を交互に駆動し、他方のアームについては2つのスイッチング素子の一方を固定駆動するハーフブリッジモードとすものである。
この発明は、大きく電気抵抗の異なる被加熱鍋に対しても使用可能な誘導加熱調理器を得ることができる。
参考例1に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図。 同誘導加熱調理器の内・外加熱コイルの大きさや位置関係を示す平面図。 同誘導加熱調理器の内・外加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図。 内・外加熱コイルに印加する電圧の波形図。 内・外加熱コイルに流れる電流により発生する磁束の方向を示す説明図。 参考例2に係る誘導加熱調理器の上・下加熱コイルの大きさや位置関係を示す平面図。 同誘導加熱調理器の上・下加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図。 上・下加熱コイルに印加する電圧の波形図。 上・下加熱コイルに流れる電流により発生する磁束の方向を示す説明図。 同誘導加熱調理器の別の上・下加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図。 参考例3に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図。 同誘導加熱調理器の低抵抗鍋用の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の高抵抗鍋用の駆動信号の波形図。 参考例4に係る誘導加熱調理器の各種駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の加熱出力制御処理のフローチャート。 参考例5に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図。 同誘導加熱調理器の低抵抗鍋用の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の高抵抗鍋用の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の中間的な電気抵抗を有する鍋用の駆動信号の波形図。 参考例6に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図。 同誘導加熱調理器の低抵抗鍋用の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の高抵抗鍋用の駆動信号の波形図。 この発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図。 同誘導加熱調理器の内・外加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図。 同誘導加熱調理器の3アームフルブリッジモードの周波数制御の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の2アームフルブリッジモードの周波数制御の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器のハーフブリッジモードの周波数制御の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の動作モードを決める被加熱鍋判定処理のフローチャート。 同誘導加熱調理器の被加熱鍋判定用の入力電流と出力電流の関係を示すグラフ。 この発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の3アームフルブリッジモードの導通比率制御の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の2アームフルブリッジモードの導通比率制御の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器のハーフブリッジモードの導通比率制御の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の3アームフルブリッジモードの位相差制御の駆動信号の波形図。 同誘導加熱調理器の2アームフルブリッジモードの位相差制御の駆動信号の波形図。 この発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図。 同誘導加熱調理器の上・下加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図。
参考例1.
図1は参考例1に係る誘導加熱調理器の全体構成を示す回路図、図2は同誘導加熱調理器の内・外加熱コイルの大きさや位置関係を示す平面図、図3は同誘導加熱調理器の内・外加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図である。
図1において、交流電源1を直流電源に変換する直流電源回路2の出力側に高周波出力手段3が接続され、その高周波出力制御手段3が複数の加熱コイル4、5に高周波電圧を印加する構成となっている。
図2、図3に示すように、複数の加熱コイルのうち、加熱コイル4は略円形に巻回された外形の小なる加熱コイル(以下、内加熱コイルと称す)であり、その外周に環状の加熱コイル5(以下、外加熱コイルと称す)が巻回されており、内加熱コイル4と外加熱コイル5の中心位置は略一致するように配置されている。内・外加熱コイル4,5の下方には磁束をシールドするフェライト6が配置され、被加熱負荷である被加熱鍋7は天板8を介して内・外加熱コイル4、5上に載置されている。
次に、内・外加熱コイル4、5に流れる電流により生起される磁束について、図4と図5を用いて説明する。
図4は内・外加熱コイル4、5に印加する電圧波形を示す波形図、図5は内・外加熱コイル4、5に流れる電流により発生する磁束の方向を示す説明図である。
図5において、ある時点における内加熱コイル4に流れる電流による磁束の向きを一点鎖線矢印9a、9bで、外加熱コイル5に流れる電流による磁束の向きを二点鎖線矢印10a、10bで示している。
まず、図4(a)は、内加熱コイル4と外加熱コイル5に同一位相で高周波電圧を印加していることを示している。このとき、内加熱コイル4と外加熱コイル5に流れる電流もほぼ同位相となる。なお、内・外加熱コイル4、5上に載置された被加熱負荷である被加熱鍋7には加熱コイル電流とは逆周回方向の誘導渦電流が流れる。
この内・外加熱コイル4、5に流れる電流により生起される磁束の向きは、電流の流れる方向に対して右回りの方向に発生するので、内・外加熱コイル4、5に流れる電流の向きが反転するのに伴い反転する。
図4(a)の場合には内加熱コイル4と外加熱コイル5に流れる電流がほぼ同位相のため、図5(a)に示すように内加熱コイル4の電流により発生する磁束の向きと外加熱コイル5の電流により発生する磁束の向きは同一方向になる。
図5(a)において、内加熱コイル4の電流により発生する磁束の一部9bは外加熱コイル5に鎖交し、外加熱コイル5の電流により発生する磁束の一部10bも内加熱コイル4と鎖交して、それぞれ内・外加熱コイル4、5の周囲に生じる磁束が重畳して増加するため、内・外加熱コイル4、5間の相互インダクタンスがプラスに作用して、内・外加熱コイル4、5の実効インダクタンスが大きくなり、内・外加熱コイル4、5に流れる電流は抑制される。
一方、図4(b)に示すように、内加熱コイル4と外加熱コイル5に逆位相で高周波電圧を印加した場合には、内加熱コイル4と外加熱コイル5に流れる電流もほぼ逆位相となる。内・外加熱コイル4、5に流れる電流により生起される磁束の向きは、図5(b)に示すように逆方向になる。
そのとき、内加熱コイル4の電流により発生する磁束の一部9b’は外加熱コイル5に鎖交し、外加熱コイル5の電流により発生する磁束の一部10b’も内加熱コイル4と鎖交して、それぞれ内・外加熱コイル4、5の周囲に生じる磁束と打ち消しあうことになるため、内・外加熱コイル4、5間の相互インダクタンスがマイナスに作用して内・外加熱コイル4、5の実効インダクタンスが小さくなり、内・外加熱コイル4、5に電流が流れ易くなる。
この参考例1においては、被加熱鍋7がアルミ鍋のような低抵抗鍋に対しては、高周波出力制御手段3が内加熱コイル4と外加熱コイル5を同一位相で駆動することにより、内・外加熱コイル4、5に流れる電流を抑制し、被加熱鍋7が鉄鍋や磁性SUS鍋のような高抵抗鍋に対しては、内加熱コイル4と外加熱コイル5を逆位相で駆動することにより、内・外加熱コイル4、5に電流を流しやすくして、アルミ鍋と鉄鍋のように大きく電気抵抗の異なる材質の被加熱鍋7に対しても使用可能な誘導加熱調理器を得ることができる。
参考例2.
