JP4961390B2 - プラント監視制御装置及び事象分析支援方法 - Google Patents
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Description
ところで、プラントの運転監視を行う運転員は、必ずしも、プラント機器の制御ロジックや警報ロジック、補機動作ロジックに通じた技術者ではないので、ある事象の原因追求をするために、その事象に関係すると思われるプロセスデータの種類や警報ログの種類や、補機動作ログの種類を選択するにはプラントの制御システム全般及び、警報ロジック、補機動作ロジック等の詳細な専門的知識や、過去の事故や異常動作時の事象における原因を考察した経験を有する技術者が別途必要であった。
プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転員の操作指令の内の特定のデータ同士を、所定の事象ごとに予め関係付けて登録された事象データ関係付け情報と、取得されたプロセスデータ、警報ログデータ及び補機動作ログデータの中から操作者によって選択された1つのデータにもとづいて、操作者が特定の事象を選択可能とする分析事象選択手段と、操作者によって選択された1つのデータから選択された特定の事象の発生に係るキー時刻情報を取得するキー時刻情報取得手段と、事象データ関係付け情報にもとづいて選択された特定の事象に関係付けられたプロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転の操作指令を事象関連データとして検索する事象関連データ検索手段と、を有し、取得されたキー時刻情報にもとづいて、検索された時系列の事象関連データの内の所定の時間範囲のものを操作コンソールに組み合わせ表示することを特徴とする。
なお、本発明は、プラント監視制御装置における事象分析支援方法を含む。
図1は火力発電プラントの主要系統図である。
《火力発電プラントの例》
ここで火力発電プラントの例としてボイラ起動系統にフラッシュタンクを備え、火力発電プラント起動時にフラッシュタンクの発生蒸気を高圧ヒータへ供給して熱回収する火力発電プラント100を用いて説明する。
蒸発器2、1次過熱器3A、2次過熱器3B、3次過熱器3C、再熱器4を含むボイラ1にフラッシュタンク16が設けられている。
ボイラ1には、燃料及び空気をボイラ1内に噴射するバーナ104が設けられ、バーナ104には、燃料供給ライン117と空気供給ライン118が接続されている。燃料供給ライン117には、燃料量調節弁119と燃料流量計120が設けられ、空気供給ライン118には、空気量調節弁121が設けられている。
ボイラ1には、1次過熱器3Aの出口蒸気温度ST1を測定する温度計108(図1中では、ST1:108と表示)と、2次過熱器3Bの出口蒸気温度ST2を測定する温度計109(図1中では、ST2:109と表示)が設けられている。
蒸気供給ライン105Aには、主蒸気圧力Pを計測する圧力計106と、主蒸気温度Tを計測する温度計107と、高圧タービン5Aへの蒸気供給量を調整するタービン加減弁113が設けられている。給水ライン23には、給水温度FWTを計測する給水温度計115と、給水流量を計測する給水流量計116が設けられている。
なお、低圧ヒータ9の復水入口側と復水出口側とは、低圧ヒータバイパス弁37を有するバイパス配管34により接続されている。
次に、本発明に係るプラント監視制御装置について説明する。
図2は、本発明に係るプラント監視制御装置の構成図である。プラント監視制御装置200は、大きくは操作コンソール201と、データ処理装置203と、LAN205と、制御装置207を含んでなる。
ここで、プラント機器501は、図1に示した各構成要素の総称である。
そして、運転員は、複数の表示装置212A,212B,212Cを見て、プラントを監視制御する。
事象分析コンソール部201bは、表示装置212Dと、入力手段である、例えば、キーボード213及びマウス214と表示装置212Dの表示制御等をする、例えば、パーソナルコンピュータ又はエンジニアリングコンピュータの本体で構成されたコンソール制御部211Bとを含んでいる。
