JPH10142417A - カラーフィルターの製造方法、及びカラー液晶ディスプレイパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトマスクや版を特別に使用することな
く、仕様の変更に伴う新しいパターンを有するカラーフ
ィルターを迅速且つ簡便に製造し得るカラーフィルター
の製造方法、及びカラー液晶ディスプレイパネルの提
供。 【解決手段】 透明な基板上に光硬化性樹脂を配置し、
該光硬化性樹脂の一部を硬化させて多数の画素に区切
り、形成された画素部を所定の色に着色するカラーフィ
ルターの製造方法において、光ビームを走査することに
よって上記光硬化性樹脂の所定の部分を露光して光硬化
し、基板上に堤を形成して画素に区切り、且つ形成され
た堤で囲まれた部分をインクジェット記録方式によって
夫々の色に着色して画素パターンを形成するカラーフィ
ルターの製造方法、及び該方法により製造されたカラー
フィルターを用いたカラー液晶ディスプレイパネル。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、パ
ーソナルコンピュータ、パチンコ遊戯台等に使用されて
いるカラー液晶ディスプレイに好適なカラーフィルター
の製造方法、及び該方法により製造されたカラーフィル
ターを用いたカラー液晶ディスプレイパネルに関し、と
りわけインクジェット記録技術を利用した液晶用カラー
フィルターの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、
特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶
用ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需
要が増加している。しかしながら、カラー液晶ディスプ
レイの更なる普及のためにはコストダウンが必要であ
り、特にコスト的に比重の高いカラーフィルターのコス
トダウンに対する要求が高まっている。

【０００３】これに対し、カラーフィルターを低コスト
で製造する方法として、画素の着色にインクジェット記
録方法を使用する、所謂、インクジェット法が提案され
てきている。例えば、特開平４−１２１７０２号公報に
は、カラーフィルターの各構成要素が配置されるべき位
置を囲み、且つカラーフィルターの画素部とは逆の親媒
性を有する材料で作られた堤を基板上に予め構成する工
程と、該堤内にカラーフィルター材料の液滴をインクジ
ェット方式によって個別に注入することにより、カラー
フィルターの各画素を形成する製造方法が提案されてい
る。又、特開平６−３４７６３７号公報にも、基板上に
設けられた仕切りパターンによって、画素部以外の部分
に付与されたインクが確実にはじかれて、隣り合う画素
部分へのインクの滲みがないカラーフィルターの製造方
法が開示されている。そして、これらのいずれの例にお
いても、仕切りパターンを形成する方法としてはフォト
レジスト法や印刷法が用いられており、これら以外の方
法は示されていない。一方、現在、液晶ディスプレイが
最も多く使われている携帯用パソコンは製品寿命が短
く、カラーフィルターも頻繁に仕様が変更される為、短
期間のうちに新たな形状の画素パターンが形成できるよ
うなカラーフィルターの製造方法が望まれている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開平４−１２１７０２号公報や特開平６−３４７６
３７号公報に開示されている方法では、仕切りパターン
を製造する場合に、例えば、写真製版技術やスクリーン
印刷技術を用いているが、いずれの技術も工程が長く、
且つマスクや版が必要となるのでコストが高く、又、準
備段階として製版が必要である為、カラーフィルターの
製造が開始されるまでにある程度の期間を要し、頻繁な
仕様の変更に迅速に対処し得るものとは言えなかった。

