JP4905884B2 - バイオレメディエーションのモニタリング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検出対象物における異なる遺伝子の存在比を簡便に検出することを可能とする、遺伝子の検出方法に関する発明である。特に、本発明は、嫌気的バイオレメディエーションが行われている場所の汚染物質の浄化状況を、当該場所における汚染物質を分解する微生物の存在比として検出する場合等に有用である。
特定の遺伝子を検出することは、医療、衛生、食品、犯罪捜査等の分野において、種々の目的に応じて行われている。これらの大部分は、特定の遺伝子が、検出対象物中に存在するか否かを検出する定性分析か、その存在量を検出する定量分析に大別される。しかしながら、検出対象物中に、近縁の複数の微生物の遺伝子の存在比を簡便に明らかにする方法については、それほど着目されているとはいえない。このような、遺伝子の存在比を簡便に検出することが求められる分野として、土壌におけるバイオレメディエーションが挙げられる。
すなわち、テトラクロロエチレン(PCE)やトリクロロエチレン(TCE)といった揮発性有機塩素化合物は、土壌・地下水汚染の原因となっているが、有効な浄化方法がないことから大きな問題となっている。最近、その効率的な浄化技術として、水素供与体であるHRC(登録商標)(Hydrogen Release Compound)を注入し嫌気的微生物による脱塩素化を促進する嫌気的バイオレメディエーションが注目されている。
Kakihara F., et al. (2005) Anal Biochem. 341: 77-82
しかし、嫌気的脱塩素化は全ての汚染された土壌に有効ではなく、その効果の解析も困難である。その大きな原因の1つが、嫌気微生物の分解能を定性的、定量的に把握する方法が確立されていないことである。
嫌気的脱塩素化を行う代表的な微生物であるDehalococcoides( Dhc.)属には様々な種類のものがあり、それらが協調して脱塩素化を行っている。そのため、これらの微生物の種類や量をモニタリングすることがPCEやTCEの嫌気的バイオレメディエーションには重要である。
検出対象物中に存在する特定の微生物を、属レベルで検出するための遺伝子として、属間において高度に保存されている16S rRNAをコードする遺伝子の塩基配列が、しばしば選択されている。
しかしながら、Dhc.属内の16S rRNAをコードする遺伝子の配列は、互いに極めて類似しており、当該遺伝子自体の存在を指標に、Dhc.属内における定量を行うことは容易ではない。また、おそらく、他のマーカー遺伝子についても同様の傾向が認められ、16S rRNAをコードする遺伝子をマーカーとした場合と同様に、Dhc.属内の定量は難しいと思われる。
嫌気的バイオレメディエーションにおいて重要なことは、地下水を含む土壌試料中のDhc.属に属する微生物の存在比を迅速・簡便に検出して、微生物による土壌の浄化の進捗状況を容易に把握し、その進捗状況に応じた対策を迅速に講ずることにある。
よって、本発明の課題は、検出対象物中の複数の遺伝子(多くは微生物由来)の存在比を簡便に検出する手段を提供し、例えば、これを嫌気的バイオレメディエーションの分野において活用する途を提供することにある。
本発明者らは、以前、一塩基伸長反応を表す標識の検出と磁気分離を用いた、SNPs(一塩基置換多型)タイピング技術であるMagSNiPer法を開発した(図1、非特許文献1)。MagSNiPer法は、下記の(a)〜(c)のプロセスを経て、SNPsをタイピングする技術である。
(a) (1)一塩基置換対象塩基を含む遺伝子領域、(2)一塩基置換対象塩基から一塩基分3’側の塩基から3’側に向かうDNA鎖に対して相補的な、5’末端にビオチンを結合させたビオチン化プライマー、(3)一塩基置換対象塩基に相補的な塩基を有する標識されたジデオキシリボヌクレオチド3リン酸、を共存させて一塩基伸長反応を行い、
