JP4936588B2 - 金属酸化物コーティング用炭素繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物理的あるいは化学的な反応により金属酸化物を炭素繊維表面にコーティングさせるのに適した炭素繊維、同ストランド、炭素繊維組織構造体、及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維にプラスチック、セラミックス、金属のような異種の素材を単にコーティングして複合材料を製造する技術は比較的基本的な技術であり、前記技術を用いてこれらをコーティングした炭素繊維も従来公知のものである。
【0003】
近年、炭素繊維強化プラスチックのような複合材料の機能の進歩と共に、単に強度の改善を求めるに止まらず、繊維基材表面に別機能を有する材料をコーティングさせて、両者の特性を兼備した高機能又は多機能繊維を開発する試みがなされており、実際種々の複合炭素繊維が開発されている。
【0004】
このような複合炭素繊維は、複合炭素繊維に用いられる炭素繊維自体の高い強度や弾性率を生かす用途を持つだけでなく、コーティングした異種の素材の持つ物理的性質や機能性を兼備するものである。
【0005】
一方、金属酸化物は、磁性、透磁率性、超伝導性に優れ、更に触媒作用等も有するので、各種産業分野で広く利用されている。中でも、磁性酸化物は磁気テープなどの磁気記録媒体用として実用化されているだけでなく、導電性や表面吸着能、電磁波吸収能もあり、幅広い用途が期待されるものである。
【0006】
特に、昨今の情報通信機器の高度な発達により、外界には多種多様の電磁波が飛び交っており、これに関連してコンピューターや制御装置を誤作動させる電磁波障害が大きな社会問題になっている。このような電磁波障害を防止するため、電磁波吸収体として磁性酸化物を複合させた各種複合材料の開発が進められている。
【0007】
磁性酸化物は広い周波数領域で電磁波を吸収する機能を有するので、炭素繊維と組み合わせることで、機械的強度と電磁波吸収特性を兼備した成形体を実現できるのではないかと期待されている。
【0008】
炭素材料に金属酸化物をコーティングする技術は、特開平10ー208541号等で公知である。しかし、従来技術による場合は、炭素繊維表面に強固かつ均一に多量の金属酸化物をコーティングすることは難しく、繊維一本一本に均一且つ一定の付着量で金属酸化物をコーティングすることのできる、表面状態がコントロールされた炭素繊維も存在しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、金属酸化物を均一かつ多量にコーティングする事のできる炭素繊維を製造するために種々検討した結果、炭素含有率の高い炭素繊維において、ESCA法により測定されるO1S/C1Sのピーク比、炭素繊維表面に生成する官能基であるカルボキシル基又は水酸基の当量、カルボキシル基/水酸基の比が炭素繊維表面に対する金属酸化物のコーティング性に重要な影響を持つことを知見し、その結果本発明を完成するに至った。
【0010】
従って、本発明の目的とするところは、炭素繊維の表面状態をコントロールすることにより、金属酸化物を炭素繊維表面に均一且つ任意の付着量で強固にコーティングできる金属酸化物コーティング用炭素繊維及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0012】
〔1〕 炭素含有率が90%以上、ESCA法により測定されるピーク比O1S/C1Sが0.1〜0.5、繊維表面のカルボキシル基及び水酸基が0.5μeq/g以上、且つカルボキシル基/水酸基が1以上である金属酸化物コーティング用炭素繊維。
【0013】
〔2〕 フィラメント状に形成してなる前記〔1〕記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
【0014】
〔3〕 長さ1〜100mmのファイバー状に形成してなる前記〔1〕に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
【0015】
〔4〕 直径が3〜10μm、引っ張り荷重が1.5g以上、引っ張り伸度が0.5%以上、体積抵抗率が0.1Ω・cm以下である前記〔1〕に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
