JP4929935B2 - 磁気スケール体 - Google Patents

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Description

本発明は、各種装置の位置制御や位置検出等に用いられ、特に劣悪環境下で用いるのに好適な位置センサー用の磁気スケール体関する。
従来、位置制御技術の一例として、例えば特許第2748166号公報(特許文献1)に開示されたミキサ装置のスライドボリューム装置がある。この特許文献1のスライドボリューム装置は、2本のガイドレールでスライダを保持し、このスライダ(摘み及びスライド端子)を駆動モータで移動させるものである。そして、スライダに取り付けられたスライド端子とこれに接する抵抗ユニットにより、スライダの位置に応じた操作量(例えば電圧値)を検出する。また、スライダの位置は駆動モータの回転により制御している。このような駆動モータの回転位置の制御は駆動モータ自体の回転量に依存している。
このような、スライドボリューム装置においては、モータによる自動駆動、手動駆動ともにスライダはスムーズに動くことが要求され、かつスライダの位置制御の精度が要求される。つまり、長年の使用にあたって、ガイド性及びガイド構造の耐久性、精度上の耐久性が要求される。しかしながら、ガイドレールというガイド専用の構成、スライド端子と抵抗ユニットというスライダの操作量を検出する構成、及び駆動モータの回転量の制御というスライダの位置制御の構成とを別々にしているので、装置が複雑でコスト高となる。
また、ガイドレールでスライダを保持する構造と、スライド端子を抵抗ユニットに接触させるという構造との、両方の構造を長期に亘って精度良く維持するのが困難となる。さらに、これらの両方の構造の精度を維持しようとすると、ガイドレールとスライダとのクリアランス等の制限が厳しくなり、スライダのスムーズ動作を困難にする。
これに対して、本出願人は、磁気スケール体と磁気センサを用いてスライドボリューム装置におけるスライダ(操作子)の位置を直接検出する技術を開発し、特許出願している(特願2005−195236)。この技術は、丸棒状の主移動ガイド体と副移動ガイド体とで互いに平行な2条からなる移動ガイド部を構成し、この両移動ガイド体に、操作子と磁気センサを有する移動ブロックを摺動自在に保持したものである。また、副移動ガイド体は磁気スケール体とされ、非磁性ステンレスの異形引き抜きにより形成された略丸棒状のシャフトと、該シャフトの長手方向に形成された溝に埋め込んだ磁性部材とで構成されている。そして、磁気センサで副移動ガイド体の磁性部材に形成された磁極を検出して移動ブロックの位置を検出するものである。このように磁気スケール体と磁気センサにより位置検出を行うと、磁気スケール体と磁気センサとのギャップに埃が入ったりしても検出精度が低下することがなく、汚れや埃に強いという効果がある。
一方、プリンタ装置において、印字ヘッドを搭載したスライダをガイド棒に沿って移動する構造のものがあるが、このような印字ヘッドの位置制御は例えばスライダを駆動するタイミングベルトの移動量などによって制御している。このような場合も磁気スケール体と磁気センサによるり直接位置を検出できることがの望ましく、汚れや埃に強いという効果がある。
さらに、オートバイ(自動二輪)や四輪車のサスペンションの移動量をウォッチして、揺れを少なくするように制御するものも見受けられる。このような場合にも、磁気スケール体と磁気センサにより移動量を検出できることが望ましく、特に泥などの汚れや埃に強いという効果がある。
特許第2748166号公報
ところで、前記移動ブロックを保持する移動ガイド体を磁気スケール体とする場合に、移動ガイド体全体を永久磁石材料で作ることも考えられるが、合金系は高価であり、フェライト系はもろくて耐久性の点で問題がある。これに対して、本出願人が提案しているように、非磁性ステンレスの略丸棒状のシャフトを主体として移動ガイド体を構成すると、ガイド体としての耐久性の点で優れている。
しかしながら、上記の技術では、非磁性ステンレスのシャフトの長手方向に形成された溝に磁性部材を埋め込んで移動ガイド体を構成しているので、長年の使用により磁性部材の一部がシャフトから剥離するおそれもあり、磁気スケール体としての耐久性という点では、依然改良の余地を残している。
本発明は、ガイド体としてのみならず、劣悪環境下での使用にも耐える耐久性の高い磁気スケール体を提供することを課題とする。
まず、参考例の磁気スケール体製造方法は、内側管体を外側管体の内側にして入れ子構造にした二重管体であって、前記内側管体は周囲の一部を凹ませた内側管体とこの内側管体の外側の外側管体とで入れ子構造の二重管体を構成し、二重管体の中心側に高剛性かつ難磁性を有する剛体粉末を充填し、内側管体と外側管体との間の凹ませた一部に磁性体粉末を充填し、その後、内側管体を離脱する。そして、内側管体が離脱された残りの複合体を加熱固化し、加熱固化した複合体を棒状体に伸長し、伸長した棒状体から外側管体を剥離し、外側管体を剥離した棒状体の磁性体粉末の加熱固化により形成された磁性体部をスケール磁化するようにした。なお、「難磁性」は「非磁性」をも含む。
