JP4906159B2 - 積層体及び医療用袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛生性、柔軟性、透明性、耐熱性、耐ピンホール性等に優れた、薬液、血液等を入れる医療用袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、医療用容器としては、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる硬質の容器と可塑剤を含むポリ塩化ビニルからなる軟質の袋が知られている。しかしながら、前者の硬質容器は、内容液を滴下する際に、通気針または通気孔つきの輸液セットを用いて空気を導入しなければならない。さらに、内容液の汚染などを生じる恐れがある。また、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる硬質容器は、透明性が不十分で、内容液の量が見にくいことが問題となっている。
【0003】
一方、後者の軟質袋は、前記の硬質容器におけるような空気の導入が不要であり、また内容液の滴下とともに袋自体が大気圧によって絞られるなどの安全性、運搬の便利性が高いなどの利点がある。しかし、ポリ塩化ビニルに含まれる可塑剤、残留モノマーが、内容液に微粒子として析出するので問題となっている。そこで、これに替わる材料が望まれている。
【0004】
これに対し、柔軟性、透明性、衛生性等の点で、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エラストマーなどのポリマーを中間層に用いた医療用袋が提案されている(特開昭58−165866号)が、中間層に使われるこれらのポリマーは耐熱性が乏しいため滅菌時にしわが生じる、あるいは滅菌後の透明性が低下するなど、外観が劣るという欠点がある。また、輸送時にピンホールが発生する等問題になることもある。
【0005】
一方、特開平6−171039号には、外層をポリプロピレン系樹脂、中間層に従来の直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とする積層体が、特開平9−141793号には、外層をポリプロピレン系樹脂、中間層にメタロセン触媒を用いて製造された、融点が1つのエチレン・α−オレフィン共重合体とする積層体が、各々提案されている。しかしながら、これらの積層体からなる医療用袋は、透明性、強度、柔軟性および耐熱性を高レベルでバランス良く備えたものではない。
【0006】
よって、上記のような問題点がなく、すなわち衛生性が良好であるだけでなく、柔軟性及び透明性に優れ、かつ耐熱性が高く、さらには落袋時の破袋強度についても良好な医療用袋は、従来の多層医療用袋では達成できていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、衛生性が高く、柔軟性及び透明性に優れ、耐ピンホール性にも優れ、かつ耐熱性及び落袋強度についても良好な、薬液、血液等を収容する医療用袋を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を行った結果、外層及び中間層にポリプロピレン系樹脂(成分(A))と特定のメルトフローレート(溶融流量:以下、「MFR」という)、特定の性状を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(成分(B))を配合した樹脂材料を用い、内層にポリプロピレン系樹脂を用いることにより、上記の発明の目的が達成されうるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、少なくとも外層、中間層及び内層をこの順で含む積層体であって、前記外層は下記成分(A)の総重量に対して下記成分(B)を0〜85重量%配合してなる樹脂材料(a)で形成され、前記中間層は、下記成分(A)の総重量に対する割合として、下記成分(B)を前記外層で配合した配合量以上であってかつ25〜95重量%となるように配合してなる樹脂材料(b)で形成され、前記内層は下記成分(A)からなる樹脂材料(c)で形成されることを特徴とする積層体からなる医療用袋を提供する。
成分(A):ポリプロピレン系樹脂
成分(B):以下に示す物性(i)及び(ii)を備えたメタロセン系触媒で製造されたエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体
(i)MFR=0.1〜20g/10分
(ii)温度上昇溶離分別(TREF)溶出曲線の最大ピークの温度が25〜92℃であり、該ピークの高さをHとし、その3分の1の高さにおける幅をWとしたとき、H/Wの値が1.8以上であること。
【0010】
また、本発明は、
前記中間層を形成する樹脂材料(b)が、前記成分(A)及び成分(B)の総重量に対して、下記成分(C)を3〜40重量%配合してなることを特徴とする前記積層体からなる医療用袋を提供する。
成分(C):以下に示す物性(1)及び(2)を備えた高密度ポリエチレン
(1)MFR=0.1〜50g/10分
(2)密度=0.940〜0.970g/cm3
【0011】
また、本発明は、前記外層を形成する樹脂材料(a)が、成分(A)及び成分(B)の総重量に対して、下記成分(C)を3〜40重量%配合してなることを特徴とする前記積層体からなる医療用袋を提供する。
成分(C):以下に示す物性(1)及び(2)を備えた高密度ポリエチレン
(1)MFR=0.1〜50g/10分
(2)密度=0.940〜0.970g/cm3
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の積層体は、少なくとも外層、中間層及び内層をこの順で含む積層体により構成されており、各層はそれぞれ成分(A)及び場合により成分(B)並びに成分(C)を含む樹脂材料(a)、(b)、(c)からなる。
【0014】
1.各樹脂材料の構成成分
(1)成分(A)
成分(A)はポリプロピレン系樹脂であり、具体的には、プロピレン単独共重合体、プロピレンとエチレンまたは/および炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体を挙げることができる。炭素数4以上のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。前記ランダム共重合体中におけるプロピレンから誘導される構成単位(プロピレン単位)の割合は、80重量%以上、特に好ましくは85重量%以上である。
【0015】
前記ポリプロピレン系樹脂のMFRは、特に限定されないが、好ましくは0.1〜100g/10分、特に好ましくは0.3〜80g/10分である。ここでいうMFRは、JIS−K6758(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した値である。MFRが上記範囲内であれば、成膜がおよび押出性が安定するという利点がある。
【0016】
かかるポリプロピレン系樹脂の好ましい具体例としては、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。
【0017】
(2)成分(B)