なお、後記する系統図表示のテンプレートについては、コンソール制御部211Aの内部記憶装置に格納されている。
コンソール制御部211Bは、LAN205に接続しており、事象分析のためのデータをデータ処理装置203に検索させて所要のデータを取得したり、取得したデータを表示制御したりするための事象分析支援プログラムをその図示しない内部記憶装置に格納している。また、コンソール制御部211Bは、データ処理装置203の各記憶装置221A〜221Dのアドレス、各記憶装置221A〜221Dに記憶されている各種データを読み出すためのアドレスや識別符号等をも内部記憶装置に格納している。
なお、コンソール制御部211Bの内部記憶装置は、後記する事象データ関係付け情報や、後記するデータディレクトリ、後記するロジック図のテンプレートをも格納している。
事象データ関係付け情報、ロジック図のテンプレートについては後で詳細に説明する。
例えば、記憶装置221Aは、監視制御コンソール部201aから入力された操作指令をオペレーションログデータとして時系列的に記憶する。記憶装置221Bは、プラント機器501からの各種プロセスデータを時系列的にヒストリカルトレンドデータとして記憶する。各種プロセスデータの中には、後記する制御装置207における制御データも含む。
制御記憶装置221Cは、プラント機器501からの補機動作ログ(例えば、補機のオン、オフ動作記録)を補機動作ログデータとして時系列的に記憶する。記憶装置221Dは、プラント機器501からの警報ログを警報ログデータとして時系列的に記憶する。
図3は、監視制御コンソール部201aの表示装置212A〜212Cに表示させる内容を例示したものであり、各表示装置212A〜212Cに表示される内容は、キーボード213やマウス214からのメニュー選択で随時切り換え可能になっている。
各表示装置212A〜212Cの画面には、系統図表示、プロセスデータのトレンド表示、警報ログ、オペレーションログのログ表示の一つを表示するように指定でき、更にそれらの表示の中から表示させるデータを選択表示させることができる。
なお、プロセスデータの中でも、特定のプロセスデータについては、監視制御コンソール部201aからのデータ処理装置203への入力操作による設定により、前記した一定周期の記録データとは別により高頻度で、例えば、10ミリsecの周期でも重複して記録される。このような一部のプロセスデータの高速記録により、プロセスデータの時間変化率から事故や異常な動作時の原因究明に寄与できる。
ちなみに、このような高速の記録データについては、長い時間にわたるヒストリカルトレンドデータとして記憶装置221Bに保存することは、記憶容量的に無理なので、現時点から所定の時間遡った時間、例えば、2時間前から現時点までのものを記録し、それより古いヒストリカルトレンドデータは、上書きされて消去されるようになっている。
次に、図5から図7を参照して適宜図16を参照しながらコンソール制御部211Bの内部記憶装置に記憶される事象データ関係付け情報について説明する。
図5から図7は、事象データ関係付け情報を表の形で例示したものである。事象データ関係付け情報400は、「制御系名称」の欄401に設定された制御系名称、例えば、図5には「タービン出力制御」と表示した制御系名称401Aを、図6には「ボイラ出力制御」と表示した制御系名称401Bを、図7には「低圧ヒータレベル制御」と表示した制御系名称401Cを示すように、制御系名称毎に「関連するプロセスデータ及びログデータ」の欄402、「事象分析関係付け」の欄403が設けられている。
「関連するプロセスデータ及びログデータ」の欄402は、制御系名称401A,401B,401C,・・・のそれぞれに対し、「関連するプロセスデータ」の欄402A1、「関連するログデータ」の欄402A2、「関連するプロセスデータ」の欄402B1、「関連するログデータ」の欄402B2、「関連するプロセスデータ」の欄402C1、「関連するログデータ」の欄402C2、・・・と、「属性」の欄405A,405B,405C,・・・と、「優先度」の欄406A,406B,406C,・・・から構成されている。
