JP4963994B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、基板の表面から不要になったレジストを除去するために用いられる基板処理装置および基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等が含まれる。
半導体装置の製造工程には、たとえば、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面にリン、砒素、硼素などの不純物(イオン)を局所的に注入する工程が含まれる。この工程では、不所望な部分に対するイオン注入を防止するため、ウエハの表面に感光性樹脂からなるレジストがパターン形成されて、イオン注入を所望しない部分がレジストによってマスクされる。ウエハの表面上にパターン形成されたレジストは、イオン注入の後は不要になるから、イオン注入後には、そのウエハの表面上の不要となったレジストを除去するためのレジスト除去処理が行われる。
この処理の方式としては、複数枚のウエハを一括して処理するバッチ式と、ウエハを1枚ずつ処理する枚葉式とがある。従来は、バッチ式が主流であったが、バッチ式は複数枚のウエハを収容することのできる大きな処理槽を必要とするため、最近では、処理対象のウエハが大型化してきていることもあって、そのような大きな処理槽を必要としない枚葉式が注目されている。
レジスト除去処理を実施するための枚葉式の基板処理装置は、たとえば、ウエハをほぼ水平に保持して回転させるためのスピンチャックを備えている。このスピンチャックの代表的なものとして、樹脂製のチャックピンを基板の端面に当接させて、ウエハを挟持する端面挟持型のスピンチャックを挙げることができる。
一方、レジスト除去処理では、スピンチャックに保持されて回転されるウエハの表面に、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸と過酸化水素水の混合液)が供給される。ウエハの表面に供給されたSPMは、ウエハの遠心力を受けて表面の全域に行き渡る。SPMに含まれるペルオキソ硫酸(H2SO5)の強酸化力によって、ウエハの表面からレジストが剥離して除去される。SPMの供給の終了後は、回転中のウエハの表面に対して、リンス液が供給されて、ウエハの表面に付着したSPMが洗い流される。その後、ウエハの表面のリンス液の液滴が振り切られる回転速度でウエハを回転させるスピンドライが行われる。
SPMのレジスト剥離能力を十分に発揮させるためには、ウエハの表面に供給されるSPMが高温(約170℃以上)であることが望ましい。
しかしながら、高温のSPMがウエハの表面に供給されると、その高温のために、ウエハを強固に挟持するチャックピンに変形を生じるおそれがある。チャックピンが変形すると、基板を安定して保持することができないため、スピンドライなど、ウエハを比較的高速で回転させて処理する回転処理を実行することはできない。
そこで、この発明の目的は、基板に対して高温処理および回転処理を実施することができる、基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、常温よりも高温の流体を用いて基板(W)を処理する高温処理および前記高温処理時よりも低温環境下で基板を回転させて処理する回転処理を実施するための基板処理装置であって、前記高温処理時に、基板の下面に当接し当該下面を支持して、基板を保持する高温処理用基板保持手段(2)と、前記高温処理用基板保持手段とは別の基板保持手段であって、前記回転処理時に、基板を保持しつつ回転させる回転処理用基板保持手段(3)とを含むことを特徴とする、基板処理装置である。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、高温処理時には、高温処理用基板保持手段に基板が保持される。高温処理用基板保持手段は、基板の下面を支持するので、基板の重量以上の力を受けない。そのため、高温処理が実行されても、高温処理用基板保持手段は、変形を生じず、基板を安定して保持し続けることができる。一方、回転処理時には、回転処理用基板保持手段に基板が保持される。回転処理は高温処理時よりも低温な環境下で実行されるので、回転処理用基板保持手段によって基板を強固に保持しても、回転処理用基板保持手段の変形を生じない。したがって、回転処理用基板保持手段では、基板を強固に保持しつつ、その基板を比較的高速で回転させることができる。よって、基板に対して高温処理および回転処理を実施することができる。
請求項2記載の発明は、前記回転処理用基板保持手段は、前記高温処理用基板保持手段の上方に対向して配置され、前記高温処理用基板保持手段から上方に離間した離間位置と、前記高温処理用基板保持手段との間で基板を受渡し可能な近接位置とに昇降可能に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の基板処理装置である。
この構成によれば、回転処理用基板保持手段は、高温処理用基板保持手段から上方に離間した離間位置と、高温処理用基板保持手段との間で基板を受渡し可能な近接位置とに昇降可能に設けられている。これにより、高温処理時には、回転処理用基板保持手段を離間位置に配置して、回転処理用基板保持手段が処理動作の邪魔になったり回転処理用基板保持手段が高温の流体の影響を受けたりすることを防止することができる。また、回転処理用基板保持手段を近接位置に配置して、高温処理用基板保持手段と回転処理用基板保持手段との間で基板を受け渡すことができる。
請求項3記載の発明は、前記回転処理用基板保持手段は、基板の上面に対向する基板対向面(39)を有した板状のベース(40)と、前記ベースの基板対向面に配設され、基板の周縁と当接して当該基板を挟持するための複数の挟持部材(37)とを備えることを特徴とする、請求項2記載の基板処理装置である。