【0016】
〔5〕 ポリアクリロニトリル繊維の炭素化処理によって製造してなる前記〔1〕に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
【0017】
〔6〕 水を含む粘性物資によりサイズ処理してなる前記〔1〕記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
【0018】
〔7〕 前記〔2〕記載のフィラメントを100〜100,000本集束してなるストランドであって、前記ストランドの引っ張り強度が200kgf/mm2以上、引っ張り弾性率が20tonf/mm2以上である金属酸化物コーティング用炭素繊維ストランド。
【0019】
〔8〕 前記〔3〕に記載のファイバー状金属酸化物コーティング用炭素繊維又は前記〔7〕に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維ストランドを用いて構成してなることを特徴とする金属酸化物コーティング用炭素繊維組織構造体。
【0020】
〔9〕 金属酸化物コーティング用炭素繊維構造体が、織物、不織布、合成紙、又はフェルトである前記〔8〕に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維組織構造体。
【0021】
〔10〕 炭素繊維を酸化処理する金属酸化物コーティング用炭素繊維の製造方法において、酸化処理が炭素繊維に電流を流しながら硫酸塩の水溶液中を通過させるものであることを特徴とする炭素含有率が90%以上、ESCA法により測定されるピーク比O1S/C1Sが0.1〜0.5、繊維表面のカルボキシル基及び水酸基が0.5μeq/g以上、且つカルボキシル基/水酸基が1以上である金属酸化物コーティング用炭素繊維の製造方法。
【0022】
〔11〕 前記〔7〕に記載のストランドを長さ1〜100mmにカットする事を特徴とする金属酸化物コーティング用炭素繊維チョップドファイバーの製造方法。
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の金属酸化物コーティング用炭素繊維は、炭素繊維の表面を酸化処理して製造するものである。本発明の金属酸化物コーティング用炭素繊維の製造原料となる炭素繊維としては、フェノール樹脂、レーヨン、ポリアクリロニトリル等の高分子繊維、石油系ピッチ、炭素系ピッチ、液晶系ピッチ等のピッチ系繊維等を原料とする炭素繊維の何れも使用でき、特に限定されるものではない。しかし、製造の容易さ及び得られる品質の安定性等の観点から、主としてポリアクリロニトリル繊維を不活性ガス雰囲気下、1000〜3000℃にて焼成して作られるアクリル系の炭素繊維が好ましい。
【0025】
(プリカーサー)
アクリル系の炭素繊維の原料となるプリカーサーはポリアクリロニトリル系繊維(ポリアクリロニトリル、及び極性基を有する単量体を共重合させたポリアクリロニトリル)である。このプリカーサーは、ポリアクリロニトリルの濃厚溶液を用いて、通常の湿式、乾式、又は乾・湿式紡糸方法により、及び通常の紡糸条件により製造したものが使用できる。これらのポリアクリロニトリル系繊維自体は公知のものである。
【0026】
紡糸の際に用いるポリアクリロニトリルの溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネート等の有機溶媒、また硝酸、ロダン塩、塩化亜鉛などの水溶液が主として用いられる。
【0027】
特に、塩化亜鉛の水溶液を用いたポリマー溶液から紡糸したプリカーサーはポリマー分子の配向性が高く、品質が良好で伸度の高い炭素繊維が得られるので好ましいものである。この紡糸方法自体は公知のものである。
【0028】
溶剤に塩化亜鉛水溶液を用いて紡糸したポリアクリロニトリル繊維を原料とするプリカーサー中には、亜鉛成分が10〜100ppm残存することが金属分析等の手段により確認されている。プリカーサー中に10〜100ppm残存する亜鉛成分は、プリカーサーの焼成により炭素繊維を製造する過程で生成する炭素繊維中の炭素網面の配向性を乱すことなく、且つ炭素網面の成長を促進させて、高性能の炭素繊維を生成させる。
【0029】
焼成後に得られる炭素繊維中には、特定成分として亜鉛が約20〜200ppm含まれている。この亜鉛成分は後述する炭素繊維の表面処理工程あるいは乾燥処理工程を経ても炭素繊維の性能を低下させることがなく、逆に本発明の目的製品である金属酸化物のコーティング用炭素繊維に好ましい性質を与える。
