JP4932527B2 - ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品の絶縁材料や半導体装置における表面保護膜、層間絶縁膜、α線遮蔽膜などの形成、およびイメージセンサーやマイクロマシン、あるいはマイクロアクチュエーターを搭載した半導体装置等に使用される樹脂組成物、およびそれを用いて製造される半導体装置等に関する。更に詳しくは、UV−i線(365nm)での感光特性及び有機薄膜に対する接着に優れ、250℃以下での低温硬化が可能であり、この加熱硬化の過程での体積収縮が極めて小さく、更に加熱硬化後の樹脂構造体および樹脂膜において、優れた耐熱性と低デガス性を高レベルで達成させることができる新規なポリオルガノシロキサン組成物、およびこれを用いて製造される半導体装置等に関する。
特許文献1には、コーティング材料として、貯蔵安定性が良く、UVでキュアでき、透過性が高く、1〜150μmの膜厚を有することができる感光性ポリオルガノシロキサン組成物についての開示がある。具体的には、Ba(OH)(水酸化バリウム)を触媒として重合可能基を有する有機シラン及び加水分解反応点を有する有機シランからなる、ドイツ国 Fraunhofer ISC製のコーティング材料、ORMOCER ONEの開示がある。ORMOCER ONEは、150℃という低温でのキュアが可能であり、その硬化物は、300℃以上の耐熱性、10Mpa以下の残留低応力、平坦性3%以内などの優れた特性を有する。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術だけでは、感光性ポリオルガノシロキサン組成物を電子部品や半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜、α線遮蔽膜、隔壁、平坦化膜などの永久材料とするだけの物理的性能、例えば下地基材との密着性や実用レベルの力学特性を実現することは難しい。
一方、集積回路内に、あるいはそれとは別に、光学的機能や機械的機能を持った素子を搭載した半導体装置が実用化されている。これらの多くは、シリコンなどの結晶基板に従来から知られた半導体プロセスを用いてトランジスタなどの素子を形成した後、半導体装置の目的に応じた機能を持つ素子を形成し、これらを一体としてパッケージすることにより製造される。
このようなパッケージ技術の例として、例えば特許文献2には集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体と、前記ミクロ構造体を被覆するためのパッケージ材と、前記パッケージ材を前記ミクロ構造体上に支持するためのスペーサーとを有する半導体装置およびその例が詳細に開示されている。特許文献2に開示された技術は、マイクロレンズアレイ、ケミカルセンサーなどの各種センサー、あるいは表面弾性波装置等の広範囲の半導体装置に好適に用いることができるが、特許文献2に記載された発明を実施するには、パッケージ材をミクロ構造体上に支持するためのスペーサーが重要な役割を果たす。スペーサーに求められる特性としては、下記の4点が考えられる。
第一に、このスペーサーは、支持体として必要な部分にのみ形成されるべきであるため、それ自身が感光性を有する部材で形成されていると有利である。なぜならば、スペーサー自身が感光性を有しておれば、必要な部分にのみスペーサーを残すために通常用いられるリソグラフィー工程とエッチング工程のうち、後者を省略することができるからである。
第二に、このスペーサーが形成される面はシリコンなどの無機物で構成されているとは限らずカラーフィルター層、その保護膜及びその他有機薄膜が形成されている場合も有る。したがって、これら有機薄膜への接着性も優れていなければならない。
また、このスペーサーの周辺には耐熱性の低い部材、たとえばエポキシ樹脂などの接着剤が使用されているほか、その下部に位置するミクロ構造体なども必ずしも耐熱性が高いとは限らない。それゆえ、第三に、このスペーサーを形成するプロセスは低温であるほど好ましいといえる。
第四に、スペーサーはミクロ構造体を含む閉鎖された空間、特許文献2の記載を引用するならば「キャビティ」を形成するものであるので、パッケージが完了した後にその中に含まれる揮発成分などが残存するのは好ましくない。すなわち、このスペーサーは低揮発成分であることが求められる。
スペーサーには以上のような特性が要求されると考えられるが、特許文献2には、スペーサーに好適に用いられる具体的な部材の開示はなされていない。
欧州特許第1196478号公報 特表2003−516634号公報
本発明の課題は、近年の電子部品の絶縁材料や半導体装置における表面保護膜、層間絶縁膜、α線遮蔽膜などの形成、およびイメージセンサーやマイクロマシン、あるいはマイクロアクチュエーターを搭載した半導体装置等に使用される樹脂組成物への要求、すなわちUV−i線での感光特性及び有機薄膜に対する接着性に優れ、250℃以下での低温硬化が可能であり、この加熱硬化の過程での体積収縮が極めて小さく、加熱硬化後の接着性に優れた感光性ポリオルガノシロキサン組成物を実現することにある。
本発明は以下の通りである。
(1)下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部
Figure 0004932527

(Rは、少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜20の基である。)
Figure 0004932527
は炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基であり、Rはメチル基またはエチル基である。)
(b)光重合開始剤0.2〜20質量部
(c)1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン)、またはペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)から選択されるスルファニル基を少なくとも2つ以上含む多価チオール化合物1〜50質量部
(2)前記触媒が下記一般式(3)及び下記一般式(4)で示される金属アルコキシドからなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、アルカリ金属水酸化物並びにアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である(1)記載のポリオルガノシロキサン組成物。
Figure 0004932527

(Mはケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、R7は炭素数1〜4のアルキル基である。)
Figure 0004932527

(Mはホウ素またはアルミニウムを示し、R7は炭素数1〜4のアルキル基である。)
(3)前記触媒として、前記一般式(3)及び前記一般式(4)で示される金属アルコキシドからなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシドを用いることを特徴とする(2)記載のポリオルガノシロキサン組成物。
(4)前記触媒として、更に、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることを特徴とする(3)記載のポリオルガノシロキサン組成物。
(5)基材上に(1)〜(4)のいずれか一つに記載のポリオルガノシロキサン組成物を塗布して塗布膜を得る工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化の部分を除去する工程、該基材ごと加熱する工程からなる、ポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターンの形成方法。
