以下、本発明の実施形態について図1〜図4を参照しつつ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態における画像形成装置1の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を説明するための模型的断面図である。尚、本発明は、タンデム式、ロータリ式の現像装置を問わず適用できるが、本実施形態では、ロータリ式現像ユニット2を備えた画像形成装置1について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成部10、補給部20、中間転写部24、給紙部30、用紙搬送部35、2次転写部45、定着装置47と等から構成される。
図1に示すように、画像形成部10は、ロータリ式現像ユニット2、感光体ドラム11、帯電ローラ12、ドラムクリーニング装置13、レーザユニット14等からなる。
前記感光体ドラム11は、像担持体として表面に静電潜像が形成されるものであり、画像形成装置1のほぼ中央で回転駆動される(回転方向を矢印で図示)。その回転軸(不図示)は、図1の紙面に対して垂直に延びて設けられる。又、感光体ドラム11は、アモルファスシリコンやOPC感光体等の感光層を有するように形成されている。
前記帯電ローラ12は、感光体ドラム11の上部に設けられる。又、帯電ローラ12は、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させるため感光体ドラム11と接しており、回転可能に支持される。尚、帯電ローラ12の上部に設けられているのは、帯電ローラ12に付着している付着物をクリーニングするためのクリーナー12aである。
前記ドラムクリーニング装置13は、図1における感光体ドラム11の右側方に設けられていて、感光体ドラム11の表面に残留したトナーや付着物を清掃するためのものである。
前記、ロータリ式現像ユニット2は、感光体ドラム11に形成された静電潜像を各色のトナーによって現像するためのものであり、図1における感光体ドラム11の左側方に隣接して設けられる。又、ロータリ式現像ユニット2は、回転枠15と、回転枠15に支持された4つの現像装置16B(ブラック)、16Y(イエロー)、16C(シアン)、16M(マゼンタ)とを有し、図示しないモータやギアを含む駆動機構によって回転させられる。従って、ロータリ式現像ユニット2は、回転軸15aを中心として回転自在な円筒形状である。ロータリ式現像ユニット2の回転軸15aは、回転枠15の中心を通り、その軸線方向は、感光体ドラム11の回転軸の軸線方向と平行である。
図1に示すように、回転枠15は、回転軸15aの中心から放射状に延びる仕切枠15bによって円周方向に4等分された4つの区画を有している。各区画には、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4つのトナー色に対応した現像装置16B、16Y、16C、16Mが配置され、各現像装置16B、16Y、16C、16Mは、それぞれ同様の構成である。そして、ロータリ式現像ユニット2が回転すると、各現像装置16B、16Y、16C、16Mの現像ローラ53が、感光体ドラム11に所定の隙間を有しつつ対向する。尚、各現像装置16B、16Y、16C、16Mの詳細な構成については、後述する。
前記レーザユニット14は、外部のコンピュータ等からの画像情報に基づいて、感光体ドラム11を走査露光するためのものであり、ロータリ式現像ユニット2の上方に設けられる。レーザユニット14にレーザ光14Lを出力させるためのデータは、画像情報を受け付けるデータ処理部17により作成される。そして、レーザユニット14からはレーザ光14Lが、発射される。そして、レーザ光14Lの光路上には反射ミラー18が設けられ、レーザ光14Lはこの反射ミラー18により感光体ドラム11の表面に照射される(2点鎖線にてレーザ光14Lを図示)。尚、レーザユニット14は、その内部の構成として、レーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有している(不図示)。
