JP4950453B2 - カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents
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Description
液晶ディスプレイのカラー画像は、カラーフィルタを通過した光がそのままカラーフィルタを構成する各画素の色に着色されて、それらの色の光を合成して形成される。そして、通常、R、G、及びBの三色の画素でカラー画像を形成している。
このことは、近時、カラーフィルタにおいては、画素サイズの許容度が小さくなってきているので、画素サイズの変動は大きな問題となる。特に、前記画素サイズの変動はブラックマトリックス、スペーサーなどを形成する場合に大きな問題になり、その速やかな解決が望まれているのが現状である。
<1> 基材の表面に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性組成物をスリットコーター塗布して感光層を形成する感光層形成工程と、
光照射手段からの光を受光してパターン情報に基づいて変調する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させ、前記光変調手段により変調された光を、結像手段と、焦点調節手段とを介して前記感光層の被露光面上に結像させる際の焦点を自動的に合わせながら露光を行う露光工程と、を少なくとも含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。該<1>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、スリットコーター塗布にとり形成された感光層を、いわゆるオートフォーカスを行いながらマスクレスデジタル露光することにより、従来の一括露光方式に比べ、画素サイズ変動が小さい画素を効率よく形成でき、高高精細なカラーフィルタを製造することができる。
<2> スリットコーター塗布の方向と、露光ヘッドの走査方向とが相対的に異なる前記<1>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<3> スリットコーター塗布の方向と、露光ヘッドの走査方向とが直交する前記<1>から<2>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 露光が、結像手段の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて、光変調手段により変調された光が結像され、
感光層の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように向けられて行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。該<4>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、前記露光が、前記結像手段の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて、前記光変調手段により変調された光が結像され、前記感光層の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように向けられて行われるため、光学性能の良い領域に選択的に照射された光が結像され、焦点位置が適切な位置に調整される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。
<5> 結像手段が、長辺の長さが短辺の長さの2倍以上の略矩形状の領域において、光変調手段により変調された光を結像する前記<1>から<4>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<6> 焦点調節手段が、光変調手段により変調された光の光軸方向の厚さが変化するように形成されたくさび型プリズムペアを有し、
前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムを移動することによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点を調節する前記<1>から<5>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> 焦点調節手段が、結像光学系を構成する光学部材と、ピエゾ素子とを有し、
前記光学部材を前記ピエゾ素子により移動させることによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点を調節する前記<1>から<6>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。該<7>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、前記光学部材を前記ピエゾ素子により移動させることによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点が調節されるため、焦点方向に対して垂直な方向への微小変位を抑制でき、高ビーム位置精度を保ちながら、極めて高精度に焦点位置が調整される。
<8> 結像手段が、光変調手段により変調された光の光軸に対し、前記光軸を中心に回転可能なレンズ、及び前記光軸に対して垂直方向に移動可能レンズのいずれかにより構成されてなる前記<1>から<7>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<9> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<1>から<8>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<10> 光照射手段が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を出射する前記<1>から<9>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<11> 光照射手段が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を一端から入射し、入射したレーザ光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねたバンドル状のファイバ光源である前記<1>から<9>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<12> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<1>から<11>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<13> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを平行光化して集光し、前記マルチモード光ファイバの入射端面に収束させる光源集光光学系とを有する前記<1>から<12>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<14> 照度が100mW/cm2以上の光源を用いて露光する前記<1>から<13>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<15> 基材の大きさが、500mm×500mm以上である前記<1>から<14>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<16> 感光性組成物が、少なくとも、黒色(K)に着色されている前記<1>から<15>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<17> 少なくとも、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色された感光性組成物を用いて、基材の表面に所定の配置で、R、G及びBの各色毎に、順次、感光層形成工程、及び露光工程を繰り返してカラーフィルタを形成する前記<1>から<15>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<18> 赤色(R)着色に少なくとも顔料C.I.ピグメントレッド254を、緑色(G)着色に顔料C.I.ピグメントグリーン36及び顔料C.I.ピグメントイエロー139の少なくともいずれかの顔料を、並びに、青色(B)着色に少なくとも顔料C.I.ピグメントブルー15:6を用いる前記<17>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<19> 赤色(R)着色に顔料C.I.ピグメントレッド254及び顔料C.I.ピグメントレッド177の少なくともいずれかの顔料を、緑色(G)着色に顔料C.I.ピグメントグリーン36及び顔料C.I.ピグメントイエロー150の少なくともいずれかの顔料を、並びに、青色(B)着色に顔料C.I.ピグメントブルー15:6及び顔料C.I.ピグメントバイオレット23の少なくともいずれかの顔料を用いる前記<17>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<20> 前記<1>から<19>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタである。
<21> 前記<20>に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、感光層形成工程と、露光工程とを少なくとも含んでなり、現像工程、更に必要に応じて適宜選択されたその他の工程を含んでなる。
