JP4943277B2 - パーキング制御装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、パーキング機構に連結したピストンを油圧力で作動させるパーキングピストン機構と、運転者によって選択操作されるシフトポジションスイッチを有する電子制御装置と、シフトポジションスイッチからの信号に応じて作動されるソレノイド弁とを設け、そのソレノイド弁の作動に応じてパーキングピストン機構に油圧を給排するように構成し、従来の機械的なリンケージに代えて連結が容易なケーブル等の電気的な連結手段の使用を可能とし、油圧力によりパーキング機構を解除させるようにするパーキング制御装置が提案されている。
図8はパーキング制御装置のパーキング状態の要部機構を示す説明図である。
図8において、変速機ケース10内には、図示しない自動変速機を内蔵しており、パーキング及びその解除はシャフト11の回動によって行っている。シャフト11はパーキング入りスプリング13によって常に弾性力が付勢されているディテントレバー12に回動自在に軸接続されている。ディテントレバー12の上側の自由端側には、パーキングロッド14が軸支されており、パーキングロッド14は変速機ケース10外に導かれて、ドライバが操作する図示しないセレクトレバーに連結されている。また、パーキングロッド14には、パーキングロッドカム15が配設され、ロッドスプリング16によって変速機ケース10外方向に弾性力が付与されている。オイルパン19内には、自動変速機の構成部品の冷却、潤滑に供する図示しない潤滑油が収容されている。
このパーキングロッド14を油圧でコントロールするとなると、パーキングロッドカム15がサポート17とパーキングポール18との間で挟持されていることから、油圧シリンダの径を大きくする必要があった。ところが、油圧シリンダの径を大きくすると供給油圧が決まっていると応答性が低下することになる。また、応答性を上げるために油圧路の径を太くすると、瞬間的に油圧の低下が生ずる可能性がある。
ここで、前記解除用シリンダに収容された前記大径ピストンに収容された前記小径ピストンは、本発明を実施する場合、前記大径ピストン及び前記小径ピストンを同心円の軸上に設置することのみを意味するものではなく、前記大径ピストンと前記小径ピストンが互いに同一軸方向に移動するものであればよい。
また、供給油圧を受けた初期の前記大径ピストンと前記小径ピストンとが一体となっての移動は、前記大径ピストン及び前記小径ピストンを押圧し、所定の位置で前記大径ピストンの移動を止めるものであるが、本発明を実施する場合には、前記大径ピストンと前記小径ピストンとの係合関係が特定位置で解除されるものであればよい。
そして、前記小径ピストンの移動をパーキングロッドの移動に連繋させるものは、本発明を実施する場合には、自動変速機のパーキング機構のロッドの回動を操作できるものであればよく、パーキングロッドに直接接続してもよいし、ディテントレバーを介して接続してもよい。
ここで、大径ピストンの端部が衝突する環状ストッパとは、解除用シリンダと別体のもの、または解除用シリンダの内側に環状ストッパを形成し一体としたものとして形成できる。即ち、本発明を実施する場合には、削り出しでも、嵌め込みでも製造できる。
ここで、パーキングロッドカムがサポートとパーキングポールとの間で弾接しているパーキングロッドの移動距離は、比較的大きな力が必要であることから、その間、前記大径ピストン及び前記小径ピストンが一体となって移動し、その距離を過ぎると、必要な力が小さくなるから、前記小径ピストンのみの移動として応答性を上げるものであるから、パーキングロッドカムがサポートとパーキングポールとの間で弾接しているパーキングロッドの移動距離を過ぎると、できるだけ早い時期に前記小径ピストンのみの移動とするのが効率的に望ましい。
ここで、特に、小径ピストンの軸方向の端部で電磁ソレノイドによって吸引または反発を行うことで、小径ピストンの位置を特定の位置に止めるものであるから、電磁ソレノイドの能力によって配置箇所を設定できる。
ここで、前記大径ピストンと前記小径ピストンは、前記油圧を受けて前記大径ピストンが前記小径ピストンを当接状態で押圧し、その後、前記大径ピストンが前記解除用シリンダ内に配設したストッパに当接して停止すると、前記小径ピストンのみが出力ロッドを移動させるものであればよい。
したがって、本発明のパーキング制御装置は、パーキングを解除するとき、パーキング解除油圧の低下を生じさせることなく、かつ、応答性のよいものとすることができる。
したがって、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、前記大径ピストンと前記小径ピストンは、簡単な構造となり、パーキングを解除するときのパーキング解除油圧の低下、応答性が任意に設定可能となる。
[実施の形態1]
なお、解除用シリンダ30の出力ロッド33の反対側には、ピストン止め35が配設され、小径ピストン32の移動を止めている。
ドライバが図示しないセレクトレバーを操作してパーキング位置に導くと、パーキングロッド14に配設されているパーキングロッドカム15がサポート17とパーキングポール18との間に入り、そこで弾接されパーキングロッドカム15の抜け止めとなり、安定したパーキング状態を維持する。
下側アーム12bの左側は、出力ロッド33のピン38に当接し、解除用シリンダ30内の大径ピストン31及び小径ピストン32は、図示の最右端位置となっている。なお、この状態では、供給バルブ21aを止め、排出バルブ21bによって解除用シリンダ30内の油圧を排除している。
このとき、サポート17とパーキングポール18との間で弾接されているパーキングロッドカム15の接触圧が解除された位置で、大径ピストン31が環状ストッパ34に当接する位置またはサポート17とパーキングポール18との間で弾接されているパーキングロッドカム15の接触圧が解除された直後の位置で、大径ピストン31が環状ストッパ34に当接する位置に設定することにより、解除用シリンダ30に供給する油量を最小限にし、大きな力でパーキングロッド14を移動させることができる。