したがって、剛体粉末を加熱固化した剛体軸部と、磁性体粉末を加熱固化した磁性体部とは、互いの接合部(接合面)で合着され、バイメタルのように振動や高温に十分耐えて、容易には剥がれない。また、直径サイズが大きなサイズで管体を形成しておいて、圧延等で伸長させるなどにより磁気スケール体を精度の高い小さな構造とすることができる。
請求項の磁気スケール体は、高剛性を有しかつ非磁性を含む難磁性を有する長尺の剛体軸部と、該剛体軸部の長手方向に一様に一体に層状に配設された磁性体部とから磁気スケール体を構成し、磁性体部は、長手方向直角の断面積比較で前記剛体軸部より小でかつ表面の一部に固着されスケール磁化されてなり、該磁性体部の長手方向の直角断面の周方向の両サイドの前記剛体軸部への接合面CF(図5(B) ,図7(B) )を、表面に対して両サイドの接合面間の中心線L(図5(B) ,図7(B) )と平行な内外方向でアンダーカット構造とした。したがって、磁性体部は上記中心線の方向の力に対して極めて剥がれ難い構造となる。この請求項8における剛体軸部は例えば、非磁性金属、樹脂等とすることができる。
請求項の磁気スケール体は、高剛性を有しかつ高透磁率を有する長尺の剛体軸部と、該剛体軸部の長手方向に一様に一体に層状に配設された磁性体部とから磁気スケール体を構成し、請求項8と同様に、磁性体部の長手方向の直角断面の周方向の両サイドの前記剛体軸部への接合面CF(図5(B) ,図7(B) )を、表面に対して両サイドの接合面間の中心線L(図5(B) ,図7(B) )と平行な内外方向でアンダーカット構造とした。この請求項9における剛体軸部は、常磁性金属、強磁性金属、高透磁率材料を混合した樹脂等とすることができる。
請求項の磁気スケール体は、請求項またはにおいて、磁性体部を合金系永久磁石用磁性体とした。
請求項の磁気スケール体は、請求項またはにおいて、磁性体部を銅ニッケル鉄の合金とした。
請求項の磁気スケール体は、請求項において、剛体軸部を金属または高強度な樹脂で形成し、磁性体部を樹脂混合磁石とし、該剛体軸部に対して該磁性体部をインサート成形して形成した。
請求項の磁気スケール体は、請求項において、剛体軸部を金属または高透磁率材料を混合した高強度な樹脂で形成し、磁性体部を樹脂混合磁石とし、該剛体軸部に対して該磁性体部をインサート成形して形成した。
請求項またはにおいて、剛体軸部を金属または高強度な樹脂の引き抜き部材として、剛体軸部を安価にすることができ、この剛体軸部に樹脂混合磁石(プラスチックマグネット等)を射出成形することで容易に形成できる。
請求項の磁気スケール体は、請求項またはにおいて、剛体軸部を高強度な樹脂とし、磁性体部を1次成形し、該磁性体部に対して剛体軸部を2次成形した。すなわち、剛体軸部と磁性体部を2色成形により形成した。
請求項の磁気スケール体は、請求項乃至のいずれか一項において、磁性体部の層状厚さを0.1mm〜1mmとした。
請求項の磁気スケール体によれば、磁性体部は上記中心線の方向の力に対して極めて剥がれ難い構造となるので、劣悪環境下での使用にも耐える耐久性の高い磁気スケール体となる。
請求項、請求項の構成を備える請求項3及びの磁気スケール体によれば、上記効果に加えて、磁性体部を覆う剛体軸部が高透磁率を有するので、該剛体軸部により、磁性体部に対して当該磁気スケール体の外部の磁界を遮蔽する磁気シールドの効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面において断面を示す斜線は適宜省略する。図1は参考例の磁気スケール体の製造工程を示す図であり、各工程を工程順に対応する[一],[二],…の括弧付きの漢数字等で示している。寸法や材料等の実施例については工程の説明後、詳細に説明する。
工程[一]は、入れ子構造にした二重管体1を用意する工程(第1ステップ)である。この二重管体1は内側管体11と外側管体12とで構成され、内側管体11は外側管体12内に収容されている。内側管体11は両端が開口された薄肉板状部材を丸めた略円形状で、その周囲の一部に該円柱の母線と平行な溝をなす凹部11aを有する形状に形成されている。外側管体12は薄肉板状部材により下側端部に底を有する円筒形状に形成されている。なお、図において、内側管体11の外周縁と外側管体12の内周縁との隙間d(クリアランス)を誇張して大きく図示してあるが、この隙間dは内側管体11を外側管体12から着脱可能となる程度の微小な間隔である。また、図では破断線(二点鎖線)により一部省略して図示してあるが、この二重管体1は直径(太さ)との関係で規定した適宜の長さを有している。
内側管体11は、凹部11aにより周囲の一部を凹ませてなり、外側管体12の内壁から内側管体11の外壁までの距離Dが、内側管体11の他周囲部(凹部11a以外の部分)に比べて大となるような管体となっている。また、内側管体11と外側管体12とで入れ子構造の二重管体1となっている。
なお、内側管体11は金属でもプラスチック等でも良く、例えば0.5mm〜2mm程度の薄いものがよい。また、外側管体12はステンレス、銅、アルミニウム等の金属材料であり、後述の剥離処理を考慮して0.1〜0.8mm程度の薄いものがよい。また、内側管体11及び外側管体12の大きさは、後述の押し出し処理や圧延処理により伸長されて最終製品となるときの直径と、ロットによって適宜決めればよいが、直径は10mm〜100mm程度である。
