JP4942247B2 - 車両の走行状態を制御する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、車輪とタイヤに作用する力が車輪力センサまたはタイヤセンサによって検出され、かつABS,TCS,EHB等のような自動車制御システムのための制御量として使用され、制御量が車輪の車輪ブレーキ内のブレーキ圧力およびまたは駆動トルクを決定およびまたは変更するために用いられる、車両の走行状態を制御するための方法に関する。
【0002】
車両の走行状態を制御するためのこのような方法は多数知られている。この方法はタイヤに作用する力とトルクを検出するためにタイヤセンサを使用する。ヨーロッパ特許第0444109号公報では、タイヤのトレッド領域(タイヤトレッド接触領域)の変改が監視され、WO96/10505ではタイヤのサイドウォールの変形(ねじれ変形)が、回転軸線に対して異なる半径に配置された、回転する車輪上の少なくとも2つのマークを通過する間の時間を測定することによって検出される。タイヤの変形時にタイヤに作用する力によって測定要素によって発生する測定信号の間の位相位置の変化を検出するタイヤセンサと、車輪から道路に伝達されるトルクおよびまたは瞬時の摩擦係数を示す位相位置のこの変化は、WO97/44673に記載されている。このようにタイヤに作用し、タイヤセンサによって検出される力は、自動車制御システムにおいて、車輪の車輪ブレーキ内のブレーキ圧力を決定およびまたは変更するために使用される。
【0003】
タイヤセンサによって検出された力およびまたはタイヤと道路の間のトルクに基づいて、車輪ブレーキ内のブレーキ圧力の決定およびまたは変更を制御するこの自動車制御システムのほかに、自動車の4つの車輪回転速数または車輪速度を検出するための慣用のセンサ装置を備えた自動車用ABSコントロールシステムおよびまたはTCSコントロールシステムが知られている。ブレーキング中または加速度の際に車輪が最適なスリップ範囲を上回り、それによって車輪がロックまたは空転する危険があると、ABSコントロールまたはTCSコントロールが自動的に作用する。
【0004】
この公知のABSコントロールシステムまたはTCSコントロールシステムの場合には、制御のために必要な情報が、個々の車輪の回転状態を検出することによって得られる。この場合、車輪回転信号の論理結合によって、車速を近似的に示す車両基準速度が決定される。この車両基準速度は車輪スリップや他の制御量を決定するための基準量としておよび車輪ブレーキ内のブレーキ圧力を決定または制御するための基準量として使用可能である。公知のABSコントロールシステムまたはTCSコントロールシステムの場合には、スリップ限界値、すなわち臨界点(それまで伝達可能なブレーキ力または駆動トルクが増大するだけである)までの車輪スリップの決定は、車両がこの危険なスリップ領域を超えて制動または駆動されることによって達成される。そして、車輪がロックまたは空転する傾向が検出されるように、車輪周速が車両基準速度に対して変化する。ABSコントロールまたはTCSコントロールの場合、任意の順序で発生する位相から圧力を保持し、圧力を上昇させ、圧力を低下させる制御サイクルは、車輪あたり複数回繰り返される。
【0005】
スリップ限界値を検出するためには危険なスリップ領域を超えなければならないことによって、各ABS制御サイクルまたはTCS制御サイクルにおけるブレーキ出力または駆動出力は低下する。同時に、制動距離が延びる。危険なスリップ領域を上回ることによって、タイヤのサイドフォースが低下する。車両安定性と車両の操舵可能性が低下する。
【0006】
従って、検出または決定のためにスリップ限界値または危険なスリップ領域を上回ることなく、センサを介してスリップ限界値またはABSコントロールまたはTCSコントロールのために適した車両の車輪のスリップ値を検出するかまたは決定可能である、車両の走行状態を制御するための方法が望まれる。
【0007】
車輪から道路に伝達され、タイヤに作用する力を検出するタイヤセンサは、基本的には、制御量としてABSコントロールシステムまたはTCSコントロールシステムに使用可能である。なぜなら、このタイヤセンサが発生する個所で力を直接検出するからである。しかし、μ−スリップ特性曲線において、摩擦係数(μ)がスリップに比例して増大し、それによって車輪ロック時にタイヤと道路の間の力が増大するので、タイヤセンサによって検出された力を介して、ABSコントロールまたはTCSコントロールに適したスリップ値を一義的に決定することはできない。
【0008】
本発明の根底をなす課題は、車両の運動の影響を最適化することができる、車両の走行状態を制御するための方法を提供することである。
【0009】
この課題は冒頭に述べた方法において、請求項1記載の特徴によって解決される。
【0010】
