JP2005228696A - 固定陽極x線管 - Google Patents

固定陽極x線管 Download PDF

Info

Publication number
JP2005228696A
JP2005228696A JP2004038486A JP2004038486A JP2005228696A JP 2005228696 A JP2005228696 A JP 2005228696A JP 2004038486 A JP2004038486 A JP 2004038486A JP 2004038486 A JP2004038486 A JP 2004038486A JP 2005228696 A JP2005228696 A JP 2005228696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
tube
window
anode
radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004038486A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Otaka
博志 尾高
Makoto Otsuka
誠 大塚
Koji Akita
浩二 秋田
Mototatsu Doi
元達 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Medical Corp
Priority to JP2004038486A priority Critical patent/JP2005228696A/ja
Publication of JP2005228696A publication Critical patent/JP2005228696A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • X-Ray Techniques (AREA)

Abstract

【課題】
広角のX線放射角度を有する固定陽極X線管を提供する。
【解決手段】
外囲器16の中央部にあり、金属材料から成るX線放射窓部36は、陽極14のターゲット18上の焦点58の近傍を囲む金属筒42と、全体としてコーン状をした放射筒44と、放射筒44の底部に取り付けられたX線窓46から構成され、金属筒42の側面のX線放射方向60に開けられた大略円形の穴42aに放射筒44のコーン状部50が嵌合され、コーン状部50の外周と金属筒42の穴42aが結合される。焦点58から放射筒44の内周をX線放射方向60を見込んだ開き角度を所定のX線放射角度例えば80度以上になるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は広角度X線放射の可能な固定陽極X線管に係り、特にX線放射窓部の構造の改良に関する。
手荷物X線検査や食物異物X線検査などに使用されるX線装置には、X線放射窓にベリリウムなどのX線透過性の良い金属材料を用いた固定陽極X線管が使用されている。このような固定陽極X線管では、金属のX線放射窓を用いているため、通常外囲器の中央部が金属で構成されている。このタイプの固定陽極X線管の一例の構造図を図5に示す。図5において、固定陽極X線管(以下、X線管と略称する)100は電子ビームを発生する陰極102と、電子ビームが衝突してX線を発生するターゲットを有する陽極104と、陰極102と陽極104とを真空気密に内包する外囲器106とから構成される。陰極102と陽極104はX線管100の中心軸(以下、管軸と略称する)108に沿って対向して配置され、陽極104の傾斜している対向面110にターゲット112が埋設されている。
陰極102は熱電子を発生するフィラメント114と、熱電子を細い電子ビームに集束するための集束電極116と、集束電極116を支持する支持体118と、支持体を絶縁支持するステム120などで構成される。陽極104は陰極102からの電子ビームが衝突してX線を発生するターゲット112と、ターゲット112を埋設した陽極母材122などから構成される。ターゲット112にはタングステンなどの高融点で高原子番号の金属が用いられ、陽極母材122には高熱伝導率の銅などの金属が用いられている。
外囲器106は、ガラス外囲器124とX線放射窓126とから構成される。ガラス外囲器124は耐熱性ガラスなどの絶縁物から成り、陽極側では、陽極104の端部に接続され、陰極側では陰極102のステム120に接続されている。ガラス外囲器124の中央部の、陽極104のターゲット112に近接する位置にX線放射窓部126が取り付けられている。