工程[二]は、入れ子構造の二重管体1の中心側(内側管体11内)に、高剛性かつ難磁性を有する剛体粉末P1を充填する工程(第2ステップ)であり、工程[三]は、内側管体11と外側管体12との間の凹部11a内に磁性体粉末P2を充填する工程(第3ステップ)である。この剛体粉末P1と磁性体粉末P2の充填作業は手作業でも機械作業でもよく、また、工程[二]と工程[三]の充填工程はどちらを先に行ってもよいが、内側管体11の薄肉板状部材が特に薄い場合などは、内側管体11の変形を防止するために工程[二]を先に行った方がよい。また、次のように工程[二]、工程[一]、工程[三]の順番でもよい。この場合は、外側管体12の両端を開口しておき、大きめの底板等に内側管体11を乗せてその内側管体11内に剛体粉末P1を充填する(工程[二])。次に、内側管体11の外側に外側管体12を填め込む(工程[一])。そして、内側管体11と外側管体12との間の凹部11aに磁性体粉末P2を充填する(工程[三] )。その後、工程[四]以降に進む。
工程[四]は、二重管体1内に剛体粉末P1と磁性体粉末P2とを充填した状態で、内側管体11を外側管体12から矢印αの方向に離脱する(引き抜く)工程(第4ステップ)である。内側管体11は両端部が開口しているので、内側管体11は凹部11aの部分では剛体粉末P1と磁性体粉末P2との間をすり抜け、凹部11a以外の部分では剛体粉末P1と外側管体11の内周面との間をすり抜ける。この結果、剛体粉末P1には内側管体11の凹部11aに整合する形状の窪みが形成されるとともに、この窪みの部分に磁性体粉末P2が詰まった状態となり、この状態で剛体粉末P1と磁性体粉末P2は外側管体12内に充填された状態となる。この工程[四]後の状態の外側管体12、剛体粉末P1及び磁性体粉末P2の一体物を、以下の説明で「複合充填体A」ともいう。
なお、内側管体11を離脱することにより、この内側管体11の薄肉板状部材分の体積だけ、剛体粉末P1と磁性体粉末P2との高さ(嵩)が僅かに減るが、剛体粉末P1のほうが内側管体11に接していた面積が広い分だけ多く高さが減る。したがって、工程[二],[三]における充填量を適宜設定することにより、この内側管体11を離脱した後の外側管体12内での剛体粉末P1と磁性体粉末P2との高さを同じにする。なお、内側管体11はある程度の剛性があればできるだけ薄いほうがよいことはいうまでもない。
次の工程は、工程[四]で得られた複合充填体Aに対する各種の加工を行う工程であり、前処理工程[五-1]→工程[五]→工程[六]の第1の方法(冷間静水圧プレス&熱間押出法)と、工程[五′]→工程[六′]→後処理工程[六′-1]の第2の方法(熱間等方圧プレス&鍛造法)の2通りの方法があるが、何れの方法でもよい。
第1の方法の前処理[五-1]は「冷間静水圧プレス処理工程」であり、複合充填体Aを密閉容器内で水中に浸し、密閉容器内の水圧により複合充填体Aに均等な圧力を加える。これにより複合充填体Aの剛体粉末P1と磁性体粉末P2を固める。次の工程[五]は「ビレット加熱工程」であり、前処理[五-1]を経た複合充填体Aを電熱炉内で1100℃前後の所定の焼入れ温度に加熱する(第5ステップ)。これにより、複合充填体Aを加熱固化して固溶体状態のビレットA′(この例では丸ビレット)とする。次の工程[六]は「熱間押出工程」であり、固溶体状態のビレットA′に対して熱間での押し出し処理を行い、径の小さくなった所定の径の棒状線部材Bとする(第6ステップ)。
第2の方法の工程[五′]は「熱間等方圧プレス工程」であり、複合充填体Aを加圧加熱炉内で加圧するとともに、1100℃前後の所定の焼入れ温度に加熱する。これにより、複合充填体Aを加熱固化して固溶体状態のビレットA′とする(第5ステップ)。次の工程[六′]は「鍛造工程」であり、固溶体状態のビレットA′に対して加圧成形してある程度径を小さくする(第6ステップ)。次の後処理工程[六′-1]は「圧延処理工程」であり、加圧成形されたビレットA′を圧延し、径の小さくなった所定の径の棒状線部材Bとする。この圧延処理は複数回繰り返してもよい。
以上のようにして所定の径で形成された棒状線部材Bは、ローラ40で巻き取っていく。上記第1の方法の工程[六]の「熱間押出工程」あるいは第2の方法の後処理工程[六′-1]の「圧延処理工程」から、ローラ40に棒状線部材Bを巻き取るまでの間において、棒状線部材Bは数100℃の所定の焼なまし温度と焼戻し温度の間の温度にされる。
ローラ40に巻き取った棒状線部材Bには、その表面に外側管体12を形成していた薄肉板状部材が引き延ばされた状態で付着している。そこで、工程[七]の「剥離工程」でこの外側管体12を剥離する(第7ステップ)。この剥離工程は図2(A) に示した工程[七′]のように、工程[六]または後処理工程[六′-1]とローラ40で巻き取る工程との間に剥離治具51を設けて構成してもよい(第7ステップ)。この剥離治具51は、押し出し処理または圧延処理された棒状線部材Bの上下を挟む網状部材51a,51bで構成されている。工程[六]または後処理工程[六′-1]とローラ40との間隔は1〜2mあり、この間隔の5〜8割程度の長さにわたって網状部材51a,51bが棒状線部材Bの表面に接触し、網状部材51a,51bが摩擦により外側管体12を擦り落として剥離していく。さらにこの剥離行程は図2(B) に示した行程[七″]のように、ダイス51c,51dでの線引き加工により棒状線部材Bから外側管体12を剥離するようにしてもよい。
