以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、ケーブル挿脱方向を前後方向X,ハウジングの長手方向(コンタクトの並設方向:ケーブル挿脱方向および厚さ方向と直交する方向)を幅方向Y、ハウジングの厚さ方向(挿入したケーブルの厚さ方向)を上下方向Zとして説明する。また、ケーブルを挿入する際にケーブルが移動する方向を前方、ケーブルを離脱する際にケーブルが移動する方向を後方と規定し、ハウジングに装着したレバーが上部に位置するようにコネクタを配置した状態における上方を上方として上下方向を規定する。
本実施形態にかかるコネクタ1は、図1に示すように、FPCやFFC等の表面及び裏面を持つシート状のケーブル2が挿入される絶縁性のハウジング30を備えている。
このシート状のケーブル2の挿入端部2a(図3および図10参照)には、導体2bが幅方向Yに所定の等ピッチで複数露出しているとともに、導体2bの幅方向Y両端には、保持孔2cが形成されている。
そして、ハウジング30の内部には、ケーブル2の導体2bに導通接続される導電性のコンタクト40が幅方向Yに所定の等ピッチで複数並設されているとともに、幅方向Yに複数並設されたコンタクト40の幅方向Y両端に、コンタクト40とほぼ同形状の保持端子50がそれぞれ取り付けられている。本実施形態では、この保持端子50をケーブル2の保持孔2cに係合させることでハウジング30内に挿入したケーブル2を保持するようにしている。
また、ハウジング30には、絶縁性のレバー60が回動可能に取り付けられている。具体的には、レバー60は、図6〜図8に示すように、ケーブル2をハウジング30に挿入することのできる開位置(図6に示す状態)と、ハウジング30に挿入したケーブル2をコンタクト40で挟持する閉位置(図8に示す状態)と、の間で回動できるように、ハウジング30に取り付けられている。
ハウジング30は、合成樹脂等の絶縁材料で形成されており、このハウジング30の後部(図6の左側:ケーブル挿脱方向の離脱側)には、ケーブル2を後方から挿入する袋状のケーブル受入部(挿入口)31が上下方向Zの略中間部に形成されている。
このケーブル受入部31は、天壁部32と、底壁部33と、ハウジング30後部の幅方向Y両端に形成された両側壁部34,34とで画成されており、後方に開口している。
また、ハウジング30の前部の幅方向Y両端には、図1に示すように、側壁部34,34よりも幅方向Y外側に位置する前側壁部(一対の縦壁部)34a,34aが形成されており、この前側壁部34a,34aの内側に、底壁部34eが形成されている。そして、ハウジング30の前部には、前側壁部34a,34aと底壁部34eとで画成され、上方および前方に開放したレバー装着部35が形成されている。このレバー装着部35には、レバー60が回動可能に装着される。
さらに、レバー装着部35の幅方向Y両端部には、上方および前方に開放した軸受部35aが形成されており、この軸受部35aは、ハウジング30の幅方向Yで対向している。本実施形態では、軸受部35aは、図1および図4に示すように、側壁部34と前側壁部34aとを連結する連結壁部34fの内側後面34bと、底壁部34eの幅方向Y両端部の底面34cと、前側壁部34aの内側側面34dと、で画成されている。
また、レバー60は、ハウジング30のレバー装着部35に収容可能な板状の部材であり、このレバー60も合成樹脂等の絶縁材料で形成されている。そして、図1および図2に示すように、レバー60の幅方向Y両端面の基端側(レバー60の一端部側)には枢支軸61がそれぞれ突出形成されている。また、レバー60の本体(レバー60の他端部側)は、レバー60を開閉操作(回動操作)するための操作部62となっている。
本実施形態では、ハウジング30の前方(ケーブル受入部31とは反対側)からレバー60の幅方向Y両端の枢支軸61をハウジング30の幅方向Y両端の軸受部35aに載置するとともに、保持金具70を連結壁部(ハウジング)34fに取り付けることで、ハウジング30のレバー装着部35に、レバー60を開閉(回動)可能に取り付けている(図1および図4参照)。
保持金具70は、図4に示すように、金属薄板により形成されており、前後方向に延在する本体部71を備えている。そして、本体部71の前部から下方に向けて差込片(差込固定部)71aが延設されるとともに、本体部71の後部から下方に向けて支持片71bが延設されており、本体部71の前方には、上に凸となるように湾曲した爪状の枢支軸覆い部71cが前方に向けて延設されている。
そして、この枢支軸覆い部71cが枢支軸61の上方および前方(ケーブル2の挿脱方向一端側)を覆うように、保持金具70を連結壁部34f,34fに取り付けている。
具体的には、連結壁部34f,34fに、差込片(差込固定部)71aが挿入される挿通孔(凹部)34gを形成し、当該挿通孔(凹部)34gに差込片(差込固定部)71aを上方から圧入する(差し込む)ことで、保持金具70を連結壁部34f,34fに取り付けている。
