JP4927378B2 - 圧電磁器組成物および圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は圧電磁器組成物および圧電素子に係り、詳しくは非鉛系でありながら、高い耐熱性と大きな圧電歪定数とを有する圧電磁器組成物およびそれを用いた圧電素子に関する。
現在実用化されている圧電セラミックスは、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等に代表されるように、鉛を含有するものがほとんどである。しかしながら、これらの鉛系圧電セラミックスは鉛成分による環境面への影響が課題となっている。また、これらの鉛系圧電セラミックスはキュリー点が200〜500℃付近に存在し、それ以上の温度では圧電性が消失するため、500℃以上の温度で使用される圧電セラミックスセンサの材料として用いることは困難である。このため環境面への影響が少なく、500℃以上で使用可能な非鉛系圧電セラミックスの実現が切望されている。
このような非鉛系圧電セラミックスとして、例えばビスマス層状構造強誘電体Na0.5Bi4.5Ti15(NBT)等が知られている。(例えば、特許文献1、2、非特許文献1、2参照。)。ビスマス層状構造強誘電体NBTは、キュリー点が約670℃であり、上述したPT、PZTのキュリー点よりも高いことから、高温での使用が可能な非鉛系圧電セラミックスとして有望であると考えられている。
特開昭50−67492号公報 特開平11−29356号公報 「Piezoelectricity in Ceramics of Ferroelectric Bismuth Compound with Layer Structure」 S.Ikegami and I.Ueda Japanese Journal of Applied Physics,13 (1974) p.1572-1577 「Grain-Oriented and Mn-Doped (NaBi) (1-x)/2CaxBi4Ti4O15 Ceramics for Piezo-and Pyrosensor Materials」 T.Takenaka and K.Sakata Sensor and Materials,1 (1988) p.35-46
しかしながら、ビスマス層状構造強誘電体Na0.5Bi4.5Ti15(NBT)はキュリー点が高く耐熱性に優れるものの、圧電歪定数が小さいためセンサ等への応用が困難となっている。また、一般に、ビスマス層状構造強誘電体NBTのように結晶構造異方性を有するものについては、特定の結晶方向へ揃えるように配向処理することで圧電歪定数を向上できることが知られているが、このような配向処理にはホットプレス等を行なう必要があり、製造工程が複雑化し製造コストが上昇するという課題がある。
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、高い耐熱性と大きな圧電歪定数とを有し、かつ、製造が容易な圧電磁器組成物およびそれを用いた圧電素子を提供することを目的としている。
Na、Bi、TiおよびCoを含有する圧電磁器組成物であって、前記Na、Bi、TiおよびCoをそれらの酸化物に換算したときの含有比が下記組成範囲(1)内であることを特徴とする。
aNaO−bBi−cTiO−dCoO ・・・(1)
(但し、a、b、cおよびdはモル比を表し、0.030≦a≦0.042、0.330≦b≦0.370、0.580≦c≦0.620、0<d≦0.017、a+b+c+d=1である。)
また、本発明の圧電磁器組成物は、Na、Bi、TiおよびCoを含有し、Na0.5Bi4.5Ti15型結晶で示される構造の化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって、CoをCoOに換算したときの含有量が0.70質量%以下であることを特徴とする。
このような本発明の圧電磁器組成物は、ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)を主生成相とすることが好ましい。また、本発明の圧電素子は、このような圧電磁器組成物を用いてなることを特徴とする。