【０００５】従って、本発明の目的は、フォトマスクや
版を特別に使用することなく、仕様の変更に伴う新しい
パターンを有するカラーフィルターを迅速且つ簡便に製
造し得るカラーフィルターの製造方法、及び該方法によ
り製造されたカラーフィルターを用いたカラー液晶ディ
スプレイパネルを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、透明な基板上
に光硬化性樹脂を配置し、該光硬化性樹脂の一部を硬化
させて多数の画素に区切り、形成された画素部を所定の
色に着色するカラーフィルターの製造方法において、光
ビームを走査することによって上記光硬化性樹脂の所定
の部分を露光して光硬化し、基板上に堤を形成して画素
に区切り、且つ形成された堤で囲まれた部分をインクジ
ェット記録方式によって夫々の色に着色して画素パター
ンを形成することを特徴とするカラーフィルターの製造
方法、及び該方法により製造されたカラーフィルターを
用いたカラー液晶ディスプレイパネルである。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て、本発明をより詳細に説明する。図１は本発明のカラ
ーフィルターの製造方法の一例を示す概略図である。図
中、１は光硬化性樹脂、２は透明基板、３は光照射ヘッ
ド、４は光照射ヘッド３より照射された光ビーム、５は
光照射により硬化された樹脂層（堤部分）、６は複数の
インク吐出口を有するインクジェット記録ヘッド、７、
８及び９はヘッド６の微細インク吐出口より吐出された
赤（Ｒ）、緑（Ｇ）及び青（Ｂ）の各インク、１０、１
１及び１２は各々ＲＧＢのインクが付与された画素部、
及び３６は本発明によって形成されたカラーフィルター
を示す。

【０００８】この図１に従って、本発明のカラーフィル
ターの製造方法の手順の一例を以下に説明する。先ず、
図１（ａ）に示す様に、ガラス基板等の透明基板２上
に、光硬化性樹脂を付与して所定の厚さの光硬化性樹脂
層１を形成する。この際、透明基板２には、一般的には
ガラス基板が用いられるが、液晶用カラーフィルターと
しての透明性及び機械的強度等の必要特性を有するもの
であればガラス基板に限定されず、透明なプラスチック
板等も用いられる。

【０００９】次に、図１（ｂ）に示した様に、光照射ヘ
ッド３を光硬化性樹脂層１上に走査し、堤を形成したい
部分へ光照射ヘッド３の先端より光ビームを照射させて
露光し、この部分の光硬化性樹脂層１を硬化させる。次
に、図１（ｃ）に示した様に、光硬化性樹脂層１の光硬
化した部分を残して、未硬化部を有機溶剤等により除去
して、基板２上に堤５を形成する。次に、図１（ｄ）に
示した様に、上記で形成された堤５で囲まれた部分にイ
ンクジェット法により描画して、Ｒ、Ｇ及びＢのインク
を各々所定の画素部に付与する。その後、インクを乾
燥、硬化させて着色パターンを有するカラーフィルター
とする（図１（ｅ））。

【００１０】本発明において使用する光硬化性樹脂層１
の形成材料としては、紫外線、電子線等の光により硬化
する性質を有するものであれば、特に限定されない。例
えば、従来公知のポリエステルアクリレート、エポキシ
アクリレート、ポリウレタンアクリレート等の光重合性
のプレポリマーや、光重合性モノマー、及びこれらに光
開始剤を含有したもの等が挙げられる。具体的には、例
えば、不飽和ポリエステルを主成分とした、旭化成工業
（株）製のＡＰＲスタンプ樹脂等が好ましく用いられ
る。更に、本発明においては、基板上に光硬化性樹脂層
１を形成する場合に、着色時におけるインクのオーバー
フローを防止する為に、光硬化性樹脂材料中に撥着色剤
性を有する材料を含有させることがより好ましい。撥着
色剤性を有する材料としては、例えば、ポリテトラフル
オロエチレン等のフッ素樹脂、パーフルオロアルキルア
クリレート等、一般に撥着色剤性を有するものであれば
いずれも使用できる。尚、その含有量としては、樹脂全
体に対して、０．５〜５重量％程度とすることが好まし
い。

【００１１】上記の様な光硬化性樹脂を基板上に配置す
る方法としては、例えば、ディッピング引き上げ法、ス
ピンコーター法、ダイコーター法等が挙げられる。これ
らの方法において一般に使用されている装置を用い、基
板上に必要な厚さの光硬化性樹脂層が形成されるように
条件を設定して塗布すればよい。