X線管100のX線取り出し方向127は管軸108と直交する方向であり、この方向にX線放射窓部126が取り付けられている。X線放射窓部126はX線管100をX線発生装置などに取り付けるためのフランジ部128と、ベリリウムなどのX線透過性の良い金属板から成るX線窓130と、X線窓130を支持する窓枠部132と、フランジ部128とガラス外囲器124を接続するガラス封入部134などから構成される。フランジ部128は円板状をしており、中央部には窓枠部132およびガラス封入部134と接続するための円形の穴136が設けられている。窓枠部132は底付きの肉薄の円筒形状をしており、底の部分に穴をあけてX線窓130が取り付けられている。窓枠部132の円筒の開口側はフランジ部128の穴136に溶接されている。ガラス封入部134は肉薄のテーパーの付いた筒状体で、一端はガラス外囲器124の中央部の側面に設けた円形穴に接続され、他端はフランジ部128の穴136に溶接されている。
X線管100の陽極104のターゲット112の面は、図示の如くX線取り出し方向127に開くように傾斜している。このターゲット112の傾斜面110とX線取り出し方向127とが作る角度は通常ターゲット角度と呼ばれており、図示の例では約20度である。X線管のX線放射角度はこのターゲット角度やX線放射窓部126の構造によって決定されるが、図示の例では約40度となっている。
特開2002−367550号公報
最近の手荷物X線検査や食物異物X線検査などの分野においては、大きな被検体の検査や検査時間の短縮などのニーズがある。このニーズに対するX線管の側での対応策としては、X線放射角度を広げること、照射X線強度を強くすることなどがあげられる。以下では、X線放射角度を広げることを重点的に考えて行くことにする。
従来の金属のX線放射窓部を備えた固定陽極X線管では、X線放射角度は通常約40度程度に制限されている。このX線放射角度を制限する主な要素はターゲット角度とX線放射窓部の構造である。ターゲット角度に関しては、ターゲット角度を決める陽極のターゲットを埋設している傾斜面の傾斜角度を大きくすることにより、従来の2倍程度の角度までは比較的容易に大きくすることができる。
X線放射窓部の構造に関しては、図5においてX線窓130やフランジ部128の中心穴136の内径やガラス封入部134の内径などを大きくすることにより、X線放射角度の若干の増加は可能であるが、1.5倍以上に増加することは困難である。特に、ガラス封入部134の内径の増大が問題である。これは、ガラス封入部134がガラス外囲器124の中央部に接続されていることに起因し、ガラス封入部134の直径を大きくしようとするとガラス外囲器124の中央部の外径も大きくしなければならず、ガラス外囲器124の中央部の外径を大きくすると、それに伴いガラス封入部134自体がターゲット112上のX線源から離れることになるため、X線放射角度はガラス封入部134で制限されることになり、ガラス封入部134の内径やフランジ部128の中心穴136の内径などを大きくしなければならない。従って、従来のX線放射窓部の構造では、X線放射角度の増大には限界がある。
以上のことから、本発明では外囲器のX線放射窓部の構造を改良し、X線放射角度が従来の約2倍程度またはそれ以上となる広角のX線放射角度を有する固定陽極X線管を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の固定陽極X線管は、電子ビームを発生する陰極と、陰極からの電子ビームが衝突してX線を発生するターゲットを有し、全体として大略棒状体である陽極と、陰極と陽極とを対向させて絶縁支持し、真空気密に内包して、ターゲットで発生したX線をX線管の中心軸とほぼ直交する方向(以下、X線放射方向という)に引き出すために設けられた全体として金属材料から成るX線放射窓部を有する外囲器とを備えた固定陽極X線管において、X線放射窓部は陽極のターゲットの周辺を囲む円筒形状の金属筒と、ターゲット上のX線発生源(以下、焦点という)に近接して配設され、X線透過性の良い金属材料から成る板状体のX線窓と、X線窓を支持する窓取付部、X線管装置などに取り付けるための大略リング状をしているフランジ部、および窓取付部とフランジ部を接続し大略筒形状をしている筒状部を有する放射筒とから構成され、金属筒は長さ方向中央部の側面のX線放射方向に大略円形の穴を有し、放射筒の筒状部の内周の直径は窓取付部における値よりもフランジ部における値の方が大きくなっており、金属筒の穴に放射筒の筒状部が嵌合され、金属筒の穴と放射筒の筒状部の外周との接線で結合されている(請求項1)。
また、本発明の固定陽極X線管では、更に陽極のターゲットの面とX線放射方向とが作る角度(ターゲット角度)を35度以上とし、ターゲット上の焦点からX線放射窓部の放射筒の内周をX線放射方向に見込んだ角度を70度以上としたものである。
また、本発明の固定陽極X線管は、電子ビームを発生する陰極と、陰極からの電子ビームが衝突してX線を発生するターゲットを有し、全体として大略棒状体である陽極と、陰極と陽極とを対向させて絶縁支持し、真空気密に内包して、ターゲットで発生したX線をX線放射方向に引き出すために設けられた全体として金属材料から成るX線放射窓部を有する外囲器とを備えた固定陽極X線管において、X線放射窓部は陽極のターゲットの周辺を囲む円筒形状の金属筒と、ターゲット上の焦点に近接して配設され、X線透過性の良い金属材料から成る板状体のX線窓と、X線窓を支持する窓取付部、X線管装置などに取り付けるためのリング状をしているフランジ部、および窓取付部とフランジ部を接続し大略筒形状をしている筒状部を有する放射筒とから構成され、金属筒は長さ方向中央部の側面のX線放射方向に大略円形の穴を有し、この金属筒の穴に放射筒の筒状部が嵌合され、金属筒の穴と放射筒の筒状部の外周との接線で結合されており、ターゲット上の焦点から放射筒の筒状部の内周をX線放射方向に見込んだ角度が70度以上であり、ターゲット角度は35度以上である。
