JP4922090B2 - 圧粉成型体の製造方法、圧粉成型体及び焼結体の製造方法 - Google Patents

圧粉成型体の製造方法、圧粉成型体及び焼結体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、機械的強度に優れる圧粉成型体が得られるとともに、圧粉成型体の金型に対する離型性が改善され、金型への負荷を大幅に低減させることが可能な圧粉成型体の製造方法、該圧粉成型体の製造方法を用いて得られる圧粉成型体、焼結体の製造方法及び焼結含油軸受に関する。
多孔質状の焼結金属により形成され、潤滑油を含浸させて使用される焼結含油軸受は、無給油で長時間使用することができ、高温での耐久性に優れ、低騒音であることから、ボールベアリングに代わる回転軸の軸受として広く利用されている。
このような焼結含油軸受は、多孔質状の焼結合金により形成された軸受内に無数の空孔が設けられ、空孔内に潤滑油を含有するものであり、焼結含油軸受に挿通された小径の回転軸が回転すると、ポンプ作用によって軸受内の多数の細かい空孔より吸い出された潤滑油と、摩擦熱に起因する膨張によって滲出した潤滑油とが、回転軸との摺動部分において油膜を形成し、この油膜により回転軸が焼き付け等の支障をきたすことなく支持されるように構成されている。
焼結含油軸受の最大の利点は無給油で使用できることであり、自動車や土木機械等だけでなく、家庭用機器、事務機等、環境的又は機構的に充分な給油が望めない機器において広く用いられ、近年は、末端ユーザー向けのOA機器、音響機器等のディスクドライブに備えるモーター軸受として、また小型のファンモーター軸受としての利用も盛んである。
一方で、こうした焼結含油軸受においては、軸受と回転軸との間に供給される潤滑油の量の維持し、潤滑状態を長期間に渡って保持するため、空孔率の高いものが必要とされている。高い空孔率を有する焼結含油軸受の製造方法としては、例えば、特許文献1等に記載されているように、主原料である金属粉に加えて、焼結体に空孔を形成するための造孔剤や潤滑剤としての役割を有するステアリン酸亜鉛やエチレンビスアマイド等を添加する方法が一般的であり、更に高い空孔率を所望する場合には、ステアリン酸亜鉛等を多めに添加する方法が行われている。
しかしながら、このような方法では、得られる圧粉成型体の機械的強度、特に圧粉成型体のエッジにおける破壊に対する強度が低下するため、加圧成型時に圧粉成型体のエッジ部分に欠けが生じ、不良品が発生することから、製品の品質が低下し、生産性についても低いものとなっていた。
従って、原料粉末を加圧成型することにより得られる圧粉成型体の機械的強度に優れ、エッジ部分の欠け等が生じにくく、焼結後に得られる焼結体の空孔率が高いことから、潤滑性、潤滑状態の長期安定性に優れる焼結含油軸受が得られる圧粉成型体の製造方法が必要とされていた。
特開平7−310101号公報
本発明は、機械的強度に優れる圧粉成型体が得られるとともに、圧粉成型体の金型に対する離型性が改善され、金型への負荷を大幅に低減させることが可能な圧粉成型体の製造方法、該圧粉成型体の製造方法を用いて得られる圧粉成型体、焼結体の製造方法及び焼結含油軸受を提供することを目的とする。
本発明は、金属材料、ポリビニルアセタール樹脂及びステアリン酸亜鉛を含有する原料粉末を調製する工程1、及び、前記原料粉末を加圧成型する工程2を有する圧粉成型体の製造方法であって、ポリビニルアセタール樹脂は、粒度分布計を用いて測定した平均粒子径が100μm以下の粒子であり、かつ、100メッシュの篩いを通過しない粒子が10重量%以下である圧粉成型体の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは鋭意検討した結果、造孔剤の役割を有する添加剤として、ポリビニルアセタール樹脂を用いた場合、原料粉末を加圧成型した際に得られる圧粉成型体の機械的強度を大幅に改善することができ、かつ、このような圧粉成形体を用いることで空孔率が高い焼結体が得られることを見出した。
しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂を添加した場合、金型に対する離型性が低下するため、原料粉末を加圧成型後、金型から抜き出す際の抜出力が高くなり、これに起因して金型の耐久性が低下してしまうという問題が新たに生じていた。
そこで、本発明者らは更に鋭意検討した結果、ポリビニルアセタール樹脂に加えて、ステアリン酸亜鉛を原料粉末に添加することにより、圧粉成型体の機械的強度の向上と、空孔率の高い焼結体とを同時に実現できるとともに、圧粉成型体の金型に対する離型性が改善され、金型への負荷を大幅に低減させることが可能となることを見出した。
更に、本発明者らは、ポリビニルアセタール樹脂を所定の特性を有する粒子とすることで、得られる圧粉成型体の機械的強度の更なる向上を図ることが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の圧粉成型体の製造方法では、まず、金属材料、ポリビニルアセタール樹脂及びステアリン酸亜鉛を含有する原料粉末を調製する工程1を行う。
上記金属材料としては、一般的な焼結含油軸受に用いられる材料を使用することができる。具体的には例えば、鉄粉、銅粉、鉄粉と銅粉の混合物等;Fe−C、Fe−Pb−C、Fe−Cu−C合金等の鉄系合金粉;Cu−Sn、Cu−Sn−C、Cu−Sn−Pb−C合金等の銅系合金粉等が挙げられる。また、これらに黒鉛粉、錫粉、亜鉛粉、鉛粉等を添加したものを用いてもよい。これらのなかでは、鉄粉が好ましい。
