JP2003327702A - 変性ブロック共重合体及びその組成物 - Google Patents

変性ブロック共重合体及びその組成物

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JP2003327702A
JP2003327702A JP2002135979A JP2002135979A JP2003327702A JP 2003327702 A JP2003327702 A JP 2003327702A JP 2002135979 A JP2002135979 A JP 2002135979A JP 2002135979 A JP2002135979 A JP 2002135979A JP 2003327702 A JP2003327702 A JP 2003327702A
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JP2002135979A
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English (en)
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Nobuaki Kubo
伸明 久保
Yasuhiro Kusanose
康弘 草ノ瀬
Shigeki Takayama
茂樹 高山
Toshinori Shiraki
利典 白木
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂及び/又はゴム状重合体に対す
る相容性が良好な変性ブロック共重合体、及び該変性ブ
ロック共重合体と熱可塑性樹脂及び/又はゴム状重合体
からなる機械的強度及び耐衝撃性に優れる変性ブロック
共重合体組成物を提供する。 【解決手段】 1.ビニル芳香族炭化水素を主体とする
少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体
とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロ
ック共重合体に官能基含有変性剤を付加反応させてなる
一次変性ブロック共重合体又はその水添物である成分
(1)が、成分(1)の官能基と反応性を有する官能性
オリゴマーである成分(2)で変性された変性ブロック
共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂及び
/又はゴム状重合体に対する相容性が良好な変性ブロッ
ク共重合体に関し、更に詳しくは、特定の変性ブロック
共重合体を該変性ブロック共重合体の官能基と反応性を
有する官能性オリゴマーで変性した変性ブロック共重合
体に関する。また、本発明は、機械的強度や耐衝撃性に
優れた組成物に関し、更に詳しくは、特定の変性ブロッ
ク共重合体を該変性ブロック共重合体の官能基と反応性
を有する官能性オリゴマーで変性した変性ブロック共重
合体と熱可塑性樹脂及び/又はゴム状重合体からなる変
性ブロック共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム的な軟質材料であって加硫工
程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有
する熱可塑性エラストマーが自動車部品、家電部品、電
線被覆材、医療部品、雑貨、履物等の分野で使用されて
いる。このようななかで、熱可塑性エラストマーとして
ビニル芳香族化合物の含有量が比較的少ない、例えばビ
ニル芳香族化合物の含有量が約30重量%の共役ジエン
とビニル芳香族化合物からなるブロック共重合体やその
水添物が加硫ゴムに似た特性を示すため好適に利用され
ている。また、かかるブロック共重合体やその水添物を
各種熱可塑性樹脂やゴム状重合体と組み合わせて相互の
特性を改良する試みがなされている。しかしながら、共
役ジエンとビニル芳香族化合物からなるブロック共重合
体やその水添物を熱可塑性樹脂やゴム状重合体と組み合
わせて使用する場合、相互の相容性が不十分で目的とす
る改善効果が得られないという問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性樹脂及び/又はゴム状重合体に対する相容性が良好
な変性ブロック共重合体、また該変性ブロック共重合体
と熱可塑性樹脂及び/又はゴム状重合体からなり、機械
強度や耐衝撃性等に優れた組成物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱可塑性樹
脂及び/又はゴム状重合体に対する相容性が良好なブロ
ック共重合体を開発するために鋭意検討を重ねた結果、
特定の変性ブロック共重合体を該変性ブロック共重合体
の官能基と反応性を有する官能性オリゴマーで変性した
変性ブロック共重合体により上記課題を効果的に解決で
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は下記の通りである。
【0005】1.ビニル芳香族炭化水素を主体とする少
なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエンを主体
とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロ
ック共重合体に官能基含有変性剤を付加反応させてなる
一次変性ブロック共重合体又はその水添物である成分
(1)が、成分(1)の官能基と反応性を有する官能性
オリゴマーである成分(2)で変性された変性ブロック
共重合体(A)。 2.成分(1)に、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シ
ラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基が
結合していることを特徴とする上記1記載の変性ブロッ
ク共重合体(A)。
【0006】3.官能基含有変性剤が、ブロック共重合
体との付加反応により、成分(1)に水酸基、エポキシ
基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から
選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団を生成さ
せる変性剤である上記1又は2に記載の変性ブロック共
重合体(A)。 4.成分(2)の官能性オリゴマーが、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、
エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選
ばれる官能基を有する官能性オリゴマーである上記1〜
3のいずれかに記載の変性ブロック共重合体(A)。 5.成分(1)が、下記式(1)〜式(14)から選ば
れる官能基を少なくとも1個有する原子団が結合してい
ることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の変性
ブロック共重合体(A)。
【0007】
【化2】
【0008】(上式で、R〜Rは、水素又は炭素数
1〜24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、
アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ば
れる官能基を有する炭素数1〜24の炭化水素基。R
は炭素数1〜48の炭化水素鎖、あるいは水酸基、エポ
キシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基
から選ばれる官能基を有する炭素数1〜48の炭化水素
鎖。なおR〜Rの炭化水素基、及びRの炭化水素
鎖中には、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール
基、アルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素、窒
素、シリコン等の元素が結合していても良い。Rは水
素又は炭素数1〜8のアルキル基である。) 6.上記1〜5のいずれかに記載の変性ブロック共重合
体である成分(A)1〜99質量部熱可塑性樹脂及びゴ
ム状重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の成
分(B)99〜1質量部からなる変性ブロック共重合体
組成物。
【0009】本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で使用する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素か
らなる一次変性ブロック共重合体又はその水添物のビニ
ル芳香族炭化水素含有量は、好ましくは剛性の点から5
wt%以上、耐衝撃性の改良効果の点から95wt%以
下であり、より好ましくは10〜90wt%、更に好ま
しくは15〜85wt%の範囲で使用できる。変性ブロ
ック共重合体又はその水添物のビニル芳香族炭化水素含
有量が60wt%以上、好ましくは65wt%以上の場
合は樹脂的な特性を有し、60wt%未満、好ましくは
55wt%以下の場合は弾性的な特性を有す。
【0010】ブロック共重合体の製造方法としては、例
えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17
979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭
49−36957号公報、特公昭48−2423号公
報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−289
25号公報、特公昭51−49567号公報、特開昭5
9−166518号公報、特開昭60−186577号
