JP4953356B2 - 多孔性ダイヤモンド膜およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電気化学反応に適用される電極等の素材として有用な多孔性ダイヤモンド膜、およびこうしたダイヤモンド膜を効率良く製造するための有用な方法に関するものである。
電気分解プロセスは、クリーンな電気エネルギーを利用して、電極表面で化学反応を制御することによって、水溶液から水素、酸素、オゾン、過酸化水素等を分離精製する技術や、食塩電解、電気めっき、金属採取等の工業電解技術等、様々な分野で適用されている。また、近年では、有機汚濁物質を間接的に分解するか、該物質を電極に吸着して直接的に電気分解することが可能であることから、廃水処理としても利用されている。
電気分解における陽極での酸化反応では、水処理に有効な酸剤(有機塩素、オゾン等)が生成し、一部OHラジカル等の活性種も発生することが知られており、それらを含む水は活性水、機能水、イオン水、殺菌水等の名称で呼ばれ汎用されている。
上記のように電気分解プロセスは様々な分野で適用されているのであるが、使用する電極材料によっては十分な反応が進行しない場合があることも指摘されている。例えば、水溶液における電気分解による陽極酸化反応では、水を原料とする電解生成物が生成することになるが、水の放電に対しての反応性が高い電極触媒を使用すると、目的物質を生成するための、他の共存物質の酸化が容易に進行しないという事態が生じる。
電気分解用電極(陽極)の触媒材料としては、酸化鉛、酸化錫、白金属元素およびこれらの酸化物や、カーボン等が知られているが、このうち耐食性などを考慮して、白金やイリジウム等の白金属元素が主に用いられている。また、電極基材の素材としても、チタン等の弁金属やその合金等、耐食性が良好な素材が選択的に使用されている。しかしながら、これらの素材を用いても、電流密度や処理時間によっては電極が消耗してしまい、溶液中に流出することが知られており、より耐食性の良好な電極素材が望まれているのが実情である。尚、黒鉛や非晶質カーボンも、従来から電極材料の素材として適用されているが、陽極材料として用いたときには著しい消耗があることが知られている。
上記各種物質に対して、ダイヤモンドは熱伝導性、強度および化学安定性に優れていることから、上記のような電極材料の素材としての有用性が期待されている。またダイヤモンドは、イオンのドービングによって電気伝導性を制御することも可能であるので、半導体デバイスやエネルギー変換素子として素材としても有望視されている。例えば、特許文献1には、硼素(B)をダイヤモンドにドープして導電性を付与したダイヤモンド表面に白金の微粒子を担持させ、電気化学電極に用いる技術が提案されている。
上記のように、ダイヤモンドは様々な分野での適用が期待されているのであるが、特に電解用電極として適用した場合には、従来の電極材料を適用した場合に比べて反応効率は向上するが、適用分野によっては長寿命が達成されず十分な対応が困難であるという事態が生じる。こうした事態が生じる原因としては、ダイヤモンド表面における活性点の存在密度が他の電極材料に比べて少なく、また表面性状も結晶面が出ることにより平坦な割合が大きいことから、付与した電流密度よりも実際の電流密度が大きくなってしまい、電解による電極消耗が早期に進行しやすいものと考えられる。
こうしたことから、ダイヤモンド表面に多数の孔を形成して前記活性点をできるだけ多くするための技術も様々提案されている。こうした技術として、例えば特許文献2には、ダイヤモンド基板上に陽極酸化アルミナをマスクとして載せ、プラズマエッチング処理によってダイヤモンド基板にマスクと同一配列の細孔を形成する方法が開示されている。この技術では、規則的に均一な孔を形成できる利点があるが、マスク加工、プラズマエッチングの工程で高度な条件制御が必要であるので、比較的コスト高になると考えられる。