上記金属材料の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい上限が200μmである。200μmを超えると、圧粉成型体の強度低下や外観不良等の不具合が生じることがある。より好ましい上限は150μmである。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、粒度分布計を用いて測定した平均粒子径が100μm以下の粒子である。100μmを超えると、同重量のポリビニルアセタール樹脂粒子を添加した場合であっても、粒子数が少なくなることから、圧粉成型体を作製する場合に、鉄粉同士の接着点が減少し、得られる圧粉成型体の機械的強度が低下する。より好ましい平均粒子径は80μm以下である。
なお、上記粒度分布計としては、例えば、粒体モニタリングシステム(レーゼンテック社製)を用いることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、100メッシュの篩いを通過しない粒子が10重量%以下である。10重量%を超えると、粒子径の大きいポリビニルアセタール樹脂が多数存在することによって、成型時の樹脂の流動性が低下し、鉄粉同士の接着効果が得られにくくなる。その結果、得られる圧粉成型体の機械的強度の低下を招く。好ましくは8重量%以下である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアセタール化することにより得られるものである。本発明において、上記ポリビニルアセタール樹脂は、焼結体に空孔を形成するための造孔剤としての役割を有するとともに、圧粉成型体の機械的強度を高める役割を有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は60モル%、好ましい上限は80モル%である。60モル%未満であると、ポリビニルアセタール樹脂のゲル化が進行することがある。80モル%を超えると、残存水酸基が少なくなり、ポリビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれ、得られる圧粉成型体の機械的強度が低下することがある。
なお、本明細書において、アセタール化度とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、アセタール化された水酸基数の割合のことであり、アセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を算出する。
上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いられるポリビニルアルコールのケン化度の好ましい下限は80モル%である。80モル%未満であると、水溶性が悪化するためアセタール化が困難になり、また、水酸基量が少なくなるためアセタール化自体が困難になる。より好ましい下限は85モル%である。
上記ポリビニルアルコールは、アセタール化する際のポリビニルアルコールのケン化度が80モル%以上であれば、上記ポリビニルアルコールを単独で使用してもよく、又は、ケン化度80モル%以上のポリビニルアルコールとケン化度80モル%未満のポリビニルアルコールを混合して、ケン化度を80モル%以上に調整してから使用してもよい。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は4000である。200未満であると、充分な機械的強度が得られず、クラック等が入り易くなることがある。4000を超えると、アセタール化が困難となることがある。
上記ポリビニルアルコールは、重合度が200〜4000であれば、上記ポリビニルアルコールを単独で使用してもよく、2種以上のポリビニルアルコールを混合して、全体として重合度が上記範囲となるように調整してから使用してもよい。
上記アセタール化の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、塩酸等の酸触媒の存在下で、上記ポリビニルアルコール又は上記変性ポリビニルアルコールの水溶液に各種アルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記アセタール化に用いるアルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。なかでも、アセトアルデヒド及び/又はブチルアルデヒドを用いてアセタール化することが好ましい。これらのアルデヒドは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記原料粉末におけるポリビニルアセタール樹脂の含有量の好ましい下限は、金属材料100重量部に対して0.3重量部、好ましい上限は3.0重量部である。0.3重量部未満であると、圧粉成型体の機械的強度が不充分となる。3.0重量部を超えると、脱脂・焼結工程でのクラック等の発生や得られる焼結体の空孔率が高くなりすぎ、焼結含油軸受として用いた場合に強度が不充分となる。
上記ステアリン酸亜鉛は、滑剤としての役割や、造孔剤としての役割を有するものである。
上記原料粉末における上記ステアリン酸亜鉛の含有量の好ましい下限は金属材料100重量部に対して0.05重量部、好ましい上限は1.0重量部である。0.05重量部未満であると、金型の耐久性が低下することがあり、1.0重量部を超えると、圧粉成型体の機械的強度が低下することがある。
