しかしながら、上記のような開閉羽根部材による開閉を行う変動入賞役物や開閉扉部材による開閉を行う変動入賞役物は、開閉部材が比較的大きくまたその動作も大きいため、遊技領域内において必要な面積も大きくなってしまうという問題がある。特に近年では、遊技領域内の略中央に配置される図柄表示装置の大型化が進んでいるので、変動入賞役物等の他の役物においては小型化が要求されている。
加えて、羽根部材が左右に揺動開閉したり、扉部材が前後に揺動開閉したりするのでなく、斬新で面白みのある開閉動作により入賞確率を変化させることのできる変動入賞役物を、簡単な構造で実現する提案も望まれている。
更に、開閉羽根部材や開閉扉部材は、その閉鎖動作において球を入賞させる方向に羽根部材や扉部材が傾きながら閉じていくので、閉鎖途中に入賞しかかった球が、そのまま開閉羽根部材や開閉扉部材によって入賞口へと押し込まれてしまって入賞してしまうという問題がある。本来入賞すべきでない球が、開閉部材の閉鎖動作の途中で入賞してしまうと、入賞率が設計値から外れてしまってパチンコホールが不利益を受けてしまう場合がある。なお、上記のように、開閉部材の閉鎖途中に意図せず入球口に入球した球又はそのような入球を総称して「不測の入球」と呼ぶこととする。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、遊技領域内におけるスペース効率を向上させることができ、遊技領域における球の流下方向や流入開口への流入確率(入球率)の調整を容易とし、流下方向や入球率に対する設計意図を反映させ易い遊技機用の入球具等を提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての遊技機用の入球具は、遊技領域を流下する球を流入させるための流入開口と、流入開口の幅方向に延びて設けられた回転軸と、回転軸周りに回転することにより流入開口を進退する進退部材と、進退部材を回転軸周りに回転させる駆動手段と、を有する遊技機用の入球具であって、進退部材が受け面を有してかつ受け面が進退部材の進出状態において球を受けて流入開口へと導くと共に、その退避移動に伴い受け面上の球を遊技領域へと流下させる方向へと傾動し、その退避状態において球の流入開口への流入を阻止することを特徴とする。
進退部材が流入開口を前後方向に進退移動することにより、遊技領域を流下する球を流入開口に流入させたりその流入を阻止したりするので、比較的小面積で入球率(入球許容/入球阻止)の変更を実現することができ、遊技領域内のスペース効率の向上に寄与することができる。また、受け面が退避移動に伴って受け面上の球を遊技領域に流下させる方向へと傾動するので、退避移動の途中で受け面に受け止められた球を入球させずに遊技領域に残し、そのまま遊技領域を流下させることができる。したがって、このような不測の入球を有効に防止することができる。不測の入球を防止することにより、入球確率のバラツキを防止して、設計意図を的確に反映した入球率の調整を実現することができる。
更に、その受け面が退避状態で球の流入開口への流入を阻止する。具体的には、退避状態において受け面が前方を向くように配置され、球の流入を阻止する阻止面として機能する。進退部材の今までになく意外な挙動により、遊技者の興趣を一層向上させることができる。流入開口への球の流入の許容/阻止を、連動する複数の進退部材で実現するのでなく、1つの進退部材の進退移動によって実現しているので、部品点数や部品コストを低減することができ、組立工数の削減も図ることができる。
なお、回転軸を流入開口の略中央近傍に配置して、一方向への回転駆動により進退部材の進退移動を実現することもできる。また、回転軸を流入開口の上部近傍又は下部近傍に配置することにより、往復回転駆動により進退部材の進退移動を実現することもできる。いずれの進退移動も斬新で面白みがあり、遊技者に興趣を与えることができる。
ここにおいて遊技機とは、遊技媒体として球を用いてその流下による遊技を実現するものをいい、パロット機等を含むが、典型的にはパチンコ機を意味する。そして、この入球具は、パチンコ機において、普通入賞具、始動入賞具等として利用される。上下左右方向とは、この入球具が遊技機に配置された場合において、遊技者から見た上下左右方向を意味する。また、遊技機から遊技者に向かう方向が前方向であり、遊技者から遊技機に向かう方向が後方向である。また、上側進退部と下側進退部とは、別々の進退部材である場合を含み、両者が連結されて一体化された場合及び両者が一体形成されている場合を含む。
進退部材が、少なくともその幅方向一側部近傍に、受け面上の球の側部からの落下を防止すると共に側方からの前記流入開口への前記球の流入を阻止するための落下防止部を有してもよい。
例えば、両側部近傍に落下防止部を有した場合は、進退部材の進出状態において受け面で受けた球が、進退部材の側部から落下するのを防止することができる。したがって、受け面で受けた球を確実に流入開口へと流入させることができる。また、一側部近傍にのみ落下防止部を有した場合は、受け面で受けたにも拘らず流入開口へと流入しなかった球を、落下防止部を有さない方の側部に集中的に落下させることができる。したがって、この入球具を流下した後の球が、どの程度の割合で左右に振り分けられるかを指標する左右振分け率を調整することができる。
