JP4921574B2 - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4921574B2
JP4921574B2 JP2010111026A JP2010111026A JP4921574B2 JP 4921574 B2 JP4921574 B2 JP 4921574B2 JP 2010111026 A JP2010111026 A JP 2010111026A JP 2010111026 A JP2010111026 A JP 2010111026A JP 4921574 B2 JP4921574 B2 JP 4921574B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input shaft
shaft
input
clutch
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010111026A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011237013A (ja
Inventor
哲 田中
範久 植之原
雄亮 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exedy Corp filed Critical Exedy Corp
Priority to JP2010111026A priority Critical patent/JP4921574B2/ja
Priority to PCT/JP2011/060124 priority patent/WO2011142250A1/ja
Publication of JP2011237013A publication Critical patent/JP2011237013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4921574B2 publication Critical patent/JP4921574B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/22Friction clutches with axially-movable clutching members
    • F16D13/38Friction clutches with axially-movable clutching members with flat clutching surfaces, e.g. discs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D21/00Systems comprising a plurality of actuated clutches
    • F16D21/02Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways
    • F16D21/06Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways at least two driving shafts or two driven shafts being concentric
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D21/00Systems comprising a plurality of actuated clutches
    • F16D21/02Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways
    • F16D21/06Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways at least two driving shafts or two driven shafts being concentric
    • F16D2021/0684Mechanically actuated clutches with two clutch plates
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D21/00Systems comprising a plurality of actuated clutches
    • F16D21/02Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways
    • F16D21/06Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways at least two driving shafts or two driven shafts being concentric
    • F16D2021/0692Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways at least two driving shafts or two driven shafts being concentric with two clutches arranged axially without radial overlap

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

本発明は、エンジンやモータ等の動力源からトランスミッションへ動力を伝達するためのクラッチ装置に関する。
車両の変速を自動的に行う手段として自動変速機(AT)が知られている。近年のATは、例えばトルクコンバータ、複数の遊星ギアおよびクラッチを組み合わせたものが主流となっている。しかし、ATたとえばトルクコンバータは、流体を介して動力を伝達するので、入力側と出力側とを機械的に直接連結しトルクを伝達する手動変速機(MT)に比べて、動力伝達効率が低下する。したがって、ATは、ドライバーの労力が軽減されるという利点を有している反面、車両の燃費が低下するという欠点を有している。そこで、近年では、MTの伝達効率を確保しつつクラッチ操作を不要とすることを目的とした自動変速機(AMT)が、提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この自動変速機では、MTのクラッチ操作およびトランスミッションの変速操作を自動化することができ、従来のMTと同様の伝達効率を確保しつつ、クラッチ操作を不要とすることができる
特開2002−174262号公報
特許文献1に記載のクラッチ装置は、主に、一対のフライホイールを含むカバー部材、一対のフライホイールの間に配置された一対のプレッシャプレート、およびそれぞれが一対のプレッシャプレートそれぞれによって押圧される一対のクラッチディスクを有している。このようなデュアルタイプのクラッチ装置は、トランスミッションに動力を伝達するための2本のシャフトを介して、エンジンからの動力をトランスミッションへと伝達する。
ここでは、トランスミッションに動力を伝達するための2本のシャフトは、インナーシャフトとアウターシャフトとから構成されている。この場合、クラッチ装置が、主にインナーシャフトに支持された状態において、各シャフトとともに同軸周りに回転することによって、エンジンからの動力をトランスミッションへと伝達する。
このように、従来のデュアルタイプのクラッチ装置は、主にインナーシャフトによって自重が支持されている。この状態において、動力がインナーシャフトへと伝達されると、このインナーシャフトには、自重に加えてスラスト力をも伝達される。しかしながら、インナーシャフトは、構成上、軸径が小さくならざるを得ないので、このインナーシャフトによってクラッチ装置の自重およびスラスト力を支持した状態で、インナーシャフトが回転すると、この回転時に共振等が生じてしまい、エンジンからトランスミッションへの動力の伝達が不安定になってしまうおそれがあった。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができるクラッチ装置を、提供することにある。
請求項1に係るクラッチ装置は、エンジンから、第1入力軸および第1入力軸より大径の第2入力軸を有するトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置である。
このクラッチ装置は、入力回転体と、第1プレッシャプレートと、第2プレッシャプレートと、第1クラッチディスク組立体と、第2クラッチディスク組立体と、回転支持機構と、軸移動規制機構とを、備えている。入力回転体は、第1円板部と、第1円板部と空間を隔てて配置された第2円板部とを、有している。第1プレッシャプレートは、入力回転体内に配置され、第1円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第2プレッシャプレートは、入力回転体内に配置され、第2円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第1クラッチディスク組立体は、第1円板部と第1プレッシャプレートとの間に配置された第1摩擦部を有しており、第1入力軸に連結されている。第2クラッチディスク組立体は、第2円板部と第2プレッシャプレートとの間に配置された第2摩擦部を有しており、第2入力軸に連結されている。回転支持機構は、第2入力軸と入力回転体との間に設けられており、エンジン側への軸移動が規制されている。この回転支持機構は、入力回転体を第1入力軸および第2入力軸に対して回転可能に支持している。軸移動規制機構は、回転支持機構のエンジン側への軸移動を規制するためのものであり、第2入力軸と回転支持機構との間において第2入力軸に対して回転不能に設けられている。