さらに、本実施形態では、差込片(差込固定部)71aと支持片71bとの間に形成された凹部71d内に連結壁部34fの後壁部34hが挿入されるようになっており、差込片(差込固定部)71aと支持片71bとで後壁部34hを挟持するようにしている。
なお、差込片(差込固定部)71aには、前後方向両端に突起71e,71eが設けられている。そして、この突起71e,71eをそれぞれ挿通孔34gの内面(後壁部34hの前面および前壁部34iの後面)に食い込ませるように圧入することで、保持金具70を連結壁部34f,34fに係止している。
このように、本実施形態では、差込片(差込固定部)71aと支持片71bとで後壁部34hを挟持することで、当該保持金具70が外れてしまうのを抑制している。また、突起71e,71eをそれぞれ挿通孔34gの内面に食い込ませるように圧入することで、枢支軸覆い部71cに上方への荷重が生じた際に、当該保持金具70が外れてしまうのを抑制している。
また、本実施形態では、図4および図5に示すように、保持金具70を連結壁部34f,34fに取り付けることで、枢支軸61の外周が、枢支軸覆い部71c、内側前面34bおよび底面34cで覆われるようにしている。
したがって、枢支軸61は、上方および前方への移動が、枢支軸覆い部71cにより規制され、後方への移動が、内側前面34bにより規制され、下方への移動が、底面34cにより規制されることとなる。すなわち、枢支軸覆い部71cに前方への荷重が生じた際に、枢支軸61が、軸受部35aの開放している上方または前方(ケーブル挿脱方向一端側)に移動した際に、当該移動を保持金具70によって規制することで、レバー60がハウジング30から外れてしまうのを抑制している。
また、仮にレバー60がコンタクト40から外れてしまったとしても、保持金具70およびハウジング30によって、枢支軸61の前後方向および上下方向への移動が規制されるため、レバー60がハウジング30から外れてしまうのが抑制される。このように、本実施形態では、レバーを保持金具に係合させるとともにコンタクトに係合させることでレバーのハウジングからの外れを抑制できるようにする必要がなく、保持金具70のみでレバー60のハウジング30からの外れを抑制することができるようになっている。
さらに、本実施形態では、枢支軸覆い部71cを枢支軸61の直径よりも大きな曲率半径で湾曲させることで、保持金具70を連結壁部34f,34fに取り付けた際に、枢支軸覆い部71cと枢支軸61との間に隙間が形成されるようにしている。すなわち、本実施形態では、保持金具70は、枢支軸覆い部71cが枢支軸61の上方および前方(ケーブル2の挿脱方向一端側)を非接触状態で覆うことができるように、連結壁部34f,34fに取り付けられている。そのため、枢支軸61の回動が阻害されてしまうのが抑制され、枢支軸61を円滑に回動させることができる。その結果、枢支軸61の回動を確保するために削り加工する等の高精度の寸法管理が不要となる。
また、枢支軸61を非接触状態で覆うことで、枢支軸61が回転可能かつスライド可能に軸受部35aに収容されることとなる。
また、本実施形態では、レバー60は、上述したように、図6に示す開位置から図8に示す閉位置まで回動するように、ハウジング30に取り付けられている。
そして、レバー60が開位置にある時には、レバー60はハウジング30のレバー装着部35から起立姿勢で立ち上がり、レバー装着部35の前側略半分がハウジング30の上方に開放される(図6参照)。このとき、ハウジング30のケーブル受入部31にケーブル2を挿入できるようになっている。なお、レバー60の操作部62の一端側(レバー60が開位置にある状態において後側)には、傾斜部62aと平坦部62bとで段差が形成されており、レバー60を開方向へ回動させた際には、平坦部62bが連結壁部34fの内側後面34bの上端部に当接するようにしている。すなわち、本実施形態では、連結壁部34fの内側後面34bの上端部によって、レバー60の開方向への回動が規制されるようにしている。
一方、レバー60が閉位置にある時には、当該レバー60は略水平姿勢となりハウジング30のレバー装着部35に収容され、ケーブル受入部31内に挿入したケーブル2をコンタクト40で挟持するようになっている(図8参照)。
コンタクト40は、ハウジング30の幅方向Yに複数並設されており、このコンタクト40は、薄板金属を打抜き加工することで形成されている。
また、コンタクト40は、前方からハウジング30に挿入されて固定保持される(図6〜図8参照)。本実施形態では、ハウジング30には、複数のコンタクト40を収容する収容部36が前後方向Xに貫通するように複数設けられており、各収容部36は、前後方向Xに延在する縦壁部37によって仕切られている。すなわち、本実施形態では、各収容部36は、天壁部32と底壁部33と縦壁部37とで、前後方向Xに貫通するように形成されており、それぞれの収容部36に1つのコンタクト40を前方から挿入するようになっている。
そして、図6に示すように、縦壁部37の後部には、後方に開口する切り欠き37aが形成されており、シート状のケーブル2のケーブル受入部31への挿入が、縦壁部37によって邪魔されないようにしている。また、切り欠き37aの奥部(前後方向前側)に形成される奥壁面37bによって、ケーブル2の前方(挿入方向)への移動が規制されるようにしている。
