JP4911402B2 - 移動無線通信システム及びその通信制御方法、移動端末、並びにプログラム - Google Patents

移動無線通信システム及びその通信制御方法、移動端末、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、移動無線通信システム及びその通信制御方法、移動端末、並びにプログラムに関し、例えば、自営用防災無線通信システムのように、VHF帯を用いた無線通信手段を具備した移動端末間で無線通信を行う場合に適用し得るものである。
従来、無線通信システムには、携帯電話のような移動端末と、移動端末の通信を中継する基地局とから構成されるものがある。このような無線通信システムにおいては、通信を行う場合、直接、移動端末同士が通信を行うのではなく、基地局が通信対象の移動端末の通信を中継して行われる。しかも、複数の基地局の伝搬状況を同時に観測し、ハンドオーバーと呼ばれる技術により、接続先の伝搬状況に応じて基地局を自動的に切り替えることで、移動端末は連続した通信を実現することができる。
このような無線通信システムとしては、例えば特許文献1、特許文献2に記載された無線通信システムが知られている。
しかしながら、上記無線通信システムでは、移動端末同士の通信は基地局を介して行うため、災害等で基地局が破損した場合には通信が行えなくなる。また、一定の範囲毎に一台以上の基地局を敷設する必要があるので、山岳地帯等においては、通常時の利用頻度を考慮すると、敷設するためのコストが大きく実用的とは言えない。
そこで、近年、アドホックネットワークを利用した通信形態が提案あるいは実現されている(例えば、特許文献3参照)。なお、アドホックネットワークとは、基地局が不要で、移動端末同士が直接又は他の移動端末を経由して通信を行うネットワークである。
例えば、第1の移動端末、第2の移動端末及び第3の移動端末を有するアドホックネットワークにおいて、第1の移動端末と第3の移動端末との間に、第2の移動端末が位置し、隣接する移動端末同士は直接通信ができ、第1の移動端末と第3の移動端末とは直接通信ができないものと仮定する。
そして、第1の移動端末が第3の移動端末と通信する場合の移動端末間の無線通信は、次のようにして行われる。
すなわち、第1の移動端末は第2の移動端末と直接通信を行うことが可能であるものの、電波の届く距離には限界があるため、第1の移動端末は第3の移動端末とは直接的に通信することができないので、第2の移動端末が通信の中継を行うことにより、第1の移動端末は、第2の移動端末を介して間接的に第3の移動端末と通信することができる。
この場合、第2の移動端末は、第1の移動端末及び第3の移動端末の存在を予め知っている必要があり、また、第1の移動端末は、第2の移動端末に中継を依頼することにより、第3の移動端末と通信が行えることが予め知っている必要がある。つまり、各移動端末は経路情報を基に通信するようにしている。
特開2005−176336号公報 特開2005−184160号公報 特開2005−303896号公報
しかしながら、従来のアドホックネットワークでは、中継する第2の移動端末の移動などにより、(1)第1の移動端末から送信される電波が第2の移動端末に到達しない場合、あるいは(2)第1の移動端末から送信される電波は第2の移動端末に到達するものの、第2の移動端末から送信される電波が第3の移動端末に到達しない場合、が発生することがある。
そして、第1の移動端末は、経路情報を基に、上記(1)の状態において、第2の移動端末との直接通信を実施すべく電波を送信し、あるいは上記(1)又は上記(2)の状態において、第2の移動端末を中継して第3の移動端末との通信(間接的な通信)を実施すべく電波を送信する、ことがある。
このことは、いずれの場合も、第1の移動端末は、第2の移動端末との直接通信、又は第3の移動端末との間接的な通信が不可能であるにも関わらず、無駄な電波を送信してしまうことを意味する。
このように、従来のアドホックネットワークでは、伝搬環境が悪化した場合、又は、通信相手先の移動端末(中継する移動端末も含む)が自端末から離れた場所に移動することで通信が不可能になった場合であっても、各移動端末は、例えば、伝搬環境が悪化した移動端末に対して、通信が可能か否かの判断を行うことなく、無駄な電波を送信することになる。
本発明は、無駄な電波の送信を抑制し全体のスループットを向上させることのできる移動無線通信システム及びその通信制御方法、移動端末、並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の本発明の移動無線通信システムは、無線通信を行う複数の移動端末を有する移動無線通信システムであって、(1)上記複数の移動端末のそれぞれは、所定のグループに属し当該所定のグループで共有する経路情報を管理すると共に無線通信を行う管理端末、上記所定のグループに属し上記管理端末から無線通信により通知される経路情報の情報に従って無線通信を行う従属端末、又は、いずれのグループに属さない独立端末の状態に遷移可能な端末として機能し、(2)上記管理端末と上記従属端末とで形成されるグループは複数存在し、(3)所定のグループに属する管理端末又は従属端末は、(3−1)近隣の端末であって他のグループに属する管理端末又は従属端末から送信された他のグループ内の他の端末に宛てたビーコンを傍受し、この傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した当該他のグループに関わる経路情報を基に、上記他のグループに対する通信を行うと共に、(3−2)傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した他のグループに関わる経路情報に基づいて、所有する経路情報の内容を更新すると共に、更新後の経路情報を含むビーコンを、上記所定のグループに属する他の端末へ送信することを特徴とする。
これにより、無線通信を行うことができる端末のみでグループを動的に形成することが可能となり、グループ内の端末同士の無線通信及びグループ間での端末同士の無線通信を確実に行うことができる。このため、無駄な電波の送信を抑制し全体のスループットを向上させることができる。
た、上記課題を解決するために、第2の本発明の移動無線通信システムの通信制御方法は、無線通信を行う複数の移動端末を有する移動無線通信システムの通信制御方法であって、(1)上記複数の移動端末のそれぞれは、所定のグループに属し当該所定のグループで共有する経路情報を管理する管理端末、上記所定のグループに属し上記管理端末から通知される経路情報の情報に従って無線通信を行う従属端末、及び、いずれのグループに属さない独立端末、の3つの端末の状態に遷移可能な端末として機能し、通信可能な管理端末、又は、通信可能な管理端末及び従属端末のみが所属するグループを動的に構築し、この構築されたグループに属する端末は当該グループに関わる経路情報に基づいて無線通信を行い、(2)上記管理端末と上記従属端末とで形成されるグループは複数存在し、(3)所定のグループに属する管理端末又は従属端末は、(3−1)近隣の端末であって他のグループに属する管理端末又は従属端末から送信された他のグループ内の他の端末に宛てたビーコンを傍受し、この傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した当該他のグループに関わる経路情報を基に、上記他のグループに対する通信を行うと共に、(3−2)傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した他のグループに関わる経路情報に基づいて、所有する経路情報の内容を更新すると共に、更新後の経路情報を含むビーコンを、上記所定のグループに属する他の端末へ送信することを特徴とする。
これにより、無線通信を行うことができる端末のみでグループを動的に形成することが可能となり、グループ内の端末同士の無線通信及びグループ間での端末同士の無線通信を確実に行うことができる。このため、無駄な電波の送信を抑制し全体のスループットを向上させることができる。
た、上記課題を解決するために、第3の本発明のプログラムは、無線通信可能なコンピュータに状態遷移条件を予め記憶させておき、(1)上記コンピュータを、上記状態遷移条件に従って、無線ネットワークに接続可能であって、無線通信を実行する無線通信モードと無線通信以外の所定の処理を実行する処理モードとを有し、上記処理モードが指定されたときは所定の処理を実行する移動端末、上記無線通信モードが指定されたときは、上記移動端末を、所定のグループに属し当該所定のグループで共有する経路情報を管理すると共に無線通信を行う管理端末、上記所定のグループに属し上記管理端末から無線通信により通知される経路情報の情報に従って無線通信を行う従属端末、又は、いずれのグループに属さない独立端末として機能させ、(2)上記管理端末と上記従属端末とで形成されるグループが複数存在するときには、所定のグループに属する管理端末又は従属端末として機能する上記コンピュータを、近隣の端末であって他のグループに属する管理端末又は従属端末から送信された他のグループ内の他の端末に宛てたビーコンを傍受し、この傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した当該他のグループに関わる経路情報を基に、上記他のグループに対する通信を実行させると共に、傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した他のグループに関わる経路情報に基づいて、当該ビーコンを傍受した端末が所有する経路情報の内容を更新すると共に、更新後の経路情報を含むビーコンを、上記所定のグループに属する他の端末へ送信させるように機能させることを特徴とする。
ることを特徴とする。
これにより、無線通信可能なコンピュータを、移動端末、管理端末、従属端末、又は独立端末として機能させるプログラムを提供することができる。
本発明によれば、無線通信を行うことができる端末のみでグループを動的に形成することができ、しかも、無線通信を行うことができる管理端末及び従属端末のみでグループを再構築することができ、これにより無駄な電波の送信を抑制し全体のスループットを向上させることができる。
また、本発明によれば、隣接する複数のグループ内の端末が、お互いに他のグループに属する端末に関する経路情報を取得して、この取得した各経路情報に基づき中継通信することにより、全体の通信範囲を拡大させることができる。
さらに、本発明によれば、送信元の端末は、他の端末が送信しているビーコンを常に傍受することにより、送信先としての所望の端末との通信を実施する前に、所望の端末に関する経路情報を取得し認識することができる。そのため、送信元の端末は、送信先としての所望の端末の経路情報を知らなかった場合に、例えば当該所望の端末を探索するための探索用のパケットをブロードキャストにより送信する必要がないので、全体のトラフィック量を抑制することができる。
さらに、本発明によれば、管理端末、従属端末、又は独立端末の状態に遷移する移動端末、及び無線通信可能なコンピュータを、移動端末、管理端末、従属端末、又は独立端末として機能させるプログラムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつ、さらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の構成要素には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
