JP4924074B2 - 電子機器におけるマイクロホンの実装構造及び電子機器 - Google Patents
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また、ケース音孔から、例えば風や気流が吹き込むと、マイクロホンには風雑音として入力されてしまっていた。また、例えば、折畳型の携帯電話機を急激に閉じた場合等に、過大な風圧によって、振動板が破損してしまうことがあった。
また、ケース音孔から、ワイヤ等の細長い鋭利物が入ると、このままマイクロホン音孔に達してマイクロホンを損傷させてしまうことがあった。
また、音道の一部を屈曲路として形成して、ワイヤ等の細長い鋭利物がマイクロホン内へ侵入することを防止するための技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
すなわち、防塵や防水に十分に対応するには、マイクロホン等の構成部品に要する材料費が嵩んでしまい、また、複雑な構造を採用することとなって、製造コストが嵩んでしまう。さらに、構成部品や実装構造にコストをかけたとしても、機器の薄型化及び小型化の要請に対応することが困難となってきている。
また、第3の問題点は、上記従来技術では、鋭利物による突刺しが防止される構造としながら、機器の薄型化及び小型化を図ることが困難であるという点である。
すなわち、ハウリングやノイズを低減して音質を向上させるためには、簡易な構成では、達成できず、複雑な構造を採用して、音響抵抗を調整し、ハウリングを低減し、電気的に周波数特性の補正を行って音質を向上させなければならず、コストが嵩んでしまう。
また、風雑音を低減し、耐風圧性を向上させることができると共に、機器の薄型化及び小型化に寄与することができる電子機器におけるマイクロホンの実装構造及び電子機器を提供することを第2の目的としている。
また、低コストで音質を向上させることができる電子機器におけるマイクロホンの実装構造及び電子機器を提供することを第4の目的としている。
また、第2の集音孔が、筐体の第1の集音孔に重ならないように配置され、筐体の内面と、マイクロホンとの間に、音道を構成する層状空間が形成されているので、風雑音を低減し、耐風圧性を向上させることができると共に、機器の薄型化及び小型化に寄与することができる。
また、第2の集音孔が、筐体の第1の集音孔に重ならないように配置され、筐体の内面と、マイクロホンとの間に、音道を構成する層状空間が形成されているので、低コストで音質を向上させることができる。
また、筐体の第1の集音孔に重ならないように配置され、筐体の内面と、マイクロホンとの間に、音道を構成する層状空間が形成されていることによって、風雑音を低減し、耐風圧性を向上させる共に、機器の薄型化及び小型化に寄与するという第2の目的を実現した。
また、筐体の第1の集音孔に重ならないように配置され、筐体の内面と、マイクロホンとの間に、音道を構成する層状空間が形成されていることによって、低コストで音質を向上させるという第4の目的を実現した。
この例の携帯電話機1は、図1に示すように、折畳可能な筐体2を備えると共に、上部ユニット3と下部ユニット4とが、折畳可能なようにヒンジ部5で相互に結合されて構成されている。
図1に示すように、フロントケース8の上部には、受話用ケース音孔8aが形成され、フロントケース9の下部には、送話用ケース音孔9aが形成されている。
すなわち、この例のマイクロホン実装構造26は、図3乃至図8に示すように、そのマイクロホン音孔25aがフロントケース9側を向くように回路基板27に搭載されたマイクロホン25が、天井面25bの周縁に貼り付けられた枠状の両面粘着シート28を介して、マイクロホン音孔25aが、送話用ケース音孔9aから所定の離隔dを保つように(オフセットした状態で)、フロントケース9の内面(裏面)に密着状態で接合され、かつ、送話用ケース音孔9aの内面側縁部に形成された収納用凹部9bの天井面9pに、撥水加工を施された防塵メッシュシート29が、枠状の両面粘着シート31を介して、貼り付けられ、両面粘着シート28によって、送話用ケース音孔9aからマイクロホン音孔25aへ至る音道を構成する層状空間32が形成されて概略構成されている。
防塵メッシュシート29は、例えば、ナイロン繊維(ポリアミド系繊維)を用いた平織りの織布からなり、撥水加工を施され、かつ、その目の粗さは、330〜500番手(この例では、380番手)とされている。
ここで、500番手以上では、送話レベルが全周波数帯域で一様に低下してしまい、330番手以下では、粗すぎてオフセットによる効果があらわれない。
また、防塵メッシュシート29の厚さは、少なくとも略0.1mm以下とされる。
両面粘着シート31は、下面が防塵メッシュシート29の上面の周縁に粘着され、上面がフロントケース9の収納用凹部9bの天井面9pの周縁に粘着される。
例えば、マイクロホン音孔25aと送話用ケース音孔9aとの離隔(オフセット距離)dは、略2mmとされている。また、層状空間32の縦×横の寸法は、略2mm×4mm(断面積は、略8平方mm)とされている。また、マイクロホン25の天井面25bからフロントケース9の裏面9qまでの高さは、略0.1mmとされ、マイクロホン25の天井面25bから収納用凹部9bの天井面9pまでの高さは、0.2mm〜0.25mmとされる。また、防塵メッシュシート29の目の粗さは、330〜500番手(この例では、380番手)とされている。
一般に、離隔(オフセット距離)dを大きくするほど、送話感度が低下するが、特に、高い周波数帯域で、音響抵抗が大きくなり、低下幅が大きくなる(図9参照)。
ここで、マイクロホン音孔25aと送話用ケース音孔9aとの離隔(オフセット距離)d、層状空間32の断面積、防塵メッシュシート29の目の粗さを、マイクロホン25の送話レベルの周波数特性に適合させて適正に設定(選定)すると、例えば、上述したように、層状空間32を比較的広く設定すると、全周波数帯域に亘って一様に音響抵抗を与えずに、比較的高い周波数帯域のみに音響抵抗を与えることができる(図10参照)。
これによって、周波数特性を補正し、比較的高い周波数帯域の共振周波数近傍の音圧レベルを抑えられる。
なお。防塵メッシュシートの粗さ(番手)や、材質等を変更することで、通話音声の音圧レベルの周波数特性の調整が可能である。
図11に示すように、送話用ケース音孔9aから入った送話音声は、防塵メッシュシート29を通り、層状空間32を経由して、マイクロホン音孔25aに至る伝搬経路Kに沿って伝搬する。音波が、マイクロホン25の振動板に達すると、音圧に対応した電圧が発生する。
また、フロントケース9の内面の送話用ケース音孔9aの周りには、防塵メッシュシート29を貼り付けたので、音道を確保しつつ、塵埃等の異物の侵入を防止することができ、もし、侵入したとしても、マイクロホン音孔25aまで達することを確実に防止することができる。
さらに、極めて薄い防塵メッシュシート29を採用し、かつ、この防塵メッシュシート29を、フロントケース9の内面側の送話用ケース音孔9aの周りに形成した収納用凹部9bに収納したので、機器の薄型化及び小型化に寄与することができる。
また、フロントケース9の内面の送話用ケース音孔9aの周りには、撥水加工が施された防塵メッシュシート29を貼り付けたので、音道を確保しつつ、水分の侵入を防止することができ、もし、侵入したとしても、マイクロホン音孔25aまで達することを確実に防止することができる。
このように、防塵及び防水を確実に行うことによって、音質劣化や、故障等を未然に防ぐことができる。
しかも、極めて薄い防塵メッシュシート29を採用し、かつ、音道を構成するマイクロホン25の天井面25bとフロントケース9の内面との間の隙間も、極めて狭く設定されているので、機器の薄型化に寄与することができる。
しかも、マイクロホン音孔25aを、送話用ケース音孔9aと重ねないようにずらして配置し、かつ、極めて薄い防塵メッシュシート29を配設したのみで、鋭利物の侵入を抑制する構造としたので、機器の薄型化に寄与することができる。
また、防塵メッシュシート29の目の粗さ(番手)や、材質等を変更することで、通話音声の音圧レベルの周波数特性を容易に調整することができる。
また、両面粘着シート28を用いて極めて狭い隙間の層状空間を形成し、かつ、極めて薄い防塵メッシュシート29を介挿したので、狭い実装スペースにも、マイクロホン実装構造を形成することができ、機器の薄型化に寄与することができる。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、送話用ケース音孔に、中央部が開口した蓋部材を挿入した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、第1の実施例と同一の構成要素については、図12において、図6で用いた符号と同一の符号を用いて、その説明を簡略にする。
ここで、送話用ケース音孔41aは、その内面側(出口側)の径が第1の実施例における送話用ケース音孔9aの径よりも拡大され、外面側(入口側)では、収納用凹部41cに蓋部材42が配置され、その開口42aは、送話用ケース音孔9aと略同一の径とされている。
加えて、送話用ケース音孔の入口の径は変えずに、塵埃等の異物の侵入を防止し、音道を構成する送話用ケース音孔の大きさを実質的に拡大することができる。
例えば、上述した実施例では、電子機器として、携帯電話機に適用した場合について述べたが、携帯電話機に限らず、例えば、簡易型携帯電話(PHS)端末でも、送話機能を有した携帯情報端末(PDA)等、一般にマイクロホンが実装された携帯型の電子機器に適用でき、携帯電話機の場合と略同一の効果を得ることができる。
また、送話機能を有するノート型パーソナルコンピュータ等であっても良い。また、携帯電話機の場合は、折畳可能な携帯電話機に限らず、ストレートタイプの携帯電話機であっても良い。
また、フロントケースの内面側から枠状(角環状)のリブを垂下させるように形成して、マイクロホンの天井面の周縁に当接させて層状空間を形成するようにしても良い。この場合、単に押圧力を与えて押し付けるのみとしても良いし、接着させても良い。
マイクロホン音孔と送話用ケース音孔との離隔(オフセット距離)は、略2mmに限らず、例えば、略1mmから略3mmの範囲内で設定するようにしても良い。
また、防塵メッシュシートを収納する凹部を形成せずに、防塵メッシュシートを、マイクロホンをフロントケースに粘着するための両面粘着シートによって側方が囲まれるように配置しても良い。
7 下部筐体(筐体)
9 フロントケース
9a 送話用ケース音孔(第1の集音孔)
9q 裏面(内面)
25 マイクロホン
25a マイクロホン音孔(第2の集音孔)
26 マイクロホン実装構造
28 両面粘着シート
29 防塵メッシュシート(防塵用シート状部材、メッシュ状部材)
31 両面粘着シート
32 層状空間
41 フロントケース
41a 送話用ケース音孔(第1の集音孔)
Claims (10)
- マイクロホンが電子機器の筐体内に実装されているマイクロホンの実装構造であって、
前記筐体には、第1の集音孔が設けられ、前記マイクロホンは、第2の集音孔を有すると共に、前記第2の集音孔が、前記筐体の前記第1の集音孔が設けられた内面を向いた状態で、かつ、前記第1の集音孔に重ならないように配置され、前記筐体の前記内面と、前記マイクロホンとの間には、前記第1の集音孔から入力された音声を前記第2の集音孔へ導く音道が形成されていて、
該音道には、前記筐体の前記内面と前記マイクロホンとの間に防塵用シート状部材が配置されて、該防塵用シート状部材と前記マイクロホンとの間に層状空間が形成されていると共に、
前記マイクロホンは、枠状の両面粘着シートによって、前記筐体の内面に粘着されていることを特徴とする電子機器におけるマイクロホンの実装構造。 - 前記層状空間は、側方が前記両面粘着シートの内側面によって囲まれて形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造。
- 前記第1の集音孔と前記第2の集音孔との距離、及び前記層状空間の容積又は断面積は、所定の値に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造。
- 前記防塵用シート状部材は、織布のメッシュ状部材からなることを特徴とする請求項1記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造。
- 前記防塵用シート状部材は、所定の目の粗さの前記メッシュ状部材からなっていることを特徴とする請求項4記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造。
- 前記第1の集音孔と前記第2の集音孔との距離、前記層状空間の容積又は断面積、及び前記メッシュ状部材の目の粗さは、前記マイクロホンの送話レベルの周波数特性に適合させて、所定の値又は種類に設定されていることを特徴とする請求項5記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造。
- 前記第1の集音孔と前記第2の集音孔との距離は、略1mm以上略3mm以下に設定されていることを特徴とする請求項3又は6記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造。
- 前記防塵用シート状部材は、撥水加工が施されていることを特徴とする請求項1、4又は5記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造。
- 前記防塵用シート状部材は、枠状の両面粘着シートによって、前記筐体の内面に粘着されていることを特徴とする請求項1、4、5又は8記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造。
- 請求項1乃至9のいずれか1に記載の電子機器におけるマイクロホンの実装構造を備えたことを特徴とする電子機器。
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