JP4942559B2 - 排ガス浄化剤及び有害微量元素を捕捉する方法 - Google Patents

排ガス浄化剤及び有害微量元素を捕捉する方法 Download PDF

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Description

本発明は、火力発電システムにおいて燃料の燃焼により発生した排ガス中の有害微量元素を捕捉する有害微量元素捕捉剤を含んだ排ガス浄化剤、及び、この排ガス浄化剤を用いた有害微量元素を捕捉する方法に関する。
火力発電システムの一例である石炭火力発電システムにおいて石炭を燃焼させる方法としては種々の方式があるが、中でも、石炭を微粉砕した粒子を燃焼炉内に吹き込んで燃焼させる、いわゆる微粉炭燃焼が主に採用されている。
ところで、原料となる石炭は炭素以外にも、硫黄化合物や窒素化合物を含み、さらには、ホウ素、フッ素、セレン、ヒ素等の有害な元素を微量ながら含んでいる(以下、上記有害な元素を「有害微量元素」という。)。
石炭の燃焼とともに、石炭に含まれる硫黄化合物が火炉内で燃焼すると、硫黄酸化物が生成する。この硫黄酸化物を石炭火力発電システムの下流に設けられた脱硫装置で除去することによって、硫黄酸化物が大気へ放出されることを防止している。
一方、石炭の燃焼後においては、石炭に含まれていた有害微量元素の化合物は、石炭の燃焼後の残渣である石炭灰に含有された状態で、又は、排ガス中に固体状又はガス状の状態で存在する。
排ガス中に固体状で存在する有害微量元素の化合物は、そのほとんどが集塵装置で石炭灰と一緒に処理される。一方で、排ガス中にガス状で存在する有害微量元素の化合物には、脱硫装置から排出される脱硫排水に溶解するものもある。脱硫排水の一部は循環して脱硫処理に利用されるが、その他の脱硫排水は、排水処理設備に送られて処理された後、処理水として放流口から一般河川や海域に放流される。
ここで、放流される処理水中の有害微量元素の含有量は、水質汚濁防止法のような法令の順守のためには、各自治体で定められた規制値よりも厳しい自主規制値以下となる必要がある。このため、有害微量元素の含有率が低い石炭種を燃料として使用することが望ましいが、その一方で、燃料費のコスト削減の要請から、有害微量元素の含有率が高い安価な石炭種を使用できることが好ましい。
処理水が定められた規制値を超えないように有害微量元素の含有率が高い安価な石炭種を燃料として使用する一つの方策として、新たな排水処理設備(排水処理方法)を導入することが考えられる。有害微量元素を処理可能な排水処理方法として、例えば、特許文献1では、消石灰や硫酸アルミニウムにより有害微量元素の一種であるホウ素を不溶性沈殿物として除去する方法が開示されており、特許文献2では、ホウ素吸着樹脂によりホウ素化合物を吸着除去する方法が開示されている。
特開平10−225682号公報 特開2003−112917号公報
しかしながら、上記いずれの方法も、ホウ素を含有する排水を大量に処理するためには、薬剤やホウ素吸着樹脂を多量に使用しなければならないと考えられる。この場合、初期費用が増大する等、処理コストの問題が発生する。
上記に示したように、排水処理設備に流入した有害微量元素の処理コストは高い。このため、有害微量元素が排水処理設備に流入する前に、有害微量元素の濃度を低減させることが可能であれば、多額の初期投資を必要とせず、さらには、大規模な追加設備を必要とせずに、有害微量元素の含有率が高い安価な石炭種を使用することができる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要とせずに、有害微量元素が排水処理設備に流入する前に、有害微量元素の濃度を低減させることが可能な排ガス浄化剤及び有害微量元素を捕捉する方法を提供することを目的とする。
(1) 燃料を燃焼させる燃焼ボイラを備えた火力発電システムに用いられ、前記燃料の燃焼によって発生した排ガス中に含まれる有害微量元素を捕捉させる有害微量元素捕捉剤を含む排ガス浄化剤であって、前記有害微量元素捕捉剤は、アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む排ガス浄化剤。
(1)の発明によれば、排ガス中に含まれる有害微量元素を捕捉させる有害微量元素捕捉剤は、アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む薬剤である。アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類はいずれも容易に入手可能であり、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要としない。すなわち、(1)の発明によれば、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要とせずに、有害微量元素が排水処理設備に流入する前に、有害微量元素の濃度を低減させることが可能である。
