JP4934381B2 - 反射防止フィルム並びに、該反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、並びに該反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents
反射防止フィルム並びに、該反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、並びに該反射防止フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4934381B2 JP4934381B2 JP2006263436A JP2006263436A JP4934381B2 JP 4934381 B2 JP4934381 B2 JP 4934381B2 JP 2006263436 A JP2006263436 A JP 2006263436A JP 2006263436 A JP2006263436 A JP 2006263436A JP 4934381 B2 JP4934381 B2 JP 4934381B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antireflection film
- refractive index
- film
- group
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Description
(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位及び(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位を、それぞれ少なくとも1種ずつ含有する含フッ素ポリマーを少なくとも1種、
水酸基と反応可能な架橋剤を少なくとも1種、並びに
酸と沸点が120℃以下である有機塩基とからなる塩を少なくとも1種
含む組成物を塗設して形成された低屈折率層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
2. 有機塩基の沸点が80℃以下である前記1に記載の反射防止フィルム。
3. 酸と有機塩基とからなる塩が、スルホン酸又はホスホン酸と有機塩基からなる前記1又は2に記載の反射防止フィルム。
4. 酸と有機塩基とからなる塩が、含フッ素ポリマーに対して0.01〜10質量%含む組成物を塗設して形成された前記1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
5. 含フッ素ポリマーが、さらに(c)側鎖に下記一般式(1)で表されるポリシロキサン繰り返し単位を含むグラフト部位を有する重合単位を少なくとも1種類含み、且つ主鎖が炭素原子のみからなる前記1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
一般式(1):
6. 含フッ素ポリマーが、さらに(d)主鎖に下記一般式(1)で表されるポリシロキサン繰り返し単位を含む前記1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
一般式(1):
7. 組成物が、更に水酸基又は水酸基と反応して結合を形成しうる官能基を有するポリシロキサン構造を有する化合物を含む前記1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
8. 架橋剤が、分子中に窒素原子を含有し、且つ該窒素原子に隣接するアルコキシ基で置換された炭素原子を2個以上含有する化合物である前記1〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
9. 前記1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
10. 前記1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルム、又は前記9に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられていることを特徴とする画像表示装置。
11.透明支持体上に、
(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位及び(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位
を、それぞれ少なくとも1種ずつ含有する含フッ素ポリマーを少なくとも1種、
水酸基と反応可能な架橋剤を少なくとも1種、並びに
酸と沸点が120℃以下である有機塩基とからなる塩を少なくとも1種
含む組成物を塗設し、低屈折率層を形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
〔反射防止フィルムの基本的構成〕
本発明の実施の一形態として、好適な反射防止フィルムの基本的な構成を、図面を参照しながら説明する。
数式(2):(iλ/4)×0.7<n2d2<(iλ/4)×1.3
数式(3):(jλ/4)×0.7<n3d3<(jλ/4)×1.3
数式(2−1):(iλ/4)×0.75<n2d2<(iλ/4)×0.95
数式(3−1):(jλ/4)×0.95<n3d3<(jλ/4)×1.05
次ぎに、本発明の反射防止フィルムにおける低屈折率層について以下に説明する。
本発明における低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.47であることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.44の範囲である。
本発明における低屈折率層の厚みは、50nm以上400nm以下が好ましく、更に好ましくは、60nm以上150nm以下、最も好ましくは60nm以上130nm以下である。
数式(3):(jλ/4)×0.7<n3d3<(jλ/4)×1.3
数式(3)中、jは正の奇数であり、n3及びd3は、前記のとおり、それぞれ低屈折率層の屈折率及び膜厚(nm)である。ここでλは反射率を低下させたい設計波長である。特に人間の視感度の高い500〜550nmの範囲にλを設定することで、視感反射率の低い反射防止フィルムを設計することが出来る。
なお、上記数式(3)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(3)を満たすj(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
以下、該含フッ素ポリマーについて詳しく説明する。
{含フッ素ビニルモノマー重合単位(a)}
