JP4938178B2 - 炭化水素の水素化処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は炭化水素の水素化処理方法に関し、より詳しくは、脱メタル触媒と二種類の脱硫触媒からなる水素化処理触媒を使用して炭化水素を水素化処理し、生成した分解軽油の硫黄分と窒素分を減少させる炭化水素の水素化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球規模で環境破壊が極めて深刻な問題となっている。特に、石油類や石炭等の化石燃料の燃焼に伴って発生する硫黄酸化物(SOx )や窒素酸化物(NOx )が大気中に放出されると、これらが酸性雨や酸性霧となって森林や湖沼等の環境が著しく破壊される。
【0003】
石油類について言えば、原油の蒸留によって得られる各種の留分やその分解によって得られる分解油には、通常、数%の硫黄化合物と50〜800ppmの窒素化合物が含まれている。特に、ディーゼル機関からの排ガスによる大気汚染が深刻化しており、その燃料面からの対策として、軽油留分中の硫黄分及び窒素分の低減が強く要望されている。軽油留分には、直留軽油,分解軽油等があり、分解軽油中の硫黄分と窒素分の低減も重要な課題となっている。それは、炭化水素を水素化処理する場合、触媒の組み合わせの開発にかかっていると言ってよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、炭化水素を水素化処理して得られる分解軽油の硫黄分及び窒素分の低減可能な炭化水素の水素化処理方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、脱メタル金属触媒と特定の脱硫触媒からなる水素化処理触媒を使用することにより、上記本発明の目的を効果的に達成しうることを見出し本発明を完成させたものである。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.炭化水素の水素化処理において、
(1)上流側に脱メタル触媒、下流側の前段と後段に異なる二種類の脱硫触媒からなる水素化処理触媒を使用し、
(2)下流側後段の脱硫触媒が、担体として耐火性無機酸化物を含み、活性金属としてニッケルとモリブデンを含み、かつその他の成分としてリンを含み、
(3)下流側後段の脱硫触媒が、その調製過程において活性金属を担持する際、沸点又は分解温度が150℃以上の水溶性有機化合物を使用してなるものであり、
(4)下流側後段の脱硫触媒の平均細孔径が60〜150Åであることを特徴とする炭化水素の水素化処理方法。
2.さらに、(5)下流側前段の脱硫触媒が、その調製過程において活性金属を担持する際、沸点又は分解温度が150℃以上の水溶性有機化合物を使用してなるものである前記1記載の炭化水素の水素化処理方法。
3.下流側後段の脱硫触媒の平均細孔径が60〜135Åである前記1又は2に記載の炭化水素の水素化処理方法。
4.水溶性有機化合物がポリエチレングリコールである前記1〜3のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
5.耐火性無機酸化物担体がボリア−アルミナである前記1〜4のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
6.ボリア/アルミナ質量比が0.01〜0.08である前記5記載の炭化水素の水素化処理方法。
7.下流側後段の脱硫触媒の平均細孔径が下流側前段の脱硫触媒の平均細孔径よりも小さいものである前記1〜6のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。8.下流側後段の脱硫触媒が、触媒基準、酸化物換算で、ニッケル1〜6質量%、モリブデン10〜30質量%、リン1〜5質量%を含有するものである前記1〜7のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
9.脱メタル触媒と二種の脱硫触媒の使用割合が、それぞれ20〜50容量%の範囲内である前記1〜8のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
10.下流側後段の脱硫触媒における活性金属量が、下流側前段の脱硫触媒の活性金属量の1.2〜1.5倍である前記1〜9のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の処理の対象となる炭化水素としては、減圧軽油,常圧残油,減圧残油,重質軽油、抜頭原油、脱蝋減圧残油,脱アスファルテン油,タールサンド油等を挙げることができ、また、これらは直留軽油を始めいろいろな軽油留分を含んでいてもよい。