(b) (A)の反応系に、アビジン化磁気ビーズを共存させて、当該磁気ビーズ上のアビジンと、上記増幅反応産物とビオチン化プライマーのハイブリダイズ鎖におけるビオチンとを結合させた後、余剰のジデオキシリボヌクレオチド3リン酸を反応系から除去して、
(c) 反応系における標識をカウントし、当該標識の有無により、検出対象遺伝子における一塩基多型についての判定を行う。これは、具体的には、上記のジデオキシリボヌクレオチド3リン酸の標識をTag標識として、これに結合する標識抗体(酵素標識が結合したもの)を結合させて、この結合した標識抗体の標識をカウントすることによる判定として開示されている。
このMagSNiPer法は、高い感度と定量性を特徴としていることが明らかになっている。
本発明者は、上述した嫌気的バイオレメディエーションにおける浄化状況のモニタリング手段として、このMagSNiPer法を活用することができるのではないかと考え、検討を重ねた。その結果、MagSNiPer法は、一塩基置換の関係で異なる近縁の遺伝子同士の存在割合を、簡便かつ正確に把握することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、特定の一塩基置換の関係を有する複数の検出対象遺伝子を含有する可能性のある試料に対して、当該一塩基置換が認められる遺伝子領域の増幅反応産物を調製し、
(A) (1)当該増幅反応産物、(2)一塩基置換対象塩基から一塩基分3’側の塩基から3’側に向かうDNA鎖に対して相補的な、5’末端にビオチンを結合させたビオチン化プライマー、(3)一塩基置換対象塩基に相補的な塩基を有する標識されたジデオキシリボヌクレオチド3リン酸、を共存させて一塩基伸長反応を行い、
(B) (A)の反応系に、アビジン化磁気ビーズを共存させて、当該磁気ビーズ上のアビジンと、上記増幅反応産物とビオチン化プライマーのハイブリダイズ鎖におけるビオチンとを結合させた後、余剰の標識されたジデオキシリボヌクレオチド3リン酸を反応系から除去して、
(C) 反応系における1種又は2種以上の標識をカウントし、カウントした標識同士における強度の比を、試料中の検出対象遺伝子の存在比として表す、
ことを特徴とする遺伝子の検出方法(以下、本検出方法ともいう)、を提供する発明である。
本検出方法においては、検出対象遺伝子として、微生物の16S rRNAをコードする遺伝子を選択することは好適な態様の一つである。また、本検出方法は、上述したように、嫌気的バイオレメディエーションの分野における、浄化の進捗状況の把握を目的としての使用に非常に適している。この場合、検出対象試料が、土壌試料(地下水を含む)であり、かつ、検出対象遺伝子が、Dehalococcoides属に属する微生物の遺伝子、典型的には、16S rRNAをコードする遺伝子であることが、好適な態様として挙げられる。
本発明により、検出対象における近縁の遺伝子同士の存在割合を簡便に、かつ、正確に把握可能な手段が提供される。この検出手段は、嫌気的バイオレメディエーションが行われている場所の汚染物質の浄化状況のモニタリングを行う上で、非常に有用である。
本検出方法においては、原則として、未知の一塩基置換多型を改めて見出すのではなく、既知の一塩基置換多型をマーカーとして、近縁の遺伝子同士の存在割合を把握することを目的とする遺伝子の検出方法である。よって、検出を行う大前提として、検出対象の一塩基多型が目的とする近縁の遺伝子同士において既知であることが挙げられる。例えば、Dehalococcoides属に属する2種の微生物における、16S rRNAをコードする遺伝子の塩基配列は、図2に示すものであり、すでに既知の塩基配列である(図2は、Dehalococcoides strain 195と、Dehalococcoides strain BAV1の16S rRNAをコードする遺伝子の塩基配列を比較した図面である)。このような既知の遺伝子の塩基配列のうち、特定の一塩基置換多型を示す塩基(図2であれば、印1で示す塩基:Dehalococcoides strain 195がG(グアニン)であり、Dehalococcoides strain BAV1がA(アデニン)である)に着目して、相互の遺伝子の存在割合を検出することが本検出方法の特徴である。
