JP4908689B2 - 移動用車両のキャビン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動用車両のキャビンに関し、特に、乗用管理機の運転部を覆うキャビンの技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から乗用管理機の座席やステアリングハンドル等の運転部をキャビンで覆う技術は公知となっている。例えば、特開平10−297281号公報の技術である。この技術は、前支柱と、後支柱と、両者の上部を連結する補強パイプとにより、箱状に形成して、下部を主フレームに固定し、上部にルーフを配置し、前部はガラス、その他の側面及び後面は透明の合成樹脂シートにより覆いキャビンを構成して、運転部を覆っていた。また、ルーフにブロアを設けて外気を吸入するように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記技術におけるブロアはルーフの前上部に配置されて、吸気口が前端下面に配置されていたので、機体前部に散布部を配置した場合には、作業時において散布されて飛散した薬剤の一部が吸引されることになり、オペレーターにかかるおそれがあった。また、左右両側に配置された透明シートで構成した側方シートはワンタッチ締め具を用いて開閉可能として、ドアの役目を果たすように構成しているが、非作業時の路上走行等ではドアを開いた状態で走行する場合があり、この場合には側方シートを取り外すか、或いは、巻きつけて固定するようにしていたが、側方シートを外すと収納しておく場所がなく、後支柱に巻き付けておくには手間がかかり、下部が固定されず垂れて後輪に巻き付いたり、後輪と擦れて汚れたり、傷ついたりするおそれがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、機体前方の作業機昇降機構(10)により昇降可能としたブーム(11)に複数のノズル(12)を付設し、該ノズル(12)により薬液を噴霧する移動用車両のキャビン(7)であって、該キャビン(7)を構成するルーフ(24)の上面の前後に、複数の換気口(30・30)を開口し、該換気口(30)は該ルーフ(24)の最も高い部分の平面部に設け、該複数の換気口(30・30)を構成する開口の両側に、排水用の溝(24a・24a)を間隔を開けて平行に設け、前記各換気口(30・30)にそれぞれファン(31・31)を取り付けるとともに、該換気口(30)上方を覆う蓋体(33)を設け、該蓋体(33)は換気口(30)の前部に回動支点となるヒンジ(34)を設け、前部を枢支して後側を開閉可能とし、蓋体(33)を開けたときには斜め後上方に向かって傾斜配置し、前記ファン31の駆動により後方から外気を吸い込めるように構成し、前記蓋体(33)の「開・閉」、及び、「作業・非作業」を検知し、前記蓋体(33)が開き、作業時にのみファン(31)が作動するように構成したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の移動用車両のキャビンにおいて、前記キャビン(7)の側部を覆う側部被覆体(26)を設け、該側部被覆体(26)は該キャビン(7)の側面の中途部より上方を覆い、該側部被覆体(26)の下側に、外部と連通する開放部(49)を設けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の解決すべき課題及び手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例を説明する。
【0008】
図1は本発明のキャビンを装備した乗用管理機の側面図、図2はキャビンの側面図、図3は同じく斜視図、図4は後部被覆体部分の後面図、図5は蓋体取付部分の斜視図、図6はファン駆動の電気回路図である。
【0009】
図7はルーフ最高部の拡大断面図、図8は複数の換気口を配置したときのキャビンの側面図,図9は複数の換気口を配置したときの蓋体取付部分の斜視図、図10は複数の換気口を配置したときの蓋体取付部分の平面図である。