この構成によれば、回転処理用基板保持手段は、複数の挟持部材が基板を挟持することにより、基板を強固に保持することができる。したがって、回転処理用基板保持手段は、回転処理時に基板を比較的高速で回転させることができる。たとえば、基板の表面の液滴が振り切られる回転速度で基板を回転させるスピンドライを実行することもできる。
請求項4記載の発明は、前記高温処理は、硫酸と過酸化水素水の混合液を用いて、基板の上面からレジストを除去する処理であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置である。
この構成では、硫酸と過酸化水素水の混合液(以下、硫酸過酸化水素水)を用いて、基板の上面からレジストが除去される。硫酸過酸化水素水は、その液温が高くなるにつれてレジスト剥離能力が向上する。このため、高温(約170℃以上)の硫酸過酸化水素水を基板の上面に供給することにより、その上面に形成されているレジストを良好に除去することができる。
請求項5記載の発明は、前記高温処理用基板保持手段によって保持される基板の上面に向けて、硫酸を吐出する硫酸ノズル(16)と、前記高温処理用基板保持手段によって保持される基板の上面に向けて、過酸化水素水を吐出する過水ノズル(17)と、をさらに含むことを特徴とする、請求項4記載の基板処理装置である。
この構成によれば、硫酸ノズルから吐出される硫酸と、過水ノズルから吐出された過酸化水素水とが基板の上面上において混合されて硫酸過酸化水素水が生成される。硫酸過酸化水素水は、液温が高くなるにつれてレジスト剥離能力が向上する。その反面、硫酸過酸化水素水は、液温が高くなるにつれて、硫酸過酸化水素水に含まれるペルオキソ硫酸の減衰による劣化の速度が速くなる。このため、たとえば、ノズルの上流側で硫酸と過酸化水素水とが混合されて硫酸過酸化水素水が生成され、ノズルから約200℃の高温の硫酸過酸化水素水が吐出される構成では、硫酸過酸化水素水が基板の表面上に達した時点で、硫酸過酸化水素水が十分なペルオキソ硫酸を含まない状態まで劣化しているおそれがある。この場合、基板の上面に形成されたレジストを良好に除去することができない。
これに対し、硫酸と過酸化水素水とを基板の上面上において混合して硫酸過酸化水素水を生成する構成では、その液温が高くても、硫酸過酸化水素水は、劣化する前に、基板の上面に形成されたレジストに作用する。その結果、その基板の上面に形成されているレジストを良好に除去することができる。
請求項6記載の発明は、前記過水ノズルから吐出される過酸化水素水の吐出方向は、前記硫酸ノズルから吐出される硫酸の吐出方向よりも、鉛直方向に対する傾斜角度が大きいことを特徴とする、請求項5記載の基板処理装置である。
この構成では、基板の上面において、過水ノズルから吐出される過酸化水素水を、硫酸ノズルから吐出される硫酸の下方に潜り込ませることができる。そのため、たとえば、過水ノズルからの過酸化水素水の吐出量が硫酸ノズルからの硫酸の吐出量よりも少ない場合に、少量の過酸化水素水を多量の硫酸と良好に接触させることができ、硫酸過酸化水素水を効率よく生成させることができる。
請求項7記載の発明は、前記硫酸ノズルからの硫酸の吐出および吐出停止を切り換えるための硫酸バルブ(24)と、前記過水ノズルからの過酸化水素水の吐出および吐出停止を切り換えるための過水バルブ(26)と、前記硫酸バルブおよび前記過水バルブを制御して、硫酸と過酸化水素水とを、交互に、繰り返し吐出させる制御手段(53)とを、さらに含むことを特徴とする、請求項5または6記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板の上面に、過酸化水素水と硫酸とが、交互に繰り返し供給される。これにより、基板の上面に過酸化水素水の液膜が形成されている状態で、その液膜に硫酸が供給され、また、基板の上面に硫酸の液膜が形成されている状態で、その液膜に過酸化水素水が供給される。そのため、基板の上面において、過酸化水素水と硫酸とを確実に混合させることができる。その結果、硫酸過酸化水素水を効率よく生成させることができる。
請求項8記載の発明は、基板(W)下面に当接し当該下面を支持して、基板を保持する高温処理用基板保持手段(2)と、前記高温処理用基板保持手段とは別の基板保持手段であって、基板を保持しつつ回転させる回転処理用基板保持手段(3)とを備える基板処理装置において実行される基板処理方法であって、前記高温処理用基板保持手段によって保持される基に対して、常温よりも高温の流体を用いた高温処理を施す高温処理工程(S1)と、前記高温処理用基板保持手段と前記回転処理用基板保持手段との間で基板を受け渡す工程(S4)と、前記高温処理工程時よりも低温な環境下において、前記回転処理用基板保持手段によって基板を回転させて処理する回転処理を実行する回転処理工程(S5,S6,S7)とを含むことを特徴とする基板処理方法である。
この方法によれば、請求項1に関連した効果と同様の効果を奏することができる。
請求項9記載の発明は、前記高温処理工程は、基板の上面に向けて硫酸を吐出する硫酸吐出工程と、基板の上面に向けて過酸化水素水を吐出する過水吐出工程とを含み、前記硫酸吐出工程と前記過水吐出工程とは、交互に、繰り返し実行されることを特徴とする請求項8記載の基板処理方法である。
この方法によれば、請求項7に関連した効果と同様の効果を奏することができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す断面図である。この基板処理装置は、基板の一例であるウエハWの表面に不純物を注入するイオン注入処理後に、そのウエハWの表面から不要になったレジストを除去するための処理に用いられる枚葉式の装置である。
処理室1内には、ウエハWを下方から保持するための基板下保持部2と、基板下保持部2の上方に配置されて、ウエハWを上方から保持するための基板上保持部3と、基板下保持部2に保持されたウエハWの表面に対して硫酸(H2SO4)と過酸化水素水(H22)とを混合して作成されるSPMを供給するためのSPM用ノズルユニット5と、ウエハWの表面に対して超音波振動が付与された硫酸を供給するための超音波硫酸ノズル6と、ウエハWの中央部に向けてDIW(脱イオン化された純水)を吐出するためのDIWノズル34とが収容されている。