本発明のカラーフィルタは本発明の前記カラーフィルタの製造方法により製造される。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の説明を通じて、本発明のカラーフィルタの詳細についても明らかにする。
前記感光層形成工程は、基材の表面に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性組成物をスリットコーター塗布して感光層を形成する工程であり、更に適宜選択されたその他の層を形成する工程である。
前記感光層形成工程としては、前記感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより、基材の表面に、少なくとも、感光層を形成し、更に、適宜選択されたその他の層を形成する工程が挙げられる。
前記スリットコーター塗布に用いるスリットコーターとしては、具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報、特開2001−310152号公報、特開2001−62370号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーター装置、株式会社ヒラノテクシードや東京応化株式会社から市販されている装置が好ましく用いられる。
スリットコーター塗布の際には、スリットノズル先端とガラス基板の距離は一定に保たれる。その結果、基材(支持体)上に一定の塗布厚みの感光層が形成される。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記その他の層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層上に塗布する方法、シート状に形成されたその他の層を積層する方法などが挙げられる。
前記支持体を剥離することにより、支持体による光の散乱や屈折の等影響により、感光性組成物層上に結像させる像にボケ像が生じることが防止され、所定のパターンが高解像度で得られる。
なお、前記感光性フィルムが、後述する保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基材に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01〜1.0MPaが好ましく、0.05〜1.0MPaがより好ましい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、特開2005−70767号公報の段落番号〔0151〕に記載の組合せや、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂層(以下、「クッション層」と称することもある)は、アルカリ現像を可能とし、また、転写時にはみ出した該熱可塑性樹脂層により被転写体が汚染されるのを防止可能とする観点からアルカリ可溶性であることが好ましく、前記感光性転写材料を被転写体上に転写させる際、該被転写体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を効果的に防止するクッション材としての機能を有していることが好ましく、該感光性転写材料を前記被転写体上に加熱密着させた際に該被転写体上に存在する凹凸に応じて変形可能であるのがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂層の乾燥厚みは、2〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、7〜16μmが特に好ましい。
前記中間層は、前記感光層上に設けられ、前記感光性転写材料が熱可塑性樹脂層を有する場合には該感光層と該熱可塑性樹脂層との間に設けられる。該感光層と該熱可塑性樹脂層との形成においては、有機溶剤を用いるため、該中間層がその間に位置すると、両層が互いに混ざり合うのを防止することができる。
前記中間層の材料としては、公知のものを使用することができ、例えば、特開昭46−2121号公報及び特公昭56−40824号公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも親水性高分子を使用するのが好ましく、該親水性高分子の中でも、少なくともポリビニルアルコールを使用するのが好ましく、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの併用が特に好ましい。
前記ポリビニルピロリドンを使用する場合、その含有量としては、該中間層の固形分に対し、1〜75体積%が好ましく、1〜60体積%がより好ましく、10〜50体積%が特に好ましい。
前記含有量が、1体積%未満であると、前記感光層との十分な密着性が得られないことがあり、一方、75体積%を超えると、酸素遮断能が低下してしまうことがある。
前記厚みが、0.1μm未満であると、酸素透過性が高過ぎてしまうことがあり、5μmを超えると、現像時や中間層除去時に長時間を要することがある。
前記感光層形成工程で形成される感光層(カラーレジスト層又は、セル内構造用レジスト層)としては、少なくともバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含み、更に必要に応じて適宜選択されるその他の成分を含む感光性組成物を用いてなる。カラーフィルタを作製する場合は着色剤を含有することが好ましい。
以下に、カラーフィルタを構成する場合の感光層の構成成分の例を示すが、これに限定されることはなく、スペーサーや液晶配向制御用突起も作製可能である。
前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性水溶液に対して膨潤性であるのが好ましく、アルカリ性水溶液に対して可溶性であるのがより好ましい。
アルカリ性水溶液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調製の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記含有量が5質量%未満であると、アルカリ現像性が低下することがあり、80質量%を超えると、現像時間に対する安定性が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記酸価が、70mgKOH/g未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、パターンを高精細に得ることができないことがあり、250mgKOH/gを超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、パターンを高精細に得ることができないことがある。
前記エポキシアクリレート化合物の分子量は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましい。該分子量が1,000未満であると、感光層表面のタック性が強くなることがあり、後述する感光層の硬化後において、膜質が脆くなる、あるいは、表面硬度が劣化することがあり、200,000を超えると、現像性が劣化することがある。
更に、特開昭50−59315号公報記載のヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレートとポリカルボン酸無水物及びエピハロヒドリンのいずれかとの反応物などを用いることができる。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記重合性化合物と前記バインダーの比率は、質量比で、重合性化合物/バインダー=0.5〜1.5が好ましく、0.6〜1.2がより好ましく、0.65〜1.1が特に好ましい。この範囲を超えると、現像時に残渣が生じるなどの問題が生じることがあり、この範囲未満では、完成したカラーフィルタの耐性が低下することがある。
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記特開昭53−133428号公報に記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の特に好ましい例としては、後述する露光において、波長が405nmのレーザ光に対応可能である、前記ホスフィンオキサイド類、前記α−アミノアルキルケトン類、前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物と後述する増感剤としてのアミン化合物とを組合せた複合光開始剤、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、あるいは、チタノセンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、前記重合性化合物との質量比で表すと、光重合開始剤/重合性化合物=0.01〜0.2が好ましく、0.02〜0.1がより好ましく、0.03〜0.08が特に好ましい。この範囲を超えると、現像残渣が生じたり、析出故障が生じるという問題があり、この範囲未満であると、十分な感度が得られないことがある。
前記増感剤は、後述する光照射手段としての可視光線や紫外光・可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料、染料などが挙げられる。
これら着色剤と別に又は併用して、着色剤として金属イオンを配位した樹状分岐分子、並びに金属粒子及び合金粒子の少なくともいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子から選ばれるいずれかの樹状分岐分子を含有することも可能である。