本発明によれば、従来、環境に与える影響が少なく耐熱性にも優れるものの、圧電歪定数が小さいためセンサ等への適用が困難であった非鉛系の圧電セラミックスであるビスマス層状構造強誘電体Na0.5Bi4.5Ti15(NBT)において、所定量のCo元素を含有させることで、高い耐熱性を維持しつつ、無配向であっても圧電歪定数を大きくすることができる。これにより、耐熱性および圧電性に優れる本発明の圧電磁器組成物は、圧電振動子、アクチュエータ、燃焼圧センサ、ノッキングセンサ、超音波モータ、圧電ジャイロセンサ等として好適に用いることができる。
本発明の圧電磁器組成物は、ビスマス層状構造強誘電体Na0.5Bi4.5Ti15(NBT)を主生成相とする圧電磁器組成物に係り、無配向のままであっても、組成範囲を調整することにより高い圧電歪定数を得ることを目的としてなされたものである。
すなわち、本発明の圧電磁器組成物は、Na、Bi、TiおよびCoを含有する圧電磁器組成物であって、前記Na、Bi、TiおよびCoをそれらの酸化物に換算したときの含有比が下記組成範囲(1)内であることを特徴とするものである。
aNaO−bBi−cTiO−dCoO ・・・(1)
(但し、a、b、cおよびdはモル比を表し、0.030≦a≦0.042、0.330≦b≦0.370、0.580≦c≦0.620、0<d≦0.017、a+b+c+d=1である。)
また、本発明の圧電磁器組成物は、Na、Bi、TiおよびCoを含有し、Na0.5Bi4.5Ti15型結晶で示される構造の化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって、CoをCoOに換算したときの含有量が0.70質量%以下であることを特徴とするものである。
なお、CoOの含有量とは、圧電磁器組成物全体に対するCoOの比率である。
本発明では、ビスマス層状構造強誘電体NBTの組成にCo元素を含有させた組成の圧電磁器組成物とすることで、圧電磁器組成物を製造する際にビスマス層状構造強誘電体NBTと共に生成する不純物相の生成を抑制し、ビスマス層状構造強誘電体NBTの生成比率を高くし、かつビスマス層状構造強誘電体NBTの結晶構造に歪みを生じさせ、圧電歪定数を大きくすることが可能となる。
圧電磁器組成物の組成をビスマス層状構造強誘電体NBTの組成のみからなるものとし、Co元素を含有しないものとした場合、すなわち、上記組成範囲(1)におけるCoOのモル比であるd値が0の場合、あるいは、Co元素のCoO換算での含有量が0質量%の場合、実際にはビスマス層状構造強誘電体NBTだけでなく、不純物相であるBiTi12(BiT)も併せて生成するため、ビスマス層状構造強誘電体NBTの生成比率が低くなり圧電歪定数が小さくなる。
一方、ビスマス層状構造強誘電体NBTの組成に対するCo元素の含有量の割合を多くしていくと、上述した不純物相であるBiTの生成比率は低下するだけでなく、ビスマス層状構造強誘電体NBTの結晶構造に歪みが生じる。そして、上記組成範囲(1)におけるCoOのモル比であるd値が0.017を超える場合、あるいは、Co元素のCoO換算での含有量が0.70質量%を超える場合、ビスマス層状構造強誘電体NBTの結晶構造の歪が大きくなり、その結晶構造自体が不安定となるので、圧電歪定数が小さくなる。
このため、本発明では、不純物相であるBiTの生成を抑制することでビスマス層状構造強誘電体NBTの生成比率を高くし、かつビスマス層状構造強誘電体NBTの結晶構造に歪みを適度に生じさせ、大きな圧電歪定数を得ることができるものとして、上記組成範囲(1)におけるCoOのモル比であるd値を0<d≦0.017とし、または、Co元素のCoO換算での含有量を0質量%以上、0.70質量%以下としたものである。
なお、本発明における圧電磁器組成物の組成としては、500℃近傍の温度にも耐え得る高い耐熱性を有し、かつ圧電歪定数(d33)が20(pC/N)以上という高い特性を発揮させる観点から、上記組成範囲(1)におけるa〜dの値を、0.031≦a≦0.037、0.340≦b≦0.370、0.600≦c≦0.620、0.0031<d≦0.016とすることが好ましい。また、Co元素の含有量をCoO換算で表した場合、0.10質量%以上、0.55質量%以下とすることが好ましい。