上記原料粉末には、上記金属材料、ポリビニルアセタール樹脂及びステアリン酸亜鉛以外に、必要に応じて、アクリル、ポリエステル等の樹脂材料やステアリン酸、二硫化モリブデン、ワックス等の滑剤、可塑剤等の各種添加剤を添加してもよい。
上記工程1では、上記金属材料、ポリビニルアセタール樹脂及びステアリン酸亜鉛を所定量添加した後、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロール、ビーズミル等の混合機を用いて、常温又は加温下で混合することにより、原料粉末を調製する。
本発明では、次いで、上記原料粉末を加圧成型することにより圧粉成型体を形成する工程2を行う。上記加圧成型は、例えば、上下方向を軸方向(プレス上下軸方向)とし、ダイ、下パンチ及び上パンチを備えた成型用金型を用いて行うことができる。
具体的には例えば、ダイと下パンチからなる空間に原料粉末を充填した後、下パンチ及び上パンチを用いて上方及び下方から原料粉末を加圧することにより、圧粉成型体を成型する。その後、上パンチを引き上げ、圧粉成型体を取り出す。本発明では、原料粉末にポリビニルアセタール樹脂に加えて、ステアリン酸亜鉛を添加することで、上パンチの抜出力が低減され、成型用金型に破損等が発生することがなく、成型用金型の耐久性を大幅に向上させることができる。
本発明の圧粉成型体の製造方法によって得られる圧粉成型体であって、密度が6.0g/cm以下であり、かつ、日本粉末冶金工業会規格P 11−1992に準拠した方法で測定したラトラ値が5.0%以下である圧粉成型体もまた本発明の1つである。
本発明の圧粉成型体は、密度の上限が6.0g/cmである。6.0g/cmを超えると、空孔率が低くなるため、得られる焼結含油軸受の含油量が減少し、充分な耐久性が得られなくなる。また、好ましい下限は4.5g/cmである。4.5g/cm未満であると、機械的強度が著しく低下する。本発明の圧粉成型体は上記密度を有するため、優れた強度と充分な空孔率とをバランスよく両立させた焼結体を作製することができる。
本発明の圧粉成型体は、ラトラ値の上限が5.0%である。5.0%を超えると、強度が低くなり、特にエッジ部分にカケが生じる。好ましい上限は3.0%である。
なお、上記ラトラ値は、日本粉末冶金工業会規格(JPMA)P11−1992に規定されているものであり、具体的には、圧粉成型体先端の摩耗強さを示し、円柱状の圧粉成型体を回転するかごの中で繰り返し落下させ、その質量減少率で表した圧粉成型体のエッジ強さのことをいう。
本発明の圧粉成型体を加熱することより、上記金属材料を焼結させるとともに脱脂する工程3を行うことで焼結体が得られる。このような焼結体の製造方法もまた本発明の1つである。
上記工程3は、具体的には例えば、圧粉成型体を焼結炉内に入れ、所定の焼結温度で焼結させることにより、金属材料同士を結合させる。このような工程を行うことで、ポリビニルアセタール樹脂及びステアリン酸亜鉛が脱脂され、焼結体に空孔が形成される。
本発明の焼結体の製造方法によって得られる焼結体に潤滑油を含浸させることで焼結含油軸受が得られる。このような焼結含油軸受もまた本発明の1つである。本発明の焼結含油軸受は、耐久性に優れ、かつ、潤滑性、潤滑状態の長期安定性に優れるものとなる。
本発明の圧粉成型体の製造方法は、原料粉末を加圧成型することにより、得られる圧粉成型体の機械的強度が高められるため、圧粉成型体の欠け等に起因する不良品が発生することがなく、製品品質及び生産性の向上を図ることができる。また、圧粉成型体の成型時における金型の抜出力が低いことから、金型の耐久性が向上し、金型の寿命を長期化させることができる。
更に、焼結後に得られる焼結体の空孔率が高いことから、得られる焼結含油軸受は、潤滑性、潤滑状態の長期安定性に優れるものとなる。
加えて、本発明の焼結体の製造方法では、機械的強度の高さと充分な空孔率とを両立させた焼結体を得ることができ、これを用いて得られる本発明の焼結含油軸受は、耐久性に優れ、かつ、潤滑性、潤滑状態の長期安定性に優れるものとなる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製
重合度2400、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール、193gを純水2900gに加え、90℃で約2時間攪拌し溶解した。この溶液を28℃に冷却し、濃度35重量%の塩酸20gと、アルデヒドとして、n−ブチルアルデヒド130gを添加し、更に10℃に冷却、保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、溶液を30℃で5時間保持して反応を完了させ、中和、水洗及び乾燥工程を行い、樹脂粉末を得た。得られた樹脂粉末を100メッシュ(目開き150μm)の篩いに掛け、篩いを通過した白色の樹脂粉末をポリビニルアセタール樹脂として用いた。
(2)原料粉末の調製
還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂1.45重量部、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて、ミキサーで混合することにより、原料粉末を調製した。
(3)圧粉成型体の作製
得られた原料粉末2.8gを、密度が5.4g/cmとなるように圧縮成型して、外径11.3mm、長さ5.2mmの円柱状の圧粉成型体を得た。
(実施例2)