本発明において、低屈折率層の形成に用いられる含フッ素ポリマーに含まれる含フッ素ビニルモノマー重合単位(a)の構造には、特に制限なく、例えば含フッ素オレフィン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、含フッ素アルキル基を有するビニルエーテルや(メタ)アクリレートなどに基づく重合単位を挙げることができる。製造適性と、屈折率や膜強度など低屈折率層に必要とされる性質から、該含フッ素ポリマーは、含フッ素オレフィンとビニルエーテルとの共重合体であることが好ましく、ペルフルオロオレフィンとビニルエーテルとの共重合体であることがより好ましい。また、共重合成分として屈折率を低下させる目的でペルフルオロアルキルビニルエーテル、含フッ素アルキル基を有するビニルエーテルや(メタ)アクリレートなどを含んでいてもよい。
本発明で用いられる含フッ素ポリマーは、水酸基含有ビニルモノマー重合単位(b)を含むが、その含率には特に制限はない。水酸基は架橋剤と反応して硬化する機能を有するため、水酸基の含有率が高いほど硬い膜を形成できて好ましく、その含有率は10モル%以上70モル%以下であることが好ましく、20モル%を超えて60モル%以下であることがより好ましく、25モル%以上55モル%以下であることが更に好ましい。
本発明の含フッ素ポリマーは、防汚性を付与するためにポリシロキサン構造を有する構成単位を有することも好ましい。本発明で有用なポリシロキサン構造を有する含フッ素ポリマーとしては、(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位、(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位、及び(c)側鎖に下記一般式(1)で表されるポリシロキサン繰り返し単位を含むグラフト部位を有する重合単位をそれぞれ少なくとも1種類含み、且つ主鎖が炭素原子のみからなる含フッ素ポリマー、又は(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位、(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位をそれぞれ少なくとも1種類含み、(d)主鎖に下記一般式(1)で表されるポリシロキサン繰り返し単位を含む含フッ素ポリマーが挙げられる。
一般式(1):
側鎖に一般式(1)であらわされるポリシロキサン構造を有するポリマーは、例えば“J.Appl.Polym.Sci.”、2000巻、p.78(1955年)、特開昭56−28219号公報等に記載のごとく、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の反応性基を有するポリマーに対して、相対する反応性基(例えばエポキシ基、酸無水物基に対してアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基等)を片末端に有するポリシロキサン[例えば「サイラプレーン」シリーズ{チッソ(株)製)など)を高分子反応によって導入する方法、ポリシロキサン含有シリコンマクロマーを重合させる方法によって合成することができ、どちらの方法も好ましく用いることができる。本発明ではシリコンマクロマーの重合によって導入する方法がより好ましい。
S−(37):「サイラプレーンFM−0721」(同上)、
S−(38):「サイラプレーンFM−0725」(同上)。
本発明では、前記の側鎖にポリシロキサン繰り返し単位を含む含フッ素ポリマーの代わりに、主鎖に一般式(1)で表されるポリシロキサン構造を有する含フッ素ポリマー、すなわち(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位、(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位をそれぞれ少なくとも1種類含み、(d)主鎖に下記一般式(1)で表されるポリシロキサン繰り返し単位を含む含フッ素ポリマーも好ましく用いることができる。
一般式(1):
一般式(3):
上記以外の重合単位を形成する共重合成分としては、硬度、基材への密着性、溶媒への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができ、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のビニルエステル類を例として挙げることができる。これらの共重合成分の導入量は、0〜40モル%の範囲であり、0〜30モル%の範囲であることが好ましく、0〜20モル%の範囲であることが特に好ましい。
本発明で特に好ましいポリマーの形態は、下記一般式(4)で表わされる形態である。
一般式(4):
HFP:ヘキサフルオロプロピレン、
M1−(1):
HEVE:2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、
HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、
HOVE:8−ヒドロキシオクチルビニルエーテル、
DEGVE:ジエチレングリコールビニルエーテル、
HMcHVE:4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチルビニルエーテル、
EVE:エチルビニルエーテル、
cHVE:シクロヘキシルビニルエーテル、
tBuVE:t−ブチルビニルエーテル、
VAc:酢酸ビニル。
FM−0721:「サイラプレーンFM−0721」{チッソ(株)製}
FM−0725:「サイラプレーンFM−0725」(同上)
VPS−1001:「マクロアゾ開始剤VPS−1001」{和光純薬工業(株)製}
VPS−0501:「マクロアゾ開始剤VPS−0501」(同上)
本発明に用いられる前記含フッ素ポリマーの合成は、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合によって行うことができる。また回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で合成することができる。
本発明における低屈折率層は、水酸基を含む含フッ素ポリマー、及び該含フッ素ポリマー中の水酸基と反応し得る化合物(硬化剤)を含む硬化可能な組成物、いわゆる硬化性樹脂組成物を用いて形成される。硬化剤は水酸基と反応する部位を2個以上有することが好ましく、4個以上有することが更に好ましい。
中でも、本発明では、保存時の安定性と架橋反応の活性の両立の観点、及び形成される膜の強度の観点から、酸性条件下で水酸基含有化合物と架橋反応するアミノプラスト類が好ましい。アミノプラスト類は、含フッ素ポリマー中に存在する水酸基と反応可能なアミノ基、すなわちヒドロキシアルキルアミノ基もしくはアルコキシアルキルアミノ基、又は窒素原子に隣接し、且つアルコキシ基で置換された炭素原子を含有する化合物である。具体的には、例えばメラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物等を挙げることができる。
構造式(H−1)及び(H−2):