本検出方法では、一塩基置換多型が認められる遺伝子領域の遺伝子増幅処理を、1回以上行うことが必要である。かかる遺伝子増幅法は、PCR法を基本とする遺伝子増幅法を行うことが好適である。この場合の遺伝子増幅用プライマーは、一塩基置換多型が認められる検出対象遺伝子同士に共通する既知の遺伝子配列の一部に準じて設計を行い、用いることができる。また、例えば、細菌同士で保存されている遺伝子配列(例えば、16SrRNAをコードする遺伝子の一部)に基づいて遺伝子増幅用プライマーを設計して、第一次的な遺伝子増幅法を行った後、特定の近縁種間に絞った遺伝子増幅法を行うことも可能である。遺伝子増幅法の具体的な実施手順は、既知の方法に準じて行うことができる。
例えば、嫌気的バイオレメディエーションを行っている地下水中のDehalococcoides属の特定株間の存在割合を検出する場合には、地下水中の微生物のDNAの精製を常法に従い行い、Dehalococcoides属に共通のプライマーにて、16SrRNAをコードする遺伝子を増幅することにより、Dehalococcoides属の16SrRNAをコードする遺伝子のみを特異的に遺伝子増幅産物として得ることが可能である。16SrRNAをコードする遺伝子は、リボゾームという生物の本質に関わる機能を有するRNAをコードする遺伝子であるので、遺伝子の保存性が高く、極めて関係の遠い生物同士でも配列の比較が可能であると同時に、比較的変異しやすい部位も存在し、例えば、Dehalococcoides属のような特定の範疇の微生物の遺伝子のみを選択して増幅することも可能である。また、微生物株同士を区別することが可能な一塩基置換多型も安定して存在するので、本検出方法における検出対象遺伝子としては非常に優れている。また、遺伝子の長さが程よい(16SrRNAをコードする遺伝子は、1600塩基対程度)ことも、本検出方法で用いるのに好適である理由の一つとして挙げられる。
遺伝子増幅法を行うことにより得られる遺伝子増幅産物に対して、MagSNiPer法を行うことにより、検出対象遺伝子同士において認められる一塩基置換対象塩基を、標識の強度の相対的な比率として明らかにして、かかる標識の強度の比率を基に、検出対象遺伝子同士の検出対象物における存在比率を求めることが可能となる。
このようにして得られた遺伝子増幅産物を鋳型DNAとして、MagSNiPer法に準じた方法を行うことにより、本検出方法を行うことができる。
具体的には、プロセス(A)〜(C)として示したように:
プロセス(A)は、(1)上記の鋳型となる遺伝子増幅産物と、(2)一塩基置換対象塩基から一塩基分3’側の塩基から3’側に向かうDNA鎖に対して相補的な、5’末端にビオチンを結合させたビオチン化プライマーと、(3)一塩基置換対象塩基に相補的な塩基を有する標識されたジデオキシリボヌクレオチド3リン酸を共存させて、一塩基伸長反応を行うプロセスである。
上記(2)のビオチン化プライマー12は、図1に示したように、鋳型DNA(遺伝子増幅産物)11において、一塩基置換対象塩基111(C)から、一塩基分3’側の塩基から3’側に向かうDNA鎖部分、に対して相補的なDNA鎖121の5’末端にビオチン122を結合させたプライマーである。ビオチン化プライマーは、既知の鋳型DNAの塩基配列に準じて設計され、当該プライマーの塩基長は限定されるものではないが、概ね
20〜30塩基程度が好適である。また、5’末端のビオチン化は、常法に従い行うことができる。
