JP4931703B2 - 液体吐出装置及びその清掃装置の検査方法 - Google Patents

液体吐出装置及びその清掃装置の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置及びその清掃装置の検査方法に係り、特に、払拭部材で液体吐出装置の吐出口面を払拭する清掃装置を備えた液体吐出装置及びその清掃装置の検査方法に関する。
従来より、インク等の液体を液滴として吐出するノズル(液滴吐出口)を多数配列したインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を備え、このインクジェットヘッドと記録媒体を相対的に移動させながら、記録媒体に向けてノズルからインク(インク液滴)を吐出することにより、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置等の液体吐出装置が知られている。
インクジェット記録装置は、ノズルのすぐ近くを搬送される記録媒体に向けてノズルからインクを吐出しているため、記録媒体上に吐出されたインクが跳ね返ってノズル面(液滴吐出ヘッドのノズルが形成されている面)に付着したり、吐出されたインクの一部がノズル面に残ったり、あるいは搬送される記録媒体の紙粉等のゴミがノズル面に付着する。このように、ノズル面が汚れていると、ノズルから吐出されるインク液滴の飛翔方向が曲がったり、ノズルが目詰まりしてインクを吐出できなかったりする吐出不良が発生する。そこで、従来から、ノズル面を清掃するためのさまざまな方法が知られている。
例えば、ゴムなどの柔軟材でできたブレード(ワイパー)によってノズル面を払拭(ワイピング)し、ノズル周辺の付着物を除去するヘッドクリーニング方法が従来より広く用いられている。しかし、この方法では、ブレードをノズル面に対して接触させながらワイピングしているためブレードが摩耗、劣化する。このような劣化したブレードでは清掃性能が低下するとともに、場合によっては、摩耗したブレードによってノズル面を傷付けたり、ノズル面の撥液処理等の表面処理を劣化させる虞れがある。
これに対して、例えば、ブレード部材を含むワイピング手段の清掃能力を特定する清掃能力特定手段を有し、特定された清掃能力に応じて清掃能力を回復させるようにし、特に、吐出面とブレード部材の当接圧を検出する当接圧検出手段を含んで清掃能力特定手段を構成し、当接圧を測定することによってブレード部材の摩耗量を特定し、ブレード部材の当接条件を制御するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2006−95881号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは、ブレード部材のエッジ部全体の当接圧を検出するものであって、ブレード部材のエッジ部の全体的な摩耗による清掃性能の低下を判定することはできるが、ブレード部材エッジ部の部分的な微細な形状変化を検出することはできない。
一方、ノズル面に付着している固形物やノズルのエッジ、ノズルのザグリ部の段差等により、ブレード部材のエッジ部が、局所的に、例えばクサビ状に欠落したりすると、その欠落した部分ではノズル面を払拭することができず、その部分にスジ状の拭き残しが発生する等、ノズル面の清掃性能が著しく低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ノズル面を払拭する払拭部材先端部のエッジ形状の微細な部分的な形状変化を検出するとともに、払拭部材の交換時期を予想し、払拭部材の交換頻度を低減することのできる清掃装置を備えた液体吐出装置及びその清掃装置の検査方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液滴を吐出するノズルを有するノズルプレートを備えた液体吐出ヘッドと、前記ノズルプレートのノズルが形成されたノズル面を払拭する払拭部材と、前記払拭部材の前記ノズル面を払拭する先端部を接触させることができる検出板を有し、前記検出板の状態に基づいて前記払拭部材の前記先端部のエッジ形状を検出するエッジ検出手段と、前記エッジ検出手段の検出結果に基づいて前記払拭部材を交換する時期を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする液体吐出装置を提供する。
これにより、払拭部材の先端部のエッジ形状を正確に検出することができるため、払拭部材の交換時期を正確に判断でき、安定した払拭性を確保することができ、払拭部材の交換頻度を低減させ、生産性の向上を図ることができる。
また、請求項2に示すように、前記エッジ検出手段は、前記払拭部材の先端部を前記検出板に接触させる際、前記先端部に付着している液体を前記検出板に付着させることで前記先端部の接触跡を前記検出板に残すとともに、前記検出板に残された接触跡を撮像する撮像手段と、前記接触跡を撮像した画像を処理する画像処理部を含むことを特徴とする。
このように、払拭部材先端部のエッジ形状を直接観測するのではなく、検出板に転写されたエッジ跡を観測することにより、微細なエッジ形状の変化を検出することが可能となる。
また、請求項3に示すように、前記検出板に付着される前記先端部に付着している液体は、前記払拭部材が前記ノズル面を払拭した際に前記先端部に付着した前記液体吐出ヘッドから吐出される液体であることを特徴とする。
このように、払拭部材が払拭した液体吐出ヘッドが吐出する液体(インク)をそのまま検出板に付着させてその跡を検出するようにしたことで、簡単な装置構成でエッジ形状の検出を行うことができる。
また、請求項4に示すように、請求項2に記載の液体吐出装置であって、さらに、前記先端部に塗布液を塗布する塗布手段を有し、前記検出板に付着される前記先端部に付着している液体は、前記塗布手段によって塗布された塗布液であることを特徴とする。
また、請求項5に示すように、前記塗布液は、前記液体吐出ヘッドから吐出される液体であることを特徴とする。
また、請求項6に示すように、前記塗布液は、前記液体吐出ヘッドから吐出される液体よりも表面張力または粘度が小さい液体であることを特徴とする。
このように、液体吐出ヘッドが吐出する液体(インク)の種類に応じて、エッジ検出を行うのに適当な塗布液を選ぶことでエッジ検出を容易にすることができる。
また、請求項7に示すように、前記判定部は、前記エッジ検出手段が検出したエッジ形状におけるエッジの欠けの長さまたはエッジの幅の最小値と最大値の比を所定の閾値と比較することにより前記払拭部材の交換時期を判定することを特徴とする。
このように、エッジの幅から払拭部材の交換時期を判定することで、交換時期を正確に判断することができ、払拭部材の安定した払拭性を確保することができる。
また、請求項8に示すように、請求項1に記載の液体吐出装置であって、前記エッジ検出手段は、前記検出板が払拭部材が接触すると電気的信号を発生する圧電素子を多数配置して構成されるとともに、さらに、前記圧電素子からの信号を画像情報に変換する信号処理部を有することを特徴とする。