方法の特徴は、ABSコントロールまたはTCSコントロールを開始する際に、車輪力センサまたはタイヤセンサによって検出された力の動作点およびまたは動作範囲が、検出された車輪スリップによって設定されることにある。車輪スリップは慣用のセンサに依存して測定およびまたは計算される、車輪回転数や車両基準速度のような量と、動特性的な車輪回転状態の評価に依存して決定される。その際、車輪力センサまたはタイヤセンサによって検出された制御量の動作点およびまたは動作範囲は、最初のABSコントロールサイクルまたはTCSコントロールサイクルの危険な車輪スリップの際、およびまたは、少なくとも1つの車輪スリップの際および速度又はその微分値の車輪反転点の際の力と同時に設定される。最大の力の決定は、ブレーキスリップ増大またはトラクションスリップ増大あるいは負の加速度(ABS)または正の加速度(TCS)の開始時、すなわち最初のABSコントロールサイクルまたはTCSコントロールサイクルの間の危険なスリップ値の範囲において行われる。更に、最小の力の決定は、ブレーキスリップから正の加速度が発生したときあるいは推進スリップからの負の加速度または車輪のスリップからの再加速が発生したときに行われる。個々の車輪の評価された回転状態と、危険なスリップ中の車両基準速度を、車輪力センサまたはタイヤセンサで検出された力、特に縦方向力によって調整することにより、制御量“力”の動作点およびまたは動作範囲が設定される。従って、本発明は、回転速度状態および車両指令速度を用いて車輪スリップ、すなわち危険なスリップを決定することにより、車輪力センサまたはタイヤセンサで検出された力の動作点または動作範囲が最初の制御サイクルの開始時に検出されるという認識に基づいている。それによって、タイヤと道路の間の摩擦連結作用が明確に決定され、制御量のエラーが排除される。このエラーはμスリップ曲線に基づいている。このμスリップ特性曲線の場合、摩擦係数(μ)はスリップに比例して増大し、それによって車輪ロック時または空転時にタイヤと道路の間の力が増大する。
【0011】
本発明の方法によって、車両タイヤに作用する力の動作点およびまたは動作範囲は車輪スリップのABSコントロール範囲またはTCSコントロール範囲内で設定される。そのために、車輪の回転状態が不安定な範囲内で制御過程の開始時に最初に検出され、場合によっては他の量を考慮に入れて評価される。続いて、次のABSコントロールサイクルまたはTCSコントロールサイクル、車輪スリップの制御は、例えば摩擦係数変化のような外部の作用が動作点およびまたは動作範囲を移動せず、スリップ限界値を上回るかぎり、車輪力センサまたはタイヤセンサによって検出された力を介して、危険なスリップ値よりも低くまたは危険なスリップ値(スリップ限界値)まで調整される。
【0012】
方法の特別に有利な実施形では、動作点およびまたは動作範囲の前述の決定が、新たに開始されるので、動作点およびまたは動作範囲は新しい特性量または状態量に合わせられる。
【0013】
本発明の方法の特に有利な一連の実施形は従属請求項に記載されている。
【0014】
有利な実施形では、慣用のセンサによって検出された量に基づいて、少なくとも危険な車輪スリップおよびまたはABSコントロール範囲またはTCSコントロール範囲内の少なくとも1つの車輪スリップが、車輪センサまたはタイヤセンサによって、力の検出と同時に決定される。なぜなら、慣用の制御方法を使用することによって、ABSコントロールまたはTCSコントロールに入る際に、制御量すなわち力の確実な動作点決定または動作範囲決定を簡単に設定可能であるからである。
【0015】
他の実施形では、最初のABSコントロールサイクルまたはTCSコントロールサイクルにおいて、ブレーキスリップ増大またはトラクションスリップ増大時およびまたは車輪の加速時に、力が決定され、速度またはその微分値の車輪反転点のところで、すなわちブレーキスリップからの際加速の発生時あるいは車輪の推進スリップからの減速の発生時に、力が決定される。なぜなら、ブレーキスリップ増大またはトラクションスリップ増大時あるいは車輪の加速時に、力は、スリップおよびまたは減速に依存するだけでなく、例えばタイヤの小さな空気圧またはスリップ要求の高い車輪のような、いろいろな特性量による力の増大にも依存する。
【0016】
最初のABSコントロールサイクルまたはTCSコントロールサイクルのブレーキスリップ増大またはトラクションスリップ増大時およびまたは加速の開始時に力が決定されることにより、その決定直後、車輪力センサまたはタイヤセンサによって検出された制御量を、ABSコントロールまたはTCSコントロールに使用することができるので、センサによって検出された制御量は、安定した車輪スリップ範囲内に調整可能である。それによって、不安定な車輪スリップ範囲内で発生するタイヤのサイドフォース低下と、それに伴う車両操舵性の悪化およびブレーキ出力の低下が回避される。
【0017】
他の実施形によれば、走行安定範囲に入るときに、ブレーキ圧力およびまたは駆動トルクの決定およびまたは変更が、次式
F=k1 ×Fmax
に従って制御され、ここで、Fmax=危険スリップ領域の縦方向力、k1 =比例係数、F=タイヤと道路間の実際の縦方向力である。走行装置の振動励起を回避するために、縦方向力は段階的に設定される。第1の動作点の前述の決定が行われ、車輪スリップが制御量Fmax ×k1 を用いて減算され、力に相当するブレーキ圧力または基本駆動トルクが調節された後で、車輪における力、スリップまたは加速度が観察される。積Fmax ×k1 が、車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力Fよりも大きいときに、ABSコントロールまたはTCSコントロールが次式
【0018】
【数2】
Figure 0004942247