本発明に係る移動無線通信システムにおいては、複数の移動端末が自律的に無線通信網、例えば、アドホックネットワークを構築するようになっている。各移動端末は、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(個人用情報端末:Personal Digital Assistant)、携帯電話等のような携帯型情報端末機器だけではなく、自動車等の車両など移動体に搭載された無線通信装置も含まれる。
(A)第1の実施形態
第1の実施形態では、複数の移動端末で形成されるグループ内で移動端末同士が通信を行う場合について説明する。
(A−1)移動無線通信システムの構成
図2は、第1の実施形態に係る移動無線通信システムの構成例を示している。図2において、グループ40は、複数の移動端末(以下、「端末」という。)10、20、30から構成されている。
各端末10〜30は、無線通信網(例えば、アドホックネットワーク)に接続可能であり、無線通信を実行する無線通信モードと無線通信以外の所定の処理を実行する処理モードとを有している。各端末10〜30は、図示しないキーなどの操作部による操作により、処理モードが指定されたときは、スケジューリング管理、文書作成など所定の処理を実行し、一方、無線通信モードが指定されたときは、IEEE802.11準拠などのリモート通信用の無線通信プロトコルを用いて無線通信を実行する。
この第1の実施形態においては、各端末10〜30は、無線通信モードが指定された場合、すなわち、無線通信を実行する場合、管理端末、従属端末及び独立端末という3つの端末の状態に遷移可能な端末として機能する。
グループは、ルーティングテーブルを管理すると共に無線通信を行う管理端末と、この管理端末から無線通信により通知されるルーティングテーブルの情報に従って無線通信を行う従属端末とで形成される。第1の実施形態では、グループは、1つの管理端末と複数の従属端末とから構成される。
管理端末は、グループで共有するルーティングテーブルを作成して管理し、このルーティングテーブルの情報を含むビーコン(又は制御パケット)を当該グループに属する従属端末へ送信して、現時点のルーティングテーブルの情報を従属端末へ通知する。このビーコンは、定期的に従属端末へ通知(送信)されるようになっている。すなわち、最新のルーティングテーブルの情報が従属端末へ通知されることになる。
従属端末は、管理端末からのビーコンを受信し、受信したビーコンに含まれるルーティングテーブルの情報を基に中継通信を行う。
独立端末は、ある時点で、いずれのグループにも属しておらず、周りの(近隣の)管理端末を探索してグループへの参入を試みる。
端末の状態には、図1の状態遷移図に示すように、管理端末201、従属端末202、又は独立端末203として振る舞う3種類の状態がある。
管理端末201は、一定の時間内に、当該管理端末201が所属するグループに属する従属端末202からのビーコン(従属端末202が管理端末201に対して送信するビーコン)を受信した場合には、当該管理端末201の状態を継続する(204)。管理端末201は、通信可能な従属端末202が1台でも存在する場合には、管理端末201の状態を継続する。また、管理端末201は、当該管理端末201が所属するグループからの従属端末202の離脱により、一定の間、当該グループに属する従属端末202が1台も存在しなくなった場合には、独立端末203に状態を遷移させる(205)。
従属端末202は、一定の時間内に、当該従属端末202が所属するグループに属する管理端末201からのビーコン(管理端末201が従属端末202に対して送信するビーコン)を受信した場合には、従属端末202の状態を継続する(206)。また、従属端末202は、管理端末201から送信されるビーコンを一定の時間内に受信することができない場合には、独立端末203に状態を遷移させる(207)。
独立端末203は、近隣の管理端末201を探索している間、独立端末203の状態を継続する(208)。また、独立端末203は、管理端末201の探索に成功して、その管理端末201が所属するグループへの参入が許可された場合には、従属端末202に状態を遷移させる(209)。ここで、グループの参入の方法については限定しない。さらに、独立端末203は、管理端末201の探索を一定の時間だけ実施しても、管理端末201を発見することができなかった場合には、管理端末201に状態を遷移させる(210)。
次に、端末の存在を確認するために利用されるビーコンのフォーマット例について説明する。
図3は、管理端末が従属端末に対して送信するビーコン(以下、「管理端末ビーコン」と呼ぶ)のフォーマットの一例を示している。図3において、管理端末ビーコン300は、パケットタイプ301、送信元アドレス302、位置情報303及びルーティングテーブル304から構成される。
パケットタイプ301には、他のパケットと区別するための識別番号が設定(記述)される。ここでは、管理端末ビーコンのパケットタイプを「1」(図3ではPT=1)とする。送信元アドレス302には、当該管理端末(自端末)のアドレスが設定される。位置情報303には、GPS等から取得する当該管理端末の位置を示す位置情報が設定される。ルーティングテーブル304には、当該管理端末が管理している全ての従属端末との通信を実施するための経路情報が設定される。ルーティングテーブル304に設定される従属端末までの経路情報の数は、管理する従属端末の数に応じて可変的に増加することができる。
図4は、従属端末が管理端末に対して送信するビーコン(以下、「従属端末ビーコン」と呼ぶ)のフォーマットの一例を示している。従属端末ビーコン400は、図4に示すように、パケットタイプ401、送信元アドレス402、送信先アドレス403及び位置情報404から構成されている。
パケットタイプ401には、他のパケットと種類を区別するための識別番号が設定(記述)される。ここでは、従属端末ビーコンのパケットタイプを「2」(図4ではPT=2)とする。送信元アドレス402には、当該従属端末(自端末)のアドレスが設定される。送信先アドレス403には、当該従属端末が所属するグループに属している管理端末のアドレスが設定される。位置情報404には、GPS等から取得する当該従属端末の位置を示す位置情報が設定される。
次に、移動端末の構成について、図5を参照して説明する。ここでは、図2に示した端末(移動端末)10の構成について説明するが、他の移動端末も同様の構成になっている。
移動端末10は、図5に示すように、アンテナ110、無線送受信部120、通信処理部130、プログラム記憶部140、制御部150、記憶部160、位置情報検出部170及びタイマー180を備えている。
アンテナ110は、他の移動端末との間で無線信号を送受信するものである。
無線送受信部120は、通信処理部130から供給される送信信号に所定の変調処理を施して、変調後の信号をアンテナ110へ出力すると共に、アンテナ110を介して受信された受信信号に所定の復調処理を施して復調信号を生成しこれを通信処理部130へ出力する。
また、無線送受信部120は、データ(例えばビーコン)を受信したときの当該データに関わる受信電力を検知する受信電力検知機能を有している。その検知した受信電力情報は、通信処理部130を介して制御部150へ通知される。
通信処理部130は、IEEE802.11準拠などのリモート通信用の無線通信プロトコルを処理すると共に、無線送受信部120からの受信電力情報を制御部150へ渡す。
プログラム記憶部140には、後述する端末の処理の処理手順(図7〜図9参照)に対応するプログラム(ソフトウェア)、移動端末を管理端末、従属端末及び独立端末の3つの端末の状態に遷移可能な端末として機能させるためのプログラム、オペレーティングシステム(OS)あるいはリアルタイムOSなど、各種のプログラムが格納されている。プログラム記憶部140は、例えば、ROM、小型のハードディスクなどの記憶媒体で実現される。
記憶部160は、ルーティングテーブルが記憶されるルーティングテーブル記憶領域161と、自端末(移動端末10)の位置を示す位置情報が記憶される位置情報記憶領域162と、自端末の状態、すなわち、管理端末の状態、従属端末の状態、及び独立端末の状態のいずれかの端末の状態を示す情報(端末状態情報)が記憶される端末状態記憶領域163と、制御部150がデータ処理する際に必要なデータ、例えば、受信データ(パケット、ビーコンなど)や送信データ(パケット、ビーコンなど)などが一時的に記憶されるワークエリア164などを有している。記憶部160は、例えば、RAM、EEPROMなどで実現される。
なお、ルーティングテーブル記憶領域161の記憶内容は、最新のルーティングテーブルが記憶されるように適宜更新される。位置情報記憶領域162の記憶内容は、自端末の移動に伴って変化する当該自端末の最新の位置を示す位置情報が記憶されるように適宜更新される。端末状態記憶領域163の記憶内容は、遷移する自端末の状態を示す情報が記憶されるように適宜更新される。
位置情報検出部170は、定期的に、例えば、GPS(全地球測位システム)衛星からの受信電波などを利用して自端末(移動端末10)の位置を検出する。この検出された位置情報は、制御部150によって位置情報記憶領域162に格納される。移動する移動端末10においては、定期的に位置情報検出部170が自端末の位置を検出することで、移動に伴って変化する自端末の最新の位置を示す位置情報が位置情報記憶領域162に記憶されることになる。
タイマー180は、管理端末又は従属端末について、その存在を確認するためのタイマーであり、制御部150によって起動されて、予め設定された初期値(タイマー値)からデクリメントし、一定の時間を計時する。また、タイマー180のタイマー値は制御部150によって元の初期値にリセットされるようになっている。このタイマー値は制御部150によって取得される。
制御部150は、プログラム記憶部140に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、後述する端末の処理の処理手順(図7〜図9参照)に基づく処理、移動端末を、管理端末、従属端末及び独立端末の3つの端末の状態に遷移可能な端末として機能させるためのプログラムに対応する処理を含む、所定の処理を遂行する。制御部150は、例えばCPUなどの制御手段で実現される。
なお、制御部150は、図示していないが、受信したデータ(パケットやビーコンなど)を解析する解析機能と、送信すべきデータ(パケットやビーコンなど)を作成するデータ作成機能と、ルーティングテーブルを作成して管理するルーティングテーブル管理機能と、通信処理部130から渡された受信電力情報(受信電力値)が所定の閾値以上か否かを判断する判断機能と、位置情報検出部170からの位置情報を取得し、この位置情報を記憶部160に書き込む位置情報取得機能と、タイマー180を起動させてタイマー180からタイマー値を取得するタイマー値取得機能とを有している。
また、制御部150は、移動端末を管理端末、従属端末及び独立端末の3つの端末の状態に遷移可能な端末として機能させるために、次の(1)〜(3)の処理を実行する。
(1)管理端末の状態に遷移している場合の処理