(6)(5)に記載の方法によって得られるポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン。
(7)(6)に記載のポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
(8)集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体と、該ミクロ構造体を被覆するためのパッケージ材と、該パッケージ材を該ミクロ構造体上に支持するためのスペーサー材とを有する半導体装置において、該スペーサー材が(6)に記載のポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターンを用いてなることを特徴とする半導体装置。
(9)上記集積回路がフォトダイオードを含むことを特徴とする(8)に記載の半導体装置。
(10)上記ミクロ構造体がマイクロレンズであることを特徴とする(8)に記載の半導体装置。
(11)集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体上に直接または薄膜層を介して(1)〜(4)のいずれか一つに記載のポリオルガノシロキサン組成物を塗布して塗布膜を形成する工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化の部分を除去する工程、該基材ごと加熱する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明の組成物は、UV−i線での感光特性及び有機薄膜に対する接着性に優れ、250℃以下での低温硬化が可能であり、この加熱硬化の過程での体積収縮が極めて小さい。また、本発明の硬化レリーフパターンは、低デガス性に優れる。さらに、本発明の半導体装置の製造方法は、低デガス性に優れる硬化レリーフパターンを有する半導体装置の製造を可能とする。
本発明の組成物を構成する各成分について、以下具体的に説明する。
<ポリオルガノシロキサン組成物>
(a)ポリオルガノシロキサン
本発明の組成物に用いられるポリオルガノシロキサンは、下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られるものである。
Figure 0004932527

(Rは、少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜20の基である。)
Figure 0004932527

(Rはエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。Rはメチル基またはエチル基である。)
この際、触媒としては、下記一般式(3)及び(4)で示される金属アルコキシドからなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド、アルカリ金属水酸化物並びにアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましく用いられる。
Figure 0004932527

(Mはケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、R7は炭素数1〜4のアルキル基である。)
Figure 0004932527

(Mはホウ素またはアルミニウムを示し、R7は炭素数1〜4のアルキル基である。)
上記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物(以下、シラノール化合物、と略称する場合もある)において、Rは少なくとも芳香族基をひとつ含む炭素数6〜20の基である。具体的には、以下の構造で表される基の中から選ばれる少なくとも1つの基であることが好ましい。
Figure 0004932527

(Aは炭素原子数1〜4のアルキル基、−CH=CH、−CH=CH−CHまたは−CH−CH=CHのいずれかであり、yは0、1または2の整数である。)
好適なシラノール化合物としては、例えば、ジフェニルシランジオール、ジ−p−トルイルシランジオール、ジ−p−スチリルシランジオール、ジナフチルシランジオールが挙げられる。価格、入手性、性能などを考慮すると、ジフェニルシランジオールが特に好適である。
上記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物(以下、アルコキシシラン化合物、と略称する場合もある)において、Rはエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。Rはメチル基またはエチル基である。Rの具体例としては、以下の構造で表される基の中から選ばれる少なくとも1つの基であることが好ましい。
Figure 0004932527

(Bは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、zは0、1または2の整数である。)
好適なアルコキシシラン化合物としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、1−プロペニルトリメトキシシラン、1−プロペニルトリエトキシシラン、2−プロペニルトリメトキシシラン、2−プロペニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−(1−プロペニルフェニル)トリメトキシシラン、p−(1−プロペニルフェニル)トリエトキシシラン、p−(2−プロペニルフェニル)トリメトキシシラン、p−(2−プロペニルフェニル)トリエトキシシランなどが挙げられる。優れた感光特性を得るためには、光重合性の炭素−炭素二重結合を有する、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランがより好ましく、価格や有害性、性能などを考慮すると、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが特に好適である。
本発明における触媒とは、上記一般式(1)で示されるシラノール化合物のシラノール基と上記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基との脱アルコール縮合反応を促進する化合物であり、本発明に好適な触媒としては上記一般式(3)及び一般式(4)からなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシド(以下、金属アルコキシド、と略称する場合もある)並びにアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。
上記一般式(3)及び上記一般式(4)で示される金属アルコキシドは、上記一般式(1)で示されるシラノール化合物のシラノール基と上記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基の脱アルコール縮合反応を触媒しつつ、自身もアルコキシ基含有化合物として振る舞って脱アルコール縮合反応に関与し、ポリオルガノシロキサン分子内に取り込まれる。
その混合比率は、シラノール化合物とアルコキシシラン化合物を1:1で混合するのを基本とし、ここに本発明の金属アルコキシドを混合するに際して、アルコキシシラン化合物の一部を置き換える(アルコキシシラン化合物混合量を一定の比率で減じる)形で全体の混合比を調整するのが好ましい。
