JP4913951B2 - 地点指定制御装置および地点指定制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に表示された道路地図上で所望の地点を指定する地点指定制御装置およびその制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能などを兼ね備えたカーナビゲーション装置が知られている。このカーナビゲーション装置では、例えば、推奨経路の演算において目的地や経由地を指定して登録する必要がある。この場合、目的地近辺の道路地図を表示して、表示された道路地図上においてカーソルで所望の地点を指定して登録する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、所望の地点を道路地図表示上でカーソルにより指定する場合、カーソルが指定している地点が果たして所望の地点かどうかを判断するのが困難であるという問題が生じていた。
【0004】
本発明の目的は、道路地図表示上で簡易にかつ正確に所望の地点を指定することができる地点指定制御装置を提供することにある。さらに、上記地点指定制御装置を制御するプログラムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、表示装置に表示された道路地図上で所望の地点を指定する地点指定制御装置に適用され、道路地図表示用データに基づき、表示装置上に道路地図を表示するように表示装置を制御する道路地図表示制御部と、表示された道路地図上で所望の地点を指定するためのカーソルを表示するように表示装置を制御するカーソル表示制御部と、表示された道路地図とカーソルとを相対的に移動させるために操作される入力装置と、表示された道路地図において、カーソルの位置から所定の範囲内に存在する複数の道路までの距離を演算する距離演算部と、距離演算部の演算結果に基づき、複数の道路のうちカーソルの位置に最も近い道路を特定する道路特定部と、道路地図の各道路の名称を格納した道路名称データに基づき、特定された道路の名称を取得し、表示装置上の所定の領域に特定された道路の名称を表示するように表示装置を制御する道路名称表示制御部と、カーソルが停止すると、第1の所定時間および第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を計時するタイマーを起動するタイマー部とを備え、距離演算部は、タイマーがカーソルが停止されてから第1の所定時間が経過したことを経時すると、カーソルの位置から所定の範囲内に存在する複数の道路までの距離を演算し、道路名称表示制御部は、タイマーがカーソルが停止されてから第2の所定時間が経過したことを経時すると、表示装置上の所定の領域に特定された道路の名称を表示するように表示装置を制御することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の地点指定制御装置において、道路地図表示制御部は、表示装置上に道路地図を表示するとき、所定の大きさよりも大きな道路について道路地図とともに当該道路の道路名称を表示し、道路名称表示制御部は、特定された道路が所定の大きさより小さい道路であっても表示装置上の所定の領域に特定された道路の名称を表示するように表示装置を制御することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の地点指定制御装置において、距離演算部は、カーソルの位置から複数の道路までの垂線の距離を距離として演算することを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の地点指定制御装置において、道路地図表示制御部は、特定された道路を他の道路と区別できるように表示するように表示装置を制御することを特徴とするものである。
【0006】
請求項5の発明は、表示装置に表示された道路地図上で所望の地点を指定する地点指定制御装置で実行される地点指定制御プログラムに適用され、道路地図表示用データに基づき、表示装置上に道路地図を表示するように表示装置を制御する道路地図表示制御手順と、表示された道路地図上で所望の地点を指定するためのカーソルを表示するように表示装置を制御するカーソル表示制御手順と、表示された道路地図とカーソルとを相対的に移動させるために操作される入力装置から操作指示を入力する入力手順と、表示された道路地図において、カーソルの位置から所定の範囲内に存在する複数の道路までの距離を演算する距離演算手順と、距離演算手順の演算結果に基づき、複数の道路のうちカーソルの位置に最も近い道路を特定する道路特定手順と、道路地図の各道路の名称を格納した道路名称データに基づき、特定された道路の名称を取得し、表示装置上の所定の領域に特定された道路の名称を表示するように表示装置を制御する道路名称表示制御手順と、カーソルが停止すると、第1の所定時間および第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を計時するタイマーを起動するタイマー手順とを実行させ、距離演算手順では、タイマーがカーソルが停止されてから第1の所定時間が経過したことを経時すると、カーソルの位置から所定の範囲内に存在する複数の道路までの距離を演算し、道路名称表示制御手順では、タイマーがカーソルが停止されてから第2の所定時間が経過したことを経時すると、表示装置上の所定の領域に特定された道路の名称を表示するように表示装置を制御することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態であるカーナビゲーション装置のブロック図である。カーナビゲーション装置は、車両の走行に関する情報を提示する機能、具体的には、車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能などを兼ね備えている。いわゆるナビゲーションあるいは道路案内などを行う装置である。