基板下保持部2は、ウエハWの裏面(レジストが形成されている表面と反対側の面)を支持するためのプレート4を備えている。
図2は、プレート4の平面図である。プレート4は、たとえば、ウエハWよりも大径な円板状に形成され、ほぼ水平に配置されている。このプレート4の上面にウエハWを載置して、ウエハWをその表面が上方を向いて保持することができる。このプレート4の上面には、図2に示すように、リング状の当接部材7が、プレート4の周縁よりもやや内方位置に配設されている。当接部材7は、たとえば、樹脂製であり、その表面にフッ素樹脂加工が施されている。プレート4の上面にウエハWを載置すると、ウエハWの下面(裏面)が当接部材7の上部と当接し、この当接部材7の上部とウエハWの下面との間に生じる摩擦力によって、ウエハWは基板下保持部2に保持される。プレート4の上面の周縁には、ウエハWの周縁に沿う円弧状の複数(図2では、たとえば6つ)のガイド8が、ほぼ等角度間隔で配置されている。これらのガイド8によって、プレート4の上面に載置されたウエハWの水平方向の移動が規制される。
図1を参照して、プレート4の下面には、鉛直方向に延びる回転軸10が結合されている。この回転軸10には、モータなどを含むプレート回転駆動機構11から回転力が入力されるようになっている。ウエハWをプレート4の上面に保持した状態で、回転軸10にプレート回転駆動機構11から回転力を入力することにより、ウエハWをプレート4とともに、鉛直軸線周りに回転させることができる。
このように、ウエハWの裏面と当接部材7の上部との間に生じる摩擦力によって、ウエハWがプレート4に保持される。このため、当接部材7は、ウエハWの重量よりも大きな力を受けない。したがって、たとえば約200℃の高温環境下でウエハWを保持しても、当接部材7に変形などの不具合が生じることがない。これにより、基板下保持部2は、高温環境下であっても、ウエハWを安定して保持することができる。
回転軸10は中空軸となっていて、回転軸10の内部には、下面供給管12が挿通されている。下面供給管12には、アンモニア過水下バルブ13およびDIW下バルブ14を介して、室温のSC1(アンモニア過酸化水素水)および室温のDIW(脱イオン化された純水)が、それぞれ供給されるようになっている。下面供給管12は、基板下保持部2に保持されたウエハWに近接する位置まで延びており、その先端には、ウエハWの下面(裏面)の中央部に向けてSC1およびDIWを選択的に吐出する下面ノズル15が形成されている。
基板上保持部3は、プレート4の上方で、プレート4と対向するスピンベース40を備えている。スピンベース40は、ウエハWよりも大径の円板状のものである。
スピンベース40は、プレート4の上面に対向する基板対向面39を下方に向けて配置されている。スピンベース40の基板対向面39の周縁部には、ウエハWの端面と当接して、ウエハWを挟持するための複数(たとえば、6つ)の挟持ピン37が、等角度間隔で配設されている。これらの挟持ピン37は、スピンベース40が後述する近接位置で、プレート4の周縁に設けられたガイド8と接触しないように、このガイド8と対向しない位置に設けられている。
複数の挟持ピン37には、挟持ピン駆動機構38が結合されている。挟持ピン駆動機構38は、複数の挟持ピン37を、ウエハWの端面と当接してウエハWを挟持することができる挟持位置と、この挟持位置よりもウエハWの径方向外方の開放位置とに導くことができるようになっている。スピンベース40の基板対向面39がウエハWの上面に対向しつつ、複数の挟持ピン37によってウエハWが挟持されることにより、ウエハWが基板上保持部3に強固に保持される。このため、基板上保持部3は、ウエハWを保持しつつ、そのウエハを、最大2500rpmの回転速度で回転させることができる。
スピンベース40の上面には、プレート4に取り付けられた回転軸10と共通の軸線に沿うスピン軸41が固定されている。スピン軸41は、ほぼ水平に延びて設けられたスピンベース用アーム47の先端付近から垂下した状態に取り付けられている。そして、このスピンベース用アーム47に関連して、スピンベース40をプレート4の上方に大きく退避した退避位置と、プレート4との間でウエハWを受渡し可能な近接位置との間で昇降させるためのスピンベース昇降駆動機構48が設けられている。また、スピンベース用アーム47に関連して、スピンベース40をスピン軸41周りに回転させるためのスピンベース回転駆動機構49が設けられている。
スピン軸41は中空に形成されていて、スピン軸41の内部には、基板上保持部3に保持されたウエハWの上面の中央部に向けてSC1およびDIWを選択的に吐出する上面ノズル42が形成されている。上面ノズル42には、アンモニア過水上バルブ43およびDIW上バルブ44を介して、室温のSC1および室温のDIWが供給されるようになっている。
また、スピン軸41の内壁面と上面ノズル42の外壁面との間は、ウエハWの中央部に向けて不活性ガスとしてのN2ガスを供給するためのN2流通路45を形成している。このN2流通路45には、N2上バルブ46を介して、室温のN2ガスが供給されるようになっている。
超音波硫酸ノズル6は、プレート4の上方でほぼ水平に延びる超音波硫酸用アーム27の先端に取り付けられている。この超音波硫酸用アーム27は、プレート4の側方でほぼ鉛直に延びた超音波硫酸用アーム支持軸28に支持されている。また、超音波硫酸用アーム支持軸28には、超音波硫酸ノズル駆動機構29が結合されており、この超音波硫酸ノズル駆動機構29の駆動力によって、超音波硫酸用アーム支持軸28を回動させて、超音波硫酸用アーム27を揺動させることができるようになっている。