このように、液体を検出板に付着させてその跡を検出するのではなく、圧力を測定することでエッジ形状を検出するようにしたため、液体が付着した検出板の清掃や塗布液を払拭部材に塗布したりする等の処理が不要となり、装置構成が簡単になる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、液体吐出ヘッドの、液滴を吐出するノズルが形成されたノズルプレートのノズル面を、液体吐出ヘッドの清掃装置の払拭部材で払拭し、前記払拭部材が前記ノズル面を払拭した先端部を検出板に接触させ、前記検出板に残された前記先端部の接触跡を検出することにより前記先端部のエッジ形状を検出し、前記エッジ形状の検出結果に基づいて前記払拭部材を交換する時期を判定することを特徴とする液滴吐出装置の清掃装置の検査方法を提供する。
これにより、払拭部材の先端部のエッジ形状を正確に検出することができるため、払拭部材の交換時期を正確に判断でき、安定した払拭性を確保することができ、払拭部材の交換頻度を低減させ、生産性の向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、払拭部材の先端部のエッジ形状を正確に検出することができるため、払拭部材の交換時期を正確に判断でき、安定した払拭性を確保することができ、払拭部材の交換頻度を低減させ、生産性の向上を図ることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る液体吐出装置及びその清掃装置の検査方法について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る液体吐出装置としてのインクジェット記録装置の第1実施形態の概略を示す全体構成図である。
図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド(インクジェット記録ヘッド)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。
図2に示すように、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
次に、印字ヘッドについて説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを表すものとし、図3(a)に、本実施形態の印字ヘッド50の平面透視図を示す。
図3(a)は、ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)は、その一部の拡大図である。また、図4は、ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図であり、図5は、一つの液滴吐出素子(一つのノズル51に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図3中の5A−5B線に沿った断面図)である。
記録紙16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a)、(b)に示したように、インク滴の吐出口であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録紙16の送り方向と略直交する方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a)の構成に代えて、図4に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドユニット50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル51に対して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており(図3(a)、(b)参照)、対角線上の両隅部にノズル51への流出口と供給インクの流入口(供給口)54が設けられている。なお、圧力室52の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など多様な形態があり得る。
図5に示したように、各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインクタンク(図5においては図示省略)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは図5の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の一部(図5において天面)を構成している加圧板(振動板)56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されている。個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形して圧力室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化により圧力室52内のインクがノズル51から吐出される。なお、アクチュエータ58には、ピエゾ素子などの圧電体が好適に用いられる。インク吐出後、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
図6はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60は印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示省略)からインクを補充する方式と、タンクごと
交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を替える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図6に示したように、インクタンク60と印字ヘッド50を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図6には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面(吐出口面)50Aの清掃装置を構成するワイパーブレード(クリーニングブレード)66とが設けられている。
これらキャップ64及びワイパーブレード66を含むメンテナンスユニットは、記録紙16の搬送経路外に配置され、図示を省略したヘッド移動手段によって印字ヘッド50がワイプ位置まで移動されるようになっている。あるいはメンテナンスユニット側が印字ヘッド50に対して移動可能とし、必要に応じてメンテナンスユニットを所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動するようにしてもよい。
キャップ64は、図示しない昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