【0008】
図1において、1は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、例えば車両の進行方位を検出する方位センサ1a、車速を検出する車速センサ1b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ1c等から成る。2は道路地図データおよび道路名称データを格納する地図記憶メモリであり、道路地図データおよび道路名称データが格納された記録媒体であるCD−ROM14およびその読み出し装置から成る。記録媒体はCD−ROMに限定されず、磁気テープやDVDやその他のあらゆる記録媒体であってもよい。
【0009】
3は装置全体を制御する制御回路であり、マイクロプロセッサおよびその周辺回路から成る。制御回路3は、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して後述する各種の制御を行う。4は車両の目的地等を入力する各種スイッチを有する入力装置である。カーソルの移動や画面のスクロールを指示するジョイスティックを含む。なお、入力装置4をリモコン方式としてもよい。また、画面内にタッチパネルスイッチを設けてもよい。
【0010】
7は表示モニタ8に表示するための画像データを格納する画像メモリであり、この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データなどから作成される。画像メモリ7に格納された画像データは適宜読み出されて表示モニタ8に表示される。制御回路3は、表示モニタ8への表示用信号の出力装置として機能する。
【0011】
このように構成されるカーナビゲーション装置は、現在地検出装置1により取得した自車位置情報および地図記憶メモリ2に格納されている道路地図データに基づき各種のナビゲーションを行う。例えば、自車位置近辺の道路地図および自車位置を表示モニタ8に表示し、経路探索によって得られた経路に沿ってドライバーを誘導する。
【0012】
次に、本実施の形態で使用する道路地図表示用データおよび道路名称データについて説明する。地図記憶メモリ2に格納された道路地図データは、道路形状や道路種別に関する情報などから成る道路地図表示用データと、交差点の名称などから成る経路誘導データと、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成る経路探索用データなどから構成される。道路地図表示用データは主に表示モニタ8に道路地図を表示する際に用いられ、経路探索用データは主に推奨経路を演算する際に用いられ、経路誘導データは演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。
【0013】
このうち、道路地図表示用データのデータ構成について以下説明する。
【0014】
(1)リンク列データの概要
本実施の形態の道路地図表示用データは、道路地図を所定範囲ごとに区分けしたメッシュ領域ごとにデータを管理しており、メッシュ領域内に存在する各道路をそれぞれ別々のリンク列とする。例えば、図2に示すように、1つのメッシュ領域内で2本の道路D1、D2が交差している場合には、各道路をそれぞれ別々のリンク列1、2で表すものとし、リンク列1はリンク11、12で構成され、リンク列2はリンク21〜23で構成されるものとする。この場合、リンク列1の各リンク、あるいは、リンク列2の各リンクは同一種別の道路である。リンクは道路を表す最小単位であり、図2では交差点間を一つのリンクの単位とし、各リンクに固有の番号(以下、リンク番号と呼ぶ)をつけて区別する。図2の交差点、すなわち各リンクの接続点をノードN0〜N4で表している。ノードは各リンクの始点と終点でもあり、後述するように、ノード間をさらに細かく区分する補間点を設ける場合もある。
【0015】
(2)リンク列データのデータ構成
道路地図表示用データは、図3に示す通り、リンク列1、2〜nに関する各種情報を記述したリンク列データをリンク列ごとに設けて構成される。各リンク列のデータはリンク列情報とノードリンク情報とを有する。リンク列情報は図3にも示す通り次のデータから構成される。
<リンク列情報>
▲1▼リンク列サイズ
▲2▼要素点数
▲3▼リンク列属性
▲4▼道路名称オフセット
▲5▼路線番号
【0016】
またノードリンク情報は図3にも示す通り、次のデータから構成される。
<ノードリンク情報>
▲1▼属性1+X座標
▲2▼属性2+Y座標
▲3▼同一ノードオフセット
▲4▼誘導オフセット
▲5▼リンク番号
▲6▼高さ情報
【0017】
(3)リンク列情報について