超音波硫酸ノズル6には、硫酸供給源からの高濃度(たとえば98wt%)の硫酸が供給される第1硫酸供給管30が接続されている。第1硫酸供給管30の途中部には、超音波硫酸ノズル6への硫酸の供給および供給停止を切り換えるための超音波硫酸ノズル用硫酸バルブ31が介装されている。第1硫酸供給管30に供給される硫酸は、硫酸供給源において室温(約25℃)程度の液温を有している。
さらに、超音波硫酸ノズル6には、超音波振動発振器54(図2参照)からの発振信号を受けて、所定の周波数(たとえば、40〜750kHz)で振動する超音波振動子32が組み込まれている。第1硫酸供給管30から超音波硫酸ノズル6に硫酸が供給されている状態で、超音波振動子32を振動させることにより、超音波硫酸ノズル6に供給される硫酸に超音波振動を付与することができる。これにより、超音波硫酸ノズル6から、超音波が付与された硫酸を吐出することができる。
DIWノズル34は、プレート4の斜め上方において、吐出口をウエハWの中央部に向けて配置されている。このDIWノズル34には、DIW供給管35が接続されており、DIW供給源からのリンス液としてのDIWがDIW供給管35を通して供給されるようになっている。DIW供給管35の途中部には、DIWノズル34へのDIWの供給および供給停止を切り換えるためのDIWノズル用DIWバルブ36が介装されている。
SPM用ノズルユニット5には、基板下保持部2に保持されたウエハWの上面に対して硫酸を供給するための硫酸ノズル16と、基板下保持部2に保持されたウエハWの上面に対して過酸化水素水を供給するための過水ノズル17と、過水ノズル17から吐出される過酸化水素水に対してN2を吹き付けるためのN2ノズル18と、これら硫酸ノズル16、過水ノズル17およびN2ノズル18を上方から保持するブロック19とが設けられている。
SPM用ノズルユニット5は、プレート4の上方でほぼ水平に延びるSPM用アーム20の先端に取り付けられている。このSPM用アーム20は、プレート4の側方でほぼ鉛直に延びたSPM用アーム支持軸21に支持されている。また、SPM用アーム支持軸21には、SPM用ノズルユニット駆動機構22が結合されており、このSPM用ノズルユニット駆動機構22の駆動力によって、SPM用アーム支持軸21を回動させて、SPM用アーム20を揺動させることができるようになっている。
硫酸ノズル16には、硫酸供給源からの高濃度(たとえば98wt%)の硫酸が供給される第2硫酸供給管23が接続されている。第2硫酸供給管23の途中部には、硫酸ノズル16への硫酸の供給および供給停止を切り換えるための硫酸ノズル用硫酸バルブ24が介装されている。第2硫酸供給管23に供給される硫酸は、硫酸供給源において、その液温が所定の高温(160〜180℃)に温度調節されている。
過水ノズル17には、過酸化水素水供給源からの過酸化水素水が供給される過水供給管25が接続されている。また、過水供給管25の途中部には、過水ノズル17への過酸化水素水の供給および供給停止を切り換えるための過水バルブ26が介装されている。過水供給管25に供給される過酸化水素水は、室温(約25℃)程度の液温を有している。
2ノズル18には、N2供給源からのN2ガスが供給されるN2供給管55が接続されている。N2供給管55に供給されるN2ガスは、室温(約25℃)程度の温度を有している。また、N2供給管55の途中部には、N2ノズル18へのN2ガスの供給および供給停止を切り換えるためのN2ノズル用N2バルブ56が介装されている。
図3は、SPM用ノズルユニット5の構成を説明するための図である。
硫酸ノズル16および過水ノズル17は、ブロック19の下面から下方に臨むように、並んで配置されている。硫酸ノズル16および過水ノズル17は、基板下保持部2に保持されたウエハWの上面上のほぼ同じ位置に、硫酸ノズル16から吐出された硫酸と、過水ノズル17から吐出された過酸化水素水とが着液するように、それぞれ所定の吐出方向に向けてブロック19に取り付けられている。この実施形態では、硫酸ノズル16は、その吐出口から吐出される硫酸の吐出方向がほぼ鉛直方向となるように取り付けられている。また、過水ノズル17は、その吐出口から吐出される過酸化水素水の吐出方向が、鉛直方向からたとえば45°傾斜するように取り付けられている。したがって、過水ノズル17から吐出される過酸化水素水の吐出方向は、硫酸ノズル16から吐出される硫酸の吐出方向よりも、鉛直方向に対する傾斜角度が大きい。
2ノズル18は、過水ノズル17に対して硫酸ノズル16と反対側に配置されている。N2ノズル18は、その吐出口から吐出されるN2ガスの吐出方向が、過水ノズル17から吐出される過酸化水素水の吐出方向よりも、鉛直方向に対する傾斜角度が大きくなるように、ブロック19に保持されている。この実施形態では、N2ノズル18は、N2ガスの吐出方向が鉛直方向からたとえば60°傾斜するように取り付けられている。過水ノズル17から吐出される過酸化水素水ガスは、N2ノズル18からのN2ガスを受けて、硫酸ノズル16から吐出される硫酸に寄せられながらウエハWの上面に着液する。これらにより、基板下保持部2に保持されたウエハWの上面において、過水ノズル17から吐出される過酸化水素水を、硫酸ノズル16から吐出される硫酸の下方に潜り込ませることができる。
図4は、この基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。この基板処理装置はCPU50、ROM51およびRAM52を含む構成の制御装置53を備えている。
制御装置53には、プレート回転駆動機構11、SPM用ノズルユニット駆動機構22 挟持ピン駆動機構38、超音波硫酸ノズル駆動機構29、スピンベース昇降駆動機構48、スピンベース回転駆動機構49、超音波振動発振器54、アンモニア過水下バルブ13、DIW下バルブ14、硫酸ノズル用硫酸バルブ24、過水バルブ26、N2ノズル用N2バルブ56、超音波硫酸ノズル用硫酸バルブ31、アンモニア過水上バルブ43、DIW上バルブ44、N2上バルブ46およびDIWノズル用DIWバルブ36などが制御対象として接続されている。