また、本発明の固定陽極X線管では、更にX線放射窓部の放射筒のフランジ部は、その上面が平坦である円形リング状をしており、その上面に装置取付時にシール用部品を収容するためのシール溝を有する。
また、本発明の固定陽極X線管では、更にX線放射窓部の放射筒のフランジ部は円形リング状をしており、その外周に装置取付時にシール用部品を収容するためのシール溝を有する(請求項2)。
また、本発明の固定陽極X線管では、更にX線放射窓部の放射筒のフランジ部の上面および外周を覆う第二のフランジ部を有し、第二のフランジ部はその上面が平坦である円形リング状をしており、その上面に装置取付時にシール用部品を収容するためのシール溝を有し、その裏面側にはX線放射窓部のフランジ部の外周に嵌合し、少なくとも外周のシール溝を覆う内周面を有し、X線放射窓部のフランジ部の外周のシール溝にシール用部品を挿入して、X線放射窓部のフランジ部に第二のフランジ部を結合したものである。
本発明の固定陽極X線管は、外囲器のX線放射窓部が金属筒と放射筒とX線窓から成り、金属筒の側面に設けた穴に放射筒の筒状部を嵌合させて、金属筒の穴と筒状部の外周とをろう付けなどにより結合しているので、放射筒の筒状部の底に取り付けられているX線窓や筒状部の端部に接続されるフランジ部がターゲット上の焦点に近接して配置されることになるため、放射筒の筒状部の内周の直径を大きくしなくてもX線放射窓部のフランジ部の上面までの距離が従来品より短くなるので、焦点と被検体との距離を短くしてX線撮影などを行うことが可能となり、X線管への負荷入力をし、小さくすることが可能となる(請求項1)。
また、本発明の固定陽極X線管では、ターゲット角度を35度以上とし、X線放射窓部の放射筒の内周をX線放射方向に見込んだ角度を70度以上としているので、X線放射方向におけるX線放射角度は70度以上となり、従来のX線管(X線放射角度約40度)に比べて、X線放射角度が格段に大きくなり、広いX線照射野を得ることができる。本発明のX線管を使用してX線検査を行う場合、従来と同じ距離での検査では、従来品より大きい被検体の検査が可能となり、また同じ大きさの被検体の検査では、従来品より近接して検査ができるので、X線管への負荷入力を従来品より小さくすることも可能であり、あるいはX線管への同じ負荷入力で検査時間を従来品より短くすることも可能である。
また、本発明の固定陽極X線管は、外囲器のX線放射窓部が金属筒と放射筒とX線窓から成り、金属筒の側面に設けた穴に放射筒の筒状部を嵌合させて、金属筒の穴と筒状部の外周とをろう付けなどにより結合しており、ターゲット上の焦点から放射筒の筒状部の内周をX線放射方向に見込む角度を70度以上とし、ターゲット角度を35度以上としているので、X線放射窓部からX線放射方向に放射されるX線の放射角度は70度以上が確保されるので、従来品に比べ格段に広いX線照射野が得られる。その結果、このX線管を使用したX線検査において、大きい被検体の検査、X線管への負荷入力の低減、検査時間の短縮などが可能となる。
また、本発明の固定陽極X線管では、X線放射窓部の放射筒のフランジ部の上面に、装置取付時に絶縁媒体をシールするために用いられるOリングなどを収容するシール溝が設けられているので、X線管のX線放射窓部をそのフランジ部を介し、装置の板状壁面に容易に取り付けることができ、また、絶縁媒体のシールも容易に行うことができる。
また、本発明の固定陽極X線管では、X線放射窓部の放射筒のフランジ部の外周に、装置取付時に絶縁媒体をシールするために用いられるOリングなどを収容するシール溝が設けられているので、そのフランジ部を介して装置に容易に取り付けることができる。また、この構成のX線管では、X線放射窓部の金属筒の穴と放射筒の筒状部の外周とをろう付けなどにより直接結合しているため、この結合時の熱的歪みにより放射筒のフランジ部に微小な寸法変化が生じるが、その寸法変化については構造上フランジ部の外周面での値がフランジ部の上面でのものに比べて約1/2以下になるので、この寸法変化の小さいフランジ部の外周面にシール溝を設けて、絶縁媒体のシールを行うことは非常に有効である(請求項2)。
また、本発明の固定陽極X線管では、X線管のX線放射窓部のフランジ部に、上面にシール溝を有する第二のフランジ部が結合されているので、従来例と同様に、装置の板状壁面に取り付ける作業を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号をつけ、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明に係る固定陽極X線管の第1の実施例の全体構造図である。本実施例の固定陽極X線管(以下、X線管と略称する)では、従来品に対し、X線放射角度が大きくなるため、特に陽極と外囲器の構造が相違する。図1において、X線管10は、電子ビームを発生する陰極12と、陰極12からの電子ビームが衝突してX線を発生するターゲット18を備えた陽極14と、陰極12と陽極14とを対向させて絶縁支持し、真空気密に内包する外囲器16などから構成される。