ここで関連するプロセスデータとは、図16の(a)に示すように低圧ヒータレベル制御の制御ロジックにおいて入力及び出力となる低圧ヒータレベルや低圧ヒータ水位調節弁開度のみならず、低圧ヒータレベルの変動に影響する復水流量や低圧ヒータ出口温度も含まれる。
ちなみに、この事象データ関係付け情報の表においては、制御系名称毎に関連するプロセスデータ及び関連するログデータのデータ名をリストアップして、複数の制御系名称の間でプロセスデータやログデータが重複して記載されることを許している。
その場合、前記したデータディレクトリを用いることにより、前記した系統名(図5から図7中の属性に対応)をキーワードにしてログデータやプロセスデータを容易に検索可能でありであり、具体的なデータの識別符号を容易に検索できる。
次に、図8から図17を参照しながら操作者が事象分析コンソール部201bを用いて事象分析支援画面により事象分析する場合の事象分析支援の制御の流れについて説明する
図8、図9は、事象分析コンソール部201bにおいて事象分析を支援する画面表示等の制御の流れを示すフローチャートである。
図10から図17は、事象分析支援の制御の流れの中で表示装置に表示される画面例である。図10は、事象分析メインメニュー画面を示し、図11は、事象関連データの検索を警報ログ又は補機動作ログから行う場合の警報ログ/補機動作ログ検索画面を示し、図12は、事象関連データの検索をトレンドデータから行う場合のトレンドデータ検索画面を示し、図13は、特定された警報ログにおいて事象関連データの検索操作を説明する画面例を示し、図14は、特定されたトレンドデータにおいて事象関連データの検索操作を説明する画面例を示し、図15は、事象分析支援画面を説明する図を示し、図16は、ロジック図の表示例を示し、(a)は、低圧ヒータレベルの制御ロジックを示し、(b)は、低圧ヒータレベル極高の警報ロジックを示し、図17は、追加データ選択画面を説明する図である。
この低圧ヒータバイパス弁37の開操作によって、オペレーションログの表示画面には「○○○○年○○月○○日△△時□□分▽▽秒 低圧ヒータバイパス弁 開」が表示される。
以後、事象分析を行う運転員を操作者と称する。以下、図8、図9のフローチャートに沿って説明する。
(事象分析民メニュー)
操作者は、事象分析コンソール部201bを操作して、事象分析支援プログラムを起動し、図10に示すような事象分析メインメニュー画面301を表示させる(ステップS11:事象分析メインメニュー画面表示)。
事象分析メインメニュー画面301は、「事象分析メインメニュー」と表示されたタイトル欄301aと、選択操作のチェックマークを立てる操作欄301bから構成されている。操作欄301bには、「警報ログ/補機動作ログからスタート」と表示されたメニュー項目312と「トレンドデータからスタート」と表示されたメニュー項目314のそれぞれの左側にチェックマーク欄311,313が用意され、入力手段であるマウス214(図2参照)を操作してチェックマーク欄311,313にチェックマーク(レ点)を表示させて、前記した項目312,314の一方のみを選択できるようになっている。
ちなみに、事象分析メインメニュー画面301には終了ボタン331、次の画面に移行させる「次へ」と表示の操作ボタン327が用意されている。
ステップS13では、図11に示すような警報ログ/補機動作ログ検索画面303が表示され、検索画面の入力を受付け(ステップS14)、検索画面の入力が完了したかどうかをチェックする(ステップS15)。入力が完了した場合(Yes)はステップS16へ進み、入力が完了していない場合はステップS14を続ける。
警報ログ/補機動作ログ検索画面303は、「警報ログ/補機動作ログ 検索」と表示されたタイトル欄303aと、選択操作のチェックマークを立てたり、事象発生の大まかな時刻情報を入力したり、警報ログ/補機動作ログの種類の選択をしたりする操作欄303bから構成されている。操作欄303bには、「警報ログ」と表示されたメニュー項目316と「補機動作ログ」と表示されたメニュー項目318のそれぞれの左側にチェックマーク欄315,317が用意され、入力手段であるマウス214(図2参照)を操作してチェックマーク欄315,317にチェックマーク(レ点)を表示させて、前記した項目316,318の一方のみを選択できるようになっている。