公報などに記載された方法が挙げられる。これらの方法
で得られるブロック共重合体のリビング末端に後述する
変性剤を付加反応することにより本発明で使用する一次
変性ブロック共重合体が得ることができ、例えば下記一
般式で表されるような構造を有する。
【0011】(A−B)−X、 A−(B−A)
X、B−(A−B)−X、 X−(A−B)、X−
(A−B)−X、 X−A−(B−A)−X、X−
B−(A−B)−X、 [(B−A)−X、
[(A−B)]−X、 [(B−A)−B]−X、
[(A−B)−A]−X (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とす
る重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする
重合体である。AブロックとBブロックとの境界は必ず
しも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上の整
数、好ましくは1〜5の整数である。mは2以上の整
数、好ましくは2〜11の整数である。Xは、後述する
官能基を有する原子団が結合している変性剤の残基を示
す。Xを後述するメタレーション反応で付加させる場合
は、Aブロック及び/又はBブロックの側鎖に結合して
いる。また、Xに結合しているポリマー鎖の構造は同一
でも、異なっていても良い。)
【0012】尚、上記において、ビニル芳香族炭化水素
を主体とする重合体ブロックAとは、ビニル芳香族炭化
水素を好ましくは50wt%以上、より好ましくは70
wt%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
との共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素
単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重
合体ブロックBとは、共役ジエンを好ましくは50wt
%を超える量で、より好ましくは60wt%以上含有す
る共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロ
ック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。
共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分
布していても、又テーパー状に分布していてもよい。
又、該共重合体部分には、ビニル芳香族炭化水素が均一
に分布している部分及び/又はテーパー状に分布してい
る部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。本発明で
使用するブロック共重合体は、上記一般式で表されるブ
ロック共重合体の任意の混合物でもよい。
【0013】本発明において、ブロック共重合体中の共
役ジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの
比率)は、後述する極性化合物等の使用により任意に変
えることができ、共役ジエンとして1,3−ブタジエン
を使用した場合には、1,2−ビニル結合量は好ましく
は5〜90%、より好ましくは10〜80%、共役ジエ
ンとしてイソプレンを使用した場合又は1,3−ブタジ
エンとイソプレンを併用した場合には、1,2−ビニル
結合と3,4−ビニル結合の合計量は好ましくは3〜8
0%、より好ましくは5〜70%である。
【0014】但し、ブロック共重合体として水添物を使
用する場合のミクロ構造は、共役ジエンとして1,3−
ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合量
は好ましくは10〜80%、更に好ましくは25〜75
%であり、共役ジエンとしてイソプレンを使用した場合
又は1,3−ブタジエンとイソプレンを併用した場合に
は、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量
は好ましくは5〜70%であることが推奨される。な
お、本発明においては、1,2−ビニル結合と3,4−
ビニル結合の合計量(但し、共役ジエンとして1,3−
ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合
量)を以後ビニル結合量と呼ぶ。
【0015】本発明において、共役ジエンとは1対の共
役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3
−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソ
プレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであ
るが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、
イソプレンが挙げられる。これらは一つのブロック共重
合体の製造において一種のみならず二種以上を使用して
もよい。又、ビニル芳香族重合体としては、スチレン、
o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ter
t−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセ
ン、などがあるが、特に一般的なものとしてはスチレン
が挙げられる。これらは一つのブロック共重合体の製造
において一種のみならず二種以上を使用してもよい。
【0016】本発明において、ブロック共重合体の共役
ジエンとしてイソプレンと1,3−ブタジエンを併用す
る場合、イソプレンと1,3−ブタジエンの質量比は好
ましくは95/5〜5/95、より好ましくは90/1
0〜10/90、更に好ましくは85/15〜15/8
5である。特に、低温特性に優れた変性ブロック共重合
体等やその組成物を得る場合には、イソプレンと1,3
−ブタジエンの質量比は好ましくは49/51〜5/9
5、より好ましくは45/55〜10/90、更に好ま
しくは40/60〜15/85であることが推奨され
る。イソプレンと1,3−ブタジエンを併用すると高温
での成形加工においても外観特性と機械的特性のバラン
ス性能の良好な変性ブロック共重合体やその組成物が得
られる。
【0017】本発明において、組成物の剛性保持の点か
ら、ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族
炭化水素重合体ブロックの割合(ビニル芳香族炭化水素
のブロック率という)を、好ましくは50wt%以上、
より好ましくは50wt%〜97wt%、さらに好まし
くは60〜95wt%、とりわけ好ましくは70〜92
wt%に調整することが推奨される。ブロック共重合体
に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率
の測定は、例えば四酸化オスミウムを触媒としてターシ
ャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共
重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOF
F,etal.,J.Polym.Sci.1,429
(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭
化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以
下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)
を用いて、次の式から求めることができる。 ビニル芳香族炭化水素のブロック率(wt%)=(ブロ
ック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロック
の質量/ブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素
の質量)×100
【0018】本発明において、ブロック共重合体の製造
に用いられる溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン
等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或いはベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭
化水素などの炭化水素系溶媒が使用できる。これらは一
種のみならず二種以上を混合して使用してもよい。
【0019】又、ブロック共重合体の製造に用いられる
有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原
子を結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、n
−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチ
ルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニル
ジリチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられ
る。これらは一種のみならず二種以上を混合して使用し
てもよい。又、有機リチウム化合物は、ブロック共重合
体の製造において重合途中で1回以上分割添加してもよ
い。
【0020】本発明において、ブロック共重合体の製造
時重合速度の調整、重合した共役ジエン部分のミクロ構
造の変更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との反応
性比の調整などの目的で極性化合物やランダム化剤を使
用することができる。極性化合物やランダム化剤として
