JP4929827B2 - 自動販売機の商品取出口装置 - Google Patents

Description

本発明は、本体内に設けた商品収納部から商品を商品取出口に搬出して販売する自動販売機に関し、特に商品取出口からの商品の盗難等を防止する防犯手段を備えた自動販売機の商品取出口装置に関する。

従来のこの種の自動販売機としては、特開平７−１０５４３５号公報に開示されたものが知られている。図５は、この従来の自動販売機の商品取出口に関する要部の構成を模式的に示す側面断面図である。この従来の自動販売機は、商品Ｓが収納され前面が開口する本体１と、この本体１の前面開口を開閉自在に覆う前扉２とで機体が構成されている。そして、この前扉２には前面に開口する商品の取出口２０が形成され、また本体１内には商品が収納される直積式の収納棚５が設置されている。

収納棚５は、水平な受け台５ａの左右両端に、鉛直な姿勢で互に向い合わせて並列に固定された一対の棚側板５ｂを備え、この一対の棚側板５ｂの間の受け台５ａ上に、直に積み重ねて商品Ｓが収納されている。また収納棚５の前面側に位置して、収納された商品Ｓ の最下位より二番目の商品Ｓの前面に向かい合う規制片５１が、支持体５２を介して本体１内に固定されている。この規制片５１に下端を、また棚側板５ｂに（図示しない）上端を回動自在に支持されたクランク形状の規制棒５３が受け台５ａの前方に設けられている。また、受け台５ａ上には、図示しない駆動機構で駆動されて水平面内で所定の行程を前後に往復移動する往復移動体５４が備えられている。この往復移動体５４が駆動されて前方に移動するとき、受け台５ａ上に積み重ねられた商品Ｓの最下位の商品Ｓが、受け台５ａ上面と規制片５１下端面との間に形成された間隙６０を通し前方に押し出されて受け台５ａ前端から落下する。

この受け台５ａ前端から落下した商品Ｓ（図中二点鎖線で示す）を取出口２０内へ向け自重で搬出するよう、収納棚５内と取出口２０内とを連通する断面が略Ｊ字状の通路５５が本体１内に形成されている。この通路５５は、薄鋼板を折り曲げて形成し、前後に向かい合って配置した一対の路壁形成部材５５ａ、５５ｂの間に形成されている。また、この路壁形成部材５５ａ、５５ｂは、頭付ピン５６に嵌め込んだ座金５７で前後両側から挟まれるとともに、頭付ピン５６の頭とその反対側の端部に形成したピン孔に嵌め込んだ割ピン５８とに前後両側から挟まれて互に連結されている。

このように構成された従来の自動販売機において、販売指令信号により、商品棚５の受け台５ａ上に積み重ねられた最下位の商品Ｓが前方に押し出されてその前端から落下すると、この受け台５ａの前端から落下した商品Ｓは、通路５５内を取出口２０内へ向けて自重で搬送される。そして、取出口２０に搬送された商品Ｓは、顧客により取出口扉１９が開かれて取り出される。

ここで、通路５５内を自重で搬送される商品Ｓが、頭付ピン５６に当接した場合、この頭付ピン５６、および路壁形成部材５５ａ、５５ｂは互に固定されていないため、商品Ｓが当接したときの衝撃で頭付ピン５６が震動したり回転したりするので、商品Ｓが通路５５内に詰まることがない。また、取出口２０の前面開口を通して取出口２０内に手を入れ、その手を取出口２０内と収納棚５内とを連通する通路５５を通して収納棚５内に入れようとしても、頭付ピン５６が障害となって、通路５５に手を通すことができない。すなわち、このような構成により、収納棚５内に収納された商品Ｓが、取出口２０の前面開口から入れられた手で取り出されて盗まれることがなく、また商品Ｓが通路５５内に詰まって販売できなくなることもない自動販売機を提供できる。
特開平７−１０５４３５号公報

ところで、このように収納棚５内と取出口２０内とを連通する通路５５を形勢する路壁形成部材５５ａ、５５ｂを頭付ピン５６で連結して、それらの構成が互いに相反する商品払出性能と防盗性能を十分に満たすようにするためには、取出口２０の前面開口から挿入された手が収納棚５に届かないように、かつ収納棚５から搬出される商品の通過に支障のないように頭付ピン５６を通路５５の適宜な位置に配設する必要がある。しかしながら、収納棚５に収納される全ての商品（新たに販売される商品も含めて）について、実際に商品払出性能と防盗性能を十分に満たすように通路形状や頭付ピンを配置、構成することは容易ではない。そのため、従来においては一部の種類の商品が販売できない場合や、防盗性能が十分には満たされない状況が生じるという問題があった。