たとえば、車両を奇数速で発進させる場合、エンジンの動力は、第1プレッシャプレートを第1円板部の方向に移動することによって、第1クラッチディスク組立体を介して、第1円板部から第1入力軸へと伝達される。一方で、車両を偶数速で発進させる場合、エンジンの動力は、第2プレッシャプレートを第2円板部の方向に移動することによって、第2クラッチディスク組立体を介して、第2円板部から第2入力軸へと伝達される。
また、上記のように、エンジンの動力が、第1入力軸および第2入力軸のいずれか一方に伝達される場合には、第1プレッシャプレート又は第2プレッシャプレートを押圧するための反力としてのスラスト力が、発生する。このスラスト力は、エンジン側への軸移動が規制された回転支持機構に入力され、第2入力軸へと伝達される。
このように、本発明では、第2入力軸と入力回転体との間に設けられた回転支持機構のエンジン側への軸移動を規制することによって、エンジンからトランスミッションへと動力を伝達するときに発生するスラスト力を、第1入力軸より大径の第2入力軸に伝達することができる。このように、本発明では、クラッチ装置に発生するスラスト力を、第1入力軸より剛性の高い第2入力軸において受けることができるので、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
特に、この場合、第2入力軸と回転支持機構との間に設けられた軸移動規制機構によって、回転支持機構のエンジン側への軸移動が規制されているので、回転支持機構に入力される上記のスラスト力を、第1入力軸より剛性の高い第2入力軸において受けることができる。これにより、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項に記載のクラッチ装置において、軸移動規制機構は、第2入力軸と回転支持機構との間において回転支持機構を支持する支持部材と、支持部材のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材とを有している。
この場合、軸移動規制機構の支持部材によって回転支持機構が支持され、軸移動規制部材によって支持部材のエンジン側への軸移動が規制される。これにより、回転支持機構に入力される上記のスラスト力を、軸移動規制機構を介して、第1入力軸より剛性の高い第2入力軸において受けることができる。これにより、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
請求項に係るクラッチ装置は、エンジンから、第1入力軸および第1入力軸より大径の第2入力軸を有するトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置である。
このクラッチ装置は、入力回転体と、第1プレッシャプレートと、第2プレッシャプレートと、第1クラッチディスク組立体と、第2クラッチディスク組立体と、回転支持機構とを、備えている。入力回転体は、第1円板部と、第1円板部と空間を隔てて配置された第2円板部とを、有している。第1プレッシャプレートは、入力回転体内に配置され、第1円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第2プレッシャプレートは、入力回転体内に配置され、第2円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第1クラッチディスク組立体は、第1円板部と第1プレッシャプレートとの間に配置された第1摩擦部を有しており、第1入力軸に連結されている。第2クラッチディスク組立体は、第2円板部と第2プレッシャプレートとの間に配置された第2摩擦部を有しており、第2入力軸に連結されている。回転支持機構は、第2入力軸と入力回転体との間に設けられており、エンジン側への軸移動が規制されている。この回転支持機構は、入力回転体を第1入力軸および第2入力軸に対して回転可能に支持している。また、第2クラッチディスク組立体は、回転支持機構のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制機構を、有している。
たとえば、車両を奇数速で発進させる場合、エンジンの動力は、第1プレッシャプレートを第1円板部の方向に移動することによって、第1クラッチディスク組立体を介して、第1円板部から第1入力軸へと伝達される。一方で、車両を偶数速で発進させる場合、エンジンの動力は、第2プレッシャプレートを第2円板部の方向に移動することによって、第2クラッチディスク組立体を介して、第2円板部から第2入力軸へと伝達される。
また、上記のように、エンジンの動力が、第1入力軸および第2入力軸のいずれか一方に伝達される場合には、第1プレッシャプレート又は第2プレッシャプレートを押圧するための反力としてのスラスト力が、発生する。このスラスト力は、エンジン側への軸移動が規制された回転支持機構に入力され、第2入力軸へと伝達される。
このように、本発明では、第2入力軸と入力回転体との間に設けられた回転支持機構のエンジン側への軸移動を規制することによって、エンジンからトランスミッションへと動力を伝達するときに発生するスラスト力を、第1入力軸より大径の第2入力軸に伝達することができる。このように、本発明では、クラッチ装置に発生するスラスト力を、第1入力軸より剛性の高い第2入力軸において受けることができるので、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
特に、この場合、回転支持機構は、第2クラッチディスク組立体が有する軸移動規制機構によって、エンジン側への軸移動が規制されているので、回転支持機構に入力される上記のスラスト力を、第1入力軸より剛性の高い第2入力軸において受けることができる。これにより、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項に記載のクラッチ装置において、軸移動規制機構が、第2摩擦部を支持し第2入力軸と回転支持機構との間において回転支持機構を支持する支持部材と、支持部材のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材とを有している。
この場合、軸移動規制機構の支持部材によって第1摩擦部および回転支持機構が支持され、軸移動規制部材によって支持部材のエンジン側への軸移動が規制される。これにより、回転支持機構に入力される上記のスラスト力を、軸移動規制機構を介して、第1入力軸より剛性の高い第2入力軸において受けることができる。これにより、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
本発明では、第2入力軸と入力回転体との間に設けられた回転支持機構のエンジン側への軸移動を規制することによって、エンジンからトランスミッションへと動力を伝達するときに発生するスラスト力を、第1入力軸より大径の第2入力軸に伝達することができる。このように、本発明では、クラッチ装置に発生するスラスト力を、第1入力軸より剛性の高い第2入力軸において受けることができるので、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
クラッチ装置の断面図(第1実施形態) クラッチ装置の断面図(第2実施形態) クラッチ装置の断面図(第3実施形態) クラッチ装置の断面図(他の実施形態) クラッチ装置の断面図(他の実施形態)
〔第1実施形態〕
<クラッチ装置の全体構成>
図1に示すように、本クラッチ装置1は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置であって、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、回転支持機構11と、軸移動規制機構12と、支持機構13とを、備えている。入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第1クラッチディスク組立体5、および駆動機構7の第1駆動機構7Aにより、第1クラッチC1が構成されている。入力回転体10、第2プレッシャプレート49、第2クラッチディスク組立体6、および駆動機構7の第2駆動機構7Bにより第2クラッチC2が構成されている。第1クラッチC1および第2クラッチC2は、いわゆるノーマルオープンタイプのクラッチである。第1クラッチC1が第1速、第3速および第5速において動力を伝達し、第2クラッチC2が第2速および第4速において動力を伝達する。
第1入力軸91には、段差部91a、環状溝91b、およびスプライン軸91cが、形成されている。スプライン軸91cは、第1入力軸91の先端側の外周面において軸方向に形成されている。段差部91aは、スプライン軸91cのトランスミッション側において、スプライン軸91cの外周に形成されている。環状溝91bは、第1入力軸91の先端側の外周に形成されている。詳細には、環状溝91bは、スプライン軸91cのエンジン側において、スプライン軸91cの外周に形成されている。
第2入力軸92の先端側の外周面には、スプライン軸92bが形成されている。また、第2入力軸92の外周面には、環状の溝部92aが形成されている。さらに、第2入力軸92の径が第1入力軸91の径より大径になるように、第2入力軸92は形成されている。溝部92aを基準としたトランスミッション側の外周面の径が、溝部92aを基準としたエンジン側外周面の径より大きくなるように、第2入力軸92は形成されている。詳細には、第2入力軸92のトランスミッション側の外周面の径が、第2入力軸92のスプライン軸92bの外周面の径より大きくなっている。
・入力回転体
入力回転体10は、エンジンから動力が伝達される部材であり、フレキシブルプレート93を介して、クランクシャフト99に連結されている。フレキシブルプレート93の内周部はボルトによりクランクシャフト99に固定されており、フレキシブルプレート93の外周部はボルト(図示しない)により入力回転体10に固定されている。クランクシャフト99の内周部にはベアリングが固定されており、このベアリングにより第1入力軸91の先端が回転可能に支持されている。