また、落下防止部によって、側方からの意図しない入球を防止する効果も得ることができる。例えば、遊技領域内のゲージ等に弾かれて側方から進退部材の方に向かってくる球を、落下防止部によって遮断し、流入開口に流入するのを阻止することができる。
進退部材の先端が、進出移動時における球の挟み込みを防止するための傾斜部を有してもよい。
進退部材の先端が傾斜部を有しているので、進退部材が進出移動によって前方に移動する際に、球が挟まれて球詰まりを生じたりするのを防止することができる。例えば、進退部材の先端が傾斜になっておらず、遊技盤面と略平行な平坦面とされている場合、球の流路を形成する流路壁(例えば、遊技機における前面ガラスの後面や入球具の前側部分に取り付けられた補助部材としての前板(後述)の後面。)とその平坦面とで流下中の球を挟み込んで流下を止めてしまう可能性がある。そうすると、進出移動が阻害されて設計通りの位置まで進退部材が進出できなかったり、挟まれた球を原因とする球詰まりが発生する等の悪影響を生じる可能性がある。
しかしながら、進退部材の先端が傾斜していれば、例え流路壁と進退部材との間に流下中の球が挟まれても、傾斜によって球がその傾斜方向へと円滑に移動する。そのため、球が止められてしまうことなく流下するので、進出移動への阻害や球詰まりの虞が低減される。なお、傾斜部の傾斜方向や傾斜角度を調整することによって、左右振分け率を調整することができる。
受け面が、退避状態において前方に向けて情報を提供する情報提供部を有してもよい。
受け面が情報提供部を有しているので、進退部材の進退移動を目立ち易くすることができ、遊技者の興味を惹き付けたり、進退移動を視認容易としたりすることができる。進退部材の退避時に受け面が後方を向くのでなく、前方を向いてその受け面が情報を提供するので、遊技者に意外性を感じさせることができる。その情報は、例えば文字・記号等の文字情報であっても、模様・図柄・キャラクター等の画像情報であっても、装飾光等を利用した光装飾であってもよい。例えば、情報提供部を、遊技に関する説明を表示する説明表示や遊技の状況に応じて操作手順を表示する遊技手順ナビゲーションに利用することができる。
本発明の他の例示的側面としての遊技機用の入球具は、遊技領域を流下する球を流入させるための流入開口と、流入開口の幅方向に延設された回転軸と、回転軸周りに回転することにより流入開口を進退する進退部材と、進退部材を回転軸周りに回転させる駆動手段と、を有する遊技機用の入球具であって、進退部材が、その進出状態において球を受けて流入開口へと導くと共に、その退避状態において球の流入開口への流入を阻止する作動部と、回転軸より下方に延びて作動部と一体的に回転し、駆動手段と連結される連結部と、を有し、駆動手段が、流入開口の下方に配置されると共に連結部によって流入開口の下方で進退部材と連結されていることを特徴とする。
連結部が回転軸より下方に延びて、流入開口の下方で駆動手段と連結されており、その駆動手段も流入開口の下方に配置されているので、流入開口の後方に例えば装飾光源等を配置して装飾光を利用した遊技演出を行うことができる。この入球具の流入開口において、連結部や駆動手段等の構造物によって遮蔽されることなく、後方からの装飾光による演出を行うことができるので、入球具に遊技者の注意を惹き付けることができる。斬新で印象的な入球具近傍における光演出により、遊技者に高い興趣を与えることができる。
本発明の更に他の例示的側面としての遊技機は、上記の遊技機用の入球具と、遊技領域をその表面に画定する遊技盤と、遊技盤を遊技者にとって視認可能となるように保持する枠体と、遊技盤に対してその前方に一定距離以上離間して配置された前面透明板と、遊技領域に向けて球を発射する発射ユニットと、球を貯留する貯留皿と、を有することを特徴とする。
この遊技機は、上記の入球具を有しているので、進退部材による回転移動を伴う斬新で面白みのある進退移動により高速に入球確率を変化させることができ、遊技者の興趣増大を図ることができる。比較的小面積で入球確率の変更を実現することができるので、図柄表示装置等の遊技領域内に配置される他の装置の大型化や配置に自由度を高めることができる。遊技領域を流下する球の入球具への入球率の調整を容易とすることができ、不測の入球を防止して、設計意図を充分に反映させた遊技機とすることができる。ここで、遊技盤の表面は、前面(遊技者に対向する側の面)のみならず、後面(前面に対する裏面)をも概念として含む。
その遊技機が、遊技領域に設けられて球が入球可能な第1始動口を備えた第1始動入賞具と、第1始動口への入球に基き第1の遊技を実行する第1遊技手段と、流入開口への入球に基き第2の遊技を実行する第2遊技手段とを備え、第1始動入賞具と遊技機用の入球具とが遊技領域の正面視において左右方向同側に配置されていてもよい。