また特許文献3には、ダイヤモンド層に析出させた金属粒子を、還元性雰囲気中で熱処理することにより、前記金属粒子を触媒とする炭素還元反応を促進させ、前記ダイヤモンド層の表面に微細孔を形成させる方法が開示されている。この方法は、原子レベルまたはそれに近いレベルで微細孔が形成されたダイヤモンド層やダイヤモンド粒子が得られる点で有用なものである。しかしながら、この技術で対象とするダイヤモンドは、ダイヤモンドの微粒子あるいは結晶面が特定できない比較的複雑形状の多結晶であり、電極材料としての適用を考えた場合に最適な形態とはいえない。また形成される微細孔の形や分布においても、電極材料として相応しい形態を有しているとはいえないものである。
ダイヤモンド表面を多孔質化するための別の方法として、酸素雰囲気中で500℃以上の温度でダイヤモンドを熱処理してダイヤモンド表面をエッチングする方法も知られている。このように触媒を用いないでエッチングする方法では、微細孔は転位などの結晶欠陥を起点に形成されると考えられており、これを利用してエッチングされた微細孔(即ち、「エッチピット」)の密度を以って転位や欠陥の面密度を決定することがある。この転位は、たとえ1つの結晶面内であっても均一に存在するわけではなく、また当然ながら結晶中の転位密度が低いとエッチピット密度も低いものとなる。従って、こうした方法を適用する場合に、特定の結晶面を選択するだけでは微細孔をほぼ等間隔で高密度に形成することはできず、電極材料として有用な形態を有する多孔性ダイヤモンドを得ることができない。
特開2004−235080号公報 特開2000−1393号公報 特開2006−183102号公報
多孔性ダイヤモンドを電極材料に適用する場合には、その表面に形成される微細孔はできるだけ等間隔でしかも垂直方向に延びるように形成されていることは最適な形態であるが、これまで提案されている多孔性ダイヤモンドはこうした形態を有したものが得られていないのが実情である。
例えば、結晶面が特定できない多結晶や微粒子のダイヤモンドを多孔性ダイヤモンド作製用の出発材料として用いると、孔の分布や形状はランダムとなり、予め表面積を予測したり設計したりすることはできない。こうした多孔性ダイヤモンドでは、当然ながら微細孔毎に担持される触媒の数密度を制御することも困難である。仮に局所的に、形状や分布が揃っていたとしても、概して結晶面が大きく傾いているため、微細孔の形成方向が垂直方向になっていないのが一般的であり、こうした形態のものでは電極材料等への適用は困難なものとなる。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、電気化学反応に適用される化学電極等の素材として最適な形態を有する多孔性ダイヤモンド膜、およびこうしたダイヤモンド膜を効率良く製造するための有用な方法を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の多孔性ダイヤモンド膜とは、{100}結晶面を主体とする高配向性ダイヤモンド膜の表面に、該表面と平行な断面が正方形若しくは矩形である微細孔が、前記表面に対して垂直方向に延びるように多数分散形成されたものである点に要旨を有するものである。
上記多孔性ダイヤモンド膜のより具体的な形態として、前記微細孔は、長辺の平均長さが5〜50nmであると共に、微細孔相互の平均間隔が5〜50nmであるものが挙げられる。
上記のような多孔性ダイヤモンド膜を製造するに当たっては、{100}結晶面を主体とする高配向性ダイヤモンド膜の表面に、Fe,Co,NiおよびPtのうちの何れかの金属元素を付着させた後、水素を含む還元性雰囲気で加熱処理すれば良い。
この方法を実施するに当たって、(a)前記金属元素の付着量は、1〜10原子層相当量であることや、(b)前記熱処理温度が600〜1000℃であること、等の要件を満足することが好ましい。
本発明においては、{100}結晶面を主体とする高配向性ダイヤモンド膜の表面に、Fe,Co,NiおよびPtのうちの何れかの金属元素を付着させた後、水素を含む還元性雰囲気で加熱処理することによって、ダイヤモンド膜表面と平行な断面が正方形若しくは矩形である微細孔が、前記表面に対して垂直方向に延びるようにほぼ等間隔で多数分散形成されたものが効率良く製造でき、得られた多孔性ダイヤモンド膜は電極材料等の素材としてきわめて有用なものとなる。