炭化水素の性状は、特に限定されないが、代表的な性状としては下記のとおりである。
密度(15℃):0.9530〜0.9940g/cm3
動粘度(50℃):250〜3,000mm2 /s
硫黄分:2.5〜5.0質量%
窒素分:1,500〜4,200ppm
金属分(V,Ni):30〜250ppm
残炭分:5〜18質量%
アスファルテン分:0.5〜12.0質量%
【0008】
本発明の炭化水素の水素化処理は、以下の点を特徴とするものである。
(1)上流側に脱メタル触媒、下流側の前段と後段に異なる二種の脱硫触媒からなる水素化処理触媒を使用すること
(2)下流側後段の脱硫触媒が、担体として耐火性無機酸化物を含み、活性金属としてニッケルとモリブデンを含み、かつその他の成分としてリンを含むこと
(3)下流側後段の脱硫触媒が、その調製過程において活性金属を担持する際、沸点又は分解温度が150℃以上の水溶性有機化合物を使用しなるものであること
(4)下流側後段の脱硫触媒の平均細孔径が60〜150Åであること
さらに、本発明においては次の要件を満足することが好ましい。
(5)下流側前段の脱硫触媒が、その調製過程において活性金属を担持する際、沸点又は分解温度が150℃以上の水溶性有機化合物を使用してなるものであること
以下、上記(1)〜(5)について順次説明する。
【0009】
1)について
上流側の脱メタル触媒は、炭化水素中に含まれるバナジウム,ニッケル,鉄等のメタル分が下流側の脱硫触媒の活性点上に堆積し触媒を失活させるのを防ぐために設けるものである。その脱メタル触媒としては市販のものも含み従来使用されているいずれのものも使用可能である。一般に、脱メタル触媒はアルミナ含有担体に、周期律表第6族金属及び第8〜10族金属を担持したものが使用される。周期律表第6族の金属としては、モリブデン、タングステンなどを挙げることができるが、モリブデンが好ましい。第6族金属の担持量は、触媒基準で、酸化物基準で2〜15質量%、好ましくは4〜12質量%である。周期律表第8〜10族の金属として、コバルト、ニッケルなどを挙げることができるが、ニッケルが好ましい。第8〜10族金属の担持量は、触媒基準で、酸化物基準で1〜4質量%、好ましくは1.5〜2.5質量%である。担体としては、アルミナが望ましく、触媒の細孔径は100〜250Å(好ましくは150〜220Å)、比表面積は、80〜200m2 /g(好ましくは100〜180m2 /g)、細孔容量は0.4〜1.0cc/g(好ましくは0.5〜0.9cc/g)である。
【0010】
下流側の前段の脱硫触媒としては、通常炭化水素の脱硫に使用されるものをもちいることができ、好ましい脱硫触媒は、アルミナ含有担体に、触媒基準、酸化物換算で、モリブデン及び/又はタングステンを10〜20質量%、及びコバルト及び/又はニッケルを1〜6質量%の範囲で含有する触媒である。また、その細孔容量は0.4〜0.7cc/g、平均細孔径が130〜180Åの範囲のものが好ましい。
上記の上流側の脱メタル触媒と後述の下流側の二種類の脱硫触媒の使用割合は、それぞれを20〜50容量%の範囲内とするのが好ましい。また、下流側後段の脱硫触媒の平均細孔径が下流側前段の脱硫触媒の平均細孔径よりも小さい方が好ましい。その径の差は10〜70Åであることが好ましい。
【0011】
2),(3)について
下流側後段の脱硫触媒は、担体として耐火性無機酸化物を含み、活性金属としてニッケルとモリブデンを含み、及びその他の成分としてリンを含むものが好ましい。
上記耐火性無機酸化物としては、アルミナ,シリカ,マグネシア,ジルコニア,ボリア,カルシア,シリカ−アルミナ,ジルコニア−アルミナ,マグネシ−アルミナ,ボリア−アルミナ等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。中でもボリア−アルミナが好ましい。その場合、ボリア/アルミナ質量比は0.01〜0.08の範囲であるのが好ましい。この場合、ボリア−アルミナは、アルミナにボリア源を含浸して担持して製造されたものでもよい。
下流側後段の脱硫触媒は、触媒基準、酸化物換算で、ニッケルを1〜6質量%、モリブデンを10〜30質量%、リンを1〜5質量%の範囲で含有するものが好ましい。
【0012】
その製造方法については、例えば、前記の耐火性無機酸化物担体に、通常ニッケル化合物、モリブデン化合物及びリン化合物を含浸法で担持する方法が挙げられる。ニッケル化合物としては、硝酸ニッケル,炭酸ニッケル,硫酸ニッケル等が使用され、モリブデン化合物としては、三酸化モリブデン,パラモリブデン酸アンモニウム等が使用され、リン化合物としては、五酸化リン,リン酸等が使用される。ニッケル化合物、モリブデン化合物及びリン化合物は別々に含浸してもよいが同時に行うのが効率的である。具体的には、ニッケル化合物を0.3〜3.6モル/リットル、モリブデン化合物を0.7〜7.0モル/リットル、リン化合物を0.5〜2.2モル/リットルの割合で純水に溶解させるが、さらに本発明においては、沸点又は分解温度が150℃以上の水溶性有機化合物を50〜200g/リットルの割合で溶解させたものを含浸液とし、担体に吸水率と等量になるように調整後含浸させる。