【0010】
まず、本発明に係るキャビンを具備した移動用車両の一実施例である乗用管理機の概略構成から説明する。図1において、前後方向に配置したメインフレーム1の前部上にエンジン2を載置し、該エンジン2をボンネット3により覆っている。該ボンネット1後方にはオペレーターが着座する座席4やステアリングハンドル5等からなる運転部6を覆う後述する本発明のキャビン7が設けられている。前記メインフレーム1の前下方には前輪8を支承し、後下方には後輪9を支承している。
【0011】
また、メインフレーム1の前部両側から前方に、作業機昇降機構10を配置し、該作業機昇降機構10の前部に作業機機となるブーム11を左右傾倒可能に取り付けている。該作業機昇降機構10は平行リンクにより構成してシリンダ等のアクチュエータでブーム11を平行に昇降できるようにしている。該ブーム11は中央のセンタブーム11aと、その両側のサイドブーム11b・11bと、その外側に配置した延長ブーム11c・11cからなり、それぞれのブーム11a・11b・11cには所定間隔を開けて薬液を噴霧するノズル12・12・・・を配置している。サイドブーム11b・11bと延長ブーム11c・11cはそれぞれ折り畳めるようにしており、該サイドブーム11bはシリンダ等の駆動によって斜め上後方向に折り畳めるようにしている。延長ブーム11c・11cは手動で操作する。但し、作業機昇降機構10及びブーム11はメインフレーム1の後部に配置して散布する構成とすることも可能である。
【0012】
前記メインフレーム1の中途部から後部上には薬液タンク13が載置され、該薬液タンク13とボンネット3の間のメインフレーム1上をステップ14とし、メインフレーム1の後端上に動力噴霧機15が配置され、該動力噴霧機15は前記エンジン2からの動力によって駆動され、薬液タンク13から図示しないホースを介して薬液を吸入して、動力噴霧機15の吐出口より図示しないホースを介して前記ノズル12・12・・・へ薬液を圧送するようにしている。
【0013】
前記薬液タンク13は合成樹脂等で一体的に形成され、後上部に薬剤や水を投入する蓋体13aが設けられ、前部の左右中央には凹状に凹ませて座席4が載置され、その後部両側上に後述するキャビン7の後フレーム22の下端を取り付けて支えるための座部が形成されている。薬液タンク13の後底部には薬液を動力噴霧機15に供給する吸入口を設けている。
【0014】
次に、本発明のキャビン7について、図1〜図5より説明する。本発明のキャビン7は運転部6の前部左右両側に立設する前フレーム21・21と、後部両側に立設する後フレーム22・22と、該前フレーム21・21と後フレーム22・22の上部間を連結する上部フレーム23と、該上部フレーム23に固定して上部を覆うルーフ24と、前面を覆う前部被覆体25と、両側面を覆う側部被覆体26・26と、後部を覆う後部被覆体27等により構成されている。
【0015】
前記前フレーム21は側面視「く」字状に曲げて、下端を薬液タンク13の取付面と同等として、ステップ14両側のメインフレーム1上に固定している。後フレーム22の下端は前記座席4両側後部の薬液タンク13上面に固定され、薬液タンク13への固定部の高さだけ、後フレーム22を短く構成して材料コストを低減している。なお、後フレーム22の取り付け部には座を一体的に薬液タンク13に形成し、該薬液タンク13は肉厚を増加したり、リブ等を形成したりして補強しキャビン7の後部を支えられるだけの剛性を確保している。上部フレーム23は四角形状に構成して枠組み構成として剛性をアップしている。
【0016】