(1−1)所定のグループに属する任意の従属端末から送信されたビーコン(従属端末ビーコン)を一定の時間内に受信した場合には、当該管理端末の状態を継続させる。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、管理端末の状態を示す情報のままである。なお、従属端末ビーコンを一定の時間内に受信したか否かは、タイマー180から取得したタイマー値を参照することで判断する(以下、この処理において同じ)。
(1−2)所定のグループに属する任意の従属端末から送信された従属端末ビーコンを一定の時間内に受信したときの当該従属端末ビーコンに関わる受信電力が所定の閾値に達している場合には、当該管理端末の状態を継続する。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、管理端末の状態を示す情報のままである。なお、従属端末ビーコンに関わる受信電力は、通信処理部130を介して無線送受信部120から通知される値(受信電力値)とする(以下、この処理において同じ)。
(1−3)任意の従属端末から送信された従属端末ビーコンを一定の時間内に受信しなかった場合には、当該任意の従属端末は自律的に所定のグループから離脱したものとみなす。
(1−4)任意の従属端末から送信された従属端末ビーコンを一定の時間内に受信したときの当該従属端末ビーコンに関わる受信電力が所定の閾値に達していない場合、又は、任意の従属端末から送信された従属端末ビーコンを一定の時間内に受信できなかった場合には、任意の従属端末は自律的に所定のグループから離脱したものとみなす。
(1−5)所定のグループに属する全ての従属端末に関し、当該従属端末から送信された従属端末ビーコンを一定の時間内に受信しなかった場合には、管理端末から独立端末に状態を遷移させる。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、独立端末の状態を示す情報に更新される。
(1−6)所定のグループに属していた全ての従属端末が自律的に所定のグループから離脱し、所定のグループ内に従属端末が存在しなくなったときは、管理端末から独立端末に状態を遷移させる。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、独立端末の状態を示す情報に更新される。
(2)従属端末の状態に遷移している場合の処理
(2−1)管理端末から送信されたビーコン(管理端末ビーコン)を一定の時間内に受信した場合には、当該従属端末の状態を継続させる。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、従属端末の状態を示す情報のままである。なお、管理端末ビーコンを一定の時間内に受信したか否かは、タイマー180から取得したタイマー値を参照することで判断する(以下、この処理において同じ)。
(2−2)管理端末から送信された管理端末ビーコンを一定の時間内に受信したときの当該管理端末ビーコンに関わる受信電力が所定の閾値に達している場合には、当該従属端末の状態を継続させる。なお、この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、従属端末の状態を示す情報のままである。また、管理端末ビーコンに関わる受信電力は、通信処理部130を介して無線送受信部120から通知される値(受信電力値)とする(以下、この処理において同じ)。
(2−3)管理端末から送信された管理端末ビーコンを一定の時間内に受信しない場合には、従属端末から独立端末に状態が遷移させる。なお、この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、独立端末の状態を示す情報に更新される。
(2−4)管理端末から送信された管理端末ビーコンを一定の時間内に受信したときの当該管理端末ビーコンに関わる受信電力が所定の閾値に達していない場合、又は、管理端末から送信された管理端末ビーコンを受信できなかった場合には、従属端末から独立端末に状態を遷移させる。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、独立端末の状態を示す情報に更新される。
(3)独立端末の状態に遷移している場合の処理
(3−1)無線通信により近隣の管理端末を探索している期間中は独立端末の状態を継続させる。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、独立端末の状態を示す情報のままである。
(3−2)探索により発見した管理端末から当該管理端末の所属するグループへの参入が許可された場合には、独立端末から従属端末に状態を遷移させる。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、従属端末の状態を示す情報に更新される。
(3−3)探索により発見した管理端末から当該管理端末の所属するグループへの参入が許可されない場合、又は、探索した結果、管理端末を発見できなかった場合には、独立端末から管理端末に状態を遷移させる。この場合、記憶部160の端末状態記憶領域163の記憶内容は、管理端末の状態を示す情報に更新される。
(A−2)移動無線通信システムの処理動作
次に、第1の実施形態に係る移動無線通信システムの通信制御方法に従った処理動作について説明する。
ここでは、移動無線通信システムにおいて、グループ104は、図6に示すように、1つの管理端末としての端末(移動端末)102と、複数の従属端末としての端末(移動端末)101、103とから構成されているものとする。
なお、図6において、端末101は図2の移動端末10に対応し、端末102は図2の移動端末20に対応し、端末103は図2の移動端末30に対応し、グループ104は図2のグループ40に対応している。
これら各端末101〜103は電源がON状態で稼動中であるとする。また、各端末101〜103は、記憶部160の端末状態記憶領域163には、自端末(移動端末)の状態(管理端末の状態、従属端末の状態、独立端末の状態のいずれかの端末の状態を示す情報)が記憶されているので、現在時点で自端末はいずれの端末の状態であるかを認識することができる。
なお、第1の実施形態においては、端末を起動(電源ON状態)又は無線通信モードが指定された時点では、デフォルトで独立端末の状態に設定されるようになっている。勿論、端末状態記憶領域163には独立端末の状態を示す情報が記憶されている。
管理端末の処理について図6及び図7を参照して説明する。図7は、管理端末の処理の処理手順を示すフローチャートを示している。
図7に示すように、管理端末(管理端末の状態に遷移した(遷移している)移動端末)102は、自己が管理しているルーティングテーブル、つまり、記憶部160のルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブルを基に、図3に示したフォーマットに従う管理端末ビーコン300をグループ104に属する従属端末へ送信する(ステップS101)。このとき、タイマー180は制御部150によって起動され、所定のタイマー値(初期値)からデクリメントする。この場合、タイマー180は、従属端末について、存在を確認するためのタイマーとして機能する。
なお、管理端末ビーコンは、一定の間隔、ランダムな間隔、あるいは衝突回避アルゴリズム等で決定される間隔で送信されるようにしても良い。
管理端末102は、例えば、グループへの参加を依頼する旨及び依頼元の移動端末(つまり独立端末の状態)を示す情報(アドレス)を含むパケット(以下、「参加依頼パケット」という)を基に、近隣の端末の中に、グループ104への参入を依頼している独立端末が存在するか否かの確認を行う(ステップS102)。なお、独立端末の存在を確認する方法やグループへの参入の方法については限定しない。
管理端末102は、ステップS102において、受信した参加依頼パケットを基に、参入を依頼している独立端末が存在していると判断した場合には、その独立端末に対しグループ104への参入を許可し、ルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブルを更新する(ステップS103)。この場合、参入が許可された端末(参入が許可された独立端末は従属端末の状態に遷移する)に関する経路情報がルーティングテーブルに追加される。
管理端末102は、ステップS102において、一定の時間内に参加依頼パケットを受信しなかったのでグループ104への参入を依頼している独立端末が存在しないと判断した場合、ステップS103を終了した場合には、ステップS101において送信された管理端末ビーコンの送信先である従属端末から送信された従属端末ビーコンを受信した否かの確認を行う(ステップS104)。
ここで、管理端末102は、受信したデータ(パケット)を参照して、図4に示したフォーマットでの従属端末ビーコン400において、パケットタイプ401の値が2(つまりPT=2)であること、送信元アドレス402が従属端末のアドレスであること、及び送信先アドレス403が当該管理端末102であることにより、従属端末であることの確認ができる。
ところで、管理端末102は、受信したデータ(パケット)を基に、ステップS104において従属端末ビーコンを受信したと判断した場合には、タイマー180の現在のタイマー値を記憶部160のワークエリア164に一時的に保存した後、そのタイマー180を元の初期値にリセットすると共に(ステップS105)、一時的に保存したタイマー180(従属端末の存在を確認するためのタイマー)のタイマー値を確認する(ステップS106)。
管理端末ビーコンの送信タイミングで起動されたタイマー180は時間の経過と共にデクリメントされるようになっているので、管理端末102は、一時的に保存したタイマー値が所定の値(例えば「0」)に達している場合には、タイムアウトであると判断する。なお、ステップS104において従属端末ビーコンが受信されなかった場合には、タイムアウトであるとみなされる。
さて、管理端末102は、ステップS106において、タイムアウトであると判断した場合、あるいはステップS104において従属端末ビーコンを受信しなかったのでタイムアウトであるとみなした場合には、該当する従属端末に関する情報(経路情報)を、ルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブルから削除する(ステップS107)。
なお、第1の実施形態においては、タイムアウトであると判断された(あるいはタイムアウトであるとみなされた)従属端末については、管理端末102は、当該管理端末(自端末)との通信が不可能になったと判断し、しかも自律的に当該グループから離脱したものとみなすようになっている。
次に、ステップS106において、一時的に保存したタイマー180のタイマー値が所定の値に達していない場合(残り時間がある場合)、あるいはステップS107を終了した場合、管理端末102は、ルーティングテーブルに記述されている全ての従属端末についてチェックしたか否かを判断し(ステップS108)、チェックすべき従属端末が存在する場合には、次の従属端末についてチェックするために上記ステップS101に戻り、このステップ以降を実行する。