【0013】
上記沸点又は分解温度が150℃以上の水溶性有機化合物としては、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ブタントリオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール等のジオール類;5−メチル−1−ヘキサノール、イソアミルアルコール(3−メチル−1−ブタノール)、s−イソアミルアルコール(3−メチル−2−ブタノール)、イソウンデシレンアルコール、イソオクタノール、イソペンタノール、イソゲランオール、イソヘキシルアルコール、2,4−ジメチル−1−ペンタノール、2,4,4−トリメチル−1−ペンタノール等の炭素数4以上のイソ体のアルコール;2−ヘキサノール、3−ヘキサノール等の炭素数5以上で末端の炭素以外にヒドロキシル基が結合しているアルコール;ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール,ジエチレングリコール,ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のエーテル基含有水溶性高分子;ポリビニルアルコール等の水溶性高分子;サッカロース、グルコース等の各種糖類;メチルセルロース、水溶性でんぷん等の水溶性多糖類もしくしはその誘導体などを挙げることができ、これらは単独でも二種類以上を混合して使用することもできる。この水溶性有機化合物を使用することにより、金属の担体での凝集を抑制することができる。
【0014】
なお、沸点又は分解温度が150℃以上の水溶性有機化合物の担体への担持は、活性金属を担持する際に行うこともできるが、活性金属を担持する前後に行ってもよい。
また、含浸液のpHは特に限定されないが、硝酸,塩酸,硫酸等の無機酸、リンゴ酸,エチレンジアミン4酢酸等の有機酸、アンモニアなどを使用して適宜調整することができる。含浸後乾燥、焼成を行うが、乾燥温度については、好ましくは80〜200℃(より好ましくは100〜150℃)、焼成温度については、好ましくは300〜600℃(より好ましくは400〜550℃)である。焼成温度が低すぎると、担持成分と担体と十分な結合を持つことができない場合があり、高すぎると、担持成分の凝集が起こり易くなる場合がある。
【0015】
4)について
下流側後段の脱硫触媒の平均粒径は60〜150Å、好ましくは60〜135Åである。上記粒径がこの範囲を逸脱すると脱硫活性の低下がみられる。
なお、本願における触媒の平均細孔径、細孔容量はBJH法における脱離等温線による細孔分布より求めることができる。
5)について
本発明においては、下流側前段の脱硫触媒の調製過程においても、活性金属を担持する際、後段の触媒と同様、沸点又は分解温度が150℃以上の上記水溶性有機化合物を使用することが好ましい。
【0016】
水素化処理条件については、原料油の種類や目的により適宜設定することができるが、一般には、反応温度300〜450℃(好ましくは330〜410℃)、水素分圧10〜20MPa(好ましくは11〜17MPa)の範囲で行われる。
また、反応形式は特に限定されないが、通常は、固定床,移動床,沸騰床,懸濁床等の種々のプロセスから選択でき、固定床が好ましい。また、原料油の流通法については、ダウンフロー、アップフローの両形式をいずれも採用することができる。
固定床の場合、液空間速度(LHSV)は通常0.05〜5hr-1(好ましくは0.1〜2hr-1)、水素/オイル比は通常100〜2,000Nm3 /kl(好ましくは600〜1,000Nm3 /kl)である。
【0017】
本発明の水素化処理方法においては、上記水素化処理により得られた分解軽油の軽質留分を用いることにより、更に硫黄分の低減した分解軽油を得ることができる。すなわち、このような低硫黄含量分解軽油を得るには、特に、上記本発明の触媒系において、更に、下流側後段の脱硫触媒における活性金属量(ニッケル及びモリブデン量)を、上流側の脱硫触媒の活性金属量の1.2〜1.5倍量とすることが好ましい。また、上記水素化処理後に、蒸留を行いその軽質分を分留することにより、更にその硫黄分を低減した分解軽油を得ることができる。
具体的には、以下の2つの方法により行うことができる。
【0018】