制御装置53は、CPU50に格納されているプログラムに従って、プレート回転駆動機構11、SPM用ノズルユニット駆動機構22 挟持ピン駆動機構38、超音波硫酸ノズル駆動機構29、スピンベース昇降駆動機構48、スピンベース回転駆動機構49および超音波振動発振器54の動作を制御する。
制御装置53は、また、アンモニア過水下バルブ13、DIW下バルブ14、硫酸ノズル用硫酸バルブ24、過水バルブ26、N2ノズル用N2バルブ56、超音波硫酸ノズル用硫酸バルブ31、アンモニア過水上バルブ43、DIW上バルブ44、N2上バルブ46およびDIWノズル用DIWバルブ36の開閉を制御する。
図5は、基板処理装置におけるレジスト除去処理の流れを説明するための工程図である。
以下、図1および図5を参照して、この基板処理装置のレジスト除去処理について説明する。
レジスト除去処理に際しては、図示しない搬送ロボットによって、処理室1にイオン注入処理後のウエハWが搬入されてくる。このウエハWは、レジストをアッシング(灰化)するための処理を受けておらず、その表面上のレジストの表面には、イオン注入によって変質した硬化層が存在している。なお、このウエハWの搬入時においては、基板上保持部3のスピンベース40は、基板下保持部2のプレート4から上方に離間した離間位置にある。
ウエハWは、その表面を上方に向けて、プレート4の上面に載置されて、基板下保持部2に保持される。ウエハWが基板下保持部2に保持されると、プレート回転駆動機構11が駆動されて、プレート4の回転が開始される。プレート4の回転に伴って、プレート4に保持されたウエハWも回転される。前述のように、プレート4は、当接部材7の上部とウエハWの下面(裏面)との間に生じる摩擦力によってウエハWを保持するため、ウエハWに対する保持力はそれほど高くない。したがって、このときのプレート4の回転速度は、たとえば100rpm程度に設定されている。
ウエハWの回転開始後、SPM用ノズルユニット駆動機構22が制御されて、SPM用ノズルユニット5が、プレート4の側方に設定された待機位置からプレート4に保持されているウエハWの上方に移動される。そして、硫酸ノズル用硫酸バルブ24が開かれて、SPM用ノズルユニット5の硫酸ノズル16から回転中のウエハWの上面に向けて、所定の高温(160〜180℃)の硫酸が吐出される。また、過水バルブ26が開かれて、SPM用ノズルユニット5の過水ノズル17から回転中のウエハWの上面に向けて、室温の過酸化水素水が吐出される。さらに、N2ノズル用N2バルブ56が開かれて、N2ノズル18からN2ガスが、過水ノズル17から吐出される過酸化水素水に向けて吹き付けられる。過水ノズル17から吐出される過酸化水素水は、N2ノズル18からのN2ガスを受けて、硫酸ノズル16から吐出される硫酸の下方に潜り込む。
硫酸ノズル16から吐出された所定の高温の硫酸と、過水ノズル17から吐出された室温の過酸化水素水とは、ウエハWの上面上のほぼ同じ位置に着液する。ウエハW上において、硫酸と過酸化水素水とが混合されて反応し、多量のペルオキソ硫酸(H2SO5)を含むSPMが生成される。160〜180℃の硫酸と、室温の過酸化水素水との反応による反応熱のために、SPMは昇温されて、SPMの液温はその生成直後に約200℃に達する。この生成後間もない約200℃のSPMが、ウエハWの上面のレジストに作用する(ステップS1:SPM処理)。
SPMは、液温が高くなるにつれてレジスト剥離能力が向上する。その反面、SPMは、液温が高くなるにつれて、SPMに含まれるペルオキソ硫酸の減衰による劣化の速度が速くなる。
ウエハWの上面において、硫酸と過酸化水素水とが混合されてSPMが生成されるので、そのSPMは、約200℃の高温であっても、劣化する前に、ウエハWの上面に形成されたレジストに作用する。その結果、そのウエハWの上面に形成されているレジストを良好に除去することができる。
このレジスト剥離処理に用いられるSPMは、硫酸と過酸化水素水との混合比が20:1とされている。このため、硫酸ノズル16から吐出される硫酸の吐出量が1(L/min)であるのに対し、過水ノズル17から吐出される過酸化水素水の吐出量は0.05(L/min)と少量である。
前述のように、ウエハWの上面において、過水ノズル17から吐出される過酸化水素水を、硫酸ノズル16から吐出される硫酸の下方に潜り込ませることができる。そのため、少量の過酸化水素水を多量の硫酸と良好に接触させることができ、SPMを効率よく生成させることができる。
このSPM処理では、SPM用ノズルユニット駆動機構22が制御されて、SPM用アーム20が所定の角度範囲内で揺動される。これによって、SPM用ノズルユニット5からの硫酸および過酸化水素水が導かれるウエハWの上面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。したがって、ウエハWの上面の全域に、高温で新鮮なSPMが供給される。
ウエハWの上面上のSPMは、硬化層に形成された多数の微細孔を通って、硬化層の内部に浸透する。その結果、硬化層の内側の生レジスト(未硬化のレジスト)にSPMの強酸化力が作用し、生レジストが除去される。このため、ウエハWの表面には、空洞化した硬化層だけが残存する。
SPM処理では、基板上保持部3は、基板下保持部2のプレート4から上方に離間した離間位置に配置されているので、基板上保持部3がSPM用アーム20の揺動の邪魔になったり、基板上保持部3が高温のSPMの影響を受けたりすることを防止することができる。
SPM供給位置の往復移動が所定回数行われると、硫酸ノズル用硫酸バルブ24および過水バルブ26が閉じられ、ウエハWへの硫酸および過酸化水素水の供給が停止されて、SPM用ノズルユニット5がプレート4の側方の退避位置に戻される。
