JP4935177B2 - 吸着性シート - Google Patents

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Description

本発明は、脱臭機能、プリーツ加工性、及び性能安定性に優れた吸着性シートに関するものである。
吸着剤を空気浄化用フィルターに適用する技術の1つとして、吸着剤を含有したシートを製造後、浄化したい空気をシート面に対して直交方向に通気させて用いる方法がある。かかる方法に用いる空気浄化フィルターに求められる重要特性としては、脱臭性能が良好であることはもちろんであるが、低圧力損失であることも強く要請されている。このような低圧力損失、高脱臭性能を満足する吸着性シートとして例えば、ホットメルト不織布を吸着剤層内で使用し、この片面、及び他面に活性炭等の粉粒状吸着剤をホットメルト不織布全体の熱融着性により接着固定する吸着性シートが開示されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、当該吸着性シートは、粉粒状吸着剤がホットメルト不織布に接する部分がすべて樹脂で覆われるため、粉粒状吸着剤を覆う樹脂面積が一定になりにくく、したがって脱臭性能の安定性に欠けるという問題点がある。また、空気浄化フィルター用途においては、実用上濾材面積を大きくするためにプリーツ加工を施すことが一般的であるところ、当該吸着性シートは、ホットメルト不織布の使用により形成・固着した連通孔が加工時に受ける外力により消失し、圧力損失低下の効果が維持できないという問題点を有していた。また、プリーツ形状を安定させるためには熱セット工程が必要であるが、この際にホットメルト不織布の軟化あるいは再溶融により、粉粒状吸着剤の充填密度が高くなることにより通気抵抗が高くなるという問題も有していた。
特開平11−253720
本発明者らは、上記従来技術の課題を背景になされたもので、脱臭性能、通気抵抗を安定させ、かつプリーツ加工性や加工後の性能も良好な吸着性シートを提供しようとするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、(1)基材上に、吸着剤及び熱可塑性樹脂からなる吸着層を有する吸着性シートであって、前記吸着剤が平均粒径400〜800μmであり、吸着層内に、該熱可塑性樹脂よりも高い融点の繊維からなる目付が5〜100g/m 、充填密度が0.01〜0.35g/ccである分割シートを有することを特徴とする吸着性シート、(2)前記分割シートがスパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布単体、もしくはこれら組み合わせからなる吸着性シート、(3)(1)又は(2)に記載の積層単位の表面に更に通気性シートを積層一体化してなる吸着性シートである。
本発明による吸着性シートは、脱臭性能、通気抵抗を安定させ、かつプリーツ加工性や加工後の性能も良好な吸着性シートを提供できるという利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の吸着性シートは、基材上に、吸着剤及び熱可塑性樹脂からなる吸着層を有する吸着性シートであって、前記吸着層内に、該熱可塑性樹脂よりも高い融点の繊維からなる分割シートを有する。かかる構造を採用することにより、吸着剤の性能を損なわず、プリーツ加工前後を問わずに圧力損失を低減することができるからである。すなわち、従来の吸着性シートは、熱可塑性樹脂(ホットメルト不織布も含む)のみにより粉粒状吸着剤を固定していたが、本発明の吸着性シートは、分割シートを構成する繊維の立体障害も利用して、粒状吸着剤の存在位置を固定する。かかる構成により、粉粒状吸着剤の表面が溶融した熱可塑性樹脂により覆われる面積が低減して吸着性能を維持し、更に高温でプリーツ加工時に外力を受けても、固定された粉粒状吸着剤の位置が殆ど変化せず、高い吸着性能と低圧力損失を実現できることを本願発明者等は見出したものである。
本発明の吸着性シートに用いる分割シートはスパンボンド法により製造された不織布、サーマルボンド法により製造された不織布、スパンレース法により製造された不織布が好ましい。これらの製法によりシート化されたものを使用するのが好ましいのは、低目付量、低厚み、低通気抵抗の不織布を形成しやすいこと、及び常温時、熱負荷時に引張、圧縮等の負荷がかかっても、物性変化、変形等がおこりにくいこと、更には前述した立体障害作用を利用できることがあげられる。