成分(B)はエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体(以下、「エチレン・α−オレフィン共重合体」又は単に「共重合体」という)であって、以下に示す物性(i)及び(ii)を満たすものを主成分とするポリエチレン系樹脂材料からなる。
【0018】
(i)MFR
前記共重合体は、そのMFRが0.1〜20g/10分、好ましくは0.1〜15g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分である。ここでいうMFRは、JIS−K7210(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した値である。
【0019】
該MFR値が上記範囲より大きいと耐熱性、フィルム強度が低下し、フィルムの成膜が不安定となるので好ましくない。一方、該MFRが上記範囲より小さいと樹脂圧力が高くなり、押出性が低下するので好ましくない。
【0020】
(ii)温度上昇溶離分別による溶出曲線の最大ピーク
本発明の前記共重合体は、その温度上昇溶離分別によって得られる溶出曲線が特定の性状を有する。
【0021】
前記共重合体は、その温度上昇溶離分別によって得られる溶出曲線の最大ピークの温度が25〜92℃、好ましくは25〜85℃、より好ましくは25〜80℃、さらに好ましくは65〜92℃、特に好ましくは68〜90℃であり、かつ該ピークの高さをHとし、その3分の1の高さにおける該ピークの幅をWとしたときのH/Wの値が1.8以上、好ましくは2以上、さらに好ましくは2.5以上のものが用いられる。
【0022】
ここで、温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fraction)とは、一度高温でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次いで温度を連続または段階的に昇温して、溶出した成分(ポリマー)を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出成分の量と溶出温度とを求める方法である。
【0023】
その溶出分率と溶出温度によって描かれるグラフが溶出曲線であり、これによりポリマーの組成分布(分子量および結晶性の分布)を測定することができる。温度上昇溶離分別(TREF)の測定方法および装置等の詳細については、Journal of Applied Polymer Science、第26巻、第4217〜4231貢(1981年)に記載されている。
【0024】
TREFによって得られる溶出曲線の形はポリマーの分子量および結晶性の分布によって異なる。例えば、ピークが1つの曲線、ピークが2つの曲線、およびピークが3つの曲線があり、さらにピークが2つの曲線には溶出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピークの方がピークの高さが高い場合と、溶出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピークの方がピークの高さが低い場合とがある。
【0025】
これを具体的に図に例示して説明すると、図.1にはピークが1つの場合の溶出曲線を表し、図.2にはピークが2つの場合の溶出曲線を表し、図.3にはピークが3つの場合の溶出曲線を表し、さらに図.2の(a)には溶出温度の低いピークに比べて、溶出温度の高いピークの方がピーク高さが高い場合を表し、図.2(b)には溶出温度の低いピークに比べて溶出温度の高いピークの方がピーク高さが低い場合を表す。
【0026】
本発明における溶出曲線の最大ピークとは、ピークが1つの場合の溶出曲線においてはそのピークを、ピークが2つ以上存在する溶出曲線においては、その高さが最大となるピーク(図.2および図.3中、符号でpで示したピーク)を表す。
【0027】
また、本発明におけるH/Wとは、図.1〜3に示したように、最大ピークの高さをHとし、その3分の1の高さにおける幅をWとして計算することにより求められる。図.1に示したように、ピークが1つの場合は該ピークの高さと幅とから求められるが、ピークが2つ以上存在する溶出曲線においては、最大ピークと他のピークとの間の谷が該最大ピークの高さの3分の1以上となるような場合があり、形状によっては最大ピークの高さの3分の1の高さにおける幅が該最大ピークとから形成される曲線の幅となる場合がある。そのときはその該最大ピークと他のピークとから形成される曲線全体の幅をWとする(図.2(a)および図.3参照)。ピークが2以上の場合であっても、最大ピークとの間の谷が該最大ピークの高さの3分の1未満となるような他のピークが存在する場合は、そのような他のピークは幅Wの計算に関与しない(図.2(b)参照)。
【0028】
このようにして求められる本発明のTREFによる溶出曲線の最大ピークの温度およびH/Wが上記範囲内であれば、組成分布が狭く、結晶性が均一なポリオレフィン樹脂が得られ、ベタツキ成分、内容液への溶出成分がなく、さらにフィルム強度、耐ピンホール性が向上する。
【0029】
一方、TREFによる溶出曲線の最大ピークの温度が上記範囲より大きいと、樹脂に高結晶成分が多く存在し、フィルム強度、耐ピンホール性、柔軟性が低下するので好ましくない。一方、該ピーク温度が上記範囲より小さいと、耐熱性が悪化するので好ましくない。また、H/Wの値が上記範囲より小さいと、樹脂の結晶性分布が広すぎ、フィルム強度、耐ピンホール性が低下するので好ましくない。
【0030】
上述した物性を備えるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンから誘導される構成単位を主成分とするものであり、コモノマーとして用いられるα−オレフィンは、炭素数3〜18の1−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。
【0031】
かかるエチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等が挙げられる。
【0032】
コモノマーとして用いられる上記α−オレフィンは1種類に限られず、ターポリマーのように2種類以上用いた多元系共重合体も好ましいものとして含まれる。具体例としては、エチレン・プロピレン・1−ブテン3元共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン3元共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン3元共重合体、エチレン・1−ブテン・1−ヘキセン3元共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン3元共重合体が挙げられる。
【0033】
成分(B)の共重合体中のエチレン単位の割合は、好ましくはエチレンが80モル%以上であり、コモノマーであるα−オレフィンが20モル%未満である。例えば、分子量および結晶性の分布を制御する公知の方法として、重合温度やコモノマー量を調節する方法を適宜採用することにより、所望の物性のポリマーを得ることができる。
【0034】