なお、この時刻情報の入力は、全ての欄に入力する必要は無く、大まかに大から小に向かって入力すれば、例えば、年月日時まで入力すれば、0分以降の範囲のログデータを表示する。
なお、「系統検索」の項目323のチェックマーク欄322にチェックマークを立てる必要は必ずしも無く、その場合には、警報ログ及び補機動作ログの内の選択された一方のログデータが、入力された表示開始時刻情報から現在の時刻まで全て表示され、その中から操作者が目視で検索することになる。
また、「系統検索」の項目323のチェックマーク欄322にチェックマークを立てても、必ずしも系統名及び詳細なログデータ名の選択までする必要は無く、詳細なログデータ名を選択しないで「検索実行」の操作ボタン328を押下すると、その場合には、警報ログ及び補機動作ログの内の選択された一方のログデータの中の選択された系統名に係るログデータが、入力された表示開始時刻情報から現在の時刻まで全て表示され、その中から操作者が目視で検索することになる。
ちなみに、符号333,334で示したボタンは選択欄303cをスクロールするスクロールボタンである。また、警報ログ/補機動作ログ検索画面303には終了ボタン331、前の画面(事象分析メインメニュー画面301)に移行させる「戻る」と表示の操作ボタン332が用意されている。
トレンドデータ検索画面305は、「トレンドデータ 検索」と表示されたタイトル欄305aと、選択操作のチェックマークを立てたり、事象発生の大まかな時刻情報を入力したり、プロセスデータの種類の選択をしたりする操作欄305bから構成されている。操作欄305bには、表示させる開始時間を設定して表示させる時間範囲を狭めるための年月日時分秒の時刻情報を入力欄321a,321b,321c,321d,321e,321fが入力可能に用意され、更に、「系統」と表示された項目の左側に欄324が、「系統」と表示された項目の右側にチェックマーク欄325と「詳細」と表示されたチェックマーク欄326が、そして、選択欄305cが用意され、チェックマーク欄325,326にチェックマークを立て、具体的なプロセスデータ名を特定できるように、系統名の選択、詳細なプロセスデータ名の選択が可能になっている。
なお、この時刻情報の入力は、全ての欄に入力する必要は無く、大まかに大から小に向かって入力すれば、例えば、年月日時まで入力すれば、0分以降の範囲のログデータを表示する。
ちなみに、符号333,334で示したボタンは選択欄305cをスクロールするスクロールボタンである。また、トレンドデータ検索画面305には終了ボタン331、前の画面(事象分析メインメニュー画面301)に移行させる「戻る」と表示の操作ボタン332が用意されている。
次に、具体的にステップS21からステップS24について説明する。先ず、ステップS16からステップS21へ進んだ場合は、例えば、ステップS14で警報ログのうちの低圧ヒータ系統の警報ログデータについて、指定された表示開始時刻情報から以後の検索を行った場合で例示すると、図13に示すような警報ログ表示画面307が表示される。警報ログ表示画面307は、「警報ログ(低圧ヒータ系)」と表示されたタイトル表示欄307aと、警報ログ表示欄307bから構成され、警報ログ表示欄307bにはスクロールボタン333,334、「次へ」と表示の操作ボタン329、前画面に戻るための「戻る」と表示の操作ボタン332が用意されている。
この警報ログ表示画面307の例では、時刻情報341Aに発生した「低圧ヒータレベル 高」と表示の警報ログデータ名342Aと、時刻情報341Bに発生した「低圧ヒータレベル 極高」と表示の警報ログデータ名342Bとが表示される。
操作者がカーソルを分析事象候補表示ウインド344内で移動させて、例えば、カーソルで指し示して事象候補名345Aを選択した背景色344bの状態で右クリックして、「次へ」と表示の操作ボタン329を押下するとその事象候補名345AがステップS23,S24における分析事象として選択されたことになる。
操作ボタン329を押下する前なら、カーソルを移動させクリック操作を行うことにより、前の選択操作がキャンセルされ新たな操作が有効状態となり、警報ログデータ名の選択変更及びキー時刻情報の入力変更、分析事象の選択を変更することが可能である。
