JP4947652B2 - 官能基含有ブロック共重合体及びその組成物 - Google Patents
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Description
さらに本発明は、特定の官能基を含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる一次変性ブロック共重合体又はその水添物と熱可塑性樹脂及び/又はゴム状重合体、及び特定の官能基を有する架橋剤からなる重合体組成物に関するものである。
しかしながらかかる変性重合体は、本質的に1,5−ジアザービシクロ〔3.1.0〕ヘキサン及びその誘導体、さらに脂肪族アミン又は芳香族アミンとアルデヒドからのシッフ塩基で変性することを意図したものであり、得られる変性重合体の構造が本発明と異なる。つまり、本公報で開示されている変性重合体は酸アミド基を介して末端酸基又はその塩により変性されているのみで、本発明の変性ブロック共重合体のような官能基と同時に酸素原子或いはカルボニル基を有していないため、熱可塑性樹脂及び/又はゴム状重合体、無機充填材、極性基含有添加剤等との親和力が十分でなく、本発明が目的とする改善効果が十分発揮できない。
[1] ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする重合体ブロックBからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜95wt%であるブロック共重合体又はその水添物[P]に官能基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも1個結合している下記式(6)〜式(10)のいずれかで表される変性ブロック共重合体である成分(1−1)1〜99wt%及び官能基含有熱可塑性樹脂及び官能基含有ゴム状重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の成分(2)99〜1wt%からなる組成物100質量部と、(成分1−1)の官能基及び成分(2)の官能基と反応性を有する架橋剤である成分(3) 0.01〜20質量部からなる重合体組成物。
上記の式において、
[A−1]は、下記式のいずれかで表される結合単位
[B−1]は、下記式で表される結合単位
[C−1]は、下記式のいずれかで表される結合単位
[D−1]は、下記式で表される結合単位
[E−1]は、下記式で表される結合単位
[F−1]は、下記式のいずれかで表される結合単位
(上式で、Nは窒素原子、Siは珪素原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Hは水素原子である。R 1 、R 3 、R 9 は炭素数1〜24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜24の炭化水素基である。R 4 、R 8 、R 10 、R 13 〜R 15 は炭素数1〜48の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜48の炭化水素基である。R 2 、R 11 は炭素数1〜24の炭化水素基である。R 5 〜R 7 、R 12 は、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基である。R 1 〜R 4 、及びR 8 〜R 15 の炭化水素基には、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子等の元素が結合していても良い。a、b、c、eは0又は1以上の整数である。但し、aとbは同時に0ではない。dは1以上の整数である。R 1 〜R 15 の炭化水素基は、1価又は2価以上の炭化水素基である。)
[2] 成分(2)が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種の官能基含有熱可塑性樹脂である請求項1に記載の重合体組成物。
[3] 架橋剤が、カルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を含有する架橋剤である請求項1又は2に記載の重合体組成物。
本発明における一次変性ブロック共重合体又はその水添物、及び二次変性ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量は、剛性の点から5wt%以上、耐衝撃性の改良効果の点から95wt%以下であり、より好ましくは10〜90wt%、更に好ましくは15〜85wt%の範囲である。これらのビニル芳香族炭化水素含有量が60wt%以上、好ましくは65wt%以上の場合は樹脂的な特性を有し、60wt%未満、好ましくは55wt%以下の場合は弾性的な特性を有する。
B−(A−B)n−Z、 Z−(A−B)n、
Z−(A−B)n−Z、 Z−A−(B−A)n−Z、 Z−B−(A−B)n−Z、 [(B−A)n]m−Z、 [(A−B)n]m−Z、 [(B−A)n−B]m−Z、 [(A−B)n−A]m−Z
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体である。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上の整数、好ましくは1〜5の整数である。mは2以上の整数、好ましくは2〜11の整数である。Zは、後述する官能基を有する原子団が結合している変性剤の残基を示す。Zを後述するメタレーション反応で付加させる場合は、Aブロック及び/又はBブロックの側鎖に結合している。ブロック共重合体中にAブロック及びBブロックがそれぞれ複数存在する場合、それらの構造は同一でも、異なっていても良い。また、Zに結合しているポリマー鎖の構造は同一でも、異なっていても良い。)
ビニル芳香族炭化水素のブロック率(wt%)
=(ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの質量/ブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の質量)×100
尚、本発明においては、ブロック共重合体のリビング末端に変性剤を反応させる際に、一部変性されていないブロック共重合体が成分(1−1)の一次変性ブロック共重合体に混在しても良い。成分(1−1)の変性ブロック共重合体に混在する未変性のブロック共重合体の割合は、好ましくは70wt%以下、より好ましくは60wt%以下、更に好ましくは50wt%以下であることが推奨される。