本発明は、このような従来の問題を鑑みて、商品の払出性能と防盗性能が何れも十分に確保される自動販売機の商品取出口装置を提供することを目的とする。

上記課題を解決するため、請求項１に係る発明は、本体前面を覆う外扉に設けられた商品取出口に搬出して販売する自動販売機において、前記商品収納部から払い出された商品を前記商品取出口に送出する商品払出口と、前記商品取出口から商品を取り出すための開口部と、前記開口部を開閉する取出口扉と、前記取出口扉の開閉動作に連動して前記商品払出口の前方に出退する防盗部材とを備え、前記取出口扉は、一端を枢支されて揺動自在な板状に設けられ、前記防盗部材は一端が前記取出口扉の他端部に回動自在に連結されて板状に設けられ、他端は、その側方に突出する案内杆部が前記商品取出口の側板に設けられた円弧状の案内溝に嵌め込まれて案内され、前記取出口扉の揺動に連動して前記商品払出口の前方に存する位置と、その前方から退避する位置に移動するように設けられ、前記取出口扉が前記開口部を閉鎖するとき前記防盗部材が前記商品払出口の前方から退避してその平板部が略水平姿勢で保持され、前記取出口扉が揺動されて前記開口部が開放されるとき、前記防盗部材の平板部が前記商品払出口の前方を略垂直姿勢で閉塞するものである。

これによれば、前記取出扉により前記開口部を閉鎖するとき、前記本体内の商品収納部から払い出された商品を前記商品払出口を介して確実に前記商品取出口に搬出し、顧客等が前記取出口扉を開放して前記開口部から手等を差し入れた場合には、容易にその手等がその奥の前記本体内に挿入できないようにすることができる。
請求項２に係る発明は、請求項１に記載の発明において、前記防盗部材は、板状の透明部材から成るものである。

これによれば、前記商品収納部から前記商品払出口を介して前記商品取出口に送出される商品の視認性を向上させ、その商品の取り出しを容易にすることができる。

以上説明したように請求項１に係る発明によれば、取出扉により商品取出口の開口部を閉鎖するとき、本体内の商品収納部から払い出された商品を商品払出口を介して確実に商品取出口に搬出し、顧客等が取出口扉を開放して商品取出口の開口部から手等を差し入れた場合には、容易にその手等がその奥の前記本体内に挿入できないようにすることができるから、これにより商品の払出性能と防盗性能の何れもが十分に満たされた自動販売機の商品取出口装置を提供することができる。

また、請求項２に係る発明によれば、商品収納部から商品払出口を介して商品取出口に送出される商品の視認性を向上させ、商品の取り出しを容易にすることができるから、使い勝手の良い自動販売機の商品取出口装置を提供することができる。

本発明に係る好適な実施例について図を参照して説明する。なお、従来と同一または同様の機能を有する構成には同符号を付す。
図１は本発明の実施の形態に係る自動販売機を示す正面図、図２は本発明の実施の形態に係る自動販売機において外扉を開いた状態を示す内部構造斜視図である。
図１、図２に示すように、この自動販売機は、販売商品を収納する商品収納コラム（商品収納部）５を内部に備えて前面を開口した本体１と、本体１の前面開口を開閉自在に閉塞する前扉（外扉）２とを備えている。また、前扉２の背面側には、その背面を覆うとともにその背面側を開放可能な中扉３が配設されている。

本体１内には、商品収納コラム５が上下段、左右列に並べられて配設されている。この商品収納コラム５は、たばこ等の箱型の商品を上下に積み重ねて収納し、販売指令に基づいてその最下位に収納される商品を順に押し出して搬出するように構成されている。また、本体１内に配置される商品収納コラム５の下方には、各商品収納コラム５から搬出された商品を受容し、後述の商品取出口２０に送出する商品搬出シュート２８が設けられている。

前扉２の前面には、その内部に展示される商品見本１５を透明板１６を介して目視可能に配設された展示窓7と、商品見本１５と対応して透明板１６の前面部に配設された商品選択ボタン８と、商品を購入するための金銭を投入する硬貨投入口９および紙幣挿入口１０と、釣銭等を返却する返却レバー１１と、釣銭硬貨等を返却する硬貨返却口１２と、前扉２を開閉するためのハンドルロック１３と、商品収納コラム５から搬出される販売商品を取り出すための取出口扉１９を有する開口部１４と、投入金額や販売情報を表示するための表示器１８等が設けられている。また、前扉２の裏側には、投入された金銭を識別する硬貨識別装置２１や紙幣識別装置２２、投入された硬貨を貯留する硬貨金庫２３、さらに商品収納コラム５から払い出された商品が商品搬出シュート２８を通って搬出される商品取出口２０が設けられている。