図6は参考例2に係る誘導加熱調理器の上・下加熱コイルの大きさや位置関係を示す平面図、図7は同誘導加熱調理器の上・下加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図、図8は上・下加熱コイルに印加する電圧の波形図、図9は上・下加熱コイルに流れる電流により発生する磁束の方向を示す説明図、図10は同誘導加熱調理器の別の上・下加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図である。
上記参考例1は複数の加熱コイルを同一平面上に、内加熱コイルと外加熱コイルという形態で配置したが、この参考例2では複数の加熱コイルを垂直方向に、上加熱コイルと下加熱コイルという形態で積層配置したものである。
なお、この参考例2の誘導加熱調理器の回路構成は参考例1の図1と同様とする。
図7に示すように、この参考例2の垂直方向に積層配置した複数の加熱コイルは、天板8や被加熱鍋7に近く配置された上側の加熱コイル4’(以下、上加熱コイルと称す)と、天板8や被加熱鍋7から離れて上加熱コイル4’の下側に配置された加熱コイル5’(以下、下加熱コイルと称す)から構成される。また、図9に上加熱コイル4’に流れる電流による磁束の向きを一点鎖線矢印で、外加熱コイル5’に流れる電流による磁束の向きを二点鎖線矢印で示している。
これら上加熱コイル4’、下加熱コイル5’に印加される電圧を図8は示し、図8(a)の場合には上加熱コイルと下加熱コイルに流れる電流の位相もほぼ同位相となる。この場合、上加熱コイル4’に流れる電流により発生する磁束の向きと下加熱コイル5’に流れる電流により発生する磁束の向きは、図9(a)に示すように同一方向になる。また、上・下加熱コイル4’、5’上に載置された被加熱鍋7には加熱コイル電流とは逆周回方向の誘導渦電流が流れる。
このとき、参考例1と同様に、上・下加熱コイル4’、5’間でコイル電流による磁束がお互いに鎖交して、上・下加熱コイル4’、5’間の相互インダクタンスがプラスに作用して、上・下加熱コイル4’、5’の実効インダクタンスが大きくなり、上・下加熱コイル4’、5’に流れる電流は抑制される。
一方、図8(b)に示すように、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’に逆位相で高周波電圧を印加した場合には、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’に流れる電流もほぼ逆位相となり、これら上・下加熱コイル4’、5’に流れる電流により発生する磁束の向きも、図9(b)に示すように逆方向になる。
そのとき、上加熱コイル4’の電流により発生する磁束の一部9’bは下加熱コイル5’に鎖交し、下加熱コイル5’の電流により発生する磁束の一部10’bも上加熱コイル4’と鎖交して、それぞれ上・下加熱コイル4’、5’の周囲に生じる磁束と打ち消しあうことになるため、上・下加熱コイル4’、5’間の相互インダクタンスがマイナスに作用して上・下加熱コイル4’、5’の実効インダクタンスが小さくなり、上・下加熱コイル4’、5’に電流が流れ易くなる。
この参考例2においては、高周波出力制御手段3が被加熱鍋7がアルミ鍋のような低抵抗鍋に対しては、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’を同一位相で駆動することによって加熱きるに流れる電流を抑制し、被加熱鍋7が鉄鍋や磁性SUS鍋のような高抵抗鍋に対しては、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’を逆位相で駆動することにより、上・下加熱コイル4’、5’に電流を流し易くして、電気抵抗の大きく異なる被加熱鍋7に対しても使用可能な誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、被加熱鍋7に流れる誘導渦電流による磁束は、下加熱コイル5’よりも上加熱コイル4’により多く鎖交するため、上加熱コイル4’のインダクタンスの方がが小さくなり、下加熱コイル5’より大きなコイル電流がに流れることになるため、図10に示したように下加熱コイル5’の巻き数を上加熱コイル4’より減らすことにより、下加熱コイル5’と上加熱コイル4’のインダクタンスのバランスが取れ、従って、上・下加熱コイル4’、5’の電流のバランスもとれるので、電流の不均衡に因る上・下加熱コイル4’、5’やスイッチング素子の発熱の集中を緩和することができる。
参考例3.
図11は参考例3に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図、図12は同誘導加熱調理器の低抵抗鍋用の駆動信号の波形図、図13は同誘導加熱調理器の高抵抗鍋用の駆動信号の波形図である。
図11において、交流電源1から供給される交流は直流電源回路2で直流に変換される。この直流電源回路2は、交流電力を整流する整流ダイオードブリッジ11とリアクトル12と平滑コンデンサ13とから構成されている。
そして、その直流電源回路2へ入力される入力電流は入力電流検出回路14によって検出される。
また、直流電源回路2の出力直流母線にはインバータ回路3および3’が接続される。
インバータ回路3は内加熱コイル4用の高周波出力手段であり、直流母線間に直列に接続された2つのスイッチング素子(IGBT)15(以下、上スイッチと称す),16(以下、下スイッチと称す)と、これらスイッチング素子15、16にそれぞれ逆並列に接続されたダイオード17,18とからなっている。
インバータ駆動回路19はインバータ回路3の上スイッチ15と下スイッチ16を交互にオンオフする駆動信号を出力するものであり、出力電流検出手段20は内加熱コイル4と共振コンデンサ21の直列回路に流れる出力電流を検出するものである。