本発明における低屈折率層では、加熱しながら含フッ素ポリマーの水酸基と上記硬化剤との架橋反応で膜を硬化する。この系では酸により硬化が促進される為、硬化性樹脂組成物に、酸性物質を添加することが望ましいが、通常の酸を添加すると塗布液中でも架橋反応が進行してしまい、故障の原因となる。従って、熱硬化系で保存安定性と硬化活性を両立するために、加熱により酸を発生する化合物(以下、熱酸発生剤ともいう)を硬化触媒として添加する。
本発明で使用する硬化触媒としては、酸と有機塩基からなる塩である。酸としては、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸など有機酸や硫酸、リン酸のような無機酸が挙げられ、硬化反応を触媒する能力が高いという観点とポリマーに対する相溶性の観点からpKaが低い有機酸がより好ましく、スルホン酸、ホスホン酸が更に好ましく、スルホン酸が最も好ましい。好ましいスルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸(PTS)、ベンゼンスルホン酸(BS)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)、p−クロロベンゼンスルホン酸(CBS)、1,4−ナフタレンジスルホン酸(NDS)、メタンスルホン酸(MsOH)、ノナフルオロブタン−1−スルホン酸(NFBS)などが挙げられ、何れも好ましく用いることができる{( )内は略称}。
硬化触媒は、酸と組み合わせる有機塩基の沸点によって加熱時の酸発生効率が大きく変化する。本発明においては特定の沸点を有する有機塩基を用いる。塩基の沸点としては、120℃以下であることが必要であり、80℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがさらに好ましい。ここで沸点は1013hPaでの沸点を表す。有機塩基の沸点を前記範囲とすることで、酸発生効率を高くし、所望の硬化活性を得ることができる。さらには、沸点は前記の範囲内で低い方が加熱時の酸発生効率をより高くすることができ、より高い硬化活性を得る観点から好ましい。
b−1:N−メチルジイソプロピルアミン(117℃)、b−2:ジアリルメチルアミン(111℃)、b−3:1−メチルピペリジン(106〜107℃)、b−4:トリエチルアミン(88.8℃)、b−5:t−ブチルメチルアミン(67〜69℃)、b−6:ジメチルイソプロピルアミン(66℃)、b−7:ジエチルメチルアミン(63〜65℃)、b−8:ジメチルエチルアミン(36〜38℃)、b−9:トリメチルアミン(3〜5℃)。
本発明では、上述した熱酸発生剤と共に、光照射により酸を発生する化合物、すなわち感光性酸発生剤をさらに添加しても良い。該感光性酸発生剤は当該硬化性樹脂組成物の塗膜に感光性を付与し、例えば、光等の放射線を照射することによって当該塗膜を光硬化させることを可能にする物質である。
次にポリシロキサン構造を有する化合物について説明する。
本発明では滑り性付与によるさらなる耐擦傷性向上、及び防汚性の付与を目的としてポリシロキサン構造を有する化合物を用いてもよい。化合物の構造は特に制限はなく、ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む、化合物鎖の末端及び/又は側鎖に置換基を有するものが好ましい。また、ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。
“X−22−160AS”、“KF−6001”、“KF−6002”、“KF−6003”、“X−22−170DX”、“X−22−176DX”、“X−22−176D”、“X−22−176F”{以上、信越化学工業(株)製};“FM−4411”、“FM−4421”、“FM−4425”、“FM−0411”、“FM−0421”、“FM−0425”、“FM−DA11”、“FM−DA21”、“FM−DA25”{以上、チッソ(株)製};“CMS−626”、“CMS−222”{以上、Gelest社製}。
“X−22−162C”、“KF−105”{以上、信越化学工業(株)製};“FM−5511”、“FM−5521”、“FM−5525”、“FM−6611”、“FM−6621”、“FM−6625”{以上、チッソ(株)製}。
本発明の反射防止フィルムにおいて、低屈折率層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物は、前述の含フッ素ポリマー、硬化剤、硬化触媒を含有し、必要に応じて用いられるポリシロキサン構造を有する化合物の他に、無機微粒子、オルガノシラン化合物、及びその他の各種添加剤を添加してもよく、更にこれらを適当な溶媒に溶解して作製される。この際、硬化性樹脂組成物の固形分の濃度は、用途に応じて、適宜選択されるが、一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
低屈折率層中への無機微粒子の配合量は、1〜100mg/m2が好ましく、より好ましくは5〜80mg/m2、更に好ましくは10〜60mg/m2である。無機微粒子の配合量が該下限値以上であれば、耐擦傷性の改良効果が顕著であり、該上限値以下であれば、低屈折率層表面に微細な凹凸ができて、黒の締まりなどの外観や積分反射率が悪化するなどの不具合が生じないので、該範囲内とするのが好ましい。
本発明においては、低屈折率層は、さらにオルガノシラン化合物を含む硬化性組成物から形成されてもよい。オルガノシラン化合物の定義や好ましい化合物の構造などは、特開2004−331812号公報の段落番号[0131]〜[0132]に記載されている内容と同じである。
低屈折率層と直接接する下層との界面密着性等の観点からは、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物等の前記以外の硬化剤を少量添加することもできる。これらを添加する場合には低屈折率層皮膜の全固形分に対して30質量%以下の範囲とすることが好ましく、20質量%以下の範囲とすることがより好ましく、10質量%以下の範囲とすることが特に好ましい。
本発明において、低屈折率層を形成するための塗布液(硬化性樹脂組成物)に用いられる溶媒としては、各成分を溶解又は分散可能であること、塗布工程、乾燥工程において均一な面状となり易いこと、液保存性が確保できること、適度な飽和蒸気圧を有すること、等の観点で選ばれる各種の溶媒が使用できる。乾燥負荷の観点からは、常圧、室温における沸点が100℃以下の溶媒を主成分とし、乾燥速度の調整のために沸点が100℃以上の溶媒を少量含有することが好ましい。
まず、低屈折率層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。得られた塗布液を用いて、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許第2681294号明細書参照)により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥する。これらの塗布方式のうち、グラビアコート法で塗布すると、反射防止フィルムの各層を形成する場合のように、塗布量の少ない塗布液を膜厚均一性高く塗布することができるので好ましい。グラビアコート法の中でも、マイクログラビア法は膜厚均一性が高く、より好ましい。