に従って早く終了し、ここでT0 は60〜90ms、特に70〜80msの微少時間、TABS/TCS は終了時間である。
【0019】
積Fmax ×k1 と評価を求めることによって、すなわち積Fmax ×k1 が車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力Fよりも大きいときに、運転者による一定のブレーキ圧力制御または駆動トルク設定の際に、タイヤと道路の間の増大する摩擦係数を推測することができる。この場合、差k1 ・Fmax −Fに間接的に比例する終了時間によって加速されて、ABSモードとTCSモードを逸脱する。なぜなら、ロック傾向またはトラクションスリップ傾向の低下によって車両状態を推測することができるからである。
【0020】
評価された積Fmax ×k1 が車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力Fにほぼ一致すると、均一な摩擦係数でのブレーキングまたは加速が推測される。その際、k1 ・Fmax の評価は、ブレーキスリップ増大またはトラクションスリップ増大時または車輪の加速時に決定される力Fmax の正確な決定に依存する。そして、ABSコントロール時にブレーキ出力に依存し、TCSコントロール時に駆動装置の出力と加速に依存する。
【0021】
自己テストサイクルによって、決定された力Fmax とFmin は常に更新され、必要であれば補正される。そのために、名目上の時間の後で、ブレーキ圧力の変更または上昇が、コントロールシステムに供給される圧力上昇パルスによっておよびまたはTCSコントロールシステムで駆動トルクの追加によって行われる。この場合、車輪の正または負の加速度と力が検出される。測定された力と加速度の評価および変化から、例えば力Fが増大し、加速度が変わらない場合、すなわち加速度の増大なしに、力Fの増大が検出されるときに、ブレーキ力または駆動力が不充分であることが推測される。換言すると、タイヤセンサによって測定され評価された力F、特にタイヤと道路の間で検出される縦方向力は、車輪から道路に伝達可能な力に一致しない。この場合、動作点または動作範囲の新たな発見が開始される。
【0022】
本発明の実施形では、力Fmax または加速度が閾値(S)との比較によって評価され、閾値を上回るときに、ブレーキ圧力を変更ま増大させることによってあるいは駆動トルクを増大させることによって不安定性ひいてはブレーキスリップまたはトラクションスリップが発生する。この不安定性は前述のように、車輪スリップによって動作点の再設定を生じる。車輪スリップによる動作点のこの再設定または再決定は、高速走行時または大きな力発生時に開始される。
【0023】
他の実施形によれば、最大力Fmax または加速度が比較によって評価され、閾値(S)を下回るときに、特にFmax のときまたはa(加速度)<Sのときに、少なくとも1つの圧力上昇パルスをコントロールシステムに供給して、通常は複数の圧力上昇パルスおよびまたは少なくとも1つの追加駆動トルクをコントロールシステムに供給して、ブレーキ圧力を変更または増大することにより、測定された力Fが最大力(Fmax )に近づけられる。その際、考慮される車輪は少しだけスリップする。すなわち、危険なスリップ領域またはスリップ限界値を上回り、新しい動作点が生じる。この制御は、力または車両加速度が低いときに有利である。
【0024】
方法の他の実施形では、力Fがほとんど一定であるかまたは増大せず、正または負の加速度または測定された力が関係F>k1 .Fmax に従って増大する場合、車輪は車輪スリップのABSコントロール範囲またはTCSコントロール範囲内にある。この場合、駆動トルク低下またはブレーキ圧力低下は、約Tp =2msのブレーキ圧力低下パルスによってあるいは駆動トルク追加によって、F≦k2 ×Fmin まで制御される。ここで、k2 >1である。
【0025】
本発明の実施の形態が図に示してある。次に、この実施の形態について詳しく説明する。
【0026】
ABSコントローラまたはTCSコントローラ19の電子回路の原理的な構造が図1に示してある。慣用の車輪センサによって得られる信号V1〜V4は先ず最初に、回路11で処理され、増幅される。所定の選択判断基準を使用してこの回路11の出力信号を比較することにより、慣用のブレーキ装置の個々の車輪ブレーキまたは制御チャンネルにおいてブレーキ圧力制御のための基準値として役立つような基準速度VRef が求められる。更に、信号処理によって、公知のごとく、車輪信号から、個々の車輪の減速度および加速度、これらの値の変化(いわゆる急激な変動)、車輪スリップ等が決定される。回路11と平行して、車輪力センサまたはタイヤセンサによって得られた車輪力信号F1〜F4がフィルタ12で処理され、論理演算ユニット13内で所定の判断基準に従って力最大値Fmax と力最小値Fmin を決定する。その際、Fmax とFmin は次のような力であると理解される。
【0027】
ABSコントロールサイクルでは、Fmax は、はっきりしたブレーキスリップ増大または減速が測定される場合の力である。Fmin ははっきりした速度逆転または加速度反転(ブレーキスリップからの再加速)が測定される場合の力である。
【0028】