【0030】
上記プリカーサーは、0.5〜3デニールで広角X線回折による配向度90%以上のが好ましい。
【0031】
プリカーサーに延伸性や集束性を付与し、作業性を向上させるため、プリカーサー表面に油剤を0.01〜1%付着させることが好ましい。油剤としては、アミノシリコーン系、リン酸エステル系、ポリエチレングリコール変性シリコーン系、脂肪族エステル系、グリシジルエーテル系、芳香族エステル系、複合エステル系、フッ化リン酸エステル系等の単独あるいは二種類以上の混合物を用いることができる。
【0032】
(耐炎繊維)
上記のようにして調製したプリカーサーであるアクリロニトリル繊維を、空気中200〜300℃において緊張下で熱処理することにより、比重1.3〜1.4の空気中で燃えない耐炎繊維を得る。
【0033】
(原料炭素繊維)
その後、一定の張力下、不活性ガス雰囲気中で1,000℃〜3,000℃で耐炎繊維を加熱することにより炭素化させ、これにより原料炭素繊維を得る。
【0034】
特に高強度の原料炭素繊維を得るためには、1,000〜3,000℃の炭素化過程において、炭素繊維ストランドのテンションバランスと炭素化炉通過中の昇温勾配に注意する必要がある。これらの条件は当業者に公知の事項である。黒鉛性の高い原料炭素繊維は金属酸化物コーティング用炭素繊維の原料として、性能及びコスト面で適さないため、炭素化温度としては1,000〜2,000℃が好ましい。
【0035】
このようにして得られる原料炭素繊維は、単繊維直径が3〜10μm、単繊維フィラメントの引っ張り荷重が1.5g以上、引っ張り伸度が0.5%以上、体積抵抗率が0.1Ω・cm以下、繊維比重1.6〜2.0のものが好ましい。
【0036】
また、上記原料炭素繊維(単繊維フィラメント)を100〜100,000本集束させた炭素繊維ストランドは、引っ張り強度200kgf/mm2以上、引っ張り弾性率20tonf/mm2以上のものが好ましい。
【0037】
(表面処理)
本発明においては、次いで上記原料炭素繊維に表面処理を施して炭素繊維の表面を酸化するものである。即ち、上述のようにプリカーサーを1000〜3000℃で焼成して不活性ガス雰囲気下で400℃以下の温度まで冷却して得られる原料炭素繊維、又は予め製造して準備してあった原料炭素繊維を表面処理工程に送り、この工程で炭素繊維表面にカルボキシル基や水酸基等の官能基を酸化反応により生成させるものである。
【0038】
表面処理方法としては、硫酸、硝酸等の強酸、あるいは強酸の塩、酢酸、次亜塩素酸等の弱酸の塩、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ、あるいはアルカリの塩等の溶液に原料炭素繊維又は炭素繊維束を浸漬処理する方法が例示できる。また、この際に炭素繊維に電流を流し、電解酸化を行わせる方法も有効である。特に、炭素繊維に電流を流しながら硫酸塩の水溶液中を通過させる方法は、表面処理方法として好ましいものである。
【0039】
この場合100c/g以下、特に5〜50c/gの電気量で原料炭素繊維に電気を流しながら硫酸塩の水溶液を通過させて得られる炭素繊維は、表面処理条件が温和なため、後述するO1S/C1Sピーク比や官能基量をコントロールする上で特に好ましいものである。
【0040】
硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム等が例示できる。硫酸塩濃度としては1〜15質量%が好ましい。
【0041】
あるいは、オゾンやハロゲン等の酸化性気体に炭素繊維又は炭素繊維束を接触させて酸化処理を行わせる方法も例示できる。
【0042】
更に、炭素化工程中の炭素繊維に400℃を越える温度の高温空気を接触させると、炭素繊維が空気中の酸素と酸化反応を起こすので、この方法でも表面処理ができる。
【0043】
本発明においては、原料炭素繊維に上記酸化処理を施すことにより、原料炭素繊維の表面に官能基を導入して金属酸化物コーティング用炭素繊維を製造するものであるが、その導入量は以下に示す範囲のものである。
【0044】
a.ESCA法により測定されるO1S/C1Sのピーク比を0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4の範囲内とする