(1)下流側後段の脱硫触媒における活性金属量を、下流側前段の脱硫触媒の活性金属量の1.2〜1.5倍量として水素化処理して得られた分解軽油について、蒸留によりその90%留出温度が370℃以下である留分を得ることにより低イオウ分解軽油を得ることができる。この場合の水素化処理条件は、例えば、水素分圧が13〜20MPa、LHSVが0.05〜0.30hr-1、反応温度360〜450℃で行うことが好ましい。
得られた分解軽油の性状は、硫黄分が300重量ppm以下、窒素分含量が250重量ppm以下、更に好ましくは、200重量ppm以下である。この窒素分含量は、例えば、後述の分解軽油の直留軽油に対する混合割合が15容量%である場合の窒素分量が、混合軽油(直留軽油+分解軽油)の窒素分/直留軽油中の窒素分で1.2(重量比)以下となるように水素化処理により調整することが好ましい。
この分解軽油は、更にこれを軽油脱硫装置を用いて処理して、硫黄分50重量ppm以下の深度脱硫軽油を得るための原料油として優れたものである。すなわち、上記得られた分解軽油は、直留軽油と混合して、軽油脱硫装置で処理する。この場合の分解軽油の直留軽油への混合量としては、特に制限はないが、色相等の点から、5〜20容量%であることが好ましい。このような方法により、硫黄分50重量ppm以下の深度脱硫分解軽油を得ることができる。
【0019】
(2)下流側後段の脱硫触媒における活性金属量を、下流側前段の脱硫触媒の活性金属量の1.2〜1.5倍量として水素化処理して得られた分解軽油について、蒸留によりその90%留出温度が350℃以下である留分を得ることにより硫黄分50重量ppm以下の脱硫分解軽油を得ることができる。この場合、その水素化処理条件としては、水素分圧が13〜20MPa、LHSVが0.05〜0.20hr-1、反応温度380〜450℃で行うことが好ましい。
得られた分解軽油の性状は、硫黄分が50重量ppm以下、窒素分含量が60重量ppm以下である。
【0020】
水素化処理触媒を用いて水素化処理を行う際には、予め安定化処理として予備硫化を行うことが望ましい。この予備硫化処理の条件は特に限定されないが、通常、予備硫化剤として、硫化水素,二硫化炭素,チオフェン,ジメチルジスルフィド等挙げることができ、それらの予備硫化剤を直留軽油等に混合した油を水素とともに通油して行われる。処理温度は、例えば、200〜400℃、処理圧力は常圧〜30MPaの範囲である。
炭化水素の水素化処理に使用される触媒の形状については、特に限定はないが、通常押出成形で製造されるものが多く、その形状は実質的に柱状をしている。その断面は円形のものが多いが、三葉型、四葉型など外表面を多くする工夫のあるものも使用できる。また、球状触媒も用いることができ、特に圧縮強度や耐磨耗性が要求される場合に使用される。
本発明の炭化水素の水素化処理方法を実施すると、生成油としてナフサ,分解軽油,脱硫重油を得ることができ、その分解軽油は硫黄分,窒素分が低減されたものであり、特に、上述の方法により著しく低イオウ分の分解軽油を得ることができる。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限されるものではない。
〔触媒製造例1〕
平均細孔径81Åのボリア−アルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン157g、炭酸ニッケル61g、正リン酸80g、ポリエチレングリコール(分子量400)100gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Aを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
【0022】
〔触媒製造例2〕
平均細孔径140Åのボリア−アルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン157g、炭酸ニッケル61g、正リン酸80g、ポリエチレングリコール(分子量400)100gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Bを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
【0023】
〔触媒製造例3〕
平均細孔径152Åのアルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン157g、炭酸ニッケル61g、リンゴ酸80gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Cを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
〔触媒製造例4〕