陰極12は、熱電子を放射するフィラメント20と、熱電子を集束して陽極14への電子ビームを形成するための集束電極22と、集束電極22を支持するステム24などから構成される。フィラメント20はタングステン線などをコイル状に巻いたもので、集束電極22の集束溝内に絶縁支持される。集束電極22は鉄やステンレス鋼などの金属材料から成り、陽極14のターゲット18と対向して配置され、そのターゲット18と対向する面側に集束溝が設けられている。この集束溝の形状、寸法は、陰極12と陽極14との間に高電圧が印加されたときに、フィラメント20の周辺にフィラメント20から放射された熱電子を集束するための集束電界が作られるように設計されている。ステム24は耐熱性ガラスなどの絶縁物から成り、大略円筒形状をしており、その内側にリード線封入部を有し、複数本のリード線26を真空気密に封入している。このリード線26は陰極電位およびフィラメント加熱電圧の供給と、集束電極22の支持などに用いられている。
陽極14はターゲット18とこれを埋設する陽極母材30とから構成される。ターゲット18はタングステンなどの高融点で高原子番号の材料から成り、長方形、または円形の板状体である。陽極母材30は銅などの高熱伝導率の金属材料から成り、大略円柱状の棒状体である。陽極母材30の陰極12に対向する面は傾斜しており、この傾斜面32にターゲット18が埋設されている。ターゲット18の陽極母材30への埋設は鋳造などによって行われる。陽極母材30の傾斜面32と反対側の端部(以下、陽極端という)34は傾斜面32側より少し細目の円柱状に加工されており、X線管外に露出され、この陽極端34に陽極電位が供給される。
外囲器16は、中央部のX線放射窓部36と、陰極絶縁部38と、陽極絶縁部40などから構成される。X線放射窓部36は金属部品から成り、陰極絶縁部38と陽極絶縁部40は耐熱性ガラスやセラミックなどの絶縁物から成る。X線放射窓部36は、円筒形状の金属筒42と、金属筒42の側面に結合されたコーン状の放射筒44と、放射筒44の底面に結合された円板状のX線窓46などから構成される。
金属筒42はステンレス鋼や銅などから成り、円筒の中央部の側面に放射筒44を結合するための大略円形の穴42aが開けられている。放射筒44はステンレス鋼などの鉄鋼材料から成り、大略円形リング状をした部分の中心部にコーン形状をした部分が結合されたような形状をしている。コーン形状をした部分の内周は、ターゲット18に近い側の底面の直径が小さく、ターゲット18から離れるにつれて直径が大きくなるようになっている。この放射筒44は、コーンの底面に相当する窓取付部48と、コーン形状をしているコーン状部50と、最も直径が大きく、装置(X線管装置やX線装置など)に取り付けるために用いられるフランジ部52の三つの部分に分けられる。窓取付部48には大きな穴48aが開けられており、その穴48aにX線窓46が結合されている。コーン状部50は、金属筒42の側面の穴42aに嵌め込まれて、その穴42aに接する外周面のほぼ中央部において、ろう付けなどによって金属筒42と結合されている。フランジ部52は大略円形リング状をしており、その平坦な上面には装置に取り付ける際の固定用のねじ穴52aや油密用(または気密用)Oリングを挿入するためのシール溝52bなどが設けられている。
X線窓46はベリリウムなどのX線透過性のよい金属材料から成り、放射筒44の窓取付部48に結合されている。X線窓46と窓取付部48との結合にあたっては、通常X線窓46を鉄やステンレス鋼などから成る窓枠にろう付けしておき、その窓枠と窓取付部48とを溶接する方法がとられている。また、X線窓46を窓取付部48に直接ろう付けする場合もある。
X線放射窓部36と陰極絶縁部38および陽極絶縁部40とは、X線放射窓部36の金属筒42の両端において、それぞれを突き合わせる形で結合されるが、両者の間には陰極絶縁部38や陽極絶縁部40を構成する絶縁材料となじみのよい金属材料から成る円筒54を介在させて結合されている。また、陰極絶縁部38の陰極側端部は陰極12のステム24と結合され、陽極絶縁部40の陽極側端部は陽極14の陽極端34の付け根に結合されている。陽極絶縁部40と陽極端34の付け根との間にも陽極絶縁部40の絶縁材料となじみのよい金属材料から成る円筒56が挿入されている。
X線管10の使用時には、陰極12と陽極14との間に高電圧が印加され、陰極12のフィラメント加熱電圧が印加されることにより、フィラメント20から熱電子が放出され、この熱電子は集束電極22で集束されて電子ビームを形成し、陽極14のターゲット18に衝突し、ターゲット18からX線を発生させる。ターゲット18のX線発生源(以下、焦点という)58から放出されたX線は外囲器16のX線放射窓部36のX線窓46を通して外部のX線放射方向(X線管軸方向と直交する方向)60に取り出される。