さらに上記(3)のジデオキシリボヌクレオチド3リン酸(ddNTP)における塩基は、通常は、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、及び、シトシン(C)から選ばれる1〜4種であり、当該塩基は、検出対象となる一塩基置換対象塩基に応じて、さらには、具体的な検出態様に応じて選択することができるが、少なくとも検出対象となる一塩基置換対象塩基に対して相補的な塩基の一方が選択される。例えば、図1に示すように、検出対象となる一塩基置換対象塩基(鋳型DNAの一塩基置換対象塩基)の一方がCである場合には、少なくとも、標識ddNTP112として、相補的な塩基がG(113)となるように、標識ddGTPを選択することが必要である。そして、仮に、他方の一塩基置換対象塩基がAの場合には、これに対して標識ddTTPを、上記標識ddGTPと共に、あるいは、別個に選択する必要がある。ここで用いる標識1121は特に限定されず、酵素標識、蛍光標識、ラジオアイソトープ等を例示することができるが、少なくとも、2種以上のddNTPについては、少なくとも同一カテゴリーの標識であることが、遺伝子の存在比率を標識の強度に応じて求める上で好適である。具体的には、2種以上の標識ddNTPを同一の試験系において共存させる場合は、同一カテゴリーの異なる標識であることが、互いの遺伝子を峻別する上で好適であるが、共存させずに別個に検出系を構築する場合には、同一カテゴリーの、同一若しくは異なる標識であってもよい。さらに具体的には、蛍光標識としては、FITC、Cy5、Cy3、TAMRA、TexasRed等、酵素標識としては、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ等、ラジオアイソトープとしては、32P、33P、35S等が挙げられる。また、特に好適な例として、例えば、蛍光標識等をTagとして用いて、これに対して特異的な標識抗体を結合させて、当該標識抗体の標識をカウントする態様を挙げることができる。
プロセス(A)において、上記のような条件とすることにより、鋳型DNAの一塩基置換塩基に相補的な塩基が一塩基分、鋳型DNA上で伸長し、当該塩基の標識にて標識がなされたハイブリダイズ鎖が作出される。
プロセス(B)は、プロセス(A)の反応系に、アビジン化磁気ビーズ13を共存させて、当該磁気ビーズ上のアビジン131と、上記増幅反応産物とビオチン化プライマー12のハイブリダイズ鎖におけるビオチン122とを結合させた後、余剰の標識されたジデオキシリボヌクレオチド3リン酸を反応系から除去するプロセスである。
アビジン化磁気ビーズは、例えば、市販の磁気ビーズをアビジン(又はストレプトアビジン)水溶液中に浸漬することにより、容易に調製することができる。
かかるアビジン化磁気ビーズを、プロセス(A)で得られた試験系に十分量共存させることにより、ビオチン化プライマー、並びに、ビオチン化プライマーと鋳型DNAとが、ハイブリダイズした部分二本鎖(標識あり、又は、なし)の、ビオチン化部分がビーズ上のアビジン残基部分が結合反応し、ビーズ上に固定化される。ビーズは十分量共存させているために、余分の標識ddNTPを反応系から除去することにより、ビーズにおける標識量が、特定の一塩基置換対象塩基を有する遺伝子のシグナルとして把握される。
プロセス(C)は、反応系における1種又は2種以上の標識1121をカウントし、カウントした標識同士における強度の比を、試料中の検出対象遺伝子の存在比として表すプロセスである。標識のカウントの方法は、用いた標識の種類に応じて適宜選択することが できる。反応系における一塩基置換多型塩基を同一の標識でカウントする場合には、一方の本検出方法の実施により判明した一方の多型遺伝子の存在を表す標識のカウント量と、他方の同実施により判明した他方の多型遺伝子の存在を表す標識のカウント量を、相対比として求めることにより、検出対象とする両遺伝子の存在量を把握することができる。
反応系における一塩基置換多型塩基を異なる標識でカウントする場合には、これらの異なる標識を同一の反応系においてカウントすることが効率的である。本検出方法の実施により判明した一方の多型遺伝子の存在を表す一方標識のカウント量と、他方の多型遺伝子の存在を表す他方の標識のカウント量を、相対比として求めることにより、検出対象とする両遺伝子の存在量を把握することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕規定量の遺伝子を用いた場合の実施例