図3において、リンク列サイズはリンク列データの収容サイズであり、この収容サイズにより次のリンク列データをすぐにアクセスすることができる。要素点数はノード点数と補間点数の合計を表すデータ、リンク列属性は国道、県道、高速道路などの道路の種別を表すデータ、路線番号は国道や県道の番号である。道路名称オフセットは道路名称が文字コードで格納されている記憶領域の先頭アドレスを示す。
【0018】
(4)ノードリンク情報について
ノードリンク情報は、ノードの位置座標X、Yと、ノードに接続されるリンクの属性と、同一ノードオフセットと、誘導オフセットと、ノードに接続されるリンク番号と、高さ情報(任意)とを有する。さらに、ノード間の道路の形状を補間するための補間点に関する補間点情報を有する場合もある。補間点情報は補間点の位置座標X、Yを有する。これらのノード情報および補間点情報は、リンクの接続順にデータが配置されている。このため、リンク列データを先頭アドレスから順に読み出すことで、リンク列全体の道路形状や道路種別等を検出できる。
【0019】
次に、道路名称データについて説明する。図4は、道路名称データの構成を示す図である。道路名称データには、各道路名称の文字コードが格納されている。上述したリンク列情報には、道路名称データがメモリに展開された場合に対応する道路名称データの先頭アドレスが格納されている。これにより、各リンク列の道路名称は容易に取得することが可能である。
【0020】
なお、リンク列は必ずしも常に道路名称を有しているとは限らない。そのような場合には、道路名称オフセットにはデータ無しのコードが格納される。また、道路名称は各リンク列単位で特定できるが、複数のリンク列が同一の道路名称を有する場合もある。例えば、「ABC街道」などのような長い道路が、複数のリンク列で表されている場合である。このような場合には、各リンク列は同一の道路名称オフセットを有する。
【0021】
また、リンク列と道路名称との対応づけは、必ずしも道路名称オフセットに格納されたメモリのアドレスによって行う必要はない。例えば、リンク列が固有のリンク列IDを有し、道路名称データはそのIDにより該当リンク列の道路名称が特定できる構成であってもよい。
【0022】
次に、上述した道路地図表示用データおよび道路名称データを使用して、経路探索の目的地を道路地図表示上で指定して登録する例を説明する。表示モニタ8に表示されたメニュー画面で「行き先の設定」(不図示)を選択し、「道路地図から」(不図示)を選択すると、道路地図表示用データを使用して現在地を中心とした道路地図が表示される。ジョイスティック4を操作することにより地図をスクロールさせ、所望の地点の道路地図を表示させる。
【0023】
図5は、本実施の形態で表示される道路地図表示の一例を示す図である。符号101は表示モニタ8の表示画面であり、符号102は十文字カーソルである。本実施の形態では、カーソル102は画面中心に固定して表示され、ジョイスティック4を上下、左右、斜めに倒すことにより地図をその方向にスクロールする。符号103の表示領域には、現在の操作に関するコメントが表示される。例えば「希望する地点まで地図をスクロールして、決定スイッチを押して下さい」などと表示される。決定スイッチとはジョイスティック4の上部に付いているスイッチで、地図のスクロール後、決定スイッチを押すと、カーソル102の位置に対応した地点が目的地として登録される。
【0024】
ここで、カーソル102の位置とは、図2に示す十文字カーソルの交点の位置のことを言う。また、登録はカーソル102の位置に最も近接した道路(リンク)上の地点が登録される。本実施の形態では、地図をスクロールして、スクロールを停止してから約1秒後に、カーソル102の位置に最も近接した道路103を青色かつブリンクさせて強調表示する。強調表示される道路103は、交差点(ノード)104から交差点(ノード)105までである。同時に、符号106の表示領域にその「道路名称」を表示する。図2では、「ABC通り」と表示されている。
【0025】
カーソル102の位置は、表示モニタ8に表示されている道路地図上の座標値として特定される。これは、表示されている道路地図表示用データに基づき計算により求めることができる。また、カーソル102の位置に最も近接した道路は次のようにして求める。まず、カーソル102の位置座標から表示モニタ8に表示されている道路地図内のすべての道路すなわちリンクに垂線をおろし、その垂線の距離を求める。垂線の距離が最も短いのが最も近接した道路(リンク)である。特定されたリンクから、そのリンクが所属するリンク列のリンク列情報より道路オフセットを取得する。この道路オフセットにより道路名称データにアクセスしてそのリンクの道路名称を取得し、表示モニタ8に表示する。これらの制御については、さらに後述する。
【0026】
ここで、特定された道路の強調表示を青色でするのは、通常の道路表示に青色を使用していないからである。すなわち、通常の道路表示で使用していない色を使用して強調表示する。また、スクロールが停止してから1秒後に上記のような表示をするのは、スクロール中に、スクロールに応じて強調表示および道路名称表示をその都度変化させていくのは、処理が追いつかないと同時に、使用者にとっても紛らわしい表示となってしまうからである。
【0027】