前記補給部20は、トナー収納容器21及びトナー補給装置22等から構成される。トナー収納容器21は、感光体ドラム11及び中間転写ベルト25の上方に設けられ、各色のトナーに対応して、図1の紙面垂直方向に並べて4つ配置されている。各トナー収納容器21はロータリ式現像ユニット2の各現像装置16B、16Y、16C、16Mに対して補給するトナーを収納する部分である。即ち、各トナー収納容器21は、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのいずれかの色のトナーを収容する。尚、トナー収納容器21は、図1では、1つのトナー収納容器21以外は不可視となっている。
前記トナー補給装置22は、感光体ドラム11の上方において、レーザユニット14とトナー収納容器21との間のスペースに配置されていて、上下動可能に構成され、各色に対応して4本設けられる。各トナー補給装置22は、対応するトナー収納容器21とパイプやホース等で接続され、トナー収納容器21に収容された各色のトナーを対応する現像装置16B、16Y、16C、16Mに供給する。
具体的に、トナー補給装置22は、先端が細い形状の差込部22aを有していて、下方に移動した際に、先端が現像装置16B、16Y、16C、16Mに差し込まれトナーを供給する。又、補給が完了すると上方に移動し、ロータリ式現像ユニット2が回転可能な状態となる。尚、図1では、1本のトナー補給装置22以外は不可視となっている。又、トナー補給装置22の移動方向を破線にて図示する。
前記中間転写部24は、感光体ドラム11に形成された各色のトナー像が順次転写される中間転写ベルト25、中間転写ベルト25を張架し回転駆動させるための駆動ローラ26、テンションローラ27、感光体ドラム11と中間転写ベルト25を介して隣接する1次転写ローラ28、1次転写ローラ28の近傍であって駆動ローラ26と1次転写ローラの間に設けられた従動ローラ28a、中間転写ベルト25を清掃するためのベルトクリーニング装置29等から構成されている。各ローラに張架された中間転写ベルト25は、回転して感光体ドラム11と1次転写ローラ28のニップを通過し、各色のトナー像が重ねて1次転写され、この重ねられたトナー像は後に2次転写部45で、用紙Pに転写される。
前記給紙部30は、給紙カセット31、手差しトレイ32等から構成される。画像形成装置1の底部には、用紙Pが載置される載置板31aを有する給紙カセット31が設けられる。又、給紙部30は、載置板31a上の用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路に送り出すために給紙カセット31の右上部にピックアップローラ33と、ピックアップローラ33の右方に重送防止ローラ対34を有する。更に、装置右側面には、別途給紙できるように手差しトレイ32が設けられる。そして、手差しトレイ32にも用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路に送り出すためのピックアップローラ33が設けられる。
前記用紙搬送部35は、画像形成装置1内で用紙Pを搬送するためのものである。用紙搬送部35は、給紙部30から後述する2次転写ローラ46に至る第1搬送路36と、2次転写ローラ46から定着装置47を経て画像形成済みの用紙Pを排出するための用紙排出口42に至る第2搬送路37と、定着装置47よりもシート搬送方向下流側における第2搬送路37の途中から第1搬送路36の途中をつなぐように設けられる反転搬送路38等から構成される。尚、用紙搬送方向は、矢印で図示している。
又、湾曲部39が、給紙カセット31から送り出された用紙Pの搬送方向を逆にするため第1搬送路36に設けられる。又、湾曲部39上部では、手差しトレイ32からの搬送路が合流する。2次転写ローラ46の手前には、用紙Pの搬送タイミングを制御するためのレジストローラ対40が配置される。これら要素が設けられる搬送路には、搬送ローラ対41が複数設けられ、又、用紙Pを案内するガイド板(不図示)も適宜設けられる。
前記第2搬送路37は、搬送ローラ対41が複数設けられる。又、用紙Pを案内するガイド板(不図示)も適宜設けられる。尚、第2搬送路37の最後端には、用紙排出口42