上記エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法については、上記物性を満たすものを製造し得る限り、その重合方法や触媒について特に制限はない。
例えば、触媒については、チーグラー型触媒(すなわち、担持または非担持ハロゲン含有チタン化合物と有機アルミニウム化合物の組み合わせに基づくもの)、フィリップス型触媒(すなわち、担持酸化クロム(Cr6+)に基づくもの)、カミンスキー型触媒(すなわち、担持または非担持メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物、特にアルモキサンの組み合わせに基づくもの)が挙げられる。
【0035】
メタロセン触媒系は、具体的には、特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭60−35006号、特開昭60−35007号、特開昭60−35008号、特開昭60−35009号、特開昭61−130314号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、および国際公開公報W091/04257号明細書等に記載されている方法、すなわちメタロセン触媒、メタロセン/アルモキサン触媒、または、例えば国際公開公報W092/07123号明細書等に開示されている様なメタロセン化合物とメタロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触媒を挙げることができる。
【0036】
本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体(成分(B))は、重合触媒として、四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて重合されたものであることが望ましい。特に、高結晶成分および低結晶成分を含まない、比較的狭い組成分布のものが好ましいので、特にカミンスキー型触媒つまり四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて重合されたものが好ましい。カミンスキー型触媒に使用されるメタロセン化合物としては、Zr、Ti、Hf等の4〜6族遷移金属化合物、特に4族遷移金属化合物と、シクロペンタジエンあるいはシクロペンタジエン誘導体との有機遷移金属化合物を使用することができる。
【0037】
シクロペンタジエン誘導体としては、ペンタメチルシクロペンタジエン等のアルキル置換体、あるいは2以上の置換基が結合して飽和もしくは不飽和の環状置換基を構成したものを使用することができ、代表的にはインデン、フルオレン、アズレン、あるいはこれらの部分水素添加物を挙げることができる。
【0038】
また、複数のシクロペンタジエンがアルキレン基、シリレン基等で結合されたものを用いることもできる。
助触媒としては、有機アルミニウムあるいはメタロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物を用いることができ、一般にアルモキサンが使用される。
【0039】
重合方法としては、これらの触媒の存在下でのスラリー法、気相流動床法(例えば、特開昭59−23011号公報に記載の方法)や溶液法、あるいは圧力が200kg/cm2以上、重合温度が100℃以上での高圧バルク重合法等が挙げられる。
【0040】
(3)成分(C)
本発明で用いられる成分(C)は、以下に示す物性(1)及び(2)を備えた高密度ポリエチレンである。
【0041】
(1)MFR=0.1〜50g/10分
前記高密度ポリエチレンは、そのMFRが0.1〜50g/10分、好ましくは0.1〜40g/10分、より好ましくは0.1〜30g/10分である。ここでいうMFRは、JIS−K7210(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した値である。該MFR値が上記範囲より大きいとフィルムの成膜が不安定となるので好ましくない。一方、該MFRが上記範囲より小さいと樹脂圧力が高くなり、押出性が低下したり、分散性が悪くブツが発生したりするので好ましくない。
【0042】
(2)密度
前記高密度ポリエチレンは、その密度が0.940〜0.970g/cm3、好ましくは0.943〜0.967g/cm3、より好ましくは0.945〜0.965g/cm3である。ここでいう密度は、JIS−K7112(23℃)に準拠して測定した値である。該密度が上記範囲より大きいと分散性が悪く、ブツ発生の原因となるので好ましくない。一方、該密度が上記範囲より小さいと耐熱性が向上せず、柔軟性が低下するので好ましくない。
【0043】
かかる物性を備えた高密度ポリエチレンの製造方法は特に限定されず、市販の種々の高密度ポリエチレンのなかから上記物性を備えたものを適宜選択して用いることができる。
【0044】
2.各層を形成する樹脂材料
(1)外層
本発明の積層体の外層は、上述した成分(A)のポリプロピレン系樹脂に、場合により成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合体を配合した樹脂材料(a)により形成されている。
【0045】
<各成分の配合割合>
前記樹脂材料(a)中における成分(A)と成分(B)の配合割合は、成分(A)の総重量に対して成分(B)が0〜85重量%、好ましくは、0〜82重量%となるようにする。すなわち、成分(A)と成分(B)をともに配合してもよく、また成分(B)を配合せずに成分(A)単独としてもよい。ただし、成分(B)の配合割合が上記範囲より大きいと、耐熱性が低下するので好ましくない。なお、成分(B)を配合する場合の下限は特に限定されないが、3重量%程度以上である。
【0046】
また、前記樹脂材料(a)には、上記成分(C)がさらに配合されていてもよい。成分(C)は、成分(A)及び成分(B)の総重量に対して、好ましくは3〜40重量%、より好ましくは5〜35重量%配合することができる。成分(C)を配合することにより耐熱性が向上するという利点がある。なお、成分(C)の配合量が上記範囲未満では耐熱性が向上しにくく、上記範囲を超えると柔軟性及び透明性が低下する傾向にある。
【0047】
<樹脂材料の調製方法>
前記樹脂材料(a)は、成分(A)及び必要に応じて成分(B)並びに成分(C)の各成分を、通常の樹脂組成物の製造方法に従って配合し、必要に応じて溶融混練することにより調製することができる。
【0048】
より具体的には、成分(A)と成分(B)と、場合により成分(C)とを、予めドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま成形機のホッパーに投入してもよい。また、そのブレンド物を押出機、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー等を用いて溶融、混練し、通常用いられている方法でペレット状とし、フィルムもしくはシートを製造することもできる。
【0049】
<他の添加成分>