第1始動入賞具と上記の入球具とが遊技領域の正面視において左右方向同側に配置されているので、遊技者は、いわゆる右打ち・左打ちに打ち分ける必要なく、左右同側に球発射を続けることにより第1の遊技の発生も第2の遊技の発生も狙うことができる。この場合において、左右同側に第1始動入賞具と上記の入球具とが配置されているが、上記の入球具においては、進退部材の前後進退移動によって、不測の入球が防止されている。したがって、遊技者が第1の遊技の発生を狙っている最中に、意図せず第2の遊技が発生してしまうのを防止することができる。
ここにおいて、第1遊技手段とは、第1の特別遊技としての図柄変動大当たり(後述)を実行するための手段を意味し、より具体的に例示すれば、第1始動口への入球に起因して第1抽選を行う第1抽選手段、その抽選結果の呈示を実行する抽選結果呈示手段、抽選結果に応じて第1大入賞口の開閉制御を実行する動作制御手段等を含む概念である。第2遊技手段とは、第2の特別遊技としての役物大当たり(後述)を実行するための手段を意味し、より具体的に例示すれば、流入開口への入球に基づき第2大入賞口の開閉制御を実行する動作制御手段を含む概念である。
なお、第1の遊技(1種大当たり又は図柄変動大当たりともいう。)と第2の遊技(2種大当たり又は役物大当たりともいう。)とを実現可能な遊技機として、例えば、後述する1種2種タイプのパチンコ機が概念できる。このような、1種2種タイプのパチンコ機に本発明を適用することにより、例えば、右側領域及び右打ち遊技を廃することができる。遊技領域のうち左側領域のみを用いて、意図しない2種大当たりを防止しつつ1種2種遊技を実現することができる。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、進退部材による回転を伴う進退移動により入球確率を変更しているので、面白みのある進退移動により、遊技領域内における省スペース化に貢献することができ、進退部材の退避移動中における不測の入球を防止することができる。また、入球阻止のための部品点数を削減して、入球確率変更を実現することができる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技機としてのパチンコ機2の正面図である。このパチンコ機2は、枠体3、遊技盤ユニット5、前面ガラス(前面透明板)10、装飾枠(前面枠)12、発射ユニット(不図示)、貯留皿14を有している。
なお、遊技機は、パチンコ機2の他にパロット機、アーケードマシン、各種ゲーム機、その他の球の流下による遊技を実現する遊技機を概念することができる。パチンコ機においても、アレンジボール機、雀球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態1においては、デジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)とハネモノ遊技(2種遊技、役物遊技ともいう。)の両方の遊技を実現するいわゆる1種2種タイプのパチンコ機について例示説明する。なお、図柄変動遊技及び役物遊技については後述する。
パチンコ機2の枠体3は、後述する遊技盤ユニット5を内側に保持し、装飾枠12と協働してこのパチンコ機2の周囲及び前方又はそれらに加えて後方を囲むように構成される。枠体3の内部には、遊技盤6の他にも各種電子基板や遊技媒体用の経路等各種機構部品が配置され、枠体3及び装飾枠12によって周囲側方及び前方又はそれらに加えて後方からのパチンコ機2内部への不正アクセスが防止されるようになっている。
枠体3は、例えば、最外郭に配置されてパチンコホールの遊技機設置島に取り付けられる筐体枠4、その筐体枠4に対して前後揺動可能に軸支され遊技盤ユニット5を保持する機枠9とを有して構成される。そして、その機枠9の前方には、前面ガラス10とその周囲を装飾する装飾部材32とを保持する装飾枠12が配置される。なお、前面ガラス10は、枠体3内部に保持された遊技盤6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材であるが、詳細は後述する。
遊技盤ユニット5は、遊技盤6とその遊技盤6の略中央に配置されたセンター役物7とを有して構成されている。その遊技盤6は、遊技盤面(表面)6a側に球(パチンコ球)23の流下による遊技を実現するための遊技領域6bを構成するための盤状部材であり、遊技盤面6aを前方から遊技者にとって視認可能となるように枠体3(本実施の形態1においては、枠体3の一部としての機枠9。)に保持されている。遊技盤面6aには、略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の内周面(内側面)26aが遊技盤面6aに対して立設するように配置されている。そして、その内側面26aによって画定され、内側面26aに面した略円形状の領域が遊技領域6bとなっている。