前記ルーフ24は合成樹脂等軽量、かつ、成形容易な材料で構成して、前記上部フレーム23よりも広く構成して各フレームの上方を覆うようにしている。該ルーフ24の最も高い部分の平面部には、図5、図7に示すように、後述する喚起口30とファン31上方を覆う蓋体33等が設けられ、その両側に排水用の溝24a・24aが適宜間隔を開けて平行に複数設けられて、強度アップを図っている。そして、この蓋体33の左右両側から溝24a・24aに向かって斜面24b・24bが形成されている。即ち、ルーフ24上に降雨等があった場合、開口部30はルーフ24の最高部に取り付けられているので、水が溜まることがなくファン31側へ水が流れることはない。そして更に、溝24a・24aがないとルーフ24端まで緩やかな傾斜となってしまうが、このように溝24a・24aがあると前記斜面24b・24bは急斜面となって排水性を向上できるのである。そして、この斜面24bの傾斜は蓋体33と溝24aとの間の距離が短い程大きくなって排水性も高くなるのである。
【0017】
また、その両側やルーフ24周囲には折り曲げ部を設けて、軽量でありながら強度がアップするようにしている。該ルーフ24の内面には図示しない断熱材が貼設され、太陽光等が当たりルーフ24表面が熱せられてもキャビン7内の温度の上昇を抑えるようにしている。
【0018】
そして、図2、図5に示すように、該ルーフ24の後部左右中央には換気口30が開口され、つまり、喚起口30に取り付けるファン31や蓋体33等を取り付けても変形等が生じない強度を有する前記溝24aを避けた近傍位置に配置している。該換気口30はオペレーター20が着座したときの頭上方向に位置するように配置している。そして、該換気口30にファン31が取り付けられ、該ファン31は前記断熱材よりも室内側に突出して取り付けられ、ファン31による室内への風を送り出す効率を上げている。
【0019】
該ファン31の吸引側となる外側上部にはフィルタ32が設けられて、塵埃や薬剤等がキャビン7内に浸入しないようにしている。該フィルタ32は取付台36上にネジ等を用いて固定できるようにしており、目詰まり等が生じたときには容易に交換できるようにしている。なお、ファン31をルーフ24上に配置することによって、ファンを容量アップしてキャビン内の換気性を高めたい場合等において容易に対応できるようになる。つまり、ファンを容量アップしたい場合には、必然的にファン自体が大きくなり、取付面積も大きくなる。従来術のようにルーフ前端とフロントガラスの間では大きさが限られてしまう。その点本発明のように、面積が広いルーフの天井部分に配置することによって、ファンの大きさに合わせて換気口を容易に変更して、キャビン7内を換気するに十分な容量のファンを取り付けることができるようになる。
【0020】
そして、換気口30は蓋体33によって覆うことができるようにしている。該換気口30の前部には回動支点となるヒンジ34を設けて蓋体33の前部を枢支して蓋体33の後側を開閉可能として、前記ファン31の駆動により後方より外気を吸い込めるようにしている。該蓋体33は本実施例では平面視四角形状の箱状に構成して、ルーフ24より上方に突出した取付台36上のフィルタ32を覆えるようにしている。但し,蓋体33の形状は四角形状に限定するものではない。また、作業機を後部に装着した場合には、後側から舞い上がる薬剤の吸い込みを避けるために、前記ヒンジ34を後側に設けて、蓋体33は前方を開閉するように構成することもできる。この場合ヒンジの軸を挿抜する等の操作で開閉方向を切り換えられるように構成することもできる。
【0021】
また、蓋体33の後内面にはU字状に構成した支え金具35の一端が枢支され、該支え金具35は上方へ跳ね上げることによって蓋体33内に収納でき、この状態のまま閉じたり、目一杯開放したりできるようにしている。なお、図2の33" で示す目一杯開放した状態では蓋体33の上端がルーフ24に当接して完全に倒れないようにして開閉を行い易いようにしている。また、支え金具35を下方へ回動して下端を前記取付台36に設けたホルダ37・37に係合させることによって蓋体33を突っ張って開けた状態(図2の33' )に維持できるようにしている。
【0022】
なお、ホルダ37を前後方向に所定間隔を開けて複数配置することにより、支え金具35の係止位置を変更して蓋体33の開放角度を変更するように構成することもできる。ただし、開放角度を調節する構成は前記技術に限定するものではなく、支え金具35をルーフ24側に枢支し、ホルダ37を蓋体33側に取り付けても良く、また、ヒンジ34の位置に固定部材を設けてもよい。また、ルーフ24に開閉操作用の孔を開口して、蓋体33に開閉レバーを連結して、キャビン7内から開閉操作できるように構成することもできる。