b.中和滴定により求められる炭素繊維表面に生成するカルボキシル基及び水酸基(酸性官能基)の当量は、共に0.5μeq/g以上、好ましくは1〜25μeq/gとする
c.カルボキシル基/水酸基の当量比を1以上、好ましくは1〜10とする
導入量の調整は、処理溶液の濃度、温度、電気量、または気体の濃度、処理時間等を適宜設定することにより行う。
【0045】
炭素繊維の表面処理において、カルボキシル基/水酸基の当量比を1以上とすることにより、繊維表面に対する金属酸化物の被膜性が増し、均一にコーティングできる。
【0046】
炭素繊維表面に生成するカルボキシル基とフェノール性水酸基(酸性官能基)の当量は、過剰のアルカリ溶液に炭素繊維を浸漬してアルカリと酸性官能基とを反応させ、その後アルカリ溶液を酸で逆滴定することにより算出できる。酸性官能基としてはカルボキシル基とフェノール性水酸基とが存在するものと考えられる。水酸化ナトリウムはカルボキシル基とフェノール性水酸基の両者と反応する。しかし、炭酸水素ナトリウムはカルボキシル基とのみ反応する。水酸化ナトリウム溶液と炭酸ナトリウム溶液とを用いて逆滴定することにより両官能基の当量を定量できる。
【0047】
また、後述する様に炭素繊維表面に金属酸化物をコーティングする場合、炭素繊維表面の表面処理の程度に比例して、金属酸化物の前駆体物質あるいは金属酸化物そのものが炭素繊維表面に配位あるいは付着し易くなる傾向がある。従って、炭素繊維のESCA法により測定されるO1S/C1Sのピーク比が0.1より小さい場合、炭素繊維上への金属酸化物のコーティング生成量が少なく且つ容易に脱落しやすい傾向となり、好ましくない。
【0048】
O1S/C1Sのピーク比が0.5より大きい場合は、過度に表面処理が施された状態であり、この場合は炭素繊維そのものの基本的な機械的特性を損ねており、金属酸化物をコーティングした場合、金属酸化物と炭素繊維との接着強度が低いものとなり好ましくない。
【0049】
逆に、O1S/C1Sのピーク比をコントロールすることにより、金属酸化物のコーティング量を制御することもできる。
【0050】
(洗浄処理)
表面処理された炭素繊維は、次いで必要により洗浄処理が施される。これにより、前記表面処理の際に炭素繊維表面に付着する酸、アルカリ、イオン等の残留成分を除去できる。洗浄は水洗が好ましい。洗浄水としてはイオン交換水が好ましく、特に水中の全金属イオン成分が50ppm以下の水を用いることが好ましい。全金属イオン成分の少ない水を用いることにより、洗浄の際に炭素繊維の表面に生成した官能基の活性低下を防止できる。
【0051】
洗浄後、炭素繊維を乾燥することが好ましい。乾燥は、炭素繊維の水分率が0.5質量%以下になるようにすることが好ましい。
【0052】
これにより、本発明の金属酸化物コーティング用炭素繊維を得る。
【0053】
本発明の金属酸化物コーティング用炭素繊維の形態としては、短繊維、フィラメント等の種々の形態の単繊維であっても、この単繊維が集束して構成されたストランドあっても良い。また、炭素繊維を長さ1〜100mmにカットしたチョップドファイバーであっても良い。チョップドファイバーはストランドを切断することにより簡単に製造できる。
【0054】
乾燥したフィラメントを100〜100,000本以上束ねた炭素繊維束は、本来ストランドのまとまりが悪く、風等により容易に広るため、取り扱いが難しい。従って、水、あるいは高級アルコールのような油類、あるいはエポキシ樹脂のような粘性のある物質を集束剤として炭素繊維に対して1〜10質量%付着させることにより、ストランドがまとめ易くなり、その取り扱い性が改善される。
【0055】
また、用途によっては親水性の集束剤として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)等の水溶性高分子物質を用いても良い。これらの集束剤は、金属酸化物をコーティングする前に除去することが好ましい。
【0056】
(金属酸化物のコーティング)
上述のようにして製造した本発明の金属酸化物コーティング用炭素繊維の表面に金属酸化物をコーティングする方法としては、サイズ剤のような糊状物質に金属酸化物を混ぜ込んでサイジングする方法、金属酸化物の前駆体溶液でメッキする方法、CVDのような化学蒸着による方法などがある。
【0057】
