JP4920359B2 - 電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機に関し、特にその冷却構造に関する。
電動機には、ロータに永久磁石を埋め込むタイプの、いわゆるIPM(Interior Permanent Magnetic)モータがあり、そのロータは、複数枚の同一形状の鋼板を積層して形成されたロータコアの軸線方向に貫通するスロットに永久磁石を挿入することで形成されている。このような電動機において、同一形状の各鋼板に、ロータの中央のシャフトを介して供給される冷却油をスロットに流すための冷却油供給油路を形成し、それぞれの冷却油供給油路の位置を円周方向にずらしつつ各鋼板を積層することで、各スロットに冷却油を供給可能として、各永久磁石を冷却油で冷却する技術がある(例えば特許文献1参照)。
特開2006−67777号公報
ところで、上記構造の場合、すべての鋼板にスロットに連通して冷却油供給油路が形成されているため、スロット周辺部の強度が不足し、ロータ回転時に鋼板が永久磁石から大きな力を受けた場合の耐久性に問題を生じる可能性がある。このため、ロータの回転数の上限を低く制限せざるを得ない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ロータの回転数の上限を向上できる電動機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ロータ(例えば実施形態におけるロータ12)が、形状が異なる第1の部材(例えば実施形態における供給油路形成部材21)と第2の部材(例えば実施形態における永久磁石保持部材20)とを有し、前記第1の部材には、中心側から供給される冷却油を流す冷却油供給油路(例えば実施形態における冷却油供給油路41)が径方向外側に向けて形成されており、前記第1の部材および前記第2の部材のうちの前記第2の部材のみに永久磁石(例えば実施形態における永久磁石18)が配置されており、前記第2の部材には、冷却油を流す冷却油路(例えば実施形態における冷却油路31)が前記永久磁石が挿入されるスロット(例えば実施形態における磁石挿入スロット19)に形成されており、前記冷却油供給油路が前記冷却油路に連通するように前記第1の部材と前記第2の部材とが軸方向に積層されており、前記ロータは、軸線方向両端に配置されて前記第2の部材に当接する端面板(例えば実施形態における端面板56)を備えており、前記端面板は、前記第2の部材に配置された前記永久磁石を押さえるとともに、前記第2の部材の前記冷却油路から冷却油を外部に排出可能に構成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記冷却通路は、前記スロットの周方向の端部に形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記第1の部材は、前記第2の部材の前記冷却油路から供給される冷却油をステータに向けて吐出する吐出口(例えば実施形態における吐出口52)を備えることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれか一項に係る発明において、前記第1の部材に形成される前記冷却油供給油路は、前記ロータの主回転方向において径方向外側が径方向内側よりも後側となるように傾斜して形成されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれか一項に係る発明において、前記第1の部材に形成される前記冷却油供給油路は、前記永久磁石の中央に向かって形成されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれか一項に係る発明において、前記永久磁石は同一磁極を周方向で複数に分割して構成されており、前記第2の部材における同一磁極で周方向に隣り合う前記永久磁石の間にセンタリブ(例えば実施形態におけるセンタリブ29)を形成し、前記第1の部材に形成される前記冷却油供給油路は、前記センタリブに向かって形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、ロータを構成する第1の部材および第2の部材のうち、一方の第1の部材に、中心側から供給される冷却油を流す冷却油供給油路を径方向外側に向けて形成し、この第1の部材を除く他方の第2の部材のみに永久磁石を配置するため、ロータ回転時の永久磁石からの力は、基本的に第2の部材に作用することになって冷却油供給油路の形成によって強度が不足する第1の部材に作用しない。したがって、ロータの回転数の上限を向上できる。
冷却油路が永久磁石挿入用のスロットに形成された第2の部材に対し、冷却油供給油路が冷却油路に連通するように第1の部材を軸線方向に積層するため、冷却油供給油路から供給される冷却油を冷却油路に流して、永久磁石を直接冷却することができる。
端面板が、第2の部材に配置された永久磁石を押さえて抜け止めを図ることになるが、この端面板が、第2の部材の冷却油路から冷却油を外部に排出可能に構成されていることで、冷却油路の冷却油をステータに向けて吐出でき、ステータのコイル端を冷却することができる。
請求項2に係る発明によれば、冷却油路が永久磁石挿入用のスロットの周方向の端部に形成されるため、スロットと同時に形成でき、冷却油路を別途形成する必要がなく、コストを低減できるとともにロータの強度低下も抑制できる。
請求項3に係る発明によれば、第1の部材に設けられた吐出口が、第2の部材の冷却油路から供給される冷却油をステータに向けて吐出するため、ステータを冷却することができる。
請求項に係る発明によれば、冷却油供給油路が、ロータの主回転方向において径方向外側が径方向内側よりも後側となるように傾斜して形成されているため、ロータの主回転方向の回転力を利用して冷却油供給油路内で冷却油を径方向外側に良好に送ることができる。したがって、冷却油を送るための別途の駆動源が必要なくなり、コストを低減できる。
請求項に係る発明によれば、第1の部材において冷却油供給油路は永久磁石の中央に向かって形成されているため、磁極の異なる永久磁石間において永久磁石より内径側で行われる磁束のやり取りに対し、磁束を遮断しないように冷却油供給油路を配置でき、トルクを減少せずにロータを冷却することができる。
請求項に係る発明によれば、永久磁石が同一磁極を周方向で複数に分割して構成されているため、ロータが高回転するときに加わる遠心力を低減することができる。また、分割された永久磁石間のセンタリブで磁束短絡が生じることになるが、第1の部材において冷却油供給油路がセンタリブに向かって形成されているため、センタリブ付近で発生する磁束短絡を冷却油供給油路で抑制できる。
本発明の一実施形態に係る電動機を図面を参照して以下に説明する。
図1および図2は、いずれも本実施形態に係る電動機10を示す断面図である。電動機10は、IPMモータであり、ステータ11と、ステータ11の内側に配置されるロータ12とを有している。この電動機10は、例えば、ハイブリッド車両の駆動源の一つとして使用される。
ステータ11は略円環状をなしており、その内周には複数のステータ磁極14が周方向に等間隔をあけステータ11の中心に向けて突設されている。ステータ磁極14のそれぞれには、介装部材15を介してコイル16が巻回される。このステータ11は電動機10の図示略のハウジングに固定される。
ロータ12のロータコア17は、永久磁石18を挿入するための磁石挿入スロット19が穿設された図1に示す永久磁石保持部材(第2の部材)20と、永久磁石保持部材20に対し同外径で厚さおよび形状が異なる図2に示す供給油路形成部材(第1の部材)21とを有している。
図1に示す永久磁石保持部材20は、同一形状の円板状の珪素鋼板20Aを軸線方向に所定枚積層し接合して構成されるもので、その中央には、略円筒状のロータシャフト23を挿入するためのシャフト挿入穴24が形成されている。ここで、ロータシャフト23には、軸線方向に沿って延在する位置決め溝25が円周方向に複数箇所(4箇所)等間隔で形成されており、永久磁石保持部材20のシャフト挿入穴24には、ロータシャフト23の所定の位置決め溝25に嵌合することでロータシャフト23に対するロータ周方向の位置決めを行う位置決め突起部26が突設されている。
また、永久磁石保持部材20には、シャフト挿入穴24の周囲に複数箇所(8箇所)の肉抜き穴27が円周方向に等間隔で形成されており、外周側に複数箇所(8箇所)の磁石保持部28が円周方向に等間隔で形成されている。ここで、各磁石保持部28は、それぞれ、ロータ半径線に対し直交する同一直線上に、ロータ半径線を介して両側に隣り合うように形成される一対の磁石挿入スロット19が穿設されて構成されている。対をなす磁石挿入スロット19同士は、センタリブ29で仕切られており、それぞれのロータ周方向の端部であってセンタリブ29とは反対側には、ロータ周方向に沿って凹む油路形成凹部30がロータ外周側に偏って形成されている。
そして、対をなす磁石挿入スロット19において磁極の向きを合わせ、隣り合う磁石保持部28同士において磁極の向きを逆向きにするように永久磁石18が磁石挿入スロット19に挿入されている。つまり、一の磁石保持部28においては、対をなす磁石挿入スロット19に、いずれもロータ径方向内側にN極がロータ径方向外側にS極が配置されるように永久磁石18を設け、これと隣り合う磁石保持部28においては、対をなす磁石挿入スロット19に、いずれもロータ径方向内側にS極がロータ径方向外側にN極が配置されるように永久磁石18を設ける。言い換えれば、永久磁石は同一磁極を周方向で複数に分割して構成されており、同一磁極で周方向に隣り合う永久磁石18同士の間にセンタリブ29が形成されている。ここで、永久磁石18のロータ軸線方向長さと永久磁石保持部材20のロータ軸線方向長さとは同等となっている。このように永久磁石18が磁石挿入スロット19に挿入された状態で、永久磁石保持部材20には、各油路形成凹部30と永久磁石18とでロータ軸線方向に沿う冷却油路31が、すべての永久磁石18のロータ周方向一側に形成されることになる。
図2に示す供給油路形成部材21は、円板状の珪素鋼板からなるもので、その中央には、円筒状のロータシャフト23を挿入するためのシャフト挿入穴34が形成されている。このシャフト挿入穴34にも、ロータシャフト23の所定の位置決め溝25に嵌合することでロータ周方向の位置決めを行う位置決め突起部36が突設されている。
また、供給油路形成部材21には、シャフト挿入穴34の周囲に複数箇所(8箇所)の肉抜き穴37が円周方向に等間隔で形成されており、これら肉抜き穴37は、位置決め突起部36をいずれの位置決め溝25に嵌合させても、永久磁石保持部材20の肉抜き穴37と位置が合うように形成されている。
さらに、供給油路形成部材21には、位置決め突起部36をいずれの位置決め溝25に嵌合させても、永久磁石保持部材20の各磁石挿入スロット19と重なるように複数の窓部38が外周側に形成されている。これら窓部38は、磁石挿入スロット19と同様、ロータ半径線に対し直交する同一直線上に、ロータ半径線を介して両側に隣り合うように形成されるもの同士が対をなしており、永久磁石保持部材20の各磁石挿入スロット19に挿入される永久磁石18よりも小さい断面積で開口している。対をなす窓部38同士は、センタリブ39で仕切られており、窓部38の所定のものにはロータ周方向の端部であってセンタリブ39とは反対側に、ロータ周方向に沿って凹む油路形成凹部40が形成されている。
そして、所定の対をなす窓部38のうちの一方の窓部38と、これとロータ周方向において隣り合う他の対をなす窓部38の一方の窓部38とには、上記した油路形成凹部40は形成されておらず、これらの間には、シャフト挿入穴34側に抜ける冷却油供給油路41が形成されている。つまり、供給油路形成部材21を永久磁石保持部材20と重ね合わせた状態で、ロータ周方向における磁極の向きが異なる永久磁石16同士の間の極間部となる位置に冷却油供給油路41が形成されている。この冷却油供給油路41は、最もロータ外周側が略円形状をなす連通口43となっており、この連通口43以外の部分は連通口43の直径よりも小さい略一定幅の溝部44となっている。この冷却油供給油路41の溝部44は、ややロータ径方向内側の中間部に、ロータ12の主回転方向(図2に示す矢印R方向)においてロータ径方向外側がロータ径方向内側よりも後側となるように傾斜する傾斜部45が形成されており、この傾斜部45のロータ径方向内側に略径方向に沿ってシャフト挿入穴34に抜ける入口流路部46が形成され、傾斜部45のロータ径方向外側に略径方向に沿って連通口43に繋がる出口流路部47が形成されている。
ここで、ロータ軸線方向におけるロータシャフト23の供給油路形成部材21が配置される位置には、位置決め突起部36を所定の位置決め溝25に嵌合させた状態の供給油路形成部材21の冷却油供給油路41のシャフト挿入穴34側の端部に対向して開口するように流路穴50が径方向に沿って形成されている。
また、上記とは異なる所定の対をなす窓部38のうちの一方の窓部38と、これとロータ周方向において隣り合う他の対をなす窓部38の一方の窓部38とには、上記した油路形成凹部40は形成されておらず、これらの間には、ロータ外周側に抜ける吐出口52が形成されている。つまり、供給油路形成部材21を永久磁石保持部材20と重ね合わせた状態で、ロータ周方向における磁極の向きが異なる永久磁石16同士の間の極間部となる位置に吐出口52が形成されている。この吐出口52は、ロータ半径線を中心とした対称形状をなしており、ロータ径方向内側部分が半円形状をなす連通口53とされ、ロータ径方向外側部分がこの連通口53の直径よりも小さい略一体幅の吐出口本体54とされている。
そして、ロータ12を組み立てる場合には、図3に示すように、ロータシャフト23に一方の端面板56(詳細は後述する)を取り付け、次に、予め各磁石挿入スロット19に永久磁石18が挿入された状態の永久磁石保持部材20を一方の端面板56に当接するようにロータシャフト23に取り付ける。次いで、供給油路形成部材21を永久磁石保持部材20に当接するようにロータシャフト23に取り付け、さらに、予め各磁石挿入スロット19に永久磁石18が挿入された状態の別の永久磁石保持部材20を供給油路形成部材21に当接するようにロータシャフト23に取り付けるといった作業を適宜繰り返す。
このとき、各永久磁石保持部材20を、その位置決め突起部26を所定の位置決め溝25に嵌合させながらロータシャフト23に取り付けることになる。また、各供給油路形成部材21も、その位置決め突起部36を所定の位置決め溝25に嵌合させながらロータシャフト23に取り付けることになる。図4に示すように、供給油路形成部材21をロータシャフト23に取り付けると、ロータシャフト23の所定の流路穴50が供給油路形成部材21の冷却油供給油路41と連通可能な位置に配置されることになる。ここで、供給油路形成部材21は一枚または複数枚重ねて取り付けることになり、複数枚重ねて取り付ける場合には同じ位置決め溝25にそれぞれの位置決め突起部36を嵌合させることで、冷却油供給油路41を重ね合わせ、吐出口52を重ね合わせることになる。
この状態で、ロータシャフト23の流路穴50と連通する供給油路形成部材21の冷却油供給油路41のロータ外周側の連通口43が、図5に示すように、その一方の端面板56側に隣り合う永久磁石保持部材20のロータ周方向に近接する二箇所の冷却油路31に連通することになる。また、図6に示すように、供給油路形成部材21の吐出口52が、その一方の端面板56側に隣り合う永久磁石保持部材20のロータ周方向に近接する他の二箇所の冷却油路31に連通口53において連通することになる(つまり、冷却油供給油路41が冷却油路31に連通するように供給油路形成部材21と永久磁石保持部材20とが軸方向に積層される)。さらに、供給油路形成部材21のすべての油路形成凹部40が、その一方の端面板56側に隣り合う永久磁石保持部材20のロータ周方向の位置が合う冷却油路31にそれぞれ個別に連通することになる。
そして、図7に示すように、さらに別の永久磁石保持部材20を、その位置決め突起部36を所定の位置決め溝25に嵌合させながら、この供給油路形成部材21に当接するようにロータシャフト23に取り付ける。すると、この供給油路形成部材21の冷却油供給油路41のロータ外周側の連通口43が、その一方の端面板56とは反対側に隣り合う永久磁石保持部材20のロータ周方向に近接する二箇所の冷却油路31にも連通することになる。また、供給油路形成部材21の吐出口52が、その一方の端面板56とは反対側に隣り合う永久磁石保持部材20のロータ周方向に近接する他の二箇所の冷却油路31にも連通することになる。さらに、供給油路形成部材21のすべての油路形成凹部40が、その一方の端面板56とは反対側に隣り合う永久磁石保持部材20のロータ周方向の位置が合う冷却油路31にそれぞれ個別に連通することになる。
次に、図8に示すように、さらに別の供給油路形成部材21を、既に取り付けられたものとは周方向の位相を変更して、例えば、既に取り付けられた供給油路形成部材21の冷却油供給油路41と連通する近接する二箇所の冷却油路31に対し、吐出口52を連通させるようにロータシャフト23に取り付ける。
上記のようにして、所定数の永久磁石保持部材20および所定数の供給油路形成部材21を、永久磁石保持部材20がロータ軸方向両端側となり、隣り合う永久磁石保持部材20同士の間それぞれに供給油路形成部材21が配置されるように、供給油路形成部材21の周方向の位相を順次変更しながら、重ね合わせる。そして、図9に示すように、他方の端面板56をロータ軸方向端側の永久磁石保持部材20に当接するようにロータシャフト23に取り付ける。
ここで、端面板56は、図10に示すように、外径が永久磁石保持部材20の外径よりも小さい外径となっており、その外径は、当接する永久磁石保持部材20に配置されたすべての永久磁石18をロータ軸方向一側から押さえるとともに、永久磁石保持部材20の同一直線上に配置される対をなす磁石挿入スロット19の両端側の冷却油路31を外側にはみ出させて開口させる大きさに設定されている。つまり、端面板56は、永久磁石保持部材20の冷却油路31から冷却油を外部に排出可能に構成されている。また、各供給油路形成部材21の窓部38は永久磁石18よりも断面積が小さくされているため、各供給油路形成部材21も永久磁石保持部材20に配置された永久磁石18を押さえることになり、その結果、永久磁石保持部材20および供給油路形成部材21のうちの永久磁石保持部材20のみに永久磁石18が配置されることになる。また、端面板56にはロータ12の回転時のアンバランス量を調整するためのバランス穴57が形成されている。
このような電動機10のロータ12では、ロータ回転中に、ロータシャフト23の内側から供給される冷却油が、遠心力でロータシャフト23の中心側から所定の流路穴50を介して、所定の供給油路形成部材21のロータ径方向外側に向けて形成された冷却油供給油路41に導入され、冷却油供給油路41でロータ外径側に流れて、すべての永久磁石保持部材20のロータ周方向の位置が合う冷却油路31の近接する二つに導入されて、ロータ軸線方向に流れ、他の適宜の供給油路形成部材21に形成された吐出口52の吐出口本体54からステータ11に向けて一部が吐出されながら、さらにロータ軸線方向の両端部の永久磁石保持部材20の冷却油路31からステータ11に向けて吐出される。なお、吐出口52からステータ11に向けて吐出された冷却油は、ステータ磁極14間に入り込んでコイル16を冷却し、また、冷却油路31の端面板56の位置からステータ11に向けて吐出された冷却油は、コイル16の端部を冷却する。
ここで、すべての冷却油路31に対して冷却油を供給可能となるように流路穴50および供給油路形成部材21の数を設定するのが良いが、ロータ軸方向長との関係から適宜間引いても良い。ただし、極力均等に冷却油を流すように、流路穴50、冷却油供給油路41および吐出口52の数および位置が設定される。
以上に述べた本実施形態に係る電動機10によれば、ロータ12を構成する供給油路形成部材21および永久磁石保持部材20のうちの一方である供給油路形成部材21に、中心側から供給される冷却油を流す冷却油供給油路41を径方向外側に向けて形成し、この供給油路形成部材21を除く他方である永久磁石保持部材20のみに永久磁石18を配置するため、ロータ回転時の永久磁石18からの力は、基本的に永久磁石保持部材20に作用することになって冷却油供給油路41の形成によって強度が不足する供給油路形成部材21に作用しない。したがって、ロータ12の回転数の上限を向上できる。
また、永久磁石が同一磁極を周方向で複数に分割して構成されているため、ロータ12が高回転するときに加わる遠心力を低減することができる。
しかも、スリットとなる冷却油供給油路41および吐出口52が、ロータ周方向における磁極の向きが異なる永久磁石16同士の間の極間部に形成されているため、極間部を磁束が通りにくくなり、永久磁石16の表面からステータ11を通り、隣りの永久磁石16に戻る磁束を増やすことができる、したがって、電動機10のトルクおよび出力を増加させることができる。
また、冷却油路31が磁石挿入スロット19の周方向の端部に形成された永久磁石保持部材20に対し、冷却油供給油路41が冷却油路31に連通するように供給油路形成部材21を軸線方向に積層するため、冷却油供給油路41から供給される冷却油を冷却油路31に流して、永久磁石18を直接冷却することができる。また、冷却油路31が磁石挿入スロット19の周方向の端部に形成されるため、磁石挿入スロット19と同時に形成でき、冷却油路31を別途形成する必要がなく、コストを低減できるとともにロータ12の強度低下も抑制できる。
さらに、供給油路形成部材21に設けられた吐出口52が、永久磁石保持部材20の冷却油路31から供給される冷却油をステータ11に向けて吐出するため、ステータ11を冷却することができる。また、吐出口52が圧力調整用の空気穴の役割を果たし、ロータシャフト23から冷却油供給油路41および冷却油路31へ冷却油が浸入しやすくなる。
加えて、両端の端面板56が、永久磁石保持部材20に配置された永久磁石18を押さえて抜け止めを図ることになるが、これらの端面板56が、永久磁石保持部材20の冷却油路31から冷却油を外部に排出可能に開口を残すことで、ロータ軸線方向両端の永久磁石保持部材20のロータ軸線方向両外側から冷却油路31の冷却油をステータ11に向けて吐出でき、ステータ11のコイル16の端部を冷却することができる。また、この開口が圧力調整用の空気穴の役割を果たし、ロータシャフト23から冷却油供給油路41および冷却油路31へ冷却油が浸入しやすくなる。
さらに、冷却油供給油路41が、ロータ12の主回転方向において径方向外側が径方向内側よりも後側となるように傾斜して形成されているため、ロータ12の主回転方向の回転力を利用して冷却油供給油路41内で冷却油を径方向外側に良好に送ることができる。したがって、冷却油を送るための別途の駆動源が必要なくなり、コストを低減できる。
なお、図11に示すように、供給油路形成部材21の対をなす窓部38同士を連通させ、その中央部に開口するように冷却油供給油路41をロータ径方向に沿って形成しても良い。このような供給油路形成部材21においては、冷却油供給油路41が、永久磁石保持部材20の対をなす永久磁石18同士の中央のセンタリブ29に向かって形成されることになる。
このように構成すれば、ロータ12が高回転するときに加わる遠心力を低減するため、上記のように永久磁石が同一磁極を周方向で複数に分割して構成されている場合に、供給油路形成部材21においても分割された永久磁石18間のセンタリブ29の位置で磁束短絡が生じることになるが、スリットとなる冷却油供給油路41がセンタリブ29に向かって形成されているため、センタリブ29付近で発生する磁束短絡を冷却油供給油路41で抑制できる。
さらに、図12に示すように、供給油路形成部材21において窓部38のロータ周方向の端部から供給油路形成部材21の外周側に抜ける切欠部60を形成しても良い。このように構成すれば、切欠部60からステータ11への冷却油の吐出が可能となり、さらなる冷却効率向上が図れる。また、この切欠部60も圧力調整用の空気穴の役割を果たし、ロータシャフト23から冷却油供給油路41および冷却油路31へ冷却油が浸入しやすくなる。
加えて、図11あるいは図12に示す供給油路形成部材21に対し、図13に示すように各磁石保持部28にそれぞれ一箇所ずつ磁石挿入スロット19が形成され、永久磁石18が同一磁極をロータ周方向で複数に分割しないタイプ(つまり隣り合う永久磁石18同士がすべて磁極を異ならせて配置されるタイプ)の永久磁石保持部材20を組み合わせても良い。
このように構成すれば、供給油路形成部材21において冷却油供給油路41は永久磁石18の中央に向かって形成されるため、ロータ12の磁極の異なる永久磁石18間において永久磁石18よりロータ内径側で行われる磁束のやり取りに対し、磁束を遮断しないように冷却油供給油路41を配置でき、トルクを減少せずにロータを冷却することができる。
本発明の一実施形態に係る電動機の正断面図である。 本発明の一実施形態に係る電動機の正断面図である。 本発明の一実施形態に係る電動機のロータの組立途中の状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電動機のロータの組立途中の状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電動機のロータの組立途中の状態を示す要部の拡大斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電動機のロータの組立途中の状態を示す要部の拡大斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電動機のロータの組立途中の状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電動機のロータの組立途中の状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電動機のロータの組立後の状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電動機のロータの正面図である。 本発明の一実施形態に係る電動機の供給油路形成部材の別の例の正断面図である。 本発明の一実施形態に係る電動機の供給油路形成部材の別の例の正断面図である。 本発明の一実施形態に係る電動機の別の例の正断面図である。
符号の説明
12 ロータ
18 永久磁石
19 磁石挿入スロット(スロット)
20 永久磁石保持部材(第2の部材)
21 供給油路形成部材(第1の部材)
29 センタリブ
31 冷却油路
41 冷却油供給油路
52 吐出口
56 端面板

Claims (6)

  1. ロータが、形状が異なる第1の部材と第2の部材とを有し、
    前記第1の部材には、中心側から供給される冷却油を流す冷却油供給油路が径方向外側に向けて形成されており、
    前記第1の部材および前記第2の部材のうちの前記第2の部材のみに永久磁石が配置されており、
    前記第2の部材には、冷却油を流す冷却油路が前記永久磁石が挿入されるスロットに形成されており、
    前記冷却油供給油路が前記冷却油路に連通するように前記第1の部材と前記第2の部材とが軸方向に積層されており、
    前記ロータは、軸線方向両端に配置されて前記第2の部材に当接する端面板を備えており、
    前記端面板は、前記第2の部材に配置された前記永久磁石を押さえるとともに、前記第2の部材の前記冷却油路から冷却油を外部に排出可能に構成されていることを特徴とする電動機。
  2. 前記冷却通路は、前記スロットの周方向の端部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 前記第1の部材は、前記第2の部材の前記冷却油路から供給される冷却油をステータに向けて吐出する吐出口を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電動機。
  4. 前記第1の部材に形成される前記冷却油供給油路は、前記ロータの主回転方向において径方向外側が径方向内側よりも後側となるように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動機。
  5. 前記第1の部材に形成される前記冷却油供給油路は、前記永久磁石の中央に向かって形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動機。
  6. 前記永久磁石は同一磁極を周方向で複数に分割して構成されており、
    前記第2の部材における同一磁極で周方向に隣り合う前記永久磁石の間にセンタリブを形成し、
    前記第1の部材に形成される前記冷却油供給油路は、前記センタリブに向かって形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電動機。
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