JP4903589B2 - コンバインの穀粒排出オーガ - Google Patents

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Description

本発明は、伸縮機構を備えて伸縮可能に構成してあるコンバインの穀粒排出オーガに関する。
従来の技術としては、例えば特許文献1に開示されているコンバインの穀粒排出オーガが知られている。特許文献1に開示されている従来の穀粒排出オーガにおいては、縦オーガと連動連結された翼体回転手段(特許文献1の図2の60)によって、軸付螺旋翼体(特許文献1の図2の34)を回動駆動させるとともに、モーター(特許文献1の図2の64)を正逆転させることによって、駆動軸(特許文献1の図2の65)及び差動歯車機構(特許文献1の図2の62)を介して軸無螺旋翼体(特許文献1の図2の31)を軸付螺旋翼体と異なる回転数で回動駆動させて、軸付螺旋翼体及び軸無螺旋翼体の回転数の差を利用して軸付螺旋翼体に対して軸無螺旋翼体を移動させることによって穀粒排出オーガが伸縮するように構成されている。また、軸付螺旋翼体に対して軸無螺旋翼体を移動させると、軸付螺旋翼体カバー(特許文献1の図2の36)に対して軸無螺旋翼体カバー(特許文献1の図2の37)が移動して、軸付螺旋翼体カバー及び軸無螺旋翼体カバーが伸縮するように構成されている。
特開2002−186345号公報(図2〜図5及び図14参照)
特許文献1に開示されている従来のコンバインの穀粒排出オーガにおいては、軸付螺旋翼体及び軸無螺旋翼体(特許文献1の図2の31及び34)をそれぞれ異なる回転数で回動駆動させるために、差動歯車機構(特許文献1の図2の62)等を穀粒排出オーガの先端部に設ける必要があった。そのため、穀粒排出オーガの構造が複雑になって部品点数が多くなり製造コストアップの一因になるといった問題や、穀粒排出オーガ(特に、差動歯車機構を設けた先端部)の重量が重くなって、穀粒排出オーガの旋回部等に無理な曲げモーメントが働き易いといった問題があった。
本発明は、耐久性に優れ、かつ伸縮可能なコンバインの穀粒排出オーガを低コストで実現することを目的とする。
構成)
本発明の第1特徴は、円筒状の第1ケースと、前記第1ケースに対してスライド移動可能に構成した円筒状の第2ケースと、前記第1ケースと前記第2ケースとに亘って設けられた伸縮機構とを備え、前記第1及び第2ケースの内部に、搬送上流側に位置する第1スクリュと搬送下流側に位置する第2スクリュとを備えて、前記第1スクリュの第1スクリュ羽根の巻き方向と前記第2スクリュの第2スクリュ羽根の巻き方向とを同じ巻き方向に設定して、前記第1ケースの搬送上流側の端部に位置する供給口から前記第2ケースの搬送下流側の端部に位置する排出口に向って穀粒を搬送可能で、かつ、伸縮可能に構成してあるコンバインの穀粒排出オーガにおいて
前記伸縮機構により前記第1及び第2ケースを伸縮させると、前記第2スクリュを前記第1スクリュと重なり合いながら前記第1スクリュに対してスライド移動させるスライド機構を備え、
前記スライド機構を、前記第1又は第2スクリュの一方に設けられた螺旋状の案内溝と、前記第1又は第2スクリュの他方に設けられた案内部材とを備え、前記案内溝に前記案内部材を係合させて構成し
前記案内部材を、前記第1又は第2スクリュの一方に備えられた軸と前記軸に外嵌するように前記第1又は第2スクリュの他方に備えられた筒軸とに亘る状態で前記軸と前記筒軸との間に内装してある。
(作用)
本発明の第1特徴によると、第1及び第2スクリュを回動駆動させなくても、伸縮機構により第1及び第2ケースを伸縮させると、スライド機構によって第2スクリュが第1スクリュと重なり合いながら第1スクリュに対してスライド移動し、穀粒排出オーガを伸縮することができる。その結果、穀粒排出オーガを伸縮させる構造を簡素化できる。
具体的には、例えば特許文献1における軸無螺旋翼体(特許文献1の図2の31)を軸付螺旋翼体(特許文献1の図2の34)と異なる回転数で回動駆動させるための駆動軸(特許文献1の図2の65)及び差動歯車機構(特許文献1の図2の62)に代えて、第1ケースと第2ケースとに亘る伸縮機構(例えば、図3の33)及びスライド機構(例えば、図3の40,41等)によって穀粒排出オーガを伸縮することができるため、特許文献1の構造に比べて、穀粒排出オーガを伸縮させる構造を簡素化できる。