【００１２】本発明のカラーフィルターの製造方法は、
先ず、この様にして形成された光硬化性樹脂層に光ビー
ムを走査し、光が照射されて露光された部分の光硬化性
樹脂層のみを選択的に硬化させ、基板上に画素と画素と
の区切りとなる堤を形成することを特徴とする。この結
果、従来の方法のようにフォトマスクや版を必要とせず
に、基板の所望の位置に光ビームを照射するだけで所望
のパターンを形成することが出来、更に、堤の幅や厚み
を光ビームの照射面積や強度によって自在に制御するこ
とが出来る為、極めて簡便に精緻な所望の仕切りパター
ンを形成することが可能である。従って、短期間で新た
な形状のパターンを有するカラーフィルターの製造する
ことが出来る為、カラーフィルターの頻繁な仕様の変更
にも迅速に対処することが可能となる。

【００１３】更に、上記した例では、透明な基板上に光
硬化性樹脂層を形成した後、該層に光ビームを走査して
堤を形成したが、本発明の別の態様では、光硬化性樹脂
層を基板上に形成することなく、精緻な形状のパターン
を有するカラーフィルターを容易に製造することが可能
となる。先ず、図４及び図５に示すように、透明基板２
０を光硬化性樹脂溶液中の所望の位置に浸漬させて静置
し、光硬化性樹脂が基板上に配置されるようにする。次
に、上記した方法の場合と同様に、基板２０上に配置さ
れている光硬化性樹脂に光ビームを走査して、光で露光
された部分のみを選択的に硬化させることによって、基
板２０上に所定のパターン形状を形成する。この際、光
ビームを走査する場合に、図４に示す様に光硬化性樹脂
溶液の液面の上方から光を照射してもよいし、図５に示
す様に光硬化性樹脂溶液の下方から光を照射してもよ
い。

【００１４】ガラス基板上に塗布された光硬化性樹脂を
硬化させるために用いられる光としては、紫外線、電子
線、可視光線等が挙げられるが、用いる光硬化性樹脂の
種類等に応じて適宜な波長を有する光源を選択すればよ
い。本発明においては、紫外線或いは電子線が好適に用
いられる。更に、本発明においては、微細な画素と画素
との間にある所望のパターンを有する堤を精緻に形成す
る必要がある為、加工性の面から、光を集光して充分な
細さに絞り込まれた光ビームを使用することが好まし
い。この為、本発明においては、高い指向性、狭いスペ
クトル線幅、レンズで集光することで非常に小さなスポ
ットとし得るレーザービームを用いることが好ましい。

【００１５】このような光源の光照射用ヘッドの一例の
概略図を図２に示した。図２において、１３はＸ−Ｙテ
ーブル、１４は基板、１５は基板表面に設けられた光硬
化樹脂層である。又、１６はレーザービーム光源、１７
は反射板、１８は集光レンズ、１９は集光レンズ１８に
よって集光されたレーザービーム（光）を示す。即ち、
光源１６より照射された光は、反射板１７と集光レンズ
１８とによって、被照射物である光硬化樹脂層１５に集
光される。更に、光硬化性樹脂が塗布されたガラス基板
１４は、Ｘ−Ｙテーブル上に配置されており、テーブル
１３を移動させることにより、所望の微細パターンに従
ったビーム描画が可能となる。

【００１６】以上のようにして、ガラス基板上に配置さ
れている光硬化樹脂の所望の位置に光ビームを走査する
ことによって、露光された部分を光硬化した後、未露光
の未硬化部分の光硬化性樹脂を溶剤等によって除去し
て、基板上に所望形状の堤を形成する。この際に用いる
未露光部分の光硬化性樹脂を除去するための溶剤として
は、例えば、１，１，１−トリクロロエタン等のような
有機溶剤が挙げられるが、用いた光硬化性樹脂の種類に
よって適宜選択すればよい。