Dhc. ethenogenes strain 195(以下、DHC195ともいう)の16S rRNAをコードする遺伝子(以下、16SrDNA又は16Sr遺伝子ともいう)の塩基配列(配列番号1)及びDhc. sp. strain BAV1(以下、BAV1ともいう)の16S rRNAをコードする遺伝子の塩基配列(配列番号2)を比較し、一塩基の違いのある部分(図2:印1→配列番号1の970番目の塩基と配列番号2の970番目の塩基に該当)をターゲットとした本検出方法を、以下の要領にて行った。
(1)遺伝子増幅とサンプルの調製
それぞれの菌株に由来する16Sr遺伝子の増幅産物を得るために、それぞれの菌株のDNAを鋳型としてPCR反応を行うことにより、当該遺伝子の増幅を行った。
用いた遺伝子増幅用プライマーは:
Fw:5’−AAGTCGAACGGTCTTAAGCA−3’(配列番号3)
Rv:5’−GCGGTTACTAGCAACTCCAA−3’(配列番号4)
また、熱サイクルは、95℃・5分→30×(95℃・30秒→55℃・30秒→72℃・2分)→72℃・2分、にて行った。
それぞれの遺伝子増幅産物の規定量を混合したサンプルで、それぞれの菌株についての独自の検量線が作成可能であることを実証するために、(a)BAV1由来の増幅産物の濃度を一定(3.6ng/μl)にして、DHC195由来の増幅産物の濃度を変化させる系と、(b)DHC195由来の増幅産物の濃度を一定(3.6ng/μlwater)にして、BAV1由来の増幅産物の濃度を変化させる系、を設けた。
(2)MagSNiPer法
上記の遺伝子増幅により得られた、それぞれの菌株の16Sr遺伝子の遺伝子増幅産物における、図2の印1に示す一塩基置換塩基(DHC195:G、BAV1:A)を、それぞれターゲットにして、上述したMagSNiPer法を行った。
(a)ビオチン化プライマー
下記の塩基配列を有する5’ビオチン化プライマーを、DNA合成機を用いて常法により合成した。
5’(biotin)−CGACCTGTTAAGTCAGGAA−3’(配列番号5)
(b)標識ddNTP
標識ddNTPは、Tag標識として、蛍光物質であるフルオレセインが標識されている市販品を、滅菌水で希釈して用いた(Perkin Elmer社製)。
(c)上記のように調製した遺伝子サンプルにおいて、ビオチン化プライマー、並びに、フルオレセインで標識されたddNTP及び非標識のddNTP(一塩基伸長反応の目的の塩基についてのみ標識ddNTPとし、それ以外は非標識のddNTPである)を混合し、一塩基伸長反応を行った。次いで、その反応産物とアビジン化磁気ビーズ(Dynabeads M-280 Streptavidin:Dynalbiotech社製)と共存させて、アビジン−ビオチン結合により、当該磁気ビーズに対する結合反応を行い、常法により、余剰のddNTPを除去した。その後、抗フルオレセイン抗体アルカリホスファターゼConjugate(ANTI-FLUORESCEIN-AP CONJUGATE:Perkin Elmer社製)を結合させ、同様に、過剰なConjugateを除去し、アルカリフォスファターゼの基質であり、分解されると発光するCDPstar(Amersham Biosciences社製)を加えて発光強度を測定した。その結果を、図3に示す。図3(1)は、DHC195に関する検量線であり、(2)は、BAV1に関する検量線である。
このようにして、本検出方法では、標識の強度を基に、目的とする遺伝子の存在比を求めることが可能であることが判明した。
〔実施例2〕 嫌気的バイオレメディエーション領域の地下水における検出
愛知県下の機械工場の揮発性有機塩素化合物により汚染された領域において、HRC(登録商標:粘性のある液体状のポリ乳酸エステル)を用いた嫌気的バイオレメディエーションが行われた領域の地下水におけるDHC195とBAV1の存在割合について、本検出方法によるモニタリングを行った。HRC(登録商標)は、水と反応して徐々に乳酸を放出し、乳酸は微生物の働きで分解して水素が生成し、その水素が微生物(主にDehalococcoides属)による還元的脱塩素化に利用されて、有機塩素化合物が段階的に分解され、最終的には、エチレンやエタンのような無害な化合物に転換されることが知られている。