次に、超音波硫酸ノズル駆動機構29が制御されて、超音波硫酸ノズル6が、プレート4の側方に設定された待機位置からウエハWの上方に移動される。そして、超音波硫酸ノズル用硫酸バルブ31が開かれるとともに、超音波振動発振器54からの発振信号を受けて超音波振動子32が振動されて、超音波硫酸ノズル6から超音波振動が付与された硫酸が、回転中のウエハWの上面に向けて吐出される(S2:超音波硫酸処理)。
この超音波硫酸処理においては、超音波硫酸ノズル駆動機構29が制御されて、超音波硫酸用アーム27が所定の角度範囲内で揺動される。これによって、超音波硫酸ノズル6からの硫酸が導かれるウエハWの上面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。したがって、ウエハWの上面の全域に、超音波が付与された硫酸が供給される。
超音波振動が付与された硫酸がウエハWの表面に供給されると、超音波振動の物理的なエネルギーによって、ウエハWの表面上に残存するレジストの硬化層が破壊されて、粉砕される。粉砕された硬化層は、硫酸とともに、ウエハWの表面から除去されていく。
次に、ウエハWの回転が継続されたまま、DIWノズル用DIWバルブ36が開かれる。これにより、回転中のウエハWの上面の中央部に向けてDIWノズル34からDIWが吐出される(S3:リンス処理)。ウエハWの中央部に供給されたDIWは、ウエハWの上面上を流れ、ウエハWの上面に付着している硫酸がDIWによって洗い流される。
DIWの吐出の開始から所定時間が経過すると、DIWノズル用DIWバルブ36が閉じられて、ウエハWの上面へのDIWの供給が停止されるとともに、プレート回転駆動機構11の駆動が停止されて、プレート4およびウエハWの回転が止められる。
その後、ウエハWに対してステップS5のSC1処理、ステップS6のリンス処理およびステップS7のスピンドライが施されるが、これらの処理は、基板下保持部2ではなく、基板上保持部3にウエハWを保持させた状態で実施される。このため、ステップS3のリンス処理の終了後は、基板下保持部2から基板上保持部3へのウエハWの受渡しが行われる(ステップS4)。
このウエハWの受渡しは、スピンベース昇降駆動機構48が駆動されて、スピンベース40が、プレート4の上面に載置されたウエハWの上面に近接する近接位置まで下降される(図6(a)参照)。スピンベース昇降駆動機構48が駆動されて、スピンベース40がウエハWの上面に近接する近接位置まで下降される。この近接位置では、複数の挟持ピン37がウエハWの周縁の側方に位置する。この近接位置において、挟持ピン駆動機構38が駆動されて、複数の挟持ピン37が、開放位置から挟持位置に導かれる。これにより、ウエハWが基板上保持部3に保持されて、基板下保持部2から基板上保持部3へのウエハWの受渡しが達成される。
ウエハWが基板上保持部3に保持された後、スピンベース昇降駆動機構48が駆動されて、スピンベース40が、ウエハWごと、近接位置から上方の処理位置まで上昇される。
この処理位置は、近接位置よりも微少距離だけ上方に位置しており、このため、下面ノズル15から吐出された液は、処理位置にあるウエハWの下面の中央部に供給される。また、この処理位置では、ウエハWは、当該ウエハWを保持するスピンベース40の基板対向面39によってその上面の近傍の空間が制限されているだけでなく、プレート4の上面によって当該ウエハWの下面の近傍の空間が制限されている。スピンベース40が処理位置まで上昇されると、スピンベース回転駆動機構49が駆動されて、ウエハWの回転が開始される。
ウエハWの回転速度が所定の高速(たとえば800rpm)に達すると、アンモニア過水上バルブ43が開かれて、上面ノズル42の開口からウエハWの上面の中央部に向けて室温のSC1が吐出される。また、アンモニア過水下バルブ13が開かれて、下面ノズル15からウエハWの下面の中央部に向けて室温のSC1が吐出される(S5:SC1処理、図6(b)参照)。
ウエハWの上面に供給されたSC1は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの上面の中央部から周縁に向けて流れ、ウエハWの上面全域に拡がる。また、ウエハWの下面に供給されるSC1は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの下面を伝って中央部から周縁に向けて流れ、ウエハWの下面全域に拡がる。これにより、ウエハWの上面に付着したレジスト残渣が除去される。
とくに、ウエハWの回転速度が所定の高速(たとえば800rpm)であるために、ウエハWに供給されたSC1が受ける遠心力は比較的大きく、このため、ウエハWの下面の中央部に供給されたSC1を、ウエハWの下面の周縁へと行き渡らせることができる。DIWの吐出の開始から所定時間が経過すると、アンモニア過水上バルブ43およびアンモニア過水下バルブ13が閉じられる。
次に、ウエハWの回転が継続されたまま、DIW上バルブ44が開かれて、上面ノズル42からウエハWの上面の中央部に向けて、室温のDIWが吐出される。また、DIW下バルブ14が開かれて、下面ノズル15からウエハWの下面の中央部に向けて、室温のDIWが吐出される(S6:リンス処理、図6(c)参照)。ウエハWの上面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの上面を中央部から周縁に向けて流れ、ウエハWの上面全域に拡がる。また、ウエハWの下面に供給されるDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの下面を伝って中央部から周縁に向けて流れ、ウエハWの下面全域に拡がる。これにより、ウエハWの上面および下面に付着したSC1が洗い流される。
とくに、ウエハWの回転速度が所定の高速(たとえば800rpm)であるために、ウエハWに供給されたDIWが受ける遠心力は比較的大きく、このため、ウエハWの下面の中央部に供給されたDIWを、ウエハWの下面の周縁へと行き渡らせることができる。
このように、ステップS5のSC1処理およびステップS6のリンス処理では、第2保持部40によって所定の高速で回転されるウエハWに対して、SC1およびDIWがそれぞれ供給されるので、ウエハWの上面および下面の全域に対して、SC1処理およびリンス処理を均一に施すことができる。
リンス処理の開始から所定時間が経過すると、DIW上バルブ44およびDIW下バルブ14が閉じられる。その後スピンベース回転駆動機構49が制御されて、ウエハWの回転速度が所定の高回転速度(たとえば、3000rpm)に上げられる。これにより、ウエハWに対して、その上面および下面に付着しているDIWの液滴を振り切る回転速度でウエハWを回転させるスピンドライが施される(ステップS7、図6(d)参照)。このスピンドライによって、ウエハWに付着していたDIWが完全に除去される。
スピンドライの際には、プレート回転駆動機構11が駆動されて、プレート4がウエハWの回転方向と同方向に、かつ、ウエハWと同じ回転速度(3000rpm)で回転される。また、N2上バルブ46が開かれて、N2流通路45の開口から、スピンベース40とウエハWとの間の空間に室温のN2ガスが供給される。
ウエハWの下面に近接しつつ対向しているプレート4がウエハWの回転方向と同方向に回転するので、ウエハWとプレート4との間の空間に乱流が発生しない。このため、乾燥の過程でウエハWの下面にDIWの跡などが残らない。
また、N2ガスの供給により、スピンベース40とウエハWとの間の空間にN2ガスの安定した気流が生じる。このため、乾燥後のウエハWの上面にDIWの跡などを残すことがない。これらにより、ウエハWを良好に乾燥させることができる。
スピンドライが所定時間にわたって行われると、スピンベース回転駆動機構49の駆動が停止されて、スピンベース40およびウエハWの回転が止められる。スピンベース昇降駆動機構48が駆動されて、スピンベース40が、ウエハWごと、退避位置に退避された後、一連のレジスト除去処理が施されたウエハWは図示しない搬送ロボットによって搬出されていく。
以上により、この実施形態では、約200℃のSPMが用いられるSPM処理時には、基板下保持部2にウエハWが保持される。基板下保持部2は、ウエハWの下面を支持するので、ウエハWの重量以上の力を受けない。そのため、高温環境下でも、基板下保持部2は、変形を生じず、ウエハWを安定して保持し続けることができる。一方、SC1処理時およびスピンドライ時には、基板上保持部3にウエハWが保持される。SC1処理およびスピンドライは、SPM処理時よりも低温な環境下で実行されるので、基板上保持部3によってウエハWを強固に保持しても、基板上保持部3の変形を生じない。したがって、基板上保持部3では、ウエハWを強固に保持しつつ、そのウエハWを比較的高速で回転させることができる。よって、ウエハWに対してSPM処理、SC1処理およびスピンドライを実施することができる。
また、基板上保持部3は、基板下保持部2から上方に離間した離間位置と、基板下保持部2との間でウエハWを受渡し可能な近接位置とに昇降可能に設けられている。これにより、SPM処理時には、基板上保持部3を離間位置に配置して、基板上保持部3が処理動作の邪魔になったり基板上保持部3が高温のSPMの影響を受けたりすることを防止することができる。また、基板上保持部3を近接位置に配置して、基板下保持部2と基板上保持部3との間でウエハWを受け渡すことができる。
さらに、ウエハWの上面において、硫酸と過酸化水素水とが混合されてSPMが生成されるので、そのSPMは、約200℃の高温であっても、劣化する前に、ウエハWの上面に形成されたレジストに作用する。その結果、そのウエハWの上面に形成されているレジストを良好に除去することができる。
この発明の一実施形態の説明は以上の通りであるが、この発明は他の実施形態で実施することもできる。
図7は、SPM処理の他の処理例を説明するための図である。この図7において、前述した各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
図7に示すSPM処理では、硫酸ノズル16からの硫酸の吐出と、過水ノズル17からの過酸化水素水の吐出とが、交互に繰り返し行われる。
具体的には、過水バルブ26が2秒間だけ開かれる。このとき、過水ノズル17から過酸化水素水がウエハWの上面に向けて吐出される。ウエハWは100rpmで回転されており、このため、ウエハWの表面の吐出された過酸化水素水は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの周縁に向けて移動する。このため、ウエハWの上面に過酸化水素水の液膜が作成される(図7(a)参照)。
過水バルブ26が閉じられた後に、硫酸ノズル用硫酸バルブ24が2秒間だけ開かれる。このとき、ウエハWの上面の過酸化水素水の液膜に向けて、硫酸ノズル16から、過酸化水素水の液膜に向けて、硫酸が吐出される(図7(b)参照)。これにより、ウエハWの上面において、硫酸と過酸化水素水化とが混合されてSPMが生成される。SPMは、ウエハWの上面の全域に拡がる。その後、ウエハWの上面に供給された硫酸が、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの周縁に向けて移動する。このため、ウエハWの上面に硫酸の液膜が作成される(図7(c)参照)。
硫酸ノズル用硫酸バルブ24が閉じられた後に、再度、過水バルブ26が2秒間だけ開かれる。このとき、ウエハWの上面の硫酸の液膜に向けて、過水ノズル17から過酸化水素水が吐出される(図7(d)参照)。これにより、ウエハWの上面において、硫酸と過酸化水素水化とが混合されてSPMが生成される。SPMは、ウエハWの上面の全域に拡がる。このように、硫酸ノズル16からの硫酸の吐出と、過水ノズル17からの過酸化水素水の吐出とが、交互に繰り返し行われる。