フィルムの膜面温度を所望の温度にする方法に特に限定はないが、ロールを加熱してフィルムに接触させる方法、加熱した窒素を吹き付ける方法、遠赤外線あるいは赤外線の照射などが好ましい。特許2523574号に記載の回転金属ロールに温水や蒸気を流して加熱する方法も利用できる。一方、下記で述べる電離放射線の照射時においては、フィルムの膜面温度が上がる場合には、ロールを冷却してフィルムに接触させる方法が利用できる。
紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプを好ましく利用できる。
また電離放射線照射と同時および/または連続して酸素濃度3体積%以下の雰囲気で加熱されることも好ましい。
特に最外層であり、かつ膜厚が薄い低屈折率層がこの方法で硬化されることが好ましい。硬化反応が熱で加速され、物理強度、耐薬品性に優れた皮膜を形成することができる。
本発明の反射防止フィルムは、透明な基材上に、必要に応じて後述のハードコート層を有し、その上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層されている。
・基材フィルム/低屈折率層、
・基材フィルム/帯電防止層/低屈折率層、
・基材フィルム/防眩層/低屈折率層、
・基材フィルム/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・記載フィルム/帯電防止層/防眩層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/防眩層/帯電防止層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/防眩層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/帯電防止層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・基材フィルム/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
・帯電防止層/基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層。
[皮膜形成バインダー]
本発明において、低屈折率層以外の層を形成する皮膜形成組成物の主たる皮膜形成バインダー成分としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を用いることが、皮膜強度、塗布液の安定性、塗膜の生産性、などの点で好ましい。主たる皮膜形成バインダーとは、無機粒子を除く皮膜形成成分のうち10質量%以上をしめるものをいう。好ましくは、20質量%以上100質量%以下、更に好ましくは30質量%以上95%以下である。
(ハードコート層用材料)
本発明にはハードコート層を設けることが好ましい。ハードコート層は、バインダーに、防眩性を付与するためのマット粒子を添加して防眩層を兼ねることができる。また、高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラーを添加することで高屈折率層を兼ねることができる。さらには〔低屈折率層〕において記載した[オルガノシラン化合物]を添加して形成してもよい。
ハードコート層には、防眩性付与の目的で、フィラー粒子より大きく、平均粒径が0.1〜5.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子が含有させることができる。
マット粒子の形状は、真球又は不定形のいずれも使用できる。
2種類以上のマット粒子を用いる場合には両者の混合による屈折率制御を効果的に発揮するために屈折率の差が0.02以上、0.10以下であることが好ましく、0.03以上、0.07以下であることが特に好ましい。またより大きな粒子径のマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径のマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。例えば、133ppi以上の高精細ディスプレイに反射防止フィルムを貼り付けた場合に、ギラツキと呼ばれる光学性能上の不具合のないことが要求される。ギラツキは、フィルム表面に存在する凹凸(防眩性に寄与)により、画素が拡大もしくは縮小され、輝度の均一性を失うことに由来するが、防眩性を付与するマット粒子より小さな粒子径で、バインダーの屈折率と異なるマット粒子を併用することにより大きく改善することができる。
ハードコート層には、層の屈折率を高めるため、及び硬化収縮を低減するために、上記のマット粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒径が0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である無機フィラーが含有されることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル{例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フイルム(株)製“TAC−TD80U”、“TAC−TD80UF”等}、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂{「アートン」(商品名)、JSR(株)製}、非晶質ポリオレフィン{「ゼオネックス」(商品名)、日本ゼオン(株)製}などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
本発明の反射防止フィルムを画像表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置する。反射防止フィルムの透明支持体がトリアセチルセルロースの場合は、偏光板の偏光膜を保護する保護フィルムとしてトリアセチルセルロースが用いられるため、本発明の反射防止フィルムをそのまま保護フィルムに用いることがコストの上では好ましい。
本発明の反射防止フィルムは以下の方法で形成することができるが、この方法に制限されない。
〔偏光板〕
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムで主に構成される。本発明の反射防止フィルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射防止フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止フィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
偏光膜としては、公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。
