JP4230565B2 - X線管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線を発生させるX線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
X線管は、高真空の封止筐体(管)内に、カソード、ヒータ及びグリッド電極等より成る電子銃と、集束電極と、陽極ターゲットと、を備え、上記カソードをヒータにより加熱して当該カソードから電子を放出させ、この電子をグリッド電極、集束電極を介して、高電圧を印加した陽極ターゲットに集束入射することによりX線を発生させるものである。
【0003】
このX線管の組立では、筐体と一体化された集束電極に対向して電子銃を筐体内に挿入して当該電子銃の位置(電子進行方向での位置)を決め、電子銃のカソードとは反対側の蓋部分を、筐体に固定して当該筐体を封止する。
【0004】
ここで、X線管では所定のX線を得るべく、電子銃からの電子ビームを陽極ターゲット上に10μm程度に絞る必要があり、この所定の焦点径を得るには、集束電極と電子銃のグリッド電極との間隔を、高精度に所定の間隔とする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記X線管にあっては、電子銃を集束電極に対向して筐体内に挿入した時点で、当該電子銃の蓋部分により筐体が蓋されて、グリッド電極と集束電極との間の実際の間隔を測定・検査することができないため、電子銃の位置決め調整によりグリッド電極と集束電極との間隔を高精度に所定の間隔とするのは非常に難しく、さらにこの電子銃の位置決め調整に非常に時間を費やすといった問題があった。
【0006】
因みに、集束電極に対してグリッド電極が所定の間隔に対して例えば100μmずれると、所定の焦点径(10μm程度)を得ることはできない。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、グリッド電極の軸線方向(電極並設方向)での位置決めを正確且つ容易にでき、品質の向上及び組立コストの低減を実現できるX線管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のX線管は、真空に封止された筐体内で、カソードを加熱して電子を放出させ、この電子をグリッド電極、集束電極を介して陽極ターゲットに集束させてX線を発生させるX線管において、一方側の端部がグリッド電極に固定され、他方側の端部が集束電極に当接すると共に、グリッド電極から集束電極に向かう電子が通過可能に筒状にされたスペーサを備えたことを特徴としている。
【0009】
このような本発明に係るX線管によれば、グリッド電極から集束電極に向かう電子を遮らないように筒状にされると共に、一方側の端部がグリッド電極に固定され他方側の端部が集束電極に当接するスペーサにより、グリッド電極と集束電極との間隔が所定の間隔に設定される。このため、グリッド電極の軸線方向(電極並設方向)での位置決めが正確且つ容易になされる。また、陽極ターゲットから集束電極を介してカソード側に向かう余分なX線は、筒状を成すスペーサ及び当該スペーサを固定するグリッド電極によりカソード側に対して遮蔽される。このため、X線の筐体からの漏洩がより確実に防止されるようになる。
【0010】
ここで、スペーサの他方側の端部と集束電極とは、嵌合部により嵌め合わされているのが好ましい。
【0011】
このような構成を採用した場合、嵌合部の嵌め合いにより、スペーサの他方側の端部の上記電極並設方向に直交する方向での位置決めが正確且つ容易になされると共に、当該端部及びグリッド電極が集束電極に支持されて、耐震性が向上される。
【0012】
また、スペーサの一方側の端部とグリッド電極とは、嵌合部により嵌め合わされているのが好ましい。
【0013】
このような構成を採用した場合、グリッド電極にスペーサの一方側の端部を固定するにあたって、嵌合部の嵌め合いにより、グリッド電極に対する当該端部の位置決めが正確且つ容易になされる。
【0014】
また、筐体は、冷却媒体により冷却されているのが好ましい。
【0015】
このような構成を採用した場合、グリッド電極の熱は、当該グリッド電極に固定されるスペーサ、このスペーサが当接する集束電極、筐体を介して積極的に冷却媒体に放熱される。このため、グリッド電極での異常発熱が防止されるようになる。
【0016】
また、スペーサは、周壁にガス抜き用の穴を備えているのが好ましい。
【0017】
このような構成を採用した場合、筒状を成すスペーサ及び当該スペーサを固定するグリッド電極を境界部として画成される陽極ターゲット側の空間部とカソード側の空間部とが、ガス抜き用の穴により連通されるため、筐体内の真空引きが容易になされるようになる。
【0018】
