JP4924815B2 - 位相差制御部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透過光に位相差を与える複屈折率機能を有する位相差層を備えた位相差制御部材の製造方法に関する。
液晶表示装置は、薄型化や軽量化容易である点や、消費電力を低減できる点、フリッカーを生じ難い点等の利点があることから、テレビや医療機器など様々な分野に用いられているが、その一方で、使用者が液晶表示画面を見る角度によっては光漏れや階調反転現象を生じる問題、即ち視野角の狭さという問題を抱えていた。
この問題を解消するため、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを1軸延伸や2軸延伸処理した位相差フィルムや、液晶分子を特定方向に配向させて固定した位相差層などを液晶表示装置に組み合わせて出・入射光を制御する発明が各種提案されている。
特に近年では、位相差フィルムを基板に接着する粘着層を削除することができるために液晶表示装置全体の厚さを低減でき、また良好な耐久性や光透過性を得ることができるという観点から、駆動液晶分子を二枚の基板で挟んでなる液晶セルの内側にこの位相差層を造り込む、いわゆるインセルタイプの位相差層を備える位相差制御部材が提案されている。
架橋性液晶や高分子液晶等の液晶材料を用いて液晶セルの内側に位相差層を設置する方法としては、例えば位相差層を形成する基板の表面に配向膜を形成し、次いで液晶材料を溶媒に分散してなる位相差層形成用の塗布組成物(以下、「液晶性インキ」という。)を該配向膜上に塗布することによって所定の配向状態を得て位相差層を形成する方法(下記特許文献1を参照)や、配向膜を用いずに重合性の液晶モノマーを基板上でホメオトロピック配向やホモジニアス配向させてインセルタイプの位相差層を形成する方法(下記特許文献2を参照)などが検討されている。
ここで液晶表示装置は、液晶セルからの出・入射する可視光を画素ごとにR(赤)G(緑)B(青)等に分光する着色層が基板上に微細にパターン形成されたカラーフィルタを備えている。
したがってインセルタイプの位相差層をカラーフィルタの着色層の上に積層することにより、視野角の補償機能に加え、着色層を物理的に保護する透明保護層としての機能を併せ持つ位相差制御部材が得られるため、部品点数の削減や、ひいては生産コストの低減が可能となる。
インセルタイプの位相差層を形成するには、まず、重合性の液晶分子を光重合開始剤(開始剤)その他の添加剤と供に適切な溶剤に溶解した液晶性インキを、基板上に直接、または着色層などの他層を介して間接に、スピンコート法、ダイコート法、インクジェットコート法、スリット&スピンコート法などの手法を用いて均一に塗工して製膜する。このうち、均一な厚さに塗工可能である観点からはスピンコート法が、塗工時に液晶性インキが飛散せず無駄が少なく、また装置自体が比較的コンパクトであって生産コストが下げられるという観点からはダイコート法が、広く用いられている。特に近年では液晶表示装置自体の大型化や生産コストの低減のために大型基板への液晶性インキの塗工が望まれているところ、基板を所定の角速度で回転させるスピンコート法を用いることは困難であり、またダイコート法による塗工速度や、ダイヘッドと基板との相対位置の調整精度が向上したことなどから、現在はダイコート法による一括塗工(ダイコート法単独での塗工方式)が広く量産に適用されている。
位相差制御部材の取扱工程においては、他の装置や基板との位置合わせ(アライメント調整)を行うことが必要である。アライメント調整には、冶具上に立てたピンに位相差制御部材を当接させて行う簡易かつ低精度のピンアライメント調整と、アライメントマークをアライナーでパターン認識して行う高精度の光学調整(いわゆるトンボ調整)とが代表的に行われている。一般に、前者は1mm程度以下の位置精度、後者は5μm以下の位置精度にアライメント調整することが可能である。
微小な十字形状などに形成されるアライメントマークは、位相差制御部材を構成する光透過性の基材のうち液晶表示装置の有効表示領域の外部に複数設けられ、液晶性インキの塗布工程やその後の工程において、上記複数のうちのいずれか一以上を適宜選択して各種の装置やパネルとの位置合わせに用いられる。
アライメントマークを用いて基材の位置合わせをする具体的なケースとしては、
(i)基材上面に着色層をフォトリソグラフィー法やインクジェット法により微細にパターン形成する場合の、基材と当該フォトマスク、またはインクジェットコーターとの位置合わせ;
(ii)基材上面に液晶性インキをダイコート法で塗布する場合の、基材とダイヘッドとの位置合わせ;
(iii)塗布された液晶性インキをフォトリソグラフィー法でパターニング露光する場合の、基材とフォトマスクとの位置合わせ;
(iv)位相差層形成後に、液晶セルのセル厚さ(以下、セルギャップという。)を一定に保持するための柱状体や、駆動液晶分子の配向方向を規制するための突起などをフォトリソグラフィー法や転写法などにより微細にパターン形成する場合の、基材と当該フォトマスク、または転写装置との位置合わせ;
(v)位相差層形成後に、駆動液晶分子やその配向膜などを位相差層の上に直接または間接に塗工する場合の、基材と塗工装置との位置合わせ;
(vi)位相差層形成後に、当該基材を所定のカットラインで切断する場合の、基材と切断装置との位置合わせ;
(vii)位相差層を形成した基材と、液晶駆動回路を画素ごとにパターン配置した液晶駆動基板とを貼り合わせる場合の、基材と液晶駆動基板との位置合わせ;
などを一例として挙げることができる。
特開2005−165239号公報 特開2005−165240号公報
アライメントマーク(以下、簡単のため「AM」と略記する場合がある。)の認識は、対物CCDカメラを搭載したアライナーの備える照明系によりAMを照らして、AMと、その近傍領域との透過率または反射率のコントラスト比を測定することによって行うことが通常である。
従って、AM上に着色層や位相差層などを製版した場合、照明光は一部吸収されてその透過率が低くなる場合があるものの、散乱光成分が十分に抑えられていれば、照明光の強度を上げることによりAMの認識は可能となる。一方で、照明光に散乱光成分が発生すると、アライナーで測定されるコントラスト比が著しく低下し、AMの正確な認識ができなくなるという問題が生じる。
ここで、上記基材上に塗工される着色層や柱状体、突起などは光学的等方性の材料から構成することで、散乱光成分の発生を抑えることができる。しかし液晶分子を配向させてなる位相差層の場合は、AMの近傍領域で液晶分子の配向不良が生じると散乱光成分が発生し、AMの輪郭の正確な認識が困難となるため、アライナーによるAMの認識ができず基材の位置合わせが不可能になるという重大な問題が生じる。
例えば液晶セルをクロスニコル状態で挟み込む二枚の偏光板の視野角を拡大する位相差層(正のCプレート)をインセルタイプで形成する場合は液晶分子を基材の有効表示領域でホメオトロピック配向させる必要があるところ、液晶表示装置の大型化が進む近年では基材面積に対して有効表示領域を可能な限り広く取るために、有効表示領域と基材の端面とのクリアランスは10mm程度と小さくなっている。このため液晶性インキの塗布工程は基材の全面にベタ塗工により行われることが通常であり、一般に基材の周縁に配置されるAMの上方およびその近傍にもまた液晶性インキが塗布されて、すなわちAMは位相差層に被覆されることが通常である。
これに対し、以下の理由によりAMの上方およびその近傍では液晶分子のホメオトロピック配向が乱れてアライナーの照明光に散乱光成分が発生してAMのパターン認識にエラーが生じる虞が高い。
(a)有効表示領域で液晶分子を良好にホメオトロピック配向させるため、位相差層の下地層(例えば着色層)の表面には、界面活性剤を用いた超音波洗浄処理や、UV−オゾン処理による表面活性化などの表面処理を施すことが通常であるが、有効表示領域の外部に設けられるAM近傍には一般に着色層が設けられないため、素ガラスなど基材上面が位相差層の下地となって表面の性状が有効表示領域の内部とは異なることとなり、液晶分子の配向不良が生じやすい。
(b)液晶性インキの塗工にスピンコート法を用いた場合は、AMが設けられる基材の端部にインキの戻りが生じて額縁状にインキ溜りが生じるため、液晶性インキがAM上に厚く塗工されてしまう。また液晶性インキの塗工にダイコート法を用いる場合も、その塗工端は分厚く膨出するため、上記のように基材端面ギリギリまで液晶性インキが塗布されて塗工端がAMに差し掛かった場合は、やはりAM上にはこれが厚く塗工されることとなる。一方、AM自体にも所定の厚さがあることと相俟って、AMを含む外周部では液晶分子の垂直配向が斜めに倒れてしまい、必ずしも良好な垂直配向が得られるとは限らない。
基材の外周部において液晶分子の配向不良に起因して光散乱が発生すると、上記(i)〜(vii)の位置合わせのケースうち、特に位相差層のフォトリソグラフィー工程および位相差層形成後の工程である(iii)〜(vii)のケースでAMの認識が困難になるという、インセルタイプの位相差層を形成する場合に固有の問題が生じる。