本発明の反射防止フィルムは、偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた場合、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、
(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル{“SID97,Digest of tech.Papers”(予稿集)、28集(1997年)、p.845記載}、
(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び、
(4)SURVAIVALモードの液晶セル(「LCDインターナショナル98」で発表)が含まれる。
〔含フッ素ポリマーの合成〕
合成例1:含フッ素ポリマー(P2)の合成
内容量100mLのステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル18.5g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)8.8g、「サイラプレーンFM−0725」{チッソ(株)製}1.0g、及び“V−65”{熱ラジカル発生剤、和光純薬(株)製}0.40gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)15gを、オートクレーブ中に導入して62℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が62℃に達した時点の圧力は、8.9kg/cm2であった。オートクレーブ内を62℃に保持して9時間反応を続け、圧力が6.2kg/cm2に達した時点で加熱をやめ放冷した。
内容量100mLのステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル30g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)8.8g、“VPS−1001”{マクロアゾ開始剤:和光純薬(株)製}0.88g、及び過酸化ラウロイル0.29gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)15gを、オートクレーブ中に導入して70℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が70℃に達した時点の圧力は、9.0kg/cm2であった。オートクレーブ内を70℃に保持して9時間反応を続け、圧力が6.0kg/cm2に達した時点で加熱をやめ放冷した。
上記合成例1とほぼ同様にして、含フッ素ポリマー(P1)、(P4)、(P8)、(P9)、(P14)、(P15)、及び(P25)をそれぞれ合成した。得られた含フッ素ポリマーそれぞれの数平均分子量は、前記の表1及び表2に示したとおりである。
ジエチルメチルアミン2.6gを2−ブタノン30cm3に溶解し、攪拌しながらp−トルエンスルホン酸一水和物5.7gを少量ずつ添加した。さらに1時間攪拌した後溶媒を減圧留去し、表記塩を固体として得た。得られた固体に酢酸エチルを加えて攪拌してから濾過し、減圧乾燥することによりp−トルエンスルホン酸のジエチルメチルアミン塩6.9gを得た。
トリメチルアミン塩酸塩0.96gをメタノール5cm3に溶解し、氷水浴で10℃以下に冷却した。ナトリウムメトキシド溶液(含率28質量%)を1.93g滴下し、析出した塩をろ過し、少量のメタノールで洗浄した。得られた溶液を再び氷水浴で10℃以下に冷却して攪拌しながらp−トルエンスルホン酸一水和物1.90gを分割添加し、冷浴を除いて1時間更に攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた固体を酢酸エチルから再結晶することによりp−トルエンスルホン酸のトリメチルアミン塩を1.5g得た。
実施例1−1〜1−38及び比較例1−1〜1−4
[低屈折率層用塗布液(LLL−1〜LLL−38)及び(LLRL−1)〜(LLRL−4)の調製]
表3に示す各成分を混合し、2−ブタノンに溶解して固形分6%の低屈折率層用塗布液を作製した。表3中の( )内は各成分の固形分の質量部を表す。
CY303:「サイメル303」、メチロール化メラミン、日本サイテックインダストリーズ(株)製、
MX270:「ニカラックMX−270」、テトラメトキシメチルグリコールウリル、三和ケミカル(株)製、
FM4425:“FM−4425”、ポリシロキサン構造を有する化合物、チッソ(株)製、
CMS626:“CMS−626”、ポリシロキサン構造を有する化合物、Gelest社製、
160AS:“X−22−160AS”、ポリシロキサン構造を有する化合物、信越化学工業(株)製、
コロイダルシリカ:日産化学工業(株)製“MEK−ST”、
をそれぞれ表し、H−11、H−21はそれぞれ下記構造の化合物を表す。
PTS:p−トルエンスルホン酸、
DBS:p−ドデシルベンゼンスルホン酸、
NFBS:ノナフルオロブタン−1−スルホン酸、
NDS:1,4−ナフタレンジスルホン酸、
CBS:p−クロロベンゼンスルホン酸、
MsOH:メタンスルホン酸、
BS:ベンゼンスルホン酸、
PPA:フェニルホスホン酸
Bu3N:トリブチルアミン(沸点216℃)。
添加法の欄は、塩をどのように調製して用いたかを示してあり、「固体」は酸と有機塩基の塩を単離して用いた場合で、「溶液」とは酸と有機塩基を同じ当量含む溶液を調製して用いたことを示す。
“PET−30” 50.0g
「イルガキュア184」 2.0g
“SX−350”(30%) 1.5g
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 13.9g
“KBM−5103” 10.0g
トルエン 38.5g
“PET−30”:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物{日本化薬(株)製}
「イルガキュア184」:重合開始剤{チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}
“SX−350”:平均粒径3.5μm架橋ポリスチレン粒子{屈折率1.60、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用}。
架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径3.5μm{屈折率1.55、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用}。