なお、網状部材51a,51bの代わりに、またはこれと合わせてシートヤスリのような摩擦部材で剥離するようにしてもよい。また、一回の「剥離工程」で外側管体12が剥離できない場合には、この「剥離工程」を複数回繰り返せばよい。また、それでも外側管体12の剥離が不十分な場合には、後述の着磁工程前の長尺棒状体Cに対して、シートヤスリ等で仕上げ処理を行えばよい。
以上のように外側管体12を剥離した棒状線部材Bは、剛体粉末P1が加熱固化した剛体軸部C1と、磁性体粉末P2が加熱固化した磁性体部C2とで構成されているが、上記「剥離工程」の後、磁性体部C2(磁性体粉末P2)の材料に応じて、適宜の条件、適宜の段階でこの磁性体部C2の磁気特性(ヒステリシス磁化曲線の幅)を得るための熱処理工程を行う。
磁性体部C2がCuNiFe系の場合は、この工程[七]の「剥離工程」の後に熱処理を行う。例えば、剥離された棒状線部材Bを冷間線引き処理を行い、アルゴンガスまたは水素ガス中で600〜700℃の雰囲気中で2時間の一次時効処理を行う。これにより、磁性体部C2に磁気特性を発生させる。次に、同上の雰囲気条件で二次時効処理を行い、磁気特性を向上させる。この一次時効処理と二次時効処理の間の加工率と時効温度、時間条件によって磁気特性、すなわちヒステリシス磁化曲線をコントロールすることができる。そして、この熱処理が終了すると棒状線部材Bに直線加工を行い、工程[七-1]のカット処理に進む。
工程[七-1]のカット処理は、例えばローラ40から引き出される棒状線部材Bを押し出しローラ61で送り出し、固定刃62と上下動刃63で所定の長さに切断し、半製品の長尺棒状体Cとする。ここで、この長尺棒状体Cは、図3(A) に示したように、剛体粉末P1が加熱固化した剛体軸部C1と、磁性体粉末P2が加熱固化した磁性体部C2とで構成されており、この剛体軸部C1と磁性体部C2との接合部(接合面)は加熱固化時に合着されている。この「合着」とはバイメタルのように振動や高温(焼入れ温度未満)に十分耐えて、容易には剥がれないような状態をさす。
磁性体部C2がFeCrCo系の場合は、このカット処理の前に冷間引き抜き処理を行い、アルゴンガス中で1020℃の雰囲気中で5分の溶体化処理等の均一化処理を行い、スキンパス圧延処理(軽い圧延率による調質圧延)を行い、直線加工を行って、前記同様なカット処理を行う。そして、このカット処理の後の段階で、指定温度パターンに応じた雰囲気により時効処理を行い、磁性体部C2の磁気特性を得るための熱処理工程を行う。また、カット処理あるいはこの場合の熱処理が終了すると、長尺棒状体Cの表面を研磨するためのセンタレス研磨(中心を規定せずに表面を真円に近く研磨する方法)を行う。
次に、図1において工程[八]は「着磁工程」であり(第8ステップ)、着磁装置70を用いる。着磁装置70は、長尺棒状体Cの長さ分の範囲に亘って立設された多数の針71と、針71に磁極を形成する回路装置72で構成されている。針71は長尺棒状体Cの磁性体部C2に接触され、この多数の針71には、隣接するもの同士の間でN極とS極とが交互に形成される。これにより、磁性部C2には、その長手方向にN極とS極とを交互に細かく(例えば400μm周期で)分極した磁極が形成される。なお、この磁極の状態を図3(B) に細かな多数の線で図示した。このようにして、長尺棒状体Cの磁性体部C2にその長手方向にNS極の磁極が着磁されること、すなわちスケール磁化されることにより、磁気スケール体10となる。なお、磁気スケール体10においては、剛体軸部C1を軸部10a、スケール磁化された磁性体部C2をスケール部10bとする。
なお、上記着磁工程は図2(C) のようにしてもよい。この場合、2本の針71′,71′とコイル72′とで構成した着磁装置70′を用いる。針71′,71′を長尺棒状体Cの磁性体部C2に接触し、コイル72′に交流電流を供給して針71′,71′間の磁界を反転しながら、長尺棒状体Cを一定の速度で移動するようにしてもよい。この場合、交流の周波数と移動速度に応じてNS極の周期を設定することができる。
以上の磁気スケール体10の製造工程において、加熱固化したビレットA′を伸長する処理として、第1の方法(冷間静水圧プレス&熱間押出法)の工程[六]で熱間での押し出し処理を行い、第2の方法(熱間等方圧プレス&鍛造法)の後処理工程[六′-1]で圧延処理を行っている。しかし、この伸長する処理はこれらの工程を組み合わせてもよい。例えば、加熱固化したビレットA′に対して、押し出し処理、圧延処理、及び引き抜き処理を順に通し、この各処理部の順列でかつ同時に処理して、ビレットA′を伸長してもよい。
前記剛体粉末P1はステンレス鋼(SUS)、黄銅、ジュラルミンあるいはセラミック素材等であり、錆びにくくて剛性があり、磁化されにくい材料である。例えば、ステンレス鋼としては、ニッケル−クロム系の8%Ni18%Cr、この8%Ni18%Crから発達した、18Cr−8Niオーステナイト系などが、非磁性鋼として優れている。