具体的には、金属アルコキシドとして、上記一般式(3)で示される4価の金属アルコキシドを用いる場合には、4価の金属アルコキシドとアルコキシシラン化合物を、それぞれ1:2のモル比で換算し、置き換える(4価の金属アルコキシド混合量を1モル増やす毎に、アルコキシシラン化合物を2モル減じる)のが好ましい。また、上記一般式(4)で示される3価の金属アルコキシドを用いる場合には、3価の金属アルコキシドとアルコキシシラン化合物を、それぞれ2:3のモル比で換算し、置き換えるのが好ましい。
また、好適な3価もしくは4価の金属アルコキシドとしては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリ−iso−プロポキシボロン、トリ−n−ブトキシボロン、トリ−iso−ブトキシボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−tert−ブトキシボロンテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−iso−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラ−n−プロポキシゲルマニウム、テトラ−iso−プロポキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−iso−ブトキシゲルマニウム、テトラ−sec−ブトキシゲルマニウム、テトラ−tert−ブトキシゲルマニウム、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−iso−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−nブトキシジルコニウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム等が挙げられる。迅速かつ均一な重合反応を達成するには反応温度領域で液状であることが好ましく、また触媒としての活性の高さや入手性等を考慮すると、テトラ−iso−プロポキシチタンが特に好適である。
本発明のポリオルガノシロキサンを重合生成する際の加熱温度は、生成するポリオルガノシロキサンの重合度を制御する上で重要なパラメーターである。目的の重合度にもよるが、上記原料混合物を概略70℃〜150℃程度に加熱し、重合させるのが好ましい。
上記一般式(1)で示されるシラノール化合物に対して、金属アルコキシドの重合時の添加量が2モル%を下回ると、上記好適温度範囲以上に加熱したとしても、ポリオルガノシロキサンの重合度を思うように上げることができない。このような場合、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を触媒として適量添加すると、金属アルコキシドの不足分を補って、生成するポリオルガノシロキサンの重合度を適度に制御することが可能となる。
好適なアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また、好適なアルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物およびその水和物などが挙げられる。
金属アルコキシドの重合添加量の上限は、目的とするポリオルガノシロキサンの性能に依存する。優れた感光特性を達成するには、前述の光重合性の炭素−炭素二重結合を有するアルコキシシラン化合物は必須であり、その最低必要量から計算して、金属アルコキシドの重合添加量の上限は、(a)シラノール化合物に対して、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
(b)光重合開始剤
本発明の組成物には、感光性を付与する目的で、光重合開始剤を添加することが重要である。好ましいものとしては以下の化合物が挙げられる。
(1)ベンゾフェノン誘導体:例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン
(2)アセトフェノン誘導体:例えば、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチル
(3)チオキサントン誘導体:例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン
(4)ベンジル誘導体:例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール
(5)ベンゾイン誘導体:例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン
(6)オキシム系化合物:例えば、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O-メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)
(7)α−ヒドロキシケトン系化合物:例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン
(8)α−アミノアルキルフェノン系化合物:例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン
(9)フォスフィンオキサイド系化合物:例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
(10)チタノセン化合物:例えば、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム
また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
上記した光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、(8)のα−アミノアルキルフェノン系化合物がより好ましい。その添加量は、本発明の(a)ポリオルガノシロキサン成分100質量部に対して、0.2〜20質量部とするのが好ましく、1〜10質量部とするのがより好ましい。添加量が0.2質量部を上回ると、露光に際して、光ラジカル重合が充分に進行するだけのラジカルが供給されるため、露光部の硬化が進行し、実用的なレリ−フパターンを得ることができる。また、逆に添加量が20質量部を下回ると、塗膜表面付近での露光吸収が大きくなりすぎることを防ぐため、基板面付近まで露光光線が到達し、よって光ラジカル重合が膜厚方向で均一に起り、実用的なレリ−フパターンを得ることができる。
(c)多価チオール化合物
本発明の組成物には、有機薄膜への接着性を改善する目的で、スルファニル基(−SH基、メルカプト基)を少なくとも2つ以上含む多価チオール化合物を添加することが重要である。チオール基を1つ含む1価チオール化合物の添加では有機薄膜への接着性の改善効果は得られない。好ましいものとしては以下の化合物が挙げられる。
(1)2価チオール化合物