更に、コーティング状態の適正化や、連続化によるコストダウンを考慮した場合、金属酸化物の前駆体溶液に本発明の炭素繊維を浸し、金属イオンを炭素繊維表面に付着させた後加熱処理することにより、炭素繊維表面に金属酸化物を生成させる方法が好ましい。加熱処理は空気中で200〜2000℃で30〜300分間保持することにより行うことが好ましい。
【0058】
本発明の炭素繊維は上記何れの方法でも、その表面に金属酸化物をコーティングすることができる。
【0059】
サイジングによりコーティングする金属酸化物としては、酸化鉄、酸化チタン、酸化ケイ素等が好ましい。
【0060】
メッキによりコーティングする金属酸化物前駆体としては、塩化鉄、塩化ニッケル、塩化コバルト、硫酸チタン等が好ましい。
【0061】
化学蒸着によりコーティングする金属酸化物又はその前駆体としては、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム等が好ましい。
【0062】
炭素繊維に付着させる金属イオンとしてはFe、Cr、Mn、Zn、Ni、Si等のイオン等が好ましい。
【0063】
金属酸化物のコーティング量は、繊維質量を基準(100%)として、その1〜100質量%が好ましく、特に10〜50質量%が好ましい。
【0064】
なお、本発明の炭素繊維を用いて、織物、不織布、合成紙、フェルトなどの炭素繊維組織構造体を作製することができる。炭素繊維組織構造体に上記の方法により金属酸化物を付着させることができる。
【0065】
更に、本発明炭素繊維に、ストランドの引っ張り弾性率が15tonf/mm2未満の低弾性率炭素繊維、あるいは引っ張り弾性率が40tonf/mm2以上の高強度・高弾性率の炭素繊維を併用することができる。また炭素繊維の他に、以下の強化繊維を高伸度炭素繊維と併用することができる。強化繊維としては無機、有機繊維の何れでも良く、例えば天然高分子、合成高分子の繊維の他、ガラス繊維、芳香族アラミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維を併用することができる。いずれも引っ張り伸度が2.0%以上のものが好ましい。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
【0067】
炭素繊維表面のカルボキシル基とフェノール性水酸基との当量は以下の方法により求めた。
【0068】
炭素繊維を約5cmに切り、その約3gを0.1N塩酸に浸漬させて一昼夜放置し、塩や環状の形態で存在する酸性官能基を遊離させる。その後、純水で炭素繊維を中性になるまで洗浄する。中性の炭素繊維を三角フラスコに入れ、純水80mlを加え、脱気操作を30分間行った後、0.05Nの水酸化ナトリウム溶液又は炭酸水素ナトリウム溶液を1ml加え、三角フラスコ内を窒素置換して密閉状態で一昼夜放置する。
【0069】
その後、三角フラスコ内の炭素繊維を純水で十分洗浄し、その洗浄水を0.01Nの塩酸標準液で逆滴定(電位差滴定)する。
【0070】
一方、同様に操作してブランク値を得る。
【0071】
カルボキシル基とフェノール性水酸基量は、以下の計算式から算出する。
【0072】
【数1】
カルボキシル基量(μeq/g)=1000(V0−V1)・t/p (1)
全酸性基量(μeq/g) =1000(V0−V2)・t/p (2)
フェノール性水酸基量(μeq/g)=(2)−(1) (3)
V0 :ブランクの滴定量(ml)
V1 :炭酸水素ナトリウムを加えた洗浄水の滴定量(ml)
V2 :水酸化ナトリウムを加えた洗浄水の滴定量(ml)
t :滴定塩酸濃度(0.01N)
p :採取炭素繊維質量(g)
実施例1
糸の太さが1.0デニールの単繊維フィラメントを12,000本集めて構成したアクリロニトリル繊維ストランドを、空気中280℃で耐炎化させた後、1,400℃で炭素化処理を行った。引き続き、このストランドを5質量%の硫酸アンモニウム水溶液中に連続して浸漬させ、炭素繊維に15c/gの電気量で通電しながら、2分間の滞留時間で表面処理を施した。
【0073】
次いで、全金属イオン成分が10ppm以下のイオン交換水を用いて水洗後、乾燥して水分量が0.1質量%の金属酸化物コーティング用炭素繊維を得た。
【0074】
表1に、得られた炭素繊維の性能を示す。
【0075】
この炭素繊維を1g採取し、塩化鉄/塩化ニッケル/尿素が0.02M/0.01M/0.1Mの溶液100ccに浸し、50気圧の窒素雰囲気下でマイクロ波を照射して200℃まで加熱し、その状態で30分間保った。冷却・水洗・乾燥して得られた繊維は、茶色に変色しており、磁性が認められた。