例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、4,4'−ジグリシジルージフェニルメチルアミン、4,4'−ジグリシジルージベンジルメチルアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン等のポリエポキシ化合物である。
さらに、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N'−ジメチルプロピレンウレア、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−プロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−ブチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−メトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルエチレンチオウレア、N,N'−ジエチルプロピレンウレア、N−メチル−N'−エチルプロピレンウレア等が挙げられる。
本発明の二次変性ブロック共重合体は、上記の一次変性ブロック共重合体又はその水添物に、該一次変性ブロック共重合体又はその水添物の官能基と反応性を有する架橋剤(以下、成分(3)とも呼ぶ)を反応させた二次変性ブロック共重合体(以下、成分(1)とも呼ぶ)であり、上述した式(1)〜(5)のいずれかで表される構造を有する二次変性ブロック共重合体である。二次変性ブロック共重合体に結合されているR1〜R20の炭化水素基は、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、シクロアルキル、アルキレンから選ばれる少なくとも一種の1価又は2価以上の炭化水素基である。
イソシアネート基を有する架橋剤としてはトリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、多官能芳香族イソシアナート等が挙げられる。
本発明において、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に基づくビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて知ることができる。また水添率も、同装置を用いて知ることができる。一次変性ブロック共重合体又はその水添物、及び二次変性ブロック共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
熱可塑性樹脂としては、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合樹脂、前記のビニル芳香族化合物の重合体、前記のビニル芳香族化合物と他のビニルモノマー、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等との共重合樹脂、ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)、オレフィン系重合体、エチレン−ノルボルネン樹脂等の環状オレフィン系樹脂,ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル酸及びそのエステルやアミドの重合体、ポリアクリレート系樹脂、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルの重合体、これらのアクリロニトリル系モノマーを50wt%以上含有する他の共重合可能なモノマーとの共重合体であるニトリル樹脂である。
また、本発明の二次変性グロック共重合体とゴム状重合体をブレンドした場合、引張強度や伸び特性、成形加工性に優れた重合体組成物が得られる。
本発明においては、上記の一次変性ブロック共重合体又はその水添物である成分(1−1)1〜99wt%、好ましくは2〜90wt%、更に好ましくは5〜70wt%及び熱可塑性樹脂及びゴム状重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の成分(2)99〜1wt%、好ましくは98〜10wt%、更に好ましくは95〜30wt%からなる組成物100質量部と、架橋剤成分(3)0.01〜20質量部、好ましくは0.02〜10質量部、更に好ましくは0.05〜7質量部からなる重合体組成物を得ることもできる。成分(2)が熱可塑性樹脂の場合、成分(1−1)/成分(2)の配合質量比率は2/98〜90/10、好ましくは5/95〜60/40、更に好ましくは10/90〜40/60であることが推奨される。
本発明に用いるポリアミド系樹脂は、ジカルボン酸とジアミンの重縮合物、α−アミノカルボン酸の重縮合物、環状ラクタムの開環重合物等である。具体的には、ナイロン−4,6、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−11、ナイロン−12等やこれらの共重合体、すなわちナイロン−6−ナイロン−6,6共重合体、ナイロン−6−ナイロン−12共重合体等が挙げられる。これらのポリアミド系樹脂の融点は150〜270℃が好ましく、より優れた加工性を求める場合には260℃以下の融点を有するポリアミド系樹脂がより好ましい。なお上記ポリアミド系樹脂は、単独もしくは2種以上の組み合わせで用いることができる。
本発明に用いられるポリカーボネート系樹脂の粘度平均分子量は、得られる組成物の強度や耐熱性の点から1万以上、また加工性の点から6万以下が好ましく、より好ましくは12,000〜45,000、更に好ましくは13,000〜35,000である。なお本発明における粘度平均分子量(M)は、ポリカーボネート系樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに20℃で溶解して求めた比粘度から算出したものである。
本発明に用いるポリウレタン系樹脂の重量平均分子量は、得られる組成物の機械特性の点から、好ましくは5,000〜50万、より好ましくは1万〜30万である。
例えば、金属水酸化物、シリカ系無機充填剤、金属酸化物等の無機充填材や有機充填材を添加することができる。これらの無機充填材や有機充填材は、これらの充填材による作用効果と加工性とのバランスから、成分(1)、又は成分(1−1)100質量部に対して、0.5〜2000質量部、好ましくは1〜1000質量部、より好ましくは3〜500質量部であることが推奨される。