入力回転体10は、主に、第1フライホイール3(第1円板部)と、第2フライホイール4(第2円板部)と、中間プレート38とを有している。中間プレート38は、第1フライホイール3と第2フライホイール4との間に挟み込まれており、第1フライホイール3および第2フライホイール4と一体回転可能になっている。第1プレッシャプレート39は、図示しない第1ストラッププレートを介して、中間プレート38に一体回転可能にかつ軸方向に弾性的に連結されている。第2プレッシャプレート49は、図示しない第2ストラッププレートを介して、中間プレート38に一体回転可能にかつ軸方向に弾性的に連結されている。
・第1プレッシャプレート
第1プレッシャプレート39は、入力回転体10内に配置されており、第1フライホイール3に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第1プレッシャプレート39は、第1フライホイール3と軸方向に対向して配置されている。第1プレッシャプレート39には、径方向外方に突出した第1支持部39aが、形成されている。第1支持部39aは、円周方向に、所定の間隔を隔てて配置されている。この第1支持部39aにおいて、第1プレッシャプレート39は、第1駆動機構7Aの第1駆動支持部材78に連結されている。なお、第1プレッシャプレート39には、第1支持部39aとは異なる位置において、円周方向に所定の間隔を隔てて、第1突出部(図示しない)が設けられている。この第1突出部において、第1ストラッププレートは、第1プレッシャプレート39に固定されている。
・第2プレッシャプレート
第2プレッシャプレート49は、入力回転体10内に配置されており、第2フライホイール4に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第2プレッシャプレート49は、第2フライホイール4と軸方向に対向して配置されている。第2プレッシャプレート49には、径方向外方に突出した第2支持部49aが、形成されている。第2支持部49aは、円周方向に、所定の間隔を隔てて配置されている。この第2支持部49aにおいて、第2プレッシャプレート49は、第2駆動機構7Bの第2駆動支持部材79に連結されている。なお、第2プレッシャプレート49には、第2支持部49aとは異なる位置において、円周方向に所定の間隔を隔てて、第2突出部(図示しない)が設けられている。この第2突出部において、第2ストラッププレートは、第2プレッシャプレート49に固定されている。
・第1クラッチディスク組立体
第1クラッチディスク組立体5は、入力回転体10から第1入力軸91へ動力を伝達するためのアッセンブリであり、後述する支持機構13たとえば第1支持部材35を介して第1入力軸91に連結されている。第1クラッチディスク組立体5は、第1摩擦部57と、第1入力部材52と、第1ハブ51と、複数の第1スプリング55と、を有している。第1摩擦部57は、第1フライホイール3と第1プレッシャプレート39との軸方向間に配置されている。第1摩擦部57は、入力回転体10および第1プレッシャプレート39と摺動可能に設けられている。第1入力部材52は、第1摩擦部57から動力が伝達される部材であり、第1摩擦部57に連結されている。第1ハブ51の内周面には、後述する支持機構13に連結するためのスプライン溝が、形成されている。第1ハブ51は、支持機構13を介して第1入力軸91に連結されている。第1スプリング55は、第1入力部材52により弾性変形可能に支持されており、第1入力部材52と第1ハブ51とを回転方向に弾性的に連結している。
・第2クラッチディスク組立体
第2クラッチディスク組立体6は、入力回転体10から第2入力軸92へ動力を伝達するためのアッセンブリであり、第2入力軸92に連結されている。第2クラッチディスク組立体6は、第2摩擦部67と、第2入力部材62と、第2ハブ61と、複数の第2スプリング65と、を有している。第2摩擦部67は、第2フライホイール4と第2プレッシャプレート49との軸方向間に配置されている。第2摩擦部67は、入力回転体10および第2プレッシャプレート49と摺動可能に設けられている。第2入力部材62は、第2摩擦部67から動力が伝達される部材であり、第2摩擦部67に連結されている。第2ハブ61の内周面には、スプライン溝が形成されており、このスプライン溝によって、第2ハブ61は第2入力軸92に連結されている。第2スプリング65は、第2入力部材62により弾性変形可能に支持されており、第2入力部材62と第2ハブ61とを回転方向に弾性的に連結している。
・駆動機構
駆動機構7は、第1駆動機構7Aおよび第2駆動機構7Bを有している。第1駆動機構7Aは、第1クラッチC1の動力伝達を操作するための機構であって、第1プレッシャプレート39に軸方向の押し付け力を伝達する。第1駆動機構7Aは、入力回転体10に支持された第1駆動支持部材78と、第1駆動支持部材78が入力回転体10に対して第1フライホイール3側に移動するように第1駆動支持部材78に駆動力を伝達する第1駆動力伝達部71とを、有している。第2駆動機構7Bは、第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構であって、第2プレッシャプレート49に軸方向の押し付け力を伝達する。第2駆動機構7Bは、入力回転体10に支持された第2駆動支持部材79と、第2駆動支持部材79が入力回転体10に対して第2フライホイール4側に移動するように第2駆動支持部材79に駆動力を伝達する第2駆動力伝達部72とを、有している。
・回転支持機構
回転支持機構11は、第1回転支持機構211と、第2回転支持機構111とを有している。第1回転支持機構211は、第1入力軸91と入力回転体10との間に設けられており、入力回転体10を第1入力軸91に対して回転可能に支持する。具体的には、第1回転支持機構211は、第1ベアリング34を有している。第1ベアリング34は、第1フライホイール3と第1入力軸91との間に配置されており、第1フライホイール3を第1入力軸91に対して回転可能に支持している。詳細には、第1ベアリング34は、第1フライホイール3と第1支持部材35との間に配置されており、第1フライホイール3を第1入力軸91に対して回転可能に支持している。
第2回転支持機構111は、第2入力軸92と入力回転体10との間に設けられており、入力回転体10を第2入力軸92に対して回転可能に支持する。具体的には、第2回転支持機構111は、第2ベアリング44を有している。第2ベアリング44は、第2フライホイール4と第2入力軸92との間に配置されており、第2フライホイール4を第2入力軸92に対して回転可能に支持している。詳細には、第2ベアリング44は、第2フライホイール4と、後述する軸移動規制機構12との間に配置されており、第2フライホイール4を第2入力軸92に対して回転可能に支持している。また、第2ベアリング44は、軸方向に対向する一対のスナップリング20,21によって、第2フライホイール4と、後述する軸移動規制機構12とに対して、軸方向に移動不能に装着されている。
・軸移動規制機構
軸移動規制機構12は、第2入力軸92と、回転支持機構11すなわち第2回転支持機構111との間において第2入力軸92に対して回転不能に設けられ、第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動を規制する。軸移動規制機構12は、第2支持部材45と、軸移動規制部材46とを有している。第2支持部材45は、第2入力軸92と第2回転支持機構111との間において、第2回転支持機構111を支持している。軸移動規制部材たとえば第2入力軸用のスナップリング46は、第2支持部材45のエンジン側への軸移動を規制している。
具体的には、第2支持部材45は、筒状に形成されている。第2支持部材45の外周面には、エンジン側において径方向外方に突出し第2ベアリング44を支持する突出部45aと、トランスミッション側において第2ベアリング44を支持するスナップリングを嵌合するための環状溝45bとを有している。また、第2支持部材45の内周面には、第2入力軸用のスナップリング46が待機する待機凹部45cと、第2入力軸用のスナップリング46を係止する係止凹部45dと、第2入力軸用のスナップリング46を回収する回収凹部45eとを有している。第2支持部材45の内周面には、軸方向にスプライン溝が形成されている。
係止凹部45dの底部の内径が、待機凹部45cの底部の内径より小さくなるように、係止凹部45dは形成されている。また、係止凹部45dの底部の内径が、回収凹部45eの底部の内径より小さくなるように、係止凹部45dは形成されている。
なお、自由時のスナップリング46(第2入力軸92に装着前のスナップリング46)の外径が回収凹部45eの外径より大きくなるように、スナップリング46は形成されている。また、自由時のスナップリング46の内径が第2入力軸92のスプライン92bの外径より大きくなるように、スナップリング46は形成されている。さらに、スナップリング46の外径と内径との差が回収凹部45eのエンジン側の壁部の高さより小さくなるように、スナップリング46は形成されている。このようにスナップリング46を形成することによって、スナップリング46を回収凹部45eに確実に回収することができる。
・支持機構
支持機構13は、第1支持部材35を有している。第1支持部材35は、筒状に形成されており、内周面にはスプライン溝が形成されている。そして、第1支持部材35のスプライン溝を、第1入力軸91の外周面に形成されたスプライン軸91cに嵌合することによって、第1支持部材35は、第1入力軸91に対して回転不能に装着される。また、第1支持部材35の外周面には、スプライン軸が形成されている。そして、第1支持部材35のスプライン軸を、第1クラッチディスク組立体5の第1ハブ51に形成されたスプライン溝に嵌合することによって、第1支持部材35が、第1クラッチディスク組立体5に装着される。また、第1入力軸91に形成された段差部91aと、第1入力軸91に形成された環状溝91bに装着されるスナップリング95とによって、第1支持部材35が第1入力軸91に位置決めされる。