が設けられ、又、排出された用紙Pを受け止めるための排出トレイ43が設けられる。
反転搬送路38は、両面印刷のための搬送路である。反転搬送路38は、第2搬送路37の途中であって定着装置47の用紙搬送方向下流に位置する分岐爪44から、レジストローラ対40の用紙搬送方向上流側に合流するように設けられる。この反転搬送路38は、給紙カセット31の上方を通るように設けられる。この反転搬送路38も、搬送ローラ対41が複数設けられ、用紙Pを案内するガイド板(不図示)も適宜設けられる。
前記2次転写部45は、2次転写ローラ46及び駆動ローラ26から構成される。2次転写ローラ46は、中間転写ベルト25に転写されたトナー像を、2次転写ローラ46と中間転写ベルト25の間に挟まれるように搬送される用紙Pに転写するためのものである。そのため、2次転写ローラ46は、駆動ローラ26と中間転写ベルト25を介してニップを形成するように、回転可能かつ中間転写ベルト25と接離自在に支持される。又、この2次転写ローラ46には、電圧印加手段(不図示)によって、所定のタイミングで用紙Pにトナーが転写されるようにするための電圧が印加される。
前記定着装置47は、用紙Pに転写されたトナーを溶融定着させるためのものであり、第2搬送路37の途中であって、ロータリ式現像ユニット2の下方に設けられる。この定着装置47は、ヒータを内蔵する加熱ローラ48とこれに圧接する加圧ローラ49とを有し、両ローラ間に用紙Pを挟持して搬送する。トナーは加熱・加圧され用紙Pに定着する。
次に、画像形成動作について簡単に説明する。この画像形成装置1は、入力された画像データに基づき、以下のように画像形成動作実行する。
まず、帯電ローラ12により感光体ドラム11が帯電される。この感光体ドラム11に対して、画像データが入力されたデータ処理部17からのデータに従い、レーザユニット14が感光体ドラム11の表面の走査露光を行い、感光体ドラム11には静電潜像が形成される。次に、ロータリ式現像ユニット2が回転され、対応する色の現像装置16のいずれかが感光体ドラム11に対向する。この状態で、感光体ドラム11の静電潜像が対応する色のトナー供給によって現像される。現像されたトナー像は、中間転写ベルト25に転写される。以上の動作を各色順次繰り返し、中間転写ベルト25上にはフルカラーのトナー像が形成される(フルカラーならば中間転写ベルト25は4回転する)。尚、例えば、黒色の単色画像を形成する場合は、以上の動作を1度行えばよい。尚、感光体ドラム11上に転写後に残留したトナー等は、ドラムクリーニング装置13により清掃される。
一方で、給紙部30において、給紙カセット31又は手差しトレイ32から1枚の用紙Pがピックアップローラ33により取り出され、レジストローラ対40まで搬送される。その後、用紙Pは、レジストローラ対40から中間転写ベルト25上のトナー像にタイミングを合わせて搬送され、2次転写部45に案内される。2次転写ローラ46は、中間転写ベルト25に当接しつつ所定の電圧が印加され、中間転写ベルト25上のトナー像が用紙Pに転写される。この用紙Pは第2搬送路37により定着装置47に案内され、この定着装置47により用紙Pにトナー像が定着する。そして、片面印刷の場合は、分岐爪44を経て、用紙排出口42から順次排出され、用紙Pを排出トレイ43が受け止める。
一方、両面印刷の場合、定着装置47を通過した用紙Pは、用紙搬送方向において、分岐爪44よりも下流側の第2搬送路37でスイッチバックされ、分岐爪44の案内で反転搬送路38に導入される。その後、表裏反転した用紙Pは、再び第1搬送路36のレジストローラ対40の上流側に戻される。そして、用紙Pの裏面側にタイミングを合わせて2次転写ローラ46からトナー像が転写される。その後は上記と同様である。