また、縦壁部37の前部は、L字状に切り欠かれた形状をしており、前後方向X断面視で略ユ字状に形成されている。そして、縦壁部37の前側面37cと底面37dとでレバー装着部35を画成している。このように、本実施形態では、縦壁部37の前部が上述した底壁部34eの一部を形成している。
なお、本実施形態では、縦壁部37の底面37dは、前側壁部34a,34aの底面34c,34cよりも若干上方に位置するように形成されている。すなわち、本実施形態では、幅方向Y両端の軸受部35aが若干深くなるようにレバー装着部35を形成している。
コンタクト40は、図6に示すように、底壁部33近傍で、前後方向Xに延在する棒状の固定側コンタクト部41と、天壁部32近傍で、前後方向Xに延在し、固定側コンタクト部41と上下方向(ハウジング30の厚さ方向:ケーブル2の厚さ方向)Zに対向する棒状の可動側コンタクト部42と、を備えている。そして、固定側コンタクト部41および可動側コンタクト部42は、それぞれの前後方向(長手方向)Xの中間部同士が連結ばね部43によって連結されており、略エ字状に形成されている。
固定側コンタクト部41は、図6に示すように、底壁部33に沿って前後方向X後側(固定側コンタクト部41の一側)に延在する固定側接触部44と、底壁部33に沿って前後方向X前側(固定側コンタクト部41の他側)に延在する端子アーム部45と、を備えている。
そして、固定側接触部44の先端部には、上方(挿入したケーブル2)に向かって突出した固定側接点部44aが形成されており、この固定側接点部44aがケーブル2の導体に接触するようになっている。
また、端子アーム部45の先端部には、下向きに突出したストッパ45aが形成されている。そして、このストッパ45aが、コンタクト40の収容部36への挿入時におけるコンタクト40のハウジング30に対する最大挿入量を規制している。また、このストッパ45aは、コネクタ1を回路基板6に実装させる際の表面実装用の半田付け部を兼ねており、ハウジング30の底壁部33よりも下方に向けて若干突出している。
また、端子アーム部45の先端部には、縦壁部37の底面37d(レバー装着部35の底壁部)よりも上方に突出する略山形の突起部45bが設けられており、開位置にあるレバー60が前後方向X前方へ移動(平行移動)した際に、レバー60が突起部45bに当接するようにしている。このように、突起部45bは、レバー60が外れてしまうのを抑制するストッパとして機能するものである。
また、可動側コンタクト部42は、図6に示すように、天壁部32に沿って前後方向X後側(可動側コンタクト部42の一側)に延在する可動側接触部46と、天壁部32に沿って前後方向X前側(可動側コンタクト部42の他側)に延在するばね部47と、を備えている。さらに、可動側コンタクト部42には、上側中央部に突起部42aが設けられている。
そして、可動側接触部46の先端部には、下方(挿入したケーブル2)に向かって突出した可動側接点部46aが形成されており、この可動側接点部46aがケーブル2の導体に接触するようになっている。
本実施形態では、レバー60が開位置にあるときには、固定側接点部44aと可動側接点部46aとの間の距離が、ケーブル2の厚さとほぼ同一となるようにしている(図6参照)。また、ケーブル2を挿入しない状態でレバー60が閉位置にあるときには、固定側接点部44aと可動側接点部46aとの間の距離が、ケーブル2の厚さよりも小さくなるようにしている。したがって、レバー60が開位置にあるときには、ケーブル2をハウジング30に挿入することができ、レバー60が閉位置にあるときには、固定側接点部44aと可動側接点部46aとがケーブル2を圧接し、コンタクト40がケーブル2を挟持することとなる。
また、ばね部47の下面には、後述するレバー60のカム部64が摺接する略円弧状のカム面47aが形成されており、このカム面47aの前側には、当該カム面47aに連設されてカム部64が摺接可能な前端面47bと、当該前端面47bに連設された水平面47cと、を有する係合突部(互いに係合する凹凸部)47dが形成されている。
さらに、本実施形態では、天壁部32が、可動側接触部46の全てとばね部47の後側略半分を覆うようにしている。また、レバー60が開位置にある状態のときには、ばね部47が天壁部32に接触しない状態となるように、コンタクト40をハウジング30に係止している。すなわち、ばね部47の上面と天壁部32の下面との間に隙間が形成されるようにしている。本実施形態では、可動側コンタクト部42の上側中央部に設けた突起部42aのみが天壁部32に接触するように、コンタクト40を収容部36内に圧入することで、ばね部47が天壁部32に接触しないようにしている。
そして、ばね部47の天壁部32で覆われる部位(ばね部47の根元側:後側)と、ばね部47の天壁部32で覆われない部位(ばね部47の先端側:前側)とのほぼ境界部分の上部に、段差部47eが設けられている。すなわち、図6に示すように、ばね部47は、根元部のほうが先端部よりも厚さが厚くなるように形成されている。