<クラッチ装置の入力軸への組み付け及び取り外し>
まず、支持機構13を除くクラッチ装置1を組み立てた状態において、第2入力軸用のスナップリング46を、第2支持部材45の待機凹部45cと第2入力軸92のエンジン側先端部外周との間に配置する。
続いて、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へと移動すると、環状突起45kのスプライン溝が、第2入力軸92のスプライン軸92bに嵌合する。そして、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へとさらに移動すると、待機凹部45cに配置されたスナップリング46が、第2入力軸92の溝部92aに到着する。すると、このスナップリング46は、第2入力軸92の溝部92aのトランスミッション側の壁面に当接する。このようにして、スナップリング46のトランスミッション側への移動が、第2入力軸92の溝部92aにより規制される。ここでは、第2入力軸92のトランスミッション側の外周面の径(溝部92aを基準としたトランスミッション側の外周面の径)が、第2入力軸92のスプライン軸92bの外周面の径(溝部92aを基準としたエンジン側外周面の径)より大きくなっているので、スナップリング46のトランスミッション側への移動を、第2入力軸92の溝部92aのトランスミッション側の壁部により規制することができる。なお、この状態では、スナップリング46の内周面と、第2入力軸92の溝部92aの底部との間には、隙間が設けられている。
そして、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へとさらに移動すると、スナップリング46が、待機凹部45cに嵌合された状態すなわち待機凹部45のエンジン側の壁面に当接した状態において、待機凹部45cのエンジン側のテーパ状の壁部において、待機凹部45cから係止凹部45dへと縮径しながら案内され、第2入力軸92の溝部92aに嵌合される。そして、スナップリング46が係止凹部45dに到達すると、スナップリング46は拡径し係止凹部45dに嵌合される。このようにして、スナップリング46は、第2入力軸92の溝部92aと係止凹部45dとに係合し、第2支持部材45のエンジン側への軸移動を規制する。
なお、第2入力軸92のスプライン軸92bは、第2入力軸92の先端部と溝部92aとの間に形成されている。詳細には、スプライン軸92bは、第2入力軸92の外周面においてエンジン側の先端部からトランスミッション側へと延び、溝部92aに到達する手前すなわち概ね溝部92aのエンジン側に、終端を有している。
続いて、支持機構13たとえば第1支持部材35が、第1入力軸91と、第1クラッチディスク組立体5および第1フライホイール3に装着された第1回転支持機構211との間に装着される。たとえば、第1支持部材35の内周面のスプライン溝が、第1入力軸91のスプライン軸に嵌合され、第1支持部材35の外周面のスプライン軸が、第1クラッチディスク組立体5のスプライン溝に嵌合される。そして、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へ移動する。そして、第1支持部材35が、第1入力軸91の段差部91aに当接すると、スナップリング95が第1入力軸91の環状溝91bに装着される。これにより、第1支持部材35が、第1入力軸91に位置決めされる。このようにして、クラッチ装置1は、入力軸91,92に装着される。
次に、クラッチ装置1が入力軸91,92に装着された状態において、第1支持部材35を第1入力軸91に位置決めするためのスナップリング95が、取り外される。そして、取り外し治具(図示しない)がボルトを介して第1支持部材35に装着され、取り外し治具をエンジン側へと移動することによって、第1支持部材35が、第1入力軸91から取り外される。この状態で、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へと移動させると、スナップリング46が、係止凹部45dに嵌合された状態すなわち係止凹部45dのエンジン側のテーパ状の壁部に当接した状態おいて、係止凹部45dから回収凹部45eへと再び縮径しながら案内される。そして、スナップリング46が回収凹部45eに到達すると、スナップリング46は拡径し、回収凹部45eに回収される。続いて、今度は、クラッチ装置1を、スプラインに沿ってエンジン側へと移動すると、スナップリング46が第2支持部材45の回収凹部45eに回収された状態で、第1支持部材35が取り外されたクラッチ装置1が、入力軸91,92から取り外される。
<本クラッチ装置の動作>
クラッチ装置1の動作について説明する。図1に示す状態は、駆動機構7により第1クラッチC1および第2クラッチC2に押付力が付与されていない状態であり、第1クラッチC1および第2クラッチC2で動力伝達が行われていない状態である。この状態では、第1プレッシャプレート39は、図1に示す軸方向位置に保持されており、第2プレッシャプレート49も、図1に示す軸方向位置に保持されている。ここで、エンジンから動力が入力回転体10に伝達されると、入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第2プレッシャプレート49および駆動機構7は一体回転する。第1入力軸91が支持部材35を介して第1ベアリング34を支持しており、第1ベアリング34が第1フライホイール3を回転可能に支持している。また、第2入力軸92が軸移動規制機構12を介して第2ベアリング44を支持しており、第2ベアリング44が第2フライホイール4を回転可能に支持している。これにより、入力回転体10の回転が安定する。
例えば、車両が第1速で発進する際、トランスミッションの第1入力軸91側が第1速に切り替えられ、第1駆動機構7Aが第1アクチュエータ(図示せず)によりエンジン側に押される。すると、第1駆動支持部材78および第1プレッシャプレート39がエンジン側に移動する。この結果、第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57が第1プレッシャプレート39と第1フライホイール3との間に挟み込まれ、第1クラッチディスク組立体5を介して第1入力軸91に動力が伝達される。これらの動作により、車両は第1速で発進を開始する。
第1速から第2速への変速時には、トランスミッションの第2入力軸92側が第2速に切り替えられる。トランスミッションが第2速の状態で、第1クラッチC1の解除とほぼ同時に第2クラッチC2が連結状態に切り替えられる。具体的には、第1駆動機構7Aに付与されている駆動力が解放される。すると、第1駆動機構7Aの状態が図1に示す状態に戻り、第1クラッチC1を介した動力伝達が解除される。
一方で、第2駆動機構7Bが第2アクチュエータ(図示せず)によりエンジン側に押されると、第2駆動支持部材79および第2プレッシャプレート49がトランスミッション側に移動する。この結果、第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67が第2プレッシャプレート49と第2フライホイール4との間に挟み込まれ、第2クラッチディスク組立体6を介して第2入力軸92に動力が伝達される。これらの動作により、変速段が第1速から第2速に切り替えら、車両は第2速で走行を開始する。
第2速から第3速への変速時には、トランスミッションの第1入力軸91側が第3速に切り替えられる。トランスミッションが第3速の状態で、第2クラッチC2の解除とほぼ同時に第1クラッチC1が連結状態に切り替えられる。具体的には、第2駆動機構7Bに付与されている駆動力が解放される。すると、第2駆動機構7Bの状態が図1に示す状態に戻り、第2クラッチC2を介した動力伝達が解除される。
上記の内容をまとめると、本クラッチ装置1では、奇数速での走行時には、動力は、エンジンから、奇数のギアがセットされた第1入力軸91へと伝達される。また、走行時に奇数速から偶数速へと切り換えられる場合、動力がエンジンから第1入力軸91へと伝達されている状態において、偶数のギアが第2入力軸92にセットされる。そして、第1クラッチC1の解除とほぼ同時に、第2クラッチC2が連結状態に切り替えられると、動力が、エンジンから、偶数のギアがセットされた第2入力軸92へと伝達される。さらに、走行時に偶数速から奇数速へと切り換えられる場合、動力がエンジンから第2入力軸92へと伝達されている状態において、奇数のギアが第1入力軸91にセットされる。そして、第2クラッチC2の解除とほぼ同時に、第1クラッチC1が連結状態に切り替えられると、動力が、エンジンから、奇数のギアがセットされた第1入力軸91へと伝達される。
<本クラッチ装置の特徴>
以下に、クラッチ装置1の特徴を示す。
図1に示したように、本クラッチ装置1では、回転支持機構11すなわち第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動が、軸移動規制機構12によって規制されている。軸移動規制機構12は、第2支持部材45と、第2入力軸用のスナップリング46とを有している。第2支持部材45は、第2入力軸92と第2回転支持機構111との間において、第2回転支持機構111を支持している。そして、第2入力軸用のスナップリング46を、第2支持部材45と第2入力軸92とに係合することによって、第2支持部材45のエンジン側への軸移動が規制されている。このようにして、軸移動規制機構12は、第2入力軸92と第2回転支持機構111との間において、第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動を規制している。