本発明者らは、前記課題を解決するために、電極材料等の素材として最適な形態を有する多孔性ダイヤモンド膜の実現を目指して様々な角度から研究を重ねた。その結果、微細孔を形成する素材(ダイヤモンド膜)として、{100}結晶面を主体とする高配向性ダイヤモンド膜を用い、このダイヤモンド膜表面に、Fe,Co,NiおよびPtのうちの何れかの金属元素を付着させ、水素を含む還元雰囲気中で熱処理すれば、ダイヤモンド膜表面と平行な断面が正方形若しくは矩形である微細孔が、前記表面に対して垂直方向に延びるようにほぼ等間隔で多数分散形成されたものとなって、希望する形態の多性孔ダイヤモンド膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
この多孔性ダイヤモンド膜では、その表面に多数分散形成される微細孔の形状が、ダイヤモンド膜表面と平行な断面が正方形若しくは矩形(長方形)であるが、微細孔の底面形状ではほぼ{111}面からなる「逆四角錐状」となる。この微細孔の形状は、後述する熱処理条件によっても変化するものであるが、例えば熱処理時間を短くすると微細孔は前記「逆四角錐状」がそのまま反映された形状となる。また熱処理時間を長くした場合には、底面付近の逆四角錐状部分に至るまでの孔形状は、ダイヤモンド膜表面に対してほぼ垂直な面(側面)を有する四角柱状なものとなる。また、この「四角柱状」とは、ダイヤモンド膜表面と平行な断面が正方形若しくは矩形のいずれも含むものである。
本発明の多孔性ダイヤモンド膜において、その表面に形成される微細孔は、上記いずれの形態のものも含むものであるが、本発明ではこれらを総括して「多孔性ダイヤモンド膜表面と平行な断面が正方形若しくは矩形である」と規定したものである。いずれの形態であっても、その形状からして個々の表面積の算出が幾何学的に容易に行えるものとなる。また、この微細孔は、ほぼ同じ大きさでほぼ等間隔に形成されるので、全体に亘る表面積の算出においても誤差が非常に少ないものとなる。このことにより、表面積と処理能力との相関関係を把握しておくことが重要な用途、例えば液中のイオン濃度を検出する電気化学センサー用の電極等として、表面積を揃えることができるため、再現性よく品質の揃った製品を作製することができる。
表面積を揃えるだけであるならば、微細孔を形成せずに表面を平面のまま使用することも可能であるが、このような表面反応を用いる用途の適用には、表面積を増やした方が望ましいことは周知である。また、ダイヤモンド表面に白金(Pt)やニッケル(Ni)等の触媒を担持することによって、特定の表面反応を促進させる用途もある。このような用途への適用の場合にも、単に平面であるより、多数の微細孔があることにより触媒を固定させやすく、且つ脱離しにくいものとなる。
これは、その微細孔の底では、表面に当たる水流などが触媒を基材のダイヤモンドから剥がそうとする方向、つまり剪断方向の力が加わりにくくなり、またダイヤモンドとの接触面積が増加するからである。また、微小な触媒粒子を高密度に且つほぼ均等に分布させ、しかも隣り合う粒子とは隔絶させることができる。このことによって、高価な白金等を触媒とする場合には、その付着質量を最小限に抑えることができて、製造コストを低減できるものとなる。
微細孔の深さは、熱処理時間を延ばすことにより深くすることができ、例えばダイヤモンド膜の裏側まで貫通した孔を形成することもできる。また孔の大きさは、金属元素の付着量(蒸着量)を増やすことによって大きくすることができる。この微細孔の大きさは、長辺の平均長さが5〜50nm程度であることが好ましく、また微細孔相互の平均間隔は5〜50nmであることが好ましい。尚、微細孔の大きさを示す指標として、長辺の平均長さを基準としたのは、断面形状が矩形(長方形)の孔が形成されることを前提としたものであるが、矩形の場合の短辺は長辺とほぼ等しいものとなり、また断面形状が正方形の場合には一辺の長さを意味する。また、微細孔相互の間隔とは、一つの微細孔の中心点から他の微細孔の中心点までの最短距離を意味する。