一方、ステップS108において、全ての従属端末についてチェックしたと判断した管理端末102は、ルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブルを参照して、自端末が属するグループ104内に、管理すべき従属端末が存在する否かの確認を行う(ステップS109)。
そして、管理端末102は、管理すべき従属端末の数を確認した結果、グループ104内に1台でも管理すべき従属端末が存在する場合には、引き続き当該管理端末の状態を維持し(ステップS110)、一方、従属端末が自律的にグループ104から離脱し、グループ104内に管理すべき従属端末が存在しない場合には、グループ104を解散し、自ら独立端末に状態を遷移させる(ステップS111)。
なお、管理端末から独立端末に状態が遷移した場合には、端末状態記憶領域163の記憶内容は独立端末の状態を示す情報に更新され、後述する独立端末の処理(図9参照)が実行されることになる。
ここで、具体例を挙げて説明する。例えば、図6に示す例では、管理端末102は、最初に、従属端末101に対し管理端末ビーコンを送信して当該従属端末101の所在の確認を実行し、次に、従属端末103に対し管理端末ビーコンを送信して当該従属端末103の所在の確認を実行する。
そして、管理端末102は、少なくとも従属端末101及び従属端末103のいずれかの端末からの従属端末ビーコンを、一定の期間内に受信した場合には、当該管理端末の状態を維持し、一方、従属端末101からの従属端末ビーコン及び従属端末103からの従属端末ビーコンも一定の期間内に受信しなかった場合には、独立端末に状態を遷移させる。
なお、上述した管理端末の処理においては、管理端末102は、上記ステップS104での従属端末ビーコンを一定の時間内に受信した否かに応じて、管理端末の状態を維持あるいは独立端末の状態に遷移するようになっているが、従属端末ビーコンを一定の時間内に受信したか否かの判断処理に加えて、従属端末ビーコンを受信した場合には、その従属端末ビーコンに関わる受信電力の値が所定の閾値に達しているか否かの判断処理を実行するようにしても良い。
すなわち、管理端末102は、ステップS104において、従属端末ビーコンを受信したと判断した場合には、その従属端末ビーコンに関わる受信電力の値が所定の閾値に達しているか否かを判断し、その受信電力値が所定の閾値に達している場合には、ステップS105に進み、一方、受信電力値が所定の閾値に達していない場合には、従属端末ビーコンを受信しなかったものとみなして、ステップS106に進む。
当然、この場合も、ステップS106において、タイマー値が所定の値(例えば「0」)に達している場合、あるいは従属端末ビーコンを受信しなかったものとみなされた場合には、タイムアウトであると判断されて、ステップS107が実行されることになる。
次に、従属端末の処理について、図6及び図8を参照して説明する。図8は、従属端末の処理の処理手順を示すフローチャートを示している。
ここでは、図6に示す例において従属端末103の処理について説明するが、従属端末101も同様の処理を実行する。
従属端末(従属端末の状態に遷移した(遷移している)移動端末)103は、図4に示したフォーマットの従属端末ビーコン400を、自端末が所属するグループ104に属している管理端末102へ送信する(ステップS201)。このとき、タイマー180は制御部150によって起動され、所定のタイマー値(初期値)からデクリメントする。この場合、タイマー180は、管理端末についての存在を確認するためのタイマーとして機能する。
なお、従属端末ビーコンは、一定の間隔、ランダムな間隔、あるいは衝突回避アルゴリズム等で決定される間隔で送信されるようにしても良い。
次、従属端末103は、グループ104の管理端末102から送信された管理端末ビーコン(図7のステップS101において送信される管理端末ビーコン)を受信したか否かの確認を行う(ステップS202)。
ここで、従属端末103は、受信したデータ(パケット)を参照して、図3に示したフォーマットの管理端末ビーコン300において、パケットタイプ301の値が1(つまりPT=1)であること、及び送信元アドレス302が管理端末102のアドレスであることにより、管理端末ビーコンであることの確認ができる。
ところで、従属端末103は、受信したデータ(パケット)を基に、ステップS203において、管理端末ビーコンを受信したと判断した場合には、タイマー180の現在のタイマー値を記憶部160のワークエリア164に一時的に保存した後、そのタイマー180を元の初期値にリセットすると共に(ステップS203)、一時的に保存したタイマー180(管理端末の存在を確認するためのタイマー)のタイマー値を確認する(ステップS204)。
従属端末ビーコンの送信タイミングで起動されたタイマー180は時間の経過と共にデクリメントされるようになっているので、従属端末103は、上記一時的に保存したタイマー値が所定の値(例えば「0」)に達している場合にはタイムアウトであると判断する。なお、ステップS202において、管理端末ビーコンが受信されなかった場合には、タイムアウトであるとみなされる。
さて、従属端末103は、ステップS204において一時的に保存したタイマー180のタイマー値が所定の値に達していない場合(残り時間がある場合)には、引き続き従属端末の状態を維持し(ステップS205)、一方、ステップS204において、タイムアウトであると判断した場合、あるいはステップS202において、管理端末ビーコンを受信しなかったのでタイムアウトであるとみなした場合には、自ら独立端末に状態を遷移させる(ステップS206)。
なお、従属端末から独立端末に状態が遷移した場合には、端末状態記憶領域163の記憶内容は独立端末の状態を示す情報に更新され、後述する独立端末の処理(図9参照)が実行されることになる。
上述した従属端末の処理においては、従属端末103は、上記ステップS202での管理端末ビーコンを一定の時間内に受信した否かに応じて、従属端末を維持あるいは独立端末の状態に遷移するようになっているが、管理端末ビーコンを一定の時間内に受信したか否かの判断処理に加えて、管理端末ビーコンを受信した場合には、その管理端末ビーコンに関わる受信電力の値が所定の閾値に達しているか否かの判断処理を実行するようにしてもよい。
すなわち、従属端末103は、ステップS202において、管理端末ビーコンを受信したと判断した場合には、その管理端末ビーコンに関わる受信電力の値が所定の閾値に達しているか否かを判断し、その受信電力値が所定の閾値に達している場合には、ステップS203に進み、一方、受信電力値が所定の閾値に達していない場合には、従属端末ビーコンを受信しなかったものとみなして、ステップS204に進む。
当然、この場合も、ステップS204において、タイマー値が所定の値(例えば「0」)に達している場合、あるいは管理端末ビーコンを受信しなかったものとみなされた場合には、タイムアウトであると判断されて、ステップS206が実行されることになる。
次に、独立端末の処理について図9を参照して説明する。図9は、独立端末の処理の処理手順を示すフローチャートを示している。
独立端末は、近隣のグループの管理端末を探索し、グループへの参入を依頼する(ステップS301)。管理端末の存在を確認する方法やグループへの参入の方法については限定しない。例えば、グループへの参加を依頼する旨及び依頼元の移動端末(つまり独立端末の状態)を示す情報(アドレス)を含む参加依頼パケットを、例えば、ブロードキャストで送信する。このとき、タイマー180は制御部150によって起動され、所定のタイマー値(初期値)からデクリメントする。
次に、独立端末は、受信したデータ(パケット)が、例えば、上記参加依頼パケットを受信した管理端末から送信されたグループ参入の許可を示す旨であるか否かを確認する(ステップS302)。
独立端末は、ステップS302において、近隣の管理端末からグループへの参入許可を受けた場合(グループ参入の許可を示す旨である場合)は、参入を許可した管理端末が所属しているグループに参入し、従属端末の状態に遷移する(ステップS303)。
なお、独立端末から従属端末に状態が遷移した場合には、端末状態記憶領域163の記憶内容は従属端末の状態を示す情報に更新され、上述した従属端末の処理(図8参照)が実行されることになる。
これに対し、ステップS302において、グループへの参加の許可がない場合(グループ参入の許可を示す旨を受信しない場合)、独立端末は、タイマー180のタイマー値を基に、管理端末の探索を継続するか否かを確認し(ステップS304)、そのタイマー値が所定の値に達していない場合(残り時間がある場合)には、管理端末の探索を継続し、引き続き独立端末の状態を維持し(ステップS305)、一方、ステップS304において、そのタイマー値が所定の値(例えば「0」)に達しタイムアウトであるので、管理端末の探索を中止する場合には、自らを管理端末の状態に遷移させる(ステップS306)。
なお、独立端末から管理端末に状態が遷移した場合には、端末状態記憶領域163の記憶内容は管理端末の状態を示す情報に更新され、上述した管理端末の処理(図7参照)が実行されることになる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態によれば、管理端末は、伝搬環境の悪化等の理由により、当該管理端末が属するグループ内の任意の従属端末から送信された従属端末ビーコンを一定の時間内に受信しなかった場合には、任意の従属端末が自律的に当該グループから離脱したものとみなし、しかも、当該管理端末が属するグループ内の全ての従属端末が自律的に当該グループから離脱した場合には、当該グループを解散して自ら独立端末となるので、無線通信を行うことができる管理端末及び従属端末のみでグループを再構築することが可能となる。
また、伝搬環境の悪化等の理由により、通信が困難であると判断した各従属端末はグループから自律的に離脱し、またグループの管理端末は従属端末との通信が困難な場合には従属端末が当該グループから離脱したものとみなすので、管理端末は、逐次、通信可能な従属端末の情報(経路情報など)を所有し管理することができる。
さらに、通信可能な端末の情報は、管理端末から管理端末ビーコンによりグループに属する全ての従属端末に通知され、しかも、グループに属する全ての端末(管理端末及び従属端末)はお互いが通信することができる端末であるので、通信不可能な端末に対して無駄な電波を送信することはない。その結果、通信中の端末から送信されている電波を妨害することを防止することができる。
従って、第1の実施形態によれば、無駄な電波の送信を抑制し全体のスループットを向上させることができる。
(B)第2の実施形態
第2の実施形態では、グループ間で通信を行う場合の処理について説明する。
(B−1)移動無線通信システムの構成
第2の実施形態に係る移動無線通信システムを構成する移動端末は、図5に示した第1の実施形態の移動端末の構成と同様になっているので、ここではその説明は省略する。
なお、記憶部160のルーティングテーブル記憶領域161に記憶されるルーティングテーブルには、グループ内の端末の経路情報と、グループ外の端末の経路情報とが記載される欄が設けられている。初期の段階では、グループ内の端末の経路情報のみが記載されていると仮定する。
第2の実施形態においては、グループは、第1の実施形態の場合と同様に、1つの管理端末と複数の従属端末とから構成される。
図10は、複数のグループが形成された移動無線通信システムにおけるグループ間の通信を説明する図を示している。