また、連結ばね部43は、ばね性を有しており、弾性的に撓み変形可能となっている。本実施形態では、連結ばね部43は、上方かつ後方に傾斜した状態で固定側コンタクト部41および可動側コンタクト部42を連結している。そして、ばね部47の前端と端子アーム部45の前端とが相対的に開く方向にばね部47を撓み変形させた際には、連結ばね部43が弾性的に撓み変形し、可動側コンタクト部42の可動側接触部46と固定側コンタクト部41の固定側接触部44との間隔が小さくなるようにしている。
また、幅方向Yに複数並設されたコンタクト40の幅方向Y両端には、図9に示すように、コンタクト40とほぼ同形状の保持端子50がそれぞれ取り付けられており、この保持端子50によってハウジング30内に挿入したケーブル2を保持するようにしている(図3参照)。
本実施形態では、コンタクト40の幅方向Y両端の保持端子50は、コンタクト40と同様に、前方からハウジング30の収容部36内に収容されて固定保持される。
この保持端子50は、図9および図10に示すように、底壁部33近傍で、前後方向Xに延在する棒状の固定側保持部51と、天壁部32近傍で、前後方向Xに延在し、固定側保持部51と上下方向(ハウジング30の厚さ方向:ケーブル2の厚さ方向)Zに対向する棒状の可動側保持部52と、を備えている。そして、固定側保持部51および可動側保持部52は、それぞれの前後方向(長手方向)Xの中間部同士が連結ばね部53によって連結されており、略エ字状に形成されている。
固定側保持部51は、図9および図10に示すように、底壁部33に沿って前後方向X後側(固定側保持部51の一側)に延在する固定側保持アーム54と、底壁部33に沿って前後方向X前側(固定側保持部51の他側)に延在する支持アーム55と、を備えている。
そして、固定側保持アーム54の先端部には、上方(挿入したケーブル2)に向かって突出した固定側係合突部54aが形成されており、この固定側係合突部54aがケーブル2の幅方向Y両端に形成された保持孔2cに、下側(裏面側)から挿入されるようになっている。この保持孔2cは、ハウジング30内に挿入した状態におけるケーブル2の固定側係合突部54aおよび後述する可動側係合突部56aと対応する部位に、上下方向(厚さ方向)Zに貫通するように設けられている。
また、支持アーム55の先端部には、下向きに突出したストッパ55aが形成されている。そして、このストッパ55aが、保持端子50の収容部36への挿入時における保持端子50のハウジング30に対する最大挿入量を規制している。
さらに、支持アーム55の先端部には、縦壁部37の底面37d(レバー装着部35の底壁部)よりも上方に突出する略山形の突起部55bが設けられており、開位置にあるレバー60が前後方向X前方へ移動(平行移動)した際に、レバー60が突起部55bに当接するようにしている。このように、突起部55bは、レバー60が外れてしまうのを抑制するストッパとして機能するものである。
また、可動側保持部52は、図9および図10に示すように、天壁部32に沿って前後方向X後側(可動側保持部52の一側)に延在する可動側保持アーム56と、天壁部32に沿って前後方向X前側(可動側保持部52の他側)に延在するばね部57と、を備えている。さらに、可動側保持部52には、上側中央部に突起部52aが設けられている。
また、可動側保持アーム56の先端部には、下方(挿入したケーブル2)に向かって突出した可動側係合突部56aが形成されており、この可動側係合突部56aがケーブル2の保持孔2cに、上側(表面側)から挿入されるようになっている。なお、図3に示すように、ケーブル2の保持端子50に対応する部位には、導体2bは設けられていない。
また、ばね部57の下面には、後述するレバー60のカム部64が摺接する略円弧状のカム面57aが形成されており、このカム面57aの前側には、当該カム面57aに連設されてカム部64が摺接可能な前端面57bと、当該前端面57bに連設された水平面57cと、を有する係合突部57dが形成されている。
なお、図示省略したが、保持端子50もコンタクト40と同様に、天壁部32が、可動側保持アーム56の全てとばね部57の後側略半分を覆うようにしている。また、レバー60が開位置にある状態のときには、ばね部57が天壁部32に接触しない状態となるように、保持端子50をハウジング30に係止している。すなわち、ばね部57の上面と天壁部32の下面との間に隙間が形成されるようにしている。
そして、ばね部57の天壁部32で覆われる部位(ばね部57の根元側:後側)と、ばね部57の天壁部32で覆われない部位(ばね部57の先端側:前側)とのほぼ境界部分の上部に、段差部57eが設けられている。すなわち、図9に示すように、ばね部57は、根元部のほうが先端部よりも厚さが厚くなるように形成されている。
また、連結ばね部53は、ばね性を有しており、弾性的に撓み変形可能となっている。そして、ばね部57の前端と支持アーム55の前端とが相対的に開く方向にばね部57を撓み変形させた際には、連結ばね部53が弾性的に撓み変形し、可動側保持部52の可動側保持アーム56と固定側保持部51の固定側保持アーム54との間隔が小さくなるようにしている。