1,2―エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ブタンジチオール、3,6−ジオキサー1,8−オクタンジチオール、3,7−ジチアー1,9−ノナンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、2,3−ジアミノー1,4−ベンゼンジチオール、4,5−ジメチル−O−キシレンジチオール、トルエンー3,4−ジチオール、4,4’−ビフェニルジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、6−(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、2−アミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(4’−アニリノフェニルiso−プロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(3’,5’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、キノキサリンー2,3−ジチオール、プリン−2,6−ジチオール、1,3,4−チアジアゾールー2,5−ジチオール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(昭和電工(株)製 カレンズMT BD1)
(2)3価チオール化合物
1,3,5−ベンゼントリチオール、s−トリアジン−2,4,6−トリチオール、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン)(昭和電工(株)製 カレンズMT NR1)
(3)4価チオール化合物
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート(昭和電工(株)製 カレンズMT PE1)
また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
これらの多価チオール化合物のなかで有機薄膜への接着性について(2)3価チオールである1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン)(昭和電工(株)製 カレンズMT NR1)が特に好適である。その添加量は、本発明の(a)成分100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。添加量が1質量部を上回ると、有機薄膜への接着性は改善される。添加量が50質量部を下回ると、加熱硬化の過程での体積収縮が小さく好ましい。
本発明の組成物には、製膜特性や感光特性並びに硬化後の力学特性を改善する目的で、(a)成分以外の光重合性の不飽和結合基を有する化合物を添加することが出来る。このものとしては、光重合開始剤の作用により重合可能な多官能(メタ)アクリル化合物が好ましく、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、ポリエチレングリコールジメタクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、ポリ(1,2−プロピレングリコール)ジアクリレート[1,2−プロピレングリコールユニット数2〜20]、ポリ(1,2-プロピレングリコール)ジメタクリレート[1,2−プロピレングリコールユニット数2〜20]、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート[テトラメチレングリコールユニット数2〜10]、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート[テトラメチレングリコールユニット数2〜10]、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート、トリ−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル-メタクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテル−アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−メタクリル酸付加物、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜30]、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜30]、N,N’−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)尿素などが挙げられる。また、これらの使用にあたっては、必要に応じて、単独でも2種以上を混合して用いてもかまわない。添加する場合の添加量は、本発明の(a)成分100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物には、ソフトベーク後のコーティング膜のタック性や流動性を改善する目的で、シリコーンレジンを添加することができる。ここでいうシリコーンレジンとは、例えば、日刊工業新聞社刊「シリコーンハンドブック」(1990)に記されている、アルコキシシリル基やクロロシリル基などの加水分解性基を2〜4個有するオルガノシラン化合物を共加水分解し重合して得られる三次元網目構造をとったポリマーのことを指す。
本発明の目的においては、その中でも、メチル系、フェニル系、フェニルメチル系、フェニルエチル系、フェニルプロピル系などの、いわゆるストレートシリコーンレジンを添加することが好ましい。これらの例としては、KR220L、KR242A、KC89、KR400、KR500(以上信越化学工業製)などのメチルシリコーンレジン、217フレーク(東レ・ダウコーニング製)、SR−20、SR−21(以上小西化学工業製)などのフェニル系シリコーンレジン、KR213、KR9218(以上信越化学工業製)、220フレーク、223フレーク、249フレーク(以上東レ・ダウコーニング製)などのフェニルメチル系シリコーンレジン、SR−23(小西化学工業製)などのフェニルエチル系シリコーンレジン、Z−6018(東レ・ダウコーニング製)などのフェニルプロピル系シリコーンレジン等が挙げられる。タック性や流動性の改善という目的では、より架橋密度が高く、常用温度域で固体であるシリコーンレジンの添加が好ましく、その意味では上記好適例の中でも、フェニル系もしくはフェニルプロピル系のシリコーンレジンを選択することが特に好ましい。更に、その構造中にシラノール残基を一部有するものを選択した方が、タック性や流動性の改善効果が更に高まる傾向が、本発明者らの検討で明らかになっており、好ましい。
これら本発明に好適なシリコーンレジンの添加量は、本発明の(a)成分100質量部に対して50〜200質量部であることが好ましい。タック性や流動性の改善効果を得るには最低でも50質量部以上は必要であり、また200質量部以下であれば、i線感光性などのリソグラフィー特性を維持することが可能である。
本発明の組成物には、溶媒を添加して粘度を調整することもできる。好適な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アニソール、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどが挙げられ、これらは単独または二種以上の組み合わせで用いることができる。これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが、特に好ましい。これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、本発明の組成物に適宜加えることができるが、本発明の(a)成分100質量部に対し、5〜100質量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明の組成物には、所望に応じ、光感度向上のための増感剤を添加することができる。