外加熱コイル5用のインバータ回路3’も内加熱コイル4用のインバータ回路3と同様の構成であり、上スイッチ15’及び下スイッチ16’と、これら上・下スイッチ15’、16’にそれぞれ逆並列に接続されたダイオード17’,18’とからなっている。
インバータ駆動回路19’はインバータ回路3’の上スイッチ15’と下スイッチ16’を交互にオンオフする駆動信号を出力するものであり、出力電流検出手段20’は外加熱コイル5と共振コンデンサ21’の直列回路に流れる出力電流を検出するものである。
出力制御手段22が、入力電流検出回路14の検出値や、出力電流検出手段20及び20’の検出値から、各インバータ駆動回路19、19’を制御する。
この参考例3では、内・該加熱コイル4、5に高周波電圧を制御して印加する高周波出力制御手段は、インバータ回路3、3’とインバータ駆動回路19、19’と出力制御手段22とで構成されている。
アルミ鍋のような電気抵抗の小さい被加熱鍋7を使用する場合には、鉄鍋のような電気抵抗の大きい鍋を使用する場合に比べて、入力電流検出手段14で検出する入力電流が同じ駆動信号において大きくなり、又同じ入力電流に対しては、出力電流検出手段20及び20’で検出されるコイル電流が大きくなる。
また、鉄鍋のような電気抵抗の大きい被加熱鍋7を使用する場合は、前述とは逆の関係になる。
そこで、被加熱鍋材質判定手段である出力制御手段22が検出した入出力電流等の値により被加熱鍋7の材質を判断し、インバータ回路3と3’への駆動信号の位相を、同位相にするか逆位相にするかを選択する。
図12に示したのは被加熱鍋7がアルミ鍋のような低抵抗鍋用の駆動信号の例であり、周波数制御により加熱出力制御を行い、図12(a)は駆動周波数は加熱コイル4,5と共振コンデンサ21、21’の共振周波数より高い周波数範囲を用いる。
その駆動周波数範囲では、負荷回路に流れる電流は印加する電圧よりも遅れ位相となり、インバータ回路のスイッチング素子のターンオンするタイミングは、ターンオンするスイッチング素子と逆並列に接続されているダイオードが導通している状態であるので、ゼロ電圧スイッチングとなってスイッチング損失が抑えられている。なお、図12(a)は高加熱出力の駆動信号であり、(b)は駆動周波数を高周波化して加熱出力を抑制した低加熱出力の駆動信号である。
また、図13に示したのは被加熱鍋7が鉄鍋又は磁性SUS鍋ような高抵抗鍋用の駆動信号の例であり、図13(a)は高加熱出力の駆動信号波形、(b)は駆動周波数を高周波化して加熱出力を抑制した低加熱出力の駆動信号波形である。
図12(a)において、Iの期間はインバータ回路3及び3’の上スイッチ15及び15’が導通状態である。このとき、内加熱コイル4および外加熱コイル5に右回りの電流が流れる。また、IIの期間はインバータ回路3及び3’の下スイッチ16および16’が導通状態で、内加熱コイル4と外加熱コイル5に左回りの電流が流れる。このように、図12(a)の駆動信号の場合には、内・外加熱コイル4、5に同一周回方向の電流が流れ、その電流により発生する磁束は、お互いに重畳して強めあうため、個々の内・外加熱コイル4、5に発生する逆起電力が大きくなり、それぞれ内・外加熱コイル4、5に流れる電流は抑制されて小さくなる。
従って、被加熱鍋7で電気抵抗が小さく加熱コイルに大きな電流が流れやすいアルミ鍋を加熱する場合においても、内・外加熱コイル4、5に同じ周回方向に電流を流すことにより、それぞれ内・外加熱コイル4、5に流れる電流を抑制できるので、スイッチング素子15、16、15’、16’に過電流が流れるのを防止できる。
一方、図13(a)において、IIIの期間はインバータ回路3上スイッチ15及びインバータ回路3’の下スイッチ16’が導通状態である。このとき、内加熱コイル4には右回りの電流が流れ、外加熱コイル5に左回りの電流が流れる。また、図13(b)において、IVの期間はインバータ回路3の下スイッチ16及び3’の上スイッチ15’が導通状態で、内加熱コイル4には左回りの電流が流れ、外加熱コイル5に左回りの電流が流れる。
このように、図13の駆動信号の場合には、内・外加熱コイル4、5に逆周回方向の電流が流れるため、その電流により発生する磁束は、お互いに打ち消しあって弱めあうため、それぞれ内・外加熱コイル4、5に発生する逆起電力が小さくなり、それぞれ内・外加熱コイル4、5に流れる電流は大きくなる。
従って、被加熱鍋7で電気抵抗が大きく加熱コイルに電流が流れにくい鉄鍋や磁性SUS鍋を加熱する場合においても、内・外加熱コイル4、5に逆周回方向の電圧を印加することにより、それぞれ内・外加熱コイル4、5に流れる電流を増加させて、大きな入力電力を得ることができる。
この参考例3は、出力制御手段22が入力電流検出回路14が検出した入力電流値と出力電流検出手段20、20’が出力電流値とに基づいて被加熱鍋7の材質を判断し、被加熱鍋7の判断した材質の電気抵抗の特性に応じて、内加熱コイル4用のインバータ回路3の駆動信号と、外加熱コイル5用のインバータ回路3’の駆動信号の位相を同一位相又は逆位相のいずれかを選択し、選択した位相でインバータ駆動回路19、19’がインバータ回路3、3’を駆動することにより、被加熱鍋7における電気抵抗の違いの影響を低減し、さらに駆動信号の位相が選択された被加熱鍋7の高加熱出力と低加熱出力の調整は駆動周波数を制御することにより行うことができる誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、上記参考例3では内加熱コイル4と外加熱コイル5を同一周回方向に巻回した構成を示したが、逆方向に巻回した場合には、高抵抗鍋を加熱する際に同一位相で駆動し、低抵抗鍋を加熱する際に逆位相で駆動することにより、同様の効果を得ることができる。
また、上記の参考例3では、被加熱鍋7の材質により内加熱コイル4と外加熱コイル5の加熱電流或いは印加電圧の位相関係を選択固定して、周波数制御により加熱電力を調整する例を示したが、周波数制御と位相制御を切り替えて加熱電力の調整を行うようにしてもよい。
参考例4.
図14は参考例4に係る誘導加熱調理器の各種駆動信号の波形図、図15は同誘導加熱調理器の加熱出力制御処理のフローチャートである。
この参考例4は、被加熱鍋7の材質を問わず内・外加熱コイル4、5への印加電圧を同一位相として周波数制御で駆動し、制御周波数範囲の最低周波数においても所望の加熱電力に満たない場合には内・外加熱コイル4、5への印加電圧の位相差を制御するようにしたものである。なお、この参考例4の誘導加熱調理器の回路の構成は参考例3の図10と同様とする。
図14(a)〜(e)において、上段の波形が内加熱コイル4用のインバータ回路3の上スイッチ15への駆動信号で、下段の波形が外加熱コイル5用のインバータ回路3’の上スイッチ15’への駆動信号である。
各インバータ回路3、3’の下スイッチ16、16’への駆動信号については、図示を省略しているが、参考例3の図12等に示したように、上スイッチと排他的にデッドタイムを有してオンオフする。
図14(a)〜(c)は周波数制御モードにおける駆動信号で、(a)は上限周波数の駆動信号、(b)は中間周波数の駆動信号の例、(c)は下限周波数の駆動信号である。
また、(d)〜(e)は位相差制御モードにおける駆動信号で、(d)は中間位相差の駆動信号例、(e)は最大位相差の駆動信号を示している。なお、最大位相差は必ずしも180°とする必要は無い。
次に、この参考例4の加熱電力制御処理について図15のフローチャートに基づいて説明する。
最初に、出力制御手段22が出力電流検出手段20と20’で検出した出力電流値が、インバータ回路3、3’のスイッチング素子15、16、15’、16’を保護するための制限値と比較し(ステップ1)、制限値に満たなければ入力電流検出手段14の検出値を元に算出した入力電力と設定電力を比較する(ステップ2)。
そして、出力制御手段22では入力電力が設定電力よりも小さい場合には、駆動信号の周波数が下限周波数より高いかどうかを判断し(ステップ3)、下限周波数よりも高い周波数であれば周波数制御モードとし、駆動信号波形は図14の(a)や(b)の状態とする。この場合には、駆動周波数を下げて(ステップ4)、入力電力を設定電力に近づける。
駆動周波数が下限周波数であった場合は、駆動周波数をもう下げることができないから、位相差制御モードとする。この位相差制御モードにおけるインバータ回路3、3’への駆動信号は図14(c)〜(e)の状態とする。そして、出力制御手段22は出力中の駆動信号の位相差を最大位相差(180°)と比較して(ステップ5)、最大位相差より小さい場合には位相差を大きくし、加熱出力を増大させる(ステップ6)。
また、上記ステップ1で出力電流が制限値以上であった場合や、上記ステップ2で入力電力が設定電力より大きかった場合には、コイル電流を下げる必要があり、出力制御手段22は駆動信号の位相差が最小位相差(0°)より大きいかどうかを判断し(ステップ7)、大きい場合には位相差制御モードとし、出力電流や入力電力を小さくするように駆動信号の位相差を小さくする(ステップ8)。
また、駆動信号の位相差が最小位相差(0°)であった場合は周波数制御モードとし、出力制御手段22はその駆動信号の周波数と上限周波数を比較して(ステップ9)、上限周波数より低ければ駆動周波数を上げて加熱出力を下げる(ステップ10)。
この参考例4においては、出力制御手段22が出力電流検出手段20、20’が検出した出力電流値とインバータ回路3、3’のスイッチング素子15、16、15’、16’を保護するための制限値とを比較し、その検出した出力電流値が制限値に満たない場合は入力電力と設定電力を比較し、入力電力が設定電力より小さいときはインバータ回路3、3’への駆動信号の制御を入力電力を設定電力に近づけるため加熱出力を上げる周波数制御モードとし、その検出した出力電流値が制限値を超える場合と入力電力が設定電力より大きい場合はインバータ回路3、3’への駆動信号の制御を加熱出力を下げる位相差制御モードとてインバータ駆動回路19、19’がインバータ回路3、3’を駆動し、このように制御モードを切替えることにより、被加熱鍋7の電気抵抗の異なる材質を問わずに使用可能な誘導加熱調理器を得ることができ、また、加熱開始時に被加熱鍋7の材質を判定する必要も無いものとしている。
参考例5.
図16は参考例5に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図、図17は同誘導加熱調理器の低抵抗鍋用の駆動信号の波形図、図18は同誘導加熱調理器の高抵抗鍋用の駆動信号の波形図、図19は同誘導加熱調理器の中間的な電気抵抗を有する鍋用の駆動信号の波形図である。
図16において、参考例3の図11と同一または相当部分には同じ記号を付し、説明を省略する。
23は内加熱コイル4側の共振コンデンサ21と並列に接続されたクランプダイオード、23’は外加熱コイル5側の共振コンデンサ21’と並列に接続されたクランプダイオードである。
この参考例5は、内加熱コイル4用のインバータ回路3の下スイッチ16の導通中に内加熱コイル4と共振コンデンサ21の接続点電位が直流電源回路2の負側母線電位を下回ると、クランプダイオード23が導通して環流電流が流れ、加熱コイル4と共振コンデンサ21の直列共振による転流を防止している半共振インバータ回路を用いており、上スイッチ15と下スイッチ16の導通比率制御により印加電圧を調整して周波数制御と等価的に加熱出力制御を行う。
なお、外加熱コイル5用のインバータ回路3’についても、内加熱コイル4用のインバータ回路3と同様に、上スイッチ15’と下スイッチ16’の導通比率制御により印加電圧を調整して周波数制御と等価的に加熱出力制御を行う。
その導通比率制御とは、上スイッチ15’と下スイッチ16’のオン時間の比率が異なる制御をいい、印加電圧を実質的に下げる目的で行う。
また、この参考例5は、参考例3と同様に、出力制御手段22が入力電流検出回路14が検出した入力電流値と出力電流検出手段20、20’が出力電流値とに基づいて被加熱鍋7の材質を判断し、被加熱鍋7の判断した材質の電気抵抗の特性に応じて、内加熱コイル4用のインバータ回路3の駆動信号と、外加熱コイル5用のインバータ回路3’の駆動信号の位相を同一位相又は逆位相のいずれかを選択するものである。
図17は低抵抗鍋用の駆動信号を示し、(a)は高加熱出力時の駆動信号波形、(b)は低加熱出力時の駆動信号波形を示し、上段は内加熱コイル4用のインバータ回路3の上スイッチ15、下スイッチ16への駆動信号波形、下段は外加熱コイル5用のインバータ回路3’の上スイッチ15’、下スイッチ16’への駆動信号波形である。
また、図18は高抵抗用鍋の駆動信号を示し、(a)は高加熱出力時の駆動信号波形、(b)は低加熱出力時の駆動信号波形である。
この参考例5においても、内加熱コイル4と外加熱コイル5に同一位相の電圧が印加される図17の場合には、それぞれ内・外加熱コイル4、5に流れる電流により発生する磁束がお互いに重畳するため、内・外加熱コイル4、5で発生する逆起電力が大きくなり、結果として内・外加熱コイル4、5に流れる電流を抑制する。
また、内・外加熱コイル4、5に逆位相の電圧が印加される図18の場合には、それぞれ内・外加熱コイル4、5に流れる電流により発生する磁束がお互いに打ち消しあうため、内・外加熱コイル4、5で発生する逆起電力が小さくなり、結果として内・外加熱コイル4、5に流れる電流を大きくすることができ、出力電力も大きくできる。
この参考例5においては、出力制御手段22が検出した入力電流値と出力電流値とに基づいて被加熱鍋7の材質を判断し、被加熱鍋7の判断した材質の電気抵抗の特性に応じて、内加熱コイル4用の半共振インバータ回路3の駆動信号と、外加熱コイル5用の半共振インバータ回路3’の駆動信号の位相を同一位相又は逆位相のいずれかを選択し、選択した移動でインバータ駆動回路19、19’がインバータ回路3、3’を駆動し、さらに駆動信号の位相が選択された被加熱鍋7の低加熱出力の調整は半共振インバータ回路3、3’を用いて上スイッチ15,15’と下スイッチ16、16’の導通比率制御することにより、被加熱鍋7の材質による電気抵抗の違いの影響を低減した誘導加熱調理器を得ることができる。
また、半共振インバータ回路3、3’は一定の周波数で駆動できるので、複数の加熱口を有する調理器に適用した場合にも、鍋相互間の共鳴音等の問題も生じない。
なお、内加熱コイル4と外加熱コイル5に印加する電圧、あるいは内加熱コイル4と外加熱コイル5に流れる電流の位相差については、検出した入力電流や出力電流から中間的な電気抵抗を有する非磁性sus鍋である被加熱鍋7の電気抵抗等を判断し、図19に示したような中間的な位相差としてもよい。図19においても、(a)は高加熱出力時の駆動信号波形、(b)は駆動周波数を高周波化して加熱出力を抑制した低加熱出力時の駆動信号波形を示す。
参考例6.
図20は参考例6に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図、図21は同誘導加熱調理器の低抵抗鍋用の駆動信号の波形図、図22は同誘導加熱調理器の高抵抗鍋用の駆動信号の波形図である。
この参考例6は高周波変換手段として一石共振型インバータ回路を用いたものである。図20において、図11或いは図16と同一あるいは相当する部分には同一の符号を付している。
この参考例6は、直流電源回路2の出力側に、内加熱コイル4とその共振コンデンサ21の並列負荷回路24と、外加熱コイル5とその共振コンデンサ21’の並列負荷回路24’が接続され、並列負荷回路24と直列にスイッチング素子25と逆並列ダイオード26を接続し、また、並列負荷回路24’と直列にスイッチング素子25’と逆並列ダイオード26’を接続して、それぞれ一石共振インバータ回路を構成している。
この一石共振インバータ回路のスイッチング素子25、25’の導通時間制御により印加電圧を調整して周波数制御と等価的に加熱出力制御を行う。
その導通時間制御とは、スイッチング素子25、25’の駆動信号のオフ時間はそれぞれ変化しないが、オン時間を変化させる制御をいい、印加電圧を実質的に下げることを目的として行う。
図21と図22は、一石共振インバータ回路のスイッチング素子25、25’の駆動信号を示したもので、図21は同一位相(タイミング)でオンするものであり、図22は逆位相(駆動周期の半周期ずれたタイミング)でオンするものである。また、図21及び図22において、(a)はスイッチング素子のオン時間を長くした高加熱出力の駆動信号であり、(b)はスイッチング素子のオン時間を短くした低加熱出力時の駆動信号であり、導通時間制御されたものである。
次に、この参考例6の誘導加熱調理器の動作について説明する。
一石共振インバータ回路では、スイッチング素子25、25’のオン状態では、共振コンデンサ21、21’と内・外加熱コイル4、5に直流電源電圧が印加され、導通時間に比例して加熱コイル電流が増加する。
そして、スイッチング素子25、25’をオフすると内・外加熱コイル4、5と共振コンデンサ21、21’が共振モードとなり、加熱コイル電流は並列の共振コンデンサ21、21’に充電されていた電荷を放電し、その後、加熱コイル電流は転流して共振コンデンサ21、21’を充電するが、その充電により並列負荷回路24、24’とスイッチング素子25、25’の接続点電位が直流母線負電位を下回ると、逆並列ダイオード26、26’が導通して平滑コンデンサ13に回生電流が流れる。この逆並列ダイオード26、26’が導通している間にスイッチング素子25、25’がターンオンして、ゼロ電圧スイッチングを行う。
この一石共振インバータ回路を用いた形態であっても、図21に示したように、内加熱コイル用インバータ回路のスイッチング素子25と、外加熱コイル用インバータ回路のスイッチング素子25’をオンするタイミングを同じにすると、内加熱コイル4に流れる電流と外加熱コイル5に流れる電流の向きが同じ周回方向の同一位相となり、それぞれ内・外加熱コイル4、5に流れる電流により発生する磁束がお互いに重畳するため、内・外加熱コイル4、5で発生する逆起電力が大きくなり、結果として内・外加熱コイル4、5に流れる電流は抑制される。
また、図22に示したように、内加熱コイル用インバータ回路のスイッチング素子25と、外加熱コイル用インバータ回路のスイッチング素子25’をオンするタイミングを駆動周期の半周期ずらしたタイミングとすると、内加熱コイル4に流れる電流と外加熱コイル5に流れる電流の向きがほぼ逆周回方向の逆位相となり、それぞれ内・外加熱コイル4、5に流れる電流により発生する磁束がお互いに打ち消しあうため、内・外加熱コイル4、5で発生する逆起電力が小さくなり、結果として内・外加熱コイル4、5に流れる電流を大きくすることができ、入力電力も大きくできる。
なお、内加熱コイル4と外加熱コイル5の巻回方向が逆向き場合には、同一位相でインバータ回路のスイッチング素子25、25’を駆動すると内・外加熱コイル4、5に逆周回方向の電流が流れて、加熱コイル電流により発生する磁束がお互いに打ち消しあうため、被加熱鍋7が高電気抵抗であっても加熱コイル電流を大きくすることができる。
また、逆位相でインバータ回路のスイッチング素子25、25’を駆動すると、内・外加熱コイル4、5に同じ周回方向の電流が流れて、加熱コイル電流により発生する磁束が重畳するため、被加熱鍋7が低電気抵抗であっても加熱コイル電流を抑制することができる。
この参考例6においては、出力制御手段22が検出した入力電流値と出力電流値とに基づいて被加熱鍋7の材質を判断し、被加熱鍋7の判断した材質の電気抵抗の特性に応じて、内加熱コイル用一石共振インバータのスイッチング素子25の駆動信号と、外加熱コイル用一石共振インバータのスイッチング素子25’の駆動信号の位相を同一位相又は逆位相のいずれかを選択し、選択した位相でインバータ駆動回路19、19’がインバータ回路のスイッチング素子25、25’を駆動し、さらに駆動信号の位相が選択された被加熱鍋7の低加熱出力の調整は一石共振インバータのスイッチング素子25、25’の導通時間制御することにより、被加熱鍋7の材質による電気抵抗の違いの影響を低減した誘導加熱調理器を得ることができる。
実施の形態
図23はこの発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図、図24は同誘導加熱調理器の内・外加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図である。
図23において、図11、図16或いは図20と同一あるいは相当する部分には同一の符号を付している。
この実施の形態は、直流電源回路2の出力側である直流母線間に、2個直列に接続されたスイッチング素子(上スイッチと下スイッチ)と、スイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続したダイオード(上ダイオードと下ダイオード)からなるアーム3組(以下、3組のアームを、U相アーム3U、V相アーム3V、W相アーム3Wと呼ぶ)を有している。
U相アーム3Uの上スイッチと下スイッチと上ダイオードと下ダイオードは15U、16U、17U、18Uとし、V相アーム3Vの上スイッチと下スイッチと上ダイオードと下ダイオードは15V、16V、17、18Vとし、W相アーム3Wの上スイッチと下スイッチと上ダイオードと下ダイオードは15W、16W、17W、18Wとする。
そのU相アーム3Uの出力点とV相アーム3Vの出力点間に、内加熱コイル4とその共振コンデンサ21からなる負荷回路が接続され、U相アーム3Uの出力点とW相アーム3Wの出力点の間に、外加熱コイル5とその共振コンデンサ21’からなる負荷回路が接続されている。各アームのスイッチング素子は、出力制御手段22により制御された駆動回路19U、19V、19Wからの駆動信号によって動作して、各アームの出力電位の差が各負荷回路に印加される。