ここで、前記(i)におけるC.I.ピグメントレッド254の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥の厚みで塗布した場合において、0.274〜0.335g/m2であることが好ましく、0.280〜0.329g/m2であることがより好ましく、0.290〜0.320g/m2であることが特に好ましい。
前記(ii)におけるC.I.ピグメントグリーン36の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.355〜0.437g/m2であることが好ましく、0.364〜0.428g/m2であることがより好ましく、0.376〜0.412g/m2であることが特に好ましい。
前記(ii)におけるC.I.ピグメントイエロー139の含有量は、0.052〜0.078g/m2であることが好ましく、0.060〜0.070g/m2であることがより好ましく、0.062〜0.068g/m2であることが特に好ましい。なお、(ii)において、C.I.ピグメントグリーン36/C.I.ピグメントイエロー139比率は、5.4〜6.7であることが好ましく、5.6〜6.6がより好ましく、5.8〜6.4が特に好ましい。
前記(iii)におけるC.I.ピグメントブルー15:6の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.28〜0.38g/m2あることが好ましく、0.29〜0.36g/m2であることがより好ましく、0.30〜0.34g/m2であることが特に好ましい。
前記(I)におけるC.I.ピグメントレッド177の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.10〜0.30g/m2であることが好ましく、0.20〜0.24g/m2であることがより好ましく、0.21〜0.23g/m2であることが特に好ましい。
前記(II)におけるC.I.ピグメントグリーン36の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.80〜1.45g/m2であることが好ましく、0.90〜1.34g/m2であることがより好ましく、0.95〜1.29g/m2であることが特に好ましい。
前記(II)におけるC.I.ピグメントイエロー150の含有量は、0.30〜0.65g/m2であることが好ましく、0.38〜0.58g/m2であることがより好ましい。なお、(II)において、C.I.ピグメントグリーン36/C.I.ピグメントイエロー150比率は、0.40〜0.50であることが好ましい。
前記(III)におけるC.I.ピグメントブルー15:6の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.50〜0.75g/m2であることが好ましく、0.59〜0.67g/m2であることがより好ましく、0.60〜0.66g/m2であることが特に好ましい。
前記(III)におけるC.I.ピグメントバイオレット23の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.03〜0.10g/m2あることが好ましく、0.06〜0.08g/m2であることがより好ましく、0.066〜0.074g/m2であることが特に好ましい。なお、(III)において、C.I.ピグメントブルー15:6/C.I.ピグメントバイオレット23比率は、12〜50であることが好ましい。
前記顔料の前記含有量が、高い光学濃度を必要とする場合に30質量%未満であると、単位厚みあたりの光学濃度が不十分で所望の光学濃度を達成するために膜を厚くしなければならないことがあり、60質量%を超えると、露光部と未露光部の現像液に対する溶解性の差を出すことが困難になることがある。
前記感光性組成物には、その他の成分として、例えば、熱架橋剤、可塑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、熱重合禁止剤等の成分を含有してもよい。
前記メラミン樹脂化合物としては、例えば、アルキル化メチロールメラミン、ヘキサメチル化メチロールメラミンなどが挙げられる。
前記エポキシ化合物、前記オキセタン化合物、及びこれらとカルボン酸との熱硬化を促進可能な化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、通常0.01〜15質量%である。
前記イソシアネート基ブロック剤としては、イソプロパノール、tert.−ブタノール等のアルコール類;ε−カプロラクタム等のラクタム類、フェノール、クレゾール、p−tert.−ブチルフェノール、p−sec.−ブチルフェノール、p−sec.−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等のフェノール類;3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等の複素環式ヒドロキシル化合物;ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等の活性メチレン化合物;などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
更に、前記界面活性剤としては、次式、C8F17SO2N(R1)CH2CH2O(CH2CH2OnR2)で表されるフッ素系界面活性剤が好適に挙げられる。
ただし、式中、R1及びR2は、各々水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜30の整数を表す。
前記R1としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好適に挙げられ、前記R2としては、水素原子が好適に挙げられる。
前記nとしては、10〜25が好ましく、10〜20がより好ましい。
前記式で表される界面活性剤の具体例としては、メガファックF−141(n=5)、F−142(n=10)、F=143(n=15)、F−144(n=20)(いずれも商品名:大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
Rf1−X−(CH2CH2O)nR1・・・(1)
Rf1−X−(CH2CH2O)nR2・・・(2)
Rf1−X−(CH2CH2O)n(CH2CH2CH2O)mR1・・・(3)
Rf1−X−(CH2CH2O)n(CH2CH2CH2O)mRf2・・・(4)
前記アルキル基としては、飽和アルキル基、不飽和アルキル基が挙げられる。
前記アルキル基の構造としては、直鎖構造、分岐構造を有するものが挙げられ、これらの中でも分岐構造を有するものが好適に挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オタタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、2−クロロエチル基、2−プロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−プロモプロピル基などが挙げられる。また、これらのアルキル基は、ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキル若しくはハロアルキルで置換されていてもよいアリール基、アミド基等で置換されていてもよい。
前記式(1)〜(4)において、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18、好ましく2〜12、より好ましくは4〜10のパーフルオロ基を表す。
前記パーフルオロ基としては、飽和パーフルオロ基、不飽和パーフルオロ基が挙げられる。
前記パーフルオロ基の構造としては、直鎖構造、分岐構造を有するものが挙げられ、これらの中でも分岐構造を有するものが好適に挙げられ、前記Rf1及びRf2の少なくともいずれかが、分岐構造を有するものがより好適に挙げられる。
前記パーフルオロ基としては、例えば、パーフルオロノネニル、パーフルオロメチル、パーフルオロプロピレン、パーフルオロノニネル、パーフルオロ安息香酸、パーフルオロプロピレン、パーフルオロプロピル、パーフルオロ(9−メチルオクチル)、パーフルオロメチルオクチル、パーフルオロブチル、パーフルオロ3−メチルブチル、パーフルオロヘキシル、パーフルオロクチル、パーフルオロ7−オクチルエチル、フルオロヘプチル、パーフルオロデシル、パーフルオロブチルなどが挙げられる。また、これらのパーフルオロ基は、ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキル若しくはハロアルキルで置換されていてもよく、アリール基、アミド基等で置換されていてもよい。
前記Rf1及びRf2は互い同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記式(1)〜(4)において、nは、1〜40の整数、好ましくは4〜25の整数を表す。
前記式(1)〜(4)において、mは、0〜40の整数、好ましくは0〜25の整数を表す。
前記式(1)〜(4)において、−X−は、−(CH2)l−(lは1〜10、好ましくは、1〜5の整数を表す)、−CO−O−、−O−、−NHCO−、−NHCOO−のいずれかを表す。
前記式(5)において、R3,R4,R5は水素原子、又はメチル基を表し、a,b,c,p,qは任意の正数を表し、必要に応じて適宜選ばれるが、例として、a=50、b=c=25、p=q=10等が挙げられる。r,sは任意の正の整数を表し、必要に応じて適宜選ばれるが、例として、r=2、s=6等が挙げられる。CrH2r、CsF2s+1としては、r、sが3以上のとき、直鎖構造、分岐構造のいずれもが含まれる。前記式(5)で表される界面活性剤の具体例としては、メガファックF−780F(a=40、b=5、c=55、r=2、s=6、p=q=7;大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