また、スペーサ及び筐体は導電体であり、集束電極は筐体に電気的に接続され、スペーサには所定の電位が供給されているのが好ましい。
【0019】
このような構成を採用した場合、所定の電位がスペーサ、集束電極を介して筐体に供給され、スペーサ、集束電極及び筐体の電位は常に所定に維持される。このため、カソードからの電子は正常に陽極ターゲットに集束されると共に、筐体に電位を別に供給するのが不要にされる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るX線管の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、第1実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。図1に示すように、X線管1は、マイクロフォーカスX線管であり、電子80を発生・放出する電子銃部2と、この電子銃部2からの電子80を受けてX線81を発生させるX線発生部3と、を備えている。これらの電子銃部2及びX線発生部3は、各構成部品を収容する筐体としての筒状の容器21,31より各々の外郭が構成される。これらの容器21,31は導電体より成り、互いに直交するように連結されている。容器21内と容器31内とは、容器21,31の境界部に形成された集束電極25により仕切られると共に、この集束電極25に形成された開口25aを通して連通され、容器21内には電子銃50が、容器31内には陽極ターゲット32が、各々配置されている。また、容器21,31は密封されて、その内部は真空状態にされている。
【0022】
容器21内に配置された電子銃50は概略、発熱源としてのヒータ76と、このヒータ76により加熱されて電子80を発生・放出する熱電子源としてのカソード73と、このカソード73から放出された電子80を加速・集束させる第1、第2グリッド電極71,72と、この第2グリッド電極72と集束電極25との間に介在して当該第2グリッド電極72と集束電極25との間隔を所定の間隔に設定するスペーサ8と、上記第1、第2グリッド電極71,72、ヒータ76、カソード73に所定の電圧を容器外部より供給するための複数のピン5と、これらのピン5が貫通固定されると共に容器の蓋部として機能するステム4と、を備える。
【0023】
上記ステム4、ヒータ76、カソード73、第1、第2グリッド電極71,72及びスペーサ8は、集束電極25側に向かってこの順に並設され、これら構成部品の各軸心が一致すると共に集束電極25の開口25aの軸心、筒状を成す容器21の軸心と同軸に位置するように配置されている。
【0024】
さらに詳細に説明すれば、上記カソード73は、絶縁体より成る筒体74の先端に設けられ、この筒体74内に、当該カソード73を加熱する上記ヒータ76が設けられている。上記第1グリッド電極71は、カソード73より集束電極25側に配置され、この第1グリッド電極71より集束電極25側に、上記第2グリッド電極72が配置される。この第2グリッド電極72は、第1グリッド電極71の集束電極25側に、複数のセラミック棒(絶縁体)9を介して支持され、上記カソード73及びヒータ76を有する筒体74は、第1グリッド電極71の集束電極25側とは反対側に、絶縁体75を介して支持されている。
【0025】
第1、第2グリッド電極71,72は、各々円板状を成すと共に、各々の上記カソード73に対向する位置に、カソード73からの電子80が通過する開口71a,72aを備える。第2グリッド電極72は、カソード73からの電子80を容器31内のターゲット32側に引っ張る電極である。また、第1グリッド電極71は、第2グリッド電極72によりターゲット32側に引っ張られる電子80をカソード73側に押し戻す電極であり、この第1グリッド電極71に供給する電圧を調整することで、ターゲット32側に向かう電子80が増減される。また、第1、第2グリッド電極71,72の開口71a,72aにより、図2に示すように、カソード73からの電子80をターゲット32に集束させる微小電子レンズ群が構成されている。
【0026】
図1に戻って、第2グリッド電極72と集束電極25との間には、本実施形態の特徴を成すスペーサ8が介在している。このスペーサ8は、カソード73からターゲット32に向かう電子80が通過可能に筒状にされると共に軸線方向に所定長を有し、一方側の端部8bが第2グリッド電極72の端面に固定され、他方側の端部8cが集束電極25に当接される。この所定長を有するスペーサ8が第2グリッド電極72と集束電極25との間に介在することで、当該第2グリッド電極72と集束電極25との間隔が所定の間隔に設定されている。ここで言う所定の間隔とは、所望の焦点径を得るのに必要な第2グリッド電極72と集束電極25との間隔である。
【0027】