平均細孔径133Åのアルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン157g、炭酸ニッケル61g、リンゴ酸80gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Dを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
【0024】
〔触媒製造例5〕
平均細孔径120Åのアルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン157g、炭酸ニッケル61g、リンゴ酸80gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Eを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
〔触媒製造例6〕
平均細孔径84Åのアルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン157g、炭酸ニッケル61g、リンゴ酸80gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Fを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
【0025】
〔触媒製造例7〕
平均細孔径152Åのアルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン157g、炭酸ニッケル61g、正リン酸40g、ポリエチレングリコール(分子量:400)100gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Gを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
〔触媒製造例8〕
平均細孔径152Åのアルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン157g、炭酸ニッケル61g、リンゴ酸80g、ポリエチレングリコール(分子量:400)100gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Hを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
【0026】
〔触媒製造例9〕
平均細孔径110Åのボリア−アルミナ担体1kgに、三酸化モリブデン188g、炭酸ニッケル73g、正リン酸48g、ポリエチレングリコール(分子量:400)100gを含む水溶液930ccを含浸させた後、120℃で乾燥させ、次いで550℃で3時間焼成して触媒Iを得た。その触媒組成と物性を第1表に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004938178
【0028】
【表2】
Figure 0004938178
【0029】
〔実施例1〜5,比較例1〜4〕
固定床流通反応装置の反応管の上流側に市販のアルミナ系脱メタル触媒を108cc(36容量%)、下流側前段に第2表記載の脱硫触媒を102cc(34容量%)、下流側後段に第2表記載の脱硫触媒を90cc(30容量%)充填した。原料油はダウンフロー形式で流通させて反応性を評価した。前処理として、中東系軽質軽油(LGO,硫黄分1.18質量%、窒素分70ppm)にジメチルジスルフィドを添加して硫黄濃度を2.5質量%に調整した予備硫化油を調製した。この予備硫化油を、上記の触媒に、水素ガスとともに290℃で20時間流通させて予備硫化した。また、原料油としては中東系原油の常圧残油を用いた。その性状を第3表に示す。
【0030】
【表3】
Figure 0004938178
【0031】
【表4】
Figure 0004938178
【0032】
この原料油を、上記の予備硫化後の触媒に、水素ガスとともに流通させて、以下の条件で水素化処理を行った。結果を第4表に示す。
水素化処理条件
反応温度:370℃
水素分圧:13MPa
液空間速度(LHSV):0.25hr-1
水素/オイル比:800Nm3 /kl
【0033】
【表5】
Figure 0004938178
【0034】
【表6】
Figure 0004938178
【0035】
〔実施例6〕
実施例1において、原料油として密度0.9860g/cc、硫黄分4.6重量%、窒素分2290ppmの中東系重質常圧残油を用い、下流側前段脱硫触媒として触媒Gを用い、下流側後段脱硫触媒として触媒Iを用い、下記の条件で水素化処理を行った以外は実施例1と同様にして水素化処理を行った後、更に蒸留を行い、90%留出温度が370℃以下である留分についてその性状を調べた結果、硫黄分が270重量ppm,窒素分が90重量ppmであった。