ちなみに、低圧ヒータレベルトレンド表示画面308には終了ボタン331も用意されている。
次に、ステップS20からステップS21へ進んだ場合は、例えば、ステップS18でプロセスデータのうちの低圧ヒータレベルについて、指定された表示開始時刻情報から以後の検索を行った場合で例示すると、図14に示すような低圧ヒータレベルトレンド表示画面308が表示される。低圧ヒータレベルトレンド表示画面308は、「低圧ヒータレベルトレンド」と表示されたタイトル表示欄308aと、トレンドデータをグラフの形で表示するトレンドデータ表示欄308bから構成される。図14の例ではトレンドデータ表示欄308bには、横軸が時刻を示し縦軸が低圧ヒータレベルを示すグラフが表示される。トレンドデータ表示欄308bの時間軸の下には、スクロールボタン333,334が用意され、スクロールボタンを操作することによって、表示される時間範囲を左右へ移動できるようになっている。このグラフには、低圧ヒータレベルの自動制御の目標値が「レベル設定値」の表示で、レベル高警報設定値が「レベル高警報」の表示で、レベル極高警報設定値が「レベル極高警報」の表示で、マーカと、破線や一点鎖線等とともに表示されている。
ちなみに、操作者がカーソル347の先端をドットマーク348aに合わせて再度左クリックすると、ドットマーク348a及び時刻情報349の表示が消え、キー時刻情報の入力が取り消される。
操作者がカーソル347を分析事象候補表示ウインド350内で移動させて、例えば、カーソル347で指し示して事象候補名351Aを表示選択した背景色350bの状態で右クリックして、「次へ」と表示の操作ボタン329を押下するとその事象候補名351AがステップS23,S24における分析事象として選択されたことになる。
操作ボタン329を押下する前なら、カーソル347を移動させクリック操作を行うことにより、前の選択操作がキャンセルされ新たな操作が有効状態となり、時刻情報349及び分析事象の選択を変更することが可能である。
ちなみに、低圧ヒータレベルトレンド表示画面308には終了ボタン331も用意されている。
図15に例示するように309は、「事象分析支援画面(低圧ヒータレベル極高 事象)」と表示されたタイトル表示欄309aと、トレンドデータをグラフの形で表示するトレンドデータ表示欄309bと、分析対象の事象に関係するオペレーションログとして検索されたログデータの発生時刻を●印355で表示するための「操作履歴」表示の右側の操作履歴欄309cと、分析対象の事象に関係する補機動作ログとして検索されたログデータの発生時刻を●印356A〜356Dで表示するための「補機動作」表示の右側の補機動作履歴欄309dと、分析対象の事象に関係する警報ログとして検索されたログデータの発生時刻を●印357A,357Bで表示するための「警報」表示の右側の警報履歴欄309eと、各種の操作ボタンを配置表示した操作ボタン欄309fとから構成される。トレンドデータのグラフの時間軸とログデータの時間軸は共通であり、時間的相対関係が把握できるようになっている。
通常、時間軸は、2時間分の表示画面で後はスクロールボタン333,334でデータを左右にずらすが、必要に応じて時間軸を伸縮させることができる。
時間軸操作ボタン336は、例えば、縮小ボタン336a、標準ボタン336b、拡大ボタン336cの3つが用意されている。縮小ボタン336aを押下すると縮小率を表示する小ウインドが一時的に表示され、カーソル347で指示して、適切な縮小率を左クリックで選択する。また、拡大ボタン336cを押下すると拡大率を表示する小ウインドが一時的に表示され、カーソル347で指示して、適切な拡大率を左クリックで選択する。
このように時間軸を拡大縮小すると、時間軸の左右中央に表示されている時刻を中心にして拡大縮小をする。
また、操作履歴欄309c、補機動作履歴欄309d、警報履歴欄309eの右端には「詳細」と表示の操作ボタン381,382,383が用意されている。
図15の例では、ログデータを10件程度表示可能であるが、それ以上の表示はログデータ名欄が表示できないので、表示するログデータが10件程度になるように間引いて表示する。そのため、図7の「優先度」の欄406Cに例示したように、優先度の数字の小さいものから優先的に間引きを行う。