さらに、本実施形態では、図9に示すように、少なくともレバー60が開位置にあるときには、保持端子50の固定側係合突部54aと可動側係合突部56aとの距離D1を、コンタクト40における固定側接触部44の固定側接点部(先端)44aと可動側接触部46の可動側接点部(先端)46aとの間の距離D2より短く設定している。
そのため、保持端子50の連結ばね部53およびコンタクト40の連結ばね部43がそれぞれ撓んだときには、コンタクト40の可動側接点部46aが導体2bに接触する前に、保持端子50の可動側係合突部56aが保持孔2cに係合するようになる。このように、本実施形態では、コンタクト40の可動側接点部46aを導体2bに接触させる際に、ケーブル2が位置ずれしてしまうのをより確実に抑制できるようになっている。
なお、本実施形態では、コンタクト40における固定側接触部44の固定側接点部(先端)44aと可動側接触部46の可動側接点部(先端)46aとの間の距離D2を、ケーブル2の厚さとほぼ同一となるように設定している。したがって、保持端子50の固定側係合突部54aと可動側係合突部56aとの距離(一対の係合突部間の距離)D1は、ケーブル2の厚さよりも小さくなる。
また、レバー60の一端部には、図1および図2に示すように、コンタクト40および保持端子50にそれぞれ設けたばね部47,57に対応するように、貫通孔63が形成されている。さらに、レバー60の貫通孔63に隣接する位置には、レバー60の回動に伴って回動し、ばね部47,57に設けたカム面47a,57aに摺接するカム部64が形成されている(図6〜図8参照)。
本実施形態では、カム部64は、略円柱状の円形部64aと、当該円形部64aに連設された略直方体状の方形部64bとを備えており、前後方向X断面視で略鍵穴状に形成されている。
また、カム部64は、縦壁部37の底面37d(レバー装着部35の底壁部)と摺接し、レバー60を開閉方向に回動させる際に回動支点(回転支点)となる回動受け面(回転受け部)64cと、レバー60の回動によりコンタクト40および保持端子50のばね部47,57のカム面47a,57aと摺接する当接面(コンタクト当接面および保持端子当接面)64dとを備えている。
さらに、カム部64には、レバー60を全開状態とした際に、縦壁部37の底面37d(レバー装着部35の底壁部)に当接する第1の面64eと、レバー60を全閉状態とした際に、縦壁部37の底面37d(レバー装着部35の底壁部)に当接する第2の面64fと、を備えている。そして、第1の面64eと第2の面64fとのなす角度θ(図7参照)が鋭角となるようにしている。なお、本実施形態では、第1の面64eと第2の面64fとのなす角度θを、約77度に設定している。また、第1の面64eと第2の面64fとの間に、上述したカム部64の回動受け面64cが設けられており、この回動受け面64cは、小さな曲率半径の円弧面として形成されている。なお、本実施形態では、回動受け面64cの曲率半径を、約0.05mmに設定している。
そして、本実施形態では、カム部64は、レバー60が開位置にあるときには、図6に示すように、横方向(前後方向X)に細長くなっており、上下方向Zの寸法が、コンタクト40のばね部47と端子アーム部45との間隔およびばね部57と支持アーム55との間隔よりも小さくなっている。すなわち、レバー60が開位置にあるときには、カム部64とばね部47,57とは、非接触状態となっている。
そして、レバー60を閉方向(図7の矢印A方向)に回動させた際に、カム部64が立ち上がるように回動する途中で、カム部64の上下方向Zの寸法が、ばね部47と端子アーム部45との間隔およびばね部57と支持アーム55との間隔よりも大きくなるようにしている。
すなわち、レバー60を閉方向に回動させると、当該レバー60の回動に伴いカム部64が回動受け面64cを回動支点として回動する。そして、レバー60の閉方向への回動の途中で、当接面64dがばね部47,57のカム面47a,57aに当接し、カム面47a,57aと摺接する。さらに、レバー60を閉方向に回動させると、カム部64は、当接面64dをカム面47a,57aに摺接させながら回動し、ばね部47の先端と端子アーム部45の先端との間隔およびばね部57と支持アーム55との間隔が相対的に開くように、ばね部47,57を弾性的に撓み変形させる。そして、ばね部47,57の撓み変形に伴い、連結ばね部43,53が弾性的に撓み変形することで、コンタクト40は、可動側コンタクト部42の可動側接触部46と固定側コンタクト部41の固定側接触部44との間隔が小さくなるように弾性的に撓み変形し、保持端子50は、可動側保持部52の可動側保持アーム56と固定側保持部51の固定側保持アーム54との間隔が小さくなるように弾性的に撓み変形する。これにより、可動側接点部46aが固定側接点部44a方向に移動し、可動側接点部46aと固定側接点部44aとをケーブル2に圧接させた状態で、ケーブル2とコンタクト40とが導通接続される。また、可動側係合突部56aが固定側係合突部54a方向に移動し、ケーブル2が保持端子50によって保持される。このように、カム部64は、コンタクト40に、当該コンタクト40をケーブル2に圧接させるための押圧力を付加するとともに、保持端子50にケーブル2を保持するための押圧力を付加するようになっている。
なお、本実施形態では、レバー60を開位置から閉位置まで閉方向に回動させた際に、途中までは、カム部64の高さが徐々に高くなるが、所定の回動量を超えると、カム部64の高さが徐々に低くなるようにしている。また、ばね部47,57の弾性復元力によってカム部64が押圧されることでレバー60に働くモーメントの作用方向が、レバー60を開位置から閉位置まで回動させる途中で、開方向から閉方向へと変化するようにしている。
このように、レバー60の回動の途中で、カム部64の回転半径を小さくさせたり、レバー60に働くモーメントの作用方向を開方向から閉方向へと変化させたりすることで、レバー60の操作時にクリック感を与えるようにしている。
さらに、本実施形態では、上述したように、レバー60の開状態で縦壁部37の底面37d(レバー装着部35の底壁部)に当接する第1の面64eと、レバー60の閉状態で縦壁部37の底面37d(レバー装着部35の底壁部)に当接する第2の面64fとのなす角度θが鋭角となるようにカム部64の回動受け面(回転受け部)64cを形成している。したがって、カム部64をより幅狭にすることができ、レバー60を回転させ易くすることができるようになる。このように、レバー60を回転させ易くすることで、所定の回動量を過ぎてレバー60に働くモーメントの作用方向が開方向から閉方向に変わった時に、従来よりレバー60を閉方向に迅速に回動させることができる分、レバー操作のクリック感を増大させることができるようにしている。
また、回動受け面(回転受け部)64cを、第1の面64eと第2の面64fとを結合する円弧状に形成することで、よりスムーズにレバー操作することができるとともに、レバー操作により回動受け面(回転受け部)64cが削られてしまうのを抑制できるようにしている。
なお、閉方向から開方向への回動の際にも、同様のクリック感を与えることができるようになっている。
また、本実施形態では、カム部64の円形部64aには、図6および図11に示すように、係合突部47d,57dに係合する係合凹部(互いに係合する凹凸部)64gが形成されている。この係合凹部64gは、係合突部47d,57dの前端面47b,57bと当接可能な側面64hと、係合突部47d,57dの水平面47c,57cと当接可能な円弧面64iとで形成されている。そして、前端面47b,57bと側面64hとが当接するとともに、水平面47c,57cと円弧面64iとが当接することで、係合突部47d,57dと係合凹部64gとを係合させるようにしている(図12参照)。
すなわち、本実施形態では、係合突部47d,57dの前端面47b,57bがレバー60の前方への移動を規制し、係合突部47d,57dの水平面47c,57cがレバー60の上方への移動を規制している。なお、前端面47b,57bと側面64hおよび水平面47c,57cと円弧面64iを互いに面接触させるように構成してもよい。こうすれば、係合突部47d,57dと係合凹部64gとの係合度合いをより一層高めることができる。
ところで、本実施形態では、ばね部47,57とカム部64とに、互いに係合する凹凸部(係合突部47d,57dと係合凹部64g)を設けているが、この係合突部47d,57dと係合凹部64gは、通常のレバー60の開閉操作では係合しないようになっている(図6参照)。
そして、レバー60の開閉操作時や非使用状態(ケーブル2を挿入していない状態)のとき等に、開状態のレバー60に前方への荷重がかかり、レバー60が開状態のまま前方かつ上方へ移動(レバー60がコンタクト40に対して外れる方向へ相対移動)して略山形の突起部45b,55bを乗り越えてしまった場合に、係合突部47d,57dと係合凹部64gとを係合させてレバー60がハウジング30から外れてしまうのを抑制するようにしている(図11および図12参照)。
このように、すでに係合させた状態でレバー60のハウジング30からの外れを抑制するのではなく、過度の負荷がかかってレバー60が外れ方向へ相対移動した際に係止させるようにすることで、レバー60の外れ阻止効果の信頼性が高まる上、単なる係止ではなく凹凸部(係合突部47dと係合凹部64g)によって互いに係合させることで、レバー60がハウジング30から外れてしまうのをより一層抑制できるようにしている。
また、開状態のレバー60に前方へ荷重がかかった場合に、係合突起47dの前端面47bと係合凹部64gの側面64hとによってレバー60の前方への移動を規制するとともに、水平面47cと円弧面64iによってレバー上方への移動を規制することで、レバー60の外れ阻止効果がより一層高まるようにしている。
かかる構成のレバー60のハウジング30への取り付けは、以下のようにして行われる。