移動無線通信システムは、第1のグループ510と第2のグループ520とが形成されている。グループ510は、従属端末の状態に遷移している端末(従属端末)511、管理端末の状態に遷移している端末(管理端末)512、及び、従属端末に遷移している端末(従属端末)513から構成されている。また、グループ520は、管理端末の状態に遷移している端末(管理端末)521、及び従属端末に遷移している端末(従属端末)522から構成されている。
この第2の実施形態では、従属端末511、管理端末512及び従属端末513を、それぞれ端末511、端末512及び端末513のように、単に「端末」と表記し、また、管理端末521及び従属端末522も、それぞれ端末521及び端末522のように、単に「端末」と表記する。なお、必要に応じて管理端末あるいは従属端末との表記も用いる。
ところで、グループ内の通信は、各端末(移動端末)がビーコンを利用してルーティングテーブルの情報をグループ内で交換し、該ルーティングテーブルに従ってパケットの送信を行う。
一方、所定のグループに属する送信元の端末は、当該所定のグループ内に存在しない端末との通信を行う場合には、送信先としての所望の端末がどのグループに所属するかを探索する。探索は、探索用のパケット(以下、「探索パケット」と呼ぶ)をブロードキャストで送信することで行われる。
その探索パケットを受信した所望の端末は、探索パケットの送信元の端末に、その探索パケットに対する返信用のパケット(以下、「返信パケット」と呼ぶ)を送信する。このとき、返信パケットのヘッダーには、返信パケットを送信する所望の端末のアドレス、所望の端末が所属するグループの管理端末のアドレスを設定(記述)する。
そして、返信パケットを受信した送信元の端末は、その返信パケットのヘッダーに設定されている内容を基に、ルーティングテーブルに所望の端末の情報を追加する。これにより、送信元の端末は、最新のルーティングテーブルを参照することで、所望の端末がどの管理端末のグループに属しているのかが分かる。
この第2の実施形態においては、パケットが返信される経路上には、グループと他のグループとの中継役として動作する端末が存在する。以下、中継役としての動作する端末を「仲介端末」(ゲートウェイ)という。ここでは、グループに属する各端末のうちいずれかの端末が仲介端末(ゲートウェイ)としての機能を果たすようになっている。つまり、グループのどの端末も仲介端末になることができる。
所定のグループに属する端末は、隣接するグループに属する端末に対しては、仲介端末を介して通信を行う。なお、グループには複数の仲介端末が存在する場合があり、隣接する各グループに対応して担当の仲介端末が存在する。
送信元の端末は、返信パケットを受信し、所望の端末に対しての経路情報が取得できた以降の処理においては、グループ外の端末であっても、ブロードキャストではなく、所有するルーティングテーブルの情報に従ってユニキャストでパケットの送信を行う。
(B−2)移動無線通信システムの処理動作
次に、第2の実施形態に係る移動無線通信システムの通信制御方法に従った処理動作について説明する。
無線通信が行われる通信対象の複数のグループにおいては、自己のグループに属する管理端末及び従属端末のうち所定の端末が他のグループに対する通信の中継機能を有する端末(仲介端末=ゲートウェイ)として機能する。
例えば、第1のグループに属する送信元の端末(管理端末又は従属端末)が第2のグループに属する所望の端末(管理端末又は従属端末)と通信を行うときは、次の(1)〜(6)の処理手順に従って通信が実施される。
(1)送信元の端末は、第1のグループ内で共有するルーティングテーブルを調査し、この調査した結果、所望の端末に関する経路情報がルーティングテーブルに存在しない場合には、探索パケットをブロードキャストで送信する。
(2)ブロードキャストされた探索パケットを受信した所望の端末は、返信パケットを送信元の端末へユニキャストで返信する。
(3)送信元の端末は、所望の端末からユニキャストされた返信パケットを受信することにより、第2のグループに属する所望の端末に関する経路情報を取得する。
(4)送信元の端末は、探索パケットをブロードキャストで送信し、この探索パケットを受信した所望の端末からユニキャストで送信された返信パケットを受信したことにより取得した第2のグループに属する所望の端末に関する経路情報を、当該送信元の端末が属する第1のグループ内で共有するルーティングテーブルに記述する。
(5)送信元の端末は、第1のグループに関わる中継機能を有する端末(仲介端末)、及び、第2のグループに関わる中継機能を有する端末(仲介端末)を介して、送信先としての第2のグループへの経路情報を取得し、この取得した経路情報を基に第2のグループに属する所望の端末に対する通信を行う。
(6)上記(5)の処理以降においては、第2のグループに属する所望の端末に対しては、上記(5)による通信を実施した送信元の端末を含む、所定のグループに属する全ての端末(管理端末及び従属端末)は、最新のルーティングテーブルの経路情報に従って通信を行う。
すなわち、送信元の端末は、仲介端末を介して外部のグループに通信を試みる場合、最初は外部のグループに所望の端末が存在するかが分からないので、例えば、ブロードキャストで探索パケットを送信して、その所望の端末についての存在の確認をする。
そして、送信元の端末は、所望の端末から返信パケットを受信することで当該所望の端末の存在を確認することができた場合には、その所望の端末に関する経路情報をルーティングテーブルに記述する。これ以降の処理では、グループ内の全ての端末は、ルーティングテーブルに従って外部のグループ内の端末と通信を行うことができる。
次に、第2の実施形態に係る移動無線通信システムの詳細な処理動作について、図10〜図12を参照して説明する。
ここでは、図10に示す具体例を挙げて、移動無線通信システムにおけるグループ間での通信の一例について説明する。
図10に示す移動無線通信システムにおいては、各端末は隣接する端末とのみ直接通信することができる。また、初期の段階ではグループ外の端末に対しては通信できない状態から始まるものと仮定する。
ここで、グループ510に属する端末(従属端末)513がグループ520に属する端末(管理端末)521との通信を行う場合の処理について説明する。
端末513は、当該端末513が所有するルーティングテーブル、つまり、記憶部160のルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブルを参照する。
このルーティングテーブルには、上述したように、グループ内の端末の経路情報と、グループ外の端末の経路情報とが記載される欄が設けられている。初期の段階では、グループ内の端末の経路情報のみが記載されていると仮定する。
従って、端末513は、ルーティングテーブルのグループ内及びグループ外の経路情報の欄に端末521の経路情報が記載されていないため、可能性として、端末521はグループ外に存在する端末であると判断することができる。そこで、端末513は、グループ外の端末に対して端末521を探索するため、ブロードキャストで探索パケットを送信する。
この探索パケットのフォーマットの一例を、図11に示す。このフォーマットにおいては、探索パケット600は、図11に示すように、パケットタイプ601、送信元アドレス602、探索端末アドレス603、及び、シーケンス番号604から構成される。
パケットタイプ601には、図11に示すように、他のパケットと区別するための識別番号が設定(記述)される。ここでは、探索パケットのパケットタイプを「3」(図11ではPT=3)とする。送信元アドレス602には、探索パケットを送信する端末のアドレスが設定される。ここでは、端末513のアドレスが設定される。探索端末アドレス603には、探索する端末のアドレスが設定される。ここでは、端末521のアドレスが設定される。シーケンス番号604には、探索パケットを送信するたびにインクリメントされる連続の番号が設定される。
さて、図10において、端末513から送信される探索パケットは、隣接する端末に届くと仮定した場合、端末513の通信範囲内である端末512及び端末521に届く。そのため、端末521は、その探索パケットを受信し、この受信した探索パケットの内容を解析することにより、端末513が自分を探していることが分かる。そこで、端末521は、自分の存在を端末513に伝えるために、探索パケットに対する返信パケットを端末513へ送信する。
この返信パケットのフォーマットの一例を、図12に示す。このフォーマットにおいては、返信パケット700は、図12に示すように、パケットタイプ701、送信元アドレス702、探索元アドレス703、及びグループID704から構成される。
パケットタイプ701には、図12に示すように、他のパケットと区別するための識別番号が設定(記述)される。ここでは、返信パケットタイプを「4」(図12ではPT=4)とする。送信元アドレス702には、返信パケットを送信する端末のアドレスが設定される。ここでは、端末521のアドレスが設定される。探索元アドレス703には、探索を最初に依頼した端末のアドレスが設定される。ここでは、端末513のアドレスが設定される。グループID704には自分(返信パケットを送信する端末521)が所属するグループIDが設定される。例えば、グループの管理端末のアドレスを利用しても良い。ここでは、自分がグループの管理端末であるため、グループIDに端末521のアドレスが設定される。
ところで、返信パケットを受信した端末513は、その返信パケットの内容を解析することで、端末521のアドレスと端末521が属するグループ520のグループIDが分かる。また、端末513は、グループ520に属する端末が隣接しており、そのグループ520内の端末521と直接通信することができるということが分かる。
同様に、端末521も、端末513からの探索パケットの内容を解析することにより、グループ510に属する端末513と直接通信することができるということが分かる。
そこで、図10において、グループ510のグループ520に対する仲介端末(ゲートウェイ)として端末513が担当し、また、グループ520のグループ510に対する仲介端末(ゲートウェイ)として端末521が担当する。この仲介端末の選定については後述する。
グループ内では、ビーコンを利用して、お互いが所有するルーティングテーブルの情報を交換する。例えば、グループ510において、端末513は、管理端末である端末512に対して、ルーティングテーブルの情報を記載した従属端末ビーコンを送信する。
一方、管理端末である端末512は、管理端末ビーコンを利用してルーティングテーブルの情報を、当該端末512が所属しているグループ510に属する全ての従属端末へ送信する。この場合、最新のルーティングテーブルの情報が記載された管理端末ビーコンを、上記従属端末ビーコンを送信した端末513を除く従属端末である端末(この例では従属端末である端末511)へ送信するようにする。
従って、グループ510内の各端末によるビーコンの送受信により、グループ520に属する端末521への経路情報はグループ510に属する全ての端末に伝達されることになる。
上記同様に、グループ520においても、グループ520内の各端末によるビーコンの送受信により、グループ510に所属する端末513への経路情報は、グループ520に属する全ての端末に伝達されることになる。