このスペーサ8は、例えばステンレス等の導電体より成り、このスペーサ8を固定する上記第2グリッド電極72は、例えば耐熱性の良いMo(モリブデン)より成る。このように、本実施形態では、通常の溶接をし難いMoを第2グリッド電極72として用いているため、Ni(ニッケル)リボン7を複数個用いて抵抗溶接により第2グリッド電極72とスペーサ8とが連結されている。このNiリボン7による連結は、第2グリッド電極72の端面とスペーサ8の一方側の端部8b内周面との間でなされている。
【0028】
また、スペーサ8は、その周壁に、当該スペーサ8及びこのスペーサ8を固定する第2グリッド電極72を境界部として画成されるターゲット32側の空間部とカソード73側の空間部とを連通するガス抜き用の穴8aを、複数個備えている。
【0029】
前述した第1グリッド電極71は、そのターゲット32側とは反対側に植設された複数のピン5を有している。これらのピン5は、例えばセラミックス等の絶縁体より成る円板状のステム基板4aを貫通して当該ステム基板4aに固定されている。すなわち、上記スペーサ8、第2グリッド電極72、筒体74等を支持する第1グリッド電極71は、複数のピン5を介してステム基板4aに支持されている。
【0030】
このステム基板4aには、図示を省略した複数の他のピンも貫通固定されている。この複数の他のピンの各々に対しては、上記第2グリッド電極72のリード線72f、上記カソード73及びヒータ76の図示を省略したリード線が各々接続されている。また、このステム基板4aの外周には、円環状のステムリング4bが接合されている。
【0031】
以上のように電子銃50は構成される。この電子銃50のステムリング4bは、容器21の端部に形成された開口部22に、例えばロウ付け(鑞付け)等により固着されている。このステムリング4bが容器21の開口部22に固着されることで、当該開口部22がステム基板4a及びステムリング4bより構成されるステム4により蓋されて容器21,31は密封されている。
【0032】
上記第1グリッド電極71に対しては、前述したピン5を介して所定の負の電圧が容器外部より供給される。また、ヒータ76、カソード73に対しては、他のピン、リード線を介して所定の電圧が容器外部より供給される。また、第2グリッド電極72に対しては、さらに他のピン、リード線72fを介してグランド電位が容器外部より供給される。この第2グリッド電極72に供給されるグランド電位は、これに電気的に接続されたスペーサ8、集束電極25、容器31,21にも供給される。
【0033】
また、容器21,31の境界に位置する上記集束電極25の開口25aは、図3に示すように、第1、第2グリッド電極71,72により集束した電子ビームを楕円形とするように長方形状にされている。
【0034】
この集束電極25の開口25aを介して容器21内に連通する容器31内には、図1に示すように、上記ターゲット32が設置されている。このターゲット32は、電子銃50からの電子80を受けてX線81を発生させるものであり、金属製の棒状体を成し、その軸方向を電子80が進入してくる方向に対して交差する向きに配置されている。このターゲット32の先端面32aは、電子銃50からの電子80を受ける面であり、その電子80が進入してくる前方の位置に配置され、入射される電子80と出射されるX線81が直交するように傾斜面にされる。また、ターゲット32には、正の高電圧が印加されている。
【0035】
容器31には、X線出射窓33が設けられている。このX線出射窓33は、ターゲット32から発せられたX線81を容器31の外部へ出射させるための窓であり、例えば、X線透過材であるBe材から成る板体等により構成される。このX線出射窓33は、ターゲット32の先端の前方に配置され、その中心がターゲット32の中心軸の延長上に位置するように形成されている。
【0036】
次に、上記X線管1の組立手順について説明する。先ず、作業者は、スペーサ8、ステムリング4bを除いて電子銃50を組み立て、次いで、予め軸線方向の寸法精度が高精度に所定長にされたスペーサ8を、第2グリッド電極72にリボン7を用いた抵抗溶接により固定し、次いで、ステムリング4bを、ステム基板4aに接合する。次いで、ターゲット32を容器31内に配置すると共に、上記組み立てられた電子銃50を、容器21内に開口部22から挿入する。
【0037】
そして、電子銃50が突き当たるまで、すなわち、スペーサ8の他方側の端部8cが集束電極25に当接するまで挿入していく。スペーサ8の他方側の端部8cが集束電極25に当接すると、当該スペーサ8により、第2グリッド電極72と集束電極25との間隔が所定の間隔に設定されて、所望の焦点径を得るのに必要な間隔にされる。
【0038】
このようにして電子銃50の軸線方向での位置決めがなされたら、ステムリング4bを容器21の開口部22に接合して容器21,31を密封する。
【0039】