上記のような多孔性ダイヤモン膜を形成するには、{100}結晶面を主体とする高配向性ダイヤモンド膜の表面に、Fe,Co,NiおよびPtのうちの何れかの金属元素を付着させた後、水素を含む還元性雰囲気で加熱処理すればよいが、次にこれらの製造条件について説明する。
まず、本発明で素材として用いるダイヤモンド膜は、{100}結晶面を主体とする高配向性ダイヤモンド膜とする必要があり、その製造方法については後述するが、例えば特開2006―176389号には、粒径が30μm以上である{100}結晶面配向ダイヤモンド膜の製造方法が開示されている。また「第65回応用物理学会学術講演会 (2004年)講演予稿集」(p.506,3a−ZB−6)においても、最大粒径が100μmに及ぶ{100}結晶面配向ダイヤモンド膜が実現されている。本発明で用いるダイヤモンド膜は、これらの技術を応用して形成することができる。尚、{100}結晶面を主体とするとは、高配向性ダイヤモンド膜の結晶面の全てが(100)面である必要はなく、例えば(100)面が70%以上であっても本発明適用できることを意味する。
上記のような高配向性ダイヤモンド膜の表面に、Fe,Co,NiおよびPtのうちの何れかの金属元素を、例えば蒸着法によって付着(以下、「蒸着」で代表する)させる必要があるが、蒸着直後の金属元素は蒸着量が十分多いときには膜状となり、この状態では膜厚によって蒸着量を規定できる。これに対して、金属元素の蒸着量が非常に少ないときには、高分解能な電子顕微鏡により不定形の粒状になっていることが予想される。即ち、金属元素の蒸着量が非常に少ないときには、蒸着量(膜厚)が箇所によって異なるものとなるので、蒸着量を膜厚では規定できないものとなる。従って、仮に厚さが一定の膜(均一な膜)となっていると想定した場合の厚さを、原子層単位(原子層相当量)で規定し、蒸着量(付着量)とした。このように、原子層単位とすることによって、原子半径の異なる金属にも蒸着量をそのまま適用できる利点がある。
水素を含有する雰囲気中で熱処理温度を上げると同時に、前記金属元素の自然凝集が発生し、金属元素は分散した微粒子状に変化する。この微粒子の大きさは蒸着量で制御でき、蒸着量が多い場合には大きくなる。但し、蒸着量が10原子層相当量より多くなると、その大きさのばらつきが顕著になる。また、1原子層相当量より少なくなると、数密度が少なくなり、その間隔のばらつきが顕著になる。こうした観点から、金属元素はその蒸着量が1〜10原子層相当量の範囲で蒸着することが好ましく、この範囲では大きさおよび相互間距離が何れも5〜30nmの範囲内に収まった、均一性の高い微細孔を形成することができる。
こうした現象は、ダイヤモンドの結晶成長により得られた平坦な{100}結晶面においてのみ当てはまり、その他の結晶面、例えば{111}結晶面や、{100}結晶面からやや傾いたいわゆるオフ面、更には{100}結晶面であっても平坦度の低いものや、異なる材料では一概に同じような現象は生じない。これはダイヤモンド{100}結晶面とその他の面とで金属元素との濡れ性が異なることによるものと考えられた。
ところで熱処理する際の雰囲気については、上記のように「水素を含む還元性雰囲気」とする必要があるが、こうした雰囲気を形成するガスとしては、常温で水素を3〜30体積%程度含有し、残部が不活性ガス(例えば、窒素ガス)であるような混合ガスが挙げられる。
また熱処理温度は、600〜1000℃程度であることが好ましい。この温度が600℃よりも低くなると、反応処理時間が長くなって実用的でなくなり、1000℃を超えると処理時は短縮できるものの、微細孔の形成が過度に進むことになって、結果的にダイヤモンド膜の機械的強度が低下する傾向を示し、またダイヤモンド膜の水素による腐食や脆化が進行する恐れがある。
本発明の多孔性ダイヤモンド膜は、溶液中での電気分解やイオン検出などに使われる各種電極材料の素材の他、低反射面、プリズム板、フォトニック材、電子放出面、特殊材料ガスを検出するガスセンサ等への適用が可能である。また、電界効果トランジスタのゲート面としての技術的応用も可能であり(例えば、「第65回応用物理学会学術講演会公演予稿集」p.519〜520の4p―ZB−4)、光、イオン、蛋白質やアミノ酸、DNA、ガス等に感応するセンサの素材として使用できる。