このような増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、2−(4’−ジメチルアミノシンナミリデン)インダノン、2−(4’−ジメチルアミノベンジリデン)インダノン、2−(p−4’−ジメチルアミノビフェニル)ベンゾチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンジリデン)アセトン、1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、ベンズトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−シクロヘキシル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−(tert−−ブチル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−p)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレンなどが挙げられる。また、使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。添加する場合の添加量は、他の添加剤成分量との兼ね合いもあるが、本発明の(a)成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物には、所望に応じ、保存時の粘度や光感度の安定性を向上させる目的で、重合禁止剤を添加することができる。このような重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル)フェニルメタンなどを用いることができる。添加する場合の添加量は、本発明の(a)成分100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物には、さらに密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤を添加することが出来る。シランカップリング剤の例としては以下のようなものが挙げられる。(以下、アルコキシの表記はメトキシ基又はエトキシ基のことを指す。)ビニルトリアルコキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、3−グリシドキプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキプロピルメチルジアルコキシシラン、p−スチリルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジアルコキシラン、3−アクリロキシプロピルトリアルコキシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジアルコキシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−トリアルコキシシリル−N−(1.3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルメチルジアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジアルコキシシラン、ビス(トリアルコキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアナトプロピルトリアルコキシシランなどを用いることができる。添加する場合の添加量は、本発明の(a)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、2〜35質量部であることがより好ましい。
以上の他にも、本発明の組成物には紫外線吸収剤、塗膜平滑性付与剤などをはじめ、本発明の組成物の諸特性を阻害するものでない限り、必要に応じて、種々の添加剤を適宜配合することができる。
<ポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターンの形成方法>
次に、本発明の組成物を用いてポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターンを形成する方法の好適例を以下に示す。
[ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して塗布膜を得る工程]
該組成物をシリコンウェハー、セラミック基板、アルミ基板など及びこれらに有機薄膜を形成した基板の他、所望の各種基材上に塗布する。塗布装置または塗布方法としては、スピンコーター、ダイコータ−、スプレーコーター、浸漬、印刷、ブレードコーター、ロールコーティング等が利用できる。
塗布後、80〜200℃でソフトベークしても良い。
[パターニングマスクを介して塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程]
コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光投影装置を用いて、所望のフォトマスクを介して活性光線を照射する。
活性光線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線などが利用できるが、本発明においては、200〜500nmの波長のものを用いるのが好ましい。パターンの解像度及び取扱い性の点で、その光源波長は、特にUVのi線(365nm)が好ましく、露光投影装置としてはステッパーが特に好ましい。
露光後、光感度の向上などの目的で、必要に応じて、任意の温度、時間の組み合わせ(好ましくは温度40℃〜200℃、時間10秒〜360秒)による露光後ベーク(PEB)や、現像前ベークを施しても良い。
[現像液を用いて該塗布膜の未硬化の部分を除去する工程]
現像方法としては、浸漬法、パドル法、及び回転スプレー法等の方法から選択して行うことが出来る。これにより、現像後レリーフパターンが得られる。現像液としては、本発明の組成物の良溶媒を単独で、もしくは良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることが出来る。良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、α−アセチル−ガンマブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが、貧溶媒としてはメタノール、エタノール、iso−−プロパノール、及び水などが用いられる。
現像終了後、リンス液により洗浄を行い、現像液を除去することにより、レリーフパターン付き塗膜が得られる。リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、iso−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、iso−ブチルアルコール、及び4−メチルーペンタノール等を単独または適宜混合して用いたり、また段階的に組み合わせて用いたりすることもできる。
[基材ごと加熱する工程]
得られた現像後レリーフパターンは、150〜250℃という、従来よりも遙かに低い硬化温度でポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン(以下、硬化レリーフパターン、と略称する場合もある。)に変換される。この加熱硬化は、ホットプレート、イナートオーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンなどを用いて行うことが出来る。加熱硬化させる際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、必要に応じて窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