この嫌気的バイオレメディエーション開始6ヶ月後に、注入井戸に対して地下水下流の観測井戸から地下水をサンプリングし、このサンプリング水におけるDehalococcoides属に属する微生物の16Sr遺伝子の塩基配列の解析を、常法により行った。その結果、DHC195が55%、BAV1が32%の割合で、地下水中に存在することが判明した(残りはその他のDehalococcoides属に属する微生物等)。この結果と実質的に同様の結果が本検出方法により導き出されるか否かについて検討を行った。
実施例1と同様の要領で、この観測井戸の地下水(嫌気的バイオレメディエーション開始3ヵ月後と6ヶ月後)を、サンプルとして、本検出方法を行った。
その結果、図4(1)に示すように、試験開始3ヵ月後では、BAV1:DHC195=10:9程度、(2)に示すように、試験開始6ヵ月後では、同=3:5程度の存在比であることが判明した。この試験開始6ヵ月後の結果は、先に行った塩基配列解析の結果と実質的に一致している。
これらの結果から、本検出方法を行うことにより、検出対象物における一塩基置換多型で区別される近縁の遺伝子の存在割合を、簡便に、かつ、正確に把握可能であり、特に、本実施例のような嫌気的バイオレメディエーションの進捗状況のモニタリングには極めて有用であることが明らかになった。
MagSNiPer法の原理を図式化して示した図面である。 Dehalococcoides属に属する微生物のうち、DHC195とBAV1の16Sr遺伝子の配列を比較し、その一塩基置換多型部分を示した図面である。 混合試料に対して本検出方法を行って得られた、DHC195とBAV1の検量線を示した図面である。 嫌気的バイオレメディエーションが行われている領域の地下水を試料として、DHC195とBAV1の存在比を、本検出方法により明らかにした図面である。

Claims (3)

  1. 特定の一塩基置換の関係を有する複数のDehalococcoides属に属する微生物の16S rRNAをコードする遺伝子、を含有する可能性のある土壌又は地下水由来の試料に対して、当該一塩基置換が認められる遺伝子領域の増幅反応産物を調製し、
    (A)(1)当該増幅反応産物、(2)一塩基置換対象塩基から一塩基分3'側の塩基から3'側に向かうDNA鎖に対して相補的な、5'末端にビオチンを結合させたビオチン化プライマー、(3)一塩基置換対象塩基に相補的な塩基を有する標識されたジデオキシリボヌクレオチド3リン酸、を共存させて一塩基伸長反応を行い、
    (B)(A)の反応系に、アビジン化磁気ビーズを共存させて、当該磁気ビーズ上のアビジンと、上記増幅反応産物とビオチン化プライマーのハイブリダイズ鎖におけるビオチンとを結合させた後、余剰の標識されたジデオキシリボヌクレオチド3リン酸を反応系から除去して、
    (C)反応系における1種又は2種以上の標識をカウントし、カウントした標識同士における強度の比を、試料中の検出対象遺伝子の存在比として表すことを特徴とする遺伝子の検出方法、を嫌気的バイオレメディエーション施行中において行い、これによりDehalococcoides属に属する微生物の存在比を把握することにより、当該嫌気的バイオレメディエーションの進捗をモニタリングすることを特徴とする、バイオレメディエーションのモニタリング方法。
  2. 嫌気的バイオレメディエーション施行中において、遺伝子の検出方法を行う回数は2回以上であることを特徴とする、請求項1に記載のモニタリング方法。
  3. 複数のDehalococcoides属に属する微生物は、Dehalococcoides ethenogenes strain 195、及び、Dehalococcoides sp. strain BAV1、であることを特徴とする請求項1又は2に記載のモニタリング方法。
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