前記樹脂材料(a)には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、一般に樹脂組成物用として用いられる補助添加成分を必要に応じて配合することもできる。そのような補助添加成分としては、例えば、酸化防止剤(中でも、フェノール系、およびリン系酸化防止剤が好ましい)、アンチブロッキング剤、中和剤、熱安定剤を挙げることができる。上記補助添加成分を配合する場合、上記成分(A)〜(C)の混合前、混合途中、あるいは混合後に、両成分のいずれか一方、あるいは両方に配合することができる。
【0050】
また、前記樹脂材料(a)には、本発明の効果が損なわれない程度で、成形時のバブル安定性を向上させるため、高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)、もしくは/かつ、柔軟性を付与するため、チーグラー型触媒又はメタロセン系触媒によって重合された結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体および/またはEBR、EPR等のエチレン・α−オレフィンエラストマー、SEBS、HSBC等のスチレン系エラストマー等のゴム系化合物を配合することもできる。
高圧法低密度ポリエチレンの配合割合は、上記成分(A)及び成分(B)(成分(C)を使用する場合は成分(A)〜(C))の樹脂混合物の総重量に対して3〜40重量%、チーグラー型触媒又はメタロセン系触媒によって重合された結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体、ゴム系化合物の場合は3〜75重量%程度が好ましい。
【0051】
(2)中間層
本発明の積層体の中間層は、上記成分(A)及び成分(B)、並びに場合により成分(C)からなる樹脂材料(b)により形成されている。なお、中間層で用いる成分(A)〜(C)は、外層で用いたものと同じであっても良く、また異なっていても良い。
【0052】
<各成分の配合割合>
前記樹脂材料(b)中における成分(B)の配合量は、成分(A)の総重量に対する割合として、外層で配合した配合割合以上かつ25〜95重量%、好ましくは25〜85重量%となるようにする。
【0053】
中間層中の成分(A)に対する成分(B)の配合割合が、外層での配合割合より小さいと、耐ブロッキング性と落袋強度との両立が困難となるので好ましくない。また、中間層中の成分(B)の配合割合が上記範囲より大きいと耐熱性が低下し、上記範囲より小さいと柔軟性、落袋強度が低下するので好ましくない。
【0054】
また、前記樹脂材料(b)には、上記成分(C)がさらに配合されていてもよい。成分(C)は、成分(A)及び成分(B)の総重量に対して、好ましくは3〜40重量%、より好ましくは5〜35重量%配合することができる。成分(C)を配合することにより耐熱性が向上するという利点がある。なお、成分(C)の配合量が上記範囲未満では耐熱性が向上しにくく、上記範囲を超えると柔軟性及び透明性が低下する傾向にある。
【0055】
<樹脂材料の調製方法>
前記樹脂材料(b)は、成分(A)及び成分(B)並びに必要に応じて成分(C)の各成分を、通常の樹脂組成物の製造方法に従って配合し、必要に応じて溶融混練する方法により調製することができる。
【0056】
より具体的には、成分(A)と成分(B)と、場合により成分(C)とを、予めドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま成形機のホッパーに投入してもよい。また、そのブレンド物を押出機、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー等を用いて溶融、混練し、通常用いられている方法でペレット状とし、フィルムもしくはシートを製造することもできる。
【0057】
<他の添加成分>
前記樹脂材料(b)には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、一般に樹脂組成物用として用いられる補助添加成分を必要に応じて配合することもできる。そのような補助添加成分としては、例えば、酸化防止剤(中でも、フェノール系、およびリン系酸化防止剤が好ましい)、アンチブロッキング剤、中和剤、熱安定剤を挙げることができる。上記補助添加成分を配合する場合、上記成分(A)〜(C)の混合前、混合途中、あるいは混合後に、両成分のいずれか一方、あるいは両方に配合することができる。
【0058】
また、前記樹脂材料(b)には、本発明の効果が損なわれない程度で、成形時のバブル安定性を向上させるため、高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)、もしくは/かつ、柔軟性を付与するため、チーグラー型触媒又はメタロセン系触媒によって重合された結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体および/またはEBR、EPR等のエチレン・α−オレフィンエラストマー、SEBS、HSBC等のスチレン系エラストマー等のゴム系化合物を配合することもできる。高圧法低密度ポリエチレンの配合割合は、上記成分(A)及び成分(B)(成分(C)を使用する場合は成分(A)〜(C))の樹脂混合物の総重量に対して3〜40重量%、チーグラー型触媒又はメタロセン系触媒によって重合された結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体、ゴム系化合物の場合は3〜75重量%程度が好ましい。
【0059】
(3)内層
本発明の積層体の内層は、上記成分(A)からなる樹脂材料(c)により形成されている。内層で用いる成分(A)は、上記外層及び中間層で使用可能な成分(A)の中から適宜選択することができる。なお、該成分(A)は、外層及び中間層で用いたものと同じであっても良く、また異なっていても良い。
【0060】
<他の添加成分>
前記樹脂材料(c)には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、一般に樹脂組成物用として用いられる補助添加成分を必要に応じて配合することもできる。そのような補助添加成分としては、例えば、酸化防止剤(中でも、フェノール系、およびリン系酸化防止剤が好ましい)、アンチブロッキング剤、中和剤、熱安定剤を挙げることができる。
【0061】
また、前記樹脂材料(c)には、本発明の効果が損なわれない程度で、柔軟性、落袋強度を付与、層間接着力を向上させるため、外層及び中間層に用いる成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合体を配合することができる。さらに、成分(A)(場合により成分(A)に成分(B)を配合した総重量)に対して、耐熱性を付与するためにMFRが0.1〜50g/10分、密度が0.940〜0.970g/cm3の高密度ポリエチレン(成分(C))を配合することができる。樹脂材料(c)中における成分(B)の配合割合は、成分(A)の総重量に対して3〜85重量%程度が好ましい。また、樹脂材料(c)中における成分(C)の配合割合は、成分(A)の総重量に対して3〜40重量%程度が好ましい。
【0062】