なお、グループ510の各端末及びグループ520の各端末は、上述したようにして伝達された最新のルーティングテーブルの情報(経路情報)を記憶部160のルーティングテーブル記憶領域161に格納する。
そして、それ以降の処理では、例えば、グループ510に属する端末511がグループ520に属する端末521との通信を実施するに際し、既に自分が所有するルーティングテーブル、つまりに記憶部160のルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブルに端末521の経路情報が存在しているため、端末511は、そのルーティングテーブルの情報に従って、パケットをユニキャストで端末521へ送信することができる。この場合、そのパケットは、端末(管理端末)512及び端末(従属端末=仲介端末)513を中継して、端末521へ送信されることになる。
上記と同様にして、グループ520に属する端末522がグループ510に属する端末513との通信を実施したい場合においても、端末522は、既に所有したルーティングテーブルの経路情報に従って、パケットをユニキャストで端末513へ送信することができる。この場合、そのパケットは、端末(管理端末=仲介端末)521を中継して、端末513へ送信されることになる。
次に、仲介端末の選定について図13を参照して説明する。図13に示す例は、図10に示した例の場合と同様の構成なっている。
図13に示すグループ510において、端末511は、端末512及びグループ520に属する端末521のそれぞれと直接通信することができる。端末512は、端末511及び端末513のそれぞれと直接通信することができる。端末513は、端末512及びグループ520に属する端末521のそれぞれと直接通信することができる。
また、グループ520においては、端末521は、端末522、グループ510に属する端末511及び端末513のそれぞれと直接通信することができる。端末522は端末521と直接通信することができる。
さらに、最初の段階では、グループ510に属する端末とグループ520に属する端末とは通信することができない状態から始まることとする。
このような前提条件の下で、グループ510に属する端末512からグループ520に属する端末521へ通信する場合を考える。
端末512は自分の所有するルーティングテーブルを参照することなく、少なくともグループ内に端末521が存在しないことが分かる。そこで、端末512は、探索パケットをブロードキャストで送信することにより、端末521を探索する。この探索パケットは、端末512と直接通信することができる範囲に存在する端末511及び端末513が受信する。
探索パケットを受信した端末511及び端末513は、それぞれ自端末の所有するルーティングテーブル(ルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブル)を参照することにより、端末512の場合と同様に、端末521の経路情報がルーティングテーブルに存在しないため、端末512はグループ外の端末であることが分かる。
そこで、端末511及び端末513は、それぞれ受信した探索パケットをブロードキャストで中継送信する。但し、何度も探索パケットをブロードキャストで中継した場合には、トラフィックが増加するため、ブロードキャストの回数を制限し、ある範囲内でのみ中継を行う設定にしても良い。
ところで、端末511及び端末513からブロードキャストされた探索パケットはそれぞれ、グループ520に属する端末521に到着する。
端末521は、到着した探索パケットを解析することにより、自分が所有するルーティングテーブル(ルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブル)に記載されていない端末から届いたことが分かる。そのため、端末521は、ルーティングテーブルに設けられているグループ外の端末の経路情報を記載する欄に端末512の情報(経路情報)を追記する。
なお、第2の実施形態では、グループ510の端末からパケットを初めて受信した端末521を仲介端末とする。
パケットの到着は通信環境によって、時間的なずれが生じる場合がある。ここでは、端末513経由の探索パケットの方が、端末511経由の探索パケットより先に端末521に到着するものとする。
この場合、端末521は、受信した探索パケットについて、先に到着した端末513からの探索パケットを優先し、この探索パケットに対する返信パケットを送信する。後から届く端末511の探索パケットは受信しても無視する。
このとき、端末511及び端末513からの2つの探索パケットが端末512から同時に送信された同じ内容のパケットであるということを、端末521で確認する必要がある。そこで、例えば、パケットヘッダーに連続した番号(シーケンス番号)を付加し、同じシーケンス番号のパケットを受信したかどうかで確認することができる。すなわち、受信した2つの探索パケットにおいて、図11に示したフォーマットの探索パケット600のシーケンス番号604に設定されているシーケンス番号が同一であれば、2つの探索パケットは同一内容のパケットであるということが分かる。
さて、端末521からの返信パケットを受信した端末513は、端末512に対して返信パケットを中継する。端末513は、グループ520の端末521から送信された返信パケットを受信することにより、グループ520が存在するということと、端末521がグループ520における仲介端末として担当し、以降の処理では仲介端末として動作するということを認識する。
すなわち、返信パケット700は、図12に示したフォーマットになっているので、端末513は、受信した返信パケットにおいて、グループID704を参照することでグループ520の存在を認識することができ、また、送信元アドレス702を参照することで、返信パケットを送信した端末が端末521であることを認識することができ、結果として、グループ510の端末からパケットを初めて受信した端末521が仲介端末であるということを認識することができる。
なお、端末511にも、端末521から端末513宛てに送られた返信パケットと同一の返信パケットが到着するが、端末511は自分が宛先でないため、この返信パケットを無視する。
ところで、端末513からの返信パケットを受信した端末512は、その返信パケットを解析することにより、初めて端末521がグループ520に所属する端末であるということが分かる。また、端末512は、端末513が仲介端末となり、端末513に中継を依頼することで端末521との通信を実施することができるということが分かる。
グループ510では、定期的に管理端末と従属端末との間でビーコンを送受信しているので、端末511は、端末512から送信されたビーコンを受信し、そのビーコンを解析することにより、グループ520に属する端末521と通信を行う場合には、管理端末である端末521を経由して通信することができるということが分かる。
図14は、グループ内に複数の仲介端末が存在する場合の移動無線通信システムにおけるグループ間の通信を説明する図を示している。
図14に示す移動無線通信システムは、図10に示した移動無線通信システムの構成において、第3のグループ530が追加された構成になっている。このグループ530は端末511に隣接するように形成されている。
このとき、第1のグループ510に属する端末512が、第3のグループ530に属する端末531との通信を実施する場合には、上述した図10〜図13を参照して説明した内容と同様の処理が実施されることにより、グループ510内では端末511が仲介端末を担当し、グループ530内では端末531が仲介端末を担当する。ここでは、仲介端末の選定の方法、及び端末512が端末531と通信するための処理の説明については省略する。この場合には、グループ510には、端末511及び端末513の複数(2つ)の仲介端末が存在することになる。
なお、第2の実施形態では、グループ510の端末からパケットを初めて受信した端末521を仲介端末とするようにしたが、これに限定されることなく、次のようにしても良い。
すなわち、一定時間、受信したパケットを監視し、その中から電波の強さが最も強い端末を仲介端末としても良い。また、隣接する端末の電波の強さだけではなく、パケットが送られてくるまでの経路の安定性を考慮しても良い。この場合、各端末にネットワークを監視する機能を設け、その情報をパケットに含めて伝送することで実現できる。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上説明したように、第2の実施形態によれば、グループ間での通信を実施する場合において、送信元の端末は、送信先としての所望の端末の経路情報が、当該送信元の端末が属するグループのルーティングテーブルに存在しないときは、探索パケットをブロードキャストで送信すると共に、探索パケットを受信した所望の端末からユニキャストで送信された返信パケットを受信することにより、他のグループに属する所望の端末に関する経路情報を取得することができる。
そのため、隣接する複数のグループ内の端末が、お互いに他のグループに属する端末に関する経路情報を取得し、この取得した各経路情報に基づき中継通信することにより、全体の通信範囲を拡大させることができる。
(C)第3の実施形態
第3の実施形態では、上記第2の実施形態とは異なる手法によるグループ間で通信を行う場合の処理について説明する。
(C−1)移動無線通信システムの構成
第3の実施形態に係る移動無線通信システムを構成する移動端末は、図5に示した第1の実施形態の移動端末の構成と同様になっているので、ここではその説明は省略する。
図15は、第3の実施形態に係る移動無線通信システムの構成の一例を示している。
この移動無線通信システムにおいては、図10に示した第2の実施形態の場合と同様に、第1のグループ810と第2のグループ820とが形成されている。
グループ810は、従属端末の状態に遷移している端末(従属端末)811、管理端末の状態に遷移している端末(管理端末)812、及び従属端末に遷移している端末(従属端末)813から構成される。また、グループ820は、管理端末の状態に遷移している端末(管理端末)821、及び従属端末に遷移している端末(従属端末)822から構成されている。
この第3の実施形態においても、従属端末811、管理端末812及び従属端末813を、それぞれ端末811、端末812及び端末813のように、単に「端末」と表記し、また、管理端末821及び従属端末822も、それぞれ端末821及び端末822のように、単に「端末」と表記する。なお、必要に応じて管理端末あるいは従属端末を併記する。
なお、各端末は、自端末が所属するグループ内の他の端末、あるいは他のグループ内の各端末に関係なく、常時、通信範囲内に位置する他の端末(例えば、隣接する端末)から送信されるデータ信号(例えば、ビーコン)を傍受するようになっている。また、他の端末から送信されたビーコンを傍受した端末は、そのビーコンに含まれているルーティングテーブルの情報を、自端末が所属するグループ内の他の端末に送信するようになっている。
(C−2)移動無線通信システムの処理動作
次に、第3の実施形態に係る移動無線通信システムの通信制御方法に従った処理動作について説明する。