前記式(1)〜(5)で表される界面活性剤は、1種単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、感光性組成物の全成分に対し、0.0001〜10質量%が好ましく、0.0005〜5質量%がより好ましく、0.001〜1質量%が特に好ましい。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメトル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリンなどが挙げられる。
なお、感光性組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましく、1.2〜10質量%が特に好ましい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどが好適に挙げられる。これらの溶剤は、単独又2種以上の組合せで用いることができる。
前記感光性組成物の調製時における前記溶剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性組成物の全固形分濃度が5〜80質量%となるように添加されることが好ましく、10〜60質量%となるように添加されることがより好ましく、15〜50質量%となるように添加されることが特に好ましい。
前記感光層の厚みが0.3μm未満であると、感光層用塗布液の塗布時にピンホールが発生しやすく、製造適性が低下することがあり、10μmを超えると、現像時に未露光部を除去するのに長時間を要することがある
前記感光層形成工程で用いられる前記基材としては、特に制限はなく、公知の材料の中から表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を有するものまで、目的に応じて適宜選択することができ、板状の基材(基板)が好ましく、具体的には、ガラス板(例えば、ソーダガラス板、酸化ケイ素をスパッタしたガラス板、無アルカリガラス板、石英ガラス板等)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記基材の大きさは、スリットコーター塗布を採用したことによって大サイズの基材を用いることが可能となり、500mm×500mm以上が好ましく、1000mm×1000mm以上がより好ましい。
前記露光工程は、基材の表面に、バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び着色剤を含む感光性組成物をスリットコーター塗布して感光層を形成する感光層形成工程と、
光照射手段からの光を受光してパターン情報に基づいて変調する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させ、前記光変調手段により変調された光を、結像手段と、焦点調節手段とを介して前記感光層の被露光面上に結像させる際の焦点を自動的に合わせながら(いわゆる「オートフォーカス」を行いながら)露光を行う工程であり、該露光はマスクレス露光である。
本発明の露光方法においては、被露光面に対して露光ヘッドが相対走査する方向を「露光ヘッドの走査方向」という。
本発明のマスクレス露光は、露光ヘッドの走査方向とスリットコーター塗布の方向が互いに交差する方向であることが好ましい。交差する方向は特に指定はしないが、スリットコーターの塗布方向と露光ヘッドの走査方向を直交するように配置すると画素サイズ変動を非常に小さくすることが可能であるため、特に好ましい。
これに対し、マスクを用いた従来の露光方法は、露光光を透過させない材質、又は露光光を弱めて透過させる材質でパターンを形成してなるマスクを、前記感光層の被露光面上の光路に配置して露光を行う方法である。
また、前記レーザ光の光エネルギー量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、露光時間の短縮と解像度の観点から、1〜100mJ/cm2が好ましく、5〜20mJ/cm2がより好ましい。
前記露光は複数の空間変調デバイスを組み込んだレーザーヘッドを幅方向に複数個並べた露光部を有する装置、又はレーザー光を基板の幅方向に走査する装置を用いることが好ましい。
この装置ではレーザーヘッドが並んだ方向、又はレーザー光を走査する方向と直角方向に基板を搬送しながら、あるいは静止した基板上をこの方向にレーザーヘッドを移動しながら露光することが好ましい。
ここで、複数のレーザーヘッドが並んだ方向、又はレーザー光を走査する方向を主走査方向、これと直角方向、即ち基板とレーザーヘッドが相対的に移動する方向を副走査方向と称する。
露光光の焦点位置は、記録材料に細線状の画像を形成したとき、最も線幅が小さくなるような位置に合わせることが好ましい。この位置は記録材料や基板の種類により異なり、一概には規定できないが、感光層の表面、又は該感光層の厚み方向の中央部であることが多い。
この場合、前記光源の照度は100mW/cm2以上が好ましく、20mW/cm2以上がより好ましい。前記照度が10mW/cm2未満であると、感光層の硬化が不十分になるため画素部の厚みが変動し、ディスプレイの表示品位が低下する場合がある。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とにより合波レーザ光を合成し、照射する方法が挙げられる。
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基板としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、及び制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。更に、Grating Light Valve(GLV)を複数並べて二次元状に構成したものを用いることもできる。これらの反射型空間光変調素子(GLV)や、透過型空間光変調素子(LCD)を使用する構成においては、前記光源として、レーザのほかにランプ等を使用することができる。
これらの空間光変調素子の中でもDMD、及びミラー階調型空間変調素子がより好適に挙げられ、DMDが特に好適に挙げられる。
前記デジタル露光の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターン情報に基づいて生成される制御信号に応じて変調されたレーザ光を用いて行われることが好適である。
更に、前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短時間、かつ高速露光を可能とする観点から、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行うことが好ましく、前記デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)と併用されることが特に好ましい。
また、前記露光空間を密封空間として、減圧下で該密封空間内に不活性ガスを導入することも可能である。
前記不活性ガスとしては、酸素の影響により前記感光層の重合反応が阻害されることを防止できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられる。
前記オートフォーカスは、公知のオートフォーカス機能を有する露光装置を用いて行われる。
このようなオートフォーカス機能付きの露光装置としては、例えば、ウエハの各ショット領域内の所定の計測点のフォーカス位置(投影光学系の光軸方向の位置)の結像面からのデフォーカス量を検出するための焦点位置検出センサー(以下、「AFセンサー」という)と、Zステージの高さを制御して、そのデフォーカス量を許容範囲内に収めるためのサーボ系とから構成されている露光装置、以下に説明する焦点位置精度の補正方法を備えた露光装置、などが挙げられる。
前記「AFセンサー」の内で、斜入射方式の検出装置では、露光フィールド内の所定の計測点に斜めに投射されたスリットパターン像を受光部で再結像し、ウエハの表面のフォーカス位置が変化すると、その再結像されたスリットパターン像の位置が変化することから、その計測点でのフォーカス位置を検出するものである。
例えば、特許第3305448号公報に記載の、所定形状の可変の照明領域に対して転写用のパターンが形成されたマスクを所定の方向に走査するマスクステージと、このマスクステージに同期して感光性の基板を所定の方向に走査する基板ステージとを有し、マスクのパターンを逐次基板上に露光する走査型の露光装置に設けられ、基板の露光面を所定の基準面に合わせ込むための装置であって、基板ステージに設けられ、基板の露光面の所定の近似平面をその所定の基準面に合わせ込む面設定手段と、マスクのパターンの露光領域及びこの露光領域に対して走査方向に手前側の領域よりなる計測領域内の複数の計測点で基板の露光面の高さを検出する高さ検出手段と、を有する面位置設定装置も好適な例として挙げられる。
図1には、本発明のパターン形成方法の露光工程に係る露光装置10の概略外観図が示されている。露光装置10は、前記パターン形成材料における前記感光層を、被処理基体上に積層してなるシート状の積層体(以下、「感光材料12」と表す)を、表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。更に露光装置10は、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(不図示)を備えている。
図2に示すように、スキャナ24は、例えば、2行5列の略マトリクス状に配列された10個の露光ヘッド30を備えている。
各露光ヘッド30は、前記光変調手段として空間変調素子であるDMDを備え、該DMDによって形成された2次元パターンを感光材料12上に投影する。