また、樹脂材料(c)には、成分(A)(場合により成分(B)及び/又は成分(C))の総重量に対して、成形時のバブル安定性を向上させるため、高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)を3〜40重量%、もしくは/かつ、柔軟性を付与するため、結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体および/またはEBR、EPR等のエチレン・α−オレフィンエラストマー、SEBS、HSBC等のスチレン系エラストマー等のゴム系化合物を3〜75重量%配合することもできる。
【0063】
<樹脂材料の調製方法>
前記樹脂材料(c)に成分(A)以外の成分を配合する場合は、各成分を、上述した樹脂材料(a)及び樹脂材料(b)の場合と同様に、通常の樹脂組成物の製造方法に従って配合し、必要に応じて溶融混練する方法により調製することができる。
【0064】
3.積層体
(1)積層構造
本発明の積層体は、少なくとも上記外層、中間層及び内層をこの順で積層したものであればよい。該積層体には、上記外層、中間及び内層のほかに、かかる積層体に一般的に使用される各種層を適宜必要に応じて設けることができ、例えば4層、5層、又はそれ以上の積層体でも良い。
【0065】
一般的に使用される各種層を構成する材料の具体例としては、上記成分(A)、成分(B)、成分(C)を含むポリオレフィン、接着樹脂、ゴム、ポリアミド、ポリエステル、EVOH、PBT等を挙げることができる。
【0066】
積層体の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.10〜0.7mmであり、より好ましくは0.15mm〜0.6mmである。0.1mm未満では、質量感が損なわれる。一方、0.7mmを越えると、柔軟性が不足気味となる。また、各層の厚みの割合は特に制限するものではないが、積層体に柔軟性を十分付与するには中間層の厚みを積層体全体の厚みの40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは55〜98%とするのがよく、内外層の厚みは、それぞれ1〜30%とするのが好ましい。積層体全体に対する内外層の厚み比が、それぞれ上記範囲を越えると、積層体の柔軟性が不足気味となり、落袋強度が不良となる。また、内外層の厚みがそれぞれ0.01mm未満では、耐熱性が劣る傾向にある。
【0067】
(2)製造方法
本発明の積層体を得る方法としては、水冷式又は空冷式共押インフレーション法、共押出Tダイ法、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法等を採用することができる。積層体は通常チューブ状又はシート状であり、これらを重ね合わせてヒートシールする(内層をヒートシール層とする)等の方法により、所定の形状・寸法に製袋することができる。また、該積層体を医療用袋に用いる場合は、これに注入口を取り付けることによって、目的とする医療用袋とすることができる。
【0068】
(3)用途
本発明の積層体は、衛生性、柔軟性、透明性、耐熱性、耐ピンホール性等に優れており、医療用袋(単室・複室)、医療用容器(単室・複室)として好適に用いることができる。本発明の医療用袋の具体例としては、輸液バッグ、体液や薬液等の注入、排出、保存用等の容器、腹膜透析バッグ、人工透析バッグ等が挙げられる。
【0069】
また、本発明の積層体は、透明性、柔軟性、耐熱性、落袋強度に優れるので、121℃耐熱性が必要なレトルト用の食品包装袋としても好適に用いることができる。
【0070】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。これらの実施例および比較例は、本発明を更に具体的に説明するためのものである。これらの実施例および比較例における物性の測定と積層体の物性評価は、以下に示す方法によって実施した。
【0071】
1.樹脂の物性の測定方法
(1)ポリプロピレン系樹脂のMFRについては、JIS−K6758(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。エチレン・α−オレフィン共重合体及び高密度ポリエチレンのMFRについては、JIS−K7210(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。密度については、JIS−K7112(23℃)に準拠して測定した。
【0072】
(2)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線の測定
本発明における温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線のピークは、一度高温にてポリマーを完全に溶解させた後に、冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次いで、温度を連続または段階的に昇温して、溶出した成分(ポリマー)を回収し、その温度を連続的に検出して、その溶出成分の量(溶出量)と溶出温度とを求める方法によって行った。これによって描かれるグラフ(溶出曲線)により本発明の溶出曲線のピークが求められ、ポリマーの組成分布が測定される。
【0073】
測定装置としてクロス分別装置(三菱化学(株)製 CFC・T150A)を使用し、付属の操作マニュアルの測定法に従って行った。このクロス分別装置は、試料を、溶解温度の差を利用して、分別する温度上昇溶離分別(TREF)機構と、分別された区分を更に分子サイズで分別するサイズ排除クロマトグラフ(Size Exclusion Chromatography :SEC)をオンラインで接続した装置である。
【0074】
まず、測定すべきサンプル(エチレン・α−オレフィン共重合体)を溶媒(O−ジクロロベンゼン)を用い、濃度が4mg/mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入した。以下の測定は、設定条件に従って自動的に行われた。
【0075】
サンプルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入された。該サンプルは、1℃/分の速度で140℃から0℃の温度まで冷却され、上記不活性担体にコーティングされた。このとき、高結晶成分(結晶しやすいもの)から低結晶成分(結晶しにくいもの)の順で不活性担体表面にポリマー層が形成される。
【0076】
TREFカラムを0℃で更に30分間保持された後、0℃の温度で溶解している成分2mlを、1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和電工社製 AD80M・S、3本)へ注入した。SECで分子サイズでの分別が行われている間に、TREFカラムでは次の溶出温度(5℃)に昇温され、その温度に約30分間保持された。SECでの各溶出区分の測定は39分間隔で行われた。溶出温度としては以下の温度が用いられ段階的に昇温された。
【0077】
溶出温度(℃):0,5,10,15,20,25,30,35,40,45,49,52,55,58,61,64,67,70,73,76,79,82,85,88,91,94,97,100,102,120,140℃
【0078】