このように、本実施形態においては、スペーサ8により、第2グリッド電極72(電子銃50)の軸線方向での位置決めを正確且つ容易に行うことができる。
【0040】
ところで、上記組み立てられたX線管1の容器21、31内は、前述したように、真空状態にされている。この容器21、31内を真空とする真空引きは、容器21側または容器31側から行われる。この時、前述したスペーサ8の複数個のガス抜き用の穴8aにより、スペーサ8及び第2グリッド電極72を境界部として画成されるターゲット32側の空間部とカソード73側の空間部とが連通されているため、当該真空引きを容易に行うことができる。
【0041】
次に、このように構成されたX線管1の動作について説明する。先ず、上記X線管1を、冷却媒体としての例えば絶縁油に浸漬し、次いで、第1グリッド電極71に負の電圧を、第2グリッド電極72にグランド電位を、ターゲット32に正の高電圧を、各々供給した状態にて、ヒータ76を加熱する。すると、カソード73から電子80が放出される。電子80は、第1、第2グリッド電極71,72の開口71a,72aを通過して加速・集束され、さらに集束電極25の開口25aを通過する(図2参照)。
【0042】
ここで、集束電極25の開口25aは、図3に示したように、長方形状を成しているため、開口25aを通過した電子ビームは楕円となって、ターゲット32の先端面32aに集束入射される。この時、先端面32aは傾斜面にされているため、先端面32aから放出されるX線81は真円となる。そして、このX線81は、X線出射窓33を通してX線管1外へ出射される。
【0043】
この時、前述したように、スペーサ8により、第2グリッド電極72と集束電極25との間隔が所定の間隔に設定されて、第2グリッド電極72(電子銃50)の軸線方向での位置決めが正確になされているため、ターゲット32の先端面32aにて所定の焦点径が得られ、これにより、所定のX線81を得ることができる。
【0044】
また、ターゲット32の先端面32aから集束電極25の開口25aを介してカソード73側に向かう余分なX線は、筒状を成すスペーサ8及び当該スペーサ8を固定する第2グリッド電極72によりカソード73側に対して遮蔽されるため、X線の容器21からの漏洩をより確実に防止できる。
【0045】
また、X線管1は絶縁油に浸漬されているため、第2グリッド電極72の熱は、当該第2グリッド電極72に固定されたスペーサ8、このスペーサ8が当接する集束電極25、容器21,31を介して積極的に絶縁油に放熱され、これにより第2グリッド電極72での異常発熱を防止できる。
【0046】
また、スペーサ8を非導電体とすると、X線管1の動作時に、当該スペーサ8が帯電して、カソード73からの電子80が正常にターゲット32の先端面32aに集束されない虞があるが、本実施形態では、スペーサ8を導電体として、当該スペーサ8に第2グリッド電極72を介してグランド電位が供給されるため、スペーサ8の異常帯電が防止され、カソード73からの電子80を正常にターゲット32の先端面32aに集束できる。
【0047】
さらにまた、第2グリッド電極72、スペーサ8、集束電極25を介して容器21,31にもグランド電位が供給されるため、別のグランド電位供給手段を用いて容器21,31にグランド電位を供給する必要がなく、部品点数の減少を図ることができる。
【0048】
図4は、第2実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。この第2実施形態のX線管が第1実施形態(図1参照)のそれと違う点は、集束電極25の外周部のカソード73側を厚肉とすると共に、この厚肉部25bの内周面25cを、スペーサ8の他方側の端部8c外周面に対する嵌合面とした点である。
【0049】
この厚肉部25bの内周面25cは、その軸心が電子銃50の構成部品及び集束電極25の開口25aの軸心と一致するように形成される。
【0050】
そして、当該スペーサ8の他方側の端部8c外周面が、厚肉部25bの内周面25cに嵌合された状態で、当該他方側の端部8cが、第1実施形態と同様に、集束電極25の端面に当接されている。
【0051】
このように構成しても、第1実施形態と同様な効果を得ることができるというのはいうまでもなく、加えて、スペーサ8の他方側の端部8cが集束電極25に嵌合される構成のため、当該他方側の端部8cの電極並設方向に直交する方向(図示上下方向)での位置決めを正確且つ容易にできる。
【0052】
また、上記嵌合により、スペーサ8の他方側の端部8c及び第2グリッド電極72が集束電極25に支持されるため、耐震性を向上することができる。
【0053】