遊技領域6bには、ゲージ(障害釘)27が配置されている。このゲージ27は、遊技領域6bを流下する球23と衝突してその流下方向を変更させるものであり、遊技領域6b内に多数配置されている。また、遊技領域6bには、普通入賞口28、第1始動口29、第2始動口(図2参照)16を備えた第2始動入賞具(遊技機用の入球具)11、第1大入賞口31、第2大入賞口8a、通過ゲート(通過領域)33、風車34等が配置されており、流下する球23が各入賞口や始動口に流入したり、通過ゲート33を通過したり、風車34を回転させたりすることによって、球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。
センター役物7は、遊技盤面6aの略中央に配置されて図柄変動遊技や役物遊技を実現するものであり、主として第1の遊技における図柄表示を行う図柄表示装置7a及び主として役物遊技を実現するセンター飾り8を有している。
図柄表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤面6a側から視認可能となるように配置され、その表示画面(映像表示面)7b上に映像表示を行うものである。この表示画面7b上には、例えば、3桁の数字又は文字等により構成される表示図柄7cが回転又は停止するように映像として表示される。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像も表示画面7b上に表示されるようになっている。
図示しない球発射ユニットにより球23が発射されると、球23はレール飾り26の内側面26aに沿いつつ進行して遊技領域6b内の上部に至る。その後、球23はゲージ27に衝突しつつ遊技領域6b内を下方に流下し、あるものは普通入賞口に入賞して一定数の景品球払出しの契機となり、あるものはいずれの入賞口にも流入せずに遊技領域6b内最下部に位置するアウト口30に流入してパチンコ機2の外部へと排出される。
図柄変動遊技中に球23が第1始動口に流入すると、その流入に起因して第1の遊技発生のための第1抽選手段(第1遊技手段の一部)による第1抽選が開始される。それと共に、図柄表示装置7aの表示図柄7cが回転表示を開始する。第1抽選の結果が当たりであれば、表示図柄7cが所定の図柄(例えば、「7・7・7」。)で停止表示し、図柄変動遊技における大当たり(第1の遊技。以下、図柄変動大当たりという。)が発生する。そして、第1大入賞口31が開放して多量の入賞球を受け入れ、多量の景品球が貯留皿14へと払い出されるようになっている。
センター飾り8は、図柄表示装置7aの表示画面7bの周囲であって遊技盤面6a上に配置された樹脂製の造形体である。センター飾り8は、例えば表示画面7bの周囲を囲み、表示画面7bが遊技者に視認可能となるように配置されている。センター飾り8には、模様や色彩が付され、また、キャラクター等の造形が施されており、装飾的な演出効果を発揮するようになっている。
また、センター飾り8の一部には、球23の流入可能な状態と流入不可能な状態とに状態変更可能(開閉可能)な第2大入賞口8aが配置されている。この第2大入賞口8aは役物遊技中において大当たり(第2の遊技。以下、役物大当たりという。)発生時に所定時間開放され、その開放時には球23がセンター飾り8の内部へと流入可能とされている。一方、第2大入賞口8aの閉鎖時にはセンター飾り8の内部への球23の流入はできないようになっている。
センター飾り8の中央部に配置された図柄表示装置7aは、奥行き方向において遊技盤面6aよりもやや奥まって配置されている。その図柄表示装置7aの前方部分には第2大入賞口8aから流入した球23を一定確率で入賞させることのできるV入賞口35が配置されている。そのV入賞口35に球23が流入すると、第1大入賞口31が開放して多量の入賞球を受け入れ、役物大当たり遊技を継続的に楽しむことができるようになっている。
センター飾り8は、この遊技盤面6aの略中央やや右寄りに位置しており、遊技盤面6aの正面視右側領域にはセンター飾り8の上部及び側部付近とレール飾り26の内側面26aとによって球通路8bが形成されている。この球通路8bは球23が1個宛通過することのできる通路寸法とされており、球通路8bを通過した球23は、遊技領域6bの右下方近傍に至ってアウト口30へと流入するようになっている。この球通路8b部分以外の遊技領域6bは、遊技盤面6aの左側から下方部分にかけて構成されている。
発射ユニットによって発射された球23は、左側の遊技領域6bを流下しつつ、例えば通過ゲート33を通過する。その通過ゲート33の通過に起因して第2抽選手段による抽選が行われ、その抽選結果が当たりの場合に、第2始動入賞具11が備える第2始動口16が一定時間開放する。第2始動口16は、閉鎖状態では球23の流入が不可能とされているが、その開放中に球23が第2始動口16に流入すると、それに起因して役物大当たり遊技が発生し、第2大入賞口8aが所定時間開放する。その開放時間中に、後続の球23が第2大入賞口8a内に流入し、V入賞口35に入賞すれば、第1大入賞口31の開放により役物大当たり遊技の継続を楽しむことができるようになっている。