TCSコントロールサイクルでは、Fmax は、はっきりしたドラクションスリップ増大または加速が測定される場合の力である。Fmin は、はっきりした速度反転(牽引スリップからの減速、スリップからの再加速)が測定される場合の力である。
【0029】
Fmax とFmin を決定するために、回路11は論理演算ユニット13に接続されている。ここで、回路11内において最初のABSコントロールサイクルまたはTCSコントロールサイクルで決定された、論理回路内で車輪力信号F1〜F4に結合される車輪スリップに関する情報の評価によって、Fmax とFmin の決定が行われる。慣用の車輪センサによって決定された危険な車輪スリップおよびまたはABSコントロール範囲またはTCSコントロール範囲内の車輪スリップは、測定された実際力Fの動作点およびまたは動作範囲を設定するために使用される。
【0030】
論理演算ユニット13の出力部には、即時の力成分k1×Fmax を決定するためのユニット14が接続されている。このユニット14は、電気的な信号の形をした制御偏差を、回路15に供給する。それによって、この回路15において、決定された力とその動作点に依存して、少なくとも1つの圧力上昇パルスF×tの形をしたブレーキ圧力制御信号が、活性体(アクチベータ)16に供給される。走行装置の励振を回避するために、回路15では、圧力上昇のため特に迅速に連続する複数の部分上昇パルスが形成され、活性体に供給される。
【0031】
論理演算ユニット13の出力部には、ユニット14のほかに、オブザーバ(観察ユニット)17が接続されている。車輪力センサとタイヤセンサのろ波された力信号F1〜F4と、Fmax とFmin の信号が、このオブザーバに供給される。オブザーバにおいては、論理回路内で結合およびまたは発生しかつ力信号と比較されるいろいろな情報を評価することによって、状況認識が行われる。比較によって得られたこの状況認識の情報は、論理回路13、ユニット14および回路15に戻され、値Fmax ,Fmin ,k1×Fmax およびF×tを決定する際に考慮される。
【0032】
図2は、ABS機能またはTCS機能の開始につながる基本的な方法を示している。論理的な分岐はフローチャートで菱形ブロックとして示してある。決定すべき所定の状況から出発して(スタート20)、先ず最初に菱形ブロック21において、ブレーキングが行われているかどうかが確かめられる。そのために、縦方向加速度along が閾値と比較される。値along が閾値along min よりも小さいと、負の縦方向加速度が存在すること、すなわち簡単化して見たときブレーキングを推測可能な減速が存在するを意味する。縦方向加速度が閾値よりも高いと、車両は加速走行またはブレーキングを排除した一定走行中にある。前の実行がブレーキングを認識すると、菱形ブロック22において、車輪の不安定性が質問される。不安定性が存在し、ABS機能が働いていると、図3のABSコントロール(ABSブロック23)が開始される。
【0033】
これに対して、菱形ブロック21において、ブレーキングが存在しないことが確認されると、菱形ブロック24内で、車輪の牽引不安定性が存在し、TCS機能が働くように切換えられているかどうかが質問される。この場合、図4のTCSコントロール(TCSブロック25)が開始される。菱形ブロック22または菱形ブロック24において、車輪不安定性が確認されると、コントロールは不要である。システムは質問のスタート20に戻るように切換えられ、質問が新たに繰り返される。
【0034】
ABSコントロールの処理手順を、図5に関連して図3に基づいて説明する。この図5では、均一な摩擦係数での制御ブレーキング中の車輪速度v、圧力pおよび力信号Fの間の関係が非常に簡略して示してある。時点t1で、圧力上昇相にある、ここで考慮する車輪xは不安定になる。この時点で、この車輪の車輪ブレーキ内のブレーキ圧力はpである。時点t1でのタイヤと道路の間の力を決定するために、先ず最初に、菱形ブロック30において、慣用の車輪速度センサによって決定されたブレーキスリップ(このスリップの場合車輪xが不安定になる)の開始が、第1のABSコントロールサイクルにおいて質問される。同時に、車輪力センサまたはタイヤセンサに基づいて決定された力信号Fmax が時点t1で決定され、記憶される(31)。この力信号では、車輪のはっきりしたブレーキスリップ増大またはそれに対応する減速(車輪周速の低下)が確認される。そして、時点t1では、考慮される車輪が不安定になる。電子コントローラは確認されたロック傾向に基づいて、ブレーキ装置の入口弁を閉鎖するので、操作圧力が更に上昇する場合にも、時点t2のブレーキ圧力pはもはや上昇しない。車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力は、圧力保持相においてブレーキスリップが増大する際に低下する。なぜなら、タイヤと道路の間の摩擦連結作用が弱まるからである。時点t3までブレーキ圧力pが一定であるにもかかわらずブレーキスリップが更に増大すると、圧力低下32が開始される。そのために、電子コントローラは入口弁を閉鎖保持し、短い時間出口弁を開放する。菱形ブロック33において、車輪ブレーキ内の圧力の低下に基づいてブレーキスリップから車輪の再加速(車輪周速の増大)が発生したかどうかが質問される。菱形ブロック33における実行において、車輪再加速が発生しなかったことが確認されると、圧力低下32が再び繰り返される。