露光エリア32は各露光ヘッドから射出された2次元パターンが感光材料12上に投影された時の投影エリアを示す。また、ステージ14の移動に伴って感光材料12には露光ヘッド30による帯状の露光済み領域34が形成される。
図3は露光ヘッド30の概略構成を説明するための概念図であり、図7は露光ヘッド30中を伝播するレーザ光の光路に沿って露光ヘッド30を構成する光学要素を説明するための図である。
露光ヘッド30は、前記光照射手段として光源ユニット60と、DMD照射光学系70と、DMD80と、前記結像手段として結像光学系50と、前記焦点調節手段としてくさび型プリズムペア54とを備えて構成されている。
従って、前記結像手段の中央部を含む領域のみにおいて空間光変調手段で空間光変調することで被照明体(光変調手段)側に対する照明領域が小さくなっても、照明NA値を抑えることができる。これにより、結像光学系が被照明体の下流側に配置された場合でもその結像光学系の焦点深度を大きくすることができ、結像される露光画像のピントずれを抑制することができるという効果が得られる。
なお、エタンデューと焦点深度の詳しい関係については特開2005−018013号公報に掲載されている。
コリメータレンズ71は、レーザ光出射部61から出射された複数のレーザ光を概略平行光化するためのレンズである。
マイクロフライアイレンズ72及び73は、微小レンズセルが縦横に多数配置されてなるものであり、DMD80に照射するレーザ光の光量分布を均一化するためのレンズである。マイクロフライアイレンズ72及び73を透過したレーザ光は、フィールドレンズ74を透過してミラー75によって反射され、プリズム76に入射する。
プリズム76は、TIRプリズム(全反射プリズム)であり、ミラー75によって反射されたレーザ光をDMD80に向けて全反射する。DMD80の詳細については、後述する。
なお、DMD照射光学系70は、光量分布の均一化の手段として、ロッドインテグレータを備えることとしてもよい。
−−結像光学系−−
結像光学系50は、前記光照射手段からのレーザ光をDMD80で変調されることによって形成された2次元パターンを、感光材料12上に結像させて投影させるための結像手段である。図7に示すように、結像光学系50は、第1投影レンズ51と、第2投影レンズ52と、マイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とを備えて構成されている。
DMD80を構成する各マイクロミラーによって反射されて形成された2次元パターンは、第1投影レンズ51を透過し、所定倍(例えば、3倍)に拡大されて結像される。ここで、第1投影レンズ51を透過した光束Laは、第1投影レンズ51による結像位置の近傍に配設されたマイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aによって個別に集光される。この個別に集光された光束がアパーチャ59aを通過して結像される。マイクロレンズアレイ55及びアパーチャアレイ59を通過して結像された2次元パターンは、第2投影レンズ52を透過して更に所定倍(例えば、1.67倍)に拡大され、くさび型プリズムペア54を透過して感光材料12上に結像される。最終的には、DMD80によって形成された2次元パターンが、第1投影レンズ51と第2投影レンズ52の拡大倍率をそれぞれ乗算した倍率(例えば、3倍×1.67倍=5倍)で拡大されて、感光材料12上に投影される。
なお、結像光学系50は、必ずしも第2投影レンズ52を備えた構成としなくてもよい。
前記露光装置の露光性能を上げるためには、高いレンズ光学性能(像面湾曲、非点隔差、歪曲等を抑制、高いテレセントリック性)を持つ投影レンズが必要となる。しかしながら、投影レンズの全面領域においてレンズ光学性能を向上させようとすると、レンズのコストアップに繋がり、大口径レンズの製造が困難になるという問題がある。一方、投影レンズの任意の領域のレンズ光学性能を高めるために、故意に所定の領域に歪みを持たせて投影レンズを製造することが可能であることが近年の研究で明らかになった。
そこで、投影レンズ300のレンズ光学性能の良い領域340を選択して2次元パターンを照射するために、例えば、2次元パターンの光の光軸を中心として、図8Bに示す矢印Aの方向に投影レンズ300を回転させることが好ましい。この回転により、レンズ光学性能の良い領域340と2次元パターンが照射される領域310を一致させ、レンズ光学性能の良い領域340において2次元パターンを透過させることができる。
このように、レンズ光学性能の良い領域において2次元パターンを透過させて結像させることによって、2次元パターンが感光材料12上に投影される際の画質を向上させることができる。
図9の上図は、結像光学系50を備える鏡筒400の概略側面断面図であり、図9の下図は、図9の上図における矢印Bの方向から見た鏡筒400の概略平面図である。
鏡筒400は側面につば状のフランジ410を備えている。フランジ410にはネジ貫通孔412がα[°]毎に形成されている。ブラケット420にはネジ貫通孔412に対応させて雌ネジ孔(不図示)が同じくα[°]毎に形成され、ネジ(不図示)をフランジ410のネジ貫通孔412に挿通して、ブラケット420の対応する雌ネジ孔に螺合させることにより、フランジ410とブラケット420が固定される。この構造により、鏡筒400は第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52の光軸を中心としてα[°]ずつ回転させて任意の角度位置で固定させることができる。またネジによってフランジ410とブラケット420を固定させる際は、ネジ貫通孔412のうち、全てのネジ貫通孔412にネジを挿通してブラケット420の対応する雌ネジ孔に螺合させてもよいし、例えば対角線上に位置する2箇所のネジ貫通孔412にネジを挿通してブラケット420の対応する雌ネジ孔に螺合させてもよい。
また、鏡筒400は2次元パターンの光軸に垂直方向に移動可能なように構成してもよく、2次元パターンの光軸の垂直方向に、第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52を構成する各投影レンズが独立して移動可能なように構成してもよい。
前記光変調手段としては、パターン情報(画像信号)に基づいて2次元パターンの光を形成可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n個(ただし、nは1以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有するものが挙げられ、これらの中でも空間光変調素子が好ましく、具体的には、DMDが好ましい。
以下、前記光変調手段として、DMDを用いた場合について説明する。
DMD80は、n個(例えば、1024×757個)の2次元状に多数配置された描素部(画素)としてのマイクロミラー81を有している。更にDMD80は、データ処理部とミラー駆動制御部を備えたコントローラ(不図示)に接続されている。
データ処理部は、パターン情報(画像信号)に基づいてDMD80に配されている各マイクロミラー81の駆動を制御するための制御信号を生成する。
ミラー駆動制御部は、データ処理部によって生成された制御信号に基づいて、DMD80の各マイクロミラー81の反射面の角度を制御する。
前記データ処理部及び前記ミラー駆動制御部によって、マイクロミラー81の反射面が所定の角度に傾斜され、DMD81に照射された光のうち、所定の角度に傾斜されたマイクロミラー81によって反射された光が2次元パターンとなって結像光学系50に入射される。
DMD80には、例えば、露光する際の主走査方向、即ち行方向に1024画素、更に露光する際の副走査方向、即ち列方向に756画素のマイクロミラー81が2次元状に配置されているが、列方向に756画素並ぶマイクロミラー81のうち、一部のマイクロミラー81(例えば、240画素)を使用して、1024×240画素の2次元パターンを形成させる。
ここで、列方向に並ぶマイクロミラー81のうち、使用するマイクロミラー81の数は、行方向に並ぶマイクロミラー81の数の1/2〜1/5程度の数であることが望ましい。
更に、使用しているマイクロミラーに欠陥が生じた場合は、欠陥が発生していないマイクロミラーの領域を使用するなどして、状況に応じて使用するマイクロミラーの領域を適宜変更してもよい。
また、DMD80のデータ処理速度は、制御するマイクロミラー81の数(画素数)に比例するため、列方向に並ぶマイクロミラー81のうち一部のマイクロミラー81を使用することによって、データ処理速度を速くすることができ、露光速度を速くすることができる。
更に、DMD80によって形成される2次元パターンを小さくすることによって、マイクロミラー81にそれぞれ対応するマイクロレンズがアレイ状に配されてなるマイクロレンズアレイ55を小型化することができる。前記マイクロレンズアレイは高価な光学部材であるため、露光装置のコストを削減することができる。
−−くさび型プリズムペア−−
図12は、くさび型プリズムペア54の構成を示す側面図であり、図13はくさび型プリズムペア54を示す概略斜視図である。
くさび型プリズムペア54は、2次元パターンの光の光路長を変更して、2次元パターンを結像させる際の焦点を調節するための焦点調節手段である。
くさび型プリズムペア54は、くさび型プリズム540A及び540Bと、くさび型プリズム540A及び540Bをそれぞれ固定するベースプリズムホルダ541A及び541Bと、ベースプリズムホルダ541Aの両端に配設されたスライドベース542A及びスライドベース542A上を移動するスライダ542Bを含むスライド部545と、スライド部545を移動させる駆動部546とを備えて構成されている。くさび型プリズムペア54については、図13に示すように、例えばガラスやアクリル等の透明材料からなる平行平板を、この平行平板の平行平面H11及びH22に対して斜めに傾く平面Hkに沿って切断することによって得られる一対のくさび型プリズムA及びBを上記くさび型プリズム540A及び540Bとして使用することができる。