さらに、500℃近傍の温度にも耐え得る高い耐熱性を有し、かつ圧電歪定数(d33)が25(pC/N)以上という高い圧電性を発揮させる観点から、上記組成範囲(1)におけるa〜dの値が、0.031≦a≦0.037、0.340≦b≦0.370、0.600≦c≦0.620、0.0031<d≦0.010とすることが好ましい。また、Co元素の含有量をCoO換算で表した場合、0.10質量%以上、0.35質量%以下とすることが好ましい。
なお、圧電磁器組成物の組成が上述した組成範囲内となっているかの判断は、例えばICP発光分析、蛍光X線分析等による組成分析により行なうことができる。具体的には、蛍光X線分析による場合、例えば圧電磁器組成物の焼結体を適宜作製し、その焼結体を蛍光X線分析装置にかけ、圧電磁器組成物を構成するNa、Bi、TiおよびCo等の金属元素の含有量の比率を求め、これらの金属元素を組成式(1)で示すような酸化物で表したときのモル比が、組成式(1)で示した範囲内あるいは、CoをCoO換算したときの含有量が、質量%で、0質量%よりも多く、0.70質量%以下となるものであればよい。
また、ICP発光分析による組成分析の場合、例えば圧電磁器組成物を加圧硫酸分解したものをICP発光分析装置にかけて、組成分析を行なう。
次に、本発明の圧電磁器組成物の製造方法について説明する。まず、原料粉末として、ビスマス層状構造強誘電体NBTを構成する金属元素であるNa、BiおよびTiならびに圧電歪定数を向上させるためのCo源としての、炭酸ナトリウム、酸化ビスマス、酸化チタンおよび酸化コバルトの各原料粉末を用意する。なお、これらの原料粉末は必ずしも上述した形態でなくてもよく、酸化物、炭酸塩あるいは炭酸水素塩等の形態で提供されるものであってもよい。
これらの原料粉末は、最終的に圧電磁器組成物としたときの組成が上述した組成範囲(1)等となるように秤量し、エタノール等の分散媒に添加した後、ボールミル等により湿式混合、粉砕を行い泥漿とする。このようにして得られた泥漿は、乾燥させ原料混合粉末とする。
原料混合粉末は、例えば大気雰囲気中、600℃〜1100℃、10分〜300分の間で仮焼を行い仮焼物粉末とする。仮焼物粉末には、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等の有機バインダおよびアルコール類、エーテル類等の分散媒を加えて、ボールミル等により湿式粉砕を行い泥漿とする。このようにして得られた泥漿は、乾燥させて造粒粉末とする。
さらに、この造粒粉末を所定の形状に成形して、成形体とする。成形体の形状は特に制限されるのではなく、必要に応じて円板状等の形状を適宜選択することができる。また、成形は例えば30MPa程度で一軸成形した後、150MPa程度で冷間等方静水圧プレス(CIP)処理することが好ましい。このようにして得られた成形体は、例えば1050℃〜1250℃、1時間〜10時間の範囲で焼成して焼結体とする。
このようにして得られた焼結体は、例えば円板状であればその両主面を平面研磨し、次いでこの両主面に導電性ペーストをスクリーン印刷等により塗布し、適宜焼き付けを行い、電極を形成する。
導電性ペーストとしては、例えば導電成分、ガラスフリットおよび有機媒体からなるものが挙げられる。導電成分としては、例えば銀、金、パラジウムあるいは白金等の貴金属からなる貴金属粉末、これらの貴金属の合金からなる合金粉末、または、これらの貴金属粉末の2種以上からなる混合粉末等を用いることができる。また、このような貴金属以外にも、銅、ニッケル等の金属からなる粉末、合金粉末、混合粉末等も用いることができる。ガラスフリットとしては、例えばSiO、Al、ZnOおよびTiOを含むものが使用できる。また、有機媒体としては、アルコール類、エーテル類等のこの種のペーストに用いられるものを使用することができる。