このように、本クラッチ装置1では、第2入力軸92に対する第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動が、軸移動規制機構12によって規制されているので、エンジンからトランスミッションへと動力を伝達するときに発生するスラスト力を、第1入力軸91より大径の第2入力軸92に伝達することができる。このように、本クラッチ装置1では、クラッチ装置1に発生するスラスト力を、第1入力軸91より剛性の高い第2入力軸92において受けることができるので、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
〔第2実施形態〕
<クラッチ装置の全体構成>
図2に示すように、本クラッチ装置101は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置であって、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、回転支持機構11と、軸移動規制機構12と、支持機構13とを、備えている。
図2に示したクラッチ装置101の構成は、軸移動規制機構12の部分を除くと、基本的には、第1実施形態に示したクラッチ装置1と同じである。このため、ここでは、第1実施形態に示したクラッチ装置101と構成が同じ部分についての説明は、省略する。また、第1実施形態と同じ部材については、同じ番号を用いている。
・軸移動規制機構
軸移動規制機構12は、第2入力軸92と、回転支持機構11すなわち第2回転支持機構111との間において第2入力軸92に対して回転不能に設けられ、第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動を規制する。軸移動規制機構12は、第2支持部材45と、軸移動規制部材46と、補助部材47とを有している。第2支持部材45は、第2入力軸92と第2回転支持機構111との間において、第2回転支持機構111を支持している。軸移動規制部材たとえば第2入力軸用のスナップリング46は、第2支持部材45のエンジン側への軸移動を規制している。補助部材たとえば補助リング47は、第2支持部材45を第2入力軸92から取り外すために用いる部材である。
具体的には、第2支持部材45は、筒状に形成されている。第2支持部材45の外周面には、エンジン側において径方向外方に突出し第2ベアリング44を支持する突出部45aと、トランスミッション側において第2ベアリング44を支持するスナップリングを嵌合するための環状溝45bとを有している。また、第2支持部材45の内周面には、第2入力軸用のスナップリング46が待機する第1待機凹部45fと、補助リング47が待機する第2待機凹部45gとを有している。第2支持部材45の内周面には、スプライン溝が形成されている。
スナップリング46は第1待機凹部45fに待機しているときには、スナップリング46が拡径された状態で、スナップリング46の内周面が、第2入力軸92の外周面に嵌合されている。そして、第1待機凹部45fに待機するスナップリング46が縮径し、第2入力軸92の溝部92aに嵌合されると、スナップリング46は、第1待機凹部45fと溝部92aとの間に配置される。
補助リング47は第2待機凹部45gに待機しているときには、補助リング47が拡径された状態で、補助リング47の内周面が、第2入力軸92の外周面に嵌合されている。そして、第2待機凹部45gに待機する補助リング47が縮径し、第2入力軸92の溝部92aに嵌合されると、補助リング47の外周面は、第2入力軸92の外周面と同一面を形成する。言い換えると、補助リング47は、外周面が第2入力軸92の外周面と同一面となるように、第2入力軸92に形成された環状の溝部92aに嵌合される。
<クラッチ装置の入力軸への組み付け及び取り外し>
まず、支持機構13を除くクラッチ装置101を組み立てた状態において、第2入力軸用のスナップリング46を、第2支持部材45の第1待機凹部45fと第2入力軸92のエンジン側先端部外周との間に配置する。また、補助リング47を、第2支持部材45の第2待機凹部45gと第2入力軸92のエンジン側先端部外周との間に配置する。この状態では、第2入力軸92の外周面に形成されたスプライン軸92bと、第2支持部材45のスプライン溝とが、嵌合されている。続いて、クラッチ装置101をスプラインに沿ってトランスミッション側へと移動し、第1待機凹部45fのスナップリング46が、第2入力軸92の溝部92aに到着すると、このスナップリング46は縮径し第2入力軸92の溝部92aに嵌合される。すると、スナップリング46が、第1待機凹部45fと第2入力軸92の溝部92aとに係合し、第2支持部材45のエンジン側への軸移動が、規制される。
なお、第2入力軸92のスプライン軸92bは、第2入力軸92の先端部と溝部92aとの間に形成されている。詳細には、スプライン軸92bは、第2入力軸92の外周面においてエンジン側の先端部からトランスミッション側へと延び、溝部92aに到達する手前すなわち概ね溝部92aのエンジン側に、終端を有している。
続いて、支持機構13たとえば第1支持部材35が、第1入力軸91と、第1クラッチディスク組立体5および第1フライホイール3に装着された第1回転支持機構211との間に装着される。たとえば、第1支持部材35の内周面のスプライン溝が、第1入力軸91のスプライン軸に嵌合され、第1支持部材35の外周面のスプライン軸が、第1クラッチディスク組立体5のスプライン溝に嵌合される。そして、クラッチ装置101をスプラインに沿ってトランスミッション側へ移動する。そして、第1支持部材35が、第1入力軸91の段差部91aに当接すると、スナップリング95が第1入力軸91の環状溝91bに装着される。これにより、第1支持部材35が、第1入力軸91に位置決めされる。このようにして、クラッチ装置101は、入力軸91,92に装着される。
次に、クラッチ装置101が入力軸91,92に装着された状態において、第1支持部材35を第1入力軸91に位置決めするためのスナップリング95が、取り外される。そして、取り外し治具(図示しない)がボルトを介して第1支持部材35に装着され、取り外し治具をエンジン側へと移動することによって、第1支持部材35が、第1入力軸91から取り外される。この状態で、クラッチ装置101をスプラインに沿ってトランスミッション側へと移動させると、スナップリング46は、第1待機凹部45fに保持された状態で、第2入力軸92の溝部92aのトランスミッション側のテーパ状の壁部を拡径しながら移動する。そして、スナップリング46が、第2入力軸92の溝部92aを脱出し、第2入力軸92の外周面に到達すると、第2待機凹部45gに待機していた補助リング47が、縮径し、第2入力軸92の溝部92aに嵌合される。これにより、第2入力軸92の溝部92aが、補助リング47によって塞がれ、補助リング47の外周面と第2入力軸92の外周面とは同一面となる。この状態において、今度は、クラッチ装置101を、スプラインに沿ってエンジン側へと移動すると、スナップリング46は、第2支持部材45の第1待機凹部45fの内部に保持された状態で、第2入力軸92の溝部92aを塞いだ補助リング47上を通過し、第2入力軸92のエンジン側へと移動する。そして、クラッチ装置101は、入力軸91,92から取り外される。
<本クラッチ装置の動作および特徴>
本クラッチ装置101の動作は、第1実施形態に示したクラッチ装置1の動作と実質的に同じであるため、ここでは説明を省略する。また、本クラッチ装置101においても、第2入力軸92に対する第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動が、軸移動規制機構12によって規制されているので、エンジンからトランスミッションへと動力を伝達するときに発生するスラスト力を、第1入力軸91より大径の第2入力軸92に伝達することができる。このように、本クラッチ装置1では、クラッチ装置1に発生するスラスト力を、第1入力軸91より剛性の高い第2入力軸92において受けることができるので、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
〔第3実施形態〕
<クラッチ装置の全体構成>
図3に示すように、本クラッチ装置102は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置であって、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、回転支持機構11と、支持機構13とを、備えている。入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第1クラッチディスク組立体5、および駆動機構7の第1駆動機構7Aにより、第1クラッチC1が構成されている。入力回転体10、第2プレッシャプレート49、第2クラッチディスク組立体6、および駆動機構7の第2駆動機構7Bにより第2クラッチC2が構成されている。第1クラッチC1および第2クラッチC2は、いわゆるノーマルオープンタイプのクラッチである。第1クラッチC1が第1速、第3速および第5速において動力を伝達し、第2クラッチC2が第2速および第4速において動力を伝達する。以下では、第1実施形態と同じ部材については、同じ番号を用いている。
第1入力軸91には、段差部91a、環状溝91b、およびスプライン軸91cが、形成されている。スプライン軸91cは、第1入力軸91の先端側の外周面において軸方向に形成されている。段差部91aは、スプライン軸91cのトランスミッション側において、スプライン軸91cの外周に形成されている。環状溝91bは、第1入力軸91の先端側の外周に形成されている。詳細には、環状溝91bは、スプライン軸91cのエンジン側において、スプライン軸91cの外周に形成されている。
第2入力軸92の先端側の外周面には、スプライン軸92bが形成されている。また、第2入力軸92の外周面には、環状の溝部92aが形成されている。詳細には、溝部92aは、スプライン軸92bのエンジン側の外周面に形成されている。また、第2入力軸92の外周面には、段差部92cが形成されている。詳細には、段差部92cは、スプライン軸92bのトランスミッション側の外周面に形成されている。さらに、第2入力軸92の径が第1入力軸91の径より大径になるように、第2入力軸92は形成されている。