また本発明の多孔性ダイヤモンド膜はそれを直接的に利用する他、これに可塑材を押しつけることにより前記微細孔を転写したものを作成することもできる。この場合、上記のような特徴的形状を有する微細孔に対応した突起が、ほぼ等間隔で高密度に分布した状態で形成することができる。このようにして突起を形成した成形材の応用分野としては、溶液中で電気分解やイオン検出などに使われる化学電極面の他に、低反射面、プリズム板、フォトニック材、電子放出面、探針、電気計測用プローブ先端等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
本発明の多孔性ダイヤモンドの素材となる{100}結晶面を主体とする配向性ダイヤモンド膜(多結晶ダイヤモンド膜)を下記の方法で作製した。
(1)清浄な単結晶シリコンの(100)面ウェハを基板とし、石英管チャンバを有するマイクロ波プラズマCVD装置を用いて、メタン5%と水素(残部)の混合ガスを圧力25Torr(3.3kPa)、流量:100SCCM(Standard Cubic Centimeter per minute)の条件で流しつつ、マイクロ波を印加することにより、プラズマを形成した。このプラズマの端近傍にモリブデン板に載せた基板を置き、対向する端にタングステン網を配置した。このとき夫々の装置の外側に端子を出して、直流電源(DC電源)に接続してある。マイクロ波の出力を調整して、基板を650℃に保ちつつ、DC電源によって、150〜200VのDCバイアスを印加した。尚、基板側を負電位とした。この状態で10〜15分間保持した。
(2)その後、メタン2%、水素98%、圧力50Torr(6.7kPa)、ガス流量:100SCCM、基板温度:800℃の条件に切り替え、5〜10時間保持した。この時点で表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、基板に垂直な方向が<100>方向に配向し、且つ{111}面が優勢に現れた表面形態のダイヤモンド膜(連続膜)が形成されたことを確認できた。即ち、1つの結晶粒の表面に着目すれば、いわゆるピラミッド形状類似の四角錐形状が現れており、その4つの斜面が正三角形を基本とした{111}面になっていることが確認できた。1つの結晶粒の平均粒径は保持時間が長いほど大きくなるが、5〜10時間の範囲では2〜4μmであった。
(3)その後、メタン1%、酸素0.5%、水素98.5%、ガス流量100SCCM、基板温度:850℃の条件に切り替え、5〜10時間保持した。その結果、合計膜厚が約30μmのダイヤモンド薄膜を合成できた。
ダイヤモンド薄膜表面をSEMで観察したところ、表面は基板に平行な正方形乃至長方形を基本とした結晶面(即ち、{100}結晶面)で覆われていることが確認できた。1つの結晶粒の平均粒径は上記工程(2)と工程(3)の保持時間が何れも長いほど大きくなるが、工程(2)、(3)共に5〜10時間の範囲では1つの結晶粒の平均粒径は3〜30μmであった。いずれにしても、ほぼ基板面の全体に平行な{100}結晶面で覆われていること、および隣り合う粒子の高さの差が0.1〜0.5μmで、段差がわずかなことから、全体として平坦面とみなすことができた。
上記工程(2)および工程(3)の保持時間を、夫々5時間、5時間として作製したダイヤモンド膜の表面の電子顕微鏡写真を図1に示す。
上記工程(2)および工程(3)の保持時間を、夫々10時間、10時間として作製したダイヤモンド膜の表面の電子顕微鏡写真を図2に示す。
得られたダイヤモンド膜の配向性を、X線回折法(XRD)、正極点X線回折法(polar−XRD)、および後方散乱電子回折像法(EBSP)によって調査したところ、図1に示したダイヤモンド膜は最上面の90%以上の面積に相当するダイヤモンド粒子が<001>方向から10%以内に配向していることが確認できた。図2に示したダイヤモンド膜は、最上面の95%以上の面積に相当するダイヤモンド粒子が<001>方向から10%以内に配向していることが確認できた。