このようにして電極が形成された焼結体は、例えば室温〜200℃程度のシリコーンオイル等の絶縁オイル中で、3kV/mm〜12kV/mm程度の直流電圧を10分間〜100分間程度印加して分極処理を行い圧電磁器組成物とする。このようにして電極が形成された圧電磁器組成物は、電極が形成されたままの状態で用いてもよいし、表面に形成された電極を除去して用いてもよい。
このような圧電磁器組成物は、例えば振動子、アクチュエータ、センサ等の圧電素子に好適に用いられる。特に、本例の圧電磁器組成物を用いた圧電素子は、例えば自動車の燃焼室近傍等の高温部においても、感度が高く且つ長期間安定して使用できることが求められる燃焼圧検出センサ等の高温用センサ部品に好適に用いることができる。つまり、本例の圧電磁器組成物は高い耐熱性と大きな圧電歪定数を有することから、上記燃焼圧センサやノッキングセンサに代表される自動車用部品として好適に用いることができる。
原料粉末として、炭酸ナトリウム(NaCO)(純度99.53%)、酸化ビスマス(Bi)(純度98.8%)、酸化チタン(TiO)(純度99.0%)および酸化コバルト(CoO)(純度99.9%)を用い、下記表1に示すような割合(モル%)で配合した。表1中、試料No.2〜11は、圧電磁器組成物としたときの組成が本発明の範囲内となるものである。また、試料No.1と12は、圧電磁器組成物としたときの組成が本発明の範囲外となるものであり、試料No.1は酸化コバルトを含まないもの、試料NO.12は酸化コバルトを過剰に含むものである。なお、表1に示した組成は原料粉末の調合時の組成を示したものであり、実際に得られる圧電磁器組成物の組成とは若干異なるものである。
Figure 0004927378
上述したような原料粉末の配合物にエタノールを加え、ボールミルにより15時間の湿式粉砕を行った後、得られた泥漿を湯煎乾燥して原料混合粉末とした。この原料粉砕物を、800℃、120分間の条件で仮焼して仮焼物粉末とした後、さらに有機バインダとエタノールとを加え、ボールミルにより15時間の湿式粉砕を行い、得られた泥漿を湯煎乾燥して造粒粉末とした。
造粒粉末を30MPaの圧力で一軸加圧成形を行うことにより直径20mm、厚み3mmの円板状成形体とした後、この円板状成形体に150MPaの圧力で冷間等方静水圧プレス処理(CIP処理)を行った。このCIP処理後の円板状成形体は、焼成時間を120分間、焼成温度を1150℃として焼成を行い焼結体とした。
次に、各焼結体の両主面を平面研磨した後、この両主面にSiO、Al、ZnOおよびTiOを含むガラスフリット、銀粉末ならびに有機媒体としてのブチルカルビトールアセテートを用いて調整した銀ペーストを塗布、700℃で20分間の焼き付けを行い、銀電極を形成して、円板状素子を得た。さらに、円板状素子を150℃の絶縁オイル中で、9kV/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理を行って銀電極を有する圧電磁器組成物(圧電素子)を得た。
得られた圧電素子について、圧電歪定数(d33)を測定すると共に、これを600℃、1時間の条件で熱処理した後、再び圧電歪定数(d33)を測定した。圧電歪定数(d33)の測定は、EMAS−6100に従い、インピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製、形式「4194A」)を用いて、圧電素子を温度20℃に保持した恒温槽に静置し測定した。
また、圧電素子に用いた圧電磁器組成物の組成と結晶相を確認するために、圧電磁器組成物の作製に用いた焼結体と同様な焼結体を用いて、蛍光X線分析による組成分析を行なうと共に、X線回折により結晶相の同定を行った。なお、蛍光X線分析による組成分析は、ZSX100e(リガク株式会社、商品名)を用いて行い、X線回折による観察は、RU−200T(リガク株式会社、商品名)を用いて行った。
図1に試料No.1と3のX線回折の観察結果であるチャート図を示す。また、表2、3には、各圧電磁器組成物の蛍光X線分析による組成分析の結果、および、各圧電素子の熱処理前の圧電歪定数を示す。また、表4には、試料No.3〜7の圧電素子の熱処理前後の圧電歪定数を示す。また、図2に、表2に示したCoO含有量(mol%)とd33値(熱処理前)との関係をグラフにして示す。