また、液晶分子を液晶セルの内側でホモジニアス(水平)配向させて固定化してなる正のAプレートや負のCプレートなどについても、当該水平配向が乱れて液晶分子が局所的に立ち上がることで透過光が散乱し、上記と同様にAMの認識エラーの問題が生じる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち液晶性インキを無駄なく基材に塗布して形成される位相差制御部材であって、アライメントマークの光学的な認識を容易にし、確実な位置合わせが可能な位相差制御部材の製造方法を提供することを目的とする。本発明のその他の目的は以下の説明より明らかとなろう。
液晶性インキを基板上にダイコート法によって塗布するとともに、基板のアライメントマークを液晶性インキの塗布領域から露出させるなどしてこれを位相差層の形成領域の外側に配置することにより、当該アライメントマーク周辺に位相差層が形成されることを回避し、アライメントマークの光学的な認識を容易にすることで、確実な位置あわせを可能としたものである。
すなわち本発明にかかる位相差制御部材の製造方法は、
(1)位相差層を備える位相差制御部材の製造方法であって、
光透過性の基材の上面に前記位相差層の形成領域の外側に配置されるアライメントマークを含む複数のアライメントマークを形成する工程と;
基材の前記上面に対し、架橋性液晶分子を含有する液晶性インキを、塗工幅方向のいずれかの位置であって、前記位相差層の形成領域の外側に配置されたアライメントマークを少なくとも1つを含む領域を避けてダイコート法により所定の塗工幅で塗布する工程と;
前記塗布された液晶性インキを加熱して架橋性液晶分子を配向させる工程と;
前記配向した架橋性液晶分子を重合固定させて位相差層を得る工程と;
を含む位相差制御部材の製造方法;
(2)前記ダイコート法により所定の塗工幅で塗布する工程において、
前記液晶性インキを、対向する半割のリップ同士の間に形成されたスリット状の吐出口を通じて、前記基材上に薄膜状に塗布可能であり、櫛歯状のシムが前記吐出口に介装されることにより、前記液晶性インキの吐出されない複数の非吐出領域が、前記吐出口に形成されたダイコータを用いることを特徴とする上記(1)に記載の製造方法;
を要旨とする。
本発明の製造方法により製造された位相差制御部材は、アライメントマークを位相差層の外部に形成したことから、アライナーによる認識エラーが生じることがなく、当該部材を確実に位置合わせすることが可能である。
また本発明の製造方法により製造された位相差制御部材は、位相差層をインセルタイプで備えることからこれを液晶駆動基板と組み合わせることで液晶表示装置の視野角を拡大し、また全体の厚さを低減し、位相差層の良好な耐久性や光透過性を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。尚、以下の記載において、「本発明の製造方法により製造された位相差制御部材」を「本発明の位相差制御部材」という場合がある。図1は本実施形態の位相差制御部材を模式的に示す平面図、図2はそのII−II断面図である。
本発明の位相差制御部材1は、これを通過する透過光に位相差を与える複屈折機能を有する光学部材であり、以下に詳述するように液晶表示装置に用いられるカラーフィルタのほか、出/入射光の位相差を制御するデジタルカメラなどの光学機器と組み合わせて用いられるものである。これらの表示装置や光学機器において、透過光が出/入射して所定の表示や観測が行なわれる領域は一般に有効表示領域とよばれ、位相差制御部材1についてもこれと対応して有効表示領域が用意されている。
本発明の位相差制御部材1は、光透過性の基材2に、位置合わせ用のアライメントマーク(AM)3を複数形成し、その表面に直接または間接に位相差層4を塗工形成して構成されている。位相差層4を塗工形成する際は、ピンアライメント調整、またはAM3を用いた光学調整(トンボ調整)により、塗布装置と基材2との位置合わせを行う。
また図1に示すように、本発明のAM3のうちの少なくとも一つは、位相差層4の塗工形成領域の外側に露出して設けられている。
位相差制御部材1の幅方向および長さ方向を、図1に両側矢印にて示す。本発明においては、便宜上、後述する液晶性インキの塗布方向を位相差制御部材1の長さ方向、同塗布幅方向を位相差制御部材1の幅方向とする。すなわち位相差制御部材1が例えば液晶表示装置に組み合わされて観察者の用に供された際の上下高さ方向や左右幅方向と、本発明でいう位相差制御部材1の長さ方向や幅方向とは必ずしも対応しない。
また本実施形態においては、位相差制御部材1の基材2には、AM3と同一面側に、透過光の通過する有効表示領域の外縁を形成する遮光性のブラックマトリクス(以下、BMと略記する場合がある。)5が設けられている。
なお、位相差制御部材1に用意される有効表示領域は、本実施形態のようにBM5などの遮光材料によって明示的にパターン形成される場合と、位相差制御部材1の面央などに当該有効表示領域の予定域を包絡する広さの光透過領域が存在しているだけの場合とがある。いずれの場合も、本発明の位相差制御部材1が用いられる表示装置や光学機器の仕様に基づいて求められる有効表示領域をまず基材2上に仮想的に予定形成し、これと干渉しない位置にAM3を配置することとなる。
すなわち本発明において、基材2に有効表示領域が区画形成された状態とは、BM5または後述する額縁状のシール8などによって開口部が囲み形成された状態や、着色層6または位相差層4がAM3を避けて基材2の面央などにパターン形成された状態をいう。一方、基材2に有効表示領域が予定形成された状態とは、AM3が設けられた基材2にBM5やシール8が未形成である状態や、BM5やシール8が形成されることなく、基材2に着色層6や位相差層4が、AM3の少なくとも一つを避けてベタ塗工された状態をいう。
また、BM5は有効表示領域10の内部に多数の開口15を微細に区画形成している。開口15のそれぞれには、これを覆うように、例えば三色の光透過性の色パターン61,62,63が配列されて着色層6が形成されており、すなわち位相差制御部材1は、透過する可視光を分光してそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に色付けするカラーフィルタとして機能する。すなわち開口15が液晶表示装置のひとつの画素を構成する。BM5は隣り合う色パターンの混色を防止するとともに、画素の輪郭を鮮明化し、また液晶駆動基板(同図では図示せず。図6,7を参照。)の備える液晶駆動回路や駆動電極などを透過光から隠蔽して保護する機能をもつ。互いに異なる色パターンで覆われた隣り合う3つの開口15(画素)が合わさったものを絵素16と呼ぶ場合がある。
なお同図では、位相差制御部材1の幅方向に9つの画素が並び形成された状態が模式的に図示されているが、液晶表示装置に組み合わせて用いられる位相差制御部材1の場合、有効表示領域10の幅寸法が数cmから数十cm程度であるのに対し、画素幅は100μm程度である。
本発明においては、位相差制御部材1の用途や仕様によってはBM5や着色層6を不要とする場合もある。また着色層6を構成する色パターンについても、上記RGB方式の三色の場合のほか、その補色系であるCMY方式とすることも可能であり、さらに単色もしくは二色の場合、または四色以上の場合なども採りうる。
本実施形態の位相差制御部材1には、位相差層4の上面であって、BM5で掩覆された位置に、柱状体7を多数分散させて立設している。柱状体7は、位相差層4を内側にして基材2を液晶駆動基板と貼り合わせて液晶セルを構成する際に、セルギャップを所定の厚さに保持する機能をもつ。柱状体7は、図1に示すように画素ごとに一本ずつ、または複数本ずつパターン配置するとよい。なお柱状体7は、図2に示すようにその基端(同図下方)が位相差層4上に当接するよう立設されていてもよく、または基端が位相差層4を貫通してBM5や着色層6に当接させて立設してもよい。
有効表示領域10の幅方向外側には、シール8が額縁状に立設されている。シール8は、例えばエポキシアクリル系などの粘着性かつ紫外線硬化型の樹脂材料からなり、液晶セルを構成する駆動液晶分子(図3を参照)が流れ出すことを防いでいる。図示の実施形態では、AM3がシール8よりも幅方向の外側に位置しているが、シール8はAM3の一部または全部に掛かる位置に設けてもよい。シール8は光透過性かつ光学的等方性の材料から構成することができるため、アライナーによるAM3のパターン認識の際に光散乱を生じさせないためである。
以下、本実施形態の位相差制御部材1を構成する各要素についてより具体的に説明する。
<基材について>
基材2は、ガラス基板などのガラス材の他、種々の材質からなる板状体を適宜選択できる。特に位相差制御部材を液晶ディスプレイ用に用いる場合には、基板形成材は無アルカリガラスであることが好ましい。ガラス基板のほか、基材2には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースなどからなるプラスチック基板や、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリプロプレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトンなどのフィルムを用いてもよい。
基材2には、AM3、BM5、および着色層6などに対する濡れ性を向上するため、洗浄処理を含む公知の表面処理を施すとよい。
<ブラックマトリクス(BM)について>
BM5の形成方法としては、(1)スパッタリング法や真空蒸着法等によりクロム等の金属薄膜を基材2上に形成し、この薄膜をパターニングする方法、(2)カーボン微粒子や金属酸化物等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を基材2上に形成し、この樹脂層をパターニングする方法、等を例示することができる。
<アライメントマーク(AM)について>
AM3は、基材2を位置合わせする際の基準となる見当マークであり、上記(i)〜(vii)などに例示される様々なケースでアライナーによって光学的に認識される。AM3は、アライナーの照明光に対して、AM3形成位置とその周縁とで明確に対比しうるコントラスト比の透過率または反射率を有している。
アライナーの照明光源とその受光部(対物CCDカメラ)とは、AM3に対して同一側に配置される場合と反対側に配置される場合とがある。同一側に配置する場合、AM3を光反射性とすることで、AM3形成位置では照明光が反射されて受光部で明るく観察され、その周縁は照明光が透過して黒色に観察される。反対側に配置する場合、AM3を遮光性(吸光性または光反射性)とすることで、AM3形成位置では照明光が吸収または反射されて黒色の光抜けとして受光部で観察され、その周縁は透過した照明光が明るく観察される。
受光部で観察された上記照明光はコンピュータにて画像処理が施され、隣接する画素にて所定の閾値以上のコントラスト比が計測された場合にAM3のエッジが検出される。
したがってAM3は、吸光性もしくは実質的に吸光性と同視しうる低い透過率の光透過性、または高い光反射性が得られるよう、上記BM5と同様に黒色樹脂材料や黒色金属材料の単層、または黒色金属材料とその他の金属材料の積層などにより形成するとよい。
AM3を光透過性とする場合は、アライナーの照射光に対する吸光度の高い色を選択することでコントラスト比が向上し、パターン認識の精度が高くなる。例えば、液晶性インキが感光しないよう可視光のうちエネルギーの高い紫色光や青色光の短波長成分を除いた黄色光(イエローライト)をアライナーの照射光に用いる場合は、AM3を青色とすることで照射光が吸収されて、アライメントマーク位置は暗視(黒色)、その周囲は明視(黄色)に観察されてアライメント調整が可能となる。
AM3のサイズは特に限定されるものではないが、アライナーによる視認性と、AM3が有効表示領域の外部に設けられることから、平面視寸法は0.1〜10mmとするとよい。またAM3の厚さは、その材料や製法にもよるが、0.05〜2μm程度とすることが代表的である。
AM3は基材2上に複数個が設けられ、位置合わせのケースによってそのうちの一つ以上が選択して用いられる。AM3を設ける基材2の面は、BM5や位相差層4が塗工形成される面と同一側であっても、その裏面側であってもよい。ただし後述するように位相差制御部材1と液晶駆動基板31(図6,7を参照)とを対向させて互いに位置合わせする場合に、両者の備えるアライメントマークの面外距離を近接させてアライナーの焦点深度を近づけることが好ましいことから、位相差制御部材1の基材2に設けるAM3は、インセル側、すなわち位相差層4や柱状体7の形成側に設けるとよい。
AM3は、基材2の位置と向きを精度よく調整できるよう、それぞれ十字状や鉤型など、ラインが交叉したコーナー部を含む形状にするとよい。またAM3は、位置調整精度を向上するため、有効表示領域10を挟んで対向する位置に複数個設けられるとよい。
ただしAM3の形状や位置、および複数個のAM3の形成順序は、基材2の位置合わせのケースに応じて適宜設定しうる。
複数のAM3のうち、位相差層4を塗工形成するための位置合わせ工程、および位相差層4を形成した後の位置合わせの工程にて用いられるものについては、位相差層4の形成予定位置の外部に露出するように基材2上に配置されている。これにより、AM3上に位相差層4が所定の配向不良をもって形成されることがなく、したがってアライナーによるAM3の認識にエラーを生じる光散乱を生じさせることがない。
これに対し、位相差層4の塗工形成以前の工程である、例えば着色材料をインクジェット法で塗布するためのインクジェットコーターと基材2の位置合わせ、または着色材料をフォトリソグラフィー法で現像固定するためのフォトマスクと基材2との位置合わせなどの工程にのみ用いられるAM3については、位相差層4の塗工形成(予定)領域の内側に設けられ、すなわち液晶性インキがAM3の一部または全部に掛かるように塗布されてもよい。
AM3およびBM5は、まずAM3の塗工装置と基材2とをピンアライメントにより位置合わせした状態でAM3のみを基材2上に形成し、続けて、BM5の材料となる黒色樹脂材料インキの塗工装置や、黒色金属材料の製膜装置の備えるアライナーによって当該AM3を捕捉してアライメントをとりながら、当該黒色材料をAM3およびその近傍から塗り逃げて、AM3に対して所定の相対位置にBM5を形成してもよい。
ただし、AM3の形成およびその後の製版工程を簡易かつ精度よく行うため、遮光性のアライメントマークの場合はBM5とともに、すなわちBM5のマスクパターンにおいてAM3の該当箇所についても開口させて、BM5と同一の遮光性材料により同時に形成するとよい。
また光透過性のマークとする場合は、後述する着色層のうちの一色または複数色をAM3の予定位置に塗工して形成することができる。
位相差制御部材1の製版工程や貼り合わせ工程、切断工程などにおいて、基材2に形成されたAM3は、上記各工程で用いられる製造装置の備えるアライナーによって読み込まれる。例えば液晶性インキを塗布して位相差層4を形成する工程においては、液晶性インキの塗布装置に組み込まれたアライナーの対物CCDカメラが基材2のAM3を捉えることで塗布装置と基材2との相対位置および相対角度が調整される。
本発明の位相差制御部材1は、AM3のうち、位相差層4を塗工形成するものや、位相差層4を形成後の工程に用いられるものについては、位相差層4の形成領域の外側に位置していることを特徴とする。当該AM3を位相差層4の外部に露出して配置するにあたっては、(1)AM3上に直接または間接に液晶性インキが塗布されないようにする方法と、(2)AM3上に塗布された液晶性インキを除去する方法、の二通りを採り得る。前者の例としては更に、(1a)AM3を塗り逃げる方法のほか、(1b)AM3およびその近傍に撥水性をもたせて液晶性インキの付着を防ぐ方法、などを挙げることができる。
なお本発明においては位相差制御部材1の製造工程数を増加させず低コストで実施可能であるという観点から、上記(1a)を採用するものとする。
液晶表示装置の大型化に伴い有効表示領域と基材端面とのクリアランスが数mm程度ときわめて小さくなりつつあることに起因する上記課題を解決する本発明において、液晶性インキの塗布時に基材端面近傍に設けられるAM3を塗り逃げる具体的な方法については後述する。
<着色層について>
BM5によって多数の画素が開口形成された基材2上には、次いで色パターンを形成することができる。図示のようにRGBの三色カラーフィルタを得る場合は、赤色パターン形成領域に赤色パターン61、緑色パターン形成領域に緑色パターン62、青色パターン形成領域に青色パターン63を、同時または任意の順番で形成し、着色層6を作製する。
各色の色パターンの具体的な形成方法としては、一例として、顔料を着色剤として分散させた着色材料を、フォトリソグラフィー法やインクジェット法等を用いて所定形状の膜状に塗布する、いわゆる顔料分散法を用いることができる。
フォトリソグラフィー法による場合、まずBM5やAM3を覆うように基材2の全面にベタ塗りで第一色(ここでは例として赤色を選択する。)の着色剤を含有した赤色感光性樹脂層を塗工形成し、赤色パターン形成領域が開口したフォトマスクを介して上記の赤色感光性樹脂層を活性放射線により露光して現像を行うことにより、上記赤色パターン形成領域に赤色パターン61を形成することができる。着色材料の塗布には、スピンコート法を用いることで、アライメント調整が不要で容易、かつ塗工厚さを均一にすることができる。なお、着色層6の形成にあたっては着色材料が安価ゆえ、フォトリソグラフィー法の実施にあたってはスピンコート法を用いても材料の飛散が大きなコストアップを招くことがない。
フォトリソグラフィー法で着色材料をパターニング露光する場合、フォトマスクと基材2にそれぞれ設けられたアライメントマーク同士を、反射光源または透過光源を用いてアライナーによって読み込み、両者を位置合わせした上で行う。なお着色材料を基材2上にベタ塗工した場合は、AM3の近傍にもまた着色材料が塗布された状態でアライメント調整がなされることになるが、着色材料は光学等方性であるためアライナーの照射光に散乱光を生じさせることはなく、AM3のパターン認識は可能である。
またインクジェット法で着色材料を所定位置に塗布する場合については、インクジェットコーターの備えるアライナーによって、基材2に設けられたアライメントマーク3を読み込み、インクジェットノズルを所定の塗布位置に位置合わせする。
以下同様に、第二色(例として緑色を選択する。)の感光性樹脂層を基材2上に形成して緑色パターン形成領域に緑色パターン62を形成し、さらに、第三色(例として青色を選択する。)の感光性樹脂層を基材2上に形成して青色パターン形成領域に青色パターン63を形成する。
なお、AM3を光透過性とする場合、これ以後の工程に用いるマークについては、上記色パターンの塗工工程においてAM3の予定位置に着色材料を塗工して形成することができる。
また、着色層6の形成方法としては顔料分散法の他に、例えば、
(a)基材2上に染色用の材料である水溶性高分子材料を塗布し、これをフォトリソグラフィー法により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る染色法;
(b)熱硬化型の樹脂に顔料を分散させ、印刷(または熱転写)を繰り返すことにより各色を塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより着色層6を形成する印刷法(熱転写法);
(c)基材2上に予め透明導電膜を形成し、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して所定の色を電着して各色の着色パターン層を形成し、樹脂を熱硬化させる電着法;
を用いることもできる。
形成された着色層6の上面には、後述する位相差層4の配向性を向上するため、界面活性剤を用いた超音波洗浄処理や、UV−オゾン処理による表面活性化などの表面処理を施すとよい。
<位相差層について>
位相差層4は、これを透過する光を複屈折させる機能を有する層であり、その面内にx−y軸を、厚み方向にz軸をとってxyz直交三次元空間を想定した場合のx,y,z軸方向の光の屈折率をそれぞれnx,ny,nzとして、nx、ny、nzのうちのいずれか1つが他よりも大きいまたは小さい状態にある層をいう。
例えば、位相差層4は、その屈折率がnx>ny=nz、あるいは、ny>nx=nzであるような場合は、いわゆる「+Aプレート」(正のAプレート)として機能し、屈折率がnx=ny>nzであるような場合は、いわゆる「−Cプレート」(負のCプレート)として機能し、屈折率がnx=ny<nzであるような場合は、いわゆる「+Cプレート」(正のCプレート)として機能する。
位相差層4は、分子構造中に重合性官能基を有する架橋重合性の液晶分子(架橋性液晶分子)を所定の方向に配向させた状態で相互に三次元架橋させてなる高分子構造を有している。かかる位相差層4は、架橋性液晶分子を種々の添加剤とともに溶媒に分散させた液晶性インキを、基材2に薄膜状に塗布し、これを所定に配向させた状態で固定化して作製することができる。
架橋性液晶分子として棒状のネマチック液晶分子を用いた場合、液晶分子の配向方向を基材に対して垂直方向とすることで上記正のCプレートが、水平方向とすることで上記正のAプレートが、水平方向とした上で面直方向に螺旋回転させることで上記負のCプレートが、それぞれ得られる。また位相差層4の厚み方向について、液晶分子と基材2とのチルト角を変化させることでハイブリッド配向層を得ることができる。
(液晶性インキの成分について)
位相差層4を構成する架橋性液晶分子には、その液晶分子の構造中に不飽和二重結合を重合性官能基として有するものが好ましく、分子構造の両末端に不飽和二重結合を有するもの(不飽和二重結合を2以上有するもの)がより好ましい。
位相差層4を得るために用いられる架橋性液晶分子としては、架橋性を有するネマチック液晶分子(架橋性ネマチック液晶分子)などをあげることができる。架橋性ネマチック液晶分子としては例えば、1分子中に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキタセン基、イソシアネート基等の重合性基を少なくとも1個有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。また、このような架橋性液晶分子として、より具体的には、下記化1に示す一般式(1)で表される化合物のうちの1種の化合物(化合物(I))、下記化2に示す一般式(2)で表される化合物のうちの1種の化合物(化合物(II))もしくは2種以上の混合物、化3、化4に示す化合物(化合物(III))のうちの1種の化合物或いは2種以上の混合物、またはこれらを組み合わせた混合物を用いることができる。
Figure 0004924815
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化1に示す一般式(1)において、RおよびR2は、それぞれに、水素またはメチル基を示すが、架橋性液晶分子が液晶相を示す温度の範囲をより広くするには少なくともR及びR2のどちらか一方が水素であることが好ましく、両方が水素であることがより好ましい。また一般式(1)におけるXおよび一般式(2)のYは、水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基またはニトロ基のいずれであってもよいが、塩素またはメチル基であることが好ましい。また、一般式(1)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と芳香環と間のアルキレン基の鎖長を示すaおよびb並びに、一般式(2)におけるdおよびeは、それぞれ個別に1〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物(I)またはd=e=0である一般式(2)の化合物(II)は安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物(I)または(II)自体の結晶性が高い。また、aやb、あるいはdやeがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物(I)または一般式(2)の化合物(II)は、等方相転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物は、どちらについても液晶分子が液晶性を安定的に示す温度範囲(液晶相を維持する温度範囲)が狭いものとなり、位相差層4に用いるには好ましくない。
架橋性液晶分子として、上記化1、化2、化3、化4では重合性を備える液晶モノマーを例示したが、重合性液晶のオリゴマーや重合性液晶のポリマー等を用いてもよく、これらについても、上記化1、化2、化3、化4などのオリゴマーやポリマーなど公知のものを適宜選択して用いることができる。
位相差層4においては、液晶分子の重合度(架橋重合性液晶分子の場合は、架橋重合度)が80以上程度であることが好ましく、90以上程度であることがより好ましい。位相差層4を構成する液晶分子の重合度が80より小さいと、均一な配向性を十分に維持できない虞がある。なお、上記重合度、架橋重合度は、液晶分子の重合性官能基のうち液晶分子の重合反応に消費された割合を示す。
液晶性インキは、位相差層4を構成する上記化合物(I)〜(III)のような液晶分子と、溶媒とを配合して調整される。
液晶性インキには、必要に応じて、液晶分子の配向性を向上する界面活性剤などの配向助剤や、架橋性液晶分子が光重合性である場合に、活性放射線の照射により不飽和二重結合を開環させて架橋重合反応を生じさせる公知の光重合開始剤や、同じく光重合反応を促進する増感剤などの各種添加剤を添加してもよい。
液晶性インキの調整に用いる溶媒としては、位相差層4を構成する液晶分子を溶解させ、またダイコータのスリット状の吐出口より吐出可能な程度の粘性のものであれば特に限定されず、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。単一種の溶媒を使用しただけでは、架橋性液晶分子等の配合物成分の溶解性が不充分である場合や、液晶性インキを塗布する際における塗布の相手方となる素材(基材を構成する素材)が侵される虞がある場合等には、2種以上の溶媒を混合使用することにより、これらの不都合を回避することができる。上記した溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいものは、エーテル類又はケトン類と、グリコール類とを混合した混合系溶媒である。液晶性インキの配合物成分の濃度は、これに用いる配合物成分の溶媒への溶解性や位相差層に望まれる層厚み等により異なるが、通常は1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲である。
位相差層4を正のCプレートとする場合、正のAプレートとする場合、および負のCプレートとする場合について、液晶性インキに添加する添加剤や、位相差層4の下地層(本実施形態の場合は着色層6)の表面処理方法などについて以下それぞれ簡単に説明する。
このうち、正のAプレートや負のCプレートは後述するように水平配向膜上に塗工形成されるため、液晶分子がAMの近傍で水平状態から局所的に立ち上がろうとする配向不良の発生は配向膜の配向規制力により比較的抑制されることが期待される。これに対し、正のCプレートについては、垂直配向膜の配向規制力は上記水平配向の場合よりも弱く、さらに後述のように垂直配向膜を用いずに液晶性インキに加える添加物の作用によって液晶分子を垂直配向させる場合もあることから、AMの近傍で垂直配向に配向不良が容易に生じ、本発明で課題とするAM近傍の散乱光が容易に発生しやすい。
(正のCプレートについて)
架橋性液晶分子を基材2に対して垂直配向させることで位相差層4は正のCプレートとして機能する。架橋性液晶分子を垂直配向させるには、大別して位相差層4の下地層の表面に垂直配向膜を形成する方式と、垂直配向助剤を液晶性インキに添加する方式のいずれかまたは両方を採り得る。
垂直配向膜としては、例えばポリイミドを挙げることができる。特に長鎖アルキル基を有するポリイミドの場合、位相差制御部材に形成される位相差層4の厚さを広い範囲で選択することができて好ましい。具体的には、日産化学社製のSE−7511やSE−1211、あるいはJSR社製のJALS−2021−R2等が例示できる。垂直配向膜は、これを構成するポリイミドなどの成分を含んだ垂直配向膜組成液をフレキソ印刷やスピンコート等の方法で基材2上に塗布して垂直配向膜形成用塗膜を形成し、この塗膜を硬化させることで形成することができる。なお、垂直配向膜が撥水性又は撥油性の高いものである場合には、垂直配向膜上に液晶材料を塗布して位相差層4を形成する前に、液晶分子をホメオトロピック配向させることが可能な範囲内でUV洗浄やプラズマ処理を施して、液晶組成液を塗布しようとする垂直配向膜表面の濡れ性を予め高めておいてもよい。
垂直配向膜自体は一般に光学的に等方材料であるため、基材2の全面に塗工し、すなわちAM3を垂直配向膜で被覆してもよい。ただし後述のように、本発明においてはAM3の少なくとも一部が位相差層4の塗工幅の外側に露出していることから、当該外側の領域に垂直配向膜を形成することは不要である。また垂直配向膜を有効表示領域にのみパターン形成することで、後に有効表示領域を囲んで額縁状に塗工されるシール8の下にこれが潜り込むことがなく、シール8による液晶セルの密封機能を損なうことがない。
垂直配向助剤としては、界面活性剤やカップリング剤が例示される。
垂直配向助剤に用いる界面活性剤は、重合性液晶分子をホメオトロピック配向させることができるものであればよいが、位相差層の形成の際に液晶分子を液晶相への転移温度まで加熱する必要があることから、液晶相への転移温度でも分解されない程度に耐熱性を有するものがよい。また、液晶性インキの溶媒との親和性をふまえて、ノニオン系、カチオン系、アニオン系等より適宜選択しうる。
垂直配向助剤としてカップリング剤を用いる場合、具体的には、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランなどのシラン化合物を加水分解して得られるシランカップリング剤や、アミノ基含有シランカップリング剤、フッ素基含有シランカップリング剤などを例示することができる。
位相差層4の下地層にあたる着色層6の上面に垂直配向膜を形成しない場合、着色層6の上面にはUV洗浄やプラズマ処理により液晶性インキの濡れ性を向上するとよい。
(正のAプレートについて)
位相差層4が正のAプレートとしての光学補償機能を有する層である場合、位相差層4は、正の屈折率異方性の液晶分子を、その光軸がxy平面と平行になるよう水平配向させてこれを固定することにより得られる。
液晶分子を水平配向させるには、位相差層4の下地層の上面に、液晶分子を水平配向させる水平配向膜を介在させ、液晶性インキを水平配向膜上に積層形成する。
水平配向膜の作成は、配向膜をなす樹脂膜を構成する樹脂材料を調整し、その樹脂材料を基材2上に塗布して水平配向膜形成用塗膜を形成して固化した後、水平配向膜形成用塗膜の表面をラビング処理や光配向処理を施すことによって水平配向膜形成用塗膜を配向膜となすことにより、具体的に実現することができる。
(負のCプレートについて)
位相差層4が負のCプレートとしての光学補償機能を有する層である場合、位相差層4は、その光軸がz軸方向に向かうように、負の屈折率異方性の液晶分子を配向させて固定するか、または、上記化合物(I),(II),(III)に示すような架橋性ネマチック液晶などの液晶分子を溶媒に添加した液晶性インキにカイラル剤を添加して、液晶分子にコレステリック規則性を付与してカイラルネマチック配向状態とする。
カイラル剤は、分子内に光学活性な部位を有する低分子量化合物で、分子量1500以下の化合物であることが好ましい。カイラル剤としては架橋性液晶分子の液晶性を損なうことなく螺旋ピッチを誘起できるものが選択され、特にその分子構造中における両末端部位に重合性官能基を有するものが、耐熱性の良い位相差層4を得る上で好ましい。またカイラル剤は分子構造内に光学活性な部位を有する化合物であるとよい。
またカイラル剤としては、例えば1つもしくは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミン、キラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、またはクムレン、ビナフトール等の軸不斉を持つ化合物等が挙げられるが、選択したカイラル剤の性質によっては、ネマチック規則性の破壊、配向性の低下を招き、また非重合性のカイラル剤の場合には重合性液晶の重合による硬化性能を低下させる事態を招くばかりか、液晶材料を用いて形成される位相差層の電気的信頼性を低下させる事態を招く虞があり、更に光学活性な部位を有するカイラル剤の多量使用はコストアップを招く。従ってカイラル剤としては、少量でも液晶分子の配向に螺旋ピッチを誘発させる効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、より具体的には、例えばMerck社製S−811等の市販のものを用いることができる。
位相差層4の下地層の上面には、正のAプレートと同様に水平配向膜に塗布しておくとよい。水平配向膜に塗工された液晶分子は、水平配向しつつ正の一軸ネマチック規則性で螺旋ピッチが誘起され、位相差層4は光軸がz方向を向くとともに負の屈折率異方性が与えられる。
(液晶性インキの塗布方法について)
上記のように位相差層4の下地層の表面処理が施され、また液晶性インキが調整されると、次いで基材2にこれを塗布して液晶塗布膜を作成する。
本実施形態においては、液晶性インキの塗工領域の外側にAM3を塗り逃げて露出させる。またこれを少ない工程数で、かつ液晶性インキの無駄を極力排除して低コストで行うことを目的として、スリット状の吐出口から液晶性インキを薄膜状に吐出するダイコータ(スリットダイコータ)を用いたダイコート法を採用する。
ダイコート法では、基材2の上面に対して僅かに離間した上方位置に配置されたダイヘッドの吐出口から液晶性インキを吐出して、吐出口と基材2との間にメニスカス(ビード)を形成する。かかる状態を保ったままダイヘッドを基材面内方向に移動させることで液晶塗布膜が塗工形成される。したがって、ダイヘッドの移動方向が液晶塗布膜の成膜方向となる。
液晶性インキの塗布に際しては、ダイコータと基材2とはピンアライメント調整によって位置合わせがされることが通常であるが、対物CCDカメラおよび照明系を備えるアライナーをダイコータに配し、基材2に形成されたAM3を基準として、ダイヘッドと基材2とをより高精度に光学調整によって位置合わせしてもよい。
有効表示領域10の外部に設けられるAM3のうちの少なくとも一部は、位相差層4の外部に露出して基材2上に形成される。後述のように、基材2に対して幅方向に複数の有効表示領域10を形成する、いわゆる多面付けされた状態の本発明にかかる位相差制御部材1の場合は、各有効表示領域10に対して所用のAM3を形成し、すなわち有効表示領域10同士の間にもAM3を配置するとよい。
AM3を液晶塗布膜41の塗布(予定)領域の外側に形成する方法は大別して、
(ア)液晶性インキの塗布工程において、基材2のうち、インキの塗工幅方向(位相差制御部材1の幅方向)のいずれかの位置に液晶性インキの非塗布領域を残し、かかる非塗布領域と一致する位置にAM3を予め形成しておく方法;
(イ)液晶性インキの塗布工程において、基材2のうち、インキの塗工方向(位相差制御部材1の長さ方向)のいずれかの位置に液晶性インキの非塗布領域を残し、かかる非塗布領域と一致する位置にAM3を予め形成しておく方法;
を挙げることができる。
後述する本実施形態においては、液晶インキの非塗布領域を安定して精度よく形成することができる観点から上記(ア)を採用するものとする。すなわちダイコート法では、塗布開始直後および塗布終了直後にはビードの形成が不安定となって所定長さにわたる塗りムラが生じる虞が高いため、塗工方向の前後に塗り逃げを形成する上記(イ)の方式ではAM3を精度よく避けることが比較的困難であることによる。
図3は、AM3が上面に形成された基材2の当該上面に液晶性インキを塗布して液晶塗布膜41を形成する様子を示す模式図であり、同図(a)は本実施形態にかかる塗布方法、同図(b)は従来の塗布方法を示す。なお同図ではBM5や着色層6は図示を省略している。
同図(b)に示すように従来は基材2の幅寸法と略同一幅のダイヘッド9を用いて基材2の端面ギリギリまで液晶性インキを塗布していたため、AM3は液晶塗布膜41の塗工幅の内部に被覆された状態にあった。これに対し本実施形態においては、ダイヘッド9の吐出口の幅寸法を、有効表示領域10の幅方向両側に形成されたAM3同士の間隔よりも幅狭としている。
ダイヘッド9の吐出口の幅寸法を幅狭とするためには、ダイヘッド9自体のサイズをAM3の形成間隔にあわせて幅狭に形成する方法と、スリット状の吐出口の長さを短くする方法とがある。
本実施形態の塗布方法については、基材2の端面ごく近傍に設けられるAM3の形成位置を精度よく避けて液晶性インキを塗布すべく、スリット状の吐出口の長さを短く調整する方法を採る。具体的には、本実施形態では、吐出口にシムを装着して液晶性インキの吐出されない非吐出領域を高い寸法精度で形成する方法を挙げる。
図4は、対向する半割のリップ91a,91bの間に形成されたスリット状の吐出口92を通じて、液晶性インキを基材2上に薄膜状に塗布して液晶塗布膜41を得るダイコータのダイヘッド9であり、同図(a)はダイヘッド9の分解斜視図、同図(b)は櫛歯状のシム93をリップ91同士の間に介装したダイヘッド9の下方斜視図である。
リップ91aには、液晶性インキを供給するための供給孔94が設けられ、図示しないダイコータ本体より液晶性インキが連続的に供給される。
半割のリップ91a,91bを対向させた状態で、ネジ95により互いに締結すると、ダイヘッド9の内部には供給孔94と連通するマニホールド96に液晶性インキが充填され、吐出口92より排出される。なお、マニホールド96の両端は蓋98により閉止され、ダイヘッド9の幅方向の両端から液晶性インキが漏出することはない。
ここで、複数の歯99が形成されたシム93をリップ91a,91bの間に挟みこむことにより、同図(b)に示すように、吐出口92には液晶性インキの吐出されない非吐出領域97が形成される。
したがって、AM3の形成位置に対応して歯99を突出させたシム93を作製してこれをリップ91a,91bに挟むだけで、公知のダイヘッド9を用いてAM3を避けてダイコート法により所定の塗工幅で液晶性インキを塗布することができる。
シム93に突出形成する歯99の本数および位置は、液晶塗布膜41を避けるべきAM3の位置や個数によって選択される。図4では等間隔に4本の歯99を備える櫛歯状のシム93を例示している。かかるシム93を介装したダイヘッド9を用いれば、基材2上に3列の液晶塗布膜41を、歯99の幅寸法に対応する塗り逃げを残しつつ同時に形成することができる。シム93はゴムやプラスチックなどの樹脂材料や、金属材料などから適宜選択して作製できる。シム93の寸法精度は工場レベルの高い加工精度であるため、基材2上のAM3形成位置に応じた非吐出領域97を、歯99の形成位置によって高い寸法精度で実現することができる。
図5は、基材2の幅方向に複数の有効表示領域10を設ける、いわゆる多面付けの状態で位相差制御部材1を得る場合について、基材2の上面に液晶性インキを塗布する様子を示す模式図である。同図ではその一態様として、基材2の幅方向に2枚、長さ方向に4枚、合計8枚の位相差制御部材1を得るため、8つの有効表示領域10が基材2上にBM5によって区画形成されている。
図示のように液晶塗布膜41を2列同時に形成する場合は、図4に示すダイヘッド9において、櫛歯状のシム93に設ける歯99の本数を3本とすればよいことは当業者には明らかであろう。
ダイコータにより液晶塗布膜41を基材2上に塗工形成するにあたっては、基材2に設けたAM3をダイコータのアライナーによって捕捉して基材2とダイヘッド9とを位置合わせした状態で、ダイヘッド9をダイコータに対して塗布方向に摺動させる。これにより、BM5によって区画形成した有効表示領域10に対して位置精度よく液晶塗布膜41を形成することができる。
(架橋性液晶分子の配向および固定について)
基材2の表面に液晶性インキを塗布して作製された液晶塗布膜41に含まれる架橋性液晶分子には所定の配向性が付与される。液晶分子に対する配向性の付与は、液晶塗布膜41を加熱して、内部の液晶分子が液晶相となる温度(液晶相温度)以上、等方相(液体相)となる等方相転移温度未満になるよう温度制御することで行われる。このとき液晶塗布膜41の加熱手段は特に限定されず、伝熱または輻射による加熱を適宜組み合わせて加熱するとよい。なお、架橋性液晶分子を配向させる方法は、上記方法による他、液晶塗布膜41を一旦等方相温度まで加熱した後の冷却過程で自発的に液晶分子に配向を誘起させる方法や、液晶塗布膜41に対して所定方向から電場や磁場を負荷する方法によっても実現可能である。
このようにして液晶塗布膜41中に含まれる液晶分子に配向性が付与された状態が形成された後、液晶分子同士を架橋重合反応させる。
この重合反応は、液晶材料中に添加された光重合開始剤の感光波長の光(具体的には例えば紫外線)などの活性放射線を、液晶相状態の液晶塗布膜41に向けて全面照射またはパターニング照射して進行させる。液晶塗布膜41に照射する光の波長は、この塗膜中に含まれている光重合開始剤の種類に応じて適宜選択するとよい。なおパターニング照射の場合は、位相差層4の形成予定位置が開口したフォトマスクを介して活性放射線を露光し、パターニング露光後には液晶塗布膜41のうちの未重合部分をエッチング除去し、残ったパターニング露光部分をさらに焼成して熱重合硬化させるとよい。
このとき、上面に液晶性インキの塗布されていないAM3を選択してフォトマスクと基材2との位置合わせを行う。すなわち、AM3に液晶性インキが塗布されていた場合、液晶分子に配向性を付与した段階でAM3の近傍においては配向不良が生じて、パターニング露光工程においてアライナーによるフォトマスクの位置合わせが不可能になる虞があるところ、本発明においてはAM3の少なくとも一部には液晶性インキが塗布されないため、アライナーによるAM3の良好なパターン認識が可能である。
<パターニング工程について>
位相差層4を塗工形成した位相差制御部材1には、必要に応じて位相差層4上に、セルギャップを規定するとともに位相差制御部材1に負荷される押し込み荷重に耐える構造部材としての柱状体7や、液晶の配向方向を規制するための突起(図示せず)などをパターン設置することができる。
この際も、着色層6や位相差層4自体のパターン露光と同様に、フォトリソグラフィーの手法を用いてパターニングを行うとよい。
柱状体7を例にとって説明すると、柱状体7を構成するフォトレジストを位相差層4上にベタ塗工し、AM3を基準にして位置合わせをしたフォトマスクを介して露光、現像することにより、各画素に対応して所望の位置にのみ柱状体7を構成することができる。この際、フォトマスクと基材2の位置合わせには、着色層6や位相差層4を構成する際に使用したアライメントマークを流用することが一般的であるが、BM5を製版する際に、着色層6や位相差層4の製版用とは異なる、予め別に設けたアライメントマークを使用してもよい。
柱状体7は、多官能アクリレートを含有するアクリル系、及びアミド系又はエステル系ポリマー等の光硬化可能な感光性を有する、光透過性かつ光学的等方性の樹脂材料から構成することができる。なお柱状体7の樹脂材料を露光、現像する際には、AM3およびその近傍領域に対応するフォトマスクの開口を、遮光性の遮蔽部材(遮光板)で被覆することで、AM3の上方に塗布された当該樹脂材料は固定化せずにエッチング除去することが通常である。ただし上記のように光学的等方性の材料を選択することにより、AM3の上方で当該樹脂材料が露光硬化したとしても、位相差層4のごとく透過光に散乱光を生じさせることはなく、以後の工程においてAM3の認識不良がアライナーに生じることはない。
なお、位相差制御部材1に柱状体7を設ける場合には、位相差層4の表面上に直接柱状体7を設ける場合のみならず、ITO膜などの透明電極をスパッタリング法など公知の手段を適宜選択して位相差層4上に形成した後に、柱状体7を立設してもよい。
<切断工程について>
基材2に上記各層が積層された後、AM3を基準位置として基材2と切断装置とを位置合わせした状態で、有効表示領域10を包絡する所定のカットラインに沿って位相差制御部材1が切り出される。
かかる切断工程で用いられるAM3は、上述の製版工程で用いられたものを流用してもよく、または有効表示領域10ごとにその周縁に個別に設けられたものを用いてもよい。
<貼り合わせ工程について>
切断工程を経て切り出された位相差制御部材1には、駆動液晶分子を配向させるための配向膜が被覆形成された上で、液晶駆動基板(図6を参照)と対向させた状態で貼り合わされる。位相差制御部材1と駆動液晶基板とは、それぞれに設けられたアライメントマーク同士を整合させて位置合わせした状態で貼り合わされる。
なお、本発明の位相差制御部材1を多面付け(図5を参照)で作製した場合、上記切断工程の前に液晶駆動基板との上記貼り合わせ工程を行い、しかる後に基材2を切断してもよい。
位相差制御部材1と液晶駆動基板との間には、駆動液晶分子を介装して駆動液晶層が形成されるが、柱状体7が浸漬するように位相差層4の上に駆動液晶分子を滴下して真空中で液晶駆動基板と貼り合わせる液晶滴下工法(ODF法)によって駆動液晶層を形成してもよく、またはシール8によって位相差制御部材1と液晶駆動基板とを封止しつつ、減圧下で両者の間に駆動液晶分子を注入して駆動液晶層を形成してもよい。
なお、駆動液晶分子の駆動モードがいわゆるIPSモードやTNモードなど、駆動電圧の無負荷時に駆動液晶分子を水平配向させる場合については、位相差制御部材1のうち駆動液晶分子が滴下される最上面(上記に例示の場合は位相差層4の表面)には上記正のAプレートや負のCプレートの製版時と同様の水平配向膜を塗工形成するとよい。
本発明の位相差制御部材1は、上記各工程のいずれかまたはすべてを実施して得られるものである。すなわち、本発明の位相差制御部材1は、基材2から切り出されて液晶駆動基板と貼り合わされた態様のほか、基材2上に一枚付けまたは多面付けにて各層を製版しただけの態様や、これと液晶駆動基板とを貼り合わせてなる態様などを含むものである。
<液晶表示装置について>
本発明の位相差制御部材1を組み込んだ液晶表示装置について説明する。
図6は液晶表示装置51の断面模式図、図7はその分解斜視図である。液晶表示装置51としてはいわゆるIPSモードを例示するが、このほかMVAモードやOCBモードなどの他のモードであってもよい。
液晶表示装置51には、観察者に対面する観察者側(図6の上方)に、図2に示す本実施形態の位相差制御部材1がカラーフィルタとして組み込まれている。ただし図6では柱状体7を、図7ではシール8を、それぞれ図示省略している。また位相差層4は、液晶分子が垂直配向した正のCプレートである(図7を参照)。
一方、液晶駆動回路38およびこれにより印加電圧が制御される液晶駆動電極39(図7では図示省略)がインセル側に設けられた液晶駆動基板31が、観察者から遠いバックライト(図示せず)側に配置されている。液晶駆動電極39は、基材32上であってBM5で遮蔽される位置に、BM5の区画する画素ごとにパターン形成されている。
駆動液晶分子21を含む駆動液晶層22は、位相差制御部材1と液晶駆動基板31とシール8とで囲まれた密閉空間に封入され、液晶駆動電極39からパネル面内方向に負荷される印加電圧によって駆動液晶分子21はスイッチング駆動する。
液晶表示装置51は、観察者側から順に、直線偏光板41、正のAプレートとしての光学補償機能を有する位相差フィルム42、位相差制御部材1、駆動液晶層22、液晶駆動基板31、直線偏光板43およびバックライトが配置され、バックライト光の透過または遮断を画素ごとに制御することで明表示と暗表示が行われる。図7に示すように直線偏光板41と直線偏光板43とは透過軸方向が直交して配置されている。
液晶駆動基板31の基材32にはアライメントマーク(AM)33が形成されている。AM33は、上述のように位相差制御部材1のAM3との焦点深度を近づけてアライナーによる位置合わせ精度を向上するため、基材32のインセル側、すなわち液晶駆動電極39の形成側に設けるとよい。
AM33のうち、アライナーの受光部側からみた吸光性・光反射性の性状はAM3と共通とすることが好ましい。すなわち位相差制御部材1のAM3が吸光性の場合、AM33も吸光性に作製し、液晶表示装置51を挟んでアライナーの受光部の反対側に配置された透過光源を用いて、AM3とAM33との一致/不一致を画像処理により判断することができる。また位相差制御部材1のAM3が光反射性の場合、AM33も光反射性に作製し、液晶表示装置51に対してアライナーの受光部と同一側に配置された反射光源を用いて、AM3とAM33との一致/不一致を画像処理により判断する。なお、透過光源を用いてAM3とAM33との位置合わせを行う前者の場合、AM3またはAM33の一方または両方を光反射性としてもよい。
AM33の形状は適宜選定しうるが、本実施形態では図7に例示のように、十字状のAM3を囲う矩形状としている。AM33の矩形内側の開口サイズは、AM3の十字よりもわずかに大きく形成され、両者の中心同士を一致させた状態で互いに重なり合うことなく非接触に観察される。これにより、アライナーを用いた基材2と基材32との位置合わせが精度よく行なわれる。
液晶表示装置51は、真空雰囲気下で、位相差制御部材1のAM3と液晶駆動基板31のAM33とを対向させてこれらをアライナーによって位置合わせしつつ、位相差制御部材1と液晶駆動基板31とを貼り合わせる。貼り合わせは、例えば適量の駆動液晶分子を位相差制御部材1のインセル側に滴下し、柱状体7でセルギャップを保持した状態で、シール8によって位相差制御部材1と液晶駆動基板31との間を封止して行う。
以下本発明の実施例について詳細に説明する。
<1.下地基板の準備>
適当な洗浄処理をほどこし、清浄としたガラス基板(コーニング社製:1737材)を基材として用意した。
<2.着色レジストの調整>
ブラックマトリックス(BM)、および着色層を構成する着色材料には顔料分散型フォトレジストを用いた。着色層は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の三色とした。顔料分散型フォトレジストは、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤、および溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液と、クリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、光重合開始剤および溶剤を含有する)とを混合したものである。その組成を下記に示す。尚、分散機としては、市販のペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いた。
(ブラックマトリックス用フォトレジスト)
・黒顔料(大日精化工業(株)製:TMブラック#9550) ・・14.0重量部
・分散剤(ビックケミー(株)製:Disperbyk111) ・・・1.2重量部
・ポリマー(昭和高分子(株)製:VR60) ・・・2.8重量部
・モノマー(サートマー(株)製:SR399) ・・・3.5重量部
・添加剤(綜研化学(株)製:L−20) ・・・0.7重量部
・開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1) ・・・1.6重量部
・開始剤(4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン) ・・・0.3重量部
・開始剤(2,4−ジエチルチオキサントン) ・・・0.1重量部
・溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテル) ・・75.8重量部
(赤色(R)画素用フォトレジスト)
・赤顔料(C.I.PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製:クロモフタールDPP Red BP)) ・・・3.5重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製:パリオトールイエローD1819))
・・・0.6重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製:ソルスパース24000) ・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製:SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマー1 ・・・5.0重量部
・開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア907) ・・・1.4重量部
・開始剤(2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) ・・80.0重量部
(緑色(G)画素用フォトレジスト)
・緑顔料(C.I.PG7(大日精化工業(株)製:セイカファストグリーン5316P)) ・・・3.7重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製:パリオトールイエローD1819))
・・・2.3重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製:ソルスパース24000) ・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー(株)製:SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマー1 ・・・5.0重量部
・開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア907) ・・・1.4重量部
・開始剤(2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) ・・80.0重量部
(青色(B)画素用レジスト)
・青顔料(C.I.PB15:6(BASF社製:ヘリオゲンブルーL6700F))
・・・4.6重量部
・紫顔料(C.I.PV23(クラリアント社製:フォスタパームRL−NF))
・・・1.4重量部
・顔料誘導体(ゼネカ(株)製:ソルスパース12000) ・・・0.6重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製:ソルスパース24000) ・・・2.4重量部
・モノマー(サートマー(株)製:SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマー1 ・・・5.0重量部
・開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア907) ・・・1.4重量部
・開始剤(2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) ・・80.0重量部
尚、上記のポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
<3.ブラックマトリクスおよびアライメントマークの作製>
調製した上記ブラックマトリックス用フォトレジストを、上記基材にダイコート法を用いて塗工した。
引き続いてホットプレート上で90℃、3分間の条件でプリベークして溶剤を除去し、規定のパターンの開口部を有するフォトマスクを介して、パターン露光をおこなった。その際の露光は100mJ/cmとした。この際、アライメントマークとなるパターンは、後の工程においてダイコート法によって塗工形成される位相差層の塗工幅よりも、アライメントマーク領域が外側になるよう焼き付けた。
次に現像プロセスとして、露光が終了した基材に0.05%KOH水溶液を60秒間スプレーし、未露光部を除去してBMとAMを同時にパターニングした。さらに現像が終了した基材を、クリーンオーブン中で200℃、30分間ポストベークすることで完全に硬化反応を進行させ、最終的に1.2μm厚で構成したBMとAMを有する基板を作製した。
<4.着色層の作製>
赤色(R)の顔料分散型フォトレジストを、BMを形成した上記基材に対し、同様にダイコート法で塗布し、80℃、5分間の条件でプリベークした後、所定の色パターン用フォトマスクを用いて、アライメント露光(300mJ/cm)し、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃、60分間ポストベークすることで、BMの配置パターンに対して所定の位置に画素中心部の膜厚が2.0μmの赤色(R)画素パターンを形成した。
引き続き、上記赤色(R)と同様の手法により、二色目として青色(B)の顔料分散型フォトレジストを用いて、画素中心部の膜厚が1.9μmの青色(B)画素パターンを形成した。
最後に、上記赤色(R)および青色(B)と同様の手法により、緑色(G)の顔料分散型フォトレジストを用いて、画素中心部の膜厚が2.0μmの緑色(G)画素パターンを形成して着色層を構成した。
なお、上記いずれの場合においても、AMは着色層によって一旦覆われた状態で、光学的に読み込まれて位置合わせを行った。全ての着色層では散乱光成分が抑えられており、良好な位置あわせが可能であった。
<5.位相差層の作製>
[インキの調整]
下記化合物(a)〜(d)に示す重合性液晶分子、光重合開始剤、シランカップリング剤、溶媒を混合して下記組成の液晶材料を調整した。
Figure 0004924815
(液晶材料の組成)
・化合物(a) ・・・8.3 重量部
・化合物(b) ・・・4.7 重量部
・化合物(c) ・・・5.4 重量部
・化合物(d) ・・・5.4 重量部
・光重合開始材(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:イルガキュア907)
・・・1.3 重量部
・シランカップリング剤(アミン基含有シランカップリング剤(GE東芝シリコーン社製:TSL−8331)) ・・・0.05重量部
・溶媒(クロロベンゼン) ・・・75.0 重量部
[位相差層の製膜]
次に上記で構成した下地カラーフィルタ上に、調整した液晶性インキを市販のダイコータにて塗布した。この際、予め基材に配置したAMが、ダイコートの塗工面の端面よりも外側に露出するよう塗工を行った。
[液晶塗布膜に含まれる液晶について液晶相状態の形成]
液晶塗布膜の形成された基板を、ホットプレート上にて100℃、5分間加熱して、溶媒を除去するとともに液晶塗布膜中に含まれる液晶分子を液晶相に転移させた。この液晶相への転移の確認は、液晶塗布膜が白濁状態から透明状態となったことを目視にて確認することで行われた。これにより、液晶分子にはホメオトロピック配向性が付与された。
[液晶分子の架橋重合反応]
次に、窒素雰囲気下で、透明状態の液晶塗布膜に、18.0kWの超高圧水銀ランプを光源とする市販の紫外線照射装置により、500mJ/cmの露光量となるよう紫外線(365nm)を照射して、液晶塗布膜中の液晶分子を架橋重合反応させて液晶分子をこれに配向性を付与した状態で固定し、液晶塗布膜を正のCプレートの機能を有する位相差層とした。
[重合後加熱処理]
位相差層を形成した基材は、さらに、ホットプレート上にて200℃、30分間加熱する処理(重合後加熱処理)を施された。
<6.評価>
構成した位相差制御部材のAMを、偏光顕微鏡のクロスニコル下で観察したところ、位相差制御部材の方位角度によらず均一な暗視野が実現されており、散乱光によるAMの輪郭のぼやけは認められなかった。
<1.各層の作製>
実施例1で得られた位相差制御部材について、位相差層の表面上に、次のように柱状体を配設する処理を後処理として施した。
<2.柱状体の配設>
まず、柱状体を構成する柱状体形成用樹脂組成物として紫外線硬化型透明ネガ型レジスト(JSR社製、NN700)を用い、この柱状体形成用樹脂組成物を位相差層上にダイコート法により位相差層全面に塗布、減圧乾燥を行い、さらにホットプレートを用いて100℃3分の条件で加熱して溶剤を除去して、塗布膜を形成した。
一方、BM形成位置に対応する位相差層上の所定位置に、柱状体を配置する予定位置(柱状体形成予定位置)を予め80000箇所選択されて定め、当該柱状体形成予定位置が開口したフォトマスク(柱状体用マスク)を作成した。なお柱状体用マスクには、当該開口との相対位置が、位相差制御部材におけるAMと柱状体形成予定位置との相対位置と一致するよう、アライメントマークを形成した。
塗布膜に対して離間距離100μmの間隔を開けた状態で、位相差制御部材のAMと柱状態様マスクのアライメントマークとをアライナーにより位置合わせして柱状体用マスクを配置した。
そして、位相差制御部材のAMに対応する開口を被覆するように柱状体用マスクの上方に遮光板を介在させた状態で、柱状体用マスクを介し、塗布膜の柱状体形成予定位置に向けて、18.0kWの超高圧水銀ランプを光源とする上記紫外線照射装置により紫外線(365nm)を10秒間照射した。これにより、塗布膜は、その塗布膜のうち紫外線の照射された部分が硬化した状態となった。
その後、塗布膜を0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、塗布膜の未硬化部分を除去した。さらに、未硬化部分の除去された塗布膜を形成した基材を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施し、塗布膜においてアルカリ現像で除去されずに残った部分が柱状体として得られた。
<3.評価>
配置された柱状体について、その配置状態を顕微鏡で確認したところ、柱状体形成予定位置に柱状体が正しく配置されていることが確認された。
(比較例1)
位相差層の内側にアライメントマークを設置したほか、実施例1と同様にして、基材上にBM、着色層および位相差層を形成したもの(比較用部材1)を作成した。
比較用部材1を用いて、実施例1と同様に、アライメントマークとその周囲の領域について偏光顕微鏡のクロスニコル下で観察したところ、アライメントマーク周辺の散乱光成分によりアライメントマークの輪郭がぼやけ、その読み込みが困難であった。
(比較例2)
位相差層の内側にアライメントマークを設置したほか、実施例2と同様にして、基材上にBM、着色層、位相差層を形成したもの(比較用部材2)を作成した。
比較用部材2を用いて、実施例1と同様に、位相差層の上面全体に柱状体形成用樹脂組成物の塗布膜をダイコート法によりベタ塗工したのち、柱状体用マスクと基材との光学調整による位置合わせを試みたところ、上記アライメントマークの周縁で生じた散乱光により、アライナーが当該アライメントマークを光学的に認識することができず、結果的に柱状体のフォトリソグラフィーを行うことができなかった。
本実施形態により製造された位相差制御部材を模式的に示す平面図である。 図1のII−II断面図である。 基材に液晶性インキを塗布する様子を模式的に表す平面図であり、(a)は本実施形態の塗布方法、(b)は従来の塗布方法を示す。 (a)本発明の製造方法の一実施態様における位相差層の塗工に用いられるダイヘッドの分解斜視図である。(b)櫛歯状のシムをリップに介装したダイヘッドの下方斜視図である。 多面付けの位相差制御部材の製造工程のうち、液晶性インキを塗布する様子を模式的に表す平面図である。 本実施形態により得られた位相差制御部材を備える液晶表示装置の断面模式図である。 本実施形態により得られた位相差制御部材を備える液晶表示装置の分解斜視図である。
符号の説明
1 位相差制御部材
2,32 基材
3,33 アライメントマーク(AM)
4 位相差層
5 ブラックマトリクス(BM)
6 着色層
7 柱状体
8 シール
9 ダイヘッド
10 有効表示領域
15 開口
22 駆動液晶層
31 液晶駆動基板
41 液晶塗布膜
51 液晶表示装置
91a,91b リップ
92 吐出口
93 シム
97 非吐出領域
99 歯

Claims (2)

  1. 位相差層を備える位相差制御部材の製造方法であって、
    光透過性の基材の上面に前記位相差層の形成領域の外側に配置されるアライメントマークを含む複数のアライメントマークを形成する工程と;
    基材の前記上面に対し、架橋性液晶分子を含有する液晶性インキを、塗工幅方向のいずれかの位置であって、前記位相差層の形成領域の外側に配置されたアライメントマークを少なくとも1つを含む領域を避けてダイコート法により所定の塗工幅で塗布する工程と;
    前記塗布された液晶性インキを加熱して架橋性液晶分子を配向させる工程と;
    前記配向した架橋性液晶分子を重合固定させて位相差層を得る工程と;
    を含む位相差制御部材の製造方法。
  2. 前記ダイコート法により所定の塗工幅で塗布する工程において、
    前記液晶性インキを、対向する半割のリップ同士の間に形成されたスリット状の吐出口を通じて、前記基材上に薄膜状に塗布可能であり、櫛歯状のシムが前記吐出口に介装されることにより、前記液晶性インキの吐出されない複数の非吐出領域が、前記吐出口に形成されたダイコータを用いることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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