上述した硬化レリーフパターンを、シリコンウェハー等の基材上に形成された半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜、α線遮蔽膜、またはマイクロレンズアレイなどのミクロ構造体とそのパッケージ材との間の支持体(隔壁)からなる群から選択されるいずれかとして使用し、他の工程は周知の半導体装置の製造方法を適用することで、CMOSイメージセンサなどの光学素子を含む、各種の半導体装置を製造することができる。また、上述した組成物を硬化させた樹脂からなる塗膜を有する電子部品や半導体装置を得ることができる。
集積回路が形成された結晶基板上に形成されたミクロ構造体と、前記ミクロ構造体を被覆するためのパッケージ材と、前記パッケージ材を前記ミクロ構造体上に支持するためのスペーサー材とを有する半導体装置において、前記スペーサー材として本発明のポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターンを用いて半導体装置とすることもできる。ここで、集積回路の具体例としては、シリコン、ニオブ酸リチウム、酒石酸リチウム又は水晶を含んでいる結晶基板やフォトダイオードが挙げられる。ミクロ構造体とは、ミクロンサイズの機械的、光機械的、電子機械的なデバイスを意味する。具体的には、マイクロレンズが挙げられる。パッケージ材は、好ましくは透明であって、ガラスで形成されていても良い。
上記半導体装置の製造方法としては、ミクロ構造体上に直接または薄膜層を介して本発明のポリオルガノシロキサン組成物を塗布して塗布膜を形成する工程、スペーサー材を形成したい部分のみ開口部を有しているパターニングマスクを介して該膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該膜の未硬化の部分を除去する工程、基材ごと加熱する工程を含む製造方法が挙げられる。各工程は上述の方法により行うことが出来る。
次に、実施例および比較例によって、本発明を説明する。
[合成例1]
(ポリオルガノシロキサンP−1の合成)
水冷コンデンサーおよびバキュームシール付き撹拌羽根を装着した容量2リットルの丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(以下DPD)540.78g(2.5mol)、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下MEMO)577.41g(2.325mol)、テトラ−iso−プロポキシチタン(以下TIP)24.87g(0.0875mol)を仕込み、撹拌を開始した。これをオイルバスに浸け、加熱温度を120℃に設定し、室温より加熱を開始した。途中、重合反応の進行に伴って発生するメタノールを水冷コンデンサーで還留させつつ、反応溶液温度が一定となるまで反応させ、その後更に30分間、加熱撹拌を継続した。
その後、コールドトラップと真空ポンプとに接続されたホースを装着し、オイルバスを用いて80℃で加熱しつつ強撹拌し、メタノールが突沸しない程度に徐々に真空度を上げていくことによりメタノールを留去し、ポリオルガノシロキサンP−1(23℃における粘度100ポイズ)を得た。
[合成例2]
(ポリオルガノシロキサンP−2の合成)
水冷コンデンサーおよびバキュームシール付き撹拌羽根を装着した容量2リットルの丸底フラスコに、DPDを432.62g(2.0mol)、MEMOを495.71g(1.996mol)、TIPを0.568g(0.002mol)、水酸化ナトリウムを0.16g(0.004mol)を仕込み、撹拌を開始した。これをオイルバスに浸け、加熱温度を80℃に設定し、室温より加熱を開始した。途中、重合反応の進行に伴って発生するメタノールを水冷コンデンサーで還流させつつ、反応溶液温度が一定となるまで反応させ、その後更に30分間、加熱撹拌を継続した。
その後、反応溶液を室温まで冷却し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)製アンバーリスト15、乾燥重量40gをメタノールで膨潤・洗浄したもの)を充填したガラスカラムに通液させ、ナトリウムイオンを除去した。
これをバキュームシール付き撹拌羽根、およびコールドトラップと真空ポンプとに接続されたホースを装着した丸底フラスコに移し、80℃に加熱したオイルバスに浸け、強撹拌しつつ、メタノールが突沸しない程度に徐々に真空度を上げていくことによりメタノールを留去し、ポリオルガノシロキサンP−2(23℃における粘度50ポイズ)を得た。ICP−MSイオン分析の結果、P−2中のナトリウムイオン濃度は1ppm未満であった。
[合成例3]
(ポリオルガノシロキサンP−3の合成)
合成例1におけるTIPをテトラ−iso−プロポキシジルコニウムとした以外は合成例1と同様にして、ポリオルガノシロキサンP−3(23℃における粘度78ポイズ)を得た。
[実施例1]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−1の調製)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ製IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを0.5質量部、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(昭和電工(株)製 カレンズMT BD1)を25質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8 日本油脂製PDT−650)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを30質量部、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニング製217フレーク)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを40質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−1を得た。
(リソグラフィー特性評価:有機薄膜上への接着性)
ポリ(メタクリル酸グリシジル)の10%メチルエチルケトン溶液(和光純薬工業(株)製)をスピンコーター(東京エレクトロン製 型式名クリーントラックマーク7)を用いて5インチシリコンウエハー上に塗布し、160℃で10分間ソフトベークし、膜厚0.8ミクロンのポリ(メタクリル酸グリシジル)からなる有機薄膜が形成されたシリコンウエハーを得た。
次にワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−1を、スピンコーター(東京エレクトロン製 型式名クリーントラックマーク7)を用いて5インチシリコンウエハー上に塗布し、125℃で12分間ソフトベークし、初期膜厚45ミクロンの塗膜を得た。この塗膜をi線ステッパー露光機(ニコン製 型式名NSR2005i8A)により、CMOSイメージセンサーのレンズアレイ保護用スペーサー構造を模した格子状パターンをデザインした評価用フォトマスクを通して、露光量を100〜900mJ/cm2の範囲で横方向に100mJ/cm2ずつ、フォーカスを16ミクロン〜32ミクロンの範囲で縦方向に2ミクロンずつ、それぞれ段階的に変化させて露光した。露光から30分後、現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、未露光部が完全に溶解消失するまでの時間に1.4を乗じた時間の回転スプレー現像を施し、引き続きiso−ブチルアルコールで10秒間回転スプレーリンス処理を施して格子状のレリ−フパターンを得た。