次に、ロータリ式現像ユニット2に支持されている本発明の第1の実施形態に係る現像装置16B、16Y、16C、16Mについて図2を参照しつつ説明する。ここで、各現像装置16B、16Y、16C、16Mの有する構成は同様であるから、以下の説明及び図面の符号については、特に示さない限り、B、Y、C、Mの符号を省略し現像装置16と統一して説明する。従って以下の説明は、特に説明がない限り現像装置16B、16Y、16C、16Mに共通して適用される。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る現像装置16の概略構成を示す断面図である。尚、図2における現像装置16は、その現像ローラ53が感光体ドラム11と対向している状態の位置で静止している状態を示している。
この現像装置16は、主として、枠体51、仕切り部材52、現像ローラ53、供給ローラ54、規制部材55、撹拌部材56、トナー補給口57等により構成されている。
前記枠体51は、現像装置16の外殻を構成するものである。そして、この内部にトナーを収容し、他の部材が備え付けられることになる。
前記仕切り部材52は、例えば金属や樹脂の板状部材により形成され、第1仕切り61と第2仕切り62から構成されている。そして、第1仕切り61は、現像装置16の枠体51において、現像装置16における現像ローラ53、供給ローラ54と近接する枠体の内壁部分51aから対向する内壁部分51bに向けて設けられる(図2において下方から上方)。一方、第2仕切り62は、第1仕切り61よりもトナー収容部59側に第1仕切り61と対向するように設けられる。言い換えると、第2仕切り62は、第1仕切り61の長手方向に平行な方向に沿って対向するように第1仕切り61に取り付けられる。
そして、仕切り部材52のうち、主として第1仕切り61により、現像装置16の内部がトナー供給部58とトナー収容部59に隔てられる。トナー供給部58は、感光体ドラム11にトナーを供給する部分であり、現像ローラ53、供給ローラ54、規制部材55等が配される。トナー収容部59には、撹拌部材56やトナー補給口57が配される。
このように、第1仕切り61は、現像装置16内をトナー供給部58とトナー収容部59とに隔てるが、第2仕切り62と対向する位置において1又は複数の開口63を有する。この開口63により、トナー収容部59からトナー供給部58にトナーが移動可能とされ、トナーが補給される。即ち、第1仕切り61と第2仕切り62の対向する部分は、トナーが移動するための通路部64となっている。尚、第1仕切り61と第2仕切り62のより詳細な構成については後述する。
図2に示すように、前記現像ローラ53は、一部が枠体51から露出し、感光体ドラム11(図2において一部を破線で図示)に一定の隙間を有しつつ、対向配置され回転可能に支持される。そして、ロータリ式現像ユニット2が回転し、各色のトナーの薄層が形成された現像ローラ53が、感光体ドラム11に対向させられ、感光体ドラム11に対しトナーを供給する。尚、現像ローラ53と枠体51の間には、トナーの漏れ出し防止のためシール部材53aが設けられる。
前記供給ローラ54は、現像ローラ53にトナーを供給・搬送するため、現像ローラ53と仕切り部材52の間に現像ローラ53に接するように設けられる。供給ローラ54は回転可能かつ供給ローラ54の軸線と現像ローラ53の軸線は平行になるように支持される。又、供給ローラ54は、ギア、モータ等から構成される駆動機構(不図示)により、現像ローラ53と同方向に回転される(図2の時計方向)。そして、供給ローラ54は、現像ローラ53と供給ローラ54の接触部分において、図2の上方の接触部分では(規制部材55の近傍)、現像ローラ53にトナーを供給し、図2の下方の接触部分では(内壁部分51aの近傍)、現像に使用されなかったトナーを掻き取るという機能を果たす。
前記規制部材55は、樹脂、金属等でフィルム状又はブレード状に形成される。又、規制部材55は、一平面が現像ローラ53の軸線方向に沿って当接するように支持される。このように、規制部材55は、現像ローラ53上にトナーの薄層を形成するためのものであり、更に、摩擦や、所定の電圧印加手段(不図示)により、トナーを帯電させる機能も有する。
前記撹拌部材56は、トナー収容部59内のトナーを撹拌するためのものであり、供給ローラ54、現像ローラ53と軸線が略平行かつ並列して設けられ、軸部56a及び撹拌羽根56b等により構成される。軸部56aはトナー収容部59内を架け渡されるようにして設けられ回転可能に支持される。図2に示すように、軸部56aは、断面が略T字状であり、その長手方向の端部がギア、モータ(不図示)と接続され回転される。軸部材56aに、例えば、PETのような樹脂で構成されるフィルム状又はシート状の撹拌羽根56bが取り付けられ、撹拌部材56が構成される。
前記トナー補給口57は、補給部20から、トナーの補給を受けるためのものであり、トナー収容部59に、撹拌部材56に近接する枠体部分51aと対向する枠体部分51bに設けられている(図2において上方の位置)。トナー補給口57には、トナー補給装置22の先端部22aが差し込まれ、トナーが現像装置16に補給される。そのため、トナー補給口57は、トナー補給装置22と対応して設けられる。
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る現像装置16における仕切り部材52のより詳細な構成について説明する。図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係る第1仕切り61をトナー供給部58側から見た斜視図、(b)は第1仕切り61への第2仕切り62の取付を説明するため、トナー収容部59方向から見た斜視図である。(c)は第1仕切り61に第2仕切り62を取付た状態を示す斜視図である。
図3(a)に示すように、第1仕切り61は、図3(a)において左右方向に長く形成されている。即ち、第1仕切り61は現像装置16における現像ローラ53や撹拌部材56の軸線方向に沿って伸びて形成されている(図2参照)。そして、第1仕切り61の上下方向中央からやや上方において、第1仕切り61の長手方向に複数の開口63が並列して設けられている。この開口63が設けられることで、トナー収容部59からトナー供給部58にトナーが供給される。
又、第1仕切り61は上下方向の略中央から下端にかけて湾曲部65を有している。これは、第1仕切り61が、供給ローラ54に被せられるように、現像ローラ53、供給ローラ54と近接する枠体の内壁部分51aから対向する内壁部分51bに向けて設けられるためである(図2参照)。又、第1仕切り61の下端部には、内壁部分51aに設けられる係止部(不図示)に差込み、第1仕切り61の位置固定のための係止爪66が複数設けられている。この係止爪により第1仕切り61が強固に固定される。
そして、図3(b)、(c)に示すように、第1仕切り61に第2仕切り62が取り付けられる(取付方向を二点鎖線で図示)。本実施形態では、第2仕切り62の長手方向の長さは、第1仕切り61と同じものとされる。ここで、第2仕切り62は、1枚の板状部材を長手方向における両端で折り曲げて2つの側壁部62aを有するように形成される。又、側壁部62aは、取り付けられた際に、第1仕切り61の湾曲部65等の形状と一致するように形成されている。
この第2仕切り62が、第1仕切り61に取り付けられることで、第1仕切り61と第2仕切り62が対向し、ポケット状のトナーの通路部64が形成される(図2参照)。尚、第1仕切り61の方が第2仕切り62よりも、内壁部分52bに近い位置まで伸びて設けられるようになっている。即ち、第2仕切り62が取り付けられても、第1仕切り61の長手方向に対する垂直方向の上部分において(図3の上下方向)第1仕切り61の方が長く突出するようになっている。
ここで、図2を参照して、現像装置16の具体的な実施例について述べるとともに、実際のトナーの動きについて述べる。尚、本発明がこの実施例に限定されるものではないことを付言しておく。
現像装置16の一例として、現像ローラ53には、JIS−A硬度45度、表面粗さRa1.0μmの弾性ローラを用いる。供給ローラ54はウレタンスポンジローラを用いて現像ローラ53とのニップ幅が3mmとなるように調整する。規制部材55には、厚さ0.08mmのSUSを用い、現像ローラ53に当接する規制圧を25N/mに設定する。シール部材としては、導電性の高分子量PEフィルムを用い、現像ローラ53に均一に接触するようにウレタンスポンジでバックアップするようにしている。又、撹拌部材56の撹拌羽根56bには、厚さ40μmのPETフィルムを用いている。
一方、本実施形態では、仕切り部材52としての第1仕切り61と第2仕切り62には、厚さ0.5mmのSUSを用いているが、現像装置16の大きさに合わせて、適宜変更することが可能である。ここで、対向する第1仕切り61と第2仕切り62の隙間の幅は、本実施形態の現像装置16では、1〜8mmとし、より好ましくは、2〜4mm程度とする。更に、第1仕切り61は、第2仕切り62よりも、枠体の内壁部分51bに伸びて形成されており、図2において、上方に1〜10mm、より好ましくは6〜8mm程度高くなるように形成されている。これは、通路部64には、トナーが流入するものであり、後述するトナー供給部58とトナー収容部59トナーの補給・移動の点において望ましいためである。
このように形成される現像装置16においては、図2に示すように、撹拌部材56が回転すると、トナーが撹拌され、トナー収容部59内で跳ね上げられる(そのためトナー収容部59はホッパー部と呼ばれることもある)。そうすると、跳ね上げられたトナーは通路部64に入り込む。その高さは、第1仕切り61の方が高く形成されているから、第2仕切り62の高さの位置までトナーが堆積する。即ち、第1仕切り61と第2仕切り62の対向する部分でトナーが堆積する。その通路部64におけるトナー堆積の高さをラインL1として示す。
この通路部64に入り込んだトナーは、トナー供給部58に、供給ローラ54を介し搬送される。しかし、通路部64の第1仕切り61と第2仕切り62の隙間の幅は、4mm程度とされているから、一気にトナー供給部58にトナーが流入することなく、消費されたトナーの量にあわせトナーの自重により徐々にトナー供給部58にトナーが供給される。これにより、必要以上にトナーが供給されることが無くトナー供給部58にトナーが過剰に充填されることがない。従って、トナー供給部58内の圧力がトナー劣化の生ずるほどには高くならず、ほぼ一定に保たれる(トナー供給部58内でのトナーの高さの目安をラインL2として示す。)。これにより、例え、低濃度出力を続けてもトナーの劣化が生じない。
即ち、トナー供給部58と、トナー収容部59を仕切り部材52で隔てるから、トナーの粒径選別が抑えられ、又、上記のようにトナー劣化が抑えられる、長期にわたって形成される画像にカブリや濃度低下、トナー飛散のない長寿命の現像装置16又は画像形成装置1となる。又、現像装置16を小型化しても、特に弊害の生じないものであり、現像装置16の小型化の要請にも対応可能である。
更に、本実施形態における現像装置16は、ロータリ式現像ユニット2に支持されるものである。ロータリ式現像ユニット2が回転することで、トナー供給部58のトナーの一部がトナー収容部59に通路部64を通って戻る。これにより少量ずつではあるが、トナーの入れ替えがなされ、トナー供給部58とトナー収容部59でのトナーの劣化の程度差を少なくすることが可能となる。トナーの劣化の程度差が大きくなると(トナー供給部59のトナーの劣化が進展しすぎると)、劣化トナーが、帯電させたい極性と逆の極性にまで帯電する場合があり、画像の品質の低下を引き起こす。しかし、本実施形態では、劣化の程度差を小さくすることができ、画像の品質が維持される。
尚、タンデム式の現像装置を用いる画像形成装置であっても、本実施形態における現像装置16を用いれば、そもそも粒径選別、トナー劣化が生じ難いから長寿命の現像装置16、画像形成装置1となる。
次に本発明における第2の実施形態について、図4に基づいて説明する。図4(a)は本発明の第2の実施形態に係る第1仕切り61への第2仕切り62の取付を説明するため、トナー収容部59方向から見た斜視図である。(b)は第1仕切り61に第2仕切り62を取り付けた状態を示す斜視図である。ここで、第2の実施形態は、第2仕切り62の設け方において、第1の実施形態と差異を設けたものである。
尚、第2の実施形態の基本的な構成は、図1〜3を用いて説明した上記の第1の実施形態と同じであるから、上記の実施形態と共通する構成については、図面の記載及び説明を省略する。即ち、特に述べる差異以外の点については、第1の実施形態と同様にすればよい。
図4(a)、(b)に示すように、第2の実施形態の仕切り部材52は、第1仕切り61の長手方向の端部に、所定の長さで端部開口67が設けられ、図4(a)に示すように第2仕切り62は、その端部開口67に対向しないように設けられる。即ち、通路部64が第1仕切り61の長手方向端部部分では形成されない。
更に、端部開口67には、トナー供給部58側からトナー収容部59側方向にのみトナー供給部58のトナーが移動するように弁68が設けられる。具体的には、トナー収容部59側から、例えばPETのような樹脂からなるシート状部材を弁68として、矩形状の端部開口67の一辺に沿って、端部開口67に覆い被さるように接着等により固定する。
これにより、現像装置16の長手方向端部において、トナー収容部59にトナー供給部58からトナーが戻されるから、トナー供給部58での圧力上昇を回避でき、又、トナーの劣化の程度差が大きくなることを防ぐことができる。又、弁68により、特にトナー補給口57の直下に端部開口が位置する場合など、現像装置16内への補給直後のトナーがトナー供給部58に直接移動しないようにできる。
次に本発明に関する参考例を、図5に基づいて説明する。図5は参考例に係る現像装置16の断面図である。ここで、参考例は、第1の実施形態と、仕切り部材52の設け方において、差異を設けたものである。
尚、参考例の基本的な構成は、図1〜3を用いて説明した上記の第1の実施形態と同じであるから、上記の実施形態と共通する構成については、図面の記載及び説明を省略する。即ち、特に述べる差異以外の点については、第1の実施形態と同様にすればよい。
図5に示すように、仕切り部材52として、第1仕切り61と第2仕切り62を設ける点では他の実施形態と同様であるが、第1仕切り61よりもトナー供給部58側に第1仕切り61と対向するように第2仕切り62を設ける点で異なっている。このように仕切り部材52を設けても、トナーが移動する通路部64が形成される。
具体的には、第1仕切り61は、現像ローラ52に近接する枠体の内壁部分51aから対向する内壁部分51bに向けて設けられ(図5において、下から上に向かう方向)、第2仕切り62は対向する内壁部分51bから第1仕切り61に向かう方向(図5において、上から下に向かう方向)に設けられている。このように仕切り部材52を構成しても、実施形態1と同様の効果を有するものとなる。
このようにして、第1の実施形態に示すように、装置内にトナーを収容し、像担持体としての感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像するため感光体ドラム11にトナーを供給し感光体ドラム11に対向して配置される現像ローラ53と、現像ローラ53にトナーを供給する供給ローラ54と、現像ローラ53に接し現像ローラ53上に形成されるトナー層の層厚を規制する規制部材55と、収容されたトナーを撹拌するための撹拌部材56とを有する現像装置16において、現像装置16内を現像ローラ53、供給ローラ54、規制部材55が配されるトナー供給部58と、撹拌部材56が配されるトナー収容部59を形成するために第1仕切り61が設けられているとともに、第1仕切り61よりもトナー収容部59側に第1仕切り61と対向するように第2仕切り62が設けられ、第1仕切り61は、第2仕切り62と対向する位置において1又は複数の開口63を有し、第1仕切り61と第2仕切り62により、トナーが移動する通路部64が形成するようにすれば、トナー供給部58内で消費されたトナー分だけが緩やかにトナー供給部58に補給されることになり、トナー供給部58でトナーが過剰に充填されることがない。従って、トナー供給部58内の圧力を一定かつ低い状態に保つことができ、トナー劣化を最小限に止めることができる。又、第1仕切り61と第2仕切り62により現像装置16内を隔てるから、粒径選別も生じ難いものとできる。このように、トナー劣化、粒径選別が生じがたいから、カブリ、濃度低下、トナー飛散等の不具合がなく長期間にわたり画像品質の低下しない長寿命の現像装置16を提供することができる。更に、現像装置16を小型化しても現像装置16内でトナー供給部58に劣化したトナーが蓄積されることがないから、小型化の要請にも応えた現像装置16を提供することができる。
又、第1仕切り61は、現像装置16の枠体51において、現像装置16における現像ローラ53と近接する枠体51の内壁部分51aから対向する内壁部分51bに向けて設けられていて、第1仕切り61の方が第2仕切り62よりも、対向する内壁部分51bに近い位置まで伸びて設けられるようにすれば、第1仕切り61及び第2仕切り62の構成は簡易なものとでき、トナー劣化等のない現像装置16を容易に提供することができる。
第2の実施形態で示すように、第1仕切り61の長手方向の端部に、所定の長さで端部開口67を設け、第2仕切り62は、端部開口67には対向しないように設けられるようにすれば、その構成上、現像装置16の長手方向端部ではトナーの流れが悪くなり、トナーの蓄積が生じることがあるが、この現像装置16の長手方向端部にあたる第1仕切り61の長手方向端部に端部開口67を設けるから、トナー供給部58からトナー収容部59にトナーを戻すことができる。これにより、トナー供給部58における現像装置16の長手方向端部部分にトナーが蓄積されることを防ぐことができトナー供給部58での圧力の上昇やトナーの劣化を防ぐことができる。
又、端部開口67には、トナー供給部58側からトナー収容部59側方向にのみトナー供給部58のトナーが移動するように弁68を設ければ、現像装置16に補給されたばかりで十分に撹拌されていないトナーがトナー供給部58に入り込むことを防ぐことができ、現像装置16内のトナーの劣化の程度をより均一化できる。
又、参考例で示すように、装置内にトナーを収容し、像担持体としての感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像するため感光体ドラム11にトナーを供給し感光体ドラム11に対向して配置される現像ローラ53と、現像ローラ53にトナーを供給する供給ローラ54と、現像ローラ53に接して現像ローラ53上に形成されるトナー層の層厚を規制する規制部材55と、収容されたトナーを撹拌するための撹拌部材56とを有する現像装置16において、現像装置16内を現像ローラ53、供給ローラ54、規制部材55が配されるトナー供給部58と、撹拌部材56が配されるトナー収容部59を形成するために第1仕切り61が設けられているとともに、第1仕切り61よりもトナー供給部58側に第1仕切り61と対向するように第2仕切り62が設けられ、第1仕切り61と第2仕切り62により、トナーが移動する通路部64が形成されるようにしても、第1の実施形態にしめす現像装置16と同様の効果を有する。
又、第1仕切り61は、現像装置16の枠体51において、現像装置16における現像ローラ53、供給ローラ54に近接する枠体51の内壁部分51aから対向する内壁部分51bに向けて設けられ、第2仕切り62は前記対向する内壁部分51bから第1仕切り61に向かう方向に設けるようにすれば、第1仕切り61及び第2仕切り62の構成を簡易なものとすることができ、トナー劣化等のない現像装置16を容易に提供することができる。
又、複数の現像装置16を支持し、複数の現像装置16を回転駆動するための回転枠を有する現像ユニットにおいて、複数の現像装置16のうち、一部又は全てが本発明に係る現像装置16であって、支持体が回転することで像担持体に各現像装置16の現像ローラ53が対向されるようにすれば、現像ユニットはいわゆるロータリ式の現像ユニットであるから、現像ユニットが回転することで、通路部64から、トナー収容部59からトナー供給部58にトナーを戻るようにすることができる。これにより、トナー収容部59とトナー供給部58でのトナーの劣化の程度が均一化され、トナー収容部59での劣化トナーの残留が無くなり、更にカブリ等の画像不具合のない現像装置16を提供することができる。
又、画像形成装置1において、上記の現像装置16又は現像ユニットを備えるようにすれば、長期間にわたり画像の品質の安定し、長寿命の画像形成装置1を提供することができる。又、現像装置16は小型化に対応したものであるから、カラー、モノクロを問わず画像形成装置1を小型化することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。