操作ボタン381,382,383のいずれかを押下すると、押下された操作ボタン381,382,383に対応する操作履歴欄309c、補機動作履歴欄309d、警報履歴欄309eの詳細表示がなされ、その履歴欄だけがホップアップウインドの形で詳細にログデータ名欄から伸びる矢印で指し示された形で、間引きされたログデータ名に対応する●印も含めて表示される。図示しないホップアップウインドの終了ボタン331を押下することにより、詳細表示のホップアップウインドは閉じられる。
操作ボタン欄309fには、「ロジック再現」と表示のロッジク再現ボタン384と、「データ追加」と表示の操作ボタン385が用意されている。
ところで、事象分析コンソール部201bのコンソール制御部211Bの内部記憶装置には制御ロジック図や警報ロジック図のテンプレートが格納されていることを前記したが、それを用いたロジックの動作再現について以下に説明する。
例えば、図16の(a),(b)に示す低圧ヒータレベル制御の制御ロジックのテンプレート391や、低圧ヒータレベル極高の警報の制御ロジックのテンプレート393は、ロジック図を表示するグラフィックデータのみならず、例えば、Java(登録商標)のようなオブジェクト指向のプログラミング言語で書かれた表示プログラムを含む。この表示プログラムは制御ロジックで用いられる定数も有しており制御ロジックについて論理演算をすることができる。具体的には、制御ロジックの入力となるプロセスデータやログデータのデータ名の識別符号を制御ロジックの論理演算と対応付けて有しており、識別符号にもとづいて事象分析支援画面の309に表示されたプロセスデータやログデータとリンクして論理演算する。
(1)制御ロジックの入力となっているプロセスデータの曲線上のデータポイントをカーソル347で指示した状態でマウス214(図2参照)を左クリックして選択して、ドットマーク353aを表示させるか、制御ロジックの入力となっている操作履歴欄309c、補機動作履歴欄309d、警報履歴欄309eの●印のログデータをカーソル347で指示した状態でマウス214を左クリックして●印を選択状態の色に変化させる。
(2)ロジック再現ボタン384を押下する。
そうすると、制御ロジック図が表示される。例えば、図15に示すように低圧ヒータレベルを示す曲線353B上にドットマーク353aを表示させた後、ロジック再現ボタン384を押下すると図16の(a)の制御ロジックのテンプレート391が表示される。また、例えば、図15に示す「低圧ヒータレベル極高」の警報ログに対応する●印357Bをカーソル347で指し示して左クリックで選択後、ロジック再現ボタン384を押下すると図16の(b)の制御ロジックのテンプレート393が表示される。
もし、(1)で選んだプロセスデータ又は●印のログデータが制御ロジックの入力で無い場合は、「該当する制御ロジックはありません。」とのメッセージを吹き出しウインドに一時表示する。
(3)制御ロジックのテンプレート391やテンプレート393の前記したオブジェクト指向言語の表示プログラムが動作し、ドットマーク353aに対応する時点のプロセスデータ値又は●印357Bに対応する時点のログデータ値(ON又はOFF)が自動的に読み取られ、論理演算をし、その結果をテンプレート391やテンプレート393の出力側を表示させる。
これによって、例えば、本実施形態において例示した低圧ヒータレベル極高事象では、低圧ヒータ水位調節弁開度の制御が正常に行われたことを事象分析支援画面309から確認できる。
再び、図9のフローチャートに戻って、事象分析支援画面309に追加データを表示させる手順について説明する。
ステップS26に続いてステップS27では、追加データボタン385が押下されたか否かチェックする。追加データボタン385が押下された場合は、ステップS28へ進み、押下されなかった場合はステップS32へ進む。
ステップS26により事象分析支援画面309が表示されて、操作者が事象分析のために追加データが必要と判断した場合には、「データ追加」と表示の追加データボタン385(図15参照)を押下する。
ステップS31では、事象分析支援画面309に追加データを追加表示し、ステップS27に戻る。