したがって、従来に比べ、第2投影レンズ52によって結像された2次元パターンを感光材料12上に結像する際の焦点調整を、簡単に、かつ短時間で行うことができる。
前記焦点調節手段としては、例えば、図15A、図15B、図16A、及び図16Bに示すように、結像光学系を構成する光学部材であるマイクロレンズアレイ55を、ピエゾ素子600を用いて焦点方向(図中矢印Xの方向)に移動させることにより焦点調整を行ってもよい。
ピエゾ素子600を用いることによって、マイクロレンズアレイ55の焦点方向と垂直な方向への変位を抑えつつ、焦点方向への微小移動を行うことができるため、安定したビーム位置精度を保ちながら焦点調整を行うことができる。
上述した露光装置10による露光方法について説明する。
図17Aは感光材料12とDMD80の位置関係を概略的に示した斜視図である。なお、図2に示すように、露光装置10はDMD80を有する露光ヘッド30を10個備えることとして説明したが、図17A及び図17Bでは簡略化して1個のDMD80にのみ着目して図示及び説明する。
図17Aにおいて、露光エリア81はDMD80の全てのマイクロミラー81を使用して2次元パターンを形成したときの露光エリアであり、露光エリア81TはDMD81において領域80Tを占めるマイクロミラー81を使用して2次元パターンを形成したときの露光エリアである。
一方、DMD80において領域80Tを占めるマイクロミラー81を使用した場合、露光エリア81Tの感光材料12に対する最大深度差はd1となる。
図17Bに示すように、d1<d2であり、深度差が小さいほうが深度差が大きい場合より2次元パターン内における感光材料12のうねりの度合いが小さい。従って、2次元パターンの焦点位置をより適切な位置に合わせることができる。
このため、2次元パターンの焦点位置を適切な位置に合わせることができ、露光装置10の焦点深度を従来の露光装置より見かけ上大きくすることができ、この結果、露光画質を向上させることができ、高精細なパターン露光が行われる。
露光エリア81T内の感光材料12のうねりによる影響の度合いを最小限に抑えるためには、露光エリア81Tの短辺方向と感光材料12のうねり方向を完全に一致させることが理想であるが、露光エリア81Tが上記所定の設定傾斜角度をなしていても、露光エリア81Tの短辺方向が長辺方向より感光材料12のうねり方向に向いていれば、即ち、前記感光材料の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように向いていればよい。
前記現像工程としては、前記露光工程により前記感光層を露光し、未露光部分を除去することにより現像する工程を有する。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。なお、現像の前に感光層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のカラーフィルタ製造方法における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、硬化処理工程、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記現像工程後に、感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程を備えることが好ましい。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
各画素の寸法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、40〜200μmとすることが好適に挙げられる。ストライプ状であれば40〜200μm巾が通常用いられる。
前記カラーフィルタの製造方法としては、例えば、透明基板上に黒色に着色された感光層を用いて、露光及び現像を行いブラックマトリックスを形成し、次いで、少なくとも3原色から構成されるRGBのいずれかに着色された感光層を用いて、前記ブラックマトリックスに対して所定の配置で、各色毎に、順次、露光及び現像を繰り返して、前記透明基板上に少なくとも3原色から構成されるRGBの画素がモザイク状又はストライプ状に配置されたカラーフィルタを形成する方法が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、互いに対向して配される一対の基板間に液晶が封入されてなり、本発明の前記カラーフィルタを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置の対向基板(TFTなどの能動素子が無い側の基板)に形成するものを対象としている他、TFT基板側に形成するCOA方式、TFT基板側に黒だけを形成するBOA方式、又はTFT基板にハイアパーチャー構造を有するHA方式も対象とすることができる。
(1) 反射膜が、接着層と銀系薄膜からなる多層構成であり、かつ、接着層を介して基板上に、全体が電気的に接続したパターンとなるように配設され、更に、カラーフィルタの画素と対向する部位の一部に、光の透過のための開孔を有する装置(特開平11−52366号公報参照)。
(2) 1画素内の光透過領域には、その全領域に画素内の着色画素が同色・同一厚さの着色層を形成し、光反射領域には、該着色層と該着色層の欠落部を形成した装置(特開2002−169148号公報参照)。
(3) 1画素内の光透過領域には、均一な凹部を形成し、光反射領域には、パターン状凹部を形成したガラス基板上に、着色層形成材料を用い、かつ、該光透過領域には、均一な厚い着色層を設け、前記光反射領域には、厚い着色層部と薄い着色層部のパターン状着色層を設けた装置(特開2002−258028号公報参照)。
(4) 加法混色の3原色(R、G、B)によってカラー表示を行うカラーフィルタにおいて、R、G、Bの各1画素が、各々の補色であるシアン、マゼンタ、イエローの内の2色、具体的には、赤色画素はマゼンタとイエロー、緑色画素はシアンとイエロー、青色画素はシアンとマゼンタの組み合わせで構成され、光透過領域には、該2色の画素が積層して形成されており、2色の減法による混色でR、G、Bの透過カラー表示を行い、光反射領域には、前記2色の画素が各々単層で形成されており、2色の加法による混色でR、G、Bの反射カラー表示を行う装置(特開2002−258029号公報参照)。
(5) 各画素内に光の透過領域と反射領域とを有し、該反射領域が光回折及び光散乱機能を有する装置(特開2002−268055号公報参照)。
(6)着色画素が同一の感光性着色樹脂組成物を用いて形成された着色層であって、1画素内の、光透過領域には、透過型用の厚さを有する着色層(着色層1)を形成し、光反射領域には、該着色層(着色層1)より薄い厚さを有する反射型用の着色層(着色層2)を形成した装置(特開2002−365422号公報参照)。
その他、反射領域と、透過領域に、別々の材料により同じ色の着色画素を形成することも可能である。
以下に示すようにして、MVAモードの液晶表示装置を作製した。
<カラーフィルタの作製>
−着色感光性樹脂組成物K1の調製−
着色感光性樹脂組成物K1は、表1に記載のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、メチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌した。以上により、着色感光性樹脂組成物K1を調製した。
*K顔料分散物1の組成
・カーボンブラック・・・13.1部
(Special Black 250、デグッサ社製)
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン・・・0.65部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(分子量37,000)〕・・・6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・79.53部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物(分子量40,000)〕・・・27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・73部
*DPHA液の組成
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)・・・76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・24部
*界面活性剤1:メガファックスF−780−F(大日本インキ化学工業社製)
表1に記載の着色感光性樹脂組成物R1は、R顔料分散物1、R顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、メチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過させた。以上により、着色感光性樹脂組成物R1を調製した。
*R顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・レッド254・・・8.0部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5-ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン・・・0.8部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕・・・8.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…83.2部