得られたレリーフパターンを光学顕微鏡下で目視観察し、現像部分の残滓の有無(○:残滓なし、△:局所的に僅かに残滓あり、×:残滓多し)、パターンの膨潤の有無(○:膨潤なくシャープ、△:局所的に僅かに膨潤、×:明らかに膨潤)、基材からの浮き上がりやはがれなどの有無(○:浮き上がりやはがれなし、△:局所的に僅かに浮き上がりやはがれあり、×:全面かもしくは明確な浮き上がりやはがれあり)を評価した。結果を表1に示す。
(低温硬化特性:硬化フィルムの引張り伸度の評価)
上記組成物を、上述のリソグラフィー特性評価と同様にして、5インチシリコンウェハー上にアルミニウムを真空蒸着した基材上に塗布、ソフトベークした後、縦型キュア炉(光洋サーモシステム製、形式名VF−2000B)を用いて、窒素雰囲気下、180℃で2時間の加熱硬化処理を施し、硬化後膜厚15μmの樹脂膜を作製した。この樹脂膜を、ダイシングソー(ディスコ製、型式名DAD−2H/6T)を用いて3.0mm幅にカットし、10%塩酸水溶液に浸漬してシリコンウェハー上から剥離し、短冊状のフィルムサンプルとした。
このフィルムサンプルを23℃、相対湿度55%の雰囲気に24時間放置した後、ASTM D−882−88に準拠したテンシロンによる引張り試験を行い、伸度を評価した。結果を表2に示す。
(デガス性評価)
1)5%重量減少温度
熱重量減少測定装置(島津製、形式名TGA−50)を用い、5%の重量減少を指し示す温度を測定した。測定条件は、測定温度範囲25℃〜450℃、昇温速度10℃/min、窒素雰囲気である。
2)150℃均熱重量減少率
同じくTGA−50を用い、150℃均熱処理時における重量減少率(単位%)を測定した。測定条件は、150℃までの昇温速度10℃/min、150℃での均熱処理時間22時間、窒素雰囲気である。
(加熱硬化後の体積収縮率の評価)
上記引張り伸度評価用のサンプルを作成するに際して行った、縦型キュア炉を用いた180℃で2時間の加熱硬化処理(キュア)の前後での塗膜の厚みを触針段差計(KLAテンコール製、型式名P−15)で測定し、その変化率(残膜率、単位%)を算出し、体積収縮率の指標とした。結果を表2に示す。
[実施例2]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−2の調製)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ製IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを0.5質量部、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン)(昭和電工(株)製 カレンズMT NR1)を10質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8 日本油脂製PDT−650)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを30質量部、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニング製217フレーク)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを40質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−2を得た。
上述した実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1をポリオルガノシロキサン組成物C−2に変更しリソグラフィー特性、低温硬化特性、デガス性、及び加熱硬化時の体積収縮率の評価を同様に行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例3]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−3の調製)
1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン)(昭和電工(株)製 カレンズMT NR1)を25質量部に変更した以外は実施例2と同様にして、ポリオルガノシロキサン組成物C−3を得た。
上述した実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1をポリオルガノシロキサン組成物C−3に変更しリソグラフィー特性、低温硬化特性、デガス性、及び加熱硬化時の体積収縮率の評価を同様に行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例4]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−4の調製)
合成例1で得られたポリオルガノシロキサンP−1を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ製IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを0.5質量部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート(昭和電工(株)製 カレンズMT PE1)を25質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8 日本油脂製PDT−650)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを30質量部、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニング製217フレーク)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを40質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−4を得た。
上述した実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1をポリオルガノシロキサン組成物C−4に変更しリソグラフィー特性、低温硬化特性、デガス性、及び加熱硬化時の体積収縮率の評価を同様に行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例5]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−5の調製)
ポリオルガノシロキサンとして合成例2のP−2を用いた以外は実施例3と同様にして、ポリオルガノシロキサン組成物C−5を得た。
上述した実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1をポリオルガノシロキサン組成物C−5に変更しリソグラフィー特性、低温硬化特性、デガス性、及び加熱硬化時の体積収縮率の評価を同様に行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例6]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−6の調製)
ポリオルガノシロキサンとして合成例3のP−3を用いた以外は実施例3と同様にして、ポリオルガノシロキサン組成物C−6を得た。