なお、ここにおいて、第2始動口16の開放状態とは、後述するベロ部材(進退部材)18(図2参照)が進出した状態であって、第2始動口16が球23を流入可能な状態をいう。また、第2始動口16の閉鎖状態とは、ベロ部材18が退避した状態であって、第2始動口16が球23を流入不可能な状態をいう。
以下、この第2始動口16を備える第2始動入賞具11の構成について詳細に説明する。
図2は、このパチンコ機2が有する第2始動入賞具11の外観斜視図である。この第2始動入賞具11は、ベースプレート17、ベロ部材18、モータ(駆動手段)20、収納部21、前板24を有している。なお、図2(a)は、ベロ部材18の進出状態(開放状態)を示し、図2(b)は、ベロ部材18の退避状態(閉鎖状態)を示している。また、図2(a),(b)においては、第2始動入賞具11の構造の理解容易のため、前板24を想像線で示している。
ベースプレート17は、この第2始動入賞具11を遊技盤面6aに取り付けるための取付けプレートである。このベースプレート17には、ベロ部材18の進出状態において球23を流入させるための第2始動口16が開口形成されている。第2始動口16は、略長方形状に開口形成されており、その開口幅寸法Wが、球23の直径寸法D(図4参照)よりも大きい寸法とされている。また、開口高さ寸法Hは、球23の直径寸法Dの2倍以上の大きさとされている。
ベロ部材18は、回転軸19周りに回転することにより第2始動口16を進退する略平板状の部材である。図3は、このベロ部材18の正面図及び側面図を示す二面図である。回転軸19は、幅方向に沿って延設され、第2始動口16の略中央の高さ位置に配置されている。そして、ベロ部材18の高さ方向における中央近傍が回転軸19に取り付けられ、回転軸19を中心に回転可能となっている。ベロ部材18は、図2中矢印Y方向に一方向回転するようになっている。
図2(a)に示すように、ベロ部材18の端部(傾斜部)18aが第2始動口16より前方に突出した進出状態においてこの第2始動口16は開放状態となり、球23が流入可能となる。この進出状態においては、ベロ部材18の表面18bが受け面として機能し、遊技領域6bを流下する球23を受け止め、第2始動口16へと導く。この進出状態における受け面の傾斜角度を調整することにより、すなわち、進出状態におけるベロ部材18の停止保持角度を調整することにより、
一方、図2(b)に示すように、ベロ部材18が第2始動口16を塞ぐように立位し、遊技盤面6aと平行となった退避状態において、第2始動口16は閉鎖状態となって球23の流入を阻止する。この退避状態においては、受け面とした機能したベロ部材18の表面18bが流入阻止面として機能し、球23の第2始動口16への入球を阻止する。なお、この退避状態から更に矢印Y方向へと回転して再び進出状態となった場合には、ベロ部材18の裏面18cが受け面として機能することとなる。
ベロ部材18の左側部には、受けた球23の落下を防止する側壁(落下防止部)18dが設けられている。また、ベロ部材18の端部18aは、進出状態において左側から右側にかけて前方から後方へと傾斜する傾斜部とされている。この側壁18dにより、進出状態において表面18bで受けた球23が第2始動入賞具11の左側へと落下するのが防止される。そして、端部18aの傾斜により、進出状態又は進出移動の際に端部18aに当接した球23に右側に向かう付勢力が作用する。これら、側壁18d及び端部18aの作用により、第2始動入賞具11近傍を流下する球23であって第2始動口16に入球しなかったものは、遊技領域6b内において右側方向へと流下することとなる。側壁18d及び端部18aにより、第2始動入賞具11近傍を流下する球23の左右振分け率が調整されている。
なお、表面18b及び裏面18cにキャラクター図柄や文字等が掲載されていれば、これら表裏面18b,18cを情報提供部として利用することができる。退避状態においては、表面18b又は裏面18cのいずれかが遊技者に呈示されるので、高い情報提供効果を得ることができる。
表面18bと裏面18cとに各々異なる情報を掲載すれば、多くの情報を提供することができるし、表面18b、裏面18cのいずれが呈示されているのかを遊技者が容易に把握することができる。例えば、表面18b及び裏面18cに各々遊技の状況に応じて異なる情報を記載し、遊技に関する説明を表示する説明表示や遊技の状況に応じて操作手順を表示する遊技手順ナビゲーションとして利用することも可能である。
図4は、ベロ部材18の進出状態及び退避状態における第2始動口16との位置関係を説明するための側方断面図であって、(a)はベロ部材18の進出状態を模式的に示し、(b)はベロ部材18の退避状態を模式的に示す。この第2始動入賞具11では、モータ20の回転によりベロ部材18が回転軸19周りに回転して進退移動が実現されている。
図4(a)に示すベロ部材18の進出状態においては、遊技領域6bを流下した球23は、受け面として機能する表面18bによって受け止められる。表面18bは、後方に向けて下がり傾斜しており、受け取った球23が迅速に後方の第2始動口16内へと送られるようになっている。