“KBM−5103”:アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン{信越化学工業(株)製}。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士写真フイルム(株)製}をロール形態で巻き出して、直接、上記のハードコート層用塗布液(HCL−1)を、線数180本/in、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下酸素濃度0.1体積%で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量110mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの層を形成し、巻き取った。このようにして作製して得られたハードコート層の表面粗さは、Ra=0.18μm、Rz=1.40μm、ヘイズ35%であった。
反射防止フィルム(101)の作製において、低屈折率層用塗布液(LLL−1)を用いる代わりに、(LLL−2)〜(LLL−38)の何れかを用いる以外は反射防止フィルム(101)の作製と同様にして、反射防止フィルム(102)〜(138)を作製した。また、低屈折率層用塗布液(LLL−1)を用いる代わりに、(LLRL−2)〜(LLRL−4)の何れかを用いる以外は反射防止フィルム(101)の作製と同様にして、比較用の反射防止フィルム(R01)〜(R04)を作製した。
得られた反射防止フィルムは、以下の鹸化標準条件で処理・乾燥した。
アルカリ浴:1.5mol/dm3水酸化ナトリウム水溶液、55℃−120秒。
第1水洗浴:水道水、60秒。
中和浴:0.05mol/dm3硫酸、30℃−20秒。
第2水洗浴:水道水、60秒。
乾燥:120℃、60秒。
このようにして得られた、鹸化済みの反射防止フィルムを用いて以下の評価を行った。
分光光度計“V−550”{日本分光(株)製}を用い、380〜780nmの波長領域において、積分球を用いて、入射角5°における分光反射率を測定した。分光反射率の評価において、450〜650nmの平均反射率を用いた。
反射防止フィルムの裏面を粗面化処理した後、黒色のインクで光吸収処理(380〜780nmにおける透過率が10%未満)を行い、黒色の台上にて測定した。
尚、後述する偏光板に加工されている試料は、偏光板形態のものをそのまま用いて測定した。偏光板を使用しない形態の表示装置の場合には、反射防止フィルムの裏面を粗面化処理した後、黒色のインクで光吸収処理(380〜780nmにおける透過率が10%未満)を行い、黒色の台上にて測定した。
ラビングテスターを用いて、以下の条件で擦りテストをおこなった。
評価環境条件:25℃、60%RH。
擦り材:試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)にプラスチック消しゴム{(株)トンボ鉛筆製“MONO”}を固定した。
移動距離(片道):4cm、擦り速度:2cm/秒、荷重:500g/cm2、先端部接触面積:1cm×1cm。
擦り回数:100往復。
○ :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△ :弱い傷が見える。
△×:中程度の傷が見える。
× :一目見ただけで分かる傷がある。
××:一面膜が傷ついている。
表面の耐汚染性の指標として、反射防止フィルムを、温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、サンプル表面に「マジックインキ」を付着させてから、それをクリーニングクロスで拭き取ったときの状態を観察して、以下のようにマジック付着性を評価した。
◎:マジックの跡が完全に拭き取れる。
○:マジックの跡がわずかに見える。
△:マジックの跡が少し見える。
×:マジックの跡がほとんど拭き取れない。
実施例1で作製した塗布液を30℃、60%RH下で密閉して1ヶ月間保存し、その後実施例1と同じようにして反射防止フィルムを作製した。試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、面状を以下の基準で評価した。
○ :非常に注意深く見ても、ムラが見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱いムラが見える。
△ :弱いムラが見える。
△×:中程度のムラが見える。
× :一目見ただけで分かるムラがある。
以下に示す多層反射防止フィルムを作製した。
「デソライトZ7404」{ジルコニア微粒子含有ハードコート組成液:JSR(株)製}100質量部、“DPHA”{UV硬化性樹脂:日本化薬(株)製}31質量部、“KBM−5103”{シランカップリング剤:信越化学工業(株)製}10質量部、メチルエチルケトン(MEK)29質量部、メチルイソブチルケトン(MIBK)13質量部、シクロヘキサノン5質量部をミキシングタンクに投入し攪拌してハードコート層塗布液(HCL−2)とした。
支持体として、トリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士写真フイルム(株)製}をロール形態で巻き出して、上記のハードコート層用塗布液(HCL−2)を、線数135本/インチ、深度60μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、搬送速度10m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量100mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、ハードコート層を形成し、巻き取った。硬化後のハードコート層の厚さが4.0μmとなるようにグラビアロール回転数を調整してハードコート層を形成した。
反射防止フィルム(201)の作製において、低屈折率層用塗布液(LLL−1)を用いる代わりに、(LLL−2)〜(LLL−38)の何れかを用いる以外は反射防止フィルム(201)の作製と同様にして反射防止フィルム(202)〜(238)を作製した。
〔反射防止フィルム付き偏光板の作製〕
実施例3
延伸したポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。次に実施例1で作製した鹸化処理済みの反射防止フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、該反射防止フィルムの支持体(トリアセチルセルロース)側が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。光学補償層を有する視野角拡大フィルム「ワイドビューフィルムSA12B」{富士写真フイルム(株)製}を鹸化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜のもう一方の側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。この偏光板状態で実施例1に準じた評価を行った結果、本発明の低屈折率層を用いることにより同様の効果が得られた。
実施例4
実施例1及び2の反射防止フィルム試料、並びに実施例1の反射防止フィルムを用いた実施例3の偏光板試料を、それぞれ有機EL表示装置の表面のガラス板に、粘着剤を介して貼り合わせたところ、いずれもガラス表面での反射が抑えられ、視認性の高い表示装置が得られた。