第1のグループに属する送信元の端末(管理端末又は従属端末)が第2のグループに属する所望の端末(管理端末又は従属端末)と通信を行うときは、次の(1)〜(5)の処理手順に従って通信が実施される。
(1)所定のグループ(第1のグループ)に属する送信元の端末(管理端末又は従属端末)は、近隣の端末であって他のグループ(第2のグループ)に属する管理端末又は従属端末から送信されたビーコンを傍受する。
(2)所定のグループに属する端末であって、他のグループに属する近隣の端末から送信されたビーコンを傍受した端末(送信元の端末)は、傍受したビーコンに含まれているルーティングテーブルを基に取得した他のグループに関わるルーティングテーブルの経路情報に基づいて、当該送信元の端末(ビーコンを傍受した端末)が所有するルーティングテーブルの内容を更新する。
(3)送信元の端末は、この傍受したビーコンに含まれているルーティングテーブルを基に取得した当該他のグループに関わるルーティングテーブルの経路情報を基に、他のグループに対する通信を行う。
(4)送信元の端末は、更新後のルーティングテーブルの経路情報を含むビーコンを、当該送信元の端末が所属する所定のグループに属する他の端末へ送信する。
(5)所定のグループに属する他の端末も、送信元の端末から送信されたビーコンに含まれる更新後のルーティングテーブルの経路情報を基に、他のグループに対する通信を行う。
次に、第3の実施形態に係る移動無線通信システムの詳細な処理動作について、図15を参照して説明する。
図15に示す移動無線通信システムにおいては、各端末は隣接する端末とのみ直接通信することができる。また、初期の段階では第1のグループ810に属する端末と第2のグループ820に属する端末とは通信できない状態であるものとする。
グループ内では、ビーコンを利用して、お互いが所有するルーティングテーブルの情報を交換する。このビーコンはグループ内の端末だけでなく、通信範囲内にある全ての端末に届く。例えば、グループ810において、端末813が、管理端末である端末812に対して、ルーティングテーブルの情報を記載したビーコン(従属端末ビーコン)を送信した場合には、その従属端末ビーコンは、隣接する端末821にも届く。
従って、端末821は、端末813から送信されている従属端末ビーコンを傍受して、その従属端末ビーコンに含まれるルーティングテーブルを解析することにより、グループ810のルーティングテーブルの情報(経路情報)を取得することができる。
このように、各端末は、近隣に発生するビーコンから情報(ルーティングテーブルの経路情報)を傍受することで、グループ外のルーティングテーブルの情報(経路情報)を取得することができる。
また、端末821は、端末813から送信されたビーコンを傍受して得られた経路情報を、グループ820内の端末に伝達することができる。これはグループ内では常にビーコンをお互いに送受信して、自端末が所有するルーティングテーブルの経路情報を交換するようにしているので、実現可能である。
従って、グループ820において、グループ810に属する端末から送信された電波が直接届かない範囲に位置する端末822が存在したとしても、その端末822は、端末821から送信されるビーコン(管理端末ビーコン)を受信し、その管理端末ビーコンを解析することで、グループ810の経路情報も同時に取得することができる。
上記と同様に、端末813も、端末821が送信するビーコン(管理端末ビーコン)を傍受し、その管理端末ビーコンを取得することによりグループ820のルーティングテーブルの経路情報を取得することができる。
なお、ビーコンに記載されるルーティングテーブルの経路情報はリアルタイムに変化するが、各端末は、ビーコンを受信する度に、当該ビーコンの内容を基にルーティングテーブルを上書きしていく。つまり、受信したビーコンを基に、記憶部160のルーティングテーブル記憶領域161に記憶されているルーティングテーブルが更新(上書き)されるので、最新のルーティングテーブルを維持することができる。
(C−3)第3の実施形態の効果
以上説明したように、第3の実施形態によれば、各端末は、他の端末が送信しているビーコンを常に傍受することにより、所望の端末との通信を実施する前に、その所望の端末に関する経路情報を取得し認識することができる。そのため、送信元の端末は、送信先としての所望の端末の経路情報が知らなかった場合に、例えば当該所望の端末を探索するための探索用のパケットをブロードキャストにより送信する必要がないので、全体のトラフィック量を抑制することができる。
(D)他の実施形態
ところで、上述した第1〜第3の実施形態においては、無線通信可能なコンピュータを、移動端末、管理端末、従属端末、又は、独立端末として機能させるプログラム、及び、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(コンパクトディスク、ROMなど)を提供することができる。この場合、プログラムは、どのようなプログラム言語により記述されていても良い。
また、上述した第1〜第3の実施形態では、上述した端末の処理の処理手順(図7〜図9参照)に対応するプログラム、移動端末を管理端末、従属端末及び独立端末の3つの端の状態に遷移可能な端末として機能させるためのプログラムを、上記移動端末のROMなどのプログラム記憶部に記録するようにしているが、本発明は、これに限定されることなく、次のようにしても良い。
すなわち、上記プログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、デジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができ、これら記録媒体をコンピュータとは独立に配布、販売できるほか、無線通信網を含む通信回線網を介して当該プログラムを伝送することにより、直接配布、直接販売することもできる。
なお、上記プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにした場合には、その記録媒体に記録されたプログラムを、移動端末(例えば、ノート型パーソナルコンピュータ)がインストールした後、このプログラムをCPUなどの制御手段が実行するようにする。このプログラムのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、移動端末は、必要に応じて、この記憶装置に記憶したプログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
また、移動端末を、通信回線網を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータ等のコンピュータと接続するようにし、当該移動端末が、サーバ装置あるいはコンピュータから上記プログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしても良い。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)がある。そして、当該移動端末が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
さらに、移動端末に保持させると共に、移動端末間で授受される経路情報の形式がテーブル形式(ルーティングテーブル)に限定されるものではない。
本発明は移動無線通信システムに利用可能であり、特に、例えば自営用防災無線通信システムのように、VHF帯を用いた無線通信手段を具備した移動端末間で無線通信を行う移動無線通信システムに利用可能である。
第1の実施形態に係る移動端末の状態遷移を説明する図である。 第1の実施形態に係る移動無線通信システムの構成を示す構成図である。 第1の実施形態に係る管理端末ビーコンのフォーマット例を示す図である。 第1の実施形態に係る従属端末ビーコンのフォーマット例を示す図である。 第1の実施形態に係る移動無線通信システムの構成要素である移動端末の構成を示す構成図である。 第1の実施形態に係る移動無線通信システムにおけるグループ内の通信を説明する図である。 第1の実施形態に係る管理端末の処理の処理手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る従属端末の処理の処理手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る独立端末の処理の処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る移動無線通信システムにおけるグループ間の通信を説明する図である。 第2の実施形態に係る探索パケットのフォーマット例を示す図である。 第2の実施形態に係る返信パケットのフォーマット例を示す図である。 第2の実施形態に係る移動無線通信システムにおけるグループ間の通信のときの仲介端末の選定について説明する図である。 第2の実施形態に係る移動無線通信システムにおけるグループ間の通信を説明する図である。 第3の実施形態に係る移動無線通信システムにおけるグループ間の通信を説明する図である。
符号の説明
10、20、30…移動端末、40…グループ、110…アンテナ、120…無線送受信部、130…通信処理部、140…プログラム記憶部、150…制御部、160…記憶部、161…ルーティングテーブル記憶領域、162…位置情報記憶領域、163…端末状態記憶領域、164…ワークエリア、170…位置情報検出部、180…タイマー、201…管理端末、202…従属端末、203…独立端末。

Claims (14)

  1. 無線通信を行う複数の移動端末を有する移動無線通信システムであって、
    上記複数の移動端末のそれぞれは、
    所定のグループに属し、当該所定のグループで共有する経路情報を管理すると共に無線通信を行う管理端末、上記所定のグループに属し上記管理端末から無線通信により通知される経路情報の情報に従って無線通信を行う従属端末、又は、いずれのグループに属さない独立端末、の3つの端末の状態に遷移可能な端末として機能し、
    上記管理端末と上記従属端末とで形成されるグループは複数存在し、
    所定のグループに属する管理端末又は従属端末は、
    近隣の端末であって他のグループに属する管理端末又は従属端末から送信された他のグループ内の他の端末に宛てたビーコンを傍受し、この傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した当該他のグループに関わる経路情報を基に、上記他のグループに対する通信を行うと共に、
    傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した他のグループに関わる経路情報に基づいて、所有する経路情報の内容を更新すると共に、更新後の経路情報を含むビーコンを、上記所定のグループに属する他の端末へ送信する
    ことを特徴とする移動無線通信システム。
  2. 上記管理端末は、
    上記所定のグループに属する任意の従属端末から送信された従属端末ビーコンを一定の時間内に受信した場合には、当該管理端末の状態を継続し、
    上記任意の従属端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信しなかった場合には、当該任意の従属端末は自律的に上記所定のグループから離脱したものとみなし、