ユーザは、道路名称の表示および道路の強調表示から、所望の目的地が指定できたかどうかを判断する。指定できたことが確認できると、ジョイスティック4の決定スイッチを押して目的地を登録する。
【0028】
次に、図6〜図8を参照して、地図のスクロール操作およびカーソル102から最も距離の近い道路の名称表示および強調表示の制御について説明する。図6は、地図のスクロール操作とタイマー処理の制御について説明するフローチャートである。
【0029】
ステップS1では、道路地図のスクロール処理をする。経路探索の目的地設定モードで道路地図とカーソル102が表示された場合、ユーザはジョイスティック4を操作して道路地図をスクロール操作することができる。ステップS1では、ユーザのジョイスティック4の操作に応じてスクロール処理をする。ステップS2では、スクロール停止要求があったか否かを判断する。スクロール停止要求とは、ユーザがジョイスティック4の操作を止めた場合に発せられる。
【0030】
ステップS2でスクロール停止要求があったと判断するとステップS3に進み、ないと判断するとステップS1に戻り処理を繰り返す。ステップS3では、0.3秒タイマーを起動し、ステップS4では、1秒タイマーを起動する。ステップS5では、0.3秒タイマーが0.3秒経過したか否かを判断する。ステップS5で、0.3秒経過した(0.3秒タイマーのイベント発生)と判断すると図7のステップS11に進み、経過していないと判断するとステップS6に進む。ステップS6では、1秒タイマーが1秒経過したか否かを判断する。ステップS6で、1秒経過した(1秒タイマーのイベント発生)と判断すると図8のステップS21に進み、経過していないと判断するとステップS7に進む。
【0031】
ステップS7では、スクロールの開始要求があったか否かを判断する。ステップS7でスクロールの開始要求があったと判断するとステップS1に戻り、ないと判断するとステップS5に戻る。
【0032】
0.3秒タイマーを設けたのは、後述するように、該当する道路(以下、単にリンクと言う)を検索するのにはある程度時間がかかるため、スクロール停止後すぐにスクロール開始要求があった場合にその検索をしないようにするためである。また、1秒タイマーを設けたのは、スクロール停止ごとに(正確には上記の0.3秒経過ごとに)新たに表示を変更していたのでは、画面がちらついてユーザにとって見にくいものとなるからである。すなわち、スクロール連続操作時の画面のちらつきを防止するためである。
【0033】
ステップS5で0.3秒タイマーイベントが発生すると、図7のステップS11に進み、最も近接した道路の特定および道路名称の取得の処理に入る。ステップS11では、カーソル102の位置から、表示モニタ8に現在表示されているリンクまで垂線をおろしその距離を求める。道路地図表示データを使用して、カーソル102の道路地図上の座標を計算し、その座標からリンクまでの垂線距離を計算する。ステップS12では、対象とするすべてのリンクに対して計算が終了したかどうかを判断する。終了したと判断するとステップS13に進み、終了していないと判断するとステップS11に戻り処理を繰り返す。ここで、対象とするリンクとは、表示モニタ8に表示されている道路地図の範囲内にあるすべてのリンクとする。ただし、対象とする範囲をカーソル102から所定の距離の範囲内としても良い。
【0034】
ステップS13では、計算した垂線距離が一番小さいリンクを、カーソル102に最も近接したリンクとして特定する。通常、表示モニタに表示される道路地図には複数のリンクが表示されているので、この複数の中から特定することになる。なお、ここでいうリンクとは、前述した通り交差点と交差点で区切られる範囲の道路である。
【0035】
ステップS14では、特定されたリンクのリンク列情報より道路名称オフセットを取得し、その道路オフセットによりRAM13上に展開されている道路名称データにアクセスし、道路名称を取得する。その後、ステップS6に戻る。
【0036】
ステップS6で1秒タイマーイベントが発生すると、図8のステップS21に進み、特定したリンクおよび道路名称の表示処理に入る。ステップS21では、ステップS13で特定されたリンクを青色かつブリンク表示をする。すなわち、ユーザにとって認識しやすいように強調表示をする。次に、ステップS22において、ステップS14で取得した道路名称を表示モニタ8の画面上の所定の位置に表示する。強調表示および道路名称表示は、前述した図5の通りである。その後ステップS7に戻る。ステップS7では、処理をループさせて次のスクロールの開始要求があるまで待つ。ステップS5からステップS7をループさせているが、すでにタイマーイベントが発生した後は、その後各タイマーを起動していないので、ステップS7では、次のスクロールの開始を待つことになる。
【0037】
このようにして、カーソル102を使用して、表示された道路地図上で経路探索の目的地を指定する場合、カーソル102に最も近い道路(リンク)が強調表示され、しかもその道路名称が表示される。従って、所望の地点が簡易にかつ正確に指定することができる。特に、道路名称を表示するので、道路名称で地点を指定するのに便利な地域では特に有効である。例えば、京都などのように通り名で地点を指定するのに便利な地域では特に有効である。さらに、米国や諸外国で、ストリート名で地点を指定するのに便利なところでも有効である。
【0038】