・入力回転体
入力回転体10は、エンジンから動力が伝達される部材であり、クランクシャフト99に連結されている。クランクシャフト99の内周部には、ベアリング34が固定されており、このベアリング34により第1入力軸91の先端が、クランクシャフト99に回転可能に支持されている。
入力回転体10は、主に、第1フライホイール3(第1円板部)と、第2フライホイール4(第2円板部)と、ダンパー機構15と、中間プレート(図示しない)とを、有している。中間プレートは、第1フライホイール3と第2フライホイール4との間に挟み込まれており、第1フライホイール3および第2フライホイール4と一体回転可能になっている。第1フライホイール3は、図示しない連結部材を介して、ダンパー機構15に連結されている。
ダンパー機構15は、エンジン側の回転変動たとえばトルク変動を吸収するための機構である。ダンパー機構15は、第1フライホイール3の外周部において、ボルトを介して、一体回転可能に装着されている(図示しない)。ダンパー機構15は、トルク入力部材15aと、複数のスプリング55と、トルク出力部材15bとを有している。トルク入力部材15aは、エンジン側からトルクが伝達される部材である。トルク入力部材15aの内周部は、ボルトによりクランクシャフト99に固定されている。また、トルク入力部材15aおよびトルク出力部材15bは、複数のスプリング55それぞれを、回転方向に所定の間隔で保持している。言い換えると、スプリング55は、トルク入力部材15aとトルク出力部材15bとの間で弾性変形可能に支持されている。トルク出力部材15bは、ボルト(図示しない)を介して第1フライホイール3に連結されている。この構成によればエンジンからのトルクがトルク入力部材15aに入力されると、トルク変動が複数のスプリング55によって減衰され、トルク変動が除去されたトルクが、トルク出力部材15bを介して、第1フライホイール3に入力される。このように、本ダンパー機構15では、エンジンからのトルクが入力回転体10に入力される前に、トルク変動を除去することができる。
なお、トルク入力部材15aが固定されたクランクシャフト99の内周部にはベアリング34が固定されており、このベアリング34により第1入力軸91の先端が、クランクシャフト99に対して回転可能に支持されている。
・第1プレッシャプレート
第1プレッシャプレート39は、入力回転体10内に配置されており、第1フライホイール3に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第1プレッシャプレート39は、第1フライホイール3と軸方向に対向して配置されている。第1プレッシャプレート39には、径方向外方に突出した第1支持部39aが、形成されている。第1支持部39aは、円周方向に、所定の間隔を隔てて配置されている。この第1支持部39aにおいて、第1プレッシャプレート39は、第1駆動機構7Aの第1駆動支持部材78に連結されている。
・第2プレッシャプレート
第2プレッシャプレート49は、入力回転体10内に配置されており、第2フライホイール4に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第2プレッシャプレート49は、第2フライホイール4と軸方向に対向して配置されている。第2プレッシャプレート49には、径方向外方に突出した第2支持部49aが、形成されている。第2支持部49aは、円周方向に、所定の間隔を隔てて配置されている。この第2支持部49aにおいて、第2プレッシャプレート49は、第2駆動機構7Bの第2駆動支持部材79に連結されている。
・第1クラッチディスク組立体
第1クラッチディスク組立体5は、入力回転体10から第1入力軸91へ動力を伝達するためのアッセンブリであり、後述する支持機構13たとえば第1支持部材35を介して第1入力軸91に連結されている。第1クラッチディスク組立体5は、第1摩擦部57と、第1入力部材52と、第1ハブ51を、有している。第1摩擦部57は、第1フライホイール3と第1プレッシャプレート39との軸方向間に配置されている。第1摩擦部57は、入力回転体10および第1プレッシャプレート39と摺動可能に設けられている。第1入力部材52は、第1摩擦部57から動力が伝達される部材であり、第1摩擦部57に連結されている。第1ハブ51は、第1入力部材52を介して第1摩擦部57を支持している。第1ハブ51は、第1支持部材35を介して第1入力軸91に連結されている。第1ハブ51の内周面には、スプライン溝が形成されている。
・第2クラッチディスク組立体
第2クラッチディスク組立体6は、入力回転体10から第2入力軸92へ動力を伝達するためのアッセンブリである。第2クラッチディスク組立体6は、第2摩擦部67と、第2入力部材62と、第2ハブ61と、軸移動規制機構12とを有している。第2摩擦部67は、第2フライホイール4と第2プレッシャプレート49との軸方向間に配置されている。第2摩擦部67は、入力回転体10および第2プレッシャプレート49と摺動可能に設けられている。第2入力部材62は、第2摩擦部67から動力が伝達される部材であり、第2摩擦部67に連結されている。第2ハブ61は、第2入力部材62を介して第2摩擦部67を支持している。第2ハブ61は、軸移動規制機構12を介して、第2入力軸92に連結されている。第2ハブ61の内周面には、スプライン溝が形成されている。
軸移動規制機構12は、第2入力軸92に対して回転不能に設けられ、後述する回転支持機構11のエンジン側への軸移動を規制する。軸移動規制機構12は、第2入力軸92と回転支持機構11との間に配置され回転支持機構11を支持する第2支持部材45と、第2支持部材45のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材46とを有している。
第2支持部材45は、第2入力軸92と回転支持機構11との間に配置され、回転支持機構11を支持している。また、第2支持部材45は、第2入力軸92と第2ハブ61との間に配置されている。軸移動規制部材たとえば第2入力軸用のスナップリング46は、第2支持部材45のエンジン側への軸移動を規制している。
具体的には、第2支持部材45は、回転支持機構11を支持する機構支持部45hと、機構支持部45hに一体に形成され機構支持部45hから径方向外方に延び第2ハブ61を支持する第2ハブ支持部45iとを有している。機構支持部45hは、回転支持機構11の下部を支持し、第2ハブ支持部45iは、回転支持機構11のエンジン側の側部を支持する。機構支持部45hの内周面には、スプライン溝が形成されており、第2ハブ支持部45iの外周部には、スプライン軸が形成されている。第2支持部材45は、機構支持部45hのスプライン溝を、第2入力軸92の外周部に形成されたスプライン軸92bに嵌合することによって、第2入力軸92に装着される。また、第2支持部材45は、第2ハブ支持部45iのスプライン軸を、第2ハブ61のスプライン溝に嵌合することによって、第2ハブ61に装着される。
・駆動機構
駆動機構7は、第1駆動機構7Aおよび第2駆動機構7Bを有している。第1駆動機構7Aは、第1クラッチC1の動力伝達を操作するための機構であって、第1プレッシャプレート39に軸方向の押し付け力を伝達する。第1駆動機構7Aは、入力回転体10に支持された第1駆動支持部材78と、第1駆動支持部材78が入力回転体10に対して第1フライホイール3側に移動するように第1駆動支持部材78に駆動力を伝達する第1駆動力伝達部71とを、有している。第2駆動機構7Bは、第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構であって、第2プレッシャプレート49に軸方向の押し付け力を伝達する。第2駆動機構7Bは、入力回転体10に支持された第2駆動支持部材79と、第2駆動支持部材79が入力回転体10に対して第2フライホイール4側に移動するように第2駆動支持部材79に駆動力を伝達する第2駆動力伝達部72と、を有している。
・回転支持機構
回転支持機構11は、第2入力軸92と入力回転体10との間に設けられており、入力回転体10を第2入力軸92に対して回転可能に支持する。具体的には、回転支持機構11は、ベアリング44を有している。ベアリング44は、第2フライホイール4と第2入力軸92との間に配置されており、第2フライホイール4を第2入力軸92に対して回転可能に支持している。詳細には、ベアリング44は、第2フライホイール4と、軸移動規制機構12の第2支持部材45の機構支持部45hとの間に配置されており、第2フライホイール4を第2入力軸92に対して回転可能に支持している。また、ベアリング44は、スナップリング48によって、第2フライホイール4に位置決めされている。さらに、ベアリング44は、第2ハブ支持部45iのトランスミッション側の壁面に当接している。
・支持機構
支持機構13は、第1支持部材35を有している。第1支持部材35は、第1入力軸91に装着される装着部35aと、装着部35aと一体に形成され装着部35aから径方向外方に延び第1ハブ51を支持する第1ハブ支持部35bとを有している。第1ハブ支持部35bは、装着部35aの軸方向中央部から径方向外方に延びている。装着部35aの内周面には、スプライン溝が形成されており、第1ハブ支持部35bの外周部には、スプライン軸が形成されている。そして、第1支持部材35のスプライン軸を、第1クラッチディスク組立体5の第1ハブ51に形成されたスプライン溝に嵌合することによって、第1支持部材35が、第1クラッチディスク組立体5に装着される。また、第1支持部材35のスプライン溝を、第1入力軸91の外周面に形成されたスプライン軸に嵌合することによって、第1支持部材35が、第1入力軸91に対して回転不能に装着される。そして、第1入力軸91に形成された段差部91aと、第1入力軸91に形成された環状溝91bに装着されるスナップリング95とによって、第1支持部材35が第1入力軸91に位置決めされる。