なお、「有害微量元素」とは、ホウ素、ヒ素、臭素、塩素、ヨウ素、硫黄、窒素、リン、スズ、チタン、バナジウム、タングステン、セレン、フッ素、ニッケル、マグネシウム、マンガン等の石炭中に含有する、人間にとって有害となり得る元素である。
(2) 前記アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類は、石灰石、消石灰、及び、生石灰からなる群より選択される1種以上を含む(1)記載の排ガス浄化剤。
(2)の発明に係る排ガス浄化剤は、石灰石、消灰石、生石灰からなる群より選択される1種以上を含む有害微量元素捕捉剤を用いる。石灰石、消灰石、生石灰はいずれも容易に入手可能であり、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要とせずに、有害微量元素が排水処理設備に流入する前に、有害微量元素の濃度を低減させることが可能である。
(3) 前記有害微量元素がホウ素である(1)又は(2)記載の排ガス浄化剤。
有害微量元素の中でもホウ素を含有する排水の処理は、他の有害微量元素を含有する排水の処理よりも困難であるため、従来、ホウ素を含有する排水を処理するためには、多額の初期投資が必要であり、又は、大規模な追加設備を必要とした。(3)の発明によれば、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要とせずに、有害微量元素が排水処理設備に流入する前に、有害微量元素の濃度を低減させることが可能である。
(4) 前記燃料に対して前記アルカリ金属及び/又は前記アルカリ土類金属の濃度が0.1質量%以上20質量%以下となるように、(1)から(3)いずれか記載の排ガス浄化剤を前記燃料に添加する有害微量元素を捕捉する方法。
(4)の発明によれば、有害微量元素が排水処理設備に流入する前に、有害微量元素の濃度をより効果的に低減させることが可能である。燃料に対して前記アルカリ金属及び/又は前記アルカリ土類金属の濃度が0.1質量%未満であると、有害微量元素の濃度を低減させる効果が不充分となるので好ましくない。その一方で、20質量%を超えても、有害微量元素の濃度を低減させる効果に大きな向上は認められず、また、石炭灰表面の融点降下によって火炉内壁への石炭灰の多量の付着(スラッギング)を起こす恐れがあるので好ましくない。なお、集塵装置入口までの低温度領域であれば、燃料に添加する排ガス浄化剤の量は集塵装置の性能が許せる限り投入可能である。
(5) 前記火力発電システムは前記排ガス中に含まれる煤塵を取り除くために設けられた集塵装置を備え、前記排ガス浄化剤を前記燃焼ボイラに前記燃料を添加する工程から前記集塵装置によって前記煤塵が取り除かれる工程までの間に添加する(4)記載の有害微量元素を捕捉する方法。
(5)の発明によれば、排ガス浄化剤の添加タイミングは、燃焼ボイラに燃料を添加する工程から集塵装置によって煤塵が取り除かれる工程までの間である。集塵装置の後工程で排ガス浄化剤を添加して有害微量元素が排ガス浄化剤に捕捉されたとしても、排ガス浄化剤を取り除くことができない集塵装置までにガス中微量元素を補足するという本来の目的を達成できない。なお、排ガス浄化剤が石灰石であれば、石灰石を分解する温度は高温であるので、分解する温度は燃焼ボイラに燃料を添加する前の工程、及び石灰石が熱分解(CaCOからCaOへの熱分解)温度領域の間で排ガス浄化剤を添加する必要がある。石灰石が熱分解される温度領域の一例としては、例えば、過熱器付近までが含まれる。一方で、例えば、消石灰、生石灰は分解しなくても、排ガス浄化剤として使用可能であるので、例えば、石炭供給部、微粉炭生成部、微粉炭燃焼部、過熱器付近、及びそれ以降の集塵装置までの低温域のいずれであってもよい。
(6) 前記火力発電システムが微粉炭燃焼方式の発電システムであり、前記排ガス浄化剤を前記燃焼ボイラ内に添加する(4)又は(5)記載の有害微量元素を捕捉する方法。
本発明は、火力発電システムのうち様々なタイプ火力発電に適用させることが可能である。火力発電システムの好適な一例としては、石炭火力方式(石炭ボイラ)、重油火力方式(重油ボイラ)、及び、スラッジ火力方式(スラッジボイラ)等が考えられる。また、石炭ボイラの中でも、微粉炭燃焼式(微粉炭ボイラ)、加圧流動床燃焼式(加圧流動式ボイラ)等にも使用可能であるが、微粉炭燃焼式が好ましい。