このとき第2始動口16の実質的な開口寸法L1は、図4(a)に示すように球23の直径寸法Dよりも大きく設定されている。したがって、表面18bで受けられた球23は、円滑に第2始動口16へと入球することとなる。
一方、図4(b)に示すベロ部材18の退避状態においては、ベロ部材18が第2始動口16を塞ぐように立位して遊技盤面6aと平行となる。この状態においては、表面18bが流入阻止面として機能し、遊技領域6bを流下する球23が第2始動口16内に流入するのを阻止する。
このとき第2始動口16の実質的な開口寸法L2は、図4(b)に示すように球23の直径寸法Dよりも小さく設定されている。したがって、確実な入球阻止が実現される。
ベロ部材18を一方向に回転させるだけで、球23の第2始動口16への流入の可否を変更することができるので、移動構造を簡単な構造にすることができる。そして、表面18b上に球23が載った場合においても、ベロ部材18の退避移動に起因して、第2始動口16へと押し入れるような外力を球23に作用させない。むしろ、進出状態から退避状態へと移行する退避移動に伴い、受け面として機能する表面18bを前方に向けて下がり傾斜する方向、すなわち表面18b上の球23を遊技領域6bへと放出する方向にベロ部材18が傾動する。したがって、ベロ部材18の退避移動の途中に意図しない球23を第2始動口16内に流入させてしまったりする「不測の入球」を防止することができる。
モータ20は、ベロ部材18を回転軸19周りに矢印Y方向に回転させることによりベロ部材18の進退移動を実現する駆動手段である。モータ20は、回転軸19と連結されてその側方に配置され、収納部21内に保持されている。モータ20のモータ軸が回転軸19に直結されていてもよいし、歯車や伝達ベルト等の駆動伝達手段(不図示)を介してモータ軸と回転軸19とが連結されていてもよい。
収納部21は、ベースプレート17の後方に取り付けられた収容部材であり、モータ20の他、モータ20とベロ部材18とを連結する駆動伝達手段等を必要に応じて内部に保持している。収納部21内には、第2始動口16から流入した球23を検出する球通過センサも保持され、その球23をパチンコ機2内の入賞球通路へと導く入賞経路が形成されている。
前板24は、ベースプレート17の前方に配置されて、球23が第2始動口16へ流入するのを補助するプレート部材である。前板24は、補助経路を構成する側壁24aを有して構成され、第2始動入賞具11の上方から流下してきた球23を、進出状態のベロ部材18の表面18bへと導く機能を有している。この前板24が、例えば透明樹脂で形成されていれば、前板24を通して遊技者がベロ部材18の進退移動やベロ部材18に描かれた図柄等を視認することができる。したがって、斬新で面白みのある第2始動口16の開閉動作を遊技者に対して視覚的に提供することができ、遊技者の興味を惹き付けることができる。
前面ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置された透明板である。前面ガラス10は透明平板ガラスで形成されて装飾枠12の裏面側に保持され、遊技盤6との間に球23が流下する流下空間を形成する機能、遊技者が前面ガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
装飾枠12は、主として遊技盤6の前方を囲む枠部材であり、機枠9の前方にヒンジ部22によって前方開閉可能に揺動支持されている。装飾枠12は、開口形成された開口部分に前面ガラス10を保持し、その前面ガラス10を通して遊技盤6を遊技者にとって視認可能としている。開口の周囲には、パチンコ機2を装飾し、遊技を演出するための装飾部材32が配置されている。
発射ユニットは、球供給装置(不図示)によって貯留皿14の一部としての上皿14aから発射位置に送り出された球23を遊技領域6bの上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射ユニットは、例えば発射位置の球23を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、機枠9に取り付けられている。その発射ユニットによる球発射のため、遊技者の操作に基づいて球発射のオンオフ及びその発射強度調整を実現する発射ハンドル15がパチンコ機2の前面下方に設けられている。
貯留皿14は、遊技者の持ち球を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態1においては上皿14aと下皿14bとを有している。上皿14aの近傍に配置された球排出ボタン14cを操作すると、上皿14a内に貯留された球23が下皿14bへと排出されるようになっている。
次に、このパチンコ機2における遊技方法について簡単に説明する。なお、このパチンコ機2においては、遊技領域6bが主に遊技盤面6aの左側及び下方部分に配置されており、第1始動口29、第2始動口16及び通過ゲート33のいずれもが左側の遊技領域6bに配置されている。また、遊技開始時においては、下ベロ部材18は退避状態にあり、第2始動口16は閉鎖状態となっている。