<クラッチ装置の入力軸への組み付け>
まず、第1支持部材35およびダンパー機構15を除いてクラッチ装置102を組み立てた状態において、第2支持部材45のスプライン溝が、第2入力軸92の外周面に形成されたスプライン軸92bに嵌合される。続いて、クラッチ装置102をスプラインに沿ってトランスミッション側へと移動すると、第2支持部材45における機構支持部45hのトランスミッション側の壁面が、第2入力軸92に形成された段差部92cに当接する。この状態において、軸移動規制部材である第2入力軸用のスナップリング46を、第2入力軸92の外周面に形成された環状の溝部92aに装着することによって、第2支持部材45のエンジン側への軸移動が規制される。これにより、回転支持機構11のエンジン側への軸移動が、規制される。
続いて、第1支持部材35における装着部35aのスプライン溝と、第1入力軸91の外周面に形成されたスプライン軸91cとが、嵌合される。同時に、第1支持部材35における第1ハブ支持部35bのスプライン軸と、第1ハブ61の内周部に形成されたスプライン溝とが、嵌合される。この状態において、第1支持部材35をスプラインに沿ってトランスミッション側へと移動すると、第1支持部材35における装着部35aのトランスミッション側の壁面が、第1入力軸91に形成された段差部91aに当接する。この状態において、第1入力軸用のスナップリング95を、第1入力軸91の外周面に形成された環状溝91bに装着することによって、第1支持部材35を含むクラッチ装置102が、位置決めされる。そして、クランクシャフト99およびダンパー機構15を、入力回転体10に装着することによって、クラッチ装置1が入力軸91,92組み付けられる。
<本クラッチ装置の動作>
クラッチ装置102の動作について説明する。図3に示す状態は、駆動機構7により第1クラッチC1および第2クラッチC2に押付力が付与されていない状態であり、第1クラッチC1および第2クラッチC2で動力伝達が行われていない状態である。この状態では、第1プレッシャプレート39は、第1駆動機構7Aの第1駆動支持部材78に連結されており、第1フライホイール3と軸方向に対向して配置されている。第2プレッシャプレート49は、第2駆動機構7Bの第2駆動支持部材79に連結されており、第2フライホイール4と軸方向に対向して配置されている。ここで、エンジンから動力が入力回転体10に伝達されると、入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第2プレッシャプレート49および駆動機構7は一体回転する。
第1入力軸91は、ベアリング34を介して、ダンパー機構15を回転可能に支持している。また、第1入力軸91は、第1支持部材35を介して、第1クラッチディスク組立体5を回転不能に支持している。第2入力軸92は、第2支持部材45を介して、第2クラッチディスク組立体6を回転不能に支持している。また、第2支持部材45は、回転支持機構11を支持しており、且つこの回転支持機構11のエンジン側への移動を規制している。これにより、入力回転体10の回転が安定する。
例えば、車両が第1速で発進する際、トランスミッションの第1入力軸91側が第1速に切り替えられ、第1駆動機構7Aが第1アクチュエータ(図示せず)によりエンジン側に押される。すると、第1駆動支持部材78および第1プレッシャプレート39がエンジン側に移動する。この結果、第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57が第1プレッシャプレート39と第1フライホイール3との間に挟み込まれ、第1クラッチディスク組立体5を介して第1入力軸91に動力が伝達される。これらの動作により、車両は第1速で発進を開始する。
第1速から第2速への変速時には、トランスミッションの第2入力軸92側が第2速に切り替えられる。トランスミッションが第2速の状態で、第1クラッチC1の解除とほぼ同時に第2クラッチC2が連結状態に切り替えられる。具体的には、第1駆動機構7Aに付与されている駆動力が解放される。すると、第1駆動機構7Aの状態が図3に示す状態に戻り、第1クラッチC1を介した動力伝達が解除される。
一方で、第2駆動機構7Bの第2駆動ベアリング77が第2アクチュエータ(図示せず)によりエンジン側に押されると、第2駆動支持部材79および第2プレッシャプレート49がトランスミッション側に移動する。この結果、第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67が第2プレッシャプレート49と第2フライホイール4との間に挟み込まれ、第2クラッチディスク組立体6を介して第2入力軸92に動力が伝達される。これらの動作により、変速段が第1速から第2速に切り替えられ、車両は第2速で走行を開始する。
第2速から第3速への変速時には、トランスミッションの第1入力軸91側が第3速に切り替えられる。トランスミッションが第3速の状態で、第2クラッチC2の解除とほぼ同時に第1クラッチC1が連結状態に切り替えられる。具体的には、第2駆動機構7Bに付与されている駆動力が解放される。すると、第2駆動機構7Bの状態が図3に示す状態に戻り、第2クラッチC2を介した動力伝達が解除される。
上記の内容をまとめると、本クラッチ装置102では、奇数速での走行時には、動力は、エンジンから、奇数のギアがセットされた第1入力軸91へと伝達される。また、走行時に奇数速から偶数速へと切り換えられる場合、動力がエンジンから第1入力軸91へと伝達されている状態において、偶数のギアが第2入力軸92にセットされる。そして、第1クラッチC1の解除とほぼ同時に、第2クラッチC2が連結状態に切り替えられると、動力が、エンジンから、偶数のギアがセットされた第2入力軸92へと伝達される。さらに、走行時に偶数速から奇数速へと切り換えられる場合、動力がエンジンから第2入力軸92へと伝達されている状態において、奇数のギアが第1入力軸91にセットされる。そして、第2クラッチC2の解除とほぼ同時に、第1クラッチC1が連結状態に切り替えられると、動力が、エンジンから、奇数のギアがセットされた第1入力軸91へと伝達される。
<本クラッチ装置の特徴>
以下に、クラッチ装置102の特徴を示す。
図3に示したように、本クラッチ装置102では、回転支持機構11のエンジン側への軸移動が、第2クラッチディスク組立体6が有する軸移動規制機構12によって、規制されている。具体的には、軸移動規制機構12は、第2入力軸92に対して回転不能に設けられ、回転支持機構11のエンジン側への軸移動を規制している。軸移動規制機構12は、第2支持部材45と、軸移動規制部材たとえば第2入力軸用のスナップリング46とを有している。第2支持部材45は、第2入力軸92と回転支持機構11との間において、回転支持機構11を支持している。また、第2支持部材45を、第2入力軸92に形成された段差部と第2入力軸用のスナップリング64との間で、第2入力軸92に対して回転不能に連結することによって、第2支持部材45のエンジン側への軸移動が規制されている。これにより、回転支持機構11のエンジン側への軸移動が、規制される。
このように、本クラッチ装置102では、第2入力軸92に対する回転支持機構11のエンジン側への軸移動が、軸移動規制機構12によって規制されているので、エンジンからトランスミッションへと動力を伝達するときに発生するスラスト力を、第1入力軸より大径の第2入力軸に伝達することができる。このように、本クラッチ装置102では、クラッチ装置102に発生するスラスト力を、第1入力軸91より剛性の高い第2入力軸92において受けることができるので、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。
〔他の実施形態〕
(a)本発明は、以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。たとえば、前記第3実施形態では、回転支持機構11が1個のベアリング44を有する場合の例が示されているが、ベアリング44の個数は、複数個であっても良い。
たとえば、図4に示すクラッチ装置103は、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、回転支持機構11とを、備えている。第2クラッチディスク組立体6は、軸移動規制機構12を有している。この場合、回転支持機構11は、2個のベアリング44を有している。2個のベアリング44は、第2フライホイール4と、軸移動規制機構12の第2支持部材45との間に配置されている。また、2個のベアリング44は、軸方向に隣接して配置されている。また、第1支持部材35は、装着部35aと第1ハブ支持部35bとを有している。第1ハブ支持部35bは、装着部35aのエンジン側端部から径方向外方に延び、回転支持機構11の上方においてトランスミッション側へと延びている。そして、第1ハブ支持部35bは、回転支持機構11の上方において第2クラッチディスク組立体6を支持している。
たとえば、図5に示すクラッチ装置104は、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、回転支持機構11とを、備えている。第2クラッチディスク組立体6は、軸移動規制機構12を有している。この場合、回転支持機構11は、複列タイプのベアリング44を有している。複列タイプのベアリング44は、第2フライホイール4と、軸移動規制機構12の第2支持部材45との間に配置されている。また、第1支持部材35は、装着部35aと第1ハブ支持部35bとを有している。第1ハブ支持部35bは、装着部35aのエンジン側端部から径方向外方に延び、回転支持機構11の上方においてトランスミッション側へと延びている。そして、第1ハブ支持部35bは、回転支持機構11の上方において第2クラッチディスク組立体6を支持している。
図4および図5に示した構成のクラッチ装置103,104では、2列のボールで入力回転体10を支持することができるので、入力回転体10の回転を安定的に支持することができる。