・C.I.ピグメント・レッド177・・・18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(分子量37,000)〕・・・12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・70部
*バインダー2の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=38/25/37[モル比])のランダム共重合物(分子量30,000)・・・27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・73部
表1に記載の着色感光性樹脂組成物G1は、G顔料分散物1、Y顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150r.p.m.で30分間攪拌し、更に、界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、着色感光性樹脂組成物G1を調製した。
*G顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・グリーン36・・・18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕・・・12部
・シクロヘキサノン・・・35部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・35部
*Y顔料分散物1
商品名:CFエローEX3393(御国色素社製)
表1に記載の着色感光性樹脂組成物B1は、B顔料分散物1、B顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、メチルエチルケトン、バインダー3、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、及びフェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌し、更に、界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30r.p.m.で5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、着色感光性樹脂組成物B1を調製した。
*B顔料分散物1
商品名:CFブルーEX3357(御国色素社製)
*B顔料分散物2
商品名:CFブルーEX3383(御国色素社製)
*バインダー3の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=36/22/42[モル比])のランダム共重合物(分子量30,000)・・・27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・73部
長さ150cm、幅150cm、厚み0.7mmのサイズの無アルカリガラス基板を、シャワーにより25℃に調整したガラス洗浄剤液を20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄した後、シャワーによりシランカップリング液(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業株式会社製)を20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。洗浄後、このガラス基板を基板予備加熱装置で、100℃にて2分間加熱した。該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・ジャパン社製、商品名:MH−1600)にて、塗布速度2m/分の条件で上記着色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、100℃にて3分間プリベークして厚み4.2μmの感光層K1を形成した。
得られた感光層K1付きの基板を、下記のオートフォーカス機能付きの露光装置を用いて露光した。レーザー光のビーム径は1/e2径で10μm、照度は1000mW/cm2であった。露光の方向は塗布方向と露光ヘッドの走査方向が一致する向き(表3では0度と表記)で行った。露光により縦横とも200μm、線幅50μmの格子状の画像を形成した。
図1に外観の概略を示した露光装置10を用いた。該露光装置の露光ヘッドの構成は図7に示されるとおりであり、具体的には、前記光照射手段として図4〜6に示した合波レーザ光源と、前記光変調手段として図10に概略図を示したDMDであって、図11A及び図11Bに示すように主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に756組配列された内、1024個×240列のみを駆動するように制御したDMDと、図8A、図8B、及び図9に示した投影レンズ及び鏡筒から構成される結像光学系と、図12〜13に示したくさび型プリズムペアとを有する露光ヘッドを備えた露光装置である。
露光後の基板にシャワーノズルを用いて純水を噴霧して表面を均一に湿らせた。この後KOH系現像液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製、CDK−1)を用いてシャワー現像した。現像条件は23℃、80秒間、シャーのノズル圧力0.04MPaである。引き続き、ノズル圧力9.8MPaで純水を噴射して残渣除去を行った。
得られた画像を330℃で30分間熱処理して、直径20μmの円形画素が100μm間隔で全面に並んだ基板を得た。
前記Kの画像を形成した基板に、上記着色感光性樹脂組成物R1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程により、熱処理済みR画像を形成した。該R1感光層膜厚は1.5μm、及び顔料(C.I.ピグメントレッド254)の塗布量は0.274g/m2であった。
基板上の前記感光層R1に対し、上記感光層K1と同様に露光した。露光量は50mJ/cm2であった。また、評価のため、Kを形成しない基板にも、これと同様に感光層R1を形成し、カラーフィルタパターン、解像度評価パターン(直径の異なる多数の穴部が形成されたパターン)、及びステップウエッジパターンを用いて同様の処理をした。その後、Kと同様に現像した。
前記KとRの画像を形成した基板に、上記着色感光性樹脂組成物G1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程により、熱処理済みG画像を形成した。該G1感光層膜厚は1.4μm、及び顔料(C.I.ピグメントグリーン36)の塗布量は0.355g/m2、顔料(C.I.ピグメントイエロー139)の塗布量は0.052g/m2であった。Kと同様に露光し、現像した。露光量は40mJ/cm2相当であった。
前記K、R及びGの画像を形成した基板に、上記着色感光性樹脂組成物B1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程により、熱処理済みB画像を形成し、目的のカラーフィルタを作製した。
該B1感光層膜厚は1.4μm、及び顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)の塗布量は0.29g/m2であった。Kと同様に露光し、現像した。露光量は50mJ/cm2であった。
更に、その上に透明電極として、ITO(Indium Tin Oxide)膜13をスパッタリングにより形成し、カラーフィルタ基板10を得た。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)上に、下記処方Aからなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥層厚6.0μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体・・・25.0部
(=55/11.7/4.5/28.8[モル比]、分子量90,000)
・スチレン/アクリル酸共重合体・・・58.4部
(=63/37[モル比]、分子量8,000)
・2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン・・・39.0部
・前記界面活性剤1・・・10.0部
・メタノール・・・90.0部
・1−メトキシ−2−プロパノール・・・51.0部
・メチルエチルケトン・・・700部
・ポリビニルアルコール・・・3.22部
(PVA−205、鹸化率80%、株式会社クラレ製)
・ポリビニルピロリドン・・・1.49部
(PVP K−30、アイエスピー ジャパン株式会社製)
・メタノール・・・42.3部
・蒸留水・・・524部
*顔料
・シリカゾルの30%メチルイソブチルケトン分散物
(商品名:MIBK−ST、日産化学工業(株)製)
*バインダー4
・メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体
(=20/80[モル比]、分子量36,000;高分子物質)
*着色染料
・ビクトリアピュアブルーBOH−M(保土ヶ谷化学(株)製)
得られたスペーサー用感光性転写シート(1)のカバーフィルムを剥離し、露出した感光層の表面を、上記で作製したITO膜がスパッタ形成されたカラーフィルタ基板10のITO膜上に重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔株式会社日立インダストリイズ製〕を用いて、線圧100N/cm、130℃の加圧・加熱条件下で搬送速度2m/分にて貼り合わせた。その後、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去し、感光層を熱可塑性樹脂層及び中間層と共に転写した(層形成工程)。