【0023】
また、前記取付台36にマグネット39が上方に向けて突出され、鉄板等で構成した蓋体33を後方へ回動して閉じたときに、内面を吸着して走行時等に振動しないようにして、閉じた状態を維持できるようにしている。また、蓋体33の下端周囲には縁部33aを形成し、該縁部33aの底面にシール部材40を貼設して、閉じた時に密閉できるようにして、ファン31側に雨等が浸入しないように防水性を高めている。また、両側の前後方向の縁部33aとルーフ24上面との間にそれぞれジャバラ等を設けて、蓋体33を開けた状態のときに側面をジャバラが覆う用にして、後方のみ開放するように構成して、薬剤が側方を流れても喚起口30へ浸入し難い構成とすることもできる。
【0024】
そして、前記ファン31は運転部6に設けた換気スイッチ41を操作することによりON・OFFの操作が可能であるが、蓋体33を閉じた状態でファン31を作動させても無駄である。そこで、蓋体33を閉じた位置に検知体となるスイッチ42を設け、図6に示すように、該スイッチ42は開けたときに閉じる(ONする)スイッチとして換気スイッチ41と直列に接続し、蓋体33を開けたときのみ作動するように構成することもできる。また、ファン31は作業時のみ使用し、非作業時は側部被覆体26等を開放して使用しないものであるから、作業時のみ作動するように、動力噴霧機15の噴霧レバー(作業レバー)等に検知体となるスイッチ43を設け、該スイッチ43で作業時を検出するようにして、該スイッチ43を換気スイッチ41と直列に接続する構成とすることもできる。このように構成することで、蓋体33が開けられ、作業時のみファン31を駆動することができ、メンテナンス等の時には不意にファン31が回転することも防止できる。また、蓋体33と取付台36またはルーフ24との間にモータあるいはシリンダ等のアクチュエータを介装し、該アクチュエータを前記換気スイッチ41またはスイッチ43と接続し、換気スイッチ41またはスイッチ43がONされると、アクチュエータが作動して蓋体33が自動的に開けられ、ファン31を駆動し、換気スイッチ41またはスイッチ43がOFFとなると、アクチュエータが蓋体33を閉じ方向に作動し、または、蓋体33の自重により自動的に閉じるようにし、ファン31が停止するように構成することもできる。
【0025】
また、前記換気口30は、次のように複数設けることもできる。即ち、図8乃至図10に示すように、本実施例では、ルーフ24の前部左右中央と後部左右中央に換気口30・30を開口し、一方(後部)の換気口30は、オペレーター20が着座したときの頭上方向に配置し、他方(前部)の換気口30は、後部換気口の前方位置でその下方に障害物等が位置せず、空気取り入れに対して遮ったり邪魔になったりすることがない位置に配置している。この場合も、前部の換気口30及び後部の換気口30は、前述の場合と同様に、換気口30に取り付けるファン31や蓋体33等を取り付けても変形等が生じない強度を有する前記溝24aを避けた近傍位置に配置している。その他の部分は前述の図2、図5における実施例と同様の構成である。但し、換気口を小さく構成することによって三つ以上配置することも可能であり、前後方向だけでなく左右方向、斜め方向にも配置することができる。
【0026】
また、前記支え金具35は、図9、図10に示すように、コの字状に形成することもできる。該支え金具35の一端は蓋体33の後内面に枢支されており、該支え金具35は上方へ跳ね上げることによって蓋体33内に収納できるようにしている。また支え金具35をコの字状にすることで、前記取付台36に設けたホルダ37を一つにでき、コンパクトにすることができる。
【0027】