これら無機充填材は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。またその他無機充填材として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、アスベスト、スラッグウールなどの無機充填剤を添加することができる。
本発明においては、無機充填材の表面を、ステアリン酸、オレイン酸、パルチミン酸等の脂肪酸またはその金属塩;パラフィン、ワックス、ポリエチレンワックス、又はそれらの変性物;有機ボラン、有機チタネート等の有機金属化合物;シランカップリング剤等で表面処理したものであってもよい。
本発明においては、加工性を改良するためにゴム用軟化剤を配合することが出来る。ゴム用軟化剤としては鉱物油又は液状もしくは低分子量の合成軟化剤が適しており、一般にゴムの軟化、増容、加工性向上に用いられるプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤や、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン、流動パラフィン、ミネラルオイル、有機ポリシロキサン、ヒマシ油、アマニ油等の軟化剤が使用できる。これらの軟化剤は重合体の製造時に予め重合体の中に含ませておいても良い。本発明で用いるゴム用軟化剤としては、色調の点でナフテン系及び/又はパラフィン系のものが好ましい。これらの軟化剤の配合量は、成分(1)、又は成分(1−1)100質量部に対して0〜200質量部、好ましくは0〜100質量部の範囲が好ましい。
本発明において、溶融混練温度は使用する熱可塑性樹脂やゴム状重合体の軟化温度や融点等を目安として選定できるが、熱可塑性樹脂の溶融粘度、及びゴム状重合体や、成分(1)の二次変性ブロック共重合体、成分(1−1)の一次変性ブロック共重合体又はその水添物の熱劣化の点から、一般に50〜350℃が好ましく、より好ましくは100〜330℃、更に好ましくは130〜300℃である。また、溶融混練時間(或いは溶融混練工程の平均滞留時間)は、混練度合い(分散性)や生産性、配合成分の劣化等の点から、一般に0.2〜60分が好ましく、より好ましくは0.5〜30分、更に好ましくは1〜20分である。
1.ブロック共重合体又はその水添物の特性
(1)スチレン含有量
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
(3)分子量
GPC(装置:島津製作所社製LC10、カラム:島津製作所社製Shimpac GPC805+GPC804+GPC804+GPC803)で測定した。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。分子量は、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性した成分が吸着する特性を応用し、変性ブロック共重合体と低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液について、上記(3)で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性ブロック共重合体の割合と、シリカ系カラムGPC〔装置はデュポン社製:Zorbax〕で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する変性ブロック共重合体の割合を比較し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定した。未変性ブロック共重合体の割合は、シリカカラムへ吸着しなかったものの割合である。
水添反応に用いた水添触媒は、下記の方法で調製した。
(1)水添触媒I
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジ−(p−トリル)40ミリモルと分子量が約1,000の1,2−ポリブタジエン(1,2−ビニル結合量約85%)150グラムを溶解した後、n−ブチルリチウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加して室温で5分反応させ、直ちにn−ブタノール40ミリモルを添加攪拌して室温で保存した。
ポリマー1(以下P−1と呼ぶ)
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製したブタジエン80質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて70℃で1時間重合し、さらにスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合してブロック共重合体のリビングポリマーを得た。得られたブロック共重合体の特性を表1に示した。
ポリマー2(以下P−2と呼ぶ)〜ポリマー8(以下P−8と呼ぶ)
ポリマー1と同様の方法により、表1に示した特性を有するブロック共重合体のリビングポリマーを得た。
ブロック共重合体のリビングポリマーの溶液中に、表2に示した所定量の変性剤を添加し、70℃で20分間反応させて一次変性ブロック共重合体を得た。一次変性ブロック共重合体の水添物は、上記の一次変性ブロック共重合体の溶液に水添触媒I又はIIをTiとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を1時間行った。
一次変性ブロック共重合体又はその水添物の溶液にメタノールを重合に使用したn−ブチルリチウムに対して10倍モル添加し、その後炭酸水を添加してPHを8以下に調整した。得られた一次変性ブロック共重合体又はその水添物の特性を表2に示した。
上記で得られた一次変性ブロック共重合体又はその水添物に、架橋剤を、溶融混練法又は溶液法で反応させて二次変性ブロック共重合体を得た。
溶融混練法の場合は、上記で得られた一次変性ブロック共重合体又はその水添物の溶液に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートをブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加した後、溶媒を除去した。得られた一次変性ブロック共重合体又はその水添物に所定量の架橋剤をブレンドし、30mmφ二軸押出機で220℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練して反応させた。
得られた二次変性ブロック共重合体の特性を表2に示した。
(1)変性ブロック共重合体
使用した変性ブロック共重合体を表2に示した。
(2)熱可塑性樹脂
PET:三井化学製三井ペットSA135