このとき、同一油圧を供給していれば、大径ピストン31及び小径ピストン32の受圧端部面積を小径ピストン32の受圧端部面積で除した速度となり、高速制御可能となる。
[実施の形態2]
図3は本発明の実施の形態2にかかるパーキング制御装置のパーキング解除状態を示す要部断面図である。
この実施の形態の保持手段は、小径ピストン32の軸方向に配設された電磁ソレノイド40による磁気作用としたものである。特に、小径ピストン32の軸方向の端部で電磁ソレノイド40によって吸引または反発を行うことで、小径ピストン32の位置を特定の位置に止めるものであるから、電磁ソレノイド40の能力によって配置箇所を設定できる。
[実施の形態3]
電磁ソレノイド40で励磁し、ピストン止め35側に小径ピストン32を吸引保持するため、両者を一体化している。しかし、電気的制御を行う部分と油圧制御を行う部分を別に構成することもできる。
図4は本発明の実施の形態3にかかるパーキング制御装置の出力ロッドの中心線より上はパーキング状態、中心線よりも下はパーキング解除状態を示す要部断面図である。
これらプランジャー45、コイル44等はハウジング49に収納され、解除用シリンダ30の端部にカシメによって一体化している。
[実施の形態4]
図5は本発明の実施の形態4にかかるパーキング制御装置の出力ロッドの中心線より上はパーキング状態、中心線よりも下はパーキング解除状態を示す要部断面図である。
コイル44が巻回されている絶縁ボビン42の内側には、プランジャー45Aの周りに補助鉄心48Aが配設され、両者が一体に移動自在となっている。
これらプランジャー45A、補助鉄心48A、コイル44等はハウジング49に収納され、解除用シリンダ30の端部にカシメによって一体化している。
[実施の形態5]
上記実施の形態1乃至実施の形態4では、出力ロッド33からパーキングロッド14に至る連繋をリンク機構を介して構成しているが、当該連繋をリンク機構以外とすることもできるし、保持手段の形態も変更することができる。
パーキングロッド14の押圧移動距離
×出力ロッド33の移動距離/パーキングロッド14の移動距離
で大径ピストン31の停止距離が算出され、以降は小径ピストン32のみの移動となる。
なお、本実施の形態においては、小径ピストン32の出力ロッド33と係合またはその係合を解除するプランジャー61を駆動するアクチュエータ60としたものであるが、アクチュエータ60は電磁ソレノイドとすることもできるし、他にモータ等の駆動源を使用することもできる。何れにせよ、アクチュエータ60としては駆動源であれば使用可能である。
即ち、パーキングロッド14のパーキング解除状態を保持すべくパーキングロッド14の移動を拘束する保持手段は、パーキングロッド14から出力ロッド33までの連繋で、その移動を係止させる手段または拘束させる手段を配設すればよい。
そして、本実施の形態のパーキング制御装置においては、パーキングロッド14のパーキング解除状態を保持すべくパーキングロッド14の移動を拘束する電磁ソレノイド40、アクチュエータ60からなる保持手段を具備するものであるから、解除用シリンダ30に対する供給油圧を断ってもパーキングの解除状態を維持することができる。
本発明を実施する場合には、上記各実施の形態の環状ストッパ34は、大径ピストン31の端部が解除用シリンダ30内で停止するストッパであればよい。
14 パーキングロッド
15 パーキングロッドカム
30 解除用シリンダ
31 大径ピストン
32 小径ピストン
32a 大径部
32b 小径部
33 出力ロッド
34 環状ストッパ
36 油圧導入口
40 電磁ソレノイド
60 アクチュエータ
Claims (7)
- パーキングを解除するとき、油路から供給油圧を受ける解除用シリンダと、前記解除用シリンダの軸方向に摺動自在に収容された大径ピストンと、前記大径ピストンの内部をその軸方向に摺動自在とした小径ピストンとを具備し、
前記供給油圧を受けた初期には、前記大径ピストンと前記小径ピストンとを共に移動させ、次いで、前記大径ピストンを停止させ、前記小径ピストンのみの移動とし、かつ、前記小径ピストンの移動をパーキングロッドの移動に連繋させたことを特徴とするパーキング制御装置。 - 前記大径ピストンを停止させるのは、前記解除用シリンダに収容された大径ピストンの端部が、同じく、前記解除用シリンダに収容された環状ストッパに衝突することによって生ずることを特徴とする請求項1に記載のパーキング制御装置。
- 前記供給油圧を受けた初期は、パーキングロッドカムがサポートとパーキングポールとの間で弾接しているパーキングロッドの移動距離に相当する間に設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパーキング制御装置。
- 更に、前記パーキングロッドのパーキング解除状態を保持すべくパーキングロッドの移動を拘束する保持手段を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のパーキング制御装置。
- 前記保持手段は、小径ピストン32の軸方向に配設された電磁ソレノイド40による磁気作用としたことを特徴とする請求項4に記載のパーキング制御装置。
- 前記保持手段は、小径ピストン32の出力ロッド33と係合またはその係合を解除するプランジャーを駆動するアクチュエータとしたことを特徴とする請求項4に記載のパーキング制御装置。
- 前記大径ピストンと前記小径ピストンは、パーキングを解除する油圧を受けた初期には、解除用シリンダ内において前記油圧を受けて前記大径ピストンが出力ロッドを取付けた前記小径ピストンを当接状態で押圧し、その後、前記大径ピストンが前記解除用シリンダ内に配設したストッパに当接して停止すると、前記小径ピストンのみが前記解除用シリンダ内を移動する構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のパーキング制御装置。
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