本発明によれば、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要とせずに、有害微量元素が排水処理設備に流入する前に、有害微量元素の濃度を低減させることが可能である。
<A:石炭火力発電システムにおける微粉炭燃焼施設の構成>
以下、本発明の一例を示す実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、石炭火力発電システムにおける微粉炭燃焼施設1を示すブロック図である。ここで、図1に示すように、微粉炭燃焼施設1は、石炭を供給する石炭供給部12と、供給された石炭を微粉炭にする微粉炭生成部14と、微粉炭を燃焼する微粉炭燃焼部16と、微粉炭の燃焼により生成された排ガスを処理し、さらに、後述する脱硫装置から排出される脱硫排水を処理する排ガス・排水処理部18と、を備える。また、図2は、微粉炭燃焼部16における火炉161付近の拡大図である。
<A−1:石炭供給部>
石炭供給部12は、石炭を貯蔵する石炭バンカ121と、この石炭バンカ121に貯蔵された石炭を供給する給炭機122と、を備える。石炭バンカ121は、給炭機122へ供給する石炭を貯蔵する。給炭機122は、石炭バンカ121から供給された石炭を連続して石炭微粉炭機141へ供給するものである。また、この給炭機122は、石炭の供給量を調整する装置を備えており、これにより、石炭微粉炭機141に供給される石炭量が調整される。また、これら石炭バンカ121と給炭機122との境界には石炭ゲートが設けられており、これにより、給炭機からの空気が石炭バンカへ流入するのを防いでいる。
<A−2:微粉炭生成部>
微粉炭生成部14は、石炭を微粉炭燃焼することが可能な微粉炭にする石炭微粉炭機(ミル)141と、この石炭微粉炭機141に空気を供給する空気供給機142と、を備える。
石炭微粉炭機141は、給炭機122から給炭管を介して供給された石炭を、微細な粒度に粉砕して微粉炭を形成するとともに、この微粉炭と、空気供給機142から供給された空気とを混合する。このように、微粉炭と空気とを混合することにより、微粉炭を予熱及び乾燥させ、燃焼を容易にする。形成された微粉炭には、エアーが吹き付けられて、これにより、微粉炭燃焼部16に微粉炭を供給する。
石炭微粉炭機141の種類としては、ローラミル、チューブミル、ボールミル、ビータミル、インペラーミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく微粉炭燃焼で用いられるミルであればよい。
<A−3:微粉炭燃焼部>
微粉炭燃焼部16は、微粉炭生成部14で生成された微粉炭を燃焼する火炉161と、この火炉161を加熱する加熱機162(熱交換ユニット)と、火炉161に空気を供給する空気供給機163と、を備える。
火炉161は、加熱機162により加熱されて、石炭微粉炭機141から微粉炭管を介して供給された微粉炭を、空気供給機163から供給された空気とともに燃焼する。微粉炭を燃焼することにより、クリンカアッシュ、フライアッシュ等の石炭灰が副生物として生成される。クリンカアッシュは火炉161から落下するもので、ボトムアッシュとも称される。また、フライアッシュは残りの煤塵である。また、石炭灰とともに、二酸化硫黄(SO)及び三酸化硫黄(SO)等の硫黄酸化物(SOx)、及び、窒素酸化物(NOx)等の排ガスが発生する。さらには、石炭中に含有されていたホウ素、フッ素、セレン、ヒ素等の有害微量元素のうち、ホウ素、フッ素、セレンは、酸化ホウ素、フッ化水素、酸化セレンのように、ガス状の化合物として排ガス中に存在することになる。これら有害微量元素の化合物は、排ガスやフライアッシュとともに、排ガス・排水処理部18に送られる。
図2を参照して、火炉161について詳しく説明すると、図2において、火炉161は全体として略逆U字状をなしており、図中矢印に沿って排ガスが逆U字状に移動した後、2次節炭器161eを通過後に、再度小さくU字状に反転し、火炉161の出口(図2における矢印の最後)は、図示しない脱硝装置、集塵装置181に接続されている。本実施形態に係る微粉炭燃焼施設1においては、火炉161の高さは40mから60mであり、排ガスの流路の全長は200mから800mに及ぶ。
火炉161の下方には、火炉161内のバーナーゾーン161a’付近で微粉炭を燃焼するためのバーナ161aが配置されている。また、火炉161内のU字頂部付近には、第一の過熱器161b(熱交換ユニット)が配置されており、さらにそこから第二の過熱器161c(熱交換ユニット)が続いて配置されている。さらに、第二の過熱器161cの終端付近からは、1次節炭器161d(熱交換ユニット)、2次節炭器161e(熱交換ユニット)が2段階に設けられている。ここで、節炭器(ECOとも呼ばれる)は、排ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群である。
<A−4:排ガス・排水処理部18>
排ガス・排水処理部18は、微粉炭燃焼部16から排出された排ガス中のフライアッシュを除去する集塵装置181と、この集塵装置181から排出された排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置182と、この脱硫装置182から排出される脱硫排水を処理する排水処理設備183と、を備える。
集塵装置181は、排ガス中のフライアッシュを電極で収集する装置である。集塵装置181は複数段設けられていることが好ましい。この集塵装置181により収集されたフライアッシュは、図示しない石炭灰回収サイロに搬送される。
脱硫装置182は、排ガス中の硫黄酸化物を除去するものである。すなわち、脱硫装置182は、排ガスに石灰石と水との混合液(石灰石スラリー)を吹き付けることにより、排ガスに含まれる硫黄酸化物を混合液に吸収させて石膏スラリーを生成させる。脱硫装置182は、この石膏スラリーを脱水処理することで石膏を生成させる。この脱硫装置182から排出される脱硫排水は、排水処理設備183に送られる。また、脱硫された排ガスは図示しない煙突から排出される。
排水処理設備183は、図示しない曝気槽、凝集沈殿槽等の排水処理装置によって、脱硫排水を含んだ排水を処理する設備である。排水処理設備183によって処理された排水(処理水)は放流口から一般河川や海域に放流される。
<B:本発明の有害微量元素溶出抑制方法>
本発明の脱硫排水への有害微量元素の流入を抑制する方法は、石炭火力発電システムにおいて燃料となる石炭に、アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む有害微量元素捕捉剤(を含む排ガス浄化剤)を添加することにより、前記石炭の燃焼によって発生する排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置から排出された有害微量元素の脱硫排水への流入を抑制するものであるが、これを、上記の微粉炭燃焼施設1を用いて説明する。好ましくは上記の石炭供給部12、微粉炭生成部14、微粉炭燃焼部16のいずれかで行われる。
この石炭火力発電システムには、石炭を供給する石炭供給工程S10と、供給された石炭を粉砕して微粉炭を生成する微粉炭生成工程S20と、この微粉炭を燃焼する微粉炭燃焼工程S30と、排ガス中のフライアッシュを集塵し、排ガス中の硫黄酸化物を除去し、及び、脱硫排水を含む排水を処理する排ガス・排水処理工程S40と、を含み、これら各工程は、それぞれ、上述の微粉炭燃焼施設1の石炭供給部12、微粉炭生成部14、微粉炭燃焼部16、及び排ガス・排水処理部18、において行われる。そして、本発明の特徴である有害微量元素捕捉剤添加工程S50は、好ましくは上記の石炭供給部12、微粉炭生成部14、微粉炭燃焼部16のいずれかで行われる。
<石炭供給工程S10>
まず、石炭供給工程S10では、石炭バンカ121に貯蔵された石炭が、給炭機122により、石炭微粉炭機141に供給される。なお、この石炭微粉炭機141に供給される石炭は、具体的には瀝青炭、亜瀝青炭、又は、褐炭等であるが、これらの石炭に限定されるものではなく微粉炭燃焼が行える石炭であればよい。
<微粉炭生成工程S20>
次に、微粉炭生成工程S20では、給炭機122から供給された石炭が石炭微粉炭機141により粉砕されて、これにより、微粉炭が生成される。生成された微粉炭は、火炉161に供給される。このとき、この微粉炭生成工程で粉状に形成された微粉炭の平均の粒度は、微粉炭燃焼で一般的に用いられる粒径範囲であればよく、一般的には、74μmアンダー80wt%以上の粉砕度である。なお、この範囲は有害微量元素捕捉剤が添加された場合にも適用できる。
<微粉炭燃焼工程S30>
次に、微粉炭燃焼工程S30では、石炭微粉炭機141で生成された微粉炭が、火炉161により燃焼される。図2に示すように、バーナーゾーン161a’においては微粉炭が燃焼されるが、このときの温度は1300℃から1500℃に及び、燃焼によって生成される石炭灰のうち、クリンカアッシュは下向きの矢印の方向に沿って下降し、フライアッシュは上向きの矢印の方向に沿って上昇して排ガスとともに過熱器(熱交換ユニット)161b、161cを通過し、1次節炭器161d(熱交換ユニット)、2次節炭器161e(熱交換ユニット)を順次通過する。
上記のように、この節炭器付近は、450℃から500℃前後が維持されている領域であり、この排ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群を通過することによって熱交換され、温度が低下する。排ガスがバーナーゾーン161a’から過熱器付近まで到達するまでに要する時間は、おおむね5秒から15秒である。そして、この排ガスは、後段の集塵装置181、脱硫装置182に送られる。この微粉炭燃焼工程で生成される石炭灰は、通常、その平均の粒度が1μmから100μmの範囲内の粉末状である。
<排ガス・排水処理工程40>
その後、微粉炭の燃焼によって発生した排ガスは、図示しない脱硝装置に送られて脱硝され、さらに、集塵装置181によって排ガス中のフライアッシュが集塵される。集塵装置181によって集塵された排ガスは、脱硫装置182に送られて脱硫され、その後図示しない煙突によって大気に放出される。脱硫装置182から排出された脱硫排水は、排水処理設備183に送られ、他の排水とともに処理される。
<有害微量元素捕捉剤添加工程S50>
本発明の特徴である有害微量元素捕捉剤を添加する工程である有害微量元素捕捉剤添加工程S50は、図1に示すように、好ましくは上記の石炭供給部12、微粉炭生成部14、微粉炭燃焼部16のいずれかに対して行われる(それぞれ、図1におけるS51、S52、S53)。
なお、有害微量元素捕捉剤の添加場所は、石炭が流動している場所であれば特に限定されず、例えば、石炭供給部12と微粉炭生成部14との間の移送路や、微粉炭生成部14と微粉炭燃焼部16との間の移送路等で行われてもよい。
具体的には、例えば、給炭機122から石炭微粉炭機141に輸送する際のベルトコンベア上に有害微量元素捕捉剤を供給して混合する方法、有害微量元素捕捉剤を石炭微粉炭機141の石炭ホッパー(図示せず)に直接投入する方法、石炭微粉炭機141と火炉161の間の配管に剤投入口を設けて供給する方法、火炉161へ燃焼用空気とともに直接投入する方法、火炉161の一部を構成する、加熱機162、過熱器161b、161c、1次節炭器161d、2次節炭器161e等の熱交換ユニット付近に添加する方法、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このように、本発明の方法は、新たな設備を必要とせず、既存の設備の軽微な改良で適用可能であるため、既存設備を有効利用することができ、コスト的にも有利である。
本発明の有害微量元素捕捉剤は、アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む薬剤であるが、石灰石(CaCO)、消灰石(Ca(OH))、生石灰(CaO)からなる群より選択される1種以上を含む薬剤であることが好ましい。また、有害微量元素捕捉剤は粒状又は粉末状であることが好ましく、具体的には、平均粒径が1μmから100μmであることが好ましく、5μmから70μmであることがより好ましい。
石炭に対してアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の濃度が0.1質量%以上20質量%以下となるように、有害微量元素捕捉剤を添加することが好ましい。
上記の有害微量元素捕捉剤の添加により、本発明においては、排ガス中に含まれる有害微量元素の種類に関わりなく、脱硫排水への有害微量元素の流入を抑制することが可能である。具体的に脱硫排水への流入を抑制することができる有害微量元素としては、特に限定されないが、ホウ素、ヒ素、臭素、塩素、ヨウ素、硫黄、窒素、リン、スズ、チタン、バナジウム、タングステン、セレン、フッ素、ニッケル、マグネシウム、マンガン等を挙げることができる。この中でも特に、ガス状物質となり得る、ホウ素、フッ素及び砒素等の単体又は化合物の脱硫排水への流入を、より抑制することができる。
本発明における、排ガス中に含まれる有害微量元素の脱硫排水への流入を抑制することができるメカニズムは、以下のとおりである。
有害微量元素捕捉剤が添加された石炭が火炉161内で燃焼すると、その燃焼によって発生した排ガス中の粒子濃度は、有害微量元素捕捉剤の添加分だけ上昇する。このため、ガス状の有害微量元素及びその化合物が、石炭の燃焼残渣である石炭灰又は有害微量元素捕捉剤に捕捉される可能性が高くなる。
加えて、ガス状の有害微量元素は、有害微量元素捕捉剤の酸化作用によって、有害微量元素により構成される酸化物等の化合物を形成する。具体例としては、有害微量元素捕捉剤に捕捉されたガス状のホウ素は、有害微量元素捕捉剤に由来する酸化カルシウムによって酸化され、難溶性又は不溶性の酸化ホウ素となって固定化される。この酸化ホウ素は、さらに有害微量元素捕捉剤に捕捉されることもある。
そして、有害微量元素捕捉剤に捕捉された有害微量元素の化合物は、排ガスの冷却過程において、あるいは捕集された石炭灰中において、有害微量元素捕捉剤中のアルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分と反応して、難溶性又は不溶性の化合物を生成すると考えられる。具体的には、酸化ホウ素、酸化セレン、及び、三酸化二ヒ素、フッ化水素と、が反応して、それぞれホウ酸カルシウム、亜セレン酸カルシウム、ヒ酸カルシウム、フッ化カルシウム等が生成される。このように、有害微量元素捕捉剤に捕捉された有害微量元素は、有害微量元素捕捉剤に固定化されることになる。
さらに、ボイラ高温領域に捕捉剤を投入した場合の他のメカニズムとしては、石炭灰の低融点化の促進により、ガス中の微量成分が溶融灰へと物理的に捕捉、固定化されるといったメカニズムを挙げることができる。すなわち、火炉161内の1300℃から1500℃の条件において、カルシウムを含む化合物である有害微量元素捕捉剤の添加によって、シリカ、アルミナを主成分とする石炭灰の表面が軟化(溶融)し、粘性をもった石炭灰粒子が、微量元素と接触して石炭灰の内部に取り込まれて溶出濃度が低下するものと推定される。このように、本発明においては、微粉炭燃焼工程S30までに有害微量元素捕捉剤を添加することで、微粉炭燃焼部における火炉の高温を有効利用して、石炭灰からの微量元素の溶出を抑制するものである。
石炭灰のうちクリンカアッシュに捕捉され又は固定化されたガス状の有害微量元素及びその化合物は、クリンカアッシュとともに火炉161を下降して火炉161から排出されるので、脱硫排水に流入される可能性は低い。
また、石炭灰のうちフライアッシュに物理的に捕捉されたガス状の有害微量元素とその化合物、及び、有害微量元素捕捉剤に化学的に捕捉され固定化されたガス状の有害微量元素とその化合物は、排ガス・排水処理部18の集塵装置181でフライアッシュ又は有害微量元素捕捉剤が集塵されるので、脱硫排水に流入される可能性は低い。
このように、本発明においては、有害微量元素捕捉剤を石炭に添加することで、微粉炭燃焼部における火炉の高温を有効利用して、有害微量元素、特に、ガス状の有害微量元素の脱硫排水への流入を抑制することが可能である。
なお、有害微量元素捕捉剤を集塵装置181入口付近のみに添加した場合には、節炭器付近の温度が850℃から900℃と、比較的低温であるので、上述の難溶性又は不溶性の化合物の生成のみが起こる。このため、有害微量元素捕捉剤を節炭器付近のみに添加することも有効である。
以下、本発明を実施例、比較例、及び、参考例によってさらに具体的に説明する。
<実施例1>
図1、図2に示すような装置を用い、中国産、オーストラリア産、インドネシア産の少なくとも1種類の石炭100質量部、石灰石を1質量部添加して燃焼させた。電気集塵装置で集塵された石炭灰中のホウ素濃度を表1に示す。
Figure 0004942559
<比較例1>
石灰石を入れない以外は実施例と同じ操作を行った。電気集塵装置で集塵された石炭灰中のホウ素濃度を表1に示す。
表1に示すように、計算値の比較では、石炭灰中のホウ素濃度は、石灰石を添加しない場合よりも添加する場合の方が、高くなった。これに対して、実機での比較では、石炭100質量部に石灰石1質量部を加えて燃焼させた場合の方(実施例1)が、石灰石を加えない場合よりも、石炭灰中のホウ素濃度が高くなることがわかる。すなわち、石灰石が石炭中に添加された実施例の場合には、石灰石が熱で分解されて酸化カルシウムが生成され、この酸化カルシウムとホウ素が接触することにより、酸化カルシウムにホウ素が固定化されたものと考える。これに対して、比較例では、石灰石が含まれないため、酸化カルシウムにホウ素が固定化されない。したがって、比較例よりも実施例の方が石炭灰中のホウ素濃度が高くなる。
<参考例3>
次に、図1、図2に示すような装置を用い、中国産、オーストラリア産、インドネシア産等の少なくとも1種類の石炭を燃焼させた。単位時間あたりの石炭中のホウ素の質量(mg/kg)に応じた石炭中のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属の質量(%)をX軸に、そのときの脱硫排水のホウ素濃度(ppm)をY軸にとり、累乗近似曲線を作成した。このグラフを図3に示す。また、単位時間あたりの石炭中のホウ素の質量(mg/kg)に応じた石炭中の酸化カルシウム(CaO)の質量(%)をX軸に、そのときの脱硫排水のホウ素濃度(ppm)をY軸にとり、累乗近似曲線を作成した。このグラフを図4に示す。また、単位時間あたりの石炭中のホウ素濃度(mg/kg)に応じた灰分中の酸化カルシウムの質量(mg/kg)をX軸に、そのときの脱硫排水のホウ素濃度(ppm)をY軸にとり、累乗近似曲線を作成した。このグラフを図5に示す。
なお、脱硫排水中のホウ素の濃度の測定は、JISK0102のメチレンブルー吸光光度法にて実施した。ICP質量分析装置としては分光光度計U−3310(HITACHI社製)を用いて測定した。また、石炭中のホウ素濃度、石炭中の及び/又はアルカリ土類金属の質量、石炭中の酸化カルシウムの質量、及び、灰分の質量のサンプリング場所は、石炭火力発電所の石炭消費系統及び石炭灰は払出し系統である。
図3の結果によれば、ホウ素の濃度が多くアルカリ元素が少ない場合(X軸0方向)、すなわち、相対的にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属含有量が少ない場合は、脱硫排水中のホウ素濃度が高くなっている。これは、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が燃焼反応又は煙道中に多いと、有害微量元素は集塵装置181を超えて脱硫装置182に移行しないことを示している。すなわち、集塵装置181で有害微量元素が回収されていることを示している。
図4及び図5も同様に、X軸でホウ素の濃度が多く酸化カルシウムが少ない場合(X軸0方向)、すなわち、相対的に酸化カルシウムが少ない場合、脱硫排水中のホウ素濃度が高くなっている。これは酸化カルシウムが燃焼反応もしくは煙道中に多い方が、有害微量元素が、集塵装置181を超えて脱硫装置182に移行しないことを示している。すなわち、集塵装置181で有害微量元素が回収されているということを示している。
以上の結果、石炭中のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属含有量が多いほど、有害微量元素が、集塵装置181を超えて脱硫装置182に移行しないことがわかる。換言すれば、石炭火力発電システムにおいて燃料となる石炭に、アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む有害微量元素捕捉剤を添加することにより、脱硫排水への有害微量元素の流入を抑制することが可能である。
なお、図3から図5に示す脱硫排水中はそのまま一般河川や海域に放流されるものではなく、排水処理設備で処理されるため、十分に規制値を遵守することが可能である。
本発明によれば、火力発電所に設置された脱硫装置から排出される脱硫排水への有害微量元素の流入を抑制することが可能となる。すなわち、本発明は、有害微量元素を高濃度に含有した安価な石炭種を燃料として使用することができるため、火力発電の低コスト化を可能とする技術である。
なお、以下のような構成も本発明に含まれるようにしてもよい。
(1) 石炭火力発電システムにおいて燃料となる石炭に、アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む有害微量元素捕捉剤を添加することにより、前記石炭の燃焼によって発生する排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置から排出された脱硫排水への有害微量元素の流入を抑制する方法。
(1)の発明によれば、脱硫排水への有害微量元素の流入を抑制する手段は、アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む有害微量元素捕捉剤を石炭に添加するだけであるので、(1)の発明は既存の設備の改良で、すなわち、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要とせずに、有害微量元素の脱硫排水への流入を抑制することが可能である。その結果、(1)の発明によれば、有害微量元素を多く含んだ安価な粗悪炭を燃料として使用することが可能となるため、燃料費の大幅なコスト削減が可能である。
なお、「有害微量元素」とは、ホウ素、ヒ素、臭素、塩素、ヨウ素、硫黄、窒素、リン、スズ、チタン、バナジウム、タングステン、セレン、フッ素、ニッケル、マグネシウム、マンガン等の石炭中に含有する、人間にとって有害となり得る元素である。
また、有害微量元素捕捉剤の添加のタイミングは、石炭の状態への添加であれば特に限定されない。例えば、石炭供給部、微粉炭生成部、微粉炭燃焼部のいずれであってもよい。この微粉炭燃焼部には、燃焼ボイラの下流に配置される熱交換ユニット(いわゆる節炭器)付近まで含まれる。
(2) 前記有害微量元素捕捉剤は、石灰石、消灰石、生石灰からなる群より選択される1種以上を含む有害微量元素捕捉剤を用いる(1)記載の脱硫排水への有害微量元素の流入を抑制する方法。
(2)の発明に係る有害微量元素捕捉剤は、石灰石、消灰石、生石灰からなる群より選択される1種以上を含む有害微量元素捕捉剤を用いる。石灰石、消灰石、生石灰はいずれも容易に入手可能であり、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要とせずに、上記のホウ素、フッ素、セレン、ヒ素等の有害微量元素、中でもホウ素の脱硫排水への流入を抑制することが可能である。
(3) 前記有害微量元素がホウ素である(1)又は(2)いずれか記載の脱硫排水への有害微量元素の流入を抑制する方法。
有害微量元素の中でもホウ素を含有する排水の処理は他の有害微量元素を含有する排水の処理よりも困難であるため、従来、ホウ素を含有する排水を処理するためには、多額の初期投資が必要であり、又は、大規模な追加設備を必要とした。(3)の発明によれば、多額の初期投資が不要で、大規模な追加設備を必要とせずに脱硫排水へのホウ素の流入を抑制することが可能である。
(4) アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含み、石炭火力発電システムにおいて燃料となる石炭に添加される有害微量元素捕捉剤であって、前記石炭の燃焼によって発生する排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置から排出された脱硫排水中への有害微量元素の流入を抑制させるために使用される有害微量元素捕捉剤。
(4)の発明は、上記(1)の発明を有害微量元素捕捉剤として捉えたものであり、上記(1)の発明と同様の効果が得られる。
(5) 前記有害微量元素がホウ素である(4)記載の有害微量元素捕捉剤。
(5)の発明は、上記(3)の発明を有害微量元素捕捉剤として捉えたものであり、上記(3)の発明と同様の効果が得られる。
本発明の一実施形態を示す石炭火力発電システムにおける微粉炭燃焼施設の概略構成図である。 図1における火炉付近の拡大図である。 単位時間あたりの石炭中のホウ素の質量に応じた石炭中のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属の質量をX軸に、そのときの脱硫排水のホウ素濃度をY軸にとり、累乗近似曲線を作成したグラフである。 単位時間あたりの石炭中のホウ素の質量に応じた石炭中の酸化カルシウムの質量をX軸に、そのときの脱硫排水のホウ素濃度をY軸にとり、累乗近似曲線を作成したグラフである。 単位時間あたりの石炭中のホウ素の質量に応じた灰分中の酸化カルシウムの質量をX軸に、そのときの脱硫排水のホウ素濃度をY軸にとり、累乗近似曲線を作成したグラフである。
符号の説明
1 微粉炭燃焼施設
12 石炭供給部
121 石炭バンカ
122 給炭機
14 微粉炭生成部
141 石炭微粉炭機
142 空気供給機
16 微粉炭燃焼部
161 火炉
162 加熱機
163 空気供給機
18 排ガス・排水処理部
181 集塵装置
182 脱硫装置
183 排水処理設備
S10 石炭供給工程
S20 微粉炭生成工程
S30 微粉炭燃焼工程
S40 排ガス・排水処理工程
S50 有害微量元素捕捉剤添加工程

Claims (5)

  1. 燃料を燃焼させる燃焼ボイラと、前記燃料の燃焼によって発生した排ガスに含まれる煤塵を取り除く集塵装置とを備えた火力発電システムにおいて、前記燃料の燃焼によって発生した排ガス中に含まれる有害微量元素を捕捉させる方法であって、
    アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む排ガス浄化剤を、前記燃料に対して前記アルカリ金属及び/又は前記アルカリ土類金属の濃度が0.1質量%以上20質量%以下となるように添加する排ガス浄化剤添加工程を、前記燃焼ボイラに前記燃料を添加する工程から前記集塵装置によって前記煤塵が取り除かれる工程までの間の850℃以上の箇所で行う方法。
  2. 前記排ガス浄化剤添加工程を前記燃焼ボイラで前記燃料を燃焼する前に行う、請求項1記載の方法。
  3. 前記アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類は、石灰石、消石灰、及び、生石灰からなる群より選択される1種以上を含む請求項1又は2記載の方法
  4. 前記有害微量元素がホウ素である請求項1から3のいずれかに記載の方法
  5. 石炭を粉砕して微粉炭を生成する微粉炭生成部と、前記微粉炭生成部で生成した微粉炭を燃焼させる燃焼ボイラと、前記微粉炭の燃焼によって発生した排ガスに含まれる煤塵を取り除く集塵装置とを備える火力発電システムであって、
    アルカリ金属及び/又はその塩類、あるいは、アルカリ土類金属及び/又はその塩類を含む排ガス浄化剤を、前記微粉炭に対して前記アルカリ金属及び/又は前記アルカリ土類金属の濃度が0.1質量%以上20質量%以下となるように添加する排ガス浄化剤添加部が、前記微粉炭生成部と前記集塵装置とを結ぶいずれかの経路に接続して設けられている火力発電システム。
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