該SECカラムで分子サイズによって分別された溶液について、装置付属の赤外分光光度計でポリマーの濃度に比例する吸光度を測定し(波長3.42μm,メチレンの伸縮振動で検出)、各溶出温度区分のクロマトグラムを得た。内蔵のデータ処理ソフトを用い、上記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラムのベースラインを引き、演算処理した。各クロマトグラムの面積が積分され、積分溶出曲線が計算された。また、この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計算された。計算結果の作図はプリンターに出力した。出力された微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を100℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(溶出分率:全積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とした)0.1当たり76.5mmで行った。
【0079】
次に、この微分溶出曲線から、最も高さの高いピーク(最大ピーク)における温度を最大ピーク温度とし、また、この最大ピークのピークの高さをHとし、その3分の1の高さにおける幅をWとして、H/Wの値を算出した。
【0080】
2.積層体の成形方法
プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機(ダイ径;100mmφ、ダイリップ;3mm、ダイス温度;200℃)で、内外層厚み25μ、中間層厚み200μ、折り径;200mmのチューブ状積層体を成形した。
【0081】
3.積層体の評価方法
(1)121℃耐熱性
チューブ(円筒)状になっている積層体(2枚重ねになっている)を、140mm×140mmの大きさに切り出し、3方ヒートシールし、袋状にした。次いで、その中に純水を充填し、もう一辺をヒートシールして密封した(袋状サンプルのヒートシール条件;180℃、2kg、4秒)。このようにして得られたサンプル袋を、高温高圧調理殺菌試験機((株)日阪製作所製 RCS・40RTGN型)の中に入れたのち加圧し、121℃まで雰囲気温度を上昇させて、30分間121℃を保持した。その後、該サンプル袋を試験機から取り出し、以下の基準で評価した。○の評価を得たサンプルは、耐熱性があり、優れていることを意味する。
×:サンプル袋にシワ状態が発生、もしくは袋全体あるいはヒートシール部に変形が生じたとき、またはヘイズが50以上となったとき
○:サンプル袋にシワ状態、変形が発生せず、かつヘイズが50未満のとき。
【0082】
(2)ヘイズ(HAZE)
上記の方法で、121℃、30分滅菌したサンプル袋を切り出し、ヘイズ(1枚)をJIS−K7105に準拠して測定した。この値が小さいほど、透明性があり、優れていることを意味する。
【0083】
(3)タテ方向引張弾性率(柔軟性)
ISO−R1184に準拠して、上記の方法で、121℃、30分滅菌したサンプル袋を切り出し、インストロン型オートグラフにてタテ方向の引張弾性率を測定した。この値が小さいほど、柔軟性があり、優れていることを意味する。
【0084】
(4)落袋強度
上記の方法で、121℃、30分滅菌した純水の入ったサンプル袋を、23℃の雰囲気下にて、平行落下で2mの高さから3回落袋して、破袋しなかったものを○、破袋したものを×とした。
【0085】
【製造例】
(エチレン・α−オレフィン共重合体の製造)
触媒の調製を、特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー社製メチルアルモキサンを上記錯体に対し1000モル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して、触媒溶液を調製した。次に、得られた触媒溶液を用い、以下の方法で重合を行った。
【0086】
内容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を、1−ヘキセンの組成が71重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1300kg/cm2に保ち、165℃の温度で反応を行った。反応終了後、MFRが2.2g/10分、TREFによる溶出曲線の最大ピーク温度が75℃、H/Wが4.8であるエチレン・1−ヘキセン共重合体「PE−1」を得た。
【0087】
また、重合時の1−ヘキセンの組成、重合温度を代えた以外は上記と同様の製法で触媒調製及び重合を行い、MFRが3.5g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度が50℃のエチレン・1−ヘキセン共重合体「PE−2」、及び、MFRが2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度が28℃のエチレン・1−ヘキセン共重合体「PE−3」を得た。
【0088】
【実施例1】
本実験では、外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0089】
また、中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を60重量%、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を40重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0090】
内層には、外層と同じエチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0091】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0092】
【実施例2】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0093】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を20重量%、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を80重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0094】
内層には、外層と同じエチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0095】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0096】
【実施例3】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を80重量%、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を20重量%とを配合したものを用いた。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま外層用のホッパーに投入した