図25〜図27は、周波数制御による加熱出力制御を行う場合の駆動信号の波形図であり、図25は3アームフルブリッジモード、図26は2アームフルブリッジモード、図27はハーフブリッジモードの駆動信号である。図25〜図27において、(a)は高加熱出力時の駆動信号であり、(b)は低加熱出力時の駆動信号である。
ここで、3アームフルブリッジモードとは、3組のアーム(U相アーム、V相アーム、W相アーム)のスイッチング素子が同じ周波数で駆動され、U相アーム3Uの出力電位とV相アーム3Vの出力電位の差が内加熱コイル4と共振コンデンサ20の負荷回路に印加され、U相アーム3Uの出力電位とW相アーム3Wの出力電位の差が外加熱コイル5と共振コンデンサ20’の負荷回路に印加される。
この場合、内加熱コイル4と外加熱コイル5に逆周回方向の逆位相で電圧を印加し、加熱コイル電流を流すことになるので、その加熱コイル電流により発生する磁束はお互いに打ち消しあい、負荷回路のインピーダンスを小さくするので加熱コイルに流れる電流を大きくすることができ、鉄鍋のような高電気抵抗の被加熱鍋7に対しても大きな加熱出力を得ることができる。
また、2アームフルブリッジモードとは、U相アーム3Uのスイッチング素子は駆動せず、V相アーム3VとW相アーム3Wのスイッチング素子を高周波駆動するもので、内加熱コイル4、共振コンデンサ21、外加熱コイル5及び共振コンデンサ21’の直列回路に、V相アーム3Vの出力電位とW相アーム3Wの出力電位の差が印加される。
この場合、内加熱コイル4と外加熱コイル5には、同一周回方向の同一位相で電圧が印加され、加熱コイル電流が流れることになるので、その加熱コイル電流により発生する磁束はお互いに重畳して、負荷回路のインピーダンスを大きくするので、加熱コイル電流を抑制することができ、非磁性SUS鍋のような中電気抵抗の被加熱鍋7に対して適切な加熱出力を得ることができる。
さらに、ハーフブリッジモードとは、U相アーム3Uのスイッチング素子は駆動せず、V相アーム3VとW相アーム3Wの何れか一方のスイッチング素子を高周波駆動し、他方を固定駆動するもので、図27では、V相アーム3Vのスイッチング素子を高周波駆動し、W相アーム3Wのスイッチング素子を固定駆動(上スイッチ15W:オフ、下スイッチ16W:オン)している。
この場合も内加熱コイル4、共振コンデンサ21、外加熱コイル5及び共振コンデンサ21’の直列回路に、V相アーム3Vの出力電位とW相アーム3Wの出力電位の差が印加されことになるが、W相アーム出力電位が直流母線負側電位に固定されているので、前記の直列回路に印加される高周波電圧は、2アームフルブリッジモードの半分となる。
さらに、2アームフルブリッジモードと同様に、内加熱コイル4と外加熱コイル5には、同一周回方向の同一位相で電圧が印加され、加熱コイル電流が流れることになるので、その加熱コイル電流により発生する磁束はお互いに重畳して負荷回路のインピーダンスを大きくするため加熱コイル電流は抑制されるので、アルミ鍋のような低電気抵抗の被加熱鍋7に対しても加熱コイル電流を抑制することができる。
次に、インバータ回路の上記の動作モード(3アームフルブリッジモード、2アームフルブリッジモード、ハーフブリッジモード)を決める方法を説明する。
図28は同誘導加熱調理器の動作モードを決める被加熱鍋判定処理のフローチャート、図29は同誘導加熱調理器の被加熱鍋判定用の入力電流と出力電流の関係を示すグラフである。
図28において、最初に負荷判定用の駆動信号でインバータ回路を駆動し(ステップ11)、入力電流検出回路14や出力電流検出回路20、20’の検出値を図28のグラフに示す各種モードに当てはめて入出力電流判定処理を行う(ステップ12)。
入力電流が所定値より小さければ被加熱負荷が無かったり、小物であるので加熱を停止し(ステップ13)、入力電流が所定値以上ある場合には、検出した出力電流の大きさにより判断する。
出力電流が小さい場合には鉄鍋や磁性SUS鍋等の高抵抗鍋として3アームフルブリッジ駆動を行い(ステップ14)、出力電流が中位の場合には非磁性SUS鍋等の中抵抗鍋として2アームフルブリッジ駆動を行い(ステップ15)、出力電流が大きい場合にはアルミ鍋のような低抵抗鍋としてハーフブリッジ駆動を行う(ステップ16)。
この実施の形態においては、直流電源回路2の出力側である直流母線間に、2個直列に接続されたスイッチング素子と、スイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続したダイオードからなる3組のアーム3U、3V、3Wを有し、そのU相アーム3Uの出力点とV相アーム3Vの出力点間に、内加熱コイル4とその共振コンデンサ21からなる負荷回路が接続され、U相アーム3Uの出力点とW相アーム3Wの出力点の間に、外加熱コイル5とその共振コンデンサ21’からなる負荷回路が接続されており、出力制御手段22が検出した入力電流値と出力電流値とに基づいて被加熱鍋7の材質を判断し、被加熱鍋7の判断した材質の電気抵抗の特性に応じて、内・外加熱コイル4、5用のアームの駆動信号の位相を同一又は逆位相のいずれか選択し、選択した位相で駆動回路19V、19U、19Wがアーム3U、3V、3Wを駆動し、各アームの出力電位の差が各負荷回路に印加されるようにした誘導加熱調理器であって、3組のアーム3U、3V、3Wに対して3アームフルブリッジ、2アームフルブリッジ又はハーフブリッジという駆動モードをそれぞれ選択することにより、内・外加熱コイル4、5に印加する電圧の向きを互いに逆周回方向の逆位相としたり、同一周回方向の同一位相としたり、印加電圧を半分にすることができ、大きく電気抵抗の異なる被加熱鍋7に対しても使用可能な誘導加熱調理器を得ることができる。
実施の形態
図30はこの発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の3アームフルブリッジモードの導通比率制御の駆動信号の波形図、図31は同誘導加熱調理器の2アームフルブリッジモードの導通比率制御の駆動信号の波形図、図32は同誘導加熱調理器のハーフブリッジモードの導通比率制御の駆動信号の波形図、図33は同誘導加熱調理器の3アームフルブリッジモードの位相差制御の駆動信号の波形図、図34は同誘導加熱調理器の2アームフルブリッジモードの位相差制御の駆動信号の波形図である。
上記の実施の形態の誘導加熱調理器では、加熱出力の調整をインバータ回路の上下スイッチの駆動周波数を制御することにより行っているが、この実施の形態では、図30〜図32に示すように、加熱出力の調整を各アームの上下スイッチの導通比率制御により行っている。図30〜図32において、(a)は高加熱出力の駆動信号波形であり、(b)は低加熱出力の駆動信号波形であり、それぞれ最上段から最下段におけるU相アーム上スイッチ、U相アーム下スイッチ、V相アーム上スイッチ、V相アーム下スイッチ、W相アーム上スイッチ、W相アーム下スイッチのオンオフ状態を示す。