本発明の第1特徴によると、スライド機構を、案内溝と案内部材とを備え、案内溝に案内部材を係合させて構成することにより、例えば穀粒排出オーガを伸縮させる場合には、螺旋状の案内溝に沿って案内部材を移動させることができ、案内溝とこれに入り込む案内部材の係合作用によってスライド機構を確実に作動させることができる。また、例えば穀粒を排出する場合には案内溝とこれに入り込む案内部材の係合作用によって第1及び第2スクリュを連動させることができる。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、穀粒排出オーガを伸縮させる構造を簡素化できるため、部品点数が少なくなって製造コストを削減することができる。また、穀粒排出オーガを伸縮させる構造を簡素化できる結果として、穀粒排出オーガの重量を軽減できるため、穀粒排出オーガの旋回部等に無理な曲げモーメントが働き難くなって、耐久性に優れた穀粒排出オーガを実現できる。
本発明の第1特徴によると、スライド機構を確実に作動させることができるため、穀粒排出オーガの伸縮作動の安定性及び信頼性を向上できる。また、第1及び第2スクリュを連動させることができるため、第1及び第2スクリュを回動駆動する構造を簡素化でき、穀粒排出オーガの製造コストを削減できる。
構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記軸の外周部に前記案内溝を形成し、前記筒軸の内周面に案内部材取付部を凹入形成してある。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴のコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記案内部材取付部を、前記案内部材取付部に係入する前記案内部材の本体部分が前記筒軸の内周面から突出しない深さを有するように形成してある。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴のいずれか一つのコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記案内溝に係合する前記案内部材の係合部を前記案内溝に沿う方向に細長い長円形に形成してある。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第1〜第4特徴のいずれか一つのコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記案内部材の本体部分を前記案内溝に係合する前記案内部材の係合部よりも前記案内溝に沿って前記案内部材が移動する方向と直交する方向での長さが大きくなるように前記案内部材を構成してある。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第1〜第5特徴のいずれか一つのコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
断面形状が矩形状になるように、前記案内溝を構成するとともに、前記案内溝に沿って前記案内部材が移動する方向に直交する方向での前記案内溝に係合する係合部の断面形状が矩形状になるように、前記案内部材を構成し、
前記案内部材を前記第1又は第2スクリュの径方向に沿う軸心周りに回動自在に支持してある。
(作用)
発明の第特徴によると、螺旋状の案内溝に沿って案内部材が移動する際に、回動自在に支持した案内部材が自ら回転することで、矩形状に形成した案内溝と矩形状に形成した案内部材の係合部の係合がロックされることが少なくなって、案内溝に沿って案内部材を無理なく移動させることができる。その結果、無理なくスライド移動させることのできるスライド機構を構成することができ、穀粒排出オーガを無理なく伸縮することができる。
(発明の効果)
発明の第特徴によると、破損し難く耐久性に優れたスライド機構及び穀粒排出オーガを実現できる。
〔コンバインの全体構成〕
図1及び図2に本発明に係る穀粒排出オーガを備えた自脱型コンバインを示す。図1及び図2に示すように、クローラ走行装置1の上部に設けた走行機体2の前部に刈取部3が設けられ、走行機体2に、操縦部4、刈取穀稈を脱穀及び選別する脱穀部5、脱穀部5から供給される穀粒を貯留するグレンタンク6、このグレンタンク6から機外に穀粒を排出するアンローダ7等を備えて自脱型コンバインが構成されている。
アンローダ7は、グレンタンク6下部の排出スクリュ11から上方に穀粒を導く縦オーガ8と、この縦オーガ8の上部から穀粒をトラックの荷台等(図示せず)に排出する横オーガ9(穀粒排出オーガに相当)等によって構成されており、縦オーガ8と横オーガ9とに亘って設けた油圧シリンダ12を操作することでアンローダ7を起立させた上で、縦オーガ8下方のロアケース14に設けた旋回モータ13を回転させることによってアンローダ7を旋回させることができるように構成されている。