次に、被覆体について説明する。図3に示すように、前記前部被覆体25は上方に配置するフロントガラス51と下方に配置するフロントシート52からなり、前記左右の前フレーム21・21間の上下中途部に横設された補強フレーム53の上側と、前フレーム21・21と上部フレーム23の間にフロントガラス51が固定される。該フロントガラス51は透明の強化プラスチックや強化ガラスや合わせガラス等より構成されている。54はワイパーである。
【0028】
そして、補強フレーム53と前フレーム21・21と前フレーム21・21下端より内水平方向に突設した補強フレーム59・59の間にフロントシート52を固定している。該フロントシート52は中央下部に切欠52aを形成して正面視逆凹状に構成しており、該切欠52aがボンネット3の外形に略一致するように形成して、運転部6の前方を保護できるようにしている。該フロントシート52はナイロンや塩化ビニール等の透明の合成樹脂シートにより構成され、軽量化及び低コスト化を図っている。このようにして、前部被覆体25により前方を覆うようにしている。
【0029】
前記側部被覆体26と後部被覆体27は前記フロントシート52と同様に透明のナイロンや塩化ビニール等の透明の合成樹脂シートにより構成され、視界を確保するとともに、ガラスや鉄板等を採用するよりも軽量化及び低コスト化を図っている。また、前記側部被覆体26・26と後部被覆体27の透明シートは一枚のシートを切断等の加工を施して組立性を向上してコスト削減を図ることもでき、また、側部被覆体26・26と後部被覆体27をそれぞれ別々のシートで分割構成とすることで、メンテナンスの向上を図ることもできる。
【0030】
前記側部被覆体26は左右対称に構成されるため、一方について説明する。該側部被覆体26は前フレーム21と上部フレーム23と後フレーム22の間に張設され、該側部被覆体26はキャビン7の側部面を覆うが、下側は覆わない構成として、キャビン7の下側部に外部と連通する開放部49を設けている。つまり、側部被覆体26の下辺26cの後端位置は、後フレーム22の下端位置となる薬液タンク13上面と略一致させて、薬液タンク13の上面に沿って斜め下前方へ延設して、キャビン7の側面の中途部より上方を覆う構成とし、前記下辺26cと前フレーム21とステップ14と薬液タンク13前部との間で構成する部分を開放部49として、該開放部49よりキャビン7内と室外を連通するように構成している。
【0031】
また、側部被覆体26は前下端より後上方に向かって円弧状のファスナー55が設けられ、該ファスナー55により、ドア部26aと固定部26bに分けられるようにしている。つまり、ファスナー55を開いた状態において、固定部26bは前フレーム21と上部フレーム23との間で張設され、ドア部26aは前部と上部が分離されて後フレーム22側のみ付いた状態となる。
【0032】
このような構成において、ファスナー55を閉じた状態では、運転部6の側方が覆われ、側部被覆体26の下方は開放されたままとなる。ファスナー55を開けると、ドア部26aは後フレーム22側を中心に開放することが可能となり、オペレーターが昇降できるようにしている。この開放状態を維持できるように後フレーム22近傍、または、ドア部26a後部に、ベルトまたは紐または面状ファスナー等よりなる固定部材56を設けており、ドア部26aを折り畳んで、或いは、巻き込んで固定部材56で固定することによって開放状態を維持できるようにしている。なお、ドア部26aの下辺26cは上部フレーム23と略平行に配置されるため、後フレーム22近傍で折り畳んだり、或いは、巻き付けて固定部材56によって確実に固定することができる。つまり、ドア部26aの下部が従来のようにステップまで延設された構成では、後フレーム22より下方の部分が固定されず垂れたままの状態となるため、ドア部26aの下部が後輪9に擦れたりするのである。
【0033】
後部被覆体27は図4に示すように、上部フレーム23と左右の後フレーム22・22の間に張設しており、下辺27cは薬液タンク13の上面と略一致、または、上面形状に沿うように形成され、後部被覆体27には左右一側下端より他側上部に向かって円弧状のファスナー57が設けられている。該ファスナー57によってドア部27aと固定部27bに分離できるようにしており、ファスナー57を開けて分離した状態において、固定部27bは上部フレーム23と後フレーム22に張設され、ドア部27aは一側部と上部が外れて他側の後フレーム22に付いたままとなる。