ポリアミド:ナイロン6(東レNylon CM1017)
ポリプロピレン樹脂:サンアロマーPC600S(モンテルSDK製)
(3)ゴム状重合体
TPEE:エステル系熱可塑性エラストマー(東レ・デュポン製Hytrel4047)
(4)その他成分
シリカ:旭化成ワッカーシリコーン製高分散性シリカ HDK−N200
パラフィン系オイル:ダイアナプロセスオイルPW380(出光興産製)
有機過酸化物:パーヘキサ25B(日本油脂製)
加硫促進剤:ジビニルベンゼン7.物性測定
曲げ弾性率(MPa):ASTM−D790に準拠した。
ノッチ付きIzod衝撃強度(J/m):JIS K−7110に準拠した。
引張強さ(MPa)及び引張伸び(%):JIS3号ダンベルで試験片を作成し、引張速度500mm/min.で測定した。
ストランド性:○ ゴム状重合体との溶融混練時にストランドカット可能
× ゴム状重合体との溶融混練時にストランドカット不可能
表3に示した配合処方に従って、所定量の熱可塑性樹脂、表2に示した一次変性ブロック共重合体及び架橋剤をドライブレンドし、さらに安定剤として2−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−t−アミノフェニルアクリレートをブレンド物100質量部に対して0.3質量部添加し、30mmφ二軸押出機でPETの場合は250℃、ポリアミドの場合は260℃で、スクリュー回転数250rpmで溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた組成物の物性を表3に示した。
表2に示した二次変性ブロック共重合体を用い、表4に示した配合処方に従って実施例1〜8と同様の方法で樹脂組成物を得た。組成物の組成、及び物性を表4に示した。なお、表2に示した二次変性ブロック共重合体のうち、二次変性ブロック共重合体2P−1〜2P−6は溶融混練法により、また二次変性ブロック共重合体2P−7は溶液法で作製した。
実施例1〜19及び比較例1〜8の結果から、本発明の官能基含有ブロック共重合体は、熱可塑性樹脂の衝撃強度改良に効果を有することがわかる。
表2に示した二次変性ブロック共重合体を用い、表5に示した配合処方に従って30mmφ二軸押出機で、220℃で、スクリュー回転数250rpmで溶融混練してゴム状重合体組成物を得た。得られた組成物の物性を表5に示した。
表2に示した二次変性ブロック共重合体を用い、表6に示した配合処方に従って30mmφ二軸押出機で、230℃で、スクリュー回転数200rpmで溶融混練してゴム状重合体組成物を得た。得られた組成物の物性を表6に示した。
実施例20〜23及び比較例9、10の結果から、本発明の官能基含有ブロック共重合体は、ゴム状重合体の性能改良に効果を有することがわかる。
表7に示した配合処方に従って、変性ブロック共重合体100質量部に対し、シリカ20質量部、ポリプロピレン48質量部、パラフィン系オイル72質量部をヘンシェルミキサーで混合し、30mmφ二軸押出機を用いて220℃で溶融混練して動架橋前の配合物を得た。この配合物に加硫剤を添加し、30mmφ二軸押出機で溶融混練して動加硫した動架橋重合体組成物を得た。得られた組成物の物性を表7に示した。
Claims (3)
- ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと共役ジエンを主体とする重合体ブロックBからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜95wt%であるブロック共重合体又はその水添物[P]に官能基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも1個結合している下記式(6)〜式(10)のいずれかで表される変性ブロック共重合体である成分(1−1)1〜99wt%及び官能基含有熱可塑性樹脂及び官能基含有ゴム状重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の成分(2)99〜1wt%からなる組成物100質量部と、(成分1−1)の官能基及び成分(2)の官能基と反応性を有する架橋剤である成分(3) 0.01〜20質量部からなる重合体組成物。
上記の式において、
[A−1]は、下記式のいずれかで表される結合単位
[B−1]は、下記式で表される結合単位
[C−1]は、下記式のいずれかで表される結合単位
[D−1]は、下記式で表される結合単位
[E−1]は、下記式で表される結合単位
[F−1]は、下記式のいずれかで表される結合単位
(上式で、Nは窒素原子、Siは珪素原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Hは水素原子である。R1、R3、R9は炭素数1〜24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜24の炭化水素基である。R4、R8、R10、R13〜R15は炭素数1〜48の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する炭素数1〜48の炭化水素基である。R2、R11は炭素数1〜24の炭化水素基である。R5〜R7、R12は、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基である。R1〜R4、及びR8〜R15の炭化水素基には、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子等の元素が結合していても良い。a、b、c、eは0又は1以上の整数である。但し、aとbは同時に0ではない。dは1以上の整数である。R1〜R15の炭化水素基は、1価又は2価以上の炭化水素基である。) - 成分(2)が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂から選ばれる少なくとも一種の官能基含有熱可塑性樹脂である請求項1に記載の重合体組成物。
- 架橋剤が、カルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を含有する架橋剤である請求項1又は2に記載の重合体組成物。
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JP2007219204A JP4947652B2 (ja) | 2001-08-10 | 2007-08-27 | 官能基含有ブロック共重合体及びその組成物 |
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