得られたスペーサーパターンは、直径16μm、平均高さ3.7μmの透明な柱状であった。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)上に、前記処方Aと同様の処方からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層を設けた。次いで、形成した熱可塑性樹脂層上に、前記処方Bと同様の処方からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて、乾燥膜厚が1.6μmの中間層を設けた。次に、下記処方Cからなる突起形成用塗布液を調製し、この突起形成用塗布液を中間層上に塗布し、乾燥させて、乾燥膜厚が2.0μmである液晶配向制御用の突起用感光層を塗設した。この感光層の表面に更に、厚さ12μmのポリプロピレン製のフィルムを保護フィルムとして貼り付けた。このようにして、PET仮支持体上に、該PET仮支持体側から順に熱可塑性樹脂層、中間層、突起用感光層、及び保護フィルムが積層されてなる突起用感光性転写材料を作製した。
・ポジ型レジスト液FH−2413F・・・53.3部
(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製)
・メチルエチルケトン・・・46.7部
・前記界面活性剤1・・・0.04部
上記より得た突起用感光性転写材料から保護フィルムを剥がし、露出した突起用感光層の露出面とカラーフィルタ基板のITO膜が設けられた側(カラーフィルタ上)の表面とを重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔株式会社日立インダストリイズ製〕を用い、線圧100N/cm、温度130℃、搬送速度2.2m/分の条件にて貼り合わせた(ラミネート)。その後、突起用感光性転写材料のPET仮支持体のみを熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去した。このとき、カラーフィルタ基板の上に、該基板側から順に感光層、中間層、及び熱可塑性樹脂層が積層された状態にある。
参考例1において、露光の方向を塗布方向と、露光ヘッドの走査方向とを45度にする以外は、参考例1と同様にして、実施例2のカラーフィルタを作製した。また、参考例1と同様にしてMVAモード液晶表示装置を組み立てた。
参考例1において、露光の方向を塗布方向と、露光ヘッドの走査方向を90度にする以外は、参考例1と同様にして、実施例3のカラーフィルタを作製した。また、参考例1と同様にしてMVAモード液晶表示装置を組み立てた。
参考例1において、オートフォーカス機構をオフにして作動しない以外は、参考例1と同様にして、比較例1のカラーフィルタを作製した。また、参考例1と同様にしてMVAモード液晶表示装置を組み立てた。
参考例1において、露光方法として、超高圧水銀灯を用いて露光マスクを介して露光し、露光条件は500mJ/cm2、塗布層と露光マスクの間隔を100μmとした以外は、参考例1と同様にして、比較例2のカラーフィルタを作製した。また、参考例1と同様にしてMVAモード液晶表示装置を組み立てた。
参考例1において、感光層の塗布方法をスピンコーター方式に変更した以外は、参考例1と同様にして、比較例1のカラーフィルタを作製した。その結果、基板の回転に伴う遠心力のため、基板中央部と周辺部で塗布層の厚みに大きな差が生じ、評価不能となった。
得られた各K画像を500倍の光学顕微鏡写真を撮影して線幅を測定した。測定は縦、横それぞれランダムに50点ずつ選び、合計100点について行い、幅変動(標準偏差を平均で除して求めた)を計算した。
得られた各液晶表示装置で白色表示した。この状態で色むらを目視で評価して下記の基準でランク分けを行った。なお、実用上許容されるのはAとBランクのものである。
〔評価基準〕
A:目視ではムラが見えない
B:目視でわずかなムラが見えない
C:目視で明からムラが見える
D:目視で著しいムラが見える
30 露光ヘッド
80 DMD
50 結像光学系
51 第1投影レンズ
52 第2投影レンズ
54 くさび型プリズムペア
12 感光材料
Claims (18)
- 基材の表面に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性組成物をスリットコーター塗布して感光層を形成する感光層形成工程と、
露光光源からの光を受光してパターン情報に基づいて変調する光変調手段により、前記露光光源からの光を変調させ、前記光変調手段により変調された光を、結像手段と、焦点調節手段とを介して前記感光層の被露光面上に結像させる際の焦点を自動的に合わせながらオートフォーカスで露光を行う露光工程と、を少なくとも含み、スリットコーター塗布の方向と、露光ヘッドの走査方向とのなす角度を45度〜90度に設定することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - スリットコーター塗布の方向と、露光ヘッドの走査方向とのなす角度を45度に設定する請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- スリットコーター塗布の方向と、露光ヘッドの走査方向とのなす角度を90度に設定する請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 結像手段が、長辺の長さが短辺の長さの2倍以上の略矩形状の領域において、光変調手段により変調された光を結像する請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 焦点調節手段が、光変調手段により変調された光の光軸方向の厚さが変化するように形成されたくさび型プリズムペアを有し、
前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムを移動することによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点を調節する請求項1から4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。 - 焦点調節手段が、結像光学系を構成するマイクロレンズと、ピエゾ素子とを有し、
前記マイクロレンズを前記ピエゾ素子により移動させることによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点を調節する請求項1から4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。 - 結像手段が、光変調手段により変調された光の光軸に対し、前記光軸を中心に回転可能なレンズ、及び前記光軸に対して垂直方向に移動可能レンズのいずれかにより構成されてなる請求項1から6のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 光変調手段が、空間光変調素子である請求項1から7のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 露光光源が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を出射する請求項1から8のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 露光光源が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を一端から入射し、入射したレーザ光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねたバンドル状のファイバ光源である請求項1から8のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 露光光源が、2以上の光を合成して照射可能である請求項1から10のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 露光光源が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを平行光化して集光し、前記マルチモード光ファイバの入射端面に収束させる光源集光光学系とを有する請求項1から11のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 照度が100mW/cm2以上の光源を用いて露光する請求項1から12のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 基材の大きさが、500mm×500mm以上である請求項1から13のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 感光性組成物が、少なくとも、黒色(K)に着色されている請求項1から14のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 少なくとも、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色された感光性組成物を用いて、基材の表面に所定の配置で、R、G及びBの各色毎に、順次、感光層形成工程、及び露光工程を繰り返してカラーフィルタを形成する請求項1から14のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1から16のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項17に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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