【0034】
そして、前記同様に固定部材56を他側の後フレーム22近傍に配置して、ファスナー57を開けた状態で折り畳んだり、巻き込んで固定できるようにしている。このドア部27bを開けた状態では、薬液タンク13上部に設けた蓋体13aを開閉することが可能となる。
【0035】
以上のような構成において、本発明のキャビン7は通常の防風や防雨としての機能に加えて、防除作業や施肥作業等の場合に薬剤からオペレーター20を保護できるようにしている。つまり、噴霧作業時においては、ファスナー55・57が閉じられて、ファン31も駆動される。この状態で前進走行しながら散布作業を行なうと、機体前方に設けたブーム11に配置したノズル12・12・・・より薬液が噴霧される。このとき、当然ながら薬剤を散布したあとに機体が突入することになるため、オペレーターの前方から後方へ噴霧された薬剤が駆け抜けることになるが、ファン30の駆動によって、オペレーター20の頭上方向に配置される換気口30より外気がキャビン7内に吸入され、側部被覆体26・26の下方の空間より機外に排出され、有害な薬剤がキャビン7内に入ることはないのである。また、前方は前部被覆体25により覆われているため、直接薬剤が入ることはない。前述の如く、頭上方向にファン31を一つ設けた場合は、薬剤が最も有害になるオペレーター20の頭部付近がファン31により保護されるが、風の流れを妨げる位置にオペレーター20が座るため、薬剤を排出するための風の力が減少し、キャビン7内部に薬剤が若干残る可能性がある。しかし、前述の図8乃至図10に示すように、頭上方向とその前部にファン31・31を設けることで、前部のファン31でキャビン内部に浸入する薬剤を取り除き、頭上方向のファン31で最も有害になる頭部付近を保護することが可能となる。
【0036】
そして、換気口30の上前方に蓋体33が枢支されて、開けたときには斜め後上方に向かって配置される。よって、機体が前進することによる空気の流れは上後方へ導くこととなり、散布作業時に舞い上がった薬剤は入り難く、例え換気口30に薬剤が至ってもフィルタ32によって浸入を防止されるのである。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0038】
請求項1に示す如く、機体前方の作業機昇降機構(10)により昇降可能としたブーム(11)に複数のノズル(12)を付設し、該ノズル(12)により薬液を噴霧する移動用車両のキャビン(7)であって、該キャビン(7)を構成するルーフ(24)の上面の前後に、複数の換気口(30・30)を開口し、該換気口(30)は該ルーフ(24)の最も高い部分の平面部に設け、該複数の換気口(30・30)を構成する開口の両側に、排水用の溝(24a・24a)を間隔を開けて平行に設け、前記各換気口(30・30)にそれぞれファン(31・31)を取り付けるとともに、該換気口(30)上方を覆う蓋体(33)を設け、該蓋体(33)は換気口(30)の前部に回動支点となるヒンジ(34)を設け、前部を枢支して後側を開閉可能とし、蓋体(33)を開けたときには斜め後上方に向かって傾斜配置し、前記ファン31の駆動により後方から外気を吸い込めるように構成し、前記蓋体(33)の「開・閉」、及び、「作業・非作業」を検知し、前記蓋体(33)が開き、作業時にのみファン(31)が作動するように構成したので、蓋体によって雨がキャビン内に入ることを防止し、作業時のみ開けて外気を吸入することができるようになる。
また、蓋体33の左右両側から溝24a・24aに向かって斜面が形成されるので、強度アップを図ることが出来たのである。
また、該換気口(30)は、該ルーフ(24)の最も高い部分の平面部に設け、該ルーフ(24)において、換気口(30)を構成する開口の両側に、排水用の溝(24a・24a)を間隔を開けて平行に設けたので、ルーフ24上に降雨等があった場合、開口部30はルーフ24の最高部に取り付けられているので、水が溜まることがなくファン31側へ水が流れることはない。