まず、レバー60の貫通孔63にばね部47,57の前端を挿通させるとともに、ばね部47の前端と端子アーム部45の前端との間およびばね部57の前端と支持アーム55の前端との間、すなわち、水平面47cと突起部45bとの間および水平面57cと突起部55bとの間から、カム部64を挿入させる。
そして、レバー60の幅方向Y両端の枢支軸61をハウジング30の幅方向Y両端の軸受部35aに載置するとともに、保持金具70を連結壁部34fに取り付けることで、レバー60が、ハウジング30のレバー装着部35に開閉(回動)可能に取り付けられる。
なお、本実施形態では、レバー60が開位置にあるときに、カム部64を横方向(前後方向X)に細長くすることで、貫通孔63にばね部47,57の前端を挿通させる際、すなわち、貫通孔63をばね部47,57の前端に対向させた状態のときに、水平面47c,57cと突起部45b,55bとの間に対向するカム部64の厚さが小さくなるようにしている。そのため、水平面47c,57cと突起部45b,55bとの間から、カム部64を挿入する際に、大きな力で圧入させる必要がなくなり、容易にカム部64を挿入させることができる。
次に、レバー60を閉じる際のコンタクト40および保持端子50の動作を図6〜図10に基づいて説明する。
まず、レバー60が開位置にあるときには、図6に示すように、可動側コンタクト部42のばね部47は、ハウジング30の天壁部32に近接しているが天壁部32とは接触していない。すなわち、可動側コンタクト部42のばね部47と天壁部32とが、隙間を有して離れた状態となっている。このとき、レバー60のカム部64とばね部47のカム面47aとは、非係合の状態となっている。また、図示省略したが、可動側保持部52のばね部57も同様の状態となっている。すなわち、可動側保持部52のばね部57と天壁部32とが、隙間を有して離れた状態となっているとともに、レバー60のカム部64とばね部57のカム面57aとは、非係合の状態となっている。
次に、ケーブル2をハウジング30内に挿入する。このとき、コンタクト40における固定側接触部44の固定側接点部(先端)44aと可動側接触部46の可動側接点部(先端)46aとの間の距離D2が、ケーブル2の厚さとほぼ同一であるため、ケーブル2とコンタクト40との間に摩擦力が生じるのが抑制され、ケーブル2をハウジング30内にスムーズに挿入することができる。また、保持端子50の固定側係合突部54aと可動側係合突部56aとの距離(一対の係合突部間の距離)D1は、ケーブル2の厚さよりも小さいため、ケーブル2をハウジング30内に挿入した際には、固定側係合突部54aおよび可動側係合突部56aがケーブル2の表裏面から保持孔2cに挿入されることとなる。これにより、保持端子50によってケーブル2が仮保持される。したがって、レバー60が開位置にある状態であっても、ケーブル2が外れてしまうのが抑制される。なお、本実施形態では、保持端子50をコンタクト40の幅方向Y両端に1つずつ設けることで、ケーブル2と保持端子50との間に生じる摩擦力の増加を極力抑制し、ケーブル2のハウジング30内へのスムーズな挿入が保持端子50によって阻害されるのを極力抑制できるようにしている。
そして、ケーブル2をハウジング30内に挿入した状態で、レバー60を矢印Aで示す時計方向に回動すると、コンタクト当接面64dが、図7に示すように、ばね部47のカム面47aに当接し、カム面47aと摺接する。さらに、レバー60を閉方向に回動させると、カム部64は、コンタクト当接面64dとカム面47aとを摺接させながら回動し、コンタクト40のばね部47の先端と端子アーム部45の先端との間隔が相対的に開くように、ばね部47を弾性的に撓み変形させる。なお、レバー60の閉方向への回動の途中で、ばね部47の略中間部が天壁部32に接触する。また、保持端子50においても同様の動作が行われ、レバー60の閉方向への回動の途中で、撓み変形したばね部57は、略中間部が天壁部32に接触することとなる。
そして、ばね部47の撓み変形に伴い、連結ばね部43が弾性的に撓み変形する。このように、ばね部47および連結ばね部43を撓ませることで、コンタクト40は、可動側コンタクト部42の可動側接触部46と固定側コンタクト部41の固定側接触部44との間隔(可動側接点部46aと固定側接点部44aとの距離)が小さくなるように弾性的に撓み変形する。すなわち、可動側接点部46aが固定側接点部44a方向に移動する。その結果、ケーブル2は、可動側接点部46aと固定側接点部44aとが圧接した状態で、コンタクト40に導通接続される。
このとき、保持端子50においては、図10に示すように、ばね部57および連結ばね部53を撓ませた際に、可動側保持部52の可動側保持アーム56と固定側保持部51の固定側保持アーム54との間隔(可動側係合突部56aと固定側係合突部54aとの距離D1)が小さくなるように弾性的に撓み変形する。その結果、可動側係合突部56aおよび固定側係合突部54aが保持孔2cにケーブル2の表裏面側からより一層挿入された状態となる。すなわち、可動側係合突部56aおよび固定側係合突部54aと保持孔2cとの係合度合いがより一層増大し、保持端子50がケーブル2をしっかりと保持することとなる。このように、本実施形態では、可動側係合突部56aおよび固定側係合突部54aをケーブル2の表裏両面側から保持孔2cに挿入することで、保持端子50がケーブル2を保持しているため、ケーブル2の厚さのばらつきや外力がケーブル2に作用した場合でも、ケーブル2が容易に抜けないようにしている。すなわち、本実施形態では、ケーブル2がコネクタ1から外れてしまうのを抑制することができるようになっている。