菱形ブロック33において、車輪xの再加速が確認されると、すなわち、車輪が速度または加速度の車輪反転点の範囲内にあると、34において、車輪力センサまたはタイヤセンサによって決定された、ブレーキスリップから再加速が発生する力信号Fmin が、時点t4で決定および記憶される。ABS制御サイクルは35において動作モードになる。すなわち、制御回路43に切換えられる。そして、他のブレーキ制御が車輪力センサまたはタイヤセンサによって決定された、制御量としての力信号によって進められる。Fmax とFmin の決定が終了し、それによって第1のABS制御サイクル内の動作点または動作範囲が決定された後で、時点t5で安定することにより、ステップ36において、関係F=k1×Fmax に従ってブレーキ圧力の決定およびまたは修正が行われる。k1<1は比例係数であり、この比例係数によって、力がFmax よりも小さく設定される。それによって発生したパルスF×tが走行装置を励振しないようにするために、回路15では、力信号が制御量、特にブレーキ圧力(または弁切換え時間等)に変換され、そして迅速に連続する複数の部分上昇パルスの形で車輪ブレーキに供給される。
【0035】
車輪スリップが低減され、決定された力信号に対応するブレーキ圧力が生じた後で、オブザーバ17による車輪xの力とブレーキスリップまたは減速の観察が開始される。
【0036】
図6は図3と関連して、低下する摩擦係数での制御ブレーキング中の、車輪速度v、圧力pおよび力信号Fの間の関係を非常に簡略化して示す。時点t7まで、処理手順は図5に関連して説明した、Fmax とFmin の決定の処理手順に一致し、そして車輪力センサまたはタイヤセンサによって決定された力信号F1〜F4によるその後のブレーキ力コントロールに一致する。その際、圧力上昇相にあるここで考慮する車輪xが時点t7で、例えば摩擦係数の低下に基づいて新たに不安定になると、制御量の動作点およびまたは動作範囲は、図5に関連して前述したような車輪スリップによって新たに調節¥される。低下する摩擦係数に基づいて、他の制御サイクルになる。この制御サイクルでは、車輪xの不安定が、慣用の車輪センサの信号によって、Fmax Y およびFmin Y までFmax 2 およびFmin 2 を決定する。その際、比例係数k1max 2 が、最初のFmax 決定とFmin 決定に続いて行われる、関係F=k1max 2 ×Fmax 2 に基づくブレーキ圧力の査定およびまたは修正に導入される。この比例係数は、先行する不安定性のブレーキ圧力低下の高さと、不安定相における車輪xの減速を考慮する。
【0037】
図7は、摩擦係数が大きくなるときの、同じ時間に対する、アンチロックコントロール中の1個の車輪の速度の変化、車輪のブレーキ圧力およびタイヤと道路間の力の変化を示している。
【0038】
時点t8までは、処理手順は図5に関連して説明した、Fmax とFmin の決定の処理手順に一致し、そして車輪力センサまたはタイヤセンサによって決定された力信号によるその後のブレーキ力コントロールに一致する。摩擦係数の増大と運転者によって設定された一定の圧力のために、菱形ブロック37で質問された関係F<k1×Fmax (この関係では、車輪力センサまたはタイヤセンサによって決定された、タイヤと道路の間の縦方向力Fが、力信号k1×Fmax によって生じた、時点t9でのブレーキ圧力よりも小さい)が生じると、ABSコントロールサイクルは次の式
【0039】
【数3】
Figure 0004942247
に従って早く終了する。この場合、k1は比例定数、T0 は60〜90msの微少時間、特に70〜80ms、TABS/TCS は差k×Fmax に間接的に比例する終了時間である。
【0040】
図3の処理手順は新たに繰り返される。この場合、制御量の動作点およびまたは動作範囲(図7のFmax 2 ,Fmin 2 )は、車輪xの不安定性が新たに発生する際に大きな摩擦値の比を考慮して、決定された車輪によって新たに設定される。
【0041】
菱形ブロック37において、車輪力センサとタイヤセンサによって決定された力信号Fがk1×Fmax よりも小さくないことが確認されると、菱形ブロック38において、関係F≒k1×Fmax が質問される。センサによって測定された実際力Fが積k1×Fmax にほぼ一致すると、時点t6(図5)で、100〜200msの時間ウインドウ内で、特に決定または所定の安定性判断基準に従って直ちに、ステップ39.1において圧力上昇パルスが車輪ブレーキに供給される。圧力上昇パルスの大きさは、時点t6で、ブレーキ圧力piを有する残存するかまたは実際の制御偏差Fmax −Fmax ×k1から導き出されるかまたは表から取り出された特性曲線の一定の係数によって求められる。車輪力センサまたはタイヤセンサによって実際の力Fの増大が測定されると、慣用の車輪速度センサが車輪の減速の増大を検出することがなく、車輪ブレーキに加えられるブレーキ圧力は最大ブレーキ圧力よりも低い。最大ブレーキ力よりも小さなブレーキ力が推測される。この最大ブレーキ力では、瞬時の摩擦係数に一致する摩擦連結力が完全に利用される。制御量“力F”の動作点または動作範囲は車輪スリップによって新たに設定される。そのために、ステップ39.2では、力Fmax とFmin の補正によって、動作点の更新が行われる。