ワイパーブレード66は、ゴム、多孔質体あるいは樹脂などの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動手段により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル面50A)に沿って記録紙搬送方向に摺動可能である。ブレード移動手段は、特に限定されるものではないが、例えばボールねじ搬送、ベルト・プーリ搬送あるいはラック・ピニオン搬送などが好適に用いられる。
ノズル面50Aにインク液滴又は異物が付着した場合、ワイパーブレード66をノズル面50Aに摺動させることでノズル面50Aを拭き取り、ノズル面50Aを清浄化するようになっている。ワイパーブレード66は、各色の印字ヘッド50(12K、12C、12M、12Y)毎に設けられた複数のワイパーブレード66を一体で移動させてもよいし、あるいはそれぞれを独立に移動させてもよい。
なお、本発明に係る液滴吐出装置としてのインクジェット記録装置10は、清掃装置を構成するワイパーブレード66がノズル面50Aに接触する先端部のエッジ形状を検出し、ワイパーブレード66の交換時期を判定する手段を備えているが、これについては後で詳しく述べることとする。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内のインク)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、ヘッドへのインクの初期装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われ、粘度が上昇して固化した劣化インクが吸い出され除去される。
すなわち、印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用の圧力発生手段(圧電素子)が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(圧力発生手段の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、圧力発生手段を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクをインク受けに向かって吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃装置を構成する手段として設けられているワイパーブレード66等の払拭部材によってノズル面50Aの汚れを清浄化した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、上述したような吸引動作を行う。
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、圧力発生手段を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面50Aに、キャップ64を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクを吸引ポンプ67で吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図6で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
また、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とすることが好ましい。
次に、印字ヘッド50の清掃装置を構成するワイパーブレード66の払拭部のエッジの状態を検出してワイパーブレード66の交換時期を判定する手段について詳しく説明する。
図7に、印字ヘッド50の清掃装置を構成するワイパーブレード66の先端部のエッジ形状を検出する様子を示す。
図7に示すように、ワイパーブレード66は、印字ヘッド50のノズル面50Aを払拭する払拭部66aと、払拭部66aを支持してノズル面50Aに沿って移動する支持部66bからなっている。払拭部66aは、HNBR、シリコンあるいはEPDM等の弾性部材で形成されている。
また、印字ヘッド50の一方の端部外側には、ノズル面50Aの延長方向にノズル面50Aと略同一平面を形成するように検出板70が配置されている。検出板70は、ワイパーブレード66の払拭部66aを接触させて払拭部66aに付着しているインクを付着させて、払拭部66aのエッジ形状を転写させるためのものである。
また、検出板70の表面に付着したインクの跡(エッジ形状の跡)を撮像するラインCCD72と、ラインCCD72により取り込まれたインク跡(エッジ跡)の画像解析を行い払拭部材(払拭部66a)のエッジ形状を検出する画像処理部73、及び検出されたエッジ形状に基づいて払拭部材の交換時期を判定する判定部75が設置されている。
なお、図7(a)に示すように、ワイパーブレード66の払拭部66aの先端部は、印字ヘッド50のノズル面50Aよりも長さdだけ上に突き出ている。
これにより、図7(b)に示すように、支持部66bがノズル面50Aに沿って矢印で示すように移動すると、払拭部66aの先端部がノズル面50Aを摺擦することとなる。そこで、この払拭部66aと印字ヘッド50との重複分dを接触量あるいはラップ量とも言う。このdの値は、例えば、1〜2mmである。このように払拭部66aでノズル面50Aを摺擦すると払拭部66aの先端部にはノズル面50Aのインクが付着する。
次に、図7(c)に示すように、ワイパーブレード66の払拭部66aは、印字ヘッド50のノズル面50Aを払拭した後、引き続きノズル面50Aと略同一平面を形成する検出板70を摺擦し、検出板70の略中央部で停止する。このとき、払拭部66aの先端部にはノズル面50Aのインクが付着しているため、検出板70表面には払拭部66aが接触した跡(接触跡)が転写される。これにより、払拭部66aのエッジ形状が検出板70に転写される。
その後、図7(d)に示すように、ワイパーブレード66は払拭部66aが検出板70から離れるように下方へ移動して、待機位置で待機する。一方、ラインCCD72は検出板70の下側に移動して、ワイパーブレード66の払拭部66aが接触して検出板70の表面に転写されたエッジ跡の画像を撮像する。
ラインCCD72が撮像した検出板70表面のエッジ跡の画像は、画像処理部73へ送られ、画像解析が行われ、払拭部66aの先端部のエッジ形状が検出される。そして、判定部75において、検出されたエッジ形状に基づいて払拭部材の交換時期の判定が行われる。
このように検出板70の表面に残された払拭部66aの先端部のエッジ跡(接触跡)から払拭部66aの形状を検出するため、検出板70としては、エッジ跡が検出し易いように、検出するインクの色に対してコントラストの高いものを用いるのがよい。例えば、黒インクを検出する場合には、白い検出板が好ましい。