前記した画面と同じ機能のアイコンボタンについては同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
追加データ選択画面310は、「追加データ選択」と表示されたタイトル欄310aと、選択操作をする操作欄310bから構成されている。操作欄310bには、「プロセスデータ」と表示した左側と、「ログデータ」と表示した左側とにチェックマーク欄361,362が配置され、その外にコンボボックス363、追加データ候補表示欄364、事象分析支援画面表示データ欄365,367、決定ボタン335が配置されている。
追加データの選択が終わって操作者が決定ボタン335を押下すると、ステップS30における追加データの選択完了となって、再び事象分析支援画面309に戻り、追加データもこの画面に表示される。
また、曲線353Dの時間推移から、運転員が低圧ヒータバイパス弁37を開操作したので低圧ヒータ出口温度が低下していることが分かる。
また、操作履歴欄309c、補機動作履歴欄309d、警報履歴欄309eのログデータの●印表示は予め事象データ関係付け情報400により設定した間引き優先順位により、見やすくなるように前記3つの欄に10個程度とするようにしているが、「詳細」表示の操作ボタン381,382,383で詳細に全て見ることもできるので、便利である。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
事象分析支援画面309にトレンドデータやログデータを表示するときに、前記した実施形態においてはキー時刻情報にもとづいて、所定の時間範囲(キー時刻情報より4時間前から、キー時刻情報の10分経過後の時間範囲)を固定的に表示することとしたがそれに限定されるものではない。
2 蒸発器
3A 1次過熱器
3B 2次過熱器
3C 3次過熱器
4 再熱器
5A 高圧タービン
5B 中圧タービン
5C 低圧タービン
6 発電機
7 復水器
8A 復水ポンプ
8B 昇圧復水ポンプ
9 低圧ヒータ
10 脱気器
10a 脱気器貯水タンク
11 給水ポンプ
12,13,14 高圧ヒータ
15A,15B,15C,15D,15E タービン抽気管
16 フラッシュタンク
17 過熱器止弁
18 フラッシュタンク入口弁
19 過熱器通気弁
20 フラッシュタンク蒸気熱回収弁
21 フラッシュタンク蒸気止弁
22 フラッシュタンク蒸気管
23 給水ライン
24A,24B,24C,24D,24E タービン抽気弁
25A,25B,25C 高圧ヒータ水位調整器
25E 低圧ヒータ水位調整器
26A,26B,26C 高圧ヒータ水位調整弁
26E 低圧ヒータ水位調整弁
27A,27B,27C,27E ドレン配管
28 フラッシュタンク蒸気連通管
29A,29B 圧力調整弁
30A,30B 圧力調整器
31A,31B,31C ベント管
32 フラッシュタンクドレン弁
33 タービン止弁
34 バイパス配管
35A,35B,35C,35D,35E 抽気逆止弁
37 低圧ヒータバイパス弁
39 再熱蒸気止弁
41 復水脱塩装置
42 復水脱塩装置出口酸素注入ライン
43 脱気器出口酸素注入ライン
45 復水流量計
100 火力発電プラント
104 バーナ
105A,105B 蒸気供給ライン
106 圧力計
107,108,109 温度計
113 タービン加減弁
115 給水温度計
116 給水流量計
117 燃料供給ライン
118 空気供給ライン
119 燃料量調節弁
120 燃料流量計
121 空気量調節弁
200 プラント監視制御装置
201 操作コンソール
201a 監視制御コンソール部
201b 事象分析コンソール部
203 データ処理装置
205 LAN
207 制御装置
211A,211B コンソール制御部
212A,212B,212C,212D 表示装置
221A,221B,221C,221D 記憶装置
223 制御演算処理部
224 プロセス入出力処理部
301 事象分析メインメニュー画面
303 補機動作ログ検索画面
305 トレンドデータ検索画面
307 警報ログ表示画面
308 低圧ヒータレベルトレンド表示画面
309c 操作履歴欄
309d 補機動作履歴欄
309e 警報履歴欄
310 追加データ選択画面