Figure 0004927378
Figure 0004927378
Figure 0004927378
図1のX線回折の観察結果から、試料NO.1および3ともに、ビスマス層状構造強誘電体NBTが得られていることが認められた。また、他の試料についても、X線回折の観察により、同様にビスマス層状構造強誘電体NBTが得られていることを確認した。なお、試料No.1〜12のいずれの圧電磁器組成は、別途X線回折により観察したところ、いずれも無配向であることがわかった。
しかしながら、Co元素を含有しない試料No.1の圧電磁器組成物については、図1のX線回折の観察結果から明らかなように、不純物相であるBiTが生成していることが認められ、圧電歪定数が13(pC/N)未満となることが認められた。
また、Co元素を過剰に含む試料No.12の圧電磁器組成物については、X線回折の観察結果から、不純物相であるBiTの生成は抑制されているものの、ビスマス層状構造強誘電体NBTの結晶構造の歪が大きくなることが認められ、圧電歪定数が13(pC/N)未満となることが認められた。
これに対して、試料No.2〜11の圧電磁器組成物は、X線回折の観察結果から明らかなように、不純物相であるBiTの生成が抑制され、圧電歪定数はいずれも13(pC/N)を超えることが認められた。
特に、図2からも明らかなように、CoをCoOに換算して、CoOのモル比が、0.0031以上、0.010以下である試料No.3〜7は、より高い圧電歪定数を得ることができ、その値は25(pC/N)を超えることが認められた。また、その場合、Co元素の含有量をCoO換算し、CoOの含有量を重量%で計算した場合、0.10質量%以上、0.35質量%以下となる。
また、表4の熱処理前後の圧電歪定数の値より、熱処理による圧電歪定数の変化が比較的少なく良好な結果が確認され、その中でも試料No.3〜5は熱処理後においても、25(pC/N)以上という高い値を維持し、とりわけ良好な耐熱性が確認された。
かくして、ビスマス層状構造強誘電体NBTにCo元素を必須成分として所定の範囲で含有させることにより、高い圧電歪定数と優れた耐熱性とを両立できることが認められた。
なお、本発明の圧電磁器組成物または圧電素子は、耐熱性と圧電歪定数とを下げない限り、微量の不純物を含有しても良い。
X線回折による観察結果を示したチャート図。 Co含有量と圧電歪定数との関係を示したグラフ。

Claims (4)

  1. Na、Bi、TiおよびCoを含有する圧電磁器組成物であって、
    前記Na、Bi、TiおよびCoをそれらの酸化物に換算したときの含有比が下記組成範囲(1)内であることを特徴とする圧電磁器組成物。
    aNaO−bBi−cTiO−dCoO ・・・(1)
    (但し、a、b、cおよびdはモル比を表し、0.030≦a≦0.042、0.330≦b≦0.370、0.580≦c≦0.620、0<d≦0.017、a+b+c+d=1である。)
  2. Na、Bi、TiおよびCoを含有し、Na0.5Bi4.5Ti15型結晶で示される構造の化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって、
    CoをCoOに換算したときの含有量が0.70質量%以下であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  3. ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)を主生成相とすることを特徴とする請求項1または2記載の圧電磁器組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに1項記載の圧電磁器組成物を用いてなることを特徴とする圧電素子。
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