【００１７】本発明のカラーフィルターの製造方法にお
いては、次に、上記のようにして形成した堤で囲まれた
部分に、インクジェット記録方法によって夫々の色の着
色剤を付与して画素パターンを形成する。この際に使用
し得るインクジェット方式としては、例えば、エネルギ
ー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェット
タイプ、或いは、圧電素子を用いたピエゾジェットタイ
プ等の装置が使用が可能である。又、図１（ｄ）で示し
たように、複数の微細なインク吐出口を有するインク吐
出ヘッド６の複数のインク吐出口から夫々、赤（Ｒ）、
緑（Ｇ）及び青（Ｂ）の各インクを吐出させ、画素部を
所定のパターンに合わせて着色してもよい。

【００１８】又、この際に用いられるインクとしては、
例えば、モノアゾ系、ジスアゾ系、フタロシアニン系等
の染料或いは顔料を色材として用いたＲＧＢのインク
を、インクジェット用に調整したもの等が挙げられる。
特に、本発明のカラーインクの製造方法においては、ガ
ラス等の基板に直接インクを付与することとなり、その
後はバックライトの光が当てられるので、接着性や耐光
性等のよいインクを使用することが好ましい。例えば、
有機顔料を分散剤によって所望のバインダー中に分散さ
せた有機顔料系のインクを用いることが好ましいが、こ
れに限定されるものではない。

【００１９】このようなインクの構成例としては、例え
ば、アントラキノン染料、アゾ染料、トリフェニルメタ
ン染料、ポリメチン染料等の染料を、アクリル−シリコ
ーングラフトポリマーを主成分とする自己架橋熱硬化型
樹脂等に分散させ、イソプロピルアルコール、エチレン
グリコール、Ｎ−メチル−２−ピロリドン等の溶剤で溶
解させたものに、アセチレノール（商品名）等の表面張
力調整剤を添加して、例えば、表面張力を３２ｄｙｎ／
ｃｍに調整したものや、表面張力を５８ｄｙｎ／ｃｍに
調整したもの等が挙げられるが、勿論、本発明に用いら
れるインクは、上記の構成に限定されるわけではない。

【００２０】以上のように、光ビームを走査して堤を形
成し、その堤の間にインクジェット法を用いて画素部を
着色する一連のプロセスにより、マスクや版を用いずに
カラーフィルターを製造することができる。

【００２１】上記の様にして得られるカラーフィルター
は、特に好ましくは、トランジスタ基板等と組み合わさ
れて、カラー液晶ディスプレイパネルに利用される。こ
こで、近年、アクティブマトリックス型のカラー液晶表
示装置においては、ブラックマトリックスに起因するＴ
ＦＴ表示特性や、表示特性の低下を防止したり、製造歩
留を向上させるために、アレイ基板側にブラックマトリ
ックスの役割を果たす遮光膜を設ける構造のものが提案
されている（特開平５−１３４２７１号公報）。この構
造のものでは、カラーフィルター基板側には遮光膜は必
要でなくなり、カラーフィルター基板側は、単に各画素
に対応したカラーフィルターが配列されているだけであ
る。

【００２２】本発明のカラーフィルターの製造方法は、
このような構造の液晶表示装置で使用されるカラーフィ
ルターを製造する場合に、より大きな効果が発揮され
る。即ち、この場合にはカラーフィルター基板側に遮光
膜を設ける必要がないので、カラーフィルター側の堤を
光透過性樹脂で形成することが可能であり、本発明のカ
ラーフィルターの製造方法で使用する光硬化性樹脂に、
光透過性材料を使用することが出来る。この結果、基板
上に遮光性の樹脂層を形成して、これに光ビームを走査
して露光部分を光硬化する場合に比べ、光透過性材料を
使用した場合の方が光ビームが透過し易い為、露光効率
が格段によく、短時間で高精度のパターンを描くことが
可能である。

【００２３】以上の様に、各画素間に設けられる堤の部
分が透明である場合には堤部分が光を透過するので、カ
ラーフィルターのコントラストを上げるためには、画素
の間を漏れる光をなくすことが望ましい。従って、本発
明方法で作製された、特に、透明な堤を有するカラーフ
ィルターでは、先に述べた様に、トランジスタ側基板に
ブラックマトリックスの役割を果たす遮光膜が設けられ
ている構造の液晶パネルに使用することが好ましい。

【００２４】図３に、本発明の製造方法によって製造さ
れたカラーフィルターを適用した好ましい液晶パネルを
例示する。図３において、３７はトランジスタ側基板で
あり、次のように構成されている。３１はガラス基板、
３２はガラス基板３１の上に構成された遮光のためのブ
ラックマトリックス、３８は液晶を駆動するための薄膜
トランジスタでブラックマトリックス３２の上に構成さ
れる。３３は液晶に電圧をかけるための透明導電膜、３
４はトランジスタ３８から透明導電膜３３に電流を伝え
るための配線である。３５は液晶で、前述の方法により
製造されたカラーフィルター基板３６と、トランジスタ
側基板３７とが組み合わされて形成されるセル内に収納
される。このような構成を有する液晶ディスプレイパネ
ルとすれば、カラーフィルター基板３６の堤５が透明材
料で形成されているとしても、トランジスタ側のブラッ
クマトリックス３２によって画素の間の光を有効に遮光
することができ、高いコントラストが実現される。

【００２５】

【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。 実施例１ 図１で示したカラーフィルターの製造方法例と同様にし
て、ガラス基板２上に不飽和ポリエステルを主成分とし
た透明の光硬化性樹脂（商品名：ＡＰＲスタンプ樹脂、
旭化成工業（株）社製）を、スピンコート法により１μ
ｍ厚となる様に塗布した。次に、基板を図２に示したＸ
−Ｙテーブルに乗せて、光硬化性樹脂が塗布された側か
ら、光照射ヘッド３を用いて、Ｈｅ−Ｃｄレーザー（波
長λ＝３２５ｎｍ）を走査して、所定のパターン形状に
照射し、露光された部分の光硬化性樹脂を硬化させた。
その後、未硬化の光硬化性樹脂を１，１，１−トリクロ
ロエタンによって除去し、所定のパターン形状の堤を基
板上に形成した。得られた基板の画素部（堤と堤との
間）にインクジェット方式によりＲＧＢのインクを付与
した後、乾燥して実施例１のカラーフィルターを得た。
尚、着色剤は有機顔料系のインクを用いて行った。実施
例１で得られたカラーフィルターは、所定のパターン形
状に堤が形成されており、着色剤の他の画素への混入は
なかった。又、得られた堤の形状を顕微鏡で観察したと
ころ、フォトマスクを使用して形成した従来の堤と同様
の精緻なものであることが確認された。

【００２６】実施例２ 光硬化性樹脂に、撥着色剤材料としてポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂を添加した以外は、全て実施例１と同様
にして実施例２のカラーフィルターを作製した。得られ
たカラーフィルターは、実施例１と同様に所定のパター
ン形状に堤が形成されており、更に、堤部分は撥着色剤
性があり、着色剤の他の画素への混入もなかった。

【００２７】実施例３ 実施例２で用いた撥着色剤材料を含有する光硬化樹脂を
用いて、図４に示すような方法で光ビームを走査させ
て、ガラス基板上に所定のパターン形状を有する堤を形
成させた以外は実施例１と同様にして、本実施例のカラ
ーフィルターを製造した。光ビームを走査させる制御プ
ログラムを種々変更して上記と同様の操作を行ったとこ
ろ、設計通りに自在に基板上に微細なパターンを有する
堤を形成することが出来た。又、得られた堤を顕微鏡で
観察したところ、フォトマスクを使用して形成した従来
の堤と同様の精緻なものが得られた。

【００２８】実施例１〜３で作製したカラーフィルター
を、図３で示したようなブラックマトリックスが設けら
れたトランジスタ側基板と組み合わせてカラー液晶ディ
スプレイパネルを作製した。この得られたカラー液晶デ
ィスプレイパネルを用いて画像を表示させたところ、良
好なカラー画像を表示することができた。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
下記に挙げる効果が得られる。 （１）従来のように、フォトマスクや版を使用すること
なくカラーフィルターを製造することができるので、製
版等にかかる時間を短縮することが出来、新しい画素パ
ターンを有するカラーフィルターをタイムリーに得るこ
とが可能となる為、新製品の出現に伴うカラーフィルタ
ーの頻繁な仕様の変更に迅速に対処し得るカラーフィル
ターの製造方法が提供される。 （２）従来の製造方法と比べて、高価なフォトマスクや
版を使用することなく、且つ製造工程も短縮できるの
で、カラーフィルターの製造コストを低減することがで
き、これに伴ってカラー液晶ディスプレイパネルの製造
コストも低減することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカラーフィルター製造方法の一例を示
す概略図である。

【図２】堤を製造するための光照射ヘッドの一例を示す
概略図である。

【図３】本発明のカラー液晶ディスプレイパネルの一例
を示す概略断面図である。

【図４】本発明のカラーフィルターの製造方法の別の一
例を示す概略図である。

【図５】本発明のカラーフィルターの製造方法の別の一
例を示す概略図である。

【符号の説明】

１：光硬化性樹脂 ２：基板（ガラス基板） ３：光照射ヘッド ４：光ビーム ５：堤 ６：インクジェットヘッド ７：インク（赤） ８：インク（緑） ９：インク（青） １０：画素（赤） １１：画素（緑） １２：画素（青） １３：Ｘ−Ｙテーブル １４：基板 １５：基板表面 １６：光源 １７：反射板 １８：集光レンズ １９：光ビーム ２０：基板 ２１：光硬化性樹脂溶液 ２２：ビーム照射ヘッド ２３：光ビーム ３１：液晶用ガラス基板 ３２：ブラックマトリックス ３３：透明導電膜 ３４：配線 ３５：液晶 ３６：カラーフィルター ３７：トランジスタ側基板 ３８：トランジスタ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明な基板上に光硬化性樹脂を配置し、
   該光硬化性樹脂の一部を硬化させて多数の画素に区切
   り、形成された画素部を所定の色に着色するカラーフィ
   ルターの製造方法において、光ビームを走査することに
   よって上記光硬化性樹脂の所定の部分を露光して光硬化
   し、基板上に堤を形成して画素に区切り、且つ形成され
   た堤で囲まれた部分をインクジェット記録方式によって
   夫々の色に着色して画素パターンを形成することを特徴
   とするカラーフィルターの製造方法。
2. 【請求項２】 基板上に堤を形成する方法が、光硬化性
   樹脂溶液中に透明基板を浸漬し、該基板表面に光ビーム
   を走査して所望の位置を露光することによって、基板表
   面近傍に配置されている光硬化性樹脂を部分的に硬化す
   るものである請求項１に記載のカラーフィルターの製造
   方法。
3. 【請求項３】 光硬化性樹脂中に撥着色剤性材料が含有
   されている請求項１又は請求項２に記載のカラーフィル
   ターの製造方法。
4. 【請求項４】 請求項１〜請求項３のいずれかに記載の
   カラーフィルターの製造方法によって製造されたカラー
   フィルターと、遮光のためのブラックマトリックスが設
   けられているトランジスタ側基板とが対向されて組み合
   わされていることを特徴とするカラー液晶ディスプレイ
   パネル。