<図柄変動遊技>
遊技者が、発射ハンドル15を操作すると、球発射が行われ、球23が発射レール(不図示)及びレール飾り26の内側面26aに沿って発射されて遊技領域6bの上部へと至る。図柄変動遊技においては、遊技者は第1始動口29への入賞を狙って左打ち(遊技領域6bの左側部分への球発射。)を行う。発射された球23は内側面26aから落下を開始し、遊技領域6bを流下する。遊技領域6bを流下した球23は、例えば普通入賞口28に入賞したり、第1始動口29に入賞したりする。
第1始動口29へと球23が流入すると、第1抽選手段による第1抽選(第1の遊技の抽選)が実行され、図柄表示装置7aが表示図柄7cの回転表示(第1の遊技の抽選。)を開始する。そして、第1抽選の結果が当たりとなり、所定の大当たり態様(例えば、「7・7・7」。)で表示図柄7cが停止表示されると、図柄変動大当たり発生となり、第1大入賞口31が開放する。そして、多量の球23が第1大入賞口31へと流入し、多量の景品球が払い出される。
第1大入賞口31の開閉動作が所定回数繰り返して行われ、その後に図柄変動大当りが終了する。図柄変動大当たりの表示図柄7cの停止態様は、例えば「2・2・2」、「6・6・6」「7・7・7」等のように複数の態様を有している。そのうちの一部の態様(例えば、「7・7・7」。)での図柄変動大当たり遊技が終了すると、その後に役物遊技が開始される。
<役物遊技>
役物遊技が開始されると、遊技者は通過ゲート33への球23の通過を狙い、図柄変動遊技の場合と同様に左打ちを行う。球23が通過ゲート33を通過すると、それに起因して第2抽選手段による第2抽選が行われる。その抽選結果が当たりの場合に、第2始動口16におけるベロ部材18が進退移動し、一定時間(例えば、1秒以下の短時間。)の第2始動口16の開放状態を発生させる。
そのベロ部材18の進出状態において、球23が表面18bに受け止められて第2始動口16に入賞した場合には、役物大当たり遊技発生となって第2大入賞口8aが所定時間開放する。後続して遊技領域6bを流下する球23が第2大入賞口8aに流入し、センター役物7内に配置されたV入賞口35に入賞すれば、役物大当たり遊技継続となって第1大入賞口31が開放する。そして、多量の球23が第1大入賞口31へと流入し、多量の景品球が払い出されつつ役物大当たり遊技を継続して楽しむことができる。
なお、第1始動口29、第2始動口16及び通過ゲート33がいずれも遊技盤面6aの左側に配置される遊技領域6bに位置するため、図柄変動遊技中に通過ゲート33に球23が通過してしまう場合がある。そして、第2抽選手段による抽選結果が当たりになると、第2始動口16におけるベロ部材18が進退移動することとなる。
しかしながら、ベロ部材18は、単純な一方向の回転移動により進退移動をしており、退避移動に際しては、表面18bが前方に向けて下がり傾斜するように傾動する。したがって、その退避移動の途中に球23が表面18bに載ったとしても、その球23を第2始動口16へと押し込むような外力を作用させない。退避移動の途中に表面18bに載った球23をそのまま遊技領域6bに残して流下させることができるので、いわゆる「不測の入球」を防止することができる。
また、退避時においては表面18bが流入阻止面として機能し、第2始動口16への球23の流入を確実に阻止している。その結果、第2始動口16への入球確率を設計通りとすることができ、図柄変動遊技中における第2始動口16への入球確率を、極めて低確率に設定することも可能となる。
更に、側壁18d及び端部18aによって球23の左右振分け率を調整し、第2始動入賞具11近傍通過後の球23の流下方向を調整している。そのため、遊技領域6b内における第2始動入賞具11の配置の自由度が向上している。例えば、本実施の形態1においては、第2始動入賞具11近傍通過後の球23の流下方向が右方向に集中するように設定されている。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る第2始動入賞具51の側方断面図であって、(a)はベロ部材58の進出状態を模式的に示し、(b)はベロ部材58の退避状態を模式的に示す。この第2始動入賞具51においては、ベロ部材58が略L字形状の断面を有する部材とされており、回転軸59周りに往復揺動することによって進退移動するようになっている。
図6は、この第2始動入賞具51の外観斜視図であって、(a)はベロ部材58の進出状態を示し、(b)はベロ部材58の退避状態を示す。ベロ部材58は、進出状態において略立位状態となる後部58aとその後部58aの前方に屈曲して連結された前部58bとを有している。その前部58bには、進出状態において球23を受ける受け面58cが配置され、その受け面58cからの球23を第2始動口56へと流入させるための通過開口58dが後部58aに開口形成されている。