そして更に、溝24a・24aがないとルーフ24端まで緩やかな傾斜となってしまうが、このように溝24a・24aがあると、前記斜面は急斜面となって排水性を向上できるのである。
【0040】
また、前記蓋体(33)の「開・閉」、及び、「作業・非作業」を検知し、前記蓋体(33)が開き、作業時にのみファン(31)が作動するように構成したので、誤って換気スイッチをONにしたままでもファンは作業時以外作動することはなく、無駄なファンの駆動がなくなる。
また、蓋体を開けないと作動しないので、蓋体の開け忘れを防止できる。
【0039】
また、前記ルーフ(24)に複数の換気口(30・30)を開口し、該各換気口(30・30)にそれぞれファン(31・31)を取り付けたので、一つの換気口からの空気の取り込みがオペレーターによって邪魔になっても、他方の換気口から空気を取り込むことができて、キャビン内の風の流れがよくなり、キャビン内部に薬剤が浸入することを防止できる。
【0041】
請求項2に示す如く、前記キャビンの側部を覆う側部被覆体を、キャビン側面の中途部より上方を覆い、側部被覆体の下側に外部と連通する開放部を設けたので、ファン(31・31)により吸入した外気を排出しやすくなり、換気性を高めることができたのである。
また、側部被覆体の上下長さが短くなり、シート状に構成してドアとした場合には、後部方向へ折り畳んで容易に固定することができて、側部被覆体の下部が垂れ下がることをなくすことができ、汚れ等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のキャビンを装備した乗用管理機の側面図である。
【図2】 キャビンの側面図である。
【図3】 同じく斜視図である。
【図4】 後部被覆体部分の後面図である。
【図5】 蓋体取付部分の斜視図である。
【図6】 ファン駆動の電気回路図である。
【図7】 ルーフ最高部の拡大断面図である。
【図8】 複数の換気口を配置したときのキャビンの側面図である。
【図9】 複数の換気口を配置したときの蓋体取付部分の斜視図である。
【図10】 複数の換気口を配置したときの蓋体取付部分の平面図である。
【符号の説明】
7 キャビン
24 ルーフ
26 側部被覆体
30 換気口
31 ファン
33 蓋体
35 支え金具
49 開放部
Claims (2)
- 機体前方の作業機昇降機構(10)により昇降可能としたブーム(11)に複数のノズル(12)を付設し、該ノズル(12)により薬液を噴霧する移動用車両のキャビン(7)であって、該キャビン(7)を構成するルーフ(24)の上面の前後に、複数の換気口(30・30)を開口し、該換気口(30)は該ルーフ(24)の最も高い部分の平面部に設け、該複数の換気口(30・30)を構成する開口の両側に、排水用の溝(24a・24a)を間隔を開けて平行に設け、前記各換気口(30・30)にそれぞれファン(31・31)を取り付けるとともに、該換気口(30)上方を覆う蓋体(33)を設け、該蓋体(33)は換気口(30)の前部に回動支点となるヒンジ(34)を設け、前部を枢支して後側を開閉可能とし、蓋体(33)を開けたときには斜め後上方に向かって傾斜配置し、前記ファン31の駆動により後方から外気を吸い込めるように構成し、前記蓋体(33)の「開・閉」、及び、「作業・非作業」を検知し、前記蓋体(33)が開き、作業時にのみファン(31)が作動するように構成したことを特徴とする移動用車両のキャビン。
- 請求項1記載の移動用車両のキャビンにおいて、前記キャビン(7)の側部を覆う側部被覆体(26)を設け、該側部被覆体(26)は該キャビン(7)の側面の中途部より上方を覆い、該側部被覆体(26)の下側に、外部と連通する開放部(49)を設けたことを特徴とする移動用車両のキャビン。
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