また、道路地図表示する場合、大きな道路については画面上に地図の表示としてその道路名称が表示される場合もある。しかし、指定した道路が特定の表示領域に表示されるわけではない。一方、上記の実施の形態では、指定された道路に対応する道路名称が所定の表示領域に表示されるので、容易にかつ迅速に道路名称が確認できる。
【0039】
さらに、道路地図表示では、すべての道路に対する名称が表示される訳ではない。特に、道路名称は持っているが小さな通りの場合には、地図表示としては道路名称は表示されない。しかし、上記の実施の形態では、指定された道路が例え小さな通りであっても、所定の表示領域に道路名称が表示されるので、道路の確認が容易にかつ確実に行うことができる。
【0040】
なお、上記の実施の形態では、経路探索の目的地の指定および登録の例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。例えば、経路探索の経由地の指定にも利用できる。また、ユーザが任意に登録する地点登録機能にも利用できる。すなわち、表示された道路地図上で、地点を指定するようなあらゆる態様に本発明は適用することができる。
【0041】
また、上記の実施の形態では、道路をリンク、ノード、およびリンク列という概念を使用して表す例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。すなわち、道路をデータ処理できる形態で表す方法であればどのような内容であってもよい。
【0042】
また、上記の実施の形態では、カーソルを十文字カーソルの例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。すなわち、道路地図表示上で所望の地点を指定できる方法であればどのようなものでもよい。また、どのような方法でもよい。
【0043】
また、上記の実施の形態では、リンクを特定する場合に、各リンクに垂線をおろし垂線距離が最も短いリンクを特定する例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。他の方法でリンクを特定するようなものでもよい。また、最も近接したリンクを特定する方法として垂線をおろしているが、この内容に限定する必要はない。カーソルの位置からノードまでの距離が最も近いものを最も近接したリンクとしてもよい。すなわち、その実施の形態に即した最も適切な方法を選択すればよい。
【0044】
また、上記の実施の形態では、カーナビゲーション装置の例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。携帯用のナビゲーション装置にも本発明は適用できる。また、本明細書でいう道路とは、必ずしも車が通行する道路に限定する必要はない。登山道など人のみが通行できる道も本明細書でいう道路に該当する。また、道路は必ずしも戸外の道路に限定する必要はない。建物や施設内において、人が行き来できる通りもすべて本明細書でいう道路に該当する。
【0045】
また、上記の実施の形態では、カーナビゲーション装置の制御回路3が実行する制御プログラムはROM12に格納されている例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。制御プログラムやそのインストールプログラムをCD−ROM14などの記録媒体で提供してもよい。
【0046】
さらに、それらのプログラムをインターネットなどに代表される通信回線などの伝送媒体を介して提供することも可能である。すなわち、プログラムを、伝送媒体を搬送する搬送波上の信号に変換して送信することも可能である。図9はその様子を示す図である。カーナビゲーション装置21は上記に説明したカーナビゲーション装置であり、通信回線22との接続機能を有する。コンピュータ23はカーナビゲーション装置21用の制御プログラムを提供するサーバーコンピュータであり、そのプログラムが格納されている。通信回線22は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などである。通信回線202は、電話回線や携帯電話などの無線電話回線などを含む。
【0047】
なお、上述の制御プログラムをパソコン上で実行させてカーナビゲーション装置を実現するようにしてもよい。その場合、現在地検出装置1などはパソコンの所定のI/Oポートなどに接続するようにすればよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成しているので、次のような効果を奏する。
カーソルの位置から最も近いとして特定された道路の名称を、表示装置上の所定の領域に表示するようにするので、所望の地点が簡易にかつ正確に指定することができる。特に、道路名称(通り名など)で地点を指定するのに便利な地域ではきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるカーナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】メッシュ領域内で2本の道路が交差する例を示す図である。
【図3】道路地図表示用データの構成を示す図である。
【図4】道路名称データの構成を示す図である。
【図5】表示される道路地図表示の一例を示す図である。