図5は、第3実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。この第3実施形態のX線管が第2実施形態(図4参照)のそれと違う点は、Niリボン7に代えて複数個のNiリボン10により、第2グリッド電極72の外周面とスペーサ8の一方側の端部8b外周面とを繋いだ点である。
【0054】
このように構成しても、第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0055】
図6は、第4実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。この第4実施形態のX線管が第3実施形態(図5参照)のそれと違う点は、スペーサ8の一方側の端部8bの外周側に、溝部8dを環状に設けると共に、第2グリッド電極72のスペーサ8側に、上記溝部8dに嵌合する凸部72dを環状に設けた点である。
【0056】
電子銃50の組立時には、上記スペーサ8の一方側の端部8bの溝部8dと第2グリッド電極72のスペーサ8側の凸部72dとが嵌合された状態で、スペーサ8と第2グリッド電極72とがNiリボン10により繋がれる。
【0057】
このように構成しても、第3実施形態と同様な効果を得ることができるというのはいうまでもなく、加えて、スペーサ8の一方側の端部8bの溝部8dと第2グリッド電極72のスペーサ8側の凸部72dとが嵌合される構成のため、第2グリッド電極72に対するスペーサ8の一方側の端部8bの位置決めを正確且つ容易にできる。
【0058】
図7は、第5実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。この第5実施形態のX線管が第3実施形態(図5参照)のそれと違う点は、スペーサ8の一方側の端部8bの内周側に、溝部8eを環状に設けると共に、第2グリッド電極72のスペーサ8側に、上記溝部8eに嵌合する凸部72eを環状に設けた点である。
【0059】
このように構成しても、第4実施形態と同様な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0060】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるというのはいうまでもなく、例えば、第4実施形態(図6参照)、第5実施形態(図7参照)においては、リボン10により、スペーサ8の一方側の端部8b外周面と第2グリッド電極72の外周面とを接合するようにしているが、第1実施形態(図1参照)、第2実施形態(図4参照)と同様に、スペーサ8の一方側の端部8b内周面側で接合を行うようにしても良い。
【0061】
また、上記実施形態においては、第2グリッド電極72をMoより構成すると共に、スペーサ8をステンレスより構成しているため、より好ましいとして、Niリボン7,10を用いた抵抗溶接によりこれらを固定しているが、固定方法としては、Niリボン7、10を用いた抵抗溶接に限定されるものではなく、特に第2グリッド電極72をMo以外の例えばステンレスより構成した場合には、通常の溶接やロウ付けが採用される。
【0062】
また、上記実施形態においては、冷却媒体を絶縁油としているが、これに限定されるものではなく、例えば絶縁性ガス、絶縁性冷媒を用いることもできる。
【0063】
また、上記実施形態においては、X線管として反射型のマイクロフォーカスX線管を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば透過型のマイクロフォーカスX線管にも適用できる。
【0064】
さらにまた、焦点径もマイクロフォーカスに限らず、どのような焦点径を持つX線管に対しても同様に適用できる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によるX線管は、グリッド電極から集束電極に向かう電子を遮らないように筒状を成すと共に、一方側の端部がグリッド電極に固定され他方側の端部が集束電極に当接するスペーサにより、グリッド電極と集束電極との間隔を所定の間隔に設定するように構成したものであるから、グリッド電極の軸線方向(電極並設方向)での位置決めを正確且つ容易にでき、品質の向上及び組立コストの低減を実現することが可能となる。また、陽極ターゲットから集束電極を介してカソード側に向かう余分なX線を、筒状を成すスペーサ及び当該スペーサを固定するグリッド電極によりカソード側に対して遮蔽するように構成したものであるから、X線の筐体からの漏洩をより確実に防止でき、X線管の信頼性を一層向上することが可能となる。
【0066】
また、本発明によるX線管は、スペーサの他方側の端部と集束電極とを、嵌合部により嵌め合うように構成したものであるから、当該端部の電極並設方向に直交する方向での位置決めを正確且つ容易にでき、品質の一層の向上及び組立コストの一層の低減を実現することが可能となる。また、上記嵌合部の嵌め合いにより、スペーサの他方側の端部及びグリッド電極を集束電極に支持させるように構成したものであるから、耐震性を向上でき、X線管の信頼性を一層向上することが可能となる。