    上記所定のグループに属する全ての従属端末に関し当該従属端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信しなかった場合には、管理端末から独立端末に状態を遷移させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動無線通信システム。
  3. 上記管理端末は、
    上記所定のグループに属する任意の従属端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信したときの当該ビーコンに関わる受信電力が所定の閾値に達している場合には、当該管理端末の状態を継続し、
    上記任意の従属端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信したときの当該ビーコンに関わる受信電力が所定の閾値に達していない場合、又は上記任意の従属端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信できなかった場合には、上記任意の従属端末は自律的に上記所定のグループから離脱したものとみなし、
    上記所定のグループに属していた全ての従属端末が自律的に上記所定のグループから離脱し、上記所定のグループ内に従属端末が存在しなくなったときは、管理端末から独立端末に状態を遷移させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動無線通信システム。
  4. 上記従属端末は、
    上記管理端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信した場合には、当該従属端末の状態を継続し、
    上記管理端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信しない場合には、従属端末から独立端末に状態を遷移させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動無線通信システム。
  5. 上記従属端末は、
    上記管理端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信したときの当該ビーコンに関わる受信電力が所定の閾値に達している場合には、当該従属端末の状態を継続し、
    上記管理端末から送信されたビーコンを一定の時間内に受信したときの当該ビーコンに関わる受信電力が所定の閾値に達していない場合、又は上記管理端末から送信されたビーコンを受信できなかった場合には、従属端末から独立端末に状態を遷移する
    ことを特徴とする請求項1又は4に記載の移動無線通信システム。
  6. 上記独立端末は、
    無線通信により近隣の管理端末を探索している期間中は独立端末の状態を継続し、
    上記探索により発見した管理端末から当該管理端末の所属するグループへの参入が許可された場合には、独立端末から従属端末に状態を遷移させ、
    上記探索により発見した管理端末から当該管理端末の所属するグループへの参入が許可されない場合、又は、探索した結果、管理端末を発見できなかった場合には、独立端末から管理端末に状態を遷移させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動無線通信システム。
  7. 信元の端末としての所定のグループに属する管理端末又は従属端末が、他のグループに属する管理端末又は従属端末を、所望の送信先の端末として通信を行うときには、
    上記送信元の端末は、上記所定のグループ内で共有する経路情報を調査し、この調査した結果、上記所望の端末に関する経路情報が上記経路情報に存在しない場合には、探索用データをブロードキャストで送信し、
    ブロードキャストされた探索用データを受信した上記所望の端末は、返信用データを上記送信元の端末へユニキャストで返信し、
    上記送信元の端末は、上記所望の端末からユニキャストされた返信用データを受信することにより上記のグループに属する所望の端末に関する経路情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動無線通信システム。
  8. 無線通信が行われる通信対象の複数のグループにおいては、
    自己のグループに属する管理端末及び従属端末のうち所定の端末が他のグループに対する通信の中継機能を有する端末として機能し、
    上記所定のグループに属する上記送信元の端末が上記のグループに属する上記所望の端末と通信を行うときには、
    上記送信元の端末は、上記所定のグループに関わる上記中継機能を有する端末、及び、上記他のグループに関わる上記中継機能を有する端末を介して、送信先としての上記他のグループへの経路情報を取得し、この取得した経路情報を基に上記他のグループに属する上記所望の端末に対する通信を行う
    ことを特徴とする請求項1又は7に記載の移動無線通信システム。
  9. 上記送信元の端末は、探索用データをブロードキャストで送信し、この探索用データを受信した上記所望の端末からユニキャストで送信された返信用データを受信したことにより取得した上記他のグループに属する上記所望の端末に関する経路情報を、当該送信元の端末が属する上記所定のグループ内で共有する経路情報に記述し、
    上記所定のグループに属する管理端末及び従属端末は、上記のグループに属する上記所望の端末に対しては、最新の経路情報に従って通信を行う
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の移動無線通信システム。
  10. 無線通信を行う複数の移動端末を有する移動無線通信システムの通信制御方法であって、
    上記複数の移動端末のそれぞれは、
    所定のグループに属し当該所定のグループで共有する経路情報を管理する管理端末、上記所定のグループに属し上記管理端末から通知される経路情報の情報に従って無線通信を行う従属端末、又は、いずれのグループに属さない独立端末、の3つの端末の状態に遷移可能な端末として機能し、
    通信可能な管理端末、又は、通信可能な管理端末及び従属端末のみが所属するグループを動的に構築し、
    この構築されたグループに属する端末は当該グループに関わる経路情報の経路情報に基づいて無線通信を行い、
    上記管理端末と上記従属端末とで形成されるグループは複数存在し、
    所定のグループに属する管理端末又は従属端末は、
    近隣の端末であって他のグループに属する管理端末又は従属端末から送信された他のグループ内の他の端末に宛てたビーコンを傍受し、この傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した当該他のグループに関わる経路情報を基に、上記他のグループに対する通信を行うと共に、
    傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した他のグループに関わる経路情報に基づいて、所有する経路情報の内容を更新すると共に、更新後の経路情報を含むビーコンを、上記所定のグループに属する他の端末へ送信する
    ことを特徴とする移動無線通信システムの通信制御方法。
  11. 信元の端末としての所定のグループに属する管理端末又は従属端末が、送信先の所望の端末としてののグループに属する管理端末又は従属端末に対して通信を行うときには、
    上記送信元の端末は、上記所定のグループ内で共有する経路情報を調査し、この調査した結果、上記所望の端末に関する経路情報が上記経路情報に存在しない場合には、探索用データをブロードキャストで送信し、
    ブロードキャストされた探索用データを受信した上記所望の端末は、返信用データを上記送信元の端末へユニキャストで返信し、
    上記送信元の端末は、上記所望の端末からユニキャストされた返信用データを受信することにより上記のグループに属する所望の端末に関する経路情報を取得する
    ことを特徴とする請求項10に記載の移動無線通信システムの通信制御方法。
  12. 無線通信が行われる通信対象の複数のグループにおいては、
    自己のグループに属する管理端末及び従属端末のうち所定の端末が他のグループに対する通信の中継機能を有する端末として機能し、
    上記所定のグループに属する上記送信元の端末が上記のグループに属する上記所望の端末と通信を行うときには、
    上記送信元の端末は、上記所定のグループに関わる上記中継機能を有する端末、及び上記他のグループに関わる上記中継機能を有する端末を介して、送信先としての上記のグループへの経路情報を取得し、この取得した経路情報を基に上記のグループに属する上記所望の端末に対する通信を行う
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の移動無線通信システムの通信制御方法。
  13. 上記送信元の端末は、探索用データをブロードキャストで送信し、この探索用データを受信した上記所望の端末からユニキャストで送信された返信用データを受信したことにより取得した他のグループに属する上記所望の端末に関する経路情報を、当該送信元の端末が属する所定のグループ内で共有する経路情報に記述し、
    所定のグループに属する管理端末及び従属端末は、上記のグループに属する上記所望の端末に対しては、最新の上記経路情報の情報に従って通信を行う
    ことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の移動無線通信システムの通信制御方法。
  14. 無線通信可能なコンピュータに状態遷移条件を予め記憶させておき、
    上記コンピュータを、上記状態遷移条件に従って、
    無線ネットワークに接続可能であって、無線通信を実行する無線通信モードと無線通信以外の所定の処理を実行する処理モードとを有し、上記処理モードが指定されたときは所定の処理を実行する移動端末、上記無線通信モードが指定されたときは、上記移動端末を、所定のグループに属し当該所定のグループで共有する経路情報を管理すると共に無線通信を行う管理端末、上記所定のグループに属し上記管理端末から無線通信により通知される経路情報の情報に従って無線通信を行う従属端末、又は、いずれのグループに属さない独立端末として機能させ
    上記管理端末と上記従属端末とで形成されるグループが複数存在するときには、所定のグループに属する管理端末又は従属端末として機能する上記コンピュータを、
    近隣の端末であって他のグループに属する管理端末又は従属端末から送信された他のグループ内の他の端末に宛てたビーコンを傍受し、この傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した当該他のグループに関わる経路情報を基に、上記他のグループに対する通信を実行させると共に、傍受したビーコンに含まれている経路情報を基に取得した他のグループに関わる経路情報に基づいて、当該ビーコンを傍受した端末が所有する経路情報の内容を更新すると共に、更新後の経路情報を含むビーコンを、上記所定のグループに属する他の端末へ送信させるように機能させる
    ことを特徴とするプログラム。
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