前扉２の背面側に設けられた中扉３の前面には、その前面を覆うようにディスプレイパネル２５が設けられ、そのディスプレイパネル２５には、商品見本１５を展示する商品見本展示装置１７が上下方向に複数段に並んで設けられている。また中扉３の背面側には、本体１内の商品収納コラム５と対向して同様の商品収納コラム５が備えられている。
図３は、本発明の実施の形態に係る自動販売機において、前扉２の下部に設けられた商品取出口２０の構造を示す斜視図、図４は、その商品取出口２０を示す側面断面図で、（ａ）は取出口扉１９が開口部１４を閉じた状態、（ｂ）は取出口扉１９が奥側に揺動されて開口部１４が開かれた状態を示す。

図に示すように、この商品取出口２０は、左右の側壁を成す側板３１、３２と、底部を形成する底板３４と、天井部を構成する天井板３５とに囲繞されて略箱形状に形成され、その前側に商品を取り出す開口部１４が、その後側に本体１内の商品搬出シュート２８から商品が送入される商品送入部（商品払出口）３０が開口して設けられている。また、商品取出口２０内には取出口扉１９と防盗板（防盗部材）３８が連結されて設けられている。

ここで、取出口扉１９はその上端側部に支軸１９ａが設けられ、その支軸１９ａを側板３１、３２に設けた軸孔３１ｃ、３２ｃに回動自在に装着し、開口部１４を閉塞する閉塞位置と、開口部１４を開放する開放位置とに揺動可能に吊支されている。また、取出口扉１９の上部にはこれを前述の閉塞位置に向かって回動付勢する付勢ばね４１が設けられ、されに側板３１、３２には取出口扉１９の前面の左右側端部と当接してこれを前記閉塞位置に保持するストッパ部３１ａ、３２ａが設けられている。このような構成により、取出口扉１９は、常時は開口部１４を閉塞する閉塞位置に保持されている。

また防盗板３８は、その上端３８ａが取出口扉１９の下部と連結軸３７により蝶番構造に連結されている。また、防盗板３８の下部は、その左右側方に突設する案内杆部３８ｂが側板３１、３２に設けられた円弧状の案内溝３１ｂ、３２ｂに嵌め込まれて案内され、商品送入部３０の前方を遮る位置と、商品送入部３０の上方に退避する位置に移動可能に構成されている。なお、商品取出口２０内の視認性を確保するため、防盗板３８は取出口扉１９とともにポリカーボネート等の透明材料により形成されることが望ましい。

また、底板３４の中央部には、商品取出口２０内を左右に分割するように仕切部材４３が配設されている。この仕切部材４３は、例えば肘から先の腕を商品取出口２０の内部に潜り込ませることができないようにして、その手先を商品送入部３０を介して本体１内に差し入れて商品を窃取する等の悪戯を防止するものである。
このように構成される本発明の実施の形態に係る自動販売機の販売動作は、次のように行われる。先ず、顧客が硬貨投入口９および紙幣挿入口１０から商品の販売価格に応じた金銭を投入して所望する商品の商品選択ボタン８を操作すると、その商品が収納された商品収納コラム５から商品が商品搬出シュート２８に払い出され、それが商品取出口２０の商品送入部３０を通過して商品取出口２０内に送入される。そして、これを顧客が取出口扉１９を開けて取り出し、商品の販売が行われる。

ここで、このように構成される商品取出口２０において、取出口扉１９は、図４の（ａ）に示すように、常時において付勢ばね４１により前方に回動付勢されて、開口部１４を閉塞する閉塞位置に保持される。そして、取出口扉１９に連結された防盗番３８は、これに連れて商品送入部３０の前方から離隔した商品取出口２０内の前方に、略水平姿勢で保持される。すなわち、この場合には商品搬出シュート２８を通って商品取出口２０に送入される商品は、商品送入部３０を介して支障なく商品取出口２０に搬入される。

また、取出口扉１９が、図４の（ｂ）に示すように、後方に押圧されて開口部１４が開放される位置に回動されるとき、これに連結された防盗板３８は、その後端が側板３１、３２に設けられた円弧状の案内溝３１ｂ、３２ｂに案内されて商品送入部３０の前方を遮る位置に移動し、その状態が、商品送入部３０の前方においてこれを塞ぐような略垂直姿勢に変化する。これにより、商品取出口２０の開口部１４から差し入れた手を、商品送入部３０を介して本体１内に挿入することが困難となり、本体１内に収納された商品の盗難等の悪戯が防止される。