上述した実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1組成物をポリオルガノシロキサン組成物C−6に変更しリソグラフィー特性、低温硬化特性、デガス性、及び加熱硬化時の体積収縮率の評価を同様に行った。結果を表1及び表2に示す。
[比較例1]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−7の調製)
合成例3で得られたポリオルガノシロキサンP−3を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ製IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを0.5質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8 日本油脂製PDT−650)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを30質量部、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニング製217フレーク)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを40質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−7を得た。
上述した実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1をポリオルガノシロキサン組成物C−7に変更しリソグラフィー特性、低温硬化特性、デガス性、及び加熱硬化時の体積収縮率の評価を同様に行った。結果を表1及び表2に示す。
[比較例2]
(ポリオルガノシロキサン組成物C−8の調製)
合成例3で得られたポリオルガノシロキサンP−3を100質量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ製IRGACURE369)を4質量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを0.5質量部、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオン酸を20質量部、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(テトラメチレングリコールユニット数8 日本油脂製PDT−650)を30質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを30質量部、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニング製217フレーク)を150質量部、N−メチル−2−ピロリドンを40質量部、それぞれ計量混合し、孔径0.2ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過し、ワニス状のポリオルガノシロキサン組成物C−8を得た。
上述した実施例1におけるポリオルガノシロキサン組成物C−1組成物をポリオルガノシロキサン組成物C−8に変更しリソグラフィー特性、低温硬化特性、デガス性、及び加熱硬化時の体積収縮率の評価を同様に行った。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0004932527
Figure 0004932527
本発明の実施例は、優れたリソグラフィー特性と低温硬化特性を示し、加熱硬化時の体積収縮が極めて小さく、また加熱硬化後も優れた耐熱性と低デガス性を高レベルで達成している。
比較例1は本発明の必須成分である多価チオール化合物を適用しない場合であるが、有機薄膜への接着性はもとより、低温硬化性も本発明に劣る。
比較例2は本発明の必須成分である多価チオール化合物ではなく1価チオール化合物を適用した場合であるがこれも有機薄膜への接着性及び低温硬化性が本発明に劣る。
本発明のポリオルガノシロキサン組成物は、電子部品の絶縁材料や半導体装置における表面保護膜、層間絶縁膜、α線遮蔽膜などの形成、およびイメージセンサーやマイクロマシン、あるいはマイクロアクチュエーターを搭載した半導体装置等およびその形成に使用される樹脂組成物として好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 下記(a)〜(c)の各成分を含むポリオルガノシロキサン組成物。
    (a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、及び下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を混合し、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン100質量部
    Figure 0004932527
    (Rは、少なくとも芳香族基を1つ含む炭素数6〜20の基である。)
    Figure 0004932527
    は炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基であり、Rはメチル基またはエチル基である。)
    (b)光重合開始剤0.2〜20質量部
    (c)1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン)、またはペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)から選択されるスルファニル基を少なくとも2つ以上含む多価チオール化合物1〜50質量部
  2. 前記触媒が下記一般式(3)及び下記一般式(4)で示される金属アルコキシドからなる群より選択される少なくとも1種の金属アルコキシド、アルカリ金属水酸化物並びにアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1記載のポリオルガノシロキサン組成物。
    Figure 0004932527
    (Mはケイ素、ゲルマニウム、チタニウムまたはジルコニウムのいずれかを示し、R7は炭素数1〜4のアルキル基である。)
    Figure 0004932527
    (Mはホウ素またはアルミニウムを示し、R7は炭素数1〜4のアルキル基である。)
  3. 前記触媒として、前記一般式(3)及び前記一般式(4)で示される金属アルコキシドからなる群より選択される少なくとも1つの金属アルコキシドを用いることを特徴とする請求項2記載のポリオルガノシロキサン組成物。
  4. 前記触媒として、更に、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることを特徴とする請求項3記載のポリオルガノシロキサン組成物。
  5. 基材上に請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオルガノシロキサン組成物を塗布して塗布膜を得る工程、パターニングマスクを介して該塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該塗布膜の未硬化の部分を除去する工程、該基材ごと加熱する工程からなる、ポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターンの形成方法。
  6. 請求項5に記載の方法によって得られるポリオルガノシロキサン硬化レリーフパターン。
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