縦オーガ8は、グレンタンク6下部の排出スクリュ11の後端部に連結されたロアケース14と、ロアケース14から上方に延出された外装ケース15と、この外装ケース15の内部に回動自在に支持された縦送りスクリュ16等を備えて構成されており、グレンタンク6下部の排出スクリュ11から機体後方に搬送された穀粒を上方に搬送して横オーガ9に供給できるように構成されている。
グレンタンク6下部の排出スクリュ11は、ロアケース14の内部でベベル伝達機構17を介して縦オーガ8の縦送りスクリュ16と連動連結されており、縦オーガ8の縦送りスクリュ16は、アッパケース18の内部でベベル伝達機構19を介して後述する横オーガ9の駆動軸42と連動連結されている。このように構成することにより、エンジン(図示せず)から、グレンタンク6と脱穀部5との間に位置する伝動ケース(図示せず)を介してグレンタンク6下部の排出スクリュ11が回動すると、ベベル伝達機構17を介して縦送りスクリュ16が回動し、さらに、ベベル伝達機構19を介して第1搬送スクリュ20、第2搬送スクリュ21及び第3搬送スクリュ22が回動するように構成されている。
以上のように構成することで、グレンタンク6に貯留した穀粒を排出スクリュ11によって機体後方に搬送し、縦オーガ8によって上方に搬送して、横オーガ9の供給口9aに供給し、横オーガ9の内部に設けた第1搬送スクリュ20、第2搬送スクリュ21及び第3搬送スクリュ22によって穀粒を横オーガ9先端の排出口9bに導いて、この排出口9bからトラックの荷台等(図示せず)に穀粒を排出することができるようにアンローダ7が構成されている。
〔横オーガ(穀粒排出オーガに相当)の構造〕
図3〜図11に横オーガ9の詳細構造を示す。図3は、横オーガ9の全体図を示す。図3(イ)は、最も伸長した状態における横オーガ9の穀粒の搬送方向での縦断面図を示し、図3(ロ)は、最も短縮した状態における横オーガ9の穀粒の搬送方向での縦断面図を示す。また、図4〜図7は、図3(イ)の状態でのA〜Dの位置における横オーガ9の詳細縦断面図をそれぞれ示し、図8〜図10は、図3(ロ)の状態でのE〜Gの位置における横オーガ9の詳細縦断面図をそれぞれ示す。なお、図11は、図10のX―X断面図を示す。
図3に示すように、横オーガ9は、縦オーガ8と横オーガ9の連結部に位置するアッパケース18に連結された円筒状の第1ケース23と、この第1ケース23に伸縮方向にスライド自在に内嵌された第2ケース24と、第1ケース23及び第2ケース24の内部に設けられた第1搬送スクリュ20、第2搬送スクリュ21、第3搬送スクリュ22等を備えて構成されている。
図6に示すように、第2ケース24の搬送上流側の端部の外周部には、円筒状のスリーブ25が第2ケース24に外嵌された状態で固着されており、このスリーブ25の搬送上流側の端部にパイプ26が内嵌された状態で固着され、このパイプ26の搬送上流側の端部に円筒状のスリーブ27が外嵌された状態で固着されている。なお、スリーブ27の搬送上流側の端部における内面側にはテーパ加工が施されており、第1ケース23に対して第2ケース24がスライドする際に第1ケース23から第2ケース24に無理なく穀粒を導けるように構成されている。スリーブ25,27は、その外周部に設けたカラー28,29を介して第1ケース23に内嵌されており、第2ケース24が第1ケース23に対して伸縮方向に無理なくスライドするように構成されている。
図6及び図11に示すように、第1ケース23の搬送下流側端部の下側には、一対のブラケット30が固定されており、この一対のブラケット30のそれぞれにローラー31が回動自在に支持されている。ローラー31の外周部は第2ケース24の外周面の形状に合わせた湾曲させた形状に成形されており、第2ケース24を第1ケース23に内嵌した状態でローラー31の外周面に第2ケース24の外周面が隙間なく接当して、左右のローラー31によって第2ケース24を安定して支持でき、かつ第2ケース24が第1ケース23に対してスライド移動するとローラー31が回転して無理なく伸縮できるように構成されている。なお、ブラケット30は第1ケース23に対する第2ケース24の伸縮方向の最も短縮した位置を規制するストッパとしても機能するように構成されている(図10参照)。
一方、第2ケース24の上端部には、全長に亘って複数のラック溝32aが加工されたラック32が固着されており、後述する電動モータ35に連結されたピニオンギア37と連係されている。