図30は3アームフルブリッジモードの駆動信号波形を示し、U相アーム3Uの出力電位とV相アーム3Vの出力電位の差が内加熱コイル4と共振コンデンサ20の直列回路に印加され、U相アーム3Uの出力電位とW相アーム3Wの出力電位の差が外加熱コイル5と共振コンデンサ20’の直列回路に印加される。
この場合、上スイッチ15U、15V、15Wの導通比率に比例した高周波電圧が、内加熱コイル4と外加熱コイル5に対して互いに逆周回方向の逆位相で印加して、内・外加熱コイル4、5により発生する磁束がお互いに打ち消しあうようになるので、加熱コイルに流れる電流を大きくすることができ、高抵抗鍋の被加熱鍋7に対して大きな加熱出力を制御できる。
また、図31は2アームフルブリッジモード駆動信号波形を示し、U相アーム3Uは駆動されず(U相アームの上スイッチ15U、下スイッチ16Uともにオフ状態)、V相アーム3VとW相アーム3Wの上スイッチ15V、15W及び下スイッチ16V、16Wが高周波駆動され、V相アーム3Vの出力電位とW相アーム3Wの出力電位の差が、直列に接続された内加熱コイル4、共振コンデンサ20、外加熱コイル5、共振コンデンサ20’に印加される。
この場合、内加熱コイル4と外加熱コイル5には、同一周回方向の同一位相で直列に電圧が印加されるので、内・外加熱コイル4、5に流れる電流により発生する磁束は互いに重畳するため、内・外加熱コイル4、5に流れる電流は抑制された状態で、上スイッチ15V、15Wの導通比率により加熱出力制御される。
さらに、図32はハーフブリッジモードの駆動信号を示し、U相アーム3Uは駆動されず、V相アーム3Vは高周波駆動され、W相アーム3Wは固定駆動(W相アームの上スイッチ15Wはオフ、下スイッチ16Wはオン)される。
この場合、2アームフルブリッジモードと同様に、V相アーム3Vの出力電位とW相アーム3Wの出力電位の差が、直列に接続された内加熱コイル4、共振コンデンサ20、外加熱コイル5、共振コンデンサ20’に印加されるので、内加熱コイル4と外加熱コイル5には同一周回方向で直列に電圧が印加されて、内・外加熱コイル4、5に流れる電流により発生する磁束は互いに重畳するとともに、高周波印加電圧は2アームフルブリッジモードより低くなるので、低抵抗鍋の被加熱鍋7に対して出力電流を抑制して加熱制御することができる。
この実施の形態においては、直流電源回路2の出力側である直流母線間に、2個直列に接続されたスイッチング素子と、スイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続したダイオードからなる3組のアーム3U、3V、3Wを有し、そのU相アーム3Uの出力点とV相アーム3Vの出力点間に、内加熱コイル4とその共振コンデンサ21からなる負荷回路が接続され、U相アーム3Uの出力点とW相アーム3Wの出力点の間に、外加熱コイル5とその共振コンデンサ21’からなる負荷回路が接続されており、出力制御手段22が検出した入力電流値と出力電流値とに基づいて被加熱鍋7の材質を判断し、被加熱鍋7の判断した材質の電気抵抗の特性に応じて、内・外加熱コイル4、5用のアームの駆動信号の位相を同一又は逆位相のいずれか選択し、選択した位相で駆動回路19V、19U、19Wがアーム3U、3V、3Wを駆動し、各アームの出力電位の差が各負荷回路に印加されるようにした誘導加熱調理器であって、3組のアーム3U、3V、3Wに対して3アームフルブリッジ、2アームフルブリッジ又はハーフブリッジという駆動モードをそれぞれ選択することにより、内・外加熱コイル4、5に印加する電圧の向きを互いに逆周回方向の逆位相としたり、同一周回方向の同一位相としたり、印加電圧を半分にすることができ、大きく電気抵抗の異なる被加熱鍋7に対しても使用可能とし、さらに選択された駆動モードにおける被加熱鍋7の低加熱出力の調整は各アームの上下スイッチの導通比率制御することにより、被加熱鍋7の材質による電気抵抗の違いの影響を低減した誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、3アームフルブリッジモードや2アームフルブリッジモード駆動する場合、上記の図30、図31の導電比率制御に替えて、図33、図34に示す位相差制御を用いてもよい。
この方式も、3アームフルブリッジモード(図33)では、U相アーム3Uの出力電位と、V相アーム3V及びW相アーム3Wの出力電位との差を内加熱コイル4と共振コンデンサ20及び外加熱コイル5と共振コンデンサ20’に印加するものであり、2アームフルブリッジモード(図34)では、V相アーム3Vの出力電位とW相アーム3Wの出力電位の差を、内加熱コイル4、共振コンデンサ20、外加熱コイル5、共振コンデンサ20’の直列回路に印加するものであり、導通比率制御と同等の加熱制御をすることができる。また、導通比率制御と比較して各アームの上スイッチと下スイッチの導通比率を同じにできるので、上下のスイッチング素子間における発熱ばらつきを減らすことができる。
実施の形態
図35はこの発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の構成を示す回路図、図36は同誘導加熱調理器の上・下加熱コイルと被加熱負荷との位置関係を示す側面図である。図35および図36において、図23および図24と同一あるいは相当する部分には同一の符号を付している。
この実施の形態は、前記実施の形態における内加熱コイル4と外加熱コイル5を、複数の加熱コイルを積層配置した上加熱コイル4’と下加熱コイル5’に置き換えたものである。
従って、この実施の形態も、前記実施の形態と同様に、3つのインバータ回路3V、3U、3Wを有し、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’が3アームフルブリッジモード、2アームフルブリッジモード、ハーフブリッジモードの3つの動作モードで駆動される。
3アームフルブリッジモードの場合、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’に逆周回方向の逆位相で電圧を印加し、加熱コイル電流を流すことになるので、その加熱コイル電流により発生する磁束はお互いに打ち消しあい、負荷回路のインピーダンスを小さくするので加熱コイルに流れる電流を大きくすることができ、鉄鍋のような高電気抵抗の被加熱鍋7に対しても大きな加熱出力を得ることができる。
また、2アームフルブリッジモードの場合、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’には、同一周回方向に電圧が印加され、加熱コイル電流が流れることになるので、その加熱コイル電流により発生する磁束はお互いに重畳して、負荷回路のインピーダンスを大きくするので、加熱コイル電流を抑制することができる。
さらに、ハーフブリッジモードの場合、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’には印加される高周波電圧は、2アームフルブリッジモードの半分となるが、同一周回方向の同一位相で電圧が印加され、加熱コイル電流が流れることになるので、その加熱コイル電流により発生する磁束はお互いに重畳して負荷回路のインピーダンスを大きくするため加熱コイル電流は抑制されるので、アルミ鍋のような低電気抵抗の被加熱鍋7に対しても加熱コイル電流を抑制することができる。
この実施の形態においては、直流電源回路2の出力側である直流母線間に、2個直列に接続されたスイッチング素子と、スイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続したダイオードからなる3組のアーム3U、3V、3Wを有し、そのU相アーム3Uの出力点とV相アーム3Vの出力点間に、内加熱コイル4とその共振コンデンサ21からなる負荷回路が接続され、U相アーム3Uの出力点とW相アーム3Wの出力点の間に、外加熱コイル5とその共振コンデンサ21’からなる負荷回路が接続されており、出力制御手段22が検出した入力電流値と出力電流値とに基づいて被加熱鍋7の材質を判断し、被加熱鍋7の判断した材質の電気抵抗の特性に応じて、内・外加熱コイル4、5用のアームの駆動信号の位相を同一又は逆位相のいずれか選択し、選択した位相で駆動回路19V、19U、19Wがアーム3U、3V、3Wを駆動し、各アームの出力電位の差が各負荷回路に印加されるようにした誘導加熱調理器であって、3組のアーム3U、3V、3Wに対して3アームフルブリッジ、2アームフルブリッジ又はハーフブリッジという駆動モードをそれぞれ選択することにより、上・下加熱コイル4’、5’に印加する電圧の向きを互いに逆周回方向の逆位相としたり、同一周回方向の同一位相としたり、印加電圧を半分にすることができ、大きく電気抵抗の異なる被加熱鍋7に対しても使用可能な誘導加熱調理器を得ることができる。
なお、上加熱コイル4’は下加熱コイル5’と比較して、被加熱鍋7に近接して配置されており、被加熱鍋7に流れる誘導渦電流による磁束は、下加熱コイル5’よりも上加熱コイル4’により多く鎖交するため、上加熱コイル4’のインダクタンスの方がが小さくなり、下加熱コイル5’より大きなコイル電流がに流れることになるため、図36に示したように下加熱コイル5’の巻き数を上加熱コイル4’より減らすことにより、下加熱コイル5’と上加熱コイル4’のインダクタンスの違いを補償し、上加熱コイル4’と下加熱コイル5’に流れる電流のバランスもとれるので、電流の不均衡に因る加熱コイルやスイッチング素子の発熱の集中を緩和することができる。
1 交流電源、2 直流電源回路、3 高周波出力制御手段、4 内加熱コイル、5 外加熱コイル、6 フェライト。

Claims (5)

  1. 交流電源を直流電圧に変換する直流電源回路と、
    該直流電源回路の出力母線間に直列に接続されたそれぞれが2つのスイッチング素子を含む3つのアームからなるインバータ回路と、
    前記3つのアームのうちの特定アーム出力点とその他の2つのアームの出力点との間に、前記特定アームから流れ出る電流の周回方向が逆向きになるようにそれぞれ接続し、互いに磁気的に結合される複数の加熱コイルを含む負荷回路と、
    前記負荷回路の複数の加熱コイルと磁気結合される被加熱鍋の材質を入力電流と出力電流との相関に基づいて、高インピーダンス材料、中インピーダンス材料、低インピーダンス材料の何れであるか判断する被加熱鍋材質判定手段と、
    高周波出力制御手段と、
    を備え、
    前記高周波出力制御手段は、
    前記被加熱鍋材質判定手段が前記被加熱鍋が高インピーダンス材質と判断した場合は前記3つのアームをそれぞれ駆動する3アームフルブリッジモードとして、前記特定アーム出力点と一方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルと、前記特定アーム出力点と他方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルとに逆周回方向の高周波電流が流れるように、複数の加熱コイルに高周波電圧を印加し、
    前記被加熱鍋材質判定手段が前記被加熱鍋がインピーダンス材質と判断した場合は前記3つのアームのうち、前記特定アームを除くその他の2つのアームの駆動手段をそれぞれ駆動する2アームフルブリッジモードとして、前記特定アーム出力点と一方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルと、前記特定アーム出力点と他方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルとに同一周回方向の高周波電流が流れるように、複数の加熱コイルに高周波電圧を印加し、
    前記被加熱鍋材質判定手段が前記被加熱鍋が低インピーダンス材質と判断した場合は、前記3つのアームのうち、前記特定アームを除くその他の2つのアームの駆動手段をそれぞれ駆動して、前記特定アーム出力点と一方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルと、前記特定アーム出力点と他方のアームの出力点との間に接続された前記加熱コイルとに同一周回方向の高周波電流が流れるように、複数の加熱コイルに高周波電圧を印加し、且つそれら2つのアームのいずれか一方のアームについては2つのスイッチング素子を交互に駆動し、他方のアームについては2つのスイッチング素子の一方を固定駆動するハーフブリッジモードとすることを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記複数の加熱コイルは、内径及び外径の異なる加熱コイルを同一平面状に配置して構成したものであることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記複数の加熱コイルは、上下に積層した状態に配置して構成された加熱コイルであることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記高周波出力制御手段は、前記複数の加熱コイルへの出力制御を前記インバータ回路の2つのスイッチング素子の駆動周波数を変化させることにより行うことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記高周波出力制御手段は、前記複数の加熱コイルへの出力制御を前記インバータ回路の2つのスイッチング素子の導通比率を変化させることにより行うことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
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