400 事象データ関係付け情報
501 プラント機器
Claims (3)
- プラント機器からのプロセスデータ、警報ログデータ及び補機動作ログデータを運転員に表示し、運転員の操作指令を受け付ける操作コンソールと、
前記プラント機器からのプロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転員の操作指令を取得して、前記プラント機器を制御する制御装置と、
前記プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転員の操作指令を取得して時系列的に記憶装置に格納するデータ処理装置と、
を備えるプラント監視制御装置において、
前記プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転員の操作指令の内の特定のデータ同士を、所定の事象ごとに予め関係付けて登録された事象データ関係付け情報と、
前記取得されたプロセスデータ、警報ログデータ及び補機動作ログデータの中から操作者によって選択された1つのデータにもとづいて、操作者が特定の事象を選択可能とする分析事象選択手段と、
前記操作者によって選択された1つのデータから前記選択された特定の事象の発生に係るキー時刻情報を取得するキー時刻情報取得手段と、
前記事象データ関係付け情報にもとづいて前記選択された特定の事象に関係付けられた前記プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転の操作指令を事象関連データとして検索する事象関連データ検索手段と、を有し、
前記取得されたキー時刻情報にもとづいて、前記検索された時系列の事象関連データの内の所定の時間範囲のものを操作コンソールに組み合わせ表示することを特徴とするプラント監視制御装置。 - 前記事象データ関係付け情報は、少なくとも前記プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転の操作指令のそれぞれのデータ名と前記事象の名称を含んでおり、前記事象の名称ごとに、前記事象関連データとして前記プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転の操作指令の一部のデータ名を関係付けていることを特徴とする請求項1に記載のプラント監視制御装置。
- プラント機器からのプロセスデータ、警報ログデータ及び補機動作ログデータを運転員に表示し、運転員の操作指令を受け付ける操作コンソールと、
前記プラント機器からのプロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転員の操作指令を取得して、前記プラント機器を制御する制御装置と、
前記プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転員の操作指令を取得して時系列的に記憶装置に格納するデータ処理装置と、
を備えるプラント監視制御装置における事象分析支援方法であって、
予め登録された事象データ関係付け情報によって、前記プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転員の操作指令の内の特定のデータ同士を、所定の事象ごとに予め関係付けて、
操作者が特定の事象を選択可能とする事象選択手段によって、前記取得されたプロセスデータ、警報ログデータ及び補機動作ログデータの中から操作者によって選択された1つのデータにもとづいて、特定の事象を選択し、
前記操作者によって選択された1つのデータから前記選択された特定の事象の発生に係るキー時刻情報を取得し、
前記事象データ関係付け情報にもとづいて前記選択された特定の事象に関係付けられた前記プロセスデータ、警報ログデータ、補機動作ログデータ及び運転の操作指令を事象関連データとして検索し、
更に、前記取得されたキー時刻情報にもとづいて、時系列の前記事象関連データの内の所定の時間範囲のものを操作コンソールに組み合わせ表示することを特徴とするプラント監視制御装置における事象分析支援方法。
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