本実施例のX線管10では、X線放射窓部36はその構成要素である金属筒42と放射筒44とを結合するのに、金属筒42の穴42aに放射筒44のコーン状部50を嵌合させる形で結合させているため、放射筒44の窓取付部48に支持されるX線窓46および放射筒44のフランジ部52をターゲット18上の焦点58の位置に、非常に近接させて配設させることができる。この結果、ターゲット18上の焦点58からX線放射窓部36を通してX線放射方向60に放射されるX線の広がり(以下、X線照射野という)を、従来品に比べ格段に大きくすることができるようになった。
X線照射野の増大に関連するが、本発明では、X線放射角度について、従来品の約40度に対し、2倍以上の約80度以上にすることを目標としている。しかし、このX線放射角度は従来品より少しでも大きくなれば、X線検査には種々の点で有効である。このため、本実施例のX線管では、X線放射角度の実用的な範囲を下限側に余裕を見て、約70度以上とした。X線放射角度を約70度とした場合、X線照射野の直径は従来品に対し約2倍となる。
これを実現するために、本実施例のX線管10では、先ず第一に、陽極14のターゲット18を埋設した傾斜面32のX線放射方向60に対する傾斜角度(ターゲット角度)αを約35度以上にしている。第二に、外囲器16のX線放射窓部36において、放射筒44の内周側の焦点58を中心とする開き角度が約70度以上確保できるように、放射筒44の位置を焦点58に近づけると共に、放射筒44の内周の口径を大きくしている。特に、放射筒44を焦点58に近接させるために、放射筒44の外周を金属筒42の側面に設けた穴42aに直接結合している。
また、上記のX線放射角度を従来品の約40度の2倍以上である約80度以上とするためには、上記のターゲット角度αを約40度とし、外囲器16のX線放射窓部36における放射筒44の内周の焦点58を中心とする開き角度が約80度以上確保できるように、放射筒44の内周の口径を大きくすればよい。
図1において、X線放射窓部36の放射筒44のコーン状部50の形状については、図示ではコーン形状としたが、これに限定されず、筒形状のものであってもよい。また、コーン状部50の肉厚については、図示では直線的に変化するものとなっているが、一様なものでもよく、場所によって大きく変化するものであってもよい。しかし、このコーン状部50の内周の直径はX線放射窓部36を通して放射されるX線の放射角度を制限する要素となっているので、本実施例では、X線放射角度を所定の値、例えば80度に設定した場合、コーン状部50の長さ方向のそれぞれの位置での内周の直径、並びにフランジ部52の内周の直径は、焦点58からX線放射方向60に所定の値、例えば80度のX線放射角度で広がる円錐のそれぞれの位置で断面の直径より大きくなるように設定している。
図2は、本実施例のX線管と従来品のX線放射角度およびX線照射野の比較を示したものである。図2において、62は従来品のX線照射野であり、63は本実施例のX線照射野である。本実施例のX線管では、X線放射角度を約80度としており、従来品の約40度に対して約2倍になっている。焦点58から被検体までの距離を同じ値lとした場合、X線照射野の大きさは従来品の値S0に対し、本実施例では約5.3倍の値S(=5.3S)となる。また、従来品と同じ値SのX線照射野は従来品の半分以下の距離l(=0.43l)で得ることができる。
これらの結果から、本実施例のX線管を使用したX線検査においては、従来品に比べてより大きな被検体、例えば5倍以上の大きさの被検体の検査が可能となる。また、同じ大きさの被検体の検査を行う場合には、従来品より近接してX線検査ができるので、X線管への負荷入力を、従来品に対し例えば約1/5まで低減することができる。また、同じ大きさの被検体を、同じX線管への負荷入力で検査する場合には、従来品より短い時間、例えば約1/5の時間で検査することが可能となる。
図3には、本発明に係る固定陽極X線管の第2の実施例の全体構造図を示す。本実施例は、第1の実施例に対し、外囲器のX線放射窓部の構造が異なるもので、他の部分は第1の実施例と同じである。図3において、本実施例のX線管64では、外囲器66のX線放射窓部68は第1の実施例と同様に、金属筒42と、放射筒70と、X線窓46とから構成されるが、放射筒70の構造が第1の実施例のものとは異なる。すなわち、放射筒70を構成するフランジ部72の構造が第1の実施例のフランジ部52と異なり、装置への取付時の油密用(または気密用)Oリングを挿入するためのシール部をフランジ部72の円形の外周部に設けている。
図3において、X線放射窓部68の放射筒68は、第1の実施例と同様に、窓取付部48と、コーン状部50と、フランジ部72とから構成されるが、フランジ部72はその外周部に装置取付時の油密(または気密)のためシール部72aを有し、その上面に固定用のねじ穴72bが複数個設けられている。シール部72aは図示ではL字形の凹みとなっており、このL字形の凹みにOリングが嵌め合わされて、油密(または気密)構造となる。また、このシール部72aは溝形状にしてもよい。
本発明に係るX線管では、外囲器のX線放射窓部のX線放射方向の長さを短くするために、金属筒と放射筒とを直接ろう付けする方法を採用している。このため、金属筒や放射筒の材質、大きさ、厚さなどの組合せによっては、ろう付け時の熱的歪みにより、放射筒のフランジ部に、変形が生ずる場合がある。発明者の調査結果では、フランジ部の変形による寸法変化はフランジ部の寸法が大きい程大きく、また部位ではフランジ部の上面で大きく、外周面では小さくなり、上面での値の1/2以下になることが判った。このため、第2の実施例ではフランジ部72の外周部にシール部72aを設けることにより、装置取付時の油密(または気密)性を第1の実施例よりも向上させている。
図4は、本発明に係る固定陽極X線管の第3の実施例の構造図を示す。本実施例は第2の実施例に別のフランジ部を取り付けたものである。図4(a)は全体構造図、図4(b)は図4(a)の円A部の拡大図である。図4において、本実施例では、第2の実施例のX線管64の外囲器66のX線放射窓部68のフランジ部72に第二のフランジ部74が取り付けられている。この第二のフランジ部74は、第1の実施例のX線管10のX線放射窓部36のフランジ部52とほぼ同じ構造をしており、その上面において装置に取り付けられるようになっている。図4(b)において、第二のフランジ部74は、上面にOリングを挿入するためのシール溝74aと装置取付用のねじ穴74bを有し、裏面側にはX線管64本体のフランジ部72の外周72cと嵌合するシール面74cが設けられている。更に、その内周側には第二のフランジ部74をX線管64本体のフランジ部72に固定するためのねじ78を通す穴74dが複数個、フランジ部72のねじ穴72bの位置にあわせて開けられている。
X線管64への第二のフランジ部74の取付に際しては、先ずX線放射窓部68のフランジ部72の外周部に設けられたシール部72aにOリング76を装着し、次にフランジ部72を覆うように第二のフランジ部74を上方からかぶせ、フランジ部72の外周72cと第二のフランジ部74のシール面74cとを一致させて押し込む。このとき、第二のフランジ部74の穴74dの位置をフランジ部72のねじ穴72bの位置に合わせておく。次に、ねじ78をフランジ部72のねじ穴72bにねじ込み、第二のフランジ部74の押え面74cがフランジ部72の上面72dに接するまで、ねじ78を締め付ける。
本実施例の場合、X線管64本体のフランジ部72の上に、上面にシール溝74aを有する第二のフランジ部74がかぶせるような形で取り付けられているので、X線管の装置取付部であるX線放射窓部のフランジ部の構造が第1の実施例のX線管とほぼ同じになるため、第1の実施例のX線管や従来例と同様に、装置の板状壁面に取り付ける作業を容易に行うことができる。
本発明に係る固定陽極X線管の第1の実施例の全体構造図。 第1の実施例と従来品のX線放射角度およびX線照射野の比較を示した図。 本発明に係る固定陽極X線管の第2の実施例の全体構造図。 本発明に係る固定陽極X線管の第3の実施例の構造図。 従来の金属のX線放射窓部を用いた固定陽極X線管の一例の構造図。
符号の説明
10、64・・・固定陽極X線管(X線管)
12・・・陰極
14・・・陽極
16、66・・・外囲器
18・・・ターゲット
20・・・フィラメント
22・・・集束電極
24・・・ステム
30・・・陽極母材
32・・・傾斜面
36、68・・・X線放射窓部
38・・・陰極絶縁部
40・・・陽極絶縁部
42・・・金属筒
42a、48a、74d・・・穴
44、70・・・放射筒
46・・・X線窓
48・・・窓取付部
50・・・コーン状部
52、72・・・フランジ部
52b、74a・・・シール溝
58・・・焦点(X線発生源)
60・・・X線放射方向
72a・・・シール部
74・・・第二のフランジ部
74c・・・シール面
76・・・Oリング

Claims (2)

  1. 電子ビームを発生する陰極と、陰極からの電子ビームが衝突してX線を発生するターゲットを有し、全体として大略棒状体である陽極と、陰極と陽極とを対向させて絶縁支持し、真空気密に内包して、ターゲットで発生したX線をX線管の中心軸とほぼ直交する方向(以下、X線放射方向という)に引き出すために設けられた全体として金属材料から成るX線放射窓部を有する外囲器とを備えた固定陽極X線管において、X線放射窓部は陽極のターゲットの周辺を囲む円筒形状の金属筒と、ターゲット上のX線発生源(以下、焦点という)に近接して配設され、X線透過性の良い金属材料から成る板状体のX線窓と、X線窓を支持する窓取付部、X線管装置などに取り付けるための大略リング状をしているフランジ部、および窓取付部とフランジ部を接続し大略筒形状をしている筒状部を有する放射筒とから構成され、金属筒は長さ方向中央部の側面のX線放射方向に大略円形の穴を有し、放射筒の筒状部の内周の直径は窓取付部における値よりもフランジ部における値の方が大きくなっており、金属筒の穴に放射筒の筒状部が嵌合され、金属筒の穴と放射筒の筒状部の外周との接線で結合されていることを特徴とする固定陽極X線管。