【0097】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を20重量%、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を80重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0098】
内層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0099】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0100】
【実施例4】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0101】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を60重量%と、「PE−2」(MFR;3.5g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;50℃、H/Wが2.7)[成分(B)]を40重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0102】
内層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0103】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0104】
【実施例5】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0105】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を60重量%と、「PE−3」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;28℃、H/Wが1.9)[成分(B)]を40重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0106】
内層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0107】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0108】
【実施例6】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0109】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を55重量%と、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を40重量%と、高密度ポリエチレン(MFR7.0g/10分、密度0.964g/cm3)[成分(C)]を5重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0110】
内層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0111】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0112】
【実施例7】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を95重量%と、高密度ポリエチレン(MFR7.0g/10分、密度0.964g/cm3)[成分(C)]を5重量%とを配合したものを用いた。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま外層用のホッパーに投入した。
【0113】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を60重量%と、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を40重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0114】
内層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0115】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0116】
【実施例8】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を90重量%と、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を10重量%とを配合したものを用いた。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま外層用のホッパーに投入した。
【0117】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を60重量%と、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を40重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0118】
内層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]90重量%と、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を10重量%とを配合し、内層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま内層用のホッパーに投入した。
【0119】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
【0120】
【比較例1】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0121】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を80重量%、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を20重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0122】
内層には、外層と同じエチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0123】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表2に示す。このものは耐熱性は良好であるが、柔軟性、落袋強度が劣り、好ましくない。
【0124】
【比較例2】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0125】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]のみを構成する樹脂材料とした。