【図6】地図のスクロール操作とタイマー処理の制御について説明するフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートから分岐する制御について説明するフローチャートである。
【図8】図6のフローチャートから分岐する制御について説明するフローチャートである。
【図9】プログラムを伝送媒体を介して提供する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 現在地検出装置
2 地図記憶メモリ
3 制御回路
4 入力装置
7 画像メモリ
8 表示モニタ
12 ROM
13 RAM
14 CD−ROM
21 カーナビゲーション装置
22 通信回線
23 コンピュータ
Claims (5)
- 表示装置に表示された道路地図上で所望の地点を指定する地点指定制御装置であって、
道路地図表示用データに基づき、表示装置上に道路地図を表示するように表示装置を制御する道路地図表示制御部と、
前記表示された道路地図上で前記所望の地点を指定するためのカーソルを表示するように前記表示装置を制御するカーソル表示制御部と、
前記表示された道路地図と前記カーソルとを相対的に移動させるために操作される入力装置と、
前記表示された道路地図において、前記カーソルの位置から所定の範囲内に存在する複数の道路までの距離を演算する距離演算部と、
前記距離演算部の演算結果に基づき、前記複数の道路のうち前記カーソルの位置に最も近い道路を特定する道路特定部と、
道路地図の各道路の名称を格納した道路名称データに基づき、前記特定された道路の名称を取得し、前記表示装置上の所定の領域に前記特定された道路の名称を表示するように前記表示装置を制御する道路名称表示制御部と、
前記カーソルが停止すると、第1の所定時間および前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を計時するタイマーを起動するタイマー部とを備え、
前記距離演算部は、前記タイマーが前記カーソルが停止されてから前記第1の所定時間が経過したことを経時すると、前記カーソルの位置から所定の範囲内に存在する複数の道路までの距離を演算し、
前記道路名称表示制御部は、前記タイマーが前記カーソルが停止されてから前記第2の所定時間が経過したことを経時すると、前記表示装置上の所定の領域に前記特定された道路の名称を表示するように前記表示装置を制御することを特徴とする地点指定制御装置。 - 請求項1記載の地点指定制御装置において、
前記道路地図表示制御部は、前記表示装置上に前記道路地図を表示するとき、所定の大きさよりも大きな道路について前記道路地図とともに当該道路の道路名称を表示し、
前記道路名称表示制御部は、前記特定された道路が前記所定の大きさより小さい道路であっても前記表示装置上の所定の領域に前記特定された道路の名称を表示するように前記表示装置を制御することを特徴とする地点指定制御装置。 - 請求項1または2記載の地点指定制御装置において、
前記距離演算部は、前記カーソルの位置から前記複数の道路までの垂線の距離を前記距離として演算することを特徴とする地点指定制御装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の地点指定制御装置において、
前記道路地図表示制御部は、前記特定された道路を他の道路と区別できるように表示するように前記表示装置を制御することを特徴とする地点指定制御装置。 - 表示装置に表示された道路地図上で所望の地点を指定する地点指定制御装置で実行される地点指定制御プログラムであって、
道路地図表示用データに基づき、表示装置上に道路地図を表示するように表示装置を制御する道路地図表示制御手順と、
前記表示された道路地図上で前記所望の地点を指定するためのカーソルを表示するように前記表示装置を制御するカーソル表示制御手順と、
前記表示された道路地図と前記カーソルとを相対的に移動させるために操作される入力装置から操作指示を入力する入力手順と、
前記表示された道路地図において、前記カーソルの位置から所定の範囲内に存在する複数の道路までの距離を演算する距離演算手順と、
前記距離演算手順の演算結果に基づき、前記複数の道路のうち前記カーソルの位置に最も近い道路を特定する道路特定手順と、
道路地図の各道路の名称を格納した道路名称データに基づき、前記特定された道路の名称を取得し、前記表示装置上の所定の領域に前記特定された道路の名称を表示するように前記表示装置を制御する道路名称表示制御手順と、
前記カーソルが停止すると、第1の所定時間および前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を計時するタイマーを起動するタイマー手順とを実行させ、
前記距離演算手順では、前記タイマーが前記カーソルが停止されてから前記第1の所定時間が経過したことを経時すると、前記カーソルの位置から所定の範囲内に存在する複数の道路までの距離を演算し、
前記道路名称表示制御手順では、前記タイマーが前記カーソルが停止されてから前記第2の所定時間が経過したことを経時すると、前記表示装置上の所定の領域に前記特定された道路の名称を表示するように前記表示装置を制御することを特徴とする地点指定制御プログラム。
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