  2. 請求項1記載の固定陽極X線管において、X線放射窓部の放射筒のフランジ部は円形リング状をしており、その外周に装置取付時にシール用部品を収容するためのシール溝を有することを特徴とする固定陽極X線管。
JP2004038486A 2004-02-16 2004-02-16 固定陽極x線管 Pending JP2005228696A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004038486A JP2005228696A (ja) 2004-02-16 2004-02-16 固定陽極x線管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004038486A JP2005228696A (ja) 2004-02-16 2004-02-16 固定陽極x線管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005228696A true JP2005228696A (ja) 2005-08-25

Family

ID=35003220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004038486A Pending JP2005228696A (ja) 2004-02-16 2004-02-16 固定陽極x線管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005228696A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007135811A1 (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Hamamatsu Photonics K.K. X線管及びそれを用いたx線照射装置
WO2009091044A1 (ja) * 2008-01-17 2009-07-23 Kabushiki Kaisha Toshiba X線管
WO2013130525A1 (en) * 2012-02-28 2013-09-06 X-Ray Optical Systems, Inc. X-ray analyzer having multiple excitation energy bands produced using multi-material x-ray tube anodes and monochromating optics
WO2017026140A1 (ja) * 2015-08-10 2017-02-16 東芝電子管デバイス株式会社 X線管、x線管装置、及びx線管装置の製造方法
CN110112047A (zh) * 2019-04-28 2019-08-09 温州市康源电子有限公司 一种工业用检测x射线管
KR20200116337A (ko) * 2019-04-01 2020-10-12 주식회사 디알텍 방사선 발생 장치
US10804065B2 (en) 2018-03-07 2020-10-13 Canon Electron Tubes & Devices Co., Ltd. X-ray tube

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101396026B1 (ko) 2006-05-18 2014-05-16 하마마츠 포토닉스 가부시키가이샤 X선관 및 그것을 이용한 x선 조사장치
JP2007311185A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Hamamatsu Photonics Kk X線管及びそれを用いたx線照射装置
WO2007135811A1 (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Hamamatsu Photonics K.K. X線管及びそれを用いたx線照射装置
TWI416574B (zh) * 2006-05-18 2013-11-21 Hamamatsu Photonics Kk X-ray tube and the use of this X-ray irradiation device
WO2009091044A1 (ja) * 2008-01-17 2009-07-23 Kabushiki Kaisha Toshiba X線管
JP2009170305A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Toshiba Corp X線管
US8031839B2 (en) 2008-01-17 2011-10-04 Kabushik Kaisha Toshiba X-ray tube
CN101911244B (zh) * 2008-01-17 2012-06-27 株式会社东芝 X射线管