水素化処理条件
反応温度:370℃
水素分圧:13MPa
液空間速度(LHSV):0.18hr-1
水素/オイル比:800Nm3 /kl
【0036】
〔実施例7〕
実施例1において、原料油として密度0.9573g/cc、硫黄分2.7重量%、窒素分1640ppmの中東系重質常圧残油を用い、下流側前段脱硫触媒として触媒Gを用い、下流側後段脱硫触媒として触媒Iを用い、下記の条件で水素化処理を行った以外は実施例1と同様にして水素化処理を行った後、更に蒸留を行い、90%留出温度が370℃以下の留分についてその性状を調べた結果、硫黄分が230重量ppm,窒素分が90重量ppmであった。
水素化処理条件
反応温度:370℃
水素分圧:13MPa
液空間速度(LHSV):0.25hr-1
水素/オイル比:800Nm3 /kl
次に、上記得られた分解軽油15容量%と直留軽油85容量%を混合し、軽油脱硫装置を用いて下記条件で脱硫処理を行った。得られた脱硫軽油のイオウ分は46重量%であった。
脱硫処理条件
反応温度: 360℃
水素分圧: 5MPa
LHSV: 2.0hr-1
2 /oil: 250Nm3 /kl
【0037】
〔実施例8〕
実施例1において、原料油として密度0.986g/cc、硫黄分4.6重量%、窒素分2290ppmの中東系重質常圧残油を用い、下流側前段脱硫触媒として触媒Gを用い、下流側後段脱硫触媒として触媒Iを用い、下記の条件で水素化処理を行った以外は実施例1と同様にして水素化処理を行った後、更に蒸留を行い、90%留出温度が350℃以下の留分についてその性状を調べた結果、硫黄分が48重量ppmであった。
水素化処理条件
反応温度:385℃
水素分圧:13MPa
液空間速度(LHSV):0.18hr-1
水素/オイル比:800Nm3 /kl
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、炭化水素を水素化処理して得られる分解軽油の硫黄分及び窒素分の低減可能な炭化水素の水素化処理方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. 炭化水素の水素化処理において、
    (1)上流側に脱メタル触媒、下流側の前段と後段に異なる二種の脱硫触媒からなる水素化処理触媒を使用し、
    (2)下流側後段の脱硫触媒が、担体としてボリア−アルミナを含み、活性金属としてニッケルとモリブデンを含み、かつその他の成分としてリンを含み、
    (3)下流側後段の脱硫触媒が、その調製過程において活性金属を担持する際、沸点又は分解点が150℃以上の水溶性有機化合物を使用してなるものであり、(4)下流側後段の脱硫触媒の平均細孔径が60〜150Åであることを特徴とする炭化水素の水素化処理方法。
  2. さらに、(5)下流側前段が、その脱硫触媒の調製過程において活性金属を担持する際、沸点又は分解温度が150℃以上の水溶性有機化合物を使用してなるものである請求項1記載の炭化水素の水素化処理方法。
  3. 下流側後段の脱硫触媒の平均細孔径が60〜135Åである請求項1又は2に記載の炭化水素の水素化処理方法。
  4. 水溶性有機化合物がポリエチレングリコールである請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
  5. ボリア/アルミナ質量比が0.01〜0.08である請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
  6. 下流側後段の脱硫触媒の平均細孔径が下流側前段の脱硫触媒の平均細孔径よりも小さいものである請求項1〜のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
  7. 下流側後段の脱硫触媒が、触媒基準、酸化物換算で、ニッケル1〜6質量%、モリブデン10〜30質量%、リン1〜5質量%を含有するものである請求項1〜のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
  8. 脱メタル触媒と二種の脱硫触媒の使用割合が、それぞれ20〜50容量%の範囲内である請求項1〜のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
  9. 下流側後段の脱硫触媒における活性金属量が、下流側前段の脱硫触媒の活性金属量の1.2〜1.5倍である請求項1〜のいずれかに記載の炭化水素の水素化処理方法。
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