この進出状態からベロ部材58が図4中矢印Y方向に回転することで退避移動が実行される。その退避状態においては、受け面58cが第2始動口56を閉鎖するように位置して流入阻止面として機能し、球23の第2始動口56への流入が阻止されている。この退避状態において受け面58cが前方を向いているので、受け面58cに図柄等の情報を掲載すれば、遊技者にその情報を提供することができる。
退避状態から進出状態への移動(進出移動)は、ベロ部材58が−Y方向に回転移動することにより行われる。上記の実施の形態1においては、回転軸19が第2始動口16の略中央近傍に位置していたが、この実施の形態2においては、回転軸59が第2始動口56の上部近傍に位置している。したがって、進出状態における実質的な第2始動口56の開口高さ寸法を大きくとることができ、第2始動口56の高さ寸法を第2始動口16の高さ寸法の約半分にまで短縮することができる。
[実施の形態3]
図7は、本発明の実施の形態3に係る第2始動入賞具61の側方断面図であって、(a)はベロ部材68の進出状態を模式的に示し、(b)はベロ部材68の退避状態を模式的に示す。この第2始動入賞具61においては、2つの部材が回転可能に連結されてベロ部材68が構成され、回転軸69周りに往復揺動することによって進退移動するようになっている。
ベロ部材68は、回転軸69に連結された後部68aとその後部68aの前方に回転可能に連結された前部68bとを有して構成されている。その前部68bには、進出状態において球23を受ける受け面68cが配置され、その受け面68cからの球23が第2始動口66へと流入するようになっている。進出状態においては、前部68bが倒れて後部68aと前部68bとが略平行な位置関係となっている。
この進出状態からベロ部材68が図5中矢印X方向に回転することで退避移動が実行される。その退避状態においては、受け面68cが第2始動口66を閉鎖するように立位して流入阻止面として機能し、球23の第2始動口66への流入が阻止されている。この退避状態において受け面68cが前方を向いているので、受け面68cに図柄等の情報を掲載すれば、遊技者にその情報を提供することができる。
退避状態から進出状態への移動(進出移動)は、ベロ部材68が−X方向に回転移動することにより行われる。上記の実施の形態1においては、回転軸19が第2始動口16の略中央近傍に位置していたが、この実施の形態3においては、回転軸69が第2始動口66の下部近傍に位置している。したがって、進出状態における実質的な第2始動口66の開口高さ寸法を大きくとることができ、第2始動口66の高さ寸法を第2始動口16の高さ寸法の約半分にまで短縮することができる。
[実施の形態4]
図8は、本発明の実施の形態4に係る第2始動入賞具71の側方断面図であって、(a)はベロ部材78の進出状態を模式的に示し、(b)はベロ部材78の退避状態を模式的に示す。この第2始動入賞具71においては、ベロ部材78が略L字形状の断面を有する部材とされており、回転軸59周りに往復揺動することによって進退移動するようになっている。
ベロ部材58は、後部(連結部)78aと前部(作動部)78bとが略L字断面で結合され、その結合部(屈曲部)において回転軸79と連結されている。前部78bには、進出状態において球23を受ける受け面78cが配置され、その受け面78cからの球23が第2始動口76へと流入するようになっている。進出状態においては、前部78bが前方に倒れて第2始動口76を開口するようになっている。
この進出状態からベロ部材78が図8中矢印X方向に回転することで退避移動が実行される。その退避状態においては、前部78bの裏面78dが第2始動口76を閉鎖するように立位して流入阻止面として機能し、球23の第2始動口76への流入が阻止されている。この退避状態において裏面78dが前方を向いているので、裏面78dに図柄等の情報を掲載すれば、遊技者にその情報を提供することができる。
退避状態から進出状態への移動(進出移動)は、ベロ部材78が−X方向に回転移動することにより行われる。上記の実施の形態1においては、回転軸19が第2始動口16の略中央近傍に位置していたが、この実施の形態4においては、実施の形態3と同様に回転軸79が第2始動口76の下部近傍に位置している。したがって、進出状態における実質的な第2始動口76の開口高さ寸法を大きくとることができ、第2始動口76の高さ寸法を第2始動口16の高さ寸法の約半分にまで短縮することができる。
しかも、この実施の形態4においては、ベロ部材58の後部78aが第2始動口76の下方に延びており、やはり第2始動口76の下方に配置された駆動手段としてのソレノイド80とその後部78aとが連結されている。そして、ソレノイド80の動作に基づき、ベロ部材78が±X方向に回転し、進退移動を実現するようになっている。ベロ部材78を進退移動させるための後部78aやソレノイド80が第2始動口76の下方に位置しているので、それらに遮蔽されることなく第2始動口76の後方からの装飾光による装飾演出が可能となる。したがって、第2始動入賞口71において、ベロ部材78の進出時には第2始動口76の後方から装飾光による印象的な装飾演出を行うことができ、遊技者の興趣を増大させることができる。