このように、本実施形態では、保持端子50の形状をコンタクト40の形状とほぼ同様の形状とし、レバー60の回動によって、可動側係合突部56aおよび固定側係合突部54aとの間の距離(一対の係合突部間の距離)D1が変化するようにしている。すなわち、レバー60の回動によって、保持孔2cへの可動側係合突部56aおよび固定側係合突部54aの係合が行われるようにしている。こうして、保持端子50によるケーブル2の保持のための操作をコンタクト40の導通接続と別個に行う必要をなくし、コネクタ1の操作性の向上を図っている。
ここで、本実施形態では、レバー60を閉方向に回動させ、ばね部47,57の全体を天壁部32の方向に撓ませる際に、レバー60の閉方向への回動の途中で、ばね部47,57の略中間部が天壁部32に接触するようにしている。
さらに、レバー60を閉方向にさらに回動させた際には、ばね部47,57の略中間部が天壁部32に接触したまま、レバー60が閉位置まで回動するようにしている。すなわち、本実施形態では、レバー60を閉方向に回動させ、可動側接点部46aと固定側接点部44aとをケーブル2に圧接させた状態で、ばね部47の略中間部が天壁部32に接触するようにしている(図8参照)。また、図示省略したが、保持端子50も、コンタクト40と同様に、レバー60を閉方向に回動させ、保持端子50がケーブル2を保持した状態で、ばね部57の略中間部が天壁部32に接触するようにしている。
さらに、本実施形態では、図7および図8に示すように、ばね部47,57の略中間部に設けた段差部47e,57e近傍の根元側が天壁部32に接触するようにしている(図7および図8では、コンタクト40を示しているが、保持端子50も同様である)。すなわち、ばね部47,57が天壁部32に接触した後には、段差部47e,57eよりも先端側の厚さが薄い部分が上方に撓み変形するようにしている。
以上説明したように、本実施形態では、レバー60を閉方向に回動させ、ばね部47の全体を天壁部32の方向に撓ませる際に、レバー60の閉方向への回動の途中で、ばね部47の略中間部が天壁部32に接触するようにした。
ところで、図13に示すように、レバー60を閉方向に回動させ、ばね部47の全体を天壁部32の方向に撓ませたときに、ばね部47が天壁部32に接触しないと、ばね部47および可動側接触部46の撓みによる応力が、連結ばね部43に集中してしまい、連結ばね部43がへたってしまうおそれがある。なお、保持端子50においても同様に、連結ばね部53がへたってしまうおそれがある。
しかしながら、本実施形態のように、レバー60の閉方向への回動の途中で、ばね部47の略中間部を天壁部32に接触させれば、可動側コンタクト部42が撓んだ際に、コンタクト40の撓みによって生じる応力を、ばね部47の天壁部(ハウジング30内壁)32との接触部位にも集中させることができるようになる。その結果、連結ばね部43にかかる応力を分散することができ、可動側コンタクト部42と固定側コンタクト部41とを連結する連結ばね部43への局所的な応力集中が減少し、連結ばね部43がへたってしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、レバー60を閉方向に回動させ、可動側接点部46aと固定側接点部44aとをケーブル2に圧接させた状態、すなわち、ケーブル2をコネクタ1に取り付けた状態においても、ばね部47の略中間部が天壁部32に接触するようにしている。
したがって、コネクタ1の使用時(レバー60を閉位置まで回動させてケーブル2を圧着させた状態のとき)においても、連結ばね部43にかかる応力を分散することができるため、コネクタ1の製品寿命を向上させることができる。
また、本実施形態では、ばね部47の略中間部に設けた段差部47e近傍の根元側が天壁部32に接触するようにしており、ばね部47が天壁部32に接触した後には、段差部47eよりも先端側の厚さが薄い部分が上方に撓み変形するようにしている。
このように、段差部47e,57eを基点としてばね部47,57を撓ませることで、より効率的に応力をばね部47,57に集中させることができる。したがって、連結ばね部43,53がへたってしまうのをより一層抑制することができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、ばね部や連結ばね部の形状は、上記実施形態で例示したものには限定されず、種々の形状とすることができる。
また、ハウジングやレバー、カム部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。