1b:反射防止フィルム
2:透明支持体
3:ハードコート層
4:防眩ハードコート層
5:低屈折率層
7:中屈折率層
8:高屈折率層
Claims (11)
- 透明支持体上に、
(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位及び(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位
を、それぞれ少なくとも1種ずつ含有する含フッ素ポリマーを少なくとも1種、
水酸基と反応可能な架橋剤を少なくとも1種、並びに
酸と沸点が120℃以下である有機塩基とからなる塩を少なくとも1種
含む組成物を塗設して形成された低屈折率層を有することを特徴とする反射防止フィルム。 - 有機塩基の沸点が80℃以下である請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 酸と有機塩基とからなる塩が、スルホン酸又はホスホン酸と有機塩基からなる請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
- 酸と有機塩基とからなる塩が、含フッ素ポリマーに対して0.01〜10質量%含む組成物を塗設して形成された請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 組成物が、更に水酸基又は水酸基と反応して結合を形成しうる官能基を有するポリシロキサン構造を有する化合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 架橋剤が、分子中に窒素原子を含有し、且つ該窒素原子に隣接するアルコキシ基で置換された炭素原子を2個以上含有する化合物である請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルムが、偏光板における偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルム、又は請求項9に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられていることを特徴とする画像表示装置。
- 透明支持体上に、
(a)含フッ素ビニルモノマー重合単位及び(b)水酸基含有ビニルモノマー重合単位
を、それぞれ少なくとも1種ずつ含有する含フッ素ポリマーを少なくとも1種、
水酸基と反応可能な架橋剤を少なくとも1種、並びに
酸と沸点が120℃以下である有機塩基とからなる塩を少なくとも1種
含む組成物を塗設し、低屈折率層を形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006263436A JP4934381B2 (ja) | 2005-09-28 | 2006-09-27 | 反射防止フィルム並びに、該反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、並びに該反射防止フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005281539 | 2005-09-28 | ||
JP2005281539 | 2005-09-28 | ||
JP2006263436A JP4934381B2 (ja) | 2005-09-28 | 2006-09-27 | 反射防止フィルム並びに、該反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、並びに該反射防止フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007122035A JP2007122035A (ja) | 2007-05-17 |
JP4934381B2 true JP4934381B2 (ja) | 2012-05-16 |
Family
ID=38145877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006263436A Expired - Fee Related JP4934381B2 (ja) | 2005-09-28 | 2006-09-27 | 反射防止フィルム並びに、該反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、並びに該反射防止フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4934381B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107793334A (zh) * | 2017-09-27 | 2018-03-13 | 九江善水科技股份有限公司 | 芳基磺酸铵盐化合物、其制备方法及应用 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0611879B2 (ja) * | 1986-01-28 | 1994-02-16 | 日本油脂株式会社 | ちぢみ塗料 |
US4812506A (en) * | 1987-05-15 | 1989-03-14 | E. I Du Pont De Nemours And Company | Amino methyl propanol blocked aromatic sulfonic acid |
JPH10195346A (ja) * | 1996-11-14 | 1998-07-28 | Nippon Paint Co Ltd | ちぢみ塗料 |
JPH10147749A (ja) * | 1996-11-20 | 1998-06-02 | Jsr Corp | 被膜形成用組成物 |
JP2002128816A (ja) * | 2000-10-30 | 2002-05-09 | Nippon Kayaku Co Ltd | フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有する低屈折率樹脂組成物およびその硬化物 |
JP2002311208A (ja) * | 2001-04-17 | 2002-10-23 | Jsr Corp | 反射防止膜用硬化性組成物及びそれを用いた反射防止膜 |
JP2004307524A (ja) * | 2002-03-29 | 2004-11-04 | Jsr Corp | フッ素含有オレフィン系重合体、硬化性樹脂組成物及び反射防止膜 |
JP2003292536A (ja) * | 2002-04-01 | 2003-10-15 | Nippon Kayaku Co Ltd | 低屈折率樹脂組成物およびその硬化物 |
JP4248347B2 (ja) * | 2003-09-03 | 2009-04-02 | 富士フイルム株式会社 | 皮膜形成用組成物、反射防止膜、偏光板、画像表示装置及び防汚性コーティング組成物及び防汚性物品 |