次に、図1に示したダイヤモンド薄膜表面に真空蒸着法によりCoを5原子層相当量程度蒸着した後、水素(10%)−窒素混合気流下にて900℃で2時間加熱した。そのダイヤモンド膜の表面性状を、SEMを用いて観察した結果ところ、Co粒子が、ダイヤモンド膜の{100}面を掘削し、ダイヤモンド膜表面に対して垂直方向に延びる微細孔が多数分散形成されていることが確認できた。その微細孔の大きさは、90%以上が10〜20nmで、ほぼ揃っており、形状(断面形状)もほぼ全てが正方形若しくは矩形であった。また、隣り合う微細孔が部分的に繋がったように見えるものは少なく、その殆どが独立した形態となっていた。また微細孔の相互の間隔は平均して、23nmであった。このとき得られたダイヤモンド膜の表面性状を図3(図面代用顕微鏡写真)に示す。
上記SEM観察から明らかなように、ダイヤモンド膜の{100}結晶面はほぼ全てが微細孔に変わり、この微細孔の形状は正八面体の半分の形状として近似できることが分かる。これに基づいて、表面積は約√3倍に増大していると算出できる。このダイヤモンド膜を反射電子像で観察すると、基板のダイヤモンドとCoとが異なるコントラストで見えるのであるが(Coは明るい白い点として観察される)、Coがダイヤモンドの微細孔のほぼ全てに存在することが分かった。このときの反射電子像を図4に示す。
図3と図4を対比することによって、ダイヤモンド膜表面でのCo粒子による触媒反応が起きた結果、微細孔が形成されたものと考えられる。この触媒反応は、高温下ではCoと接触したダイヤモンド表面の炭素原子が溶け込みやすく、Co中を拡散し、水素と化合し、Co表面からメタンガスなどの炭化水素ガスとして放出されると考えられる。
[実施例2]
蒸着金属元素として、Coの代りにNiを用いる以外は実施例1と同じ条件で実験を行った。そのダイヤモンド膜の表面性状を、SEMを用いて観察した結果ところ、Ni粒子が、ダイヤモンド膜の{100}面を掘削し、ダイヤモンド膜表面に対して垂直方向に延びる微細孔が多数分散形成されていることが確認できた。その微細孔の大きさは、90%以上が5〜15nmで、ほぼ揃っており、形状(断面形状)もほぼ全てが正方形若しくは矩形であった。また、隣り合う微細孔が部分的に繋がったように見えるものは少なく、その殆どが独立した形態となっていた。また微細孔の相互の間隔は平均して、32nmであった。このとき得られたダイヤモンド膜の表面性状を図5(図面代用顕微鏡写真)に示す。
上記SEM観察から明らかなように、Co粒子を用いた場合より微細孔の深さは浅く、Niの微粒子の大きさと孔の大きさはほぼ同じで、数密度はやや低い。微細孔の形状を正八面体の半分の形状として近似し、およそ3/4の領域では元の{100}面がそのまま残っているため、表面積はおよそ(3/4+1/4×√3)倍に増大していると算出できる。このダイヤモンド膜を反射電子像で観察すると、上記と同様に基板のダイヤモンドとNiとが異なるコントラストで見えるのであるが(Niは明るい白い点として観察される)、Niがダイヤモンドの微細孔のほぼ全てに存在することが分かった。このときの反射電子像を図6に示す。
尚、ダイヤモンド膜表面には、少数の比較的大きな孔も認められるたが、ここにはNi粒子が無い場合が多かった。ここには、ダイヤモンド結晶中に元々存在していた転位が起点となり、水素雰囲気でエッチングが進んだ結果であると考えられる。一方、微細孔のほとんどはNi微粒子により形成されるものと考えられた。
[実施例3]
蒸着金属元素として、Coの代りにPtを用いると共に加熱温度を1000℃とする以外は実施例1と同じ条件で実験を行った。そのダイヤモンド膜の表面性状を、SEMを用いて観察した結果ところ、Pt粒子が、ダイヤモンド膜の{100}面を掘削し、ダイヤモンド膜表面に対して垂直方向に延びる微細孔が多数分散形成されていることが確認できた。その微細孔の大きさは、90%以上が5〜15nmで、ほぼ揃っており、形状(断面形状)もほぼ全てが正方形若しくは矩形であった。また、隣り合う微細孔が部分的に繋がったように見えるものは少なく、その殆どが独立した形態となっていた。また微細孔の相互の間隔は平均して、13nmであった。このとき得られたダイヤモンド膜の表面性状を図7(図面代用顕微鏡写真)に示す。