US9449780B2 (en) 2012-02-28 2016-09-20 X-Ray Optical Systems, Inc. X-ray analyzer having multiple excitation energy bands produced using multi-material x-ray tube anodes and monochromating optics
CN104272424A (zh) * 2012-02-28 2015-01-07 X射线光学***公司 具有使用多材料x 射线管阳极和单色光学装置产生的多激励能带的x射线分析器
WO2013130525A1 (en) * 2012-02-28 2013-09-06 X-Ray Optical Systems, Inc. X-ray analyzer having multiple excitation energy bands produced using multi-material x-ray tube anodes and monochromating optics
WO2017026140A1 (ja) * 2015-08-10 2017-02-16 東芝電子管デバイス株式会社 X線管、x線管装置、及びx線管装置の製造方法
CN108028159A (zh) * 2015-08-10 2018-05-11 东芝电子管器件株式会社 X射线管、x射线管装置、以及x射线管装置的制造方法
US10636613B2 (en) 2015-08-10 2020-04-28 Canon Electron Tubes & Devices Co., Ltd. X-ray tube, X-ray tube device, and method of manufacturing X-ray tube device
CN108028159B (zh) * 2015-08-10 2020-11-03 佳能电子管器件株式会社 X射线管、x射线管装置、以及x射线管装置的制造方法
US10804065B2 (en) 2018-03-07 2020-10-13 Canon Electron Tubes & Devices Co., Ltd. X-ray tube
KR20200116337A (ko) * 2019-04-01 2020-10-12 주식회사 디알텍 방사선 발생 장치
KR102269004B1 (ko) 2019-04-01 2021-06-24 주식회사 디알텍 방사선 발생 장치
CN110112047A (zh) * 2019-04-28 2019-08-09 温州市康源电子有限公司 一种工业用检测x射线管
CN110112047B (zh) * 2019-04-28 2021-06-15 温州市康源电子有限公司 一种工业用检测x射线管

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9508524B2 (en) Radiation generating apparatus and radiation imaging apparatus
JP6039282B2 (ja) 放射線発生装置及び放射線撮影装置
KR101515049B1 (ko) 방사선 발생장치 및 방사선 촬영장치
US9831060B2 (en) X-ray generating apparatus and radiography system using the same
JP6327802B2 (ja) 放射線発生管及びそれを用いた放射線発生装置と放射線撮影システム
US9117621B2 (en) Radiation generating tube, radiation generating unit, and radiation image taking system
US10181390B2 (en) X-ray tube including support for latitude supply wires
JP6316019B2 (ja) X線発生管、該x線発生管を備えたx線発生装置及びx線撮影システム
KR101923837B1 (ko) 양극, 및 이를 이용한 x선 발생관, x선 발생 장치, 및 방사선촬영 시스템
WO2021015036A1 (ja) X線管
WO2006009053A1 (ja) 固定陽極x線管とそれを用いたx線検査装置及びx線照射装置
JP2016143602A (ja) 陽極及びこれを用いたx線発生管、x線発生装置、x線撮影システム
JP2019186095A (ja) X線管
JP2005228696A (ja) 固定陽極x線管
JP4919956B2 (ja) X線管及びx線管装置とx線管の製造方法
JP4526113B2 (ja) マイクロフォーカスx線管及びそれを用いたx線装置
JP4781156B2 (ja) 透過型x線管
JP2015076213A (ja) 放射線管、放射線発生装置及び放射線撮影システム
JP2015005337A (ja) 放射線発生ターゲット及びこれを用いた放射線発生管、放射線発生装置、放射線撮影システム
JP6611495B2 (ja) X線発生管、x線発生装置およびx線撮影システム
CN114551192A (zh) 冷阴极x射线管及x射线发生装置
JP2019133872A (ja) X線管