実施の形態では、菱形ブロック37以降のコントロールが新たに行われる。菱形ブロック38内での第1の圧力上昇パルスの後でまだF≒k1×Fmax が確認されると、ステップ39.1において他の圧力上昇パルスが与えられる。ステップ39.1で他の1つまたは複数の圧力上昇パルスが車輪ブレーキに供給された後で、実際の力の次の決定が開始される。好ましくは高い車両減速またはタイヤと道路間の大きな摩擦連結力の際に小さな圧力上昇パルスによって力最大値に近づけることにより、実際の力Fは徐々に高められる。この力の上昇は、車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された実際の力Fが設定された力k1×Fmax にもはや一致しなくなることが菱形ブロック38で確認されるまで行われる。そして更に、菱形ブロック40において、車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力FがF>k1×Fmax であるかどうかあるいは車輪xの減速度が増大しているかどうかが質問される。実際力Fの増大は検出することができない。菱形ブロック40における確認から出発して、F>k1×Fmax である場合、摩擦連結作用の完全な利用が推測される。考察される車輪xはμ−スリップ−曲線の最大値にある。そして、ステップ41において、万一のために、少なくとも1つの短い圧力低下パルスが約tp≒2msの時間にわたって車輪ブレーキに供給される。この供給はF≦k2 ×Fmin になるまで行われる。ここで、k2 >1である。続いて、図3の処理手順が新たに行われる。
【0042】
他の実施の形態では、好ましくは摩擦連結作用が弱く、車両減速度が小さいときに、ステップ39.1において、大幅な圧力上昇、すなわちタイヤと道路の間の摩擦連結作用によって生じる車輪ブレーキ内の圧力上昇が行われる。この圧力上昇はステップ39.2において、当該の車輪が不安定となり、図3の処理手順が新たに行われることによって、Fmax とFmin の補正をもたらすことになる。
【0043】
TCSコントロールの処理手順を図4に基づいて説明する。或る時点で、ここで考察する駆動される車輪xが不安定になる。この時点で、車輪に駆動トルクが加えられる。この駆動トルクは車輪xを空転させようとする。この時点でタイヤと道路の間の力を決定するために、先ず最初に、菱形ブロック50において、慣用の車輪回転速度センサによって測定された、車輪xが不安定になる駆動スリップの開始が、第1のTCSコントロールサイクルで質問される。同時に、車輪力センサまたはタイヤセンサに基づいて検出された力信号Fmax が決定され、記憶される。この力信号では、車輪のはっきりした駆動スリップ増大または対応する加速度(車輪周速の増大)が確認される。電子コントローラは、確認された車輪xの空転傾向に基づいて駆動トルクを低減する。そのために、電子コントローラは例えば公知のブレーキ装置の遮断弁を閉鎖するので、入口弁が開放し、出口弁が閉じているときに、補助圧力源から車輪ブレーキにブレーキ圧力媒体を供給することができる。電子コントローラは更に、エンジントルクを低下させることができる。車輪力センサまたはタイヤセンサによって決定された力は、トラクションスリップの低下時に駆動トルクの低下の開始に基づいて増大する。なぜなら、タイヤと道路の間の摩擦連結作用が増大するからである。菱形ブロック53において、駆動トルクの低下あるいは駆動トルク低下に基づくトラクションスリップからの車輪の減速度が発生したかどうかが質問される。菱形ブロック53の実行において、駆動トルク低下およびまたは車輪の減速度またはトラクションスリップの低下が発生しなかったことが確認されると、圧力上昇およびまたは駆動トルク低下52が新たに実行される。菱形ブロック53においてトラクションスリップ低下およびまたは車輪xの減速が確認されると、すなわち車輪xが速度または加速度の車輪反転点の範囲にあると(推進スリップからの減速)、54において、車輪力センサまたはタイヤセンサによって検出された力信号Fmin がこの時点で決定され、記憶される。この力信号において、トラクションスリップからの減速またはスリップからの再加速が発生する。TCSコントロールサイクルが作動開始する。すなわち、制御回路70に切換えられ、他のトラクションコントロールが車輪力センサまたはタイヤセンサで検出された、制御量としての力信号によって進められる。Fmax とFmin の決定が終了した後で、それによって動作点または動作範囲が第1のTCS制御サイクルで決定された後で、安定性が達成されていると、駆動トルクの決定およびまたは修正が、ステップ56において関係F=k1×Fmax に従って設定される。k1<1は、力をFmax よりも小さくなるように設定する比例係数である。それによって発生したパルスF×tが車両の振動を励起しないようにするために、回路15では、力信号が制御量、特にブレーキ圧力およびまたはエンジントルク等に変換され、段階的に設定される。
【0044】
車輪スリップが低減され、決定された力信号に対応するブレーキ圧力が生じた後で、オブザーバ17による、車輪xの力とトラクションスリップまたは加速度の観察が開始される。
【0045】
その際、或る時点で、ここで考察する車輪xが例えば低下する摩擦係数に基づいて新たに不安定になると、制御量の動作点または操舵範囲が、図4に関連して説明したように、車輪スリップによって新たに設定される。
【0046】
摩擦値の増大およびまたは運転者の駆動トルク設定の低下のために、菱形ブロック57で質問された関係F<k1×Fmax が生じ(この関係では、車輪力センサまたはタイヤセンサによって決定された、タイヤと道路の間の縦方向力Fが、力信号k1×Fmax によって生じた駆動トルク設定よりも小さい)、 駆動トルクの設定の低下が菱形ブロック58において運転者によって確認されると、TCSコントロールサイクルがステップ60において次の式
【0047】
【数4】
Figure 0004942247
に従って、差k1×Fmax −Fに間接的に比例する終了時間によって早く終了する。この場合、k1は比例定数、T0 は60〜90msの微少時間、特に70〜80ms、TABS/TCS は終了時間である。これに対して、菱形ブロック58において運転者によって駆動トルク低下が確認されないと、菱形ブロック59において、摩擦係数が増大しているかどうかが質問される。摩擦係数が追加駆動トルクの力の観察によって、車輪の加速状態の観察に比例して増大することが確認されると、TCSコントロールサイクルがステップ60において同様に次の式
【0048】
【数5】
Figure 0004942247
に従って、差k1×Fmax −Fに間接的に比例する終了時間によって早く終了する。この場合、k1は比例定数、T0 は60〜90msの微少時間、特に70〜80ms、TABS/TCS は終了時間である。しかし、菱形ブロック59において、摩擦係数が増大していないことが確認されると、ステップ61において、摩擦係数の低下が推測され、前述のように、トラクションスリップによって、TCS動作点またはTCS動作範囲が新たに見つけられる。
【0049】
図4の処理手順は新たに繰り返される。この場合、制御量の動作点およびまたは動作範囲(Fmax ,Fmin )は、車輪xの不安定性が新たに発生する際に小さな摩擦値の比を考慮して、新たに設定される。
【0050】
菱形ブロック57において、車輪力センサとタイヤセンサによって決定された力信号Fがk1×Fmax よりも小さくないことが確認されると、菱形ブロック62において、関係F≒k1×Fmax が質問される。センサによって測定された実際力Fが積k1×Fmax にほぼ一致すると、100msの時間範囲内で、特に決定に従ってまたは所定の安定性判断基準に従って直ちに、ステップ63.1において追加駆動トルクの供給によって力の検査が行われる。追加駆動トルクの大きさは、一定の係数によって、表または特性曲線から求められる。車輪力センサまたはタイヤセンサによって実際の力Fの増大が測定されると、慣用の車輪速度センサが車輪の加速の増大を検出することがなく、小さすぎる駆動力が推測される。この駆動力は最大牽引力よりも小さい。この最大牽引力では、瞬時の摩擦係数に一致する摩擦連結力が完全に利用される。制御量“力F”の動作点または動作範囲は車輪スリップによって新たに設定される。そのために、ステップ63.2では、力Fmax とFmin の補正によって、動作点の更新が行われる。実施の形態では、菱形ブロック57以降のコントロールが新たに行われる。菱形ブロック62内での第1の駆動トルク追加の後でまだF≒k1×Fmax が確認されると、ステップ63.1において他の駆動トルク追加が行われる。ステップ63.1で他の1つまたは複数の駆動トルク追加が行われた後で、実際の力の次の決定が開始される。好ましくは高い車両加速またはタイヤと道路間の大きな摩擦連結力Fmax の際に駆動トルク追加によって力最大値に近づけることにより、実際の力Fは徐々に高められる。この力の上昇は、車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された実際の力Fが設定された力k1×Fmax にもはや一致しなくなることが菱形ブロック62で確認されるまで行われる。そして更に、菱形ブロック64において、車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力FがF>k1×Fmax であるかどうかあるいは車輪xの減速度が増大しているかどうかが質問される。実際力Fの増大は検出することができない。菱形ブロック64における確認から出発して、F>k1×Fmax である場合、摩擦連結作用の完全な利用が推測される。考察される車輪xはμ−スリップ−曲線の最大値にある。そして、ステップ65において、万一のために、少なくとも1つの小さい駆動トルク低下が約tp≒2msの時間にわたって制御される。この制御はF≦k2 ×Fmin になるまで行われる。ここで、k2 >1である。続いて、図4の処理手順が新たに行われる。
【0051】
他の実施の形態では、好ましくは摩擦連結作用Fmax が弱く、車両加速度が小さいときに、ステップ63.1において、大幅な駆動トルク追加、すなわちタイヤと道路の間の摩擦連結作用によって生じる駆動トルク追加が行われる。この駆動力追加はステップ63.2において、当該の車輪が不安定となり、図4の処理手順が新たに行われることによって、Fmax とFmin の補正をもたらすことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ABS機能/TCS機能への力センサ装置の統合を概略的に示す図である。
【図2】 ABS機能またはTCS機能の初期設定を概略的に示す図である。
【図3】 ABS機能のフローチャートである。
【図4】 TCS機能のフローチャートである。
【図5】 均質な道路における同じ時間に対する、アンチロックコントロール中の車輪の速度変化、車輪内のブレーキ圧力およびタイヤと道路の間の力の変化を示す図である。
【図6】 摩擦係数が低下する場合の同じ時間に対する、アンチロックコントロール中の車輪の速度変化、車輪内のブレーキ圧力およびタイヤと道路の間の力の変化を示す図である。
【図7】 摩擦係数が増大する場合の同じ時間に対する、アンチロックコントロール中の車輪の速度変化、車輪内のブレーキ圧力およびタイヤと道路の間の力の変化を示す図である。

Claims (8)

  1. 車輪とタイヤに作用する力(F)が、車輪力センサまたはタイヤセンサによって検出され、かつ、ABS又はTCSの自動車制御システムの制御量として使用され、
    この制御量が、車輪の車輪ブレーキ内のブレーキ圧力およびまたは駆動トルクを決定およびまたは変更するために用いられる車両の走行状態を制御する方法において、
    前記ABS又はTCSの自動車制御システムの制御量の動作点およびまたは動作範囲が、車輪速度センサによって検出された車輪速度及び車両速度に基づいて決定される車輪スリップ状態によって調節され、
    最初のABSコントロールサイクルで、車輪のブレーキスリップの増大又は減速が開始された場合に、力Fmaxが決定され、又は、
    最初のTCSコントロールサイクルで、車輪のトラクションスリップ増大時又は加速の開始時に力Fmaxが決定され、
    かつ、
    最初のABSコントロールサイクルで、車輪のブレーキスリップからの正の加速度発生時に、力Fminが決定され、又は、
    最初のTCSコントロールサイクルで、車輪の推進スリップからの負の加速度の発生時に、力Fminが決定され
    前記車輪とタイヤに作用する力と、前記力Fmax及び力Fminとを用いて、ABS制御又はTCS制御を終了させることを特徴とする方法。
  2. 前記自動車制御システムの制御量の動作点およびまたは動作範囲が、車輪スリップによる車輪の不安定を判断する毎に新たに決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ABSコントロールサイクルで、車輪のブレーキスリップの増大又は減速が開始されない場合に、又は、
    TCSコントロールサイクルで、車輪のトラクションスリップ増大又は加速がされない場合に、
    ブレーキ圧力およびまたは駆動トルクの決定およびまたは変更が、次式
    F=k1×Fmax
    に従って制御され、ここで、k1=比例係数、F=タイヤと道路間の実際の縦方向力であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. F=k1×Fmax(F=タイヤと道路間の実際の縦方向力、k1=比例係数、Fmax=最大力)が検知されるまで、駆動トルクを段階的に高めた後に、
    車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力(F)が、積k1×Fmaxがよりも小さい場合に、ABSコントロールサイクルまたはTCSコントロールサイクルが次式
    Figure 0004942247
    に従って早く終了し、ここでT0は微少時間、TABS/TCSは終了時間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 微少時間が60〜90msであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. F=k1×Fmax(F=タイヤと道路間の実際の縦方向力、k1=比例係数、Fmax=最大力)が検知されるまで、駆動トルクを段階的に高め、
    積k1×Fmaxが、車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力(F)にほぼ一致するときに、圧力上昇パルスによるブレーキ圧力の変更およびまたはコントロールシステムへの駆動トルク追加が、微少時間の期間行われ、前記力Fmax及び力Fminが新たに決定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  7. 前記微少時間が100〜200msであることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. ABSブレーキングまたはTCS推進の間であって、
    F=k1×Fmax(F=タイヤと道路間の実際の縦方向力、k1=比例係数、Fmax=最大力)が生じるまで、駆動トルクを段階的に高め、
    積k1×Fmaxが、車輪力センサまたはタイヤセンサによって測定された力(F)よりも小さいときに、ブレーキ圧力およびまたは駆動トルクの上昇およびまたは変更によって力の変化がコントロールシステムに導入され、かつ、
    力(F)が、k2×Fmin(k2>1)以下になるまで行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
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