上記SEM観察から明らかなように、Co粒子を用いた場合と微細孔の深さはほぼ同程度であり、Ptの微粒子の大きさと孔の大きさはほぼ同じで、数密度は高い。また、表面積の増大率は実施例1の場合と同様に約√3倍と算出できる。このダイヤモンド膜を反射電子像で観察すると、上記と同様に基板のダイヤモンドとPtとが異なるコントラストで見えるのであるが(Ptは明るい白い点として観察される)、Ptがダイヤモンドの微細孔のほぼ全てに存在することが分かった。このときの反射電子像を図8に示す。
[実施例4]
ダイヤモンド膜作製工程の全てにおいて、原料ガスにジボランを10ppm混合して作製したこと以外の条件は実施例1と同じとしてダイヤモンド膜を形成し、このダイヤモンド膜に実施例と同様にして微細孔を形成した。その結果、導電性を有する多孔性ダイヤモンド膜を作製することができた。
[比較例1]
実施例1に記載した{100}結晶面を主体とする配向性ダイヤモンド膜(多結晶ダイヤモンド膜)の作製工程のうち、前記行程(2)までに留めると、{111}面のみからなるダイヤモンド膜ができる。このダイヤモンド膜を用いて微細孔形成を試みた。蒸着金属元素にNiを用いた試料の表面形態を、SEMを用いて観察したところ、表面がエッチングされるのは同じであるが、その形状は、多数の溝が入り乱れた形になり、{100}面で見られたようなそれぞれの微細孔が独立して分散した形状にはならなかった。また反射電子像を観察すると、Ni粒子の存在場所とエッチング部分とには規則性は認められなかった。このとき得られたダイヤモンド膜の表面性状を図9(図面代用顕微鏡写真)に示す。
また、ダイヤモンド膜の反射電子像を図10に示す。
上記実施例1〜3では、ダイヤモンド膜表面に付着させる金属元素として、Co,NiおよびPtを用いる場合を示したが、金属元素としてCo、Ni、Ptの代わりに、Feを用いた場合であっても、微細孔の大きさや深さ、数密度に多少の違いはあるものの、ダイヤモンド膜表面に多数の微細孔が分散形成できる。
実施例1の工程(2)および工程(3)の保持時間を、夫々5時間、5時間として作製したダイヤモンド膜の表面を示す図面代用電子顕微鏡写真である。 実施例1の工程(2)および工程(3)の保持時間を、夫々10時間、10時間として作製したダイヤモンド膜の表面を示す図面代用電子顕微鏡写真である。 Co粒子によってダイヤモンド膜表面に微細孔を形成した多孔性ダイヤモンド膜の表面性状を示す図面代用電子顕微鏡写真である。 図3に対応する部分を反射電子像で観察した結果を示す図面代用写真である。 Ni粒子によってダイヤモンド膜表面に微細孔を形成した多孔性ダイヤモンド膜の表面性状を示す図面代用電子顕微鏡写真である。 図5に対応する部分を反射電子像で観察した結果を示す図面代用写真である。 Pt粒子によってダイヤモンド膜表面に微細孔を形成した多孔性ダイヤモンド膜の表面性状を示す図面代用電子顕微鏡写真である。 図7に対応する部分を反射電子像で観察した結果を示す図面代用写真である。 {111}面のみからなるダイヤモンド膜に微細孔の形成を試みたときの多孔性ダイヤモンド膜の表面性状を示す図面代用電子顕微鏡写真である。 図9に対応する部分を反射電子像で観察した結果を示す図面代用写真である。

Claims (2)

  1. {100}結晶面を主体とする高配向性ダイヤモンド膜の表面に、該表面と平行な断面が正方形若しくは矩形である微細孔が、前記表面に対して垂直方向に延びるように多数分散形成されたものであり、且つ前記微細孔は、長辺の平均長さが5〜50nmであると共に、微細孔相互の平均間隔が5〜50nmであることを特徴とする多孔性ダイヤモンド膜。
  2. 請求項1に記載の多孔性ダイヤモンド膜を製造するに当り、{100}結晶面を主体とする高配向性ダイヤモンド膜の表面に、Fe,Co,NiおよびPtのうちの何れかの金属元素を、1〜10原子層相当量の付着量で付着させた後、水素を含む還元性雰囲気で、温度を600〜1000℃として加熱処理することを特徴とする多孔性ダイヤモンド膜の製造方法。
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