このSPM処理では、ウエハWの上面に過酸化水素水の液膜が形成されている状態で、その液膜に硫酸が供給され、また、ウエハWの上面に硫酸の液膜が形成されている状態で、その液膜に過酸化水素水が供給される。そのため、ウエハWの上面において、過酸化水素水と硫酸とを確実に混合させることができる。その結果、SPMを効率よく生成させることができる。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
硫酸ノズル16には、少量の温水や少量の過酸化水素水が混入され、そのときの反応生成熱や希釈熱を利用して昇温された硫酸が供給される構成であってもよい。この場合、硫酸の劣化を抑制または防止するために、温水や過酸化水素水の硫酸への混入は、第2硫酸供給管23の途中部で行われることが望ましい。
また、SPM用ノズルユニット5は、前述の構成に限られない。たとえば、SPM用ノズルユニットが外筒、内筒の2重筒で構成されていて、内筒から過酸化水素水が吐出され、外筒と内筒との間からは硫酸が吐出される構成であってもよい。
前述の実施形態では、ウエハWにSPM処理が施された後に、ウエハWに超音波硫酸処理が施されるとして説明したが、ウエハWに超音波硫酸処理が施された後に、ウエハWにSPM処理が施されてもよい。かかる場合であっても、ウエハWの表面からレジストを除去することができる。
また、前述の実施形態では、レジスト残渣を除去するレジスト残渣除去処理液としてSC1を用いたが、これに代えて、温水、コリン(TMI)を用いてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す断面図である。 プレートの平面図である。 SPM用ノズルユニットの構成を説明するための図である。 この基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。 基板処理装置におけるレジスト除去処理の流れを説明するための工程図である。 ウエハの受渡し、リンス処理およびスピンドライの各処理の一例を示す図である。 SPM処理の他の処理例を説明するための図である。
符号の説明
1 処理室
2 基板下保持部(高温処理用基板保持手段)
3 基板上保持部(回転処理用基板保持手段)
4 プレート
16 硫酸ノズル
17 過水ノズル
24 硫酸ノズル用硫酸バルブ(硫酸バルブ)
26 過水バルブ
37 挟持ピン(挟持部材)
39 基板対向面
40 スピンベース(ベース)
53 制御装置
W ウエハ(基板)

Claims (9)

  1. 常温よりも高温の流体を用いて基板を処理する高温処理および前記高温処理時よりも低温環境下で基板を回転させて処理する回転処理を実施するための基板処理装置であって、
    前記高温処理時に、基板の下面に当接し当該下面を支持して、基板を保持する高温処理用基板保持手段と、
    前記高温処理用基板保持手段とは別の基板保持手段であって、前記回転処理時に、基板を保持しつつ回転させる回転処理用基板保持手段とを含むことを特徴とする、基板処理装置。
  2. 前記回転処理用基板保持手段は、前記高温処理用基板保持手段の上方に対向して配置され、前記高温処理用基板保持手段から上方に離間した離間位置と、前記高温処理用基板保持手段との間で基板を受渡し可能な近接位置とに昇降可能に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記回転処理用基板保持手段は、基板の上面に対向する基板対向面を有した板状のベースと、前記ベースの基板対向面に配設され、基板の周縁と当接して当該基板を挟持するための複数の挟持部材とを備えることを特徴とする、請求項2記載の基板処理装置。
  4. 前記高温処理は、硫酸と過酸化水素水の混合液を用いて、基板の上面からレジストを除去する処理であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記高温処理用基板保持手段によって保持される基板の上面に向けて、硫酸を吐出する硫酸ノズルと、
    前記高温処理用基板保持手段によって保持される基板の上面に向けて、過酸化水素水を吐出する過水ノズルと、をさらに含むことを特徴とする、請求項4記載の基板処理装置。
  6. 前記過水ノズルから吐出される過酸化水素水の吐出方向は、前記硫酸ノズルから吐出される硫酸の吐出方向よりも、鉛直方向に対する傾斜角度が大きいことを特徴とする、請求項5記載の基板処理装置。
  7. 前記硫酸ノズルからの硫酸の吐出および吐出停止を切り換えるための硫酸バルブと、
    前記過水ノズルからの過酸化水素水の吐出および吐出停止を切り換えるための過水バルブと、
    前記硫酸バルブおよび前記過水バルブを制御して、硫酸と過酸化水素水とを、交互に、繰り返し吐出させる制御手段とを、さらに含むことを特徴とする、請求項5または6記載の基板処理装置。
  8. 基板の下面に当接し当該下面を支持して、基板を保持する高温処理用基板保持手段と、前記高温処理用基板保持手段とは別の基板保持手段であって、基板を保持しつつ回転させる回転処理用基板保持手段とを備える基板処理装置において実行される基板処理方法であって、
    前記高温処理用基板保持手段によって保持される基板に対して、常温よりも高温の流体を用いた高温処理を施す高温処理工程と、
    前記高温処理用基板保持手段と前記回転処理用基板保持手段との間で基板を受け渡す工程と、
    前記高温処理工程時よりも低温な環境下において、前記回転処理用基板保持手段によって基板を回転させて処理する回転処理を実行する回転処理工程とを含むことを特徴とする基板処理方法。
  9. 前記高温処理工程は、基板の上面に向けて硫酸を吐出する硫酸吐出工程と、基板の上面に向けて過酸化水素水を吐出する過水吐出工程とを含み、
    前記硫酸吐出工程と前記過水吐出工程とは、交互に、繰り返し実行されることを特徴とする請求項8記載の基板処理方法。
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