以上のように、本発明に係る自動販売機の商品取出口２０においては、商品取出口２０から商品を取り出すための開口部１４を開閉する取出口扉１９は、上端を回動自在に支持されて揺動自在な板状に設けられ、取出口扉１９と連動する防盗板３８は一端が取出口扉１９の下端部に蝶番状に回動自在に連結され、他端が取出口扉１９の揺動に連動して商品送入部３０の前方を遮る位置と、その前方から退避する位置に移動するように設けられ、取出口扉１９が開口部１４を閉鎖するとき防盗板３８が商品送入部３０の前方から退避する位置に移動し、取出口扉１９が後方に揺動されて開口部１４が開放されるとき防盗板３８が商品送入部３０の前方を閉塞する。すなわち、これによれば取出口扉１９により開口部１４を閉鎖するとき、本体１内の商品収納コラム５から払い出された商品を商品送入部３０を介して確実に商品取出口２０内に搬出し、顧客等が取出口扉１９を開放して開口部１４から手等を差し入れた場合には、容易にその手等がその奥の本体１内に挿入できないようにすることができる。したがって、これにより商品の払出性能と防盗性能の何れもが十分に満たされた自動販売機の商品取出口装置を提供することができる。

また、取出口扉１９と連動する防盗板３８は、例えばポリカーボネート等の透明部材から形成されることが望ましい。すなわち、これによれば本体１内の商品収納コラム５から商品搬出シュート２８に払い出され、商品送入部３０を通過して商品取出口２０内に送出される商品の視認性を向上させ、その商品の取り出しを容易にすることができるから、使い勝手の良い自動販売機の商品取出口装置を提供することができる。なお、本実施の形態において取出口扉１９も防盗板３８と同様に透明な樹脂部材等により形成されている。この場合、常時の待機状態において、取出口扉１９が付勢ばね４１により開口部１４を閉鎖する状態に保持されるときにも、商品取出口２０内部の様子を観察することができるから、商品の送出状況等を容易に確認することができる。

なお、本発明は、言うまでもなく本実施の形態に示す装置にのみ限定されず、その趣旨の包含する範囲で応用変更が可能である。例えば、取出口扉１９と防盗板３８の連結は蝶番構造のみに限られず、商品取出口２０の形状や販売する商品の形態に応じて適宜に応用変更することが可能である。

本発明の実施の形態に係る自動販売機を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る自動販売機において外扉を開いた状態を示す内部構造斜視図である。 本発明の実施の形態に係る自動販売機において、前扉の下部に設けられた商品取出口の構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品取出口を示す側面断面図で、（ａ）は取出口扉が開口部を閉じた状態、（ｂ）は取出口扉が奥側に揺動され開口部が開かれた状態を示す。 従来の実施の形態に係る自動販売機の商品取出口に関する要部の構成を模式的に示す側面断面図である。

符号の説明

１ 本体
２ 前扉（外扉）
５ 商品収納コラム（商品収納部）
１４ 開口部
１９ 取出口扉
２０ 商品取出口
３０ 商品送入部（商品払出口）
３１ 側板
３２ 側板
３４ 底板
３５ 天井板
３８ 防盗板（防盗部材）

Claims (2)

1. 本体内の商品収納部から払い出された商品を、本体前面を覆う外扉に設けられた商品取出口に搬出して販売する自動販売機において、前記商品収納部から払い出された商品を前記商品取出口に送出する商品払出口と、前記商品取出口から商品を取り出すための開口部と、前記開口部を開閉する取出口扉と、前記取出口扉の開閉動作に連動して前記商品払出口の前方に出退する防盗部材とを備え、
   前記取出口扉は、一端を枢支されて揺動自在な板状に設けられ、前記防盗部材は一端が前記取出口扉の他端部に回動自在に連結されて板状に設けられ、他端は、その側方に突出する案内杆部が前記商品取出口の側板に設けられた円弧状の案内溝に嵌め込まれて案内され、前記取出口扉の揺動に連動して前記商品払出口の前方に存する位置と、その前方から退避する位置に移動するように設けられ、前記取出口扉が前記開口部を閉鎖するとき前記防盗部材が前記商品払出口の前方から退避してその平板部が略水平姿勢で保持され、前記取出口扉が揺動されて前記開口部が開放されるとき、前記防盗部材の平板部が前記商品払出口の前方を略垂直姿勢で閉塞することを特徴とする自動販売機の商品取出口装置。
2. 前記防盗部材は、板状の透明部材から成ることを特徴とする請求項１に記載の自動販売機の商品取出口装置。

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