【0076】
広角X線回折より、繊維表面にはNiフェライトがコーティングされていることが確認できた。処理前後の質量変化より算出したコーティング量は5質量%であった。
【0077】
この繊維の表面状態を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、図2のSEM写真に示すように、Niフェライトと思われる物質が繊維表面に均一にコーティングされている状態が観察された。これらの結果から、実施例1の条件で製造した炭素繊維は、表1に示すように、金属酸化物のコーティングに適した炭素繊維であることが確認された。
【0078】
なお、コーティング処理前の炭素繊維のSEM写真を、図1に示す。
【0079】
実施例2〜3
表1に示すように、炭素繊維の製造条件、表面処理条件を変更し、実施例1と同様に炭素繊維表面に金属酸化物をコーティングさせ、金属酸化物のコーティング量と状態を検討した。その結果、これらの炭素繊維は、金属酸化物のコーティングに適した炭素繊維であることが確認された。
【0080】
実施例4
糸の太さが1.0デニールの単繊維フィラメントを6,000本集めて構成したアクリロニトリル繊維ストランドを、空気中260℃で耐炎化させた後、1,350℃で炭素化処理を行った。引き続き、このストランドを5質量%の硫酸アンモニウム水溶液中に連続して浸漬させ、炭素繊維に10c/gの電気量で通電しながら、2分間の滞留時間で表面処理を施した。
【0081】
次いで、全金属イオン成分が10ppm以下のイオン交換水を用いて水洗後、乾燥して水分量が0.1質量%の金属酸化物コーティング用炭素繊維を得た。表1に、得られた炭素繊維の性能を示す。
【0082】
この炭素繊維を1g採取し、50mlの50質量%硫酸チタン水溶液に浸漬した後、50%アンモニア水をpH7になるまで徐々に添加した。粥状になった溶液から炭素繊維を取出し、水洗、乾燥し、540℃で3時間乾燥させた。繊維の色は殆ど変化がなく、黒色であった。広角X線回折より、繊維表面には酸化チタンがコーティングされていることが確認できた。処理前後の質量変化から算出したコーティング量は5質量%であった。
【0083】
比較例1
実施例1と同じ条件で製造した炭素繊維ではあるが、表面処理を施さない炭素繊維を作製した。この繊維はO1S/C1S値が0.05であり、炭素繊維表面にカルボキシル基等の官能基の相対的な当量数が少ないことが確認された(表2)。
【0084】
この炭素繊維に、実施例1と同じ条件で金属酸化物をコーティングさせた。この繊維への金属酸化物のコーティング量は0.5質量%と少なく、図4のSEM写真のように疎なコーティング状態であることが確認され、この炭素繊維は、金属酸化物のコーティングに適さない炭素繊維であることが確認された。
【0085】
なお、コーティング処理前の炭素繊維のSEM写真を図3に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【発明の効果】
本発明の金属酸化物コーティング用炭素繊維は、上記のように構成したので、各種金属酸化物を均一、強固、かつ多量にコーティングすることができる。
【0089】
また、本発明の金属酸化物コーティング用炭素繊維を用いて製造する金属酸化物をコーティングした炭素繊維は、炭素繊維が本来有している高強度・高弾性率等の好ましい性能を損なうことなく、金属酸化物の特性を具備することができる。
【0090】
特に、金属酸化物として磁性、透磁率性、超伝導性等を示すものを用いる場合は、得られる金属酸化物をコーティングした炭素繊維は、高強度・高弾性率と、磁性等の優れた性質とを兼備するものとなる。従って、本発明の金属酸化物コーティング用炭素繊維を用いて金属酸化物をコーティングした炭素繊維組織構造体を製造する場合は、このものは機械的性質の改善効果と電磁波吸収効果等とを効率良く発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた金属酸化物のコーティング前の炭素繊維の図面代用走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。A、B及びCは、炭素繊維断面の、それぞれ、倍率×5000、×8000及び×30000のSEM写真である。D、E、F及びGは、炭素繊維側面の、それぞれ、倍率×1000、×3500、×10000及び×30000のSEM写真である。
【図2】実施例1で得られた金属酸化物のコーティング後の炭素繊維の図面代用走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。A、B及びCは、炭素繊維断面の、それぞれ、倍率×5000、×8000及び×30000のSEM写真である。D、E、F及びGは、炭素繊維側面の、それぞれ、倍率×1000、×3500、×10000及び×30000のSEM写真である。
【図3】比較例1で得られた金属酸化物のコーティング前の炭素繊維の図面代用走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。A、B及びCは、炭素繊維断面の、それぞれ、倍率×5000、×8000及び×30000のSEM写真である。D、E、F及びGは、炭素繊維側面の、それぞれ、倍率×1000、×3500、×10000及び×30000のSEM写真である。
【図4】比較例1で得られた金属酸化物のコーティング後の炭素繊維の図面代用走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。A、B及びCは、炭素繊維断面の、それぞれ、倍率×5000、×8000及び×30000のSEM写真である。D、E、F及びGは、炭素繊維側面の、それぞれ、倍率×1000、×3500、×10000及び×30000のSEM写真である。
Claims (11)
- 炭素含有率が90%以上、ESCA法により測定されるピーク比O1S/C1Sが0.25〜0.4、繊維表面のカルボキシル基及び水酸基が0.5μeq/g以上、且つカルボキシル基/水酸基が1以上である金属酸化物コーティング用炭素繊維。
- フィラメント状に形成してなる請求項1記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
- 長さ1〜100mmのファイバー状に形成してなる請求項1に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
- 直径が3〜10μm、引っ張り荷重が1.5g以上、引っ張り伸度が0.5%以上、体積抵抗率が0.1Ω・cm以下である請求項1に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
- ポリアクリロニトリル繊維の炭素化処理によって製造してなる請求項1に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
- 水を含む粘性物資によりサイズ処理してなる請求項1記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維。
- 請求項2記載のフィラメントを100〜100,000本集束してなるストランドであって、前記ストランドの引っ張り強度が200kgf/mm2以上、引っ張り弾性率が20tonf/mm2以上である金属酸化物コーティング用炭素繊維ストラン
ド。 - 請求項3に記載のファイバー状金属酸化物コーティング用炭素繊維又は請求項7に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維ストランドを用いて構成してなることを特徴とする金属酸化物コーティング用炭素繊維組織構造体。
- 金属酸化物コーティング用炭素繊維構造体が、織物、不織布、合成紙、又はフェルトである請求項8に記載の金属酸化物コーティング用炭素繊維組織構造体。
- 炭素繊維を酸化処理する金属酸化物コーティング用炭素繊維の製造方法において、酸化処理が炭素繊維に5〜100c/gの電流を流しながら、濃度1〜15質量%の硫酸又は硫酸塩の水溶液中を通過させた後、イオン交換水で洗浄するものであることを特徴とする炭素含有率が90%以上、ESCA法により測定されるピーク比O1S/C1Sが0.25〜0.4、繊維表面のカルボキシル基及び水酸基が0.5μeq/g以上、且つカルボキシル基/水酸基が1以上である金属酸化物コーティング用炭素繊維の製造方法。
- 請求項7に記載のストランドを長さ1〜100mmにカットする事を特徴とする金属酸化物コーティング用炭素繊維チョップドファイバーの製造方法。
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