また、検出板70の材質としては、インクを吸収するような吸収体でもよいし、インクを吸収しない非吸収体でもよい。非吸収体の検出板を用いる場合には、インクが付着し易いように、検出板70の表面エネルギーを小さくしておくとよい。あるいは、このとき検出板70の表面にわずかな凹凸を設けておくのも効果的である。非吸収体の検出板70の場合には、検出後はワイパーブレード66で検出板70に付着したインク跡を払拭するようにしてもよい。
一方、検出板70として吸収体を用いた場合には、検出面と垂直な方向へのインクの吸収が早くなるように検出板70に対して粒子を塗布した、例えばインクジェット光沢用紙のようなものを検出板の表面に貼り付けて用いると、付着したインクが検出面水平方向に広がる前に検出板70内部に吸収されるため、払拭部66aの正確なエッジ形状の測定が可能になる。なお、吸収体を用いた場合には、再度払拭部66aのエッジ形状の検出をするときには、検出板70の表面に貼り付けた吸収紙などを交換する。
図8に、検出板70に残された払拭部66a先端部のインク跡(接触跡)を示す。
前述したように、払拭部66aが検出板70表面を摺擦した後、検出板70の略中央部で停止したため、図8に示すように、検出板70の略中央部に払拭部66aが停止したことを示す直線状の濃いインク跡74がエッジ跡として形成されている。図8においては、この直線状のインク跡74の左側に、払拭部66aが検出板70表面を摺擦した跡が薄く形成されている様子を示したが、検出板70が吸収体の場合にはこのように摺擦跡が残るが、検出板70が非吸収体の場合にはこのような摺擦跡は残らない。
図8(a)に示す例においては、インク跡74は、幅の太い部分74aと細い部分74bを有している。幅の細い部分74bは払拭部66aの先端部が磨耗していることを示すと考えられる。ラインCCD72で撮像したこの検出板70表面の画像を解析することにより、インク跡74の幅の太い部分74aの幅d1及び細い部分74bの幅d2を検出する。また、図8(b)に示す例においては、インク跡74は一部が欠けている。この場合には、画像解析により、この欠けた部分(欠落部)76の長さd3を検出する。
このように、検出板70表面をラインCCD72で撮像した画像を画像処理部73において画像解析することにより、インク跡74の最大幅、最小幅、欠落部の有無、欠落部の長さを検出し、判定部75においてその検出値に基づいて、ワイパーブレード66の払拭部66aの先端部の磨耗を検出し、ワイパーブレード66(払拭部66a)の交換の必要性や交換時期を判定する。
このように、本実施形態においては、ワイパーブレード66の払拭部66aの先端部を接触させてインクを転写することが可能な検出板70と、検出板70に転写されたインク跡74を撮像するラインCCD72及び取り込んだ画像を解析する判定部75とによってワイパーブレード66の払拭部66a先端部のエッジ形状を検出するようにしている。
このように払拭部66aの先端部を検出板70に接触させてそのインク跡74を検出することにより間接的に払拭部66a先端部のエッジ形状を検出するようにしているのは、払拭部66aの先端部を直接撮像装置で撮像してそのエッジ形状を検出する方法では、払拭部66a先端部の磨耗している部分とそうでない部分のコントラストが取れないため、撮像装置が大型化し、高コスト化したり、また3次元の形状をそのまま取り込むのでは、データ量も多く、時間がかかり効率が悪く、さらにその分の記憶容量も必要となるという問題があるからである。
そこで本実施形態においては、上述したように払拭部66aの先端部のエッジ跡(インク跡74)を一度検出板70に転写することで、3次元の情報を2次元化することで情報量を減らすようにしている。また、このとき転写の際に、払拭部66aの先端部から検出板70に転写する液として、検出板70に対してコントラストの高い塗布液(上記実施形態においては、インク)を用いることにより、エッジ形状を際立たせて、取り込むことが可能となる。
図9に、ワイパーブレードの他の例を示す。図9に示すワイパーブレード66’の払拭部66a’は、四角柱の内部をくり抜いた四角い筒状をしており、4つの払拭部66a’−1、66a’−2、66a’−3、66a’−4を有している。また払拭部66a’が固定される支持部66b’は、図示を省略した回転機構により、図に矢印で示したように回転可能である。
本実施形態におけるワイピング動作は図7に示すように一方向にのみ行っているため、例えば、今払拭部66a’−1を用いてワイピングを行っていたときに、払拭部66a’−1が磨耗した場合には、支持部66b’を図9の矢印の方向に90°回転させ、次には払拭部66a’−2を用いてワイピングを行うようにし、結局図9に示すワイパーブレード66’では、4つの側面を払拭部材として利用することができる。従って、その分払拭部66a’の交換頻度を低減することができる。
図9に示す例では、払拭面を4面有しているため、図7に示すように払拭面が1つの場合に対し、払拭部材の交換頻度を1/4にすることができる。また、このように四角柱をくり抜いたもの以外にも、例えば三角柱をくり抜いた払拭面を3つ有するような払拭部としてもよく、逆により多くの払拭面を有するようにしてもよい。さらに、このとき1つの払拭面のワイピング幅が印字ヘッド50の払拭幅よりも大きければ、1回のワイピングでノズル面の払拭が済むので好ましい。
また、このように角柱の内部をくり抜いた筒状の払拭部の側面を払拭面に用いると、払拭面の両端が他の払拭面の端部で保持される構造となるので、払拭面の端部での反りやダレ等の変形が起こりにくい。その結果、本実施形態のように、払拭部先端部の形状を検出板に転写させてそのエッジ跡を検出するような方法の場合、払拭部の端部の形状が検出に及ぼす影響を少なくすることができるという利点がある。
さらに、払拭部側面の4面を払拭面として利用できることにより払拭部材の交換頻度を低減し交換周期を長くすることができるのみならず、上述したように払拭面の両端が他の払拭面の端部で保持される構造となるので劣化し難くいためより一層交換周期を長くすることができる。また、払拭面の両端を保持するような構造となっているため、図7のような両端の保持がない払拭部材に比べて、印字ヘッドのノズル面に対して均一に払拭の押し圧をかけることができるため、払拭ムラが起き難いという利点も有している。
次に、図10のフローチャートに沿って、ワイパーブレード66の払拭部66aのエッジ形状を検出し、その払拭部材の交換時期を判断する方法について説明する。
インクジェット記録装置10がメンテナンスモードに移行すると、まず図10のステップS100において、印字ヘッド50内の劣化したインクを強制的に排除する吸引動作を行う吸引ルーチンを実行する。
図11に吸引ルーチンを示す。
吸引ルーチンにおいては、図11に示すように、まずステップS200において、ノズル面をキャップする。すなわち、キャップ64を印字ヘッド50に密着させて、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ64で覆う。
次に、ステップS202において、キャップ64を印字ヘッド50に密着させた状態で、吸引ポンプ67を駆動し、キャップ内を負圧にする。吸引ポンプ67の駆動時間はタイマーT1によって管理される。ステップS204において、駆動時間がT1に達したか否か判断され、駆動時間がT1になるまで吸引ポンプ67を駆動し、タイマーT1経過後、ステップS206において吸引ポンプ67の駆動を停止する。これにより、印字ヘッド50内のインクが吸引されるとともに、ノズル面50Aにインクが付着する。
なお、吸引時には印字ヘッド50内のインクの背圧を高くするようにしても良い。このように背圧を高くして、吸引ポンプ67の吸引力をサポートすることで吸引ポンプ67の能力を下げることができる。
吸引ポンプ67の駆動を停止した後、タイマーT2までそのままの状態を維持する。このタイマーT2で規定される時間は、ノズル面50Aに付着した物を溶解させるための時間である。これにより、ノズル面50Aの付着物が確実に溶解または遊離し、その後のワイパーブレード66による払拭性が向上する。
ステップS208において、吸引ポンプ67停止後タイマーT2が経過したか否か判断し、タイマーT2経過後、吸引ルーチンを終了して図10に示すメインのフローに戻る。
次に図10のステップS102において、ワイパーブレード66によるノズル面50Aの払拭(ワイピング)を開始する。
具体的には、図7(a)に示すように、ワイパーブレード66を待機位置(退避位置)から印字ヘッド50のノズル面50Aに払拭部66aの先端部が接触する位置まで移動する。このとき図7(a)に示すように、払拭部66a先端部とノズル面50Aとの重複量(接触量あるいはラップ量)は、1〜2mmである。
ノズル面50Aは、ステップS100における吸引によりインクが付着して十分に湿っている。このノズル面50Aに付着したインクをワイパーブレード66の払拭部66aで掻き取るように払拭(ワイピング)する。
次に、ステップS104において、払拭部材の検査を行うか否か判断する。払拭部材の検査を行うタイミングは特に限定されるものではなく、例えば、一定払拭回数毎、ユーザが指定した時、ジャムなどが発生した場合の復帰動作時あるいは長期放置後の回復動作時などが考えられる。なお、払拭部材の検査を行うか否かの判断は、メンテナンスシーケンスの前に行うようにしてもよい。
払拭部材の検査を行わない場合には、ステップS106において、払拭部66aが印字ヘッド50の端部までノズル面50Aを払拭したところで停止し、ステップS108において、ワイパーブレード66を退避させ、ステップS124へ進み、ホームポジションに移動させ、そこで待機するようにする。
一方、ステップS104の判断で、払拭部材の検査を行うとした場合には、ステップS110において、印字ヘッド50の端部までノズル面50Aの払拭を行ったワイパーブレード66を、図7(c)に示すように検出板70まで移動させ、払拭部66aを検出板70表面に接触させる。
そして、ステップS112において、払拭部66aが検出板70の中央部付近で表面に接触した状態でわずかな時間ワイパーブレード66を停止させる。払拭部66aの先端部を検出板70表面に接触させたまま停止することで、払拭部66aに付着しているインクが検出板70に転写される。このように、払拭部66aの先端部を検出板70表面に接触させてわずかな時間停止することにより転写するインクの量を多くすることができ、検出するエッジ跡をより鮮明にすることができる。
次にステップS114において、払拭部66aを検出板70表面から離間させ、ワイパーブレード66を図7(d)に示すように待機位置へ移動する。
このように払拭部66aの先端部を検出板70表面に接触させて、そのエッジ跡を検出板70に転写する際、図7に示すように検出板70表面をノズル面50Aと略同一平面となるよう、ノズル面50Aの延長上に検出板70表面を配置すれば、ノズル面50Aの払拭に引き続いて検出板70表面を摺擦することができ、ワイパーブレード66に新たな動作をさせることなく、払拭部66aを検出板70表面に接触させることができる。
さらに、検出板70をノズル面50Aよりも、払拭部66aとノズル面50Aとの重複量(接触量、ラップ量)よりも少ない分だけ高い位置に(例えば、重複量が2mmなら、1mmだけ検出板70をノズル面50Aより高く)配置すれば、払拭部66a先端部が磨耗していると検出板70表面に当たり難くなり、先端部のエッジ形状をより厳しく検査することができる。
このとき、検出板70の設置位置は固定するのではなく、上下に移動可能とする機構を設けてもよい。検出板70の設置位置を高くすると、厳しい条件でのエッジ検出を行うことができる。また、複数の高さ位置での検出を併用すると、精度の高いエッジ検出を行うことができる。さらに、払拭部材交換と判定する閾値となるまでの残量、すなわち払拭部材を交換するまでの残り払拭回数、あるいはおよその残りの通紙枚数を算出することもできる。
次に、ステップS116において、図7(d)に示すように、ラインCCD72で構成された撮像部を検出板70の下側に移動させる。そして、ステップS118において、撮像部で検出板70をスキャンして、その表面に転写された払拭部66aのエッジ跡を撮像し、撮像した画像からエッジ形状を検出し払拭部材の交換を判定する画像解析ルーチンを実行する。
図12に画像解析ルーチンを示す。
まず、図12のステップS300において、ラインCCD72で撮像した検出板70表面のエッジ跡の画像をメモリに保存する(撮影画像の一次的保存)。
次に、ステップS302において、画像処理部73において、一次的に保存された画像データに対して各画素の濃度を所定の基準値と比較して各画素の値を0(白)か1(黒)の2値の値に正規化し、画像データを2値化する。また、画像処理部73における画像処理としては、予め撮影されたインクが転写されていない状態の検出板70の画像と今回撮影されたインク跡(エッジ跡)の画像との差分を取ること、明るさ補正や輪郭補正、インクの色による補正、画像の位置補正などの処理が含まれている。上記2値化されたエッジ跡(インク跡)の画像を用いて、値1(黒)の画素数を計算することにより、後述するような欠陥部や線幅の長さが算出される。
次に、ステップS304において、図8(b)のような線状のインク跡74に欠落部76が存在しないかを判定する。線状のインク跡74に欠落部76が存在する場合には、ステップS306において、欠落部76の長さを検出し、それが閾値以上かどうか判断する。本実施形態では、欠落部の判定に用いる閾値は1mmとしている。欠落部76の長さがこの閾値以上ある場合には、払拭部材の交換が必要であると判定し、ステップS308において、払拭部材交換フラグを立て、この画像解析ルーチンを抜ける。
一方、ステップS304において線状のインク跡74に欠落部76が存在しないとされた場合、あるいはステップS306において、欠落部76があったとしても欠落長さが閾値より小の場合には、次のステップS310へ進み、線幅を求める処理を行う。
すなわち、まずステップS310において、図8(a)に示すような線状のインク跡74の幅(線幅)の最大値d1を算出する。次に、ステップS312において、線幅の最小値d2を算出する。この最大値d1及び最小値d2の求め方としては、ここでは、線状のインク跡74をその長手方向に複数のブロックに分割し、その各区間での平均幅を求め、その平均幅が最大のものと最小のものを求めるようにした。分割する長さは欠落長さの閾値より小さい方が好ましいが、あまり小さすぎると計算時間が掛かってしまう。本実施形態では、分割した1ブロックの長さを0.5mmとした。
次に、ステップS314において、エッジの幅の最小値と最大値の比として判定指数D=(最小値/最大値)を計算する。そして、ステップS316において、判定指数Dを閾値(幅閾値)と比較する。本実施形態では、この幅閾値は0.8としている。判定指数Dがこの閾値以上の場合は、払拭部材の交換は不要であるとしてこの画像解析ルーチンを抜ける。
一方、判定指数Dがこの閾値より小さい場合には、払拭部材を交換する必要があると判断し、ステップS308へ進み、払拭部材交換フラグを立てて画像解析ルーチンを抜ける。
上述したように、本実施形態では、欠落長さの閾値は1mm、判定指数Dの幅閾値は0.8mmとしたが、これらの閾値は、払拭部材の材質やノズル面への押し圧、払拭部材と印字ヘッド(ノズル面)との重複量(接触量、ラップ量)、インクの粘度や表面張力、ノズル面の撥液膜の表面エネルギーに依存するため、事前にこれらの値を評価して求めておく必要がある。なお、本実施形態においては、使用頻度の異なる払拭部材を複数用意し、同一環境下で払拭し、拭きムラが残ったものをエッジ検出して求めた。
画像解析ルーチンを抜けた後、再び図10のフローチャートに戻り、ステップS120において、ラインCCD72(撮像部)を退避する。そして、ステップS122において、検出板初期化ルーチンを実行する。検出板初期化ルーチンでは、検出板70に付着したインクの除去や、洗浄などのクリーニングあるいは必要に応じて交換などが行われる。また、検出板の汚れ等を事前に撮像して実データの画像を補正するプレスキャンが行われる。また、検出板が移動する場合には、検出板の初期位置検出なども行う必要がある。なお、検出板に付着したインク等を除去するための払拭部材は、印字ヘッドを払拭する払拭部材で兼用してもよい。このときは、検出板を払拭する前に払拭部材自体の清掃をしておくことが好ましい。
最後に、ステップS124において、払拭部材をホームポジション(待機位置)に移動する。ここで払拭部材についたインクの清掃等を行うと、次回の検出の際に増粘したインクによる転写不良等のトラブルを防止することができる。このように払拭部材上でのインク付着を防止できるため、払拭部材の使用頻度を延長することができる。また、払拭部材の清掃動作は、検出板の清掃と並行して行ってもよいし、検出板の清掃に先立って払拭部材の清掃のみを単独で行ってもよい。
以上説明した一連の動作が完了したら、メンテナンスモードを終了する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
前述した第1実施形態における払拭部材のエッジ検出は、ノズル面を払拭した払拭部材をそのまま検出板へ移動し払拭部材を検出板に対して摺擦させて、払拭部材がノズル面から掻き取ったインクを検出板に付着させるようにした、いわば払拭部材の払拭動作を利用して行うものであった。これに対して、本第2実施形態における払拭部材のエッジ検出は、払拭部材がノズル面から掻き取ったインクの代わりに払拭部材に塗布した塗布液を検出板に付着させるようにするものである。そのため、本実施形態のエッジ形状検出手段は、払拭部材に塗布液を塗布する手段を備えている。
図13に、本実施形態に係るインクジェット記録装置における清掃装置の払拭部材のエッジ形状検出手段の概略構成を示す。
図13に示すように、本実施形態の印字ヘッドノズル面の清掃装置は、第1実施形態と同様にゴム等の弾性部材で形成された払拭部166aと、払拭部166aを支持してノズル面(図示省略)に沿って移動するとともに上下にも移動可能な支持部166bからなるワイパーブレード166で構成される。
また、払拭部166aのエッジ形状を検出する手段は、払拭部166aのエッジ跡を転写する検出板170と、検出板170に転写されたエッジ跡を撮像して取り込むラインCCD172、取り込んだエッジ跡の画像を画像処理してエッジ形状を検出する画像処理部173及び検出したエッジ形状に基づいて払拭部材の交換時期を判定する判定部175とで構成される。
また、本実施形態においては、さらに、検出板170にエッジ形状を転写するための塗布液を払拭部166aの先端部に塗布する塗布手段が設けられている。塗布手段は、払拭部166aの先端部に沿って移動しながら払拭部166a先端部に塗布液を塗布する塗布ロール180と、塗布ロール180に塗布液を送る塗布液タンク182及び塗布液供給管184を有している。
塗布液供給管184の途中には弁186が設けられ、塗布ロール180への塗布液の供給が制御可能となっている。また、塗布液タンク182には大気連通口188が設けられている。また、塗布ロール180は、軸180aとその周りに形成された塗布部材180bで構成されている。塗布部材180bは、スポンジ等の多孔質材料で形成され、含浸された塗布液を払拭部166a先端部に塗布する。また、軸180aはガイドレール190上を回転移動するようになっている。
図14に、図13の右側面図を示す。図14に示すように、塗布ロール180は、塗布部材180bがワイパーブレード166の払拭部166a先端部に接触するように、軸180aがガイドレール190上を移動するようになっている。また、軸180aの一方の端部にはピニオンギア192が形成され、ピニオンギア192がラック194と契合することにより、塗布ロール180が移動する。なお、図13では、ピニオンギア192及びラック194は、複雑になるためその図示を省略している。また、図14では判定部175の図示を省略している。
軸180aの内部には空洞が形成され、そこに塗布液供給管184を通じて塗布液タンク182から塗布液が供給される。また、その軸180a内の空洞から軸180aの周囲に形成された塗布部材180bに連通する複数の連通口が形成されており、空洞に供給された塗布液がそこから塗布部材180bに供給されるようになっている。
また、ワイパーブレード166は、図示を省略するが、印字ヘッドのノズル面を払拭(ワイピング)する際、図14において、図の左側から右側に向かって移動する。そしてノズル面の払拭後さらに移動して、図14に示すエッジ形状検出手段及び塗布液の塗布手段の位置まできたところで、図に矢印で示すように、上方に移動して払拭部166a先端部が塗布ロール180の塗布部材180bに接触するようになっている。
塗布ロール180による塗布液の塗布が終了した後、塗布ロール180をワイパーブレード166の上からはずれた位置に移動させた状態で、ワイパーブレード166をさらに上方に移動させ、払拭部166a先端部を検出板170に接触させる。このとき、特に払拭部166a先端部の右側のエッジ形状がよく確認できるように、検出板170を左側より右側の方が下がっているように斜めに傾けて配置することが好ましい。これは、上述したように、ワイパーブレード166は図14で左側から右側に向かって移動しながら払拭動作を行っているため、特に払拭部166a先端部の右側のエッジがより磨耗するからである。
この検出板170を傾ける角度は、特に限定されるものではないが、例えば5度〜30度程度の角度で傾けて配置される。また、ここでは検出板170を傾けて配置しているが、払拭部166a先端部と検出板170との間で相対的な接触角がつけばよいので、検出板170は水平に配置しておき、逆に払拭部166aの方を斜めに傾けて配置してもよいし、払拭部166a先端部を検出板170に接触させるときに斜めに押し当てるようにしてもよい。例えば、前述した第1実施形態において、払拭部166aを斜めに配置するようにしてもよい。
本実施形態のように、払拭部材がノズル面から拭き取ったインクを検出板に付着させてエッジ跡を転写する代わりに、払拭部材に塗布液を塗布して、この塗布液を検出板に転写するようにした場合には、例えば塗布液に低粘度、低表面張力の専用液を使用するため、インクの物性によらず払拭部材上に液を容易に塗ることができる。粘度が高いインクや表面張力が高いインクは払拭部材に塗りにくいが、インクの代わりに塗布液を用いることで、容易に払拭部材に塗布できるようになる。
いままで説明した例では、インクや塗布液を検出板に付着させてインクや塗布液自体の色を検知することによってエッジ跡を検出していたが、このようにインクや塗布液自体の色ではなく、検出板及び塗布液に特殊なものを用いて、塗布液が検出板に付着すると発色するようにして、それを検出するようにしてもよい。例えば、塗布液を酸性またはアルカリ性にしておき、検出板の表面には酸またはアルカリと反応して発色するような溶液を染み込ませた紙を貼り付けておくようにしてもよい。これにより、払拭部材が付着した部分の色が発色するので、それを撮像手段で取り込むようにすればよい。
次に、図15のフローチャートに沿って、本実施形態における払拭部材のエッジ形状検出方法について説明する。
まず図15のステップS400において、払拭部材を塗布位置に移動する。塗布位置は、図13あるいは図14に示すように払拭部材であるワイパーブレード166を塗布ロール180の塗布部材180bに突き当てて停止させる。これにより、払拭部166aへの塗布液の塗りムラを防止できる。
また、塗布位置を決める他の方法としては、パルスモータなどで払拭部材の位置を管理することが可能な形態として、常に払拭部材を同じ位置に移動するようにしてもよい。いずれにしても、払拭部材の位置を常に一定の位置に移動して塗布液を塗布するようにした場合には、払拭部材が磨耗したときには塗布液が塗布されなくなるので、その磨耗部分は検出板上に転写されないため、払拭部材の磨耗を正確に検出することができる。
なお、上に示した例では、塗布液の塗布手段が固定されていて、その位置(塗布位置)に払拭部材が移動して塗布液が塗布されるようになっていたが、払拭部材がノズル面を払拭した後、払拭部材まで塗布ロール180及びガイドレール190が移動して払拭部材に塗布液を塗布するようにしてもよい。
次にステップS402において、塗布ロール180により払拭部材(払拭部166a)に塗布液を塗布する。塗布液としては、例えば、低粘度、低表面張力の塗布液が用いられる。図示を省略した駆動系によりピニオンギア192がラック194上を回転することにより、塗布ロール180の軸180aがガイドレール190上を回転しながら移動する。これにより、塗布部材180bが払拭部166a先端部に接触し、払拭部166aがノズル面と接触する部分(払拭面)に塗布部材180bに染み込んだ塗布液が塗布される。
次にステップS404において、塗布ロール180を退避させる。そして、ステップS406において、払拭部材を検出板170方向(図13あるいは図14では、図中矢印で示したように上方向)に移動して払拭部材を検出板170に接触させる。
なお、前述したように、検出板170は、払拭部材の払拭面(図14において、払拭部166a先端部の右側のエッジ)が当たる側が低くなるように斜めに傾けて配置ある。これにより、払拭部材のエッジ形状を正確に検出板170に転写することができる。このとき、検出板170を傾ける傾斜角があまり大きいと検出板170に転写された塗布液が重力で下方に流れて移動してしまう虞れがある。そこで、傾斜角としては、前述したように、5度〜30度が望ましい。このとき、前述した第1実施形態と同様に、払拭部材と検出板との相対位置関係を管理すると確度の高いエッジ形状検出が可能となる。
次にステップS408において、払拭部材を退避させ、ステップS410において、撮影装置(ラインCCD172)を検出板170に対向する位置に移動する。
次にステップS412において、ラインCCD172により検出板170に付着した塗布液によるエッジ跡を撮像し、画像処理部173において取り込んだ画像の解析を行う。これは第1実施形態で説明した画像解析ルーチンと同じ処理である。
最後に、ステップS414において、撮像装置を退避させる。その後、画像解析の結果を用いて、判定部175において、払拭部材の交換時期が判定される。
なお、図14を用いて上で説明した例は、払拭部材で検出板を摺擦する、いわゆるノズル面の払拭動作を利用するものではなく、払拭部材を検出板に向けて上方に移動して接触させる場合であったが、本実施形態のように塗布液を用いる場合でも、第1実施形態のようにノズル面の払拭動作を利用するようにしてもよい。その場合には、払拭部材が印字ヘッドの払拭を終了した後、検出板にエッジ跡を転写するまでの間に塗布液を塗布する必要があるので、印字ヘッドと検出板の間に塗布液の塗布手段を配置する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、前述した2つの実施形態のように、インクや塗布液を検出板に転写してそのエッジ跡を撮像することにより払拭部材のエッジ形状を検出するのではなく、払拭部材を検出板に押し当てたときの押し圧を測定することによってエッジ形状を検出するものである。
そのため、本実施形態の検出板は、払拭部材が接触したときの圧力を検出することが可能な構造を有している。
図16に、本実施形態の検出板を平面図で示す。
図16に示すように、本実施形態の検出板270は、多数の圧電素子のセル272で構成されている。図中破線で示した範囲274が払拭部材が接触する範囲である。
また、図17に、本実施形態のエッジ形状検出手段の概略を示す。
図17に示すように、本実施形態のエッジ形状検出手段は、図16に示すような多数の圧電素子のセル272で構成された検出板270と、検出板270が検出した払拭部材の接触圧を増幅するアンプ276、アンプ276で増幅された検出信号を画像情報に変換する信号処理部277、変換された画像情報を解析しエッジ形状を検出する画像処理部273、及び検出されたエッジ形状に基づいて払拭部材の交換時期を判定する判定部275を有して構成されている。
図17に破線で示すように、印字ヘッド50のノズル面50Aを払拭した払拭部材(ワイパーブレード266)は、図示を省略した支持部266bの駆動機構により検出位置まで移動すると、今度は上下方向に移動して払拭部266aの先端部を検出板270に接触させるようにする。