本発明の吸着性シートに用いる分割シートを構成する繊維は、ポリオレフィン系、レーヨン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、アクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート等特に規定はなく、芯鞘繊維を使用しても種々の混合繊維であっても当然構わない。また、タバコ煙粒子、カーボン粒子、海塩粒子をはじめとするサブミクロン粒子に対する除去効果も増大することができる帯電した不織布、いわゆるエレクトレット化シートに仕上げ使用してもよい。
本発明の吸着性シートに用いる分割シートは、充填密度が0.35g/cc以下であることが好ましい。0.35g/cc以下であれば、空気浄化フィルターとして実用されるときに、分割シートが存在していたとしても、低圧力損失性能を大きくは損なわず、優れた吸着性能と低圧力性能を備えた空気浄化フィルターが得られるからである。また、充填密度の下限は特に問題とならないが、0.01g/ccを下回ると分割シートとしての機能が発揮し難くなる。より好ましい分割シートの充填率は0.03〜0.30g/cc、更に好ましくは0.05〜0.25g/ccである。
本発明の吸着性シートに用いる分割シート厚みは0.50mm以下であることが好ましく、更には0.30mm以内が好ましい。0.5mm以上であれば吸着性シート全体の厚みが厚くなりすぎ、プリーツ状のフィルタユニットとした場合に構造的な抵抗が大きくなり結果としてユニット全体での通気抵抗が大きくなる。
本発明の分割シートを構成する繊維の繊維径は5〜100μmが好ましい。繊維径が5μm以上であれば、分割シート自体の通気抵抗が低減できるとともに、分割シート表面付近の繊維間距離が熱可塑性粉末樹脂の大きさより大きくなる箇所が多くなって、熱可塑性樹脂による通気孔閉塞が低減するため通気抵抗を抑制することができ、更に粉塵供給時に目詰まり抑制効果も得られるからである。また、繊維径が100μm以下であれば繊維間の空隙が大きくなりすぎず、結果として粉粒状吸着剤の抜け、脱落が少ない安定した品質の吸着性シートが得られる。より好ましい繊維径は7〜80μm、更に好ましくは10〜60μmである。
本発明の吸着性シートに用いる繊維が短繊維の場合は、繊維長は10mm以上の繊維が主体繊維であることが好ましい。かかる範囲であれば引張、圧縮等の負荷がかかった際にシート切れが発生しにくく、プリーツ加工時においても分割シートとしての機能を失い難いからである。
本発明の吸着性シートに用いる分割シートは、目付量としては5〜100g/m2であることが好ましい。5g/m2以上であればプリーツ加工時等に引張、圧縮等の負荷がかかった際にシート切れが発生しにくくなり、また粉粒状吸着剤、及び熱可塑性粉末樹脂の抜けを防止して、分割シートとしての機能を発揮するからである。一方、目付を100g/m2以下とすることにより、分割シート自身の通気抵抗を抑制することができ、プリーツ状のユニットとした場合の構造抵抗も抑制できる。
本発明の吸着性シートに用いる分割シートを構成する繊維の融点は、粉粒状吸着剤と混合する熱可塑性粉末樹脂の融点以上の繊維を含むことが好ましい。融点が、熱可塑性樹脂と同等以上の繊維のみであればシート形成工程中の熱負荷工程でシート切れの発生が減少し、更にシート潰れが発生し難くなり、結果として粉粒状吸着剤の充填密度が高くならず、低通気抵抗性を維持できるからである。好ましい分割シートを構成する繊維の融点は、すくなくとも熱可塑性樹脂の融点の10℃以上の繊維を含むことであり、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは25℃以上である。上限は特に問題とならず、融点が存在しない繊維であってもよい。