なお、図4および図5では、前記第3実施形態と同じ部材については、同じ番号を用いている。
本発明は、エンジンから、第1入力軸および第1入力軸より大径の第2入力軸を有するトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置に、利用可能である。
1,101,102,103,104 クラッチ装置
3 第1フライホイール(第1円板部)
4 第2フライホイール(第2円板部)
5 第1クラッチディスク組立体
6 第2クラッチディスク組立体
7 駆動機構
10 入力回転体
111 第2回転支持機構(回転支持機構)
12 軸移動規制機構
15 ダンパー機構
35 第1支持部材
45 第2支持部材
34 第1ベアリング
44 第2ベアリング
39 第1プレッシャプレート
49 第2プレッシャプレート
51 第1ハブ
52 第1入力部材
57 第1摩擦部
61 第2ハブ
62 第2入力部材
67 第2摩擦部
91 第1入力軸(出力回転体の一例)
92 第2入力軸(出力回転体の一例)
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ

Claims (4)

  1. エンジンから、第1入力軸および前記第1入力軸より大径の第2入力軸を有するトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置であって、
    第1円板部と、前記第1円板部と空間を隔てて配置された第2円板部とを、有する入力回転体と、
    前記入力回転体内に配置され、前記第1円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置された第1プレッシャプレートと、
    前記入力回転体内に配置され、前記第2円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置された第2プレッシャプレートと、
    前記第1円板部と前記第1プレッシャプレートとの間に配置された第1摩擦部を有し、前記第1入力軸に連結された第1クラッチディスク組立体と、
    前記第2円板部と前記第2プレッシャプレートとの間に配置された第2摩擦部を有し、前記第2入力軸に連結された第2クラッチディスク組立体と、
    前記第2入力軸と前記入力回転体との間に設けられ、エンジン側への軸移動が規制され、前記入力回転体を前記第1入力軸および前記第2入力軸に対して回転可能に支持する回転支持機構と、
    前記第2入力軸と前記回転支持機構との間において前記第2入力軸に対して回転不能に設けられ、前記回転支持機構のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制機構と、
    を備えるクラッチ装置。
  2. 前記軸移動規制機構は、前記第2入力軸と前記回転支持機構との間において前記回転支持機構を支持する支持部材と、前記支持部材のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材とを有している、
    請求項に記載のクラッチ装置。
  3. エンジンから、第1入力軸および前記第1入力軸より大径の第2入力軸を有するトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置であって、
    第1円板部と、前記第1円板部と空間を隔てて配置された第2円板部とを、有する入力回転体と、
    前記入力回転体内に配置され、前記第1円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置された第1プレッシャプレートと、
    前記入力回転体内に配置され、前記第2円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置された第2プレッシャプレートと、
    前記第1円板部と前記第1プレッシャプレートとの間に配置された第1摩擦部を有し、前記第1入力軸に連結された第1クラッチディスク組立体と、
    前記第2円板部と前記第2プレッシャプレートとの間に配置された第2摩擦部を有し、前記第2入力軸に連結された第2クラッチディスク組立体と、
    前記第2入力軸と前記入力回転体との間に設けられ、エンジン側への軸移動が規制され、前記入力回転体を前記第1入力軸および前記第2入力軸に対して回転可能に支持する回転支持機構と、
    を備え、
    前記第2クラッチディスク組立体は、前記回転支持機構のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制機構をさらに有する、
    クラッチ装置。
  4. 前記軸移動規制機構は、前記第2摩擦部を支持し前記第2入力軸と前記回転支持機構との間において前記回転支持機構を支持する支持部材と、前記支持部材のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材とを有している、
    請求項に記載のクラッチ装置。
JP2010111026A 2010-05-13 2010-05-13 クラッチ装置 Expired - Fee Related JP4921574B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010111026A JP4921574B2 (ja) 2010-05-13 2010-05-13 クラッチ装置
PCT/JP2011/060124 WO2011142250A1 (ja) 2010-05-13 2011-04-26 クラッチ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010111026A JP4921574B2 (ja) 2010-05-13 2010-05-13 クラッチ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011237013A JP2011237013A (ja) 2011-11-24
JP4921574B2 true JP4921574B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=44914306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010111026A Expired - Fee Related JP4921574B2 (ja) 2010-05-13 2010-05-13 クラッチ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4921574B2 (ja)
WO (1) WO2011142250A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04302715A (ja) * 1991-03-29 1992-10-26 Suzuki Motor Corp クラッチ
JP2007255551A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Jatco Ltd クラッチ
JP2009222100A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Toyota Motor Corp 摩擦係合装置および動力伝達装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011142250A1 (ja) 2011-11-17
JP2011237013A (ja) 2011-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5098095B2 (ja) トルク伝達装置
US7966901B2 (en) Torque transfer device
JP4797008B2 (ja) 多板クラッチ
KR102218998B1 (ko) 특히 자동차용의 마모 보상 클러치 장치
KR101541661B1 (ko) 건식 더블 클러치
KR20170107924A (ko) 습식 이중 클러치용 유압식 제어 시스템
WO2011077936A1 (ja) クラッチ装置
CN105299134B (zh) 用于离合器和/或减振器装置的转动组件及扭矩传递装置
EP1650455B1 (en) A motor-vehicle double-clutch transmission
KR20160033623A (ko) 트랜스미션 시스템용 습식 이중 클러치 메커니즘
CN109661526B (zh) 紧凑的双离合器机构和包括这种双离合机构的变速器***
CN105090266B (zh) 用于车辆的湿式多离合器装置以及转矩传递装置
KR20190039274A (ko) 모터 차량의 구동트레인용 토크 전달 장치 및 그러한 토크 전달 장치를 포함하는 구동트레인
CN109983245B (zh) 离合器机构在变速器上的径向组装
JP4662899B2 (ja) 多板クラッチ
US9157490B2 (en) Clutch device
JP4921574B2 (ja) クラッチ装置
JP5074230B2 (ja) 多板クラッチ
JP5460460B2 (ja) クラッチ装置
JP5462702B2 (ja) クラッチ装置
KR101202908B1 (ko) 건식 더블클러치
JP2006200684A (ja) 動力伝達機構
CN111379797A (zh) 湿式离合器单元和包括这样的湿式离合器单元的离合器
JP2018096454A (ja) 振動低減装置
JP2009524779A (ja) 自動車両、特にオートバイ用の多板クラッチ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees