JP4919956B2 - X線管及びx線管装置とx線管の製造方法 - Google Patents

X線管及びx線管装置とx線管の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、X線管及びX線管装置の構造並びにその製造方法に係り、特にX線管の陰極の組立精度と組立作業性を向上し、X線管装置のX線の漏洩を防護する鉛の使用量を低減し、X線管装置を軽量化、小形化する技術に関する。
一般に、X線管及びこれを内蔵するX線管装置は医療用のX線診断装置や産業用のX線検査装置などに使用されている。これらのX線管では、真空外囲器内に、電子線を発生する陰極と、陰極から発生した電子線が衝突してX線を発生するターゲットを備えた陽極とが対向して配設されている。陰極は、熱電子を発生するフィラメントと、この熱電子を陽極に向かう電子線に集束する集束電極と、集束電極を支持する集束電極支持体と、これらを絶縁支持し、高電圧の陰極電位やフィラメント加熱電圧を給電するためのリード線を備えたステムなどから構成される。陽極は、陰極からの電子線が衝突してX線を発生するターゲットと、ターゲットを支持し、そこで発生した熱を放散させるターゲット支持体などから構成される。また、真空外囲器は通常絶縁物から成り、陰極や陽極を絶縁支持する。X線は外囲器のX線放射窓を通して外部に放射される。
また、上記のX線管を内蔵するX線管装置は、X線管と、これを収納するX線管容器(以下、容器と略称する)と、容器に充填され、X線管などの絶縁をする絶縁油と、X線管に高電圧を供給するためのケーブルレセプタクルと、絶縁油の膨張、収縮を緩衝するベローズなどから構成される。容器にはX線を外部に取り出すためのX線放射口やケーブルレセプタクルを取り付けるためのケーブルレセプタクル取り付け部などを備えており、容器の内壁面にはX線放射口以外の部分からのX線漏洩を防護するために鉛板などが貼られている。ケーブルレセプタクルは、外部の高電圧発生装置から供給される高電圧を容器内に導入するため高電圧接続部品である。X線管は通常中性点接地方式で使用されるため、ケーブルレセプタクルは正電位の高電圧用と負電位の高電圧用の2個用いられる。
陰極の組立作業においては、X線管の実効焦点寸法(X線の取り出し方向から見た焦点(X線源)の寸法)を許容範囲内に収めることやこの作業を効率良く行うことなどが重点項目となっている。実効焦点寸法としては幅寸法と長さ寸法があるが、主として前者はタングステン線などをコイル状に巻いたフィラメントと集束電極に設けられた集束溝との位置関係に依存し、後者はフィラメントのコイルの長さ寸法に依存する。このため、フィラメントを集束電極の集束溝に取り付ける方法について種々検討されており、特に集束電極の上面とフィラメントのコイルの上面との間の間隔を効率良く調整する方法について検討され、工夫がなされている。
上記に関するX線管の陰極構造及びその製造方法の改良例としては特許文献1〜特許文献4などが開示されている。
特開昭62−295327号公報 特開平5−282992号公報 特開平5−314894号公報 特開平7−226149号公報
従来のX線管の陰極組立作業において、陰極の集束電極にフィラメントを固定する際の寸法精度を向上するための改良が特許文献1,2,4などで行われているが、これらはいずれも陰極組立作業が溶接によって行われる場合のものであり、陰極組立作業をろう付けによって行われる場合のことは配慮されていなかった。
また、特許文献3では陰極組立作業がろう付けによって行われているが、集束電極にフィラメントを固定する際の寸法精度については特に配慮されていなかった。このため、ろう付けの際に、ろう材が固化するときの力によってフィラメントの支持リードが引き上げられ、集束電極の上面とフィラメントのコイルまでの距離が所定寸法からずれてしまうという問題があった。また、従来のろう付けによる陰極の組立方法では、ろう付け部分の真空気密保持については配慮されておらず、ろう付け前にフィラメントの支持リードと集束電極との間を仮に固定するために仮溶接を行っており、このように仮溶接した場合、溶接による酸化物が発生してしまい、ろう付けする際にろう材のぬれ性が悪くなる問題があった。
また、X線管を内蔵するX線管装置では、X線の漏洩を防止するための鉛板を、耐電圧上の観点からX線管の外囲器の表面に直接貼り付けることができず、容器の内壁面に貼りつけている。X線管の表面と容器の内壁面との間の間隔は適当な絶縁距離をとるため、容器の容積はある程度大きくする必要があり、それに伴い容器の内壁面に貼る鉛板の使用量も多くなる。また、容器内に高電圧変圧器などを内包するX線管装置(この方式のものは通常X線発生装置と呼ばれる)においては、容器の容積は更に大きくなり、鉛板の使用量も更に大きくなる。
近年、環境保全のため、有害物質の使用量に関する規制が厳しくなってきている。有害物質を含有した電気電子機器製品を市場に入れないための指令であるEU(欧州連合)におけるRoHS(Restriction on Hazardous Substance:特定物質使用禁止)指令では、医療機器に関し、鉛はまだ規制の対象外となっているが、近い将来に規制の対象となる可能性は大きい。そのため、X線管装置において、鉛の使用量を低減することは重要である。
また、プラント(工場施設)などのコンクリート配筋や配管などを検査するために用いられるX線管装置用のX線管装置は、検査箇所へX線管装置を移動し、設置しなければならず、作業性向上のため軽量化や小形化が求められている。
以上に鑑み、本発明では、先ず、X線管の陰極組立作業における部品の固定作業の大部分をろう付けで行い、組立作業性とともに組立精度を向上することを目的とする。
また、本発明では、上記のX線管からのX線の漏洩を防護する鉛の使用量を低減することにより、X線管を内包するX線管装置の軽量化、小形化を図るとともに、環境負荷を軽減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のX線管は、熱電子を放出するフィラメントと、フィラメントからの熱電子を電子線に集束する集束電極を有する陰極と、陰極と対向して配置され、陰極からの電子線が衝突してX線を発生するターゲットを有する陽極と、陰極と陽極を支持し、両電極を真空気密に内包する外囲器を備えたX線管において、前記集束電極が前記外囲器の一部を構成しているものである。
また、本発明のX線管は熱電子を放出するコイル状のフィラメントと、フィラメントの両端を支持する支持リードと、フィラメントからの熱電子を電子線に集束し、一方の支持リードを直接的に、他方の支持リードを絶縁物組立を介して支持する集束電極を有する陰極と、陰極と対向して配置され、陰極からの電子線が衝突してX線を発生するターゲットを有する陽極と、陰極と陽極を支持し、両電極を真空気密に内包する外囲器を備えたX線管において、前記集束電極の前記フィラメントのコイルの中心軸に沿って軸を通すための貫通穴を設けたものである。また、前記軸の外径は前記フィラメントのコイルの内径と同じかわずかに小さい。
また、本発明のX線管では、前記外囲器は少なくとも中央部円筒と陽極側円筒を有し、前記中央部円筒(以下、金属円筒とも呼ぶ)は金属材料から成り、前記陽極のターゲットの部分を囲み、その側面にX線を外部に取り出すためのX線放射窓が結合されており、前記陽極側円筒は絶縁材料から成り、前記陽極を支持し、前記中央部円筒と前記陰極が電気的に同電位となるように結合されている。
また、本発明のX線管装置は、前記外囲器の金属円筒と前記陰極が電気的に同電位になるように結合されている本発明のX線管と、該X線管を絶縁する絶縁油と、前記X線管と前記絶縁油を収納し、金属材料から成るX線管容器(以下、容器と略称する)を備え、前記X線管の外囲器の中央部から陰極側にかけての表面に直接またはその近傍に鉛板が貼りつけられている。
また、本発明のX線管の製造方法は、熱電子を放出するコイル状のフィラメントと、フィラメントの両端を支持する支持リードと、フィラメントからの熱電子を電子線に集束し、一方の支持リードを直接的に、他方の支持リードを絶縁物組立を介して支持する集束電極を有する陰極と、陰極と対向して配置され、陰極からの電子線が衝突してX線を発生するターゲットを有する陽極と、陰極と陽極を支持し、両電極を真空気密に内包する外囲器を備えたX線管の製造方法において、前記集束電極に前記フィラメントのコイルの中心軸に沿って軸を通すための貫通穴を設け、前記支持リードを前記絶縁物組立とともに前記集束電極の所定の位置に配置し、前記フィラメントのコイルと前記集束電極の貫通穴にマンドレルを通してフィラメントの位置決めをした後に、前記集束電極に前記支持リードを固定するためのろう付けを行うものである。
本発明によれば、X線管の陰極組立作業における部品の固定作業の大部分をろう付けで行うことにより、組立作業性とともに組立精度を向上することができる。また、X線管からのX線の漏洩を防護する鉛の使用量を低減することにより、X線管を内包するX線管装置の軽量化、小形化を図るとともに、環境負荷を軽減できる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
先ず、図1から図5により、本発明に係るX線管の第1の実施例の構造について説明する。
図1は本発明に係わるX線管の第1の実施例の全体構造図、図2は本実施例の陰極及びその周辺部の構造図、図3は本実施例の陰極の集束電極部分の構造図、図4は2焦点の場合の陰極の集束電極部分の構造図、図5は図2の支持リード固定部分の拡大図である。
先ず、図1により、本発明に係わるX線管の第1の実施例の全体構造について説明する。
図1において、本実施例のX線管10は、固定陽極形のX線管であり、陰極12と陽極14と両電極を内包する外囲器16とから構成される。陰極14は、熱電子を放出するフィラメント18と、フィラメント18の両端から引き出された端子を支持する2本の支持リード20、20aと、2本の支持リード20、20aを支持する集束電極22などから成る。集束電極22の上面(陽極14に対向する面)22a側にはフィラメント18から放出された熱電子を電子線23に集束するための集束溝24が設けられている。フィラメント18は集束電極22の集束溝24内に配設される。集束電極22には集束溝24の底部からその背面(上面と反対側の面)側へ向けて2個の穴27、28があけられている。支持リード20、20aはその穴27、28に挿入されて固定されている。一方の支持リード20はその直径よりわずか大きい細径の穴27に挿入されて集束電極22に直接固定され、他方の支持リード20aは太径の穴28に挿入されて絶縁物組立26を介して集束電極22に固定されている。絶縁物組立26は一面が集束電極22に接合されており、その中心軸に沿って、穴28とほぼ同軸に、支持リード20aよりわずか大きい直径の穴があけられており、この穴に支持リード20aが挿入され、この絶縁物組立26の部分にて支持リード20aが固定されている。
陽極14は、陰極12からの電子線23が衝突してX線を発生するターゲット30と、ターゲット30を保持する陽極母材32とから構成され、陽極母材32の端部には陽極端34が設けられている。ターゲット30はX線管10の中心軸(以下、管軸と略称する)に対し傾斜して配置され、ターゲット30で発生したX線は管軸とほぼ直交する方向(X線主放射方向という)35に取り出される。ターゲット30はタングステンなどの高原子番号で、高融点の金属材料から成る。陽極母材32は銅などの高熱伝導率の金属材料から成り、ターゲット30の保持とともにターゲット30で発生した熱をX線管10の外部に放散する役割を果たす。陽極端34には高電圧の陽極電位が給電される。
外囲器16は、ほぼ円筒状の胴体部36と、ほぼ円板状で、陰極12を支持する陰極支持体38と、陰極支持体38と胴体部36を接続する陰極接続部40と、胴体部36と陽極14の陽極端34を接続する陽極接続部42などから構成される。胴体部36はセラミックや耐熱性ガラスなどの絶縁材料から成る。陰極支持体38はステンレス鋼などの金属材料から成り、これに陰極12の集束電極22の背面22b及び排気管44が結合されている。陰極接続部40や陽極接続部42には、胴体部36の材料と熱膨張係数が近い金属材料が用いられる。
次に、図2〜図5を用いて、本実施例のX線管の陰極及びその周辺部の構造とその製造方法の詳細について説明する。
図2において、陰極12は主にフィラメント18と集束電極22とから成り、集束電極22の背面22bにて、陰極支持体38に結合され、支持されている。この陰極支持体38には排気管44も取り付けられている。フィラメント18はタングステンなどの高融点、高強度の金属材料から成る細線をコイル状に巻いたもので、両端から端子がコイルの中心軸と直交する方向に引き出されている。フィラメント18の端子には支持リード20、20aが溶接などにより接続されている。支持リード20、20aはフィラメント18より太い線で、モリブデンなどの高融点、高強度の金属材料から成る。集束電極22は、外形がほぼ円柱状をしており、鉄やステンレス鋼など高強度の金属材料から成る。
図3は、集束電極22の拡大図で、X線管が単焦点の場合のものを示している。
図3において、図3(a)は集束電極22の上面図、図3(b)は図3(a)の集束電極22のA−A断面図である。図2などには図3(a)のB−B断面図が示されている。図3(a)において、集束電極22の上面22a側には集束溝24が設けられている。集束溝24は上方から見るとほぼ長方形をしている。この集束溝24は図3(b)から判るように幅の広い上段溝24aと、幅の狭い下段溝24bとから成る。この集束溝24にはフィラメント18が設置されるが、そのときフィラメント18のコイル部分がほぼ下段溝24bの位置に、その長さ方向に沿って配列される。また、集束電極22にはフィラメント18を支持する支持リード20、20aを挿入するための穴27,28が上下方向すなわち上段溝24aの底部から集束電極22の背面22bに向けてあけられている。図2において、支持リード20を挿入する穴27は、集束電極22の背面22b側では支持リード20とほぼ同じ直径であるが、それ以外の部分は支持リード20より大きい直径であり、支持リード20の集束電極22による固定は集束電極22の背面22b側で行われる。支持リード20aを挿入する穴28は支持リード20aより大きい直径であり、特に集束電極22の背面22b側に近い部分は更に大きい直径となっている。
図3(b)において、集束電極22の集束溝24の長さ方向の両端の壁面を通して、フィラメント18のコイルの内径とほぼ同径かわずか小さい直径の貫通穴46があけられている。この貫通穴46の位置は、集束電極22の集束溝24にフィラメント18が設置されて、集束電極22の上面22aとフィラメント18との間の距離が所定の寸法になったとき、フィラメント18のコイルの中心軸と貫通穴46の中心軸とが一致するように決定される。また、集束電極22の背面22b側には集束電極22の主要部の外周面57より少し外径の大きいフランジ部58が設けられる。このフランジ部58は集束電極22を陰極支持体38に取り付けるときに、両者の結合を容易かつ強固にし、さらにろう付け固定時に両者の間の真空気密を確実にするためのものである。
図3(a)において、集束電極22の主要部の外周面57の一部が平坦面59に加工されている。この平坦面59は集束電極22の外周面57に貫通穴46を加工する際に利用するものである。円周面57上に穴をあけようとすると、例えばドリルのような刃物で穴を開けようとした場合、刃物の先端が逃げてしまい、うまく集束溝24の長さ方向の両端の壁面に垂直な穴をあけることができない。このため、集束溝24の長さ方向の両端の壁面に平行で、貫通穴46に垂直な平坦面59を設けることにより、刃物の先端が逃げることなく精度の高い穴あけ加工が可能となる。上記の平坦面59については、図3(a)では2面設けているが、1面のみでも穴あけ加工は容易となり、2面の場合と同様な効果が得られる。
図4は、X線管が2焦点の場合の集束電極60の拡大図である。
図4(a)は集束電極60の上面図、図4(b)は左側半分が集束電極60の側面図、右側半分が集束電極60のA−A断面図である。以下では、主に図3の単焦点の場合のものとの相違点について説明する。図4において、2焦点用の集束電極60の上面側はV字面60aとなっており、その稜線62の両側に大焦点用集束溝64と小焦点用集束溝66が設けられている。両集束溝64,66はV字面60aを基準にして穿設されており、それぞれ幅の広い上段溝と幅の狭い下段溝から成る。陰極組立時には、大焦点用集束溝64に大焦点用フィラメントが取り付けられ、小焦点用集束溝66に小焦点用フィラメントが取り付けられることになるが、その際V字面60aとそれぞれのフィラメントとの間の距離が所定の寸法となるように組立作業が行われる。この集束電極60の場合も両集束溝64,66の長さ方向の両端の壁面68,69を通して、両フィラメントのコイルの内径とほぼ同径かわずか小さい直径の貫通穴70,71があけられる。両貫通穴70,71の位置は、集束電極60の大、小焦点用集束溝64,66に大、小焦点用フィラメントが設置されて、集束電極60のV字面60aとそれぞれのフィラメントとの間の距離が所定の寸法になったとき、それぞれのフィラメントのコイルの中心軸と貫通穴70,71の中心軸とが一致するように決定される。また、集束電極60の外周面72の一部が平坦面73に加工されている。この平坦面73は集束溝 64,66の長さ方向の辺と垂直面であり、集束溝64,66の幅方向の辺と平行に2面設けられる。この平坦面73については、単焦点用集束電極22の場合と同様1面のみであってもよい。
図2において、集束電極22の穴27には支持リード20が、穴28には支持リード20aがそれぞれ挿入され、集束電極22の背面22b側にて支持リード20は集束電極22に直接的に固定され、支持リード20aは絶縁物組立26を介して集束電極22に絶縁して固定される。図5は支持リード20,20aの固定部の拡大図であり、図5(a)は支持リード20の固定部、図5(b)は支持リード20aの固定部を示したものである。図5(a)において、支持リード20は集束電極22の穴27に挿入され、かしめ76にて仮固定された後に、ろう付けによって集束電極22に結合され、固定される。この部分のろう付けは真空気密を保持するように行われる。図5(b)において、支持リード20aを支持する絶縁物組立26は絶縁物53と金属板54と金属スリーブ56とから構成される。絶縁物53は円筒状をしており、セラミックなどの絶縁材料から成る。絶縁物53の中心穴の内径は支持リード20aの外径よりわずか大きく加工されている。絶縁物53の両端面53a,53bに金属板54と金属スリーブ56がろう付けによって真空気密に接合されている。金属板54は厚さ1mm以下の薄いリング状の円板で、外径は絶縁物53の外径より大きく、中心部には支持リード20aの外径の数倍の大きな穴があけられている。その材料としては、鉄や鋼材、又は絶縁物26と熱膨張係数が近い金属材料が用いられる。金属スリーブ56は肉厚の薄い管形状であり、その内径は支持リード20aの外径よりわずか大きく作られている。その材料としては金属板54と同様な金属材料が用いられる。ろう材としては銅ろうなどの高融点のものが使用されている。このろう付けのとき、少なくとも絶縁物53の中心穴の中心軸と金属スリーブ56の内周穴の中心軸とが一致するように配列される。絶縁物組立26の金属板54は集束電極22の背面22bにろう付けされることになるが、そのろう付けに先立って、かしめ76によって仮固定される。このとき、集束電極22の穴28の中心軸と絶縁物組立26の中心穴の中心軸とが一致するように位置合わせされる。支持リード20aは集束電極22の穴28に挿入し、絶縁物組立26の絶縁物53の中心穴及び金属スリーブ56の内周穴を通して、かしめ77にて金属スリーブ56に仮固定した後に、ろう付けによって絶縁物組立26を介して集束電極22に固定される。このろう付けでは、集束電極22の背面22bと金属板54との間及び金属スリーブ56と支持リード20aとの間が真空気密に接合される。
次に、図2により、陰極12の陰極支持体38への取付構造について説明する。
図2において、陰極支持体38はステンレス鋼、鉄鋼材または銅材などから成る円板形状で、そのほぼ中央部に陰極12の集束電極22を取り付けるための穴48が、その外周に寄った部分に排気管44を取り付けるための穴50がそれぞれあけられている。また、陰極支持体38の円板形状の外周にはリング状の突起52が設けられており、この突起52は外囲器16の陰極接続部40との結合に用いられる。排気管44は銅などの軟らかい金属材料から成る肉厚の薄いパイプで、X線管10の排気に用いられる。この排気管44はX線管10の排気後には、陰極支持体38に近接する位置で封止切られる。陰極支持体38の穴48に陰極12の集束電極22を、穴50に排気管44を、それぞれ嵌着した後に、陰極支持体38と集束電極22及び排気管44とは、銀ろうなどのろう材を用いて、ろう付けによって固定される。このろう付けは集束電極22と支持リード20,20aとの間のろう付けと同時に行われ、陰極支持体38と集束電極22及び排気管44との間は真空気密に保持される。このように、集束電極22が外囲器16の一部を構成する陰極支持体38に真空気密に結合されることにより、集束電極22自体も外囲器16の一部を構成することになる。その結果、従来品の如く、集束電極を支持して、外囲器に接続していたステムなどの部品が不要となり、陰極構造及び陰極組立作業が大幅に簡略化され、X線管の製造コストが低減される。また、集束電極22の背面22bが外囲器16の外側に露出するため、集束電極22に固定された支持リード20,20aの端部が外囲器16の外側に突出することになる。その結果、この支持リード20,20aを用いて、X線管の陰極電位やフィラメント加熱電圧を直接的に給電することができるので、陰極構造の簡略化とともに、X線管の仕上工程におけるリード仕上げ作業も簡略化される。
次に、図6を用い、図1〜図5を参照しながら、本実施例のX線管10の製造方法について説明する。このX線管10の製造方法は、陰極組立、陽極組立、封止、排気、仕上、エージングなどの作業工程から成るが、陰極組立と封止の作業工程を除いて、従来のX線管の製造方法とほぼ同じであるので、以下、陰極組立と封止の作業工程について重点的に説明する。
図6を用いて、本実施例のX線管10の陰極組立作業及び封止作業の一部である陰極組立の陰極支持体への固定作業について説明する。図6において、陰極組立作業で使用されるフィラメント18、支持リード20,20a、集束電極22、絶縁物組立26(絶縁物53、金属板54、金属スリーブ56)などの部品は、図2及び図3を用いて説明したような構造及び所定の寸法で、予め加工されている。
陰極組立作業では、先ずフィラメント18のコイルの両端から引き出した端子に2本の支持リード20,20aが溶接などで接続される。支持リード20,20aはフィラメント18のコイルの中心軸と直交する方向に引き出される。また、絶縁物組立26については、その部品である絶縁物53と金属板54と金属スリーブ56とを陰極組立作業の前に予め銅ろうなどを用いてろう付けにより接合しておく。絶縁物53の両端面のろう付け箇所はメタライズなどが施されており、ろう材が流れ易くしてある。絶縁物53の両端面に金属板54と金属スリーブ56を、それぞれの穴の中心軸が一致するように配置し、絶縁物53の両端面にろう材を置いて、ろう付けを行う。
次に、フィラメント18を支持する支持リード20,20aを集束電極22の穴27,28に挿入する。この状態の集束電極22を陰極支持体38の穴48に嵌着する。このとき、集束電極22は陰極支持体38の外側面(突起52がついている側の面)38aの方から穴48に挿入され、集束電極22のフランジ部58が陰極支持体38の外側面38aに密着するまで押し込まれる。
次に、フィラメント18のコイル部分が集束電極22の集束溝24の所定の位置に納まるまで支持リード20,20aを集束電極22の穴27,28に押し込む。フィラメント18のコイル部分が集束電極22の集束溝24の所定の位置に納まったときには、フィラメント18のコイルの中心軸と集束電極22の外周の平坦面59にあけた貫通穴46の中心軸が一致するので、フィラメント18のコイル内径及び貫通穴46の内径とほぼ同径かわずか小さい外径を有するマンドレル80を、貫通穴46及びフィラメント18のコイル内に通す。これにより、フィラメント18の位置が集束溝24内の所定の位置に固定される。
次に、陰極支持体38の外側面38aが上を向くように配置し、集束電極22の穴28から突出する支持リード20aに絶縁物組立26の穴を嵌め合わせる。このとき、絶縁物組立26の金属板54が下側になるようにして装着し、金属板54が集束電極22の背面22bに密着するまで絶縁物組立26を押し込む。この状態で、支持リード20,20aを集束電極22にかしめ76、77により仮固定する。支持リード20については、図5(a)に示す如く、かしめ76により集束電極22の穴27に仮固定される。支持リード20aについては、図5(b)に示す如く、かしめ76により絶縁物組立26の金属板54が集束電極22に、かしめ77により支持リード20aが金属スリーブ56にかしめられることで、支持リード20aは集束電極22に仮固定される。これらの仮固定は、従来例のような溶接ではなく、かしめにより行われているので、以下のろう付け作業で従来例のような酸化によるろう材の流れ不良などの欠陥は生ぜず、良好なろう付けが行われている。
次に、排気管44が陰極支持体38の穴50に嵌着される。この排気管44は、陰極支持体38の外側面38aの側に引き出される。この状態で、ろう付け箇所にろう材82が配置される。ろう付け箇所は、陰極支持体38と集束電極22のフランジ部58との間、集束電極22と支持リード20との間、集束電極22と絶縁物組立26の金属板54との間、支持リード20aと絶縁物組立26の金属スリーブ56との間、陰極支持体38と排気管44との間である。ろう材82はそれぞれのろう付け面積などに応じて適当な量だけ配置される。次に、図6の配置で、真空加熱炉に入れ、真空中でろう付けを行う。このろう付け作業では、支持リード20,20aの集束電極22への固定及び絶縁物組立26の集束電極22への固定などの陰極組立作業と集束電極22及び排気管44の陰極支持体38への固定などの封止作業を同時に行うことができるので、陰極組立作業及び封止作業が大幅に簡略化される。
ろう付け後に、集束電極22の貫通穴46及びフィラメント18のコイルからマンドレル80を抜き、集束電極22の上面22aとフィラメント18のコイルとの間の距離が所定の寸法になっていることを確認して、陰極組立作業を完了させる。上記のろう付けはフィラメント18のコイルにマンドレル80を挿入し、このマンドレル80を集束電極22の貫通孔46で支持した状態で行われているので、ろう付けによるフィラメント18の変形や位置の移動などは起らず、フィラメント18は集束電極22の集束溝24の所定の位置に保持される。
次に、本実施例のX線管の封止作業について、図1を参照しながら説明する。
上記の陰極組立作業の完了時点で、陰極12と、封止作業の一部である陰極支持体38への陰極12や排気管44の固定作業が終了している。また、陽極14については、従来の方法で、ターゲット30を陽極母材32に鋳造により埋め込んだ後、外形加工して完成させている。
封止作業では、先ず、外囲器16の胴体部36の両端に陰極接続部40と陽極接続部42をろう付けにより接続する。次に、陽極14の陽極端34の付け根の部分に陽極接続部42をろう付けまたは溶接により結合する。次に、陰極支持体38と陰極接続部40を溶接により結合する。このとき、集束電極22と陽極14との間隔が所定の寸法になるように、また、フィラメント18のコイルの向きとターゲット30の傾斜面の向きが一致するように、寸法や位置などが調整される。これによって封止作業は完了する。
次に、図7を用いて、本発明に係わるX線管の第2の実施例の全体構造について説明する。
図7は本実施例のX線管の全体構造図を示したものである。本実施例のX線管は陰極と外囲器の中央部を同電位に、すなわち陰極を接地電位としたところに特徴がある。図7において、X線管122は陰極12と陽極14と外囲器124とで、構成されるが、陰極12と陽極14は第1の実施例のX線管10のものと同じであり、外囲器124の構造が第1の実施例とは異なる。外囲器124は、中央部円筒126と、陽極側円筒128と、X線放射窓130と、陰極12を支持する陰極支持体38などから構成される。中央部円筒126は大略円筒状をしており、ステンレス鋼などの耐熱性金属材料から成り、陰極12及び陽極14のターゲット30の近傍を覆うように配置される。この中央部円筒(以下、金属円筒と呼ぶ)126は、一端には陰極12を支持する陰極支持体38が結合され、他端には陽極側円筒128が結合され、側面のX線主放射方向35にはX線放射窓130が結合される。陽極側円筒128は大略円筒状をしており、セラミックや耐熱性ガラスなどの絶縁材料から成る。陽極側円筒128の一端は金属円筒126に、他端は陽極14の陽極母材32の陽極端34の付け根に、それぞれ絶縁材料と熱的になじみのよい金属材料から成る中央接続部132と陽極接続部42を介して結合されている。また、X線放射窓130は大略コーン状をしており、外周、内周ともターゲット30の近くで直径が小さく、ターゲット30から離れるにつれて直径が大きくなっている。X線放射窓130はステンレス鋼などの金属材料から成り、金属円筒126の側面から張り出した円形の穴に嵌合されて結合されている。X線放射窓130の内周のターゲット30に近い部分にベリリウムなどのX線透過性の良い金属材料から成る薄い円形のX線窓131が結合されている。上記における各部の結合はろう付けまたは溶接にて行われる。
本実施例では、X線管122の外囲器124の中央部と陰極側を一体化して、金属円筒(以下、接地円筒ともいう)126とし、この金属円筒126と陰極12を支持する陰極支持体38を結合して、外囲器124の中央部から陰極12までを接地電位としている。このような構造にすることにより、陰極12が接地電位となるため、陰極12に印加する電圧の生成及び制御が簡略化されるとともに、X線管から放射されるX線の漏洩を防止するためにX線管の周囲に貼付する鉛板をX線管122の外囲器124の接地電位となる中央部及び陰極側並びにX線放射窓130に直接貼付することが可能となり、従来のようにX線管装置のX線管容器(以下、容器と略称する)の内壁面に貼付する場合よりも使用する鉛板の量を格段に低減することができる。また、本実施例では、外囲器124にX線放射窓130を取り付ける構造を採用しているため、X線管をX線管装置に装着する際に、容器の内壁面にX線放射窓130を固定することによってX線管122を容易に支持することができるので、X線管を支持するための特別な部品を用意する必要はなく、X線管装置の構造の簡易化及びX線管の支持作業の簡易化などに寄与する。また、本実施例では、第1の実施例のX線管と同じ陰極構造を採用しているので、第1の実施例と同様、陰極構造及び陰極組立作業が大幅に簡略化され、X線管の製造コストが低減されるとともに、X線管の仕上工程におけるリード仕上げ作業も簡略化される。
また、図示の例では、陰極として第1の実施例のX線管の陰極と同じ構造のものとしているが、陰極がその他の構造と同じ構造であっても、外囲器124の金属円筒126と陰極とを電気的に同電位となるよう結合し、外囲器124の中央部と陰極を接地電位とすることにより、上記の効果のうち、陰極の構造に関する効果を除いた効果が得られる。すなわち、陰極に印加する電圧の生成及び制御が簡略化されるとともに、X線漏洩防止のためにX線管の周囲に貼付する鉛板をX線管の外囲器124の金属円筒126から陰極にかけての範囲及びX線放射窓130に直接貼付することが可能となるため、従来のようにX線管装置の容器の内壁面に貼付するよりも使用する鉛板の量を格段に低減することができる。また、外囲器124の金属円筒126にX線放射窓130を取り付ける構造を採用しているため、X線管をX線管装置に装着する際に、容器の内壁面にX線放射窓130を固定することによってX線管を容易に支持することができるので、X線管の支持のために特別な部品を用意する必要はなく、X線管装置の構造の簡易化及びX線管の支持作業の簡易化などに寄与する。
次に、図8を用いて本発明に係わるX線管の実施例の全体構造について説明する。
図8は本実施例のX線管の全体構造図を示したものである。本実施例のX線管は図7に示した第2の実施例のX線管に対し、陽極と外囲器の構造が異なり、特に陽極のターゲットで発生したX線が陽極側に漏洩しにくい構造にしたものである。図8において、X線管135は、第1及び第2の実施例のX線管と同じ構造の陰極12を備えているが、陽極136の陽極母材137の外形と外囲器140の内周の構造が第2の実施例とは異なる。陽極136はターゲット30と陽極母材137を備えているが、陽極母材137の外周にはターゲット30に近接した部分に外径が大きくなったフランジ部138が設けられ、フランジ部138の端から長さ方向の中央部にかけて外径が小さくなった細径部139が設けられている。外囲器140は金属円筒126と陽極側円筒140とX線放射窓130と陰極支持体38を備えているが、外囲器140の内周の、金属円筒126と陽極側円筒128とを結合する部分に、内周側に突出した遮蔽リング141が取り付けられている。このような構造にすることにより、陽極母材137の外周と外囲器140の内周との間隔は第2の実施例のものに比べ、フランジ部138及び遮蔽リング141の部分で狭くなっており、かつその間隔の狭い箇所がフランジ部138の位置ではX線管の中心軸から離れた位置に、遮蔽リング141の位置ではX線管の中心軸に近い位置にあるという具合にジグザグに配置されている。その結果、ターゲット30で発生したX線が外囲器140や陽極母材137の表面で、反射、散乱などを繰り返し、陽極端34側へ漏洩することを考えた場合、本実施例ではその途中経路を狭くし、かつジグザグ経路にしているので、非常にX線の漏洩しにくい構造になっている。
図示の例では、フランジ部138と遮蔽リング141の両方が設けられているが、これらの構造はフランジ部138を単独で設けた場合、または遮蔽リング141を単独で設けた場合にも、X線の陽極端34側への漏洩を低減する効果が得られる。また、フランジ部138と遮蔽リング141の個数はそれぞれ1個に限定されず、複数個設けてもよい。また、フランジ部138の先端形状や遮蔽リング141の陽極母材137との対向部分の先端形状は耐電圧特性を考慮して丸味を持たせておく必要がある。また、フランジ部138については、陽極母材137と一体加工でもよいが、その外形が大きくなる場合には別加工したものをろう付けなどにより陽極母材137に結合してもよい。また、本実施例においては、上記のX線の陽極端側への漏洩防止効果の他に、第2の実施例のX線管の場合と同様な効果も得られる。
次に、図9を用いて、本発明に係わるX線管の第4の実施例の全体構造について説明する。
図9は本実施例のX線管の全体構造図を示したものである。本実施例のX線管は第3の実施例のX線管の外囲器に、装置に取り付ける際に用いられる装置取付板が結合されたものである。図9において、X線管145は、第1〜第3の実施例のX線管と同じ構造の陰極12と、第3の実施例のX線管と同じ構造の陽極136を備え、その外囲器146は第3の実施例のものと類似の構造をしている。外囲器146は、金属円筒126と陽極円筒128とX線放射窓130と陰極支持体38と遮蔽リング141と装置取付用フランジ147などを備えている。装置取付用フランジ147を除いて、第3の実施例のX線管の外囲器と同じ構造をしている。装置取付用フランジ147は少し厚肉のリング状の円板で、ステンレス鋼などの鋼材から成る。この装置取付用フランジ147は外囲器146の外周の、金属円筒126と陽極側円筒128との結合部の近傍に結合される。この装置取付用フランジ147は、真空気密用ではないので、外囲器146の加工時に結合してもよいが、X線管の排気工程終了後に仕上工程で結合してもよい。この結合はろう付けまたは溶接などによって行われる。仕上工程でこの結合を行う場合には外囲器146の金属円筒126と陽極側円筒128との結合部の近傍に、予めリング状の台座を取り付けておき、この台座に装置取付用フランジ147を溶接またはろう付けなどにより結合すればよい。
本実施例のX線管145は、装置取付用フランジ147を用いてX線管装置などに装着されることになり、X線管145の外囲器146の金属円筒126とX線放射窓130と陰極支持体38と陰極12の一部が外部に露出されることになるため、X線管145への陰極側への電源供給は直接行うことができるので、陰極電源の供給が極めて簡易となる。また、X線管145のX線の漏洩防止のための鉛板の貼付についても、X線管装置の容器の内部構造を考慮することなく、X線管自体で鉛板の貼付を行うことができる。X線管145への鉛板の貼付は後でX線管装置の実施例で説明する如く、外囲器146の金属円筒126の外表面、X線放射窓130の側面、及び陰極支持体38の外表面またはその近傍などに施される。また、X線管145の支持が装置取付用フランジ147にて行われることに伴い、X線放射窓130はX線放射のみに用いられることになるので、X線放射窓130に施されていた装置に取り付けるために必要な加工は省略してもよい。
図示の例では、装置取付用フランジ147は少し厚肉のリング状の円板としたがこの装置取付用フランジ147はこれに限定されず、正方形や長方形の板でもよい。円板の場合には円筒形の容器を有するX線管装置に装着する場合やX線管の装着面積を小さくするときなどに有利であり、四角形の板の場合には直方体状の容器を有するX線管装置に装着するときなどに有利である。
次に、図10を用いて、本発明に係わるX線管装置の第1の実施例に付いて説明する。
図10は本実施例のX線管装置の構造図を示したものである。本実施例のX線管装置では、図8に示した第3の実施例のX線管を容器に装着している。図10において、X線管装置150はX線管135と、X線管135を収納する容器151と、X線管135などを絶縁するために容器151に充填される絶縁油152と、図示を省略しているが、X線管135の陽極136に高電圧を供給するためのケーブルレセプタクル、絶縁油152の膨張、収縮を緩衝するためのベローズ、などから構成されている。本実施例では、X線管135の陰極12を接地電位にしているために、陰極12には接地電位の陰極電位と低電位のフィラメント加熱電圧が外部の電源から供給されている。X線管135は第3の実施例のX線管で、外囲器140の金属円筒126とX線放射窓130と陰極12が同電位になるように結合されており、接地電位に保持されている。X線管135の外周の中央部から陰極側にかけて、X線の漏洩を防止するために鉛板153が貼り付けられている。鉛板153は外囲器140の金属円筒126の外表面、X線放射窓130の側面(外周の表面)、陰極12の陰極支持体38の外表面を覆うように、その表面に直接またはその近傍の少し離れた位置に、X線の漏れる隙間がないように貼られている。鉛板153の貼り付けは通常接着剤を用いて行われる。接着剤としてはエポキシ樹脂などから成る耐油性、耐熱性を有する接着剤が用いられる。また、結束バンドなどを用いて、鉛板153を外囲器140の表面に機械的に固定してもよい。このようにX線管135の表面に鉛板153を貼ることにより、従来、容器151の内壁面に貼られていた鉛板を省略することができる。容器151は円筒形または直方体形状の筐体で、アルミニウムや鋼材などの金属材料から成る。容器151には、X線放射口154やケーブルレセプタクル取付部(図示せず)やベローズ取付部(図示せず)や注油口(図示せず)や陰極12に供給する電圧を導入する低電圧導入口(図示せず)などが設けられる。X線管135はそのX線放射窓130を介して容器151の壁面のX線放射口154の位置に支持される。X線管135への動作電圧の供給は陽極電位については外部の電源から高電圧ケーブルを用いて、ケーブルレセプタクル及びリード線(図示せず)を経由して陽極136の陽極端34に陰極側のアース電位とフィラメント加熱電圧については外部の電源から低電圧導入口及びリード線(図示せず)を経由して陰極12に供給される。
本実施例のX線管装置150では、X線管135の動作時には外部の電源からX線管135にX線管電圧及びフィラメント加熱電圧が供給されて、陰極から電子線23が放出され、この電子線23がX線管電圧で加速されて、陽極136のターゲット30に衝突してX線が発生する。このX線はX線放射窓130からX線主放射方向35に取り出されて、X線検査用に利用される。このとき利用されないX線はX線管装置150内で散乱することになるが、本実施例ではX線管135の外囲器140の中央部から陰極側にかけての範囲の外表面に直接またはその近傍に鉛板153を貼り付けたことにより、X線管135の中央部から陰極側にかけての範囲のX線の漏洩が防護され、またX線管135の陽極136の陽極母材137と外囲器140との間の隙間をジグザグ経路としたことにより、X線管135の陽極側へのX線の漏洩が低減され、その結果、容器151からのX線の漏洩は防止されている。また、X線漏洩防護のための鉛板153の貼り付けを容器151の内壁面でなく、X線管135の表面またはその近傍に行っているので、鉛板153の貼付け量(使用量)は従来品に比べ格段に低減されている。これに伴い、X線管装置も軽量化され、かつ小形化されている。
次に、図11を用いて、本発明に係わるX線管装置の第2の実施例について説明する。
図11は本実施例のX線管装置の構造図を示したものである。本実施例のX線管装置は、第1の実施例のX線管装置に対し、X線管と容器が異なる。本実施例では、図9に示した第4の実施例のX線管を容器に装着している。図11において、X線管装置160はX線管145と、X線管145を収納する容器161と、容器161に充填された絶縁油152と、図示を省略しているケーブルレセプタクル、ベローズ、などから構成されている。本実施例においても、第1の実施例のX線管装置と同様X線管145の陰極12を接地電位にしているため、陰極12には接地電位の陰極電位と低電位のフィラメント加熱電圧が外部の電源から供給される。X線管145は第4の実施例のX線管で、外囲器146に装置取付用フランジ147が結合されており、外囲器146の金属円筒126とX線放射窓130と陰極支持体38と装置取付用フランジ147と陰極12とが同電位になるように結合されていて、接地電位に保持されている。X線管145はその装置取付用フランジ147にて容器161に支持され、その外囲器146の陽極側の部分のみ容器161内に収納され、その外囲器146の中央部から陰極側にかけての部分は容器161外に露出されている。X線管145の容器161から露出した部分にはX線漏洩防護のために鉛板153が貼り付けられる。すなわち、X線管145の外囲器146の金属円筒126の外表面、X線放射窓130の側面、陰極支持体38の外表面を覆うように、その表面に直接または少し離れた位置に、X線の漏れる隙間がないように、鉛板153が貼られる。X線管145の外囲器146の表面への鉛板153の貼付により、容器161の内壁面への鉛板153の貼付は省略することができる。また、陰極12と陰極支持体38の近傍の鉛板153の部分に、低電圧の陰極電位やフィラメント加熱電圧を導入するための低電圧導入口(図示せず)を設けておく。容器161は第1の実施例のX線管装置と同様に円筒形または直方体形状の筐体で、アルミニウムや鋼材などの金属材料から成るが、X線管145の陽極側のみ収納することになるため、第1の実施例のX線管装置より小形化される。容器161には、X線管145の陽極側を収納するための開口162やケーブルレセプタクル取付部(図示せず)やベローズ取付部(図示せず)や注油口(図示せず)などが設けられる。容器161の開口162に鉛板153を貼付したX線管145の装置取付用フランジ147を取り付け、ケーブルレセプタクル取付部にケーブルレセプタクルを取り付けた後に、X線管145の陽極136の陽極端34とケーブルレセプタクルの端子との間にリード線(図示せず)を配線し、ベローズ取付部にベローズを取り付けて、注油口から絶縁油152を容器161内に充填する。X線管145への動作電圧の供給は、陽極電位については外部の電源から高電圧ケーブルを用いてケーブルレセプタクルに、陰極側の陰極電位とフィラメント加熱電圧については、外部の電源から鉛板153の部分に設けた低電圧導入口及びリード線(図示せず)を経由して陰極12に供給される。
本実施例のX線管装置160では、X線管145の構造が装置取付用フランジ147の部分を除いて、第1の実施例のX線管装置のものと同じ構造になっているので、第1の実施例のX線管装置と同じ効果が得られる。本実施例では、更にX線管145に装置取付用フランジ147を取り付けて、装置取付用フランジ147の部分でX線管145を容器161に結合する構造としたため、X線管145の外囲器146の中央部から陰極側にかけての範囲が容器161の外部に露出されることになり、その結果第1の実施例のX線管装置と比較して容器161が小形化され、X線管装置全体としても小形化され、軽量化されている。
また、本発明は、X線管装置の容器内に、X線管にX線管電圧やフィラメント加熱電圧を供給する高電圧発生回路やフィラメント加熱用変圧器など電源回路を内包する場合(このような場合には通常X線発生装置と呼ばれている)にも適用され、上記の第1及び第2の実施例のX線管装置で説明した効果と同様な効果が得られる。装置の構成上は容器内に電源回路が導入された代りに、ケーブルレセプタクルなどが取り除かれる。
本発明に係わるX線管の第1の実施例の全体構造図である。 図1のX線管の陰極及びその周辺部の構造図である。 図1のX線管の陰極の集束電極部分の構造図である。 2焦点の場合の陰極の集束電極部分の構造図である。 図2の支持リード固定部分の拡大図である。 図1のX線管の陰極組立作業及び封止作業の一部を説明するための図である。 本発明に係わるX線管の第2の実施例の全体構造図である。 本発明に係わるX線管の第3の実施例の全体構造図である。 本発明に係わるX線管の第4の実施例の全体構造図である。 本発明に係わるX線管装置の第1の実施例の構造図である。 本発明に係わるX線管装置の第2の実施例の構造図である。
符号の説明
10、122、135、145 X線管、12 陰極、14、136 陽極、16、124、140、146 外囲器、18 フィラメント、20、20a 支持リード、22、60 集束電極、22a 上面、22b 背面、24 集束溝、24a、64a、66a 上段溝、24b、64b、66b 下段溝、26 絶縁物組立、27、28
穴、30 ターゲット、32、137 陽極母材、34 陽極端、36 胴体部、38 陰極支持体、44 排気管、46、70、71 貫通穴、48、50 穴、52 突起、53 絶縁物、54 金属板、56 金属スリーブ、57、72 外周面、58 フランジ部、59、73 平坦面、76、77 かしめ、80 マンドレル、82 ろう材、126 金属円筒(接地円筒)、128 陽極側円筒、130 X線放射窓、138 フランジ部、139 細径部、141 遮蔽リング、147 装置取付用フランジ、150、160 X線管装置、151、161 容器、152 絶縁油、153 鉛板、154 X線放射口、162
開口

Claims (3)

  1. 熱電子を放出するフィラメントと、フィラメントからの熱電子を電子線に集束する集束電極を有する陰極と、陰極と対向して配置され、陰極からの電子線が衝突してX線を発生するターゲットを有する陽極と、陰極と陽極を支持し、両電極を真空気密に内包する外囲器と、を備えたX線管において、
    前記集束電極は、前記外囲器の一部を構成し、前記外囲器は、少なくとも金属材料から成る中央部円筒と、絶縁材料から成る陽極側円筒と、を有し、前記中央部円筒は、前記陽極のターゲットの部分を囲むと共に、自身の側面にX線を外部に取り出すためのX線放射窓を結合し、前記陽極側円筒は、前記陽極を支持し、前記中央部円筒と前記陰極が電気的に同電位となるように結合されていることを特徴とするX線管。
  2. 請求項1記載のX線管と、該X線管を絶縁する絶縁油と、前記X線管と前記絶縁油を収納し、金属材料から成るX線管容器を備え、前記外囲器の中央部から陰極側にかけての表面に直接、または、その近傍に鉛板が貼りつけられていることを特徴とするX線管装置。
  3. 請求項1記載のX線管と、該X線管を絶縁する絶縁油と、前記X線管と前記絶縁油を収納し金属材料から成るX線管容器と、を備え、
    前記X線管は、前記X線放射窓(130)の窓枠を介して前記X線管容器に接合されることを特徴とするX線管装置。
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