は、エーテル類、アミン類、チオエーテル類、ホスホル
アミド、アルキルベンゼンスルホン酸のカリウム塩又は
ナトリウム塩、カリウムまたはナトリウムのアルコキシ
ドなどが挙げられる。
【0021】適当なエーテル類の例はジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジブチルエーテルである。アミン
類としては第三級アミン、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、その他環状
第三級アミンなども使用できる。ホスフィン及びホスホ
ルアミドとしては、トリフェニルホスフィン、ヘキサメ
チルホスホルアミドなどがある。
【0022】本発明において、ブロック共重合体を製造
する際の重合温度は、好ましくは−10℃〜150℃、
より好ましくは30℃〜120℃である。重合に要する
時間は条件によって異なるが、好ましくは48時間以内
であり、特に好適には0.5〜10時間である。又、重
合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にする
ことが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノ
マー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行
えばよく、特に限定されるものではない。更に、重合系
内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような
不純物、例えば水、酸素、炭酸ガスなどが混入しないよ
うにすることが好ましい。
【0023】本発明で用いる成分(1)の一次変性ブロ
ック共重合体又はその水添物は、ビニル芳香族炭化水素
を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共
役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロック
Bからなるブロック共重合体に官能基含有変性剤を付加
反応させてなり、該ブロック共重合体に水酸基、カルボ
キシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲ
ン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸
基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エス
テル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル
基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ
基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ
基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート
基、イソチオシアネート基、シラノール基、アルコキシ
シラン、ハロゲン化ケイ素基、ハロゲン化スズ基、アル
コキシスズ基、フェニルスズ基等から選ばれる官能基が
結合していることを特徴とする。
【0024】かかる官能基が結合しているブロック共重
合体を得る方法は、ブロック共重合体のリビング末端と
の付加反応により、該ブロック共重合体に前記の官能基
から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団が結
合されている変性ブロック共重合体を生成する官能基含
有変性剤を付加反応させる方法、あるいは該官能基を公
知の方法で保護した原子団が結合している変性剤を付加
反応させる方法により得ることができる。他の方法とし
ては、ブロック共重合体に有機リチウム化合物等の有機
アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)さ
せ、ブロック共重合体に有機アルカリ金属が付加した重
合体に上記の変性剤を付加反応させる方法が上げられ
る。
【0025】後者の場合、ブロック共重合体の水添物を
得た後にメタレーション反応させ、上記の変性剤を反応
させてもよい。変性剤の種類により、変性剤を反応させ
た段階で一般に水酸基やアミノ基等は有機金属塩となっ
ていることもあるが、その場合には水やアルコール等活
性水素を有する化合物で処理することにより、水酸基や
アミノ基等にすることができる。尚、本発明において
は、ブロック共重合体のリビング末端に変性剤を反応さ
せる際に、一部変性されていないブロック共重合体が一
次変性ブロック共重合体に混在しても良い。成分(1)
に混在する未変性のブロック共重合体の割合は、好まし
くは70wt%以下、より好ましくは60wt%以下、
更に好ましくは50wt%以下であることが推奨され
る。
【0026】本発明で用いる成分(1)の一次変性ブロ
ック共重合体又はその水添物として特に好ましいもの
は、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、ア
ルコキシシラン基から選ばれる官能基が結合している一
次変性ブロック共重合体又はその水添物である。本発明
において、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール
基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基として好ま
しいものとして、下記式(1)〜式(14)のような一
般式で示されるものから選ばれる官能基が挙げられる。
【0027】
【化3】
【0028】(上式で、R〜Rは、水素又は炭素数
1〜24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、
アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ば
れる官能基を有する炭素数1〜24の炭化水素基。R
は炭素数1〜48の炭化水素鎖、あるいは水酸基、エポ
キシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基
から選ばれる官能基を有する炭素数1〜48の炭化水素
鎖。なおR〜Rの炭化水素基、及びRの炭化水素
鎖中には、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール
基、アルコキシシラン基以外の結合様式で、酸素、窒
素、シリコン等の元素が結合していても良い。Rは水
素又は炭素数1〜8のアルキル基である。)
【0029】本発明において、水酸基、エポキシ基、ア
ミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれ
る官能基を少なくとも1個有する原子団が結合している
一次変性ブロック共重合体又はその水添物を得るために
使用される官能基含有変性剤としては、下記のものが上
げられる。例えば、テトラグリシジルメタキシレンジア
ミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシ
クロヘキサン、テトラグリシジル−p−フェニレンジア
ミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジ
グリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、
γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブト
キシシランである。
【0030】また、γ−グリシドキシプロピルトリフェ
ノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラ
ンである。
【0031】また、γ−グリシドキシプロピルジエチル
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイ
ソプロペンオキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロ
ピル)ジメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロ
ピル)ジエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロ
ピル)ジプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプ
ロピル)ジブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプ
ロピル)ジフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシ
プロピル)メチルメトキシシラン、ビス(γ−グリシド
キシプロピル)メチルエトキシシラン、ビス(γ−グリ
シドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ
−グリシドキシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス
(γ−グリシドキシプロピル)メチルフェノキシシラン
である。
【0032】また、トリス(γ−グリシドキシプロピ
ル)メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、
ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジメトキシシラ
ン、トリス(γ−メタクリロキシプロピル)メトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチル−トリエトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリプロポキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
−トリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチル−トリフェノキシシランである。
【0033】また、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)プロピル−トリメトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
−エチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチル−エチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジ
エトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル−メチルジプロポキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジブトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ル−メチルジフェノキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチル−ジメチルメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエ
チルエトキシシランである。
【0034】また、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチル−ジメチルエトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルプロポキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル−ジメチルブトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチル−ジメチルフェノキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−
ジエチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル−メチルジイソプロペンオキシシラ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3
−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチ
ルプロピレンウレア、N−メチルピロリドン等が上げら
れる。
【0035】上記の官能基含有変性剤を反応させること
により、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール
基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を少なくと
も1個有する原子団が結合している一次変性ブロック共
重合体が得られる。ブロック共重合体のリビング末端に
官能基含有変性剤を付加反応させる場合、ブロック共重
合体のリビング末端は重合体ブロックAでも重合体ブロ
ックBのいずれでも良いが、機械的強度等の良好な組成
物を得るためには重合体ブロックAの末端に結合してい
ることが好ましい。
【0036】上記の官能基含有変性剤の使用量は、重合
体のリビング末端1当量に対して、0.5当量を超え、
10当量以下、好ましくは0.7当量を超え、5当量以
下、更に好ましくは1当量を超え、4当量以下で使用す
ることが推奨される。なお、本発明において、重合体の
リビング末端の量は、重合に使用した有機リチウム化合
物の量と該有機リチウム化合物に結合しているリチウム
原子の数から算出しても良いし、得られた重合体の数平
均分子量から算出しても良い。
【0037】本発明において、一次変性ブロック共重合
体の水添物は、上記で得られた一次変性ブロック共重合
体を水素添加することにより得られる。水添触媒として
は、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、
Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミ
ナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触
媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はア
セチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム
等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触
媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物
等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いら
れる。
【0038】具体的な水添触媒としては、特公昭42−
8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭
63−4841号公報、特公平1−37970号公報、
特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公
報に記載された水添触媒を使用することができる。好ま
しい水添触媒としてはチタノセン化合物と還元性有機金
属化合物との混合物があげられる。チタノセン化合物と
しては、特開平8−109219号公報に記載された化
合物が使用できるが、具体例としては、ビスシクロペン
タジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシク
ロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シ
クロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフル
オレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上もつ
化合物があげられる。また、還元性有機金属化合物とし
ては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機
マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホ
ウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等があげられる。
【0039】水添反応は好ましくは0〜200℃、より
好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水
添反応に使用される水素の圧力は、好ましくは0.1〜
15MPa、より好ましくは0.2〜10MPa、更に
好ましくは0.3〜5MPaが推奨される。また、水添
反応時間は好ましくは3分〜10時間、より好ましくは
10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、
連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも
用いることができる。
【0040】本発明に使用される一次変性ブロック共重
合体の水添物において、共役ジエン化合物に基づく不飽
和二重結合のトータル水素添加率は目的に合わせて任意
に選択でき、特に限定されない。ブロック共重合体中の
共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の70%以
上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上
が水添されていても良いし、一部のみが水添されていて
も良い。一部のみを水添する場合には、水添率が10%
以上、70%未満、或いは15%以上、65%未満、所
望によっては20%以上、60%未満にすることが好ま
しい。
【0041】更に、本発明では、一次変性ブロック共重
合体の水添物において、水素添加前の共役ジエンにもと
づくビニル結合の水素添加率が、好ましくは85%以
上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%
以上であることが、熱安定性に優れた組成物を得る上で
推奨される。ここで、ビニル結合の水素添加率とは、ブ
ロック共重合体中に組み込まれている水素添加前の共役
ジエンにもとづくビニル結合のうち、水素添加されたビ
ニル結合の割合をいう。
【0042】なお、ブロック共重合体中のビニル芳香族
炭化水素に基づく芳香族二重結合の水添率については特
に制限はないが、好ましくは50%以下、より好ましく
は30%以下、更に好ましくは20%以下が推奨され
る。水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知るこ
とができる。本発明で使用する成分(1)の一次変性ブ
ロック共重合体又はその水添物の重量平均分子量は、一
次変性ブロック共重合体又はその水添物やその組成物の
機械的強度の点から3万以上、加工性や熱可塑性樹脂及
びゴム状重合体との相容性の点から100万以下である
ことが好ましく、より好ましくは4万〜80万、更に好
ましくは5〜60万である。
【0043】本発明において、ブロック共重合体中の共
役ジエン化合物に基づくビニル結合量は、核磁気共鳴装
置(NMR)を用いて知ることができる。また水添率
も、同装置を用いて知ることができる。ブロック共重合
体又はその水添物の重量平均分子量は、ゲルパーミュエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行
い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポ
リスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレン
のピーク分子量を使用して作成)を使用して求めること
ができる。
【0044】上記のようにして得られた一次変性ブロッ
ク共重合体又はその水添物の溶液は、必要に応じて触媒
残渣を除去し、一次変性ブロック共重合体又はその水添
物を溶液から分離することができる。溶媒の分離の方法
としては、例えば重合後又は水添後の溶液にアセトンま
たはアルコール等の重合体に対する貧溶媒となる極性溶
媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、一次変性
ブロック共重合体又はその水添物の溶液を撹拌下熱湯中
に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去し
て回収する方法、または直接重合体溶液を加熱して溶媒
を留去する方法等を挙げることができる。尚、本発明で
使用する一次変性ブロック共重合体又はその水添物に
は、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系
安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することがで
きる。
【0045】本発明においては、成分(1)の一次変性
ブロック共重合体又はその水添物に、成分(1)に結合
している官能基と反応性を有する官能性オリゴマーであ
る成分(2)を反応させることにより変性ブロック共重
合体を得ることができる。成分(2)の官能性オリゴマ
ーに結合している官能基は、成分(1)に結合している
官能基と反応性を有する官能基であれば特に制限はな
い。好ましい官能性オリゴマーとしては水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、
エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選
ばれる官能基を有する官能性オリゴマーである。これら
の官能性オリゴマーの分子量は一般に300以上、30
000未満、好ましくは500以上、15000未満、
更に好ましくは1000以上、20000未満である。
これらの製造方法は公知のいかなる方法で良く、例えば
アニオン重合法、カチオン重合法、ラジカル重合法、縮
重合法、重付加反応などで製造したものが使用できる。
【0046】成分(2)の官能性オリゴマーの具体例と
しては、上記官能基を有するポリブタジエンオリゴマー
またはその水添物、上記官能基を有するポリイソプレン
オリゴマーまたはその水添物、上記官能基を有するポリ
エチレンオリゴマー、上記官能基を有するポリプロピレ
ンオリゴマー、ポリエチレンオキサイドオリゴマー、ポ
リプロピレンオキサイドオリゴマー、エチレンオキサイ
ド−プロピレンオキサイド共重合オリゴマー、エチレン
−酢酸ビニル共重合オリゴマーのケン化物、上記官能基
を有する官能性ビニル単量体とそれと共重合し得る他の
ビニル単量体との共重合オリゴマーなどが挙げられる。
【0047】ここで、上記官能基を有する官能性ビニル
単量体としては、例えばグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、β−メチルグリシジルアクリレ
ート、β−メチルグリシジルメタクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、マレイン酸モノグリシジルエステ
ル、イタコン酸モノグリシジルエステル、3,4−エポ
キシブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテ
ン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキ
シ−3−メチルペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキ
セン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、スチレン−
P−グリシジルエ−テル、ヒドロキシスチレン、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリ
ルアルコール、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが
挙げられる。
【0048】また、上記官能性ビニル単量体と共重合し
得る他のビニル単量体としては、エチレン、炭素数3〜
12のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテ
ン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン等、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジ
メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ア
クリロニトリルである。
【0049】また、メタクリロニトリル、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、イソブチルメタクリレート、ターシャリーブチル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレ
ート、ターシャリーブチルアクリレート、オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどが挙げ
られ、これらのビニル単量体の2種またはそれ以上の混
合物も使用することができる。さらに、本発明において
は上記の分子量範囲のポリアミドオリゴマー、ポリエス
テルオリゴマー、ポリウレタンオリゴマーなども使用す
ることができる。
【0050】本発明において、成分(1)の一次変性ブ
ロック共重合体又はその水添物と成分(2)の官能性オ
リゴマーを反応させる場合、成分(1)に結合されてい
る官能基1当量あたり、成分(2)が0.3〜10モ
ル、好ましくは0.4〜5モル、更に好ましくは0.5
〜4モルであることが推奨される。成分(1)の一次変
性ブロック共重合体又はその水添物と成分(2)の官能
性オリゴマーを反応させる方法は、特に制限されるもの
ではなく、公知の方法が利用できる。
【0051】例えば、バンバリーミキサー、単軸スクリ
ュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸ス
クリュー押出機等の一般的な混和機を用いて反応させる
溶融混練方法、各成分を溶媒等に溶解又は分散混合して
反応させた後、溶剤を加熱除去する方法等が用いられ
る。溶融混練方法の場合、混練温度は一般に、50〜2
50℃、好ましくは100〜230℃の範囲で行われ、
混練時間は一般に3時間以内であり、好ましくは数秒〜
1時間である。
【0052】また、各成分を溶媒等に溶解又は分散混合
して反応させる方法において、溶媒としては各成分を溶
解又は分散するものであれば特に制限はなく、脂肪族炭
化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素などの炭化水
素系溶媒の他、含ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、エ
ーテル系溶媒などが使用できる。かかる方法において各
成分を反応させる温度は、一般に−10〜150℃、好
ましくは30〜120℃である。反応に要する時間は条
件によって異なるが、一般に3時間以内であり、好まし
くは数秒〜1時間である。
【0053】本発明においては、成分(1)の一次変性
ブロック共重合体又はその水添物が成分(2)の官能性
オリゴマーで変性された変性ブロック共重合体(以後成
分(A)と呼ぶ)に、熱可塑性樹脂及びゴム状重合体か
らなる群から選ばれた少なくとも1種の成分(B)を配
合した組成物として使用することができる。成分(B)
の使用量は、成分(A)/成分(B)の比率で、1/9
9〜99/1、好ましくは3/97〜97/3、更に好
ましくは5/95〜95/5である。本発明において、
成分(B)として使用される熱可塑性樹脂は特に制限は
ないが、下記のような熱可塑性樹脂が使用できる。
【0054】熱可塑性樹脂としては、本発明で規定する
変性ブロック共重合体又はその水添物とは異なる共役ジ
エン化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合樹
脂、ポリスチレン等のビニル芳香族化合物重合体樹脂、
ビニル芳香族化合物と他のビニルモノマー、例えばエチ
レン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル、アクリル酸及びアクリルメチル等の
アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸メ
チル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等との共重合樹脂である。
【0055】また、ゴム変性スチレン系樹脂(HIP
S)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
樹脂(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−
スチレン共重合樹脂(MBS)、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデン
を50wt%以上含有する塩化ビニル及び/又は塩化ビ
ニリデンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合
体であるポリ塩化ビニル系樹脂である。
【0056】また、酢酸ビニルの含有量が50wt%以
上である酢酸ビニルとこれと共重合可能な他のモノマー
との共重合体であるポリ酢酸ビニル系樹脂及びその加水
分解物、アクリル酸及びそのエステルやアミドの重合
体、メタクリル酸及びそのエステルやアミドの重合体、
これらのアクリル酸系モノマーを50wt%以上含有す
る他の共重合可能なモノマーとの共重合体であるポリア
クリレート系樹脂、アクリロニトリル及び/又はメタク
リロニトリルの重合体、これらのアクリロニトリル系モ
ノマーを50wt%以上含有する他の共重合可能なモノ
マーとの共重合体であるニトリル樹脂である。
【0057】また、重合体の構成単位がアミド基結合の
繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例えば
ε−アミノカプロラクタムやω−アミノラウロラクタム
などの開環重合体及び共重合体、ε−アミノウンデカン
酸の縮重合体、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、
セバシン酸等の二塩基酸との縮重合体、具体的にはナイ
ロン−46、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン
−610、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン
−6−ナイロン−12共重合体などのポリアミド系樹脂
である。
【0058】また、重合体の構成単位がエステル結合の
繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例えば
アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、P、P’−ジカルボキシジフェニル、2,6−ナフ
タリンジカルボン酸などの二塩基酸又はこれらの誘導体
と、エチレングリコール、ポロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジオール、P−キシレングリコー
ル、ビスフェノールAなどのグリコール(またはジオー
ル)との縮重合体である。
【0059】また、ピバロラクトン、β−プロピオラク
トン、ε−カプロラクトン等の開環重合体などのポリエ
ステル系樹脂、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、
ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)、ポリカプロラク
トンなどのポリエステルジオール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメ
チレングリコールなどのポリエーテルジオール、エチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオールなどのグリコールから選ばれるグリコール
成分と、芳香族、脂環族或いは脂肪族系ジイソシアネー
ト、例えばトリレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネートなどのジイソシアネート成分との重付加反応
によって得られる熱可塑性ポリウレタン系重合体であ
る。
【0060】また、重合体の構成単位が炭酸エステル結
合の繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例
えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロ
キシ化合物とホスゲンの反応によって得られる重合体、
或いは前記ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネー
トとのエステル交換反応によって得られる重合体、具体
的にはポリ−4、4’−ジオキシジフェニル−2,2’
−プロパンカーボネートなどのポリカーボネート系重合
体である。
【0061】また、ポリエーテルスルホンやポリアリル
スルホンなどの熱可塑性ポリスルホン、具体的にはポリ
(エーテルスルホン)、ポリ(4,4’−ビスフェノー
ルエーテルスルホン)、ポリ(チオエーテルスルホン)
などのポリスルホン系樹脂、ホルムアルデヒド又はトリ
オキサンの重合体、ホルムアルデヒド又はトリオキサン
に他のアルデヒド、環状エーテル、エポキシド、イソシ
アネート、ビニル化合物等との共重合体などのポリオキ
シメチレン系樹脂である。
【0062】また、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレン)エーテルなどのポリフェニレンエーテル系
樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリ4,4’−ジフ
ェニレンスルフィドなどのポリフェニレンスルフィド系
樹脂、ビスフェノールAとフタル酸成分からなる重縮合
系ポリマーであるポリアリレート系樹脂、ポリエーテル
ケトン重合体又は共重合体、具体的にはポリエーテルエ
ーテルケトンなどのポリケトン系樹脂である。
【0063】また、鎖状炭化水素高分子化合物の水素の
一部又は全部をフッ素で置換した構造を有する重合体、
具体的にはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロロトリフ
ルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフ
ルオライド、ポリビニルフルオライドなどのフッ素系樹
脂である。
【0064】また、パラオキシ安息香酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
或いはこれらの誘導体を用い、溶液重縮合や溶融重縮合
により製造される重合体又は共重合体などのポリオキシ
ベンゾイル系重合体、主鎖にイミド結合をもつ重合体、
例えばポリイミド、ポリアミノビスマレイミド(ポリビ
スマレイミド)、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポ
リアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのポリイミド
系樹脂、1,2−ポリブタジエン、トランスポリブタジ
エンなどのポリブタジエン系樹脂などである。
【0065】これらの熱可塑性樹脂の数平均分子量は好
ましくは1000以上、より好ましくは5000〜50
0万、更に好ましくは1万〜100万である。またこれ
らの熱可塑性樹脂は2種以上を併用しても良い。本発明
において成分(B)として使用されるゴム状重合体は、
特に制限はないが、下記のようなゴム状重合体が使用で
きる。ゴム状重合体としては、ブタジエンゴム及びその
水素添加物、スチレン−ブタジエンゴム及びその水素添
加物、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム及びその水素添加物、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン
−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチエン−ヘキ
センゴム、エチレン−オクテンゴムが挙げられる。
【0066】また、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ア
クリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリ
エチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β−不飽
和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴ
ム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、本発明で規定する変性
ブロック共重合体又はその水添物とは異なるスチレン−
ブタジエンブロック共重合体及びその水素添加物、スチ
レン−イソプレンブロック共重合体及びその水素添加
物、天然ゴムなどが挙げられる。これらのゴム状重合体
は、官能基を付与した変性ゴムであっても良い。これら
は単独または複数を組み合わせて使用することができ
る。
【0067】成分(B)として特に好ましいものは、ポ
リエチレン、エチレン−プロピレン共重合樹脂、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレ
ン、ABS、PMMA、スチレン−ブタジエン−メチル
メタクリレート三元共重合体(MBS)、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹
脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI
S)、及びこれらの水素添加物、例えばスチレン−エチ
レン−ブチレンブロックポリマー(SEBS)、スチレ
ン−エチレン−プロピレンブロックポリマー(SEP
S)、ブタジエンゴム及びその水素添加物、スチレン−
ブタジエンゴム及びその水素添加物、EPDM、ブチル
ゴム等を例示することができる。
【0068】本発明の変性ブロック共重合体または変性
ブロック共重合体組成物には、本発明の目的を損なわな
い範囲内で必要に応じて任意の添加剤を配合することが
できる。添加剤の種類は、熱可塑性樹脂やゴム状重合体
の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はな
い。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸
化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリ
カ、クレー、タルク、マイカ、ウォラストナイト、モン