前記磁性体粉末P2は永久磁石材料等である。この永久磁石材料は、合金系としてFe-Cr-Co系、Fe-Cu-Ni系、Mn-AL-C系、Nd-Fe系などがある。化合物系としてRE-Co系 (Sm2 Co17系が代表的)などがある。このうちFe-Cr-Co系は冷間圧延に適しており、特に線引きも可能である。酸化物系としては、y-Fe2 3 、Fe304(磁鉄鉱)、MO・Fe23 (フェライト、MはMn、Ni、Cu、Zn、Baなどの二価の金属イオン)などがある。難加工磁石材料粉末を使用する場合はバインダー用金属粉末を使用する。
また、剛体粉末P1、磁性体粉末P2は、真空溶解及びガスアトマイズ法などで製造された球状金属粉末が適しており、粒径は30〜300μm程度の篩で分球した所定粒径のものである。このような球状金属粉末を使用すると、充填密度が高くなり、加熱固化後の寸法変形を抑えることができる。
次に、長尺棒状体Cの磁性体部C2(及び剛体軸部C1)の形状について説明する。長尺棒状体Cの外形は外側管体12の円筒形状により円柱状となるが、磁性体部C2の形状は内側管体11の凹部11aの形状により決まる。図4及び図5は二重管体1の特に内側管体11の形状とそれを用いて製造された長尺棒状体Cの断面を示す図であり、各管体の薄肉板状部材の厚み及び凹部11aの深さは誇張して図示してある。
図4(A) は内側管体11の凹部11aの底面111が外側管体12の外周の円弧面と同心の円弧面を凹ませた形状で、両側の側面112,112が互いに平行とされた形状である。この場合、図4(B) のように磁性体部C2の断面形状は円弧状となる。また、図5(A) は内側管体11の凹部11aの底面111が外側管体12の外周の円弧面と同心の円弧面を凹ませた形状で、両側の側面112,112が内側に向けて開いた形状である。この場合も、図5(B) のように磁性体部C2の断面形状は円弧状となるが、磁性体部C2の両側の形状が図4(B) の場合と異なっている。この長尺棒状体Cを後述のスライドボリューム装置に適用する場合、剛体軸部C1の直径φが4mm程度であり、磁性体部C2の厚さDは0.15mm程度である。なお、凹部11aは内側管体11の中心側に凹ませた形状であれば、上記の例に限定されない。
ここで、図4(A) 及び図5(A) の内側管体11は、図6(A) 及び(B) に拡大して示したように、凹部11aの内側角部S1が二重管体1の内外方向である外周面の法線nの方向に対してアンダーカット構造となっている。このアンダーカット構造とは次の意味である。すなわち、図6(A) 及び(B) のようにアンダーカット構造となっている場合は、法線n(その延長線)上において内側角部S1と二重管体1の外側空間SOとの間に、内側管体11の外周端部の空間S2が有る。これに対して、図6(C) のようにアンダーカット構造になっていない場合には、内側管体11の外周端部の空間S2は、法線n上において内側角部S1と二重管体1の外側空間SOとの間にはない。
図6(D) 〜(F) は図6(A) 〜(C) に対応する長尺棒状体Cの断面を示す図であり、まず、長尺棒状体Cの構造は次のようになっている。剛体軸部C1は高剛性かつ難磁性を有し、磁性体部C2は剛体軸部C1の長手方向(図6に垂直な方向)に一様に一体に層状に配設されている。さらに、磁性体部C2の長手方向直角の断面積と、剛体軸部C1の長手方向直角の断面積との比は、磁性体部C2の方が剛体軸部C1より小となっている。また、磁性体部C2は剛体軸部C1の表面の一部に固着されている。
そして、図6(A) 〜(C) の二重管体1におけるアンダーカット構造と同様のことがこの長尺棒状体Cの磁性体部C2(及び剛体軸部C1)の形状についても言える。すなわち、図6(D) 及び(E) はアンダーカット構造の場合であり、法線n上において磁性体部C2の角部C21と長尺棒状体Cの外側空間SOとの間に、剛体軸部C1の外周端部C11が有る。図6(F) はアンダーカット構造でない場合であり、剛体軸部C1の外周端部C11は、法線n上において磁性体部C2の角部C21と長尺棒状体Cの外側空間SOとの間にはない。
この図6(D) 及び(E) のようにアンダーカット構造になっていると、長尺棒状体Cの外周における磁性体部C2と剛体軸部C1との接合部分で、磁性体部C2の角度θが鈍角となる。したがって、矢印βで示した方向に擦られても磁性体部C2の端部が極めて剥がれ難い構造となる。なお、図4(B) (及び図6(D) )の場合には、磁性体部C2の両側の剛体軸部C1との接合面CF,CF(両サイドの接合面)が互いに平行で、中心線L(接合面CF,CFの間の中心線)の方向に対してアンダーカット構造ではない。しかし、図5(B) (及び図6(E) )の場合には接合面CF,CF(両サイドの接合面)が、長尺棒状体Cの表面に対して、中心線L(接合面間の中心線)と平行な内外方向に対してアンダーカット構造となっている。したがって、この図5(B) (及び図6(E) )の場合には、矢印γの方向の力に対して極めて剥がれ難い構造となる。
以上の磁性スケール体の製造方法によれば、二重管体1内に剛体粉末P1と磁性体粉末P2を充填して形成した大きめの複合充填体A(及びビレットA′)に対して、押し出し処理、圧延処理、及び引き抜き処理などにより伸長処理を行うので、大きなサイズで管体を形成しておいて、磁気スケール体10を目的に合わせて精度の高い小さな構造とすることができる。また、磁気スケール体10の直径(サイズ)をだんだん細くして微調整することもできる。
次に、磁気スケール体の他の実施例について説明する。図7は他の実施例の磁気スケール体20の斜視図及びA−A断面図である。この磁気スケール体20は、「剛体軸部」としての軸部20aと、「磁性体部」としてのスケール部20bとで構成されている。軸部20aは非磁性金属である非磁性ステンレス(18Cr−8Niオーステナイト系)を引き抜き加工して形成したものであり、その長手方向に溝部20a1が形成されている。スケール部20bは、磁性体粉末であるフェライト粉末と熱可塑性樹脂であるプラスチックを混合して練り合わせたプラスチックマグネットである。そして、このプラスチックマグネットを軸部20aの溝部20a1内にインサート成形することで、スケール部20bと軸部20aとが一体に形成されている。
すなわち、この磁気スケール体20の構造は次のようになっている。軸部20aは高剛性かつ難磁性を有し、スケール部20bは軸部20aの長手方向に一様に一体に層状に配設されている。さらに、スケール部20bの長手方向直角の断面積と、軸部20aの長手方向直角の断面積との比は、スケール部20bの方が軸部20aより小となっている。また、スケール部20bは軸部20aの表面の一部に固着されている。
そして、前掲の図6(D) ,(E) におけるアンダーカット構造と同様のことがこの磁気スケール体20のスケール部20b(及び軸部20a)の形状についても言える。すなわち、図7(B) に示したように、法線n上においてスケール部20bの角部20b1と磁気スケール体20の外側空間SOとの間に、軸部20aの外周端部20a2が有る。さらに、スケール部20bの両側の軸部20aとの接合面CF,CF(両サイドの接合面)が、磁気スケール体20の表面に対して、中心線L(接合面間の中心線)と平行な内外方向に対してアンダーカット構造となっている。したがって、スケール部20bが矢印γの方向の力に対して極めて剥がれ難い構造となる。
上記の例では「剛体軸部」としての軸部20aを非磁性ステンレスとしているが、黄銅、ジュラルミンあるいはセラミック素材等でもよく、錆びにくくて剛性があり、磁化されにくい。また、「磁性体部」としてのスケール部20bにおいて、プラスチックマグネットに混入する磁性体粉末としてフェライト粉末を用いているが、この磁性体粉末としてFe-Cr-Co系、Fe-Cu-Ni系、Mn-AL-C系、Nd-Fe系などでもよい。また化合物系としてRE-Co系 (Sm2 Co17系が代表的)などでもよい。また、酸化物系としては、y-Fe2 3 、Fe304(磁鉄鉱)でもよい。難加工磁石材料粉末を使用する場合はバインダー用金属粉末を使用する。
また、上記の例では例は「剛体軸部」としての軸部20aを非磁性金属で形成しているが、この軸部20aは硬質樹脂を引き抜き加工して形成し、この硬質樹脂製の軸部20aの溝部20a1内にプラスチックマグネットをインサート成形して、スケール部20bを形成してもよい。また、プラスチックマグネットでスケール部20bを一次成形し、これに硬質樹脂の軸部20aを二次成形し、樹脂の二色成形により磁気スケール体20を形成してもよい。
また、軸部20aは、高透磁率を有する金属で形成してもよいし、高透磁率を有する部材を硬質樹脂に混合して形成してもよい。この場合、スケール部20bの長手方向外周の3面が高透磁率を有する軸部20aで覆われるので、このような磁気スケール体20は、外部磁界を遮蔽する磁気シールドの効果が得られる。
また、この実施例の磁気スケール体20の各部のサイズは用途により各種設定できるが、例えば、前記実施例の磁気スケール体10と同様にすることもできる。
次に、実施形態の磁気スケール体10,20の用途について説明する。なお、磁気スケール体は用途によりサイズ等が異なるが、以下、磁気スケール体については同符号「10」として説明する。図8は実施形態の磁気スケール体10を用いたスライドボリューム装置の要部斜視図である。このスライドボリューム装置はミキサ装置に搭載されるものであり、ミキサ装置のコンソールパネル面100に対してその裏側で直角面を成す側板21Aと、手前側に該側板21Aと対になった側板(図示せず)と、断面コ字状の上フレーム21Uとによりフレームを構成している。上フレーム21Uの一端にはモータ22が取り付けられている。また、側板21Aの両端には爪23,23、24,24が曲げ加工により起立されており、この爪23,23間に移動ガイドとしての磁気スケール体10が、爪24,24間には副移動ガイド体25が取り付けられている。
磁気スケール体10と副移動ガイド体25には、移動ブロック31が磁気スケール体10と副移動ガイド体25の長手方向に摺動自在に取り付けられている。また、移動ブロック31には図示しない操作子を填め込むためのレバー36が取り付けられている。なお、モータ22はスライドボリューム装置のスライド操作子の位置を自動設定するために、移動ブロック31を往復移動するものである。
移動ブロック31は樹脂成形されたものであり、ロ字状の枠体の上側に磁気スケール体10が嵌挿されるガイド孔32,32と、下側に副移動ガイド体25が嵌挿される副ガイド孔33,33がそれぞれ形成されている。また、枠体の内側に基板34が取り付けられ、この基板34には磁気式センサ35が取り付けられている。なお、基板34には磁気式センサ35の信号を出力するフラットケーブル36が接続されている。
磁気スケール体10は、非磁性ステンレス(18Cr−8Niオーステナイト系)の前記剛体軸部C1からなる軸部10aと、永久磁石材(Fe-Cr-Co系)の前記磁性体部C2をスケール磁化して形成されたスケール部10bとで構成されている。そして、このスケール部10bには、前述のように長手方向にN極とS極とを交互に例えば330μm周期(ピッチ)で分極して磁極が形成されており、このスケール部10bに対して磁気式センサ35が対向配置されている。磁気式センサ35は2つの磁気抵抗素子(MR素子)を備えており、移動ブロック31が磁気スケール体10と副移動ガイド体25に沿って移動するとき磁気式センサ35がスケール部10bの磁極を感知して信号を出力する。この磁気式センサ35の検出信号はフラットケーブル36を介して図示しない回路に送られる。
ここで、移動ブロック31の移動に伴って、磁気式センサ35はスケール部10bのN極とS極の極性の反転に対応するパルス信号を出力する。そして、このパルス信号の数により、移動ブロック31の移動量(長さ)を検出することができる。また、スケール部10bの磁極は例えば2列からなり、この磁極のパターンは磁気スケール体10の長手方向にその位相が1/2π相当ずれており、磁気式センサ35は位相のずれたパルス信号を出力するので、この位相のずれの正逆の方向により、移動ブロック31の移動方向が判明する。なお、スケール部10bの磁極パターンは位相ずれのないNSNS…のパターンからなるもので、センサの検出極部を1/2π相当ずらして配置するようにしてもよい。
図9は実施形態の磁気スケール体10を用いた自動車のサスペンション部の要部斜視図である。自動車の車体80に取り付けられた車輪81の上下動の衝撃はサスペンション82により緩衝される。このサスペンション82のメインシャフトとして実施形態の磁気スケール体10が用いられている。同図の二点鎖線の吹き出し部に図示したように、この磁気スケール体10は、前記同様に非磁性ステンレス(18Cr−8Niオーステナイト系)の軸部10aと、永久磁石材(Fe-Cr-Co系)のスケール部10bとで構成されている。なお、スケール部10bには前述同様にその長手方向にN極とS極とを交互に磁極が形成されている。
磁気スケール体10にはサスペンション82のバネ83の一端を受けるバネ受け軸84が固着されている。また、磁気スケール体10は車体80と固定関係にある受け軸85によって摺動自在に保持され、バネ83の他端は受け軸85に取り付けられたバネ止め86に当接している。また、受け軸85にはネジ等により磁気式センサ91が埋設されており、この磁気式センサ91がスケール部10bに対向されている。そして、磁気式センサ91の検出信号により、磁気スケール体10の受け軸85に対する上下動すなわちメインシャフトの上下動きが検出され、この検出結果により、走行制御を行うことができる。
他の実施例として、図示や省略するが、磁気スケール体10はプリンタ装置の印字ヘッド保持部を摺動自在に保持する摺動軸にも適用することができる。この場合、印字ヘッドを保持するヘッド保持部に磁気式センサを取り付け、この磁気センサで磁気スケール体10(摺動軸)のスケール部10bの磁極を感知し、ヘッド保持部の位置すなわち印字ヘッドの位置を検出することができる。
このように、本発明における磁気スケール体は、スライドボリューム装置、サスペンション部、プリンタ装置のように頻繁に摺動(移動)するような箇所、すなわち酷使されるような場所に用いるのに適している。このような場合でも、磁気スケール体10の軸部10a(剛体軸部C1)はもとより、スケール部10b(磁性体部C2)も堅牢にできているため、移動部分(例えば移動ブロック31やヘッド保持部)に対するガイド体(あるいは摺動軸)として、また、固定部分(例えば受け軸85)に対するメインシャフトとして、高い耐久性を示し、きわめて適している。特に、自動車のサスペンション部のように、劣悪環境下での使用にも耐えるものとなる。
図10は磁気スケール体の他の実施例を示す図である。図10(A) の磁気スケール体10′は、軸部10a′(及びスケール部10b′)を円弧状に形成したものである。このような磁気スケール体10′を形成するには、前掲の図1で説明した二重管体を中心軸が円弧となるような形状にすればよく、中心軸が円弧となっているので、内側管体も円弧に沿わせて引き抜くことができる。この磁気スケール体10′においても、スケール部10b′の磁極は図3(B) と同様に軸方向にNS極が磁化されており、磁気式センサにより円弧に沿った方向の位置及び又は移動量を検出することができる。
図10(B) の磁気スケール体10″は、直線状の軸部10a″に対してその周囲に螺旋状に捻ったスケール部10b″を形成したものである。このような磁気スケール体10″を形成するには、前掲の図1で説明した工程[六]において、内側管体11を外側管体12に対して捻りながら引き抜くようにすればよい。これは、二重管体1内に充填されているのが粉体であることによる利点でもあるが、内側管体11の凹部11aを螺旋状に形成し、その螺旋に沿わせて捻るように引き抜くようにしてもよい。この磁気スケール体10″のスケール部10b″には、例えば図10(C) のように円周方向にNS極をスケール磁化する。
この磁気スケール体10″は、磁気式センサ91″との位置関係において磁気式センサ91″がスケール部10b″に沿うように(スケール部10b″から外れないように)、互いに相対的に移動する機構に適している。例えば、磁気式センサ91″が固定されている場合、磁気スケール体10″が回転しながら直線移動し、その捻れ位置及び又は捻れ量を検出することができる。この場合には、捻れ位置を直接検出することができるが、例えば図3(B) と同様に軸方向にNS極が磁化されている場合は、その軸方向の移動量と捻れ量(角度)が比例関係にあるので、その軸方向の位置から捻れ位置を検出することもできる。
実施形態では、二重管体、内側管体、外側管体が円筒形状で、長尺棒状体及び磁気スケール体が円柱形状である場合について主に説明したが、これらの形状は軸に直角な断面形状が三角形、四角形、五角形…のような任意の多角形形状であってもよいことはいうまでもない。
また、本発明における磁気スケール体は、前記スライドボリューム装置、車輌のサスペンション、プリンタ装置に限らず、カメラのオートフォーカス機構など、その他各種の装置において、相対的に移動する複数の部材間の移動位置や移動量を検出するのに適量できる。
本発明に係る参考例の磁気スケール体製造方法製造工程を示す図である。 参考例における剥離工程の他の例を示す図である。 実施形態における長尺棒状体と磁気スケール体の磁化の例を示す図である。 実施形態における二重管体の形状と製造された長尺棒状体の断面を示す図である。 実施形態における二重管体の形状と製造された長尺棒状体の断面の他の例を示す図である。 実施形態における二重管体の凹部の形状と長尺棒状体の断面を示す拡大図である。 実施形態の磁気スケール体の他の例を示す斜視図及び断面図である。 実施形態の磁気スケール体を用いたスライドボリューム装置の要部斜視図である。 実施形態の磁気スケール体を用いた自動車のサスペンション部の要部斜視図である。 実施形態における磁気スケール体の他の実施例を示す図である。
符号の説明
1…二重管体、10,10′,10″,20…磁気スケール体、10a,20a…軸部(剛体軸部)、10b,20b…スケール部(磁性体部)、11…内側管体、11a…凹部、12…外側管体、25…副移動ガイド体、31…移動ブロック、32…ガイド孔、33…副ガイド孔、35,91,91″…磁気式センサ、80…車体、81…車輪、82…サスペンション、P1…剛体粉末、P2…磁性体粉末、A…複合充填体(複合体)、C…長尺棒状体(棒状体)、C1…剛体軸部、C2…磁性体部、CF…接合面、L…中心線

Claims (8)

  1. 高剛性を有しかつ非磁性を含む難磁性を有する長尺の剛体軸部と、該剛体軸部の長手方向に一様に一体に層状に配設された磁性体部とからなる磁気スケール体であって、
    前記磁性体部は、長手方向直角の断面積比較で前記剛体軸部より小でかつ表面の一部に固着されスケール磁化されてなり、該磁性体部の長手方向の直角断面の周方向の両サイドの前記剛体軸部への接合面が、前記表面に対して該両サイドの接合面間の中心線と平行な内外方向でアンダーカット構造になっていることを特徴とする磁気スケール体。
  2. 高剛性を有しかつ高透磁率を有する長尺の剛体軸部と、該剛体軸部の長手方向に一様に一体に層状に配設された磁性体部とからなる磁気スケール体であって、
    前記磁性体部は、長手方向直角の断面積比較で前記剛体軸部より小でかつ表面の一部に固着されスケール磁化されてなり、該磁性体部の長手方向の直角断面の周方向の両サイドの前記剛体軸部への接合面が、前記表面に対して該両サイドの接合面間の中心線と平行な内外方向でアンダーカット構造になっていることを特徴とする磁気スケール体。
  3. 前記磁性体部は合金系永久磁石用磁性体からなることを特徴とする請求項またはに記載の磁気スケール体。
  4. 前記磁性体部は銅ニッケル鉄の合金からなることを特徴とする請求項またはに記載の磁気スケール体。
  5. 前記剛体軸部が金属または高強度な樹脂で形成され、前記磁性体部が樹脂混合磁石であり、該剛体軸部に対して該磁性体部をインサート成形して形成されていることを特徴とする請求項に記載の磁気スケール体。
  6. 前記剛体軸部が金属または高透磁率材料を混合した高強度な樹脂で形成され、前記磁性体部が樹脂混合磁石であり、該剛体軸部に対して該磁性体部をインサート成形して形成されていることを特徴とする請求項に記載の磁気スケール体。
  7. 前記剛体軸部が前記高強度な樹脂であって、前記磁性体部を1次成形し、該磁性体部に対して前記剛体軸部を2次成形したことを特徴とする請求項またはに記載の磁気スケール体。
  8. 前記磁性体部の層状厚さは、0.1mm〜1mmであることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の磁気スケール体。
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