払拭部266aの先端部は、例えば図16に破線で示す範囲274で検出板270に接触する。払拭部材が接触した際の各々の圧電素子のセル272に掛る圧力に応じて電圧が変化する。圧電素子のセル272の場所情報と電圧変動の割合を示す信号を信号処理部277で画像情報に変換し、この画像情報を画像処理部273で画像解析しエッジの検出を行う。判定部275は、検出されたエッジ形状に基づいて払拭部材の交換の必要性、及び交換時期を判定する。
本実施形態におけるエッジ形状検出手段の場合、払拭部材を上下動して検出板に接触させてその接触圧を測定しているので、払拭部材の払拭動作とは無関係にエッジ形状の検出が可能である。
なお、本実施形態においては、払拭部材の検出板に対する接触圧を直接測定してエッジ形状を検出しているが、掛る圧力に応じてその部分の発色濃度が変化する圧力測定フィルム(例えば、富士フイルム社製「プレスケール」)を検出板の表面に取り付けておき、これに払拭部材を接触させて、圧力測定フィルムの濃度変化を撮像装置で撮像して画像解析を行ってエッジ検出してもよい。
以上、本発明の液体吐出装置及びその清掃装置の検査方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の概略を示す全体構成図である。 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。 (a)は、ヘッドの構造例を示す平面透視図であり、(b)は、その一部の拡大図である。 ヘッドの他の構造例を示す平面透視図である。 図3中の4−4線に沿った断面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給系の構成を示した概要図である。 (a)〜(d)は、清掃装置を構成するワイパーブレードの払拭部先端のエッジ形状を検出する様子を示す説明図である。 (a)、(b)は、検出板に転写された払拭部先端部のインク跡を示す説明図である。 ワイパーブレードの他の例を示す斜視図である。 ワイパーブレードの払拭部のエッジ形状を検出し交換時期を判断する方法を示すフローチャートである。 吸引ルーチンの処理を示すフローチャートである。 画像解析ルーチンの処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置における清掃装置の払拭部材のエッジ形状検出手段の概略を示す構成図である。 図13のエッジ形状検出手段の右側面図である。 第2実施形態における払拭部材のエッジ形状検出方法を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態の検出板を示す平面図である。 第3実施形態に係る払拭部材のエッジ形状を検出する手段の概略を示す構成図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…印字部、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、22…吸着ベルト搬送部、24…印字検出部(ノズル観測手段)、26…排紙部、28…カッター、30…加熱ドラム、31、32…ローラー、33…ベルト、34…吸着チャンバー、35…ファン、36…ベルト清掃部、40…加熱ファン、42…後乾燥部、44…加熱・加圧部、45…加圧ローラー、48…カッター、50…印字ヘッド、50A…ノズル面、51…ノズル、52…圧力室、53…(インク)供給口、54…圧力室ユニット、55…共通液室、56…振動板、58…圧電素子、60…インクタンク、62…フィルタ、64…キャップ、66…ワイパーブレード、67…吸引ポンプ、68…回収タンク、70…検出板、72…ラインCCD、73…画像処理部、75…判定部、180…塗布ロール、182…塗布液タンク、277…信号処理部

Claims (9)

  1. 液滴を吐出するノズルを有するノズルプレートを備えた液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルプレートのノズルが形成されたノズル面を払拭する払拭部材と、
    前記払拭部材の前記ノズル面を払拭する先端部を接触させることができる検出板を有し、前記検出板の状態に基づいて前記払拭部材の前記先端部のエッジ形状を検出するエッジ検出手段と、
    前記エッジ検出手段の検出結果に基づいて前記払拭部材を交換する時期を判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記エッジ検出手段は、前記払拭部材の先端部を前記検出板に接触させる際、前記先端部に付着している液体を前記検出板に付着させることで前記先端部の接触跡を前記検出板に残すとともに、前記検出板に残された接触跡を撮像する撮像手段と、前記接触跡を撮像した画像を処理する画像処理部を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記検出板に付着される前記先端部に付着している液体は、前記払拭部材が前記ノズル面を払拭した際に前記先端部に付着した前記液体吐出ヘッドから吐出される液体であることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、さらに、前記先端部に塗布液を塗布する塗布手段を有し、前記検出板に付着される前記先端部に付着している液体は、前記塗布手段によって塗布された塗布液であることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 前記塗布液は、前記液体吐出ヘッドから吐出される液体であることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記塗布液は、前記液体吐出ヘッドから吐出される液体よりも表面張力または粘度が小さい液体であることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  7. 前記判定部は、前記エッジ検出手段が検出したエッジ形状におけるエッジの欠けの長さまたはエッジの幅の最小値と最大値の比を所定の閾値と比較することにより前記払拭部材の交換時期を判定することを特徴とする請求項1〜6に記載の液体吐出装置。
  8. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、前記エッジ検出手段は、前記検出板が払拭部材が接触すると電気的信号を発生する圧電素子を多数配置して構成されるとともに、さらに、前記圧電素子からの信号を画像情報に変換する信号処理部を有することを特徴とする液体吐出装置。
  9. 液体吐出ヘッドの、液滴を吐出するノズルが形成されたノズルプレートのノズル面を、液体吐出ヘッドの清掃装置の払拭部材で払拭し、
    前記払拭部材が前記ノズル面を払拭した先端部を検出板に接触させ、
    前記検出板に残された前記先端部の接触跡を検出することにより前記先端部のエッジ形状を検出し、
    前記エッジ形状の検出結果に基づいて前記払拭部材を交換する時期を判定することを特徴とする液滴吐出装置の清掃装置の検査方法。
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