【0067】
また、本発明によるX線管は、スペーサの一方側の端部とグリッド電極とを、嵌合部により嵌め合うように構成したものであるから、グリッド電極に当該端部を固定するにあたって、グリッド電極に対する当該端部の位置決めを正確且つ容易にでき、品質の一層の向上及び組立コストの一層の低減を実現することが可能となる。
【0068】
また、本発明によるX線管は、グリッド電極の熱を、当該グリッド電極に固定されるスペーサ、このスペーサが当接する集束電極、筐体を介して積極的に冷却媒体に放熱するように構成したものであるから、グリッド電極での異常発熱を防止でき、X線管の正常動作を確保することが可能となる。
【0069】
また、本発明によるX線管は、スペーサの周壁にガス抜き用の穴を設け、筒状を成すスペーサ及び当該スペーサを固定するグリッド電極を境界部として画成される陽極ターゲット側の空間部とカソード側の空間部とを、ガス抜き用の穴により連通するように構成したものであるから、筐体内の真空引きを容易にでき、組立コストの一層の低減を実現することが可能となる。
【0070】
また、本発明によるX線管は、スペーサ及び筐体を導電体として、当該スペーサに所定の電位を供給し、この電位をスペーサ、集束電極を介して筐体に供給して、スペーサ、集束電極及び筐体の電位を常に所定に維持するように構成したものであるから、カソードからの電子を正常に陽極ターゲットに集束でき、X線管の正常動作を一層確保することが可能となると共に、筐体に電位を別に供給するのを不要にでき、低コスト化を一層図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。
【図2】カソードから陽極ターゲットまでの電子ビームの様子を示す説明図である。
【図3】集束電極を介して陽極ターゲットへ入射する電子ビーム及び陽極ターゲットから出射するX線の様子を示す説明図である。
【図4】第2実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。
【図5】第3実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。
【図6】第4実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。
【図7】第5実施形態に係るX線管の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1…X線管、7,10…リボン、8…スペーサ、8a…ガス抜き用の穴、8b…スペーサの一方側の端部、8c…スペーサの他方側の端部(スペーサの他方側の端部の嵌合部)、8d,8e…スペーサの嵌合部(スペーサの一方側の端部の嵌合部)、21,31…容器(筐体)、25…集束電極、25a…集束電極の開口、25c…集束電極の嵌合部、32…陽極ターゲット、32a…陽極ターゲットの先端面、50…電子銃、71,72…グリッド電極、71a,72a…グリッド電極の開口、72d,72e…グリッド電極の嵌合部、72f…リード線、73…カソード、76…ヒータ、80…電子、81…X線。

Claims (6)

  1. 真空に封止された筐体内で、カソードを加熱して電子を放出させ、前記電子をグリッド電極、集束電極を介して陽極ターゲットに集束させてX線を発生させるX線管において、
    一方側の端部が前記グリッド電極に固定され、他方側の端部が前記集束電極に当接すると共に、前記グリッド電極から前記集束電極に向かう電子が通過可能に筒状にされたスペーサを備えたことを特徴とするX線管。
  2. 前記スペーサの他方側の端部と前記集束電極とは、嵌合部により嵌め合わされていることを特徴とする請求項1記載のX線管。
  3. 前記スペーサの一方側の端部と前記グリッド電極とは、嵌合部により嵌め合わされていることを特徴とする請求項1または2記載のX線管。
  4. 前記筐体は、冷却媒体により冷却されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のX線管。
  5. 前記スペーサは、周壁にガス抜き用の穴を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のX線管。
  6. 前記スペーサ及び前記筐体は導電体であり、
    前記集束電極は前記筐体に電気的に接続され、前記スペーサには所定の電位が供給されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のX線管。
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