実施例1の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、アルデヒドとして、n−ブチルアルデヒド117gを用いて、樹脂粉末を得た後、得られた樹脂粉末を60メッシュ(目開き250μm)の篩いに掛けた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を調製した。
次いで、実施例1の「(2)原料粉末の調製」において、還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂0.90重量部、ステアリン酸亜鉛0.10重量部を加えて、ミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして圧粉成型体を得た。
(実施例3)
実施例2の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、得られた樹脂粉末を100メッシュ(目開き150μm)の篩いに掛けた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を調製した。
次いで、実施例1の「(2)原料粉末の調製」において、還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂0.90重量部、ステアリン酸亜鉛0.10重量部を加えて、ミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして圧粉成型体を得た。
(実施例4)
実施例2の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、得られた樹脂粉末を140メッシュ(目開き106μm)の篩いに掛けた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を調製した。
次いで、実施例1の「(2)原料粉末の調製」において、還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂0.90重量部、ステアリン酸亜鉛0.10重量部を加えて、ミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして圧粉成型体を得た。
(実施例5)
実施例1の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、重合度800、ケン化度98モル%のポリビニルアルコールを用い、樹脂粉末を得た後、得られた樹脂粉末を30メッシュ(目開き500μm)の篩いに掛けた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を調製した。
次いで、実施例1の「(2)原料粉末の調製」において、還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂0.95重量部、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて、ミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして圧粉成型体を得た。
(実施例6)
実施例1の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、重合度800、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール、アルデヒドとして、n−ブチルアルデヒド117gを用いて、樹脂粉末を得た後、得られた樹脂粉末を50メッシュ(目開き300μm)の篩いに掛けた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂及び圧粉成型体を得た。
(実施例7)
実施例1の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、重合度300、ケン化度98モル%のポリビニルアルコールを用い、樹脂粉末を得た後、得られた樹脂粉末を60メッシュ(目開き250μm)の篩いに掛けた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を調製した。
次いで、実施例1の「(2)原料粉末の調製」において、還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂0.70重量部、ステアリン酸亜鉛0.30重量部を加えて、ミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして圧粉成型体を得た。
(実施例8)
実施例1の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、重合度300、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール、アルデヒドとして、n−ブチルアルデヒド117gを用いて、樹脂粉末を得た後、得られた樹脂粉末を60メッシュ(目開き250μm)の篩いに掛けた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を調製した。
次いで、実施例1の「(2)原料粉末の調製」において、還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂0.95重量部、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて、ミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして圧粉成型体を得た。
(比較例1)
実施例1の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、得られた樹脂粉末を10メッシュ(目開き1700μm)の篩いに掛け、篩いを通過しなかった樹脂粉末をポリビニルアセタール樹脂として用いた以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセタール樹脂及び圧粉成型体を得た。
(比較例2)
実施例1の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、重合度800、ケン化度98モル%のポリビニルアルコールを用い、樹脂粉末を得た後、得られた樹脂粉末を10メッシュ(目開き1700μm)の篩いに掛け、篩いを通過しなかった樹脂粉末をポリビニルアセタール樹脂として用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を調製した。
次いで、実施例1の「(2)原料粉末の調製」において、還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂0.95重量部、ステアリン酸亜鉛0.05重量部を加えて、ミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして圧粉成型体を得た。
(比較例3)
実施例1の「(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製」において、アルデヒドとして、n−ブチルアルデヒド117gを用いて、樹脂粉末を得た後、得られた樹脂粉末を10メッシュ(目開き1700μm)の篩いに掛け、篩いを通過しなかった樹脂粉末をポリビニルアセタール樹脂として用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を調製した。
次いで、実施例1の「(2)原料粉末の調製」において、還元鉄粉100重量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂1.50重量部を加えて、ミキサーで混合した以外は実施例1と同様にして圧粉成型体を得た。
(比較例4)
還元鉄粉100重量部に対して、ステアリン酸亜鉛1.00重量部を加えて、ミキサーで混合することにより、原料粉末を調製した。
次いで、得られた原料粉末2.8gを、密度が5.4g/cmとなるように圧縮成型して、外径11.3mm、長さ5.2mmの円柱状の圧粉成型体を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール樹脂、原料粉末及び圧粉成型体について、以下の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
(1)アセタール化度
実施例及び比較例で調製したポリビニルアセタール樹脂について、DMSO−d(ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化度を測定した。
(2)100メッシュ篩い残存率
実施例及び比較例で調製したポリビニルアセタール樹脂について、100メッシュの篩いに掛け、篩いを通過しないポリビニルアセタール樹脂の比率を計測した。
(3)平均粒子径
実施例及び比較例で調製したポリビニルアセタール樹脂について、平均粒子径を粒度分布計(粒体モニタリングシステム、レーゼンテック社製)を用いて測定した。
(4)抜出力の測定
実施例及び比較例で調製した原料粉末について、日本粉末治金工業会規格(JPMA P 13−1992)による「金属圧粉体の抜出力測定方法」に準拠した方法で成型後、抜出力を測定した。
(5)ラトラ値の測定
実施例及び比較例で作製した圧粉成型体について、日本粉末治金工業会規格(JPMA P 11−1992)による「金属圧粉体のラトラ値測定方法」に準拠した方法でラトラ値を測定した。
Figure 0004922090
本発明は、機械的強度に優れる圧粉成型体が得られるとともに、圧粉成型体の金型に対する離型性が改善され、金型への負荷を大幅に低減させることが可能な圧粉成型体の製造方法、該圧粉成型体の製造方法を用いて得られる圧粉成型体、焼結体の製造方法及び焼結含油軸受が得られる。

Claims (3)

  1. 金属材料、ポリビニルアセタール樹脂及びステアリン酸亜鉛を含有する原料粉末を調製する工程1、及び、前記原料粉末を加圧成型する工程2を有する圧粉成型体の製造方法であって、ポリビニルアセタール樹脂は、粒度分布計を用いて測定した平均粒子径が100μm以下の粒子であり、かつ、100メッシュの篩いを通過しない粒子が10重量%以下であることを特徴とする圧粉成型体の製造方法。
  2. 請求項1記載の圧粉成型体の製造方法によって得られる圧粉成型体であって、密度が6.0g/cm以下であり、かつ、日本粉末冶金工業会規格JPMA P 11−1992に準拠した方法で測定したラトラ値が5.0%以下であることを特徴とする圧粉成型体。
  3. 請求項2記載の圧粉成型体を加熱することより、金属材料を焼結させるとともに脱脂する工程3を有することを特徴とする焼結体の製造方法。
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