モリロナイト、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、スラッグウール、ガラス繊
維などの無機充填剤、カーボンブラック、酸化鉄等の顔
料、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エ
チレンビスステアロアミド等の滑剤、離型剤、パラフィ
ン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香
族系プロセスオイル、パラフィンが挙げられる。
【0069】また、有機ポリシロキサン、ミネラルオイ
ル等の軟化剤・可塑剤、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤、リン系熱安定剤等の酸化防止剤、ヒンダードアミ
ン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、難
燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、
金属ウィスカ等の補強剤、着色剤、その他添加剤或いは
これらの混合物等「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラ
バーダイジェスト社編)などに記載されたものが挙げら
れる。
【0070】本発明の変性ブロック共重合体組成物の製
造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が
利用できる。例えば、オープンロール、バンバリーミキ
サー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、
コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を
用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶
剤を加熱除去する方法等が用いられる。本発明において
は押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の点から
好ましい。
【0071】本発明において、溶融混練温度は使用する
熱可塑性樹脂及びゴム状重合体の軟化温度や融点等を目
安として選定できるが、熱可塑性樹脂及びゴム状重合体
の溶融粘度、及び成分(1)の一次変性ブロック共重合
体又はその水添物の熱劣化の点から、一般に100〜3
50℃が好ましく、より好ましくは150〜350℃、
更に好ましくは180〜330℃である。また、溶融混
練時間(或いは溶融混練工程の平均滞留時間)は、混練
度合い(分散性)や生産性、及び成分(1)の一次変性
ブロック共重合体又はその水添物や熱可塑性樹脂及びゴ
ム状重合体等の劣化等の点から、一般に0.2〜60分
が好ましく、より好ましくは0.5〜30分、更に好ま
しくは1〜20分である。
【0072】また、本発明において変性重合体組成物に
加硫剤を配合した配合物は、動的加硫を行って使用する
こともできる。本発明で云う動的加硫とは、各種配合物
を溶融状態で加硫剤が反応する温度条件下で混練させる
事により分散と架橋を同時に起こさせる手法であり、
A.Y.Coranらの文献(Rub.Chem.an
d Technol.vol.53.141〜(198
0))に詳細に記されている。動的加硫時の混練機は通
常バンバリーミキサー、加圧式ニーダーのような密閉式
混練機、一軸や二軸押出機等を用いて行われる。混練温
度は通常130〜300℃、好ましくは150〜200
℃である。 混練時間は通常1〜30分である。動的加
硫の際の加硫剤としては通常有機過酸化物やフェノール
樹脂加硫剤が良く用いられる。
【0073】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。尚、以下の実施例において、ブロッ
ク共重合体等の特性の測定は、次のようにして行った。 A.特性の測定法 (1)スチレン含有量 紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262
nmの吸収強度より算出した。
【0074】(2)ビニル結合量及び水添率 核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)
を用いて測定した。 (3)分子量 GPC(装置:島津製作所社製LC10、カラム:島津
製作所社製Shimpac GPC805+GPC80
4+GPC804+GPC803)で測定した。溶媒に
はテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃
で行った。分子量は、クロマトグラムのピークの分子量
を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線
(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を
使用して求めた重量平均分子量である。
【0075】(4)未変性ブロック共重合体の割合 シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに変性した成
分が吸着する特性を応用し、変性ブロック共重合体と低
分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液について、
上記(3)で測定したクロマトグラム中の標準ポリスチ
レンに対する変性ブロック共重合体の割合と、シリカ系
カラムGPC〔装置はデュポン社製:Zorbax〕で
測定したクロマトグラム中の標準ポリスチレンに対する
変性ブロック共重合体の割合を比較し、それらの差分よ
りシリカカラムへの吸着量を測定した。未変性ブロック
共重合体の割合は、シリカカラムへ吸着しなかったもの
の割合である。
【0076】B.ブロック共重合体等の調製 なお、水添反応に用いた水添触媒は、下記の方法で調製
した。 (a)水添触媒I 窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン
2リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジ−(p−トリル)40ミリモルと分子
量が約1,000の1,2−ポリブタジエン(1,2−
ビニル結合量約85%)150グラムを溶解した後、n
−ブチルリチウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶
液を添加して室温で5分反応させ、直ちにn−ブタノー
ル40ミリモルを添加攪拌して室温で保存した。 (b)水添触媒II 窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン
1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十
分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモ
ルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日
間反応させた。
【0077】1)ポリマー1 攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾
燥、窒素置換し、予め精製したスチレン10質量部を含
むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。
次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジア
ミンを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製し
たブタジエン80質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃
度20wt%)を加えて70℃で1時間重合し、さらに
スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて
70℃で1時間重合した。その後、変性剤としてテトラ
グリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン
(以以後、変性剤M1と呼ぶ)を重合に使用したn−ブ
チルリチウムに対して当モル反応させた。得られた一次
変性ブロック共重合体は、スチレン含量が20wt%、
ブロックスチレン含量が20wt%、ポリプタジエン部
のビニル結合量が50%であった。
【0078】上記で得られた変性ブロック共重合体に、
水添触媒IをTiとして100ppm添加し、水素圧
0.7MPa、温度65℃で水添反応を1時間行った。
その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネートを変性水添ブロック共重合体
100質量部に対して0.3質量部添加した。得られた
一次変性水添ブロック共重合体(ポリマー1)は、スチ
レン含有量20wt%、重量平均分子量8万、水素添加
率98%であった。尚、ポリマー1中に混在する未変性
のブロック共重合体の割合は20wt%であった。
【0079】2)ポリマー2 攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾
燥、窒素置換し、予め精製したスチレン15質量部を含
むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。
次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジア
ミンを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製し
たブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃
度20wt%)を加えて70℃で1時間重合し、さらに
スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて
70℃で1時間重合した。その後、変性剤として1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以後、変性剤M2
と呼ぶ)を重合に使用したn−ブチルリチウムに対して
当モル反応させた。得られた一次変性ブロック共重合体
は、スチレン含量が30wt%、ブロックスチレン含量
が29wt%、ポリブタジエン部のビニル結合量が40
%であった。
【0080】上記で得られた変性ブロック共重合体に、
水添触媒IIをTiとして100ppm添加し、水素圧
0.7MPa、温度65℃で水添反応を1時間行った。
その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネートを一次変性水添ブロック共重
合体100質量部に対して0.3質量部添加した。変性
水添ブロック共重合体のシクロヘキサン溶液から、スチ
ームストリッピング方式によりシクロヘキサンを除去し
て得られた変性水添ブロック共重合体(ポリマー2)
は、スチレン含有量30wt%、重量平均分子量10
万、水素添加率85%であった。尚、ポリマー2中に混
在する未変性のブロック共重合体の割合は25wt%で
あった。
【0081】C.変性ブロック共重合体、変性ブロック
共重合体組成物の物性 1)硬さ JIS K6253に従い、デュロメータタイプAで1
0秒後の値を測定した。 2)引張強度、破断時伸び ゴム状の試験片はJIS K6251に準拠し、引張速
度500mm/分で測定した。樹脂状の試験片はJIS
K6758に準拠し、引張速度20mm/分で測定し
た。 3)曲げ弾性率(MPa) ASTM−D790に準拠して測定した。 4)ノッチ付きIzod衝撃強度(J/m) JIS−K−7110に準拠して測定した。
【0082】
【実施例1】ポリマー1とマレイン化ポリブタジエンオ
リゴマーを30mm径の二軸押出機にて190〜230
℃の条件で溶融混練して変性ブロック共重合体を得る。
この変性ブロック共重合体に熱可塑性樹脂としてPET
(三井化学製SA135)を30mm径の二軸押出機に
て190〜230℃の条件で溶融混練して変性ブロック
共重合体組成物を得る。得られた組成物を成形して諸物
性を測定する。
【0083】
【実施例2】ポリマー1の代わりにポリマー2を使用す
る以外は実施例1と同様の方法で、変性ブロック共重合
体及び変性ブロック共重合体組成物を得る。
【0084】
【発明の効果】本発明の変性ブロック共重合体は熱可塑
性樹脂及び/又はゴム状重合体に対する相容性が良好で
あり、本発明の変性ブロック共重合体と熱可塑性樹脂及
び/又はゴム状重合体を配合した変性ブロック共重合体
組成物は機械的強度や耐衝撃性に優れる。本発明の変性
ブロック共重合体や変性ブロック共重合体組成物は、一
般に使用される熱可塑性樹脂用成形機で成形することが
可能である。シート、フィルム、各種形状の射出成形
品、中空成形品、圧空成形品、真空成形品、押出成形品
等の多様な成形品として活用できる。これらの成形品
は、食品包装材料、医療用器具材料、家電製品及びその
部品、自動車部品・工業用品・日用雑貨・玩具等の素
材、履物用素材等に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白木 利典 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC00X AC04X AC05X AC06X AC07X AC08X AC11X AC12X BB05X BB15X BB24X BC03X BC04X BC06X BC07X BD04X BD05X BD10X BD12X BD13X BD14X BD15X BF02X BG01X BG04X BG05X BG10X BG13X BH02X BN14X BN15X BN16X BP01W BP01X CD17X CF16X CF18X CF19X CG01X CH07X CH09X CK02X CK03X CK04X CL01X CL03X CM04X CN01X CN03X CN06X CP03X FD010 FD020 FD160 FD170 GB01 GC00 GG00 GM00 GN00 GQ00 4J031 AA12 AA13 AA14 AA17 AA19 AA20 AA23 AA29 AA38 AA40 AA53 AB01 AC03 AC04 AC07 AC08 AC13 AD01 AF03 AF11 AF18 AF19 AF23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素を主体とする少な
    くとも1個の重合体ブロックAと共役ジエンを主体とす
    る少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック
    共重合体に官能基含有変性剤を付加反応させてなる一次
    変性ブロック共重合体又はその水添物である成分(1)
    が、成分(1)の官能基と反応性を有する官能性オリゴ
    マーである成分(2)で変性された変性ブロック共重合
    体(A)。
  2. 【請求項2】 成分(1)に、水酸基、エポキシ基、ア
    ミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれ
    る官能基が結合していることを特徴とする請求項1記載
    の変性ブロック共重合体(A)。
  3. 【請求項3】 官能基含有変性剤が、ブロック共重合体
    との付加反応により、成分(1)に水酸基、エポキシ
    基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から
    選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団を生成さ
    せる変性剤であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の変性ブロック共重合体(A)。
  4. 【請求項4】 成分(2)の官能性オリゴマーが、水酸
    基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、イソシア
    ネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラ
    ン基から選ばれる官能基を有する官能性オリゴマーであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の変
    性ブロック共重合体(A)。
  5. 【請求項5】 成分(1)が、下記式(1)〜式(1
    4)から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団
    が結合していることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の変性ブロック共重合体(A)。 【化1】 (上式で、R〜Rは、水素又は炭素数1〜24の炭
    化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、アミノ基、シ
    ラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を
    有する炭素数1〜24の炭化水素基。Rは炭素数1〜
    48の炭化水素鎖、あるいは水酸基、エポキシ基、アミ
    ノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる
    官能基を有する炭素数1〜48の炭化水素鎖。なおR
    〜Rの炭化水素基、及びRの炭化水素鎖中には、水
    酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキ
    シシラン基以外の結合様式で、酸素、窒素、シリコン等
    の元素が結合していても良い。Rは水素又は炭素数1
    〜8のアルキル基である。)
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の変性ブ
    ロック共重合体である成分(A)1〜99質量部と熱可
    塑性樹脂及びゴム状重合体からなる群から選ばれた少な
    くとも1種の成分(B)99〜1質量部からなる変性ブ
    ロック共重合体組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272696A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 脂肪族ポリエステル成形体
JP2009256440A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Asahi Kasei Chemicals Corp 変性ブロック共重合体及びその組成物
JP2011094051A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Asahi Kasei Chemicals Corp 変性ブロック共重合体及びその組成物

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JP2009256440A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Asahi Kasei Chemicals Corp 変性ブロック共重合体及びその組成物
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