【0126】
内層にも、外層・内層と同じエチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0127】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表2に示す。このものは耐熱性は良好であるが、柔軟性、落袋強度が劣り、好ましくない。
【0128】
【比較例3】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0129】
中間層には、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]のみを構成する樹脂材料とした。
【0130】
内層には、外層と同じエチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0131】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表2に示す。このものは柔軟性、落袋強度は良好であるが、耐熱性が劣り、好ましくない。
【0132】
【比較例4】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を20重量%、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を80重量%とを配合したものを用いた。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま外層用のホッパーに投入した
【0133】
中間層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を60重量%、「PE−1」(MFR;2.2g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;75℃、H/Wが4.8)[成分(B)]を40重量%とを配合し、中間層を構成する樹脂材料とした。尚、両者はあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0134】
内層には、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0135】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表2に示す。このものは柔軟性、落袋強度は良好であるが、耐熱性が劣り、好ましくない。
【0136】
【比較例5】
外層を構成する樹脂材料として、エチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0137】
中間層を構成する樹脂材料としては、エチレン含量が5.9モル%でMFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP;プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を60重量%、エチレン・4−メチルペンテン−1ランダム共重合体「三井化学(株)製、商品名;ウルトゼックス1020L」(MFR;2.0g/10分、TREFによる溶出曲線のピーク温度;66℃、H/Wが0.75)[成分(B)]を40重量%配合してなる樹脂材料を用いた。なお、ここでは、成分(A)及び(B)をあらかじめドライブレンドし、そのブレンド物をそのまま中間層用のホッパーに投入した。
【0138】
内層には、外層と同じエチレン含量が5.9モル%で、MFRが6.0g/10分のポリプロピレン系樹脂(PP:プロピレン・エチレンランダム共重合体)[成分(A)]を用いた。
【0139】
これら各層の樹脂材料を、上記プラコー社製3種3層水冷インフレーション成形機に各々セットし、上記条件で水冷インフレーション成形を行って250μmの積層体を得、評価を行った。結果を表2に示す。このものは耐熱性は良好であるが、落袋強度が劣るので、好ましくない。また、若干、透明性も劣る。
【0140】
【表1】
Figure 0004906159
【0141】
【表2】
Figure 0004906159
【0142】
【発明の効果】
本発明の積層体からなる医療用袋は、衛生性が良好であるだけでなく、柔軟性及び透明性に著しく優れ、かつ耐熱性(121℃滅菌が可能)、さらには誤って袋を落下させたとき、輸送時に問題となる落袋強度についても優れている。よって、輸液バッグ等の医療分野における軟質容器として、好適に用いることができる。また、本発明の積層体は、透明性、柔軟性、耐熱性、落袋強度に優れるので、121℃耐熱性が必要なレトルト用の食品包装袋としても好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ピークが1つの場合のTREFの溶出曲線を示す図である。
【図2】 ピークが2つの場合のTREFの溶出曲線を示す図である。
【図3】 ピークが3つの場合のTREFの溶出曲線を示す図である。
【符号の説明】
p・・・溶出曲線の最大ピーク
H・・・最大ピークの高さ
W・・・最大ピークの高さの3分の1の高さにおける幅

Claims (3)

  1. 少なくとも外層、中間層及び内層をこの順で含む積層体であって、前記外層は下記成分(A)の総重量に対して下記成分(B)を0〜85重量%配合してなる樹脂材料(a)で形成され、前記中間層は、下記成分(A)の総重量に対する割合として、下記成分(B)を前記外層で配合した配合量以上であってかつ25〜95重量%となるように配合してなる樹脂材料(b)で形成され、前記内層は下記成分(A)からなる樹脂材料(c)で形成されることを特徴とする積層体からなる医療用袋
    成分(A):ポリプロピレン系樹脂
    成分(B):以下に示す物性(i)及び(ii)を備えたメタロセン系触媒で製造されたエチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体
    (i)MFR=0.1〜20g/10分
    (ii)温度上昇溶離分別(TREF)溶出曲線の最大ピークの温度が25〜92℃であり、該ピークの高さをHとし、その3分の1の高さにおける幅をWとしたとき、H/Wの値が1.8以上であること。
  2. 前記中間層を形成する樹脂材料(b)が、前記成分(A)及び成分(B)の総重量に対して、下記成分(C)を3〜40重量%配合してなることを特徴とする、請求項1記載の積層体からなる医療用袋
    成分(C):以下に示す物性(1)及び(2)を備えた高密度ポリエチレン
    (1)MFR=0.1〜50g/10分
    (2)密度=0.940〜0.970g/cm3
  3. 前記外層を形成する樹脂材料(a)が、成分(A)及び成分(B)の総重量に対して、下記成分(C)を3〜40重量%配合してなることを特徴とする、請求項1又は2記載の積層体からなる医療用袋
    成分(C):以下に示す物性(1)及び(2)を備えた高密度ポリエチレン
    (1)MFR=0.1〜50g/10分
    (2)密度=0.940〜0.970g/cm3
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