JP2005239967A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Jsr Corp | 液状樹脂組成物及び硬化膜 |
-
2006
- 2006-09-27 JP JP2006263436A patent/JP4934381B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007122035A (ja) | 2007-05-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4997147B2 (ja) | 反射防止積層体、偏光板及び画像表示装置 | |
JP6011527B2 (ja) | 反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置 | |
JP5450708B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP4990665B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP5081479B2 (ja) | 反射防止積層体、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP2007301970A (ja) | 反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP2007196164A (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP5172129B2 (ja) | 光学フィルム、該光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、光学フィルムの製造方法 | |
US8017242B2 (en) | Antireflection film, polarizing plate and image display | |
JP2006293329A (ja) | 反射防止フィルム及びその製造方法、並びにそのような反射防止フィルムを用いた偏光板、及びそのような反射防止フィルム又は偏光板を用いた画像表示装置。 | |
WO2007081057A1 (en) | Curable composition and cured product, laminate film and antireflective film using the same and polarizing plate and image display device using the antireflective film | |
JP2008024874A (ja) | 硬化性組成物、反射防止フィルム、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置 | |
JP2007106930A (ja) | 皮膜形成用組成物、反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP2008026658A (ja) | 反射防止フィルム、該反射防止フィルムを用いた偏光板及び、該反射防止フィルム又は該偏光板をディスプレイの最表面に用いた画像表示装置 | |
JP2007108726A (ja) | 反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置 | |
JP2007238675A (ja) | 硬化性組成物、硬化性組成物の製造方法、光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置 | |
JP2007086751A (ja) | 反射防止フィルム、その製造方法、並びにそれを用いた偏光板、及び画像表示装置 | |
JP4934381B2 (ja) | 反射防止フィルム並びに、該反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、並びに該反射防止フィルムの製造方法 | |
JP2007291372A (ja) | 硬化性組成物、該硬化性組成物を用いた光学フィルム、該光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置 | |
WO2007043700A1 (en) | Anti-reflection film, and polarizing plate and image display device using the same | |
JP5155545B2 (ja) | 反射防止フィルム、その製造方法並びに該反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置 | |
JP2007177192A (ja) | 透明フィルムおよびその製造方法、偏光板、画像表示装置 | |
US20090067046A1 (en) | Antireflection film, polarizing plate and image display | |
JP2007108512A (ja) | 反射防止フィルム、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置 | |
JP2007065634A (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、反射防止フィルム、並びにそのような光学フィルムまたは反射防止フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071109 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071116 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071126 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110419 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110614 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20110720 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20111216 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120124 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120220 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |