JP4961423B2 - 切削インサート - Google Patents

Description

本発明は、一般的に金属切削プロセスで使用する通常正方形の切削インサートに関し、特に、半径方向及び軸方向の旋削用正方形切削インサートに関する。

そのような切削インサートは、所定の半径を有し、それらの間にコーナー角を形成する丸みをつけられた角部で交差する側面を有する。コーナー角が大きくなればなるほど、コーナー・ブレイク（the corner breaking）に関係なく半径はますます小さくなり得る。そのような切削インサートの角部が切頭された場合、各側面と該切頭角部の面との間に形成される角度は、拡大され、結果として、各側面と切頭角部の面とを連結する半径は、より小さくなり得る。各側面及び小さな半径での終了に関連する切刃（a cutting edge）は、切削インサートに対する磨耗を減少させる、より均一な切り屑を形成する。

切削インサートの割り出し能力（indexability of the cutting insert）の度合いを向上させるために、好ましくは、各側面は、切頭角部の面と同一の角度を形成するべきである。しかしながら、切削インサートがその切刃と送り方向との間に４５゜の標準的な角度を有するとき、切頭角部の面は、ワークピースに係合することが好ましくない。

上述した不都合を著しく減少させまたはこれに打ち勝つ改良されたれ切頭角部を有する正方形のインサートを提供することが本発明の目的である。

本発明の目的は、それぞれのクレームに係る発明の要旨により達成される。

本発明によれば、それを貫通する第１の軸を有する２つの対向する横断面（opposing end surfaces）及び横断面間に延在する周辺側面及び各横断面の周辺側面との交差部に形成される周辺縁部を備え、少なくとも１つの周辺縁部は、２つの小さな縁部及び２つの小さな縁部の間に延在する切刃を備え、周辺側面は、それぞれ内側鈍角（an internal obtuse angle）を形成する２つの小さな面を備え、大きな面は、２つの小さな面の間に延在し、切刃は、大きな面と関連し、各小さな縁部の第１の区画は、それぞれの小さな面に関連し、通常対向する横断面に向かって切刃から延在している切削インサートが提供される。

典型的には、切削インサートは、第１の軸の周りに１８０゜の回転対称を有する。

好ましくは、第１の軸に垂直をなす第２の軸は、大きな面を貫通し、切削インサートは、第１の軸を中心に９０゜の回転した第２の軸を中心に１８０゜の回転対称を有する。

典型的には、各横断面は、支持面を有し、各切刃は、第１の軸方向に、支持面の対向する部分を有する。

好ましくは、同一の内側鈍角が各小さな面と隣接する大きな面との間に形成される。

典型的には、各小さな縁部は、通常対向する横断面から離れて第１の区画から延在する第２の区画を有し、第２の区画は、小さな面と関連していない。

本発明は、以下の好ましい利点を提供する。より均一な切り屑の形成に貢献する、より大きな角度、したがって、より小さな半径は、各小さな面と大きな面との間に形成され得る。各小さな面には、それがワークピースに係合しないことを保証する特別に形作られた小さな縁部が設けられる。さらに、切削インサートの対向する横断面に配置される切刃は、切削工程中、切刃に作用する力に抗して支持面によって支持され得る。

本発明をよりよく理解するために、また、どのようにして同じことが実際に実行され得るかを示すために、添付の図面が参照される。

典型的には、カーバイド粉末を型プレス加工（form pressing）し、焼結することにより製造される割り出し可能な切削インサート１０を示す図１−３に先ず注目する。明細書及びクレーム全体にわたって現れる方向性に関する用語、例えば、“前方の”、“後方の”などの用語（及びその派生語）は、単に説明のためのものであり、添付のクレームの範囲を限定することを意図するものではない。

切削インサート１０は、対向する２つの同一の横断面１２及びそれらの間に延在する周辺側面１４を有する。切削インサート１０は、ネガティブ・タイプ（a negative type）からなり、したがって、周辺側面１４は、概略両横断面１２に対して直角をなしている。切削インサート１０の第１の軸Ａは、横断面１２を貫通し、第１の軸Ａと一致する内腔軸を有する貫通内腔１６が、両横断面１２間に延在する。切削インサート１０の周辺側面１４は、４つの同一の大きな面１８及び４つの同一の小さな面２０を備えている。大きな面１８各々は、対向する大きな面１８に対して平行であり、隣接する大きな面１８に対しては直角をなしている。小さな面２０各々は、一対の隣接する大きな面１８の間に延在し、隣接する大きな面１８のそれぞれと内側鈍角βを形成している（図３参照）。本実施態様においては、隣接する大きな面１８は、互いに対して直角をなし、角度βの値は、１３５゜である。各大きな面１８は、一方の横断面１２に隣接する第１の端部２２及び対向する横断面１２に隣接する第２の端部２４を有する。

各横断面１２は、切削インサート１０がインサート用ポケットに支持される支持面２６、及び２つのすくい面（rake surfaces）２８を備えている。周辺縁部３０が、各横断面１２の周辺側面１４との交差部に形成されている。周辺縁部３０は、対向する２つの同一の切刃３２、対向する２つの同一の支持縁部３４、及び隣接する切刃３２と支持縁部３４との間に各々配置される４つの同一の小さな縁部３６を有する。支持縁部３４は、切削することができる刃を形成せず、したがって、切刃と見なされていない。以下、支持縁部３４は、“非切刃”と言われることもある。各切刃３２は、それぞれの横断面１２の所定のすくい面２８と関連し、所定の大きな面１８の第１の端部２２と関連する。各支持縁部３４は、それぞれの横断面１２の支持面２６と関連し、所定の大きな面１８の第２の端部２４と関連する。

各小さな縁部３６は、所定の小さな面２０と関連する第１の区画３８、及び隣接する大きな面１８の第２の端部２４の一部と関連し、所定の小さな面２０とは関連しない第２の区画４０を有する。第１の区画３８は、隣接する切刃３２から離れて第１の軸Ａに対して横切る方向に且つ対向する横断面１２に向かって延在する。第２の区画４０は、第１の区画３８から離れて隣接する支持縁部３４へ第１の軸Ａに対して横切る方向に且つ対向する横断面１２から離れて延在する。切削インサート１０の第２の軸Ｂは、第１の軸Ａに対して直角をなし、一対の対向する大きな面１８を貫通している。

切削インサート１０は、第１の軸Ａを中心に旋回して１８０゜の第１の対称を有している。切削インサートは、また、第２の軸Ｂを中心として１８０゜の回転をさせ、さらに第１の軸Ａを中心として９０゜の回転を加えることにより規定される第２の対称を有している。切削インサート１０の第２の対称は、とりわけ、各小さな面２０が対をなす隣接する大きな面１８に対して同様に横切っているという事実によって存在し得ることに留意されたい。

さらに、第１の軸Ａの方向において、切削インサートの支持面２６が切刃３２に関して外側に突出している図４に注目する。したがって、支持面２６は、隣接する切刃３２に対して***している。あるいは、別の言葉で表現すれば、切刃３２は、切削インサートの厚さ方向に第１の軸Ａに沿って、隣接する支持面２６に対して引っ込んでいる。結果として、支持面２６は、切刃３２を傷つけることなく研磨され得る。また、切刃３２は、切削インサート１０がその中に支持されるとき、インサート用ポケットを傷つけいることがないだろう。当然のことながら、切削インサートの割り出し能力は、各切刃３２が、第１の軸Ａの方向に、支持縁部３４に対して延在する対向する支持面２６を有するように、切削インサートの第２の対称に起因している。このことは、切削工程中、第１の軸Ａの方向に切刃３２に作用する切削力に抗する支持を有する切削インサート１０を提供する。

図５ないし７に注目する。ワークピース４２は、回転方向Ｒを規定する回転軸Ｃを有し、旋削用の標準的な切削工具４４は、軸方向の送り方向及び半径方向の送り方向を有する。切削インサート１０は、切削工具４４に支持され、ワークピース４２に係合する作動切刃３２を有する。作動切刃３２と関連するすくい面２８は、通常、回転方向Ｒに対向する方向に向いている。作動切刃３２及び回転軸Ｃは、一平面内にあり、作動切刃を貫通する想像線Ｌは、回転軸Ｃと約４５゜の角度αを形成する。切削工具４４における切削インサート１０の向きは、作動切刃３２と関連する大きな面１８（関連する大きな面１８は、図５及び６において見えないところに隠されている。）が、該大きな面１８とワークピース４２との間の間隔が対向する横断面の方向において増大することで、ワークピース４２から離れて延在するような方法で、動作切刃３２の周りに回転する（すなわち、傾斜する）ようになっている。この向きは、大きな面１８に沿うワークピース４２からの切削インサート１０の逃げに貢献する。

切削インサート１０が、また、小さな面２０に沿ってワークピース４２から逃げていることが見られる図８に注目する。また、作動切刃３２の周りの切削インサートの回転（すなわち、傾斜）が、この逃げに貢献している。また、この逃げは、小さな面２０とワークピース４２との間の間隔が対向する横断面の方向において増大することで、ワークピース４２から離れて延在する小さな面２０を特徴とする。

切削インサート１０は、作動切刃３２に隣接する作動する小さな縁部３６を有する。作動する小さな縁部３６は、軸方向の送り方向に直角をなす方向に向いている小さな面２０に関連する。隙間４６が作動する小さな縁部３６の第１の区画３８とワークピース４２との間に形成される。隙間４６は、第１の区画３８に沿い、作動切刃３２に向かって減少し、ワークピース４２に関与し、作動切刃３２に隣接するワイパー（a wiper）として機能する。各小さな縁部３６の第２の区画４０とそれぞれの横断面１２の支持面２６との間の合流点４８（図１及び６に最もよく示されている）は、隣接する大きな面１８の第２の端部２４に関連する。このことは、上述したように、作動する小さな縁部３６がワークピースに係合し、ワイパーとして機能する作動切刃３２に隣接する右側を除いて、切削工程の間中、隙間４６が作動する小さな縁部３６に関連する小さな面２０とワークピース４２との間に維持されることを保証する。

切削工具４４は半径方向の送り方向にワークピース４２の面を機械加工し得ることに留意されたい。この場合、作動切刃３２に隣接し、半径方向の送り方向に対して直角をなす方向を向いている小さな面２０に関連する小さな縁部３６が、作動している小さな縁部３６であり、小さな面２０とワークピース４２との間に隙間４６を提供するだろう。

長軸に沿って回転するワークピースの面を機械加工するように構成されている旋削工具に接地される場合、切削インサートが作動切刃を有することは、上述のことから理解され得る。作動切刃に隣接する小さな縁部は、作動する小さな縁部として役立つ。作動する小さな縁部は、関連する作動する小さな面を有し、該作動する小さな面とワークピースとの間に隙間が存在する。作動する小さな面は、送り方向に対して直角をなす方向に向いている面である。

本発明は、潜在的に、多くの利点を提供する。第１に、より均一な切り屑の形成に貢献する、より大きな角度、したがって、より小さな半径が、各小さな面と大きな面との間に形成され得る。第２に、各小さな面には、小さな面がワークピースに係合しないことを保証する特別に形作られた小さな縁部が設けられる。最後に、切削インサートの対向する横断面に配置される切刃は、切削工程中、切刃に作用する力に抗して支持面により支持され得る。

本発明がある程度詳細に説明されたけれども、以下にクレームされた発明の範囲から逸脱することなく、いろいろな変更及び改良がなされ得ることが理解されるべきである。

本発明に係る切削インサートの上面斜視図である。 切削インサートの底面斜視図である。 切削インサートの部分断面上面図である。 切削インサートの側面図である。 本発明に係る切削インサートが装着されている切削工具の上面図である。 図５の詳細図である。 図６のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿って断面された断面図である。 図６のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線に沿って断面された断面図である。

Claims (12)

1. それらを貫通する第１の軸（Ａ）を有する対向する２つの横断面（１２）、
   対向する２つの横断面（１２）の間に延在し、第１の軸（Ａ）に一致する内腔軸を有する貫通内腔（１６）、
   横断面（１２）間に延在する周辺側面（１４）、及び
   各横断面（１２）の周辺側面（１４）との交差部に形成されている周辺縁部（３０）、
   を備え、
   周辺側面（１４）は、４つの同一の大きな面（１８）及び４つの同一の小さな面（２０）を備え、大きな面（１８）各々は、一方の横断面（１２）に隣接して第１の端部（２２）を、対向する横断面（１２）に隣接して第２の端部（２４）を有し、
   大きな面（１８）各々は、２つの小さな面（２０）の間に延在し、２つの小さな面（２０）各々は、それらの間に延在する大きな面（１８）と内側鈍角（β）を形成し、
   周辺縁部（３０）は、対向する２つの同一の切刃（３２）、対向する２つの同一の非切削支持縁部（３４）及び４つの同一の小さな縁部（３６）を備え、小さな縁部（３６）各々は、隣接する切刃（３２）と非切削支持縁部（３４）との間に配置され、
   切刃（３２）各々は、大きな面（１８）に関連し、
   小さな縁部（３６）各々は、それぞれの小さな面（２０）に関連する第１の区画（３８）を有し、第１の区画（３８）は、切刃（３２）から対向する横断面（１２）に向けて延在し、
   非切削支持縁部（３４）各々は、横断面（１２）それぞれの支持面（２６）に関連することを特徴とする切削インサート（１０）。
2. 切削インサートは、第１の軸（Ａ）の周りに１８０゜の回転対称を有することを特徴とする請求項１に記載の切削インサート。
3. 第１の軸に対して直角をなしている第２の軸（Ｂ）は、大きな面を貫通し、
   切削インサートは、第２の軸を中心として１８０゜の回転をさせ、さらに第１の軸を中心として９０゜の回転を加えることにより規定される対称を有していることを特徴とする請求項２に記載の切削インサート。
4. 第１の軸に対して直角をなしている第２の軸（Ｂ）は、大きな面を貫通し、
   切削インサートは、第２の軸を中心として１８０゜の回転をさせ、さらに第１の軸を中心として９０゜の回転を加えることにより規定される対称を有していることを特徴とする請求項１に記載の切削インサート。
5. 各周辺縁部は、第１の軸方向に所定の切刃に対向して配置される少なくとも１つの支持縁部を備えていることを特徴とする請求項４に記載の切削インサート。
6. 同一の内側鈍角は、各小さな面と隣接する大きな面との間に形成されることを特徴とする請求項１に記載の切削インサート。
7. 各小さな縁部は、第１の区画から、対向する横断面から離れて延在する第２の区画を有し、該第２の区画は、小さな面に関連しないことを特徴とする請求項１記載の切削インサート。
8. 請求項１に記載の切削インサートを備え、切削インサートは、旋削工具に設置されると、作動切刃を有することを特徴とする旋削工具。
9. 長手方向の軸に沿って回転するワークピースとの組み合わせであって、旋削工具は、該ワークピースを機械加工するように構成され、
   作動切刃に隣接する小さな縁部は、作動する小さな縁部として機能し、
   作動する小さな縁部は、作動する小さな面と関連し、
   作動する小さな面とワークピースとの間に隙間が存在することを特徴とする請求項８に記載の旋削工具。
10. 軸方向の送り方向に沿って、回転するワークピースの面を機械加工するように構成され、
    作動する小さな面は、軸方向の送り方向に対して直角をなす方向を向いていることを特徴とする請求項９に記載の旋削工具。
11. 半径方向の送り方向に沿って、回転するワークピースの面を機械加工するように構成され、
    作動する小さな面は、半径方向の送り方向に対して直角をなす方向を向いていることを特徴とする請求項９に記載の旋削工具。
12. 作動する小さな面とワークピースとの間の隙間は、対向する横断面の方向に増大することを特徴とする請求項９に記載の旋削工具。

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