本発明の吸着性シートに用いる分割シートの25℃での引張強度(MD方向)は10N/50mm幅以上、80℃での引張強度は5N/50mm幅以上であることが好ましい。連続生産する場合にはシート加工中にある程度のテンションをかける必要があるところ、範囲であればシート切れの発生が殆どなく、通気抵抗や脱臭性能の安定性にすぐれた吸着性シートが得られるからである。また、上限は特に問題とならないが、300N/50mm幅を超えれば本発明の目的を達成するための効果は希薄になる。なお、上述の値は試験片の大きさ幅50mm、長さ200mm、標点距離150mmとし引張速度200mm/minとして実施した値である。
またJISL―1906に基づく引裂強度は25℃で0.5N、100℃で0.3N以上有することが好ましい。理由は引張強度で述べた同様の理由による。
本発明の吸着性シートに用いる熱可塑性粉末樹脂の種類は特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エチレンーアクリル共重合体、ポリアクリレート、ポリアーレン、ポリアクリル、ポリジエン、エチレンー酢酸ビニル、PVC、PS等があげられる。
熱可塑性粉末樹脂の大きさは平均で1〜40μmが好ましい。より好ましくは5〜30μmである。更に好ましくは1〜40μmの範囲に95重量%以上が含まれることである。1μm以上であれば粉粒状吸着剤の表面細孔を塞ぎにくくなり、吸着剤が有する吸着性能を引き出し易くなる。一方40μm以下であれば粉粒状吸着剤との混合時にファンデルワールス力や静電気力による粉粒状吸着剤への予備接着が強く、最終的に熱処理した吸着性シートが接着性で良好な均一性が得られるからである。また、粉粒状吸着剤に対して相対的に細かい方が、混合時の静電気的、およびファンデルワールス力により粉粒状吸着剤とドライ状態で混合しやすく、より均一な特性のシートができやすい。形状は特に規定はないが、球状、破砕状等があげられる。当然ながら、2種以上の熱可塑性粉末樹脂を併用もできる。更には、薬品担持した粉粒状吸着剤あるいは薬品担持した基材シートや通気性シートを使用した場合でもこの処方であれば、粉粒状吸着剤表面に熱可塑性粉末樹脂がドライ状態の混合時から仮接着した状態になるため仮に該薬品が相異なる性質のものであっても後のシート化工程でも互いに干渉することを避けることができるので充分な効果が発揮される。
熱可塑性粉末樹脂の融点は、移動車両等の室内の環境温度等考慮すると80℃以上がよい。より好ましくは100℃以上がよい。上限は特に問題とならないが、分割シートの融点との関係から、200℃以下であることが好ましい。
熱可塑性粉末樹脂の溶融時の流動性はJIS K 7210記載のMI値でみれば1〜80g/10minがよい。より好ましくは3〜30g/10minである。MIが80g/10minより小さいと吸着剤表面での流動性が小さくなり、吸着剤の表面を流延し細孔表面を覆いにくくなるため、吸着剤の脱臭性能をより引き出すことができる。一方、1g/10minより大きければ、十分な接着力が得られ、また溶融エネルギーが小さく製造コスト面で有利となる。
熱可塑性粉末樹脂の使用量は粉粒状吸着剤に対して接着力、通気抵抗、脱臭性能を考慮して1〜40重量%使用するのが好ましい。より好ましくは5〜30重量%である。
熱可塑性粉末樹脂の粒径調整法は、特に限定されるものではないが、機械粉砕、冷凍粉砕、化学調整法等があげられる。また最終的に篩にかけ一定粒径を得ることができるが、一定の粒径を確保できる方法であればこの限りではない。
取り扱い性をより良好にするために積層単位両面から更に通気性シートを積層することができる。通気性シートは活性炭表面に熱可塑性粉末樹脂が付着しているため、この熱可塑性粉末樹脂を有効利用し接着できるし、新たに通気性シートに何らかの接着剤を付与して接着してもよい。分割シートと同様のものも当然使用可能である。前述したエレクトレット不織布を使用することもできる。いずれにしても厚みが薄い方が、折り山ピッチを小さくし、吸着性シート面積を大きくし、通気抵抗低減、脱臭性能を向上させることが可能となるため好ましい。
本発明の吸着性シートに用いる吸着剤の平均粒子径は、通気性、吸着材の脱落、シート加工性等を考慮して、JIS標準ふるい(JIS Z8801)による値で平均60〜800μmであることが好ましく、100〜600μmであればより好ましい。平均粒子径が60μm未満の場合には、一定の高吸着容量を得るのに通気抵抗が大きくなりすぎ、また、同時にシート充填密度が高くなりやすく、粉塵供給時に早期の通気抵抗上昇を引き起こす原因にもなる。平均粒子径が800μmを越える場合には、ワンパスでの初期吸着性能が極端に低くなり、更にはプリーツ形状及び波状等の空気浄化用フィルターユニットとしたときの折り曲げ、及び波状加工時の加工性が悪くなる。 なお、上記の粒状粉粒状吸着剤は、通常の分級機を使用して所定の粒度調整をすることにより、得ることが可能である。
本発明の吸着性シートに用いられる粉粒状吸着剤は粉末状、粒状、破砕状、造粒状、ビーズ状があげられる。
本発明の吸着性シートに用いる粉粒状吸着剤の素材は特に限定されないが、幅広く種々のガスを吸着できる活性炭系が好ましい。例えば、ヤシガラ系、木質系、石炭系、ピッチ系等の活性炭が好適に用いられる。表面観察によって見られる内部への導入孔いわゆるマクロ孔数は多い方がよい。活性炭と熱可塑性粉末樹脂から混合粉粒体をつくった際に、熱可塑性粉末樹脂が活性炭表面を被覆しても熱プレス加工時に細孔内部からのガス脱着により、吸着可能な細孔を開放することができる。また、活性炭表面はある程度粗い方が溶融した樹脂の流動性も悪くなり、吸着性能低下を抑えることができる。
本発明の吸着性シートに用いられる粉粒状吸着剤のJIS K1474に準拠して測定したときのトルエン吸着量は、20重量%以上が好ましい。悪臭ガス等の無極性のガス状及び液状物質に対して高い吸着性能を必要とするためである。
本発明の吸着性シートに用いられる吸着剤は、極性物質やアルデヒド類の吸着性能を向上することを目的として、薬品処理を施して用いてもよい。
ガス薬品処理に用いられる薬品としては、アルデヒド系ガスやNOx等の窒素化合物、SOx等の硫黄化合物、酢酸等の酸性の極性物質に対しては、例えばエタノールアミン、ポリエチレンイミン、アニリン、P―アニシジン、スルファニル酸等のアミン系薬剤や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸グアニジン、リン酸グアニジン、アミノグアニジン硫酸塩、5.5―ジメチルヒダントイン、ベンゾグアナミン、2.2―イミノジエタノール、2.2.2―ニトロトリエタノール、エタノールアミン塩酸塩、2−アミノエタノール、2.2−イミノジエタノール塩酸塩、P―アミノ安息香酸、スルファニル酸ナトリウム、L―アルギニン、メチルアミン塩酸塩、セミカルバジド塩酸塩、ヒドラジン、ヒドロキノン、硫酸ヒドロキシルアミン、過マンガン酸塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が好適に用いられ、アンモニア、メチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン等の塩基性の極性物質に対しては、例えば、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酒石酸等が好適に用いられる。なお、薬品処理は、例えば、活性炭に薬品を担持させたり、添着することにより行う。また、活性炭に直接薬品を処理する以外に、シート面表面付近に通常のコーティング法等で添着加工する方法やシート全体に含浸添着することも可能である。この際、アルギン酸ソーダやポリエチレンオキサイド等の増粘剤を混入した薬品水溶液をつくり、これを担持、添着を実施する方法もできる。この方法では水への溶解度が低い薬品を担持、添着し、更に薬品の脱落を抑制するのにも有効である。
本発明の吸着性シートは、抗菌剤、抗かび剤、抗ウイルス剤、難燃剤等の付随的機能を有する成分等を含めて構成してもよい。これらの成分は繊維類や不織布、織物中に練り込んでも、後加工で添着、及び担持して付与してもよい。例えば、難燃剤を含めて構成することにより、FMVSS.302で規定されている遅燃性の基準やUL難燃規格に合致した吸着性シートを製造することが可能である。
上記の付随的機能を有する成分は、粉粒状吸着剤等へ添着又は担持してもよい。但し、この際には、粉粒状吸着剤本来の吸着機能を損なわないよう留意する必要がある。また、分割シートや通気性シート等の繊維に吸着性能を有する機能を付与、例えば、酸やアルカリの薬剤を添着したりイオン交換繊維等を用いることにより、脱臭機能を強化することも可能である。
吸着性シートの基本的な製法について説明する。まず、粉粒状吸着剤と熱可塑性粉末樹脂を所定の重量秤量し、シェーカー(撹拌器)に入れ、約10分間回転速度30rpmで撹拌する。この際の水分率は混合物重量の15%以内が好ましい。この時点で熱可塑性粉末樹脂が粉粒状吸着剤表面に仮接着された混合物となっている。次に、この混合粉粒体を基材シートの上に散布し、更に最終的に分割シートの位置づけになるシートを被せ熱プレス処理、及び冷却処理を実施する。その後、該シートの分割シート側に粉粒状吸着剤と熱可塑性粉末樹脂の混合粉粒体を散布後、通気性シートを被せた後、熱プレス処理、及び冷却処理を施し吸着性シートを得る。熱プレスの際のシート表面温度は熱可塑性粉末樹脂融点の3〜30℃、好ましくは5〜20℃高い程度が好ましい。
また、熱処理する前に赤外線等で予め予備加熱し、仮接着しておけば、プレス時におこりがちな混合粉粒体の不規則な流動も生じず、より分散性が良好な吸着性シートが製造できる。赤外線による熱処理は、気流などを起こさず、混合粉粒体を静置した状態で加熱することができ、混合粉粒体の飛散などを防止することができる。
最終的に熱プレスしシート製造するにはよく使用されるロール間熱プレス法、あるいは上下ともフラットな熱ベルトコンベヤー間にはさみこむフラットベッドラミネート法等があげられる。より均一な厚み、接着状態をつくりだすには後者の方がより好ましい。また、上記基材シートと製法の特徴の組み合わせにより、粉粒状吸着剤同志の過度の結着を抑制することができると同時に、基材シートとの実用上充分な接着強力を得ることができる。
粉粒状吸着剤は分割シートと通気性シート間に厚み方向に平均的には粒子1個〜3個、好ましくは1個〜2個相当が配置させるような散布量に抑えるのがよい。平均的に4個以上となれば、粉粒状吸着剤の通気性分割シートと通気性シート間の充填密度が大きくなるため通気抵抗が高くなるばかりか、分割シートの吸着剤保持機能が発揮し難くなり、吸着性シートカット時等の断面からの粉粒状吸着剤脱落性も大きくなり好ましくない。上述した吸着性シートの上に更に粉粒状吸着剤と熱可塑性粉末樹脂の混合粉粒体を散布後通気性シートを積層し熱プレスすることも当然可能であり、この方法を繰り返せば、粉粒状吸着剤層を2層以上有する吸着性シートも作製できる。
本発明の濾材を使用したプリーツ状フィルタユニットの厚みは、10〜400mmが好ましい。カーエアコンに内蔵装着をはじめとする車載用途や家庭用空気清浄機であれば、通常の内部スペースの関係から、10〜60mm程度、ビル空調用途へよく設置される大型のフィルターユニットであれば40〜400mm程度が収納スペースから考えると好ましい。
本発明のフィルタユニットのひだ山頂点間隔は2〜30mmが好ましい。2mm以下ではひだ山間が密着しすぎでデッドスペースが多く、効率的にシートを活用できなくなる。一方、30mm以上ではシート展開面積が小さくなるためフィルター厚みに応じた除去効果を得ることができなくなる。
本発明のフィルターユニットは、いずれの面を上流側に使用しても構わないが、嵩高いシート面を上流に使用する方が粉塵保持量も大きくなり好ましい。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
尚、実施例中の数値は以下のような方法で測定した値である。
(1)厚み:荷重7gf/cm2の圧力を加えた時の値
(2)通気抵抗:線速30cm/sの条件下での値。測定は70φに切り取ったサンプルで実施。
(3)脱臭性能:トルエンガスを用いて線速16cm/sにおいてフィルターの上下流の濃度をそれぞれガステック製検知管で測定し、上流側のガス濃度から下流側のガス濃度を減じた値を上流側のガス濃度で除した値の百分率で示した。測定は6cm×6cmに切り取ったサンプルで実施。なお、本特許では上流側濃度は80ppmとし、測定開始から1分後の除去率のデータを実施例に記載した。
以下、実施例で詳細説明する。
シートA:PET(芯)/PE(鞘)の芯鞘構造を有するスパンボンド不織布(品名:S0203、ユニチカ製エルベス、目付20g/m2、厚み0.11mm、通気抵抗5Pa、鞘部融点130℃、芯部融点260℃)
シートB:PET(芯)/PE(鞘)の芯鞘構造を有するスパンボンド不織布(品名:T0123、ユニチカ製エルベス、目付12g/m2、厚み0.09mm、通気抵抗0.6Pa、鞘部融点130℃、芯部融点260℃)
シートC:ポリエステル繊維(鞘部融点150℃、芯部融点260℃)4.4dte×51mm 15重量%、22dtex×51mm(鞘部融点190℃、芯部融点260℃) 70重量%、及び非芯鞘繊維17dtex×51mm(融点260℃) 15重量%の繊維をカードにより混合後ウェッブ化し、その後、熱プレス加工実施することにより目付60g/m2、厚み0.3mm、通気抵抗4Paの不織布をサーマルボンド法にて作製した。
シートD:ポリアミド樹脂からなるホットメルト不織布(品名:LNS3020、呉羽テック(株)製、目付20g/m2、厚み0.15mm、通気抵抗1Pa、融点85℃)
シートE:レーヨン繊維1.7dtex×51mm 50重量%、ポリエステル繊維1.6dtex×51mm 30重量%、ポリエステル繊維(鞘部融点130℃、芯部融点260℃)2.2dte×51mm、20重量%をカードにより混合後ウェッブ化し、その後、水流交絡法によりシート化加工実施することにより目付25g/m2、厚み0.25mm、通気抵抗5Paのスパンレース不織布を作製した。
(実施例1)平均粒径400μm、嵩密度0.4g/cc、JIS K 1474法によって測定したトルエン吸着能が35重量%であるヤシガラ系粒状活性炭を1kg、熱可塑性粉末樹脂として住友精化製フロービーズEA209(エチレンーアクリル酸共重合、平均粒径10μm、MI9g/10min、融点105℃)を0.1kg重量部秤量し、約10分間撹拌混合した。この混合粉粒体をシートAの上に110g/m2になるように散布し、更にシートBを上から重ね合わせテフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.3mm、圧力10N/cm2に設定し120℃で30秒間熱プレス加工を実施し吸着性シートを得た(1層目)。この吸着性シートのシートB側に更に同様の混合粉粒体を110g/m2散布し、更にシートBを上から重ね合わせテフロン(登録商標)/ガラス製のベルト間に挟み込み、このベルト間隔を0.8mm、圧力10N/cm2に設定し120℃で30秒間熱プレス加工を実施し積層吸着性シートを得た。
(実施例2)1層目の吸着性シート作製時に上から重ね合わせるシートにシートCを使用する以外は実施例1と同様の処方で積層吸着性シートを得た。
(比較例1)1層目の吸着性シート作製時に上から重ね合わせるシートにシートDを使用する以外は実施例1と同様の処方で積層吸着性シートを得た。
(実施例3)1層目の吸着性シート作製時に上から重ね合わせるシートにシートEを使用する以外は実施例1と同様の処方で積層吸着性シートを得た。
また、実際にフィルターユニット化した形状での効果を確認するため、実施例、比較例に記載した吸着性シートをプリーツ加工実施しフィルター厚み30mm、ひだ山頂点間隔6mm、正面サイズ200mm×200mmフィルターユニットを作製し、ユニット状態での通気抵抗を測定した。折り癖を強固につけるためプリーツ加工後にヒートセットを実施する必要があるが、ヒートセットの上下熱版温度を100℃に設定して実施した。
表1に主なデータ等をまとめた。
以上述べた如く、本発明の吸着性シートは、脱臭性能、プリーツ加工性に優れ、かつ加工後の性能も良好な吸着性シートを提供できるという利点があり、産業界に貢献することが大である。
本発明の吸着性シートの模式図である。
符号の説明
1 吸着性シート
2 基材シート
3 分割シート
4 通気性シート
5 粉粒状吸着剤

Claims (3)

  1. 基材上に、吸着剤及び熱可塑性樹脂からなる吸着層を有する吸着性シートであって、前記吸着剤が平均粒径400〜800μmであり、吸着層内に、前記熱可塑性樹脂よりも高い融点の繊維からなる目付が5〜100g/m 、充填密度が0.01〜0.35g/ccである分割シートを有することを特徴とする吸着性シート。
  2. 前記分割シートがスパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布単体、もしくはこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1に記載の吸着性シート。
  3. 請求項1又は2に記載の積層単位の表面に更に通気性シートを積層一体化してなる吸着性シート。
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