図7に示すように、第2ケース24の搬送下流側の端部には、下方に開放された排出口9bが配設されており、後述する第1搬送スクリュ20、第2搬送スクリュ21、第3搬送スクリュ22によって搬送されてきた穀粒をこの排出口9bから下方に排出できるように構成されている。
図4及び図5に示すように、第1搬送スクリュ20は第1ケース23の搬送上流側に位置する第1スクリュ40と、この第1スクリュ40の搬送下流側に位置する第2スクリュ41とを備えて構成されている。
駆動軸42は、断面形状が正六角形の棒材によって形成されており、アッパケース18の内部に設けたベベル伝達機構19を介して縦オーガ8の縦送りスクリュ16に連動連結されて、その搬送上流側の端部が連結筒軸38を介してベベル伝達機構19に設けたベアリング43に回動自在に支持され、他端部は後述する第2ケース24の内部に設けた第3搬送スクリュ22の第3筒軸56の搬送上流側端部のナット部材56bに伸縮方向にスライド自在に支持されている(図6参照)。
第1搬送スクリュ20を構成する第1スクリュ40は、第1ケース23の搬送上流側の端部にすべり軸受44を介して駆動軸42に対して相対回転自在に支持された第1筒軸45と、この第1筒軸45の外周部に第1筒軸45の全長に亘って設けられた螺旋状の第1スクリュ羽根46とを備えて構成されている。第1筒軸45は、搬送上流側に位置する第1パイプ45aと、この第1パイプ45aの搬送下流側に位置し第1パイプ45aより小径の第2パイプ45bと、この第2パイプ45bの搬送下流側に位置し第2パイプ45bよりやや外径の大きい筒状部材45cとによって構成されており、外径の大きい第1パイプ45aの部分に第1スクリュ羽根46の搬送上流側の端部が固着されており、外径の小さい第2パイプ45b及び筒状部材45cの部分に位置する第1スクリュ羽根46は、第2パイプ45b及び筒状部材45cと一定の隙間を開けて巻き付けられている。
第1搬送スクリュ20を構成する第2スクリュ41は、駆動軸42と一体回動可能で、駆動軸42に対して伸縮方向にスライド自在な中間軸47と、この中間軸47の外周部から一定の隙間を開けて設けた中間軸47と同心状の第2筒軸48と、この第2筒軸48の外周部に全長に亘って固着された螺旋状の第2スクリュ羽根49とを備えて構成されている。
中間軸47は、円筒状に形成されており、その搬送下流側の端部には六角穴が加工されたナット部材47aが固着されている。中間軸47に固着したナット部材47aの六角穴に駆動軸42を内嵌することで、中間軸47が駆動軸42と一体回動し、中間軸47が駆動軸42に対して伸縮方向にスライド移動するように構成されている。
第2筒軸48は連結ボルト50によって中間軸47と一体回動可能に連結されており、駆動軸42に対して中間軸47が回動すると第2筒軸48も一体回動し、駆動軸42に対して中間軸47が伸縮方向に移動すると第2筒軸48も伸縮方向にスライド移動するように構成されている。
上述した第1筒軸45は、第1筒軸45の筒状部材45cが第2スクリュ41の中間軸47に外嵌され、かつ、第1筒軸45の筒状部材45cが第2筒軸48に内嵌された状態で、第2スクリュ41の中間軸47と第2筒軸48との間に嵌合されている。
中間軸47の外周部には、断面形状が矩形状の案内溝47bが螺旋状に伸縮方向の両端部に亘って形成され、第1筒軸45の筒状部材45cには案内部材取付部45dが形成されており、この案内溝47bと案内部材取付部45dとに亘ってコマ状の案内部材51を取り付けた状態で、第1筒軸45の筒状部材45cが第2スクリュ41の中間軸47と第2筒軸48との間に嵌め込まれている。
図12〜図14に基づいて、案内溝47b、案内部材51及び案内部材取付部45dの詳細構造について説明する。図12は、穀粒の搬送方向での詳細縦断面図を示し、図13(イ)及び(ロ)は、穀粒の搬送方向に直交する方向での詳細縦断面図、及び案内部材51と案内溝47bの位置関係を示す穀粒の搬送方向での詳細横断面図をそれぞれ示す。また、図14は、案内部材51の部品図を示し、図14の上方及び下方に示す図は、案内部材51の側面図及び底面図をそれぞれ示す。なお、図12は、横オーガ9を短縮させた図3(ロ)の状態での第1搬送スクリュ20と第2搬送スクリュ21との連結部を示す。
図12及び図13に示すように、第1筒軸45の筒状部材45cの内周面から円柱状に凹入する案内部材取付部45dが形成されている。案内部材取付部45dの内径は、後述する案内部材51の本体部分51aの外径より少し大きめに加工されており、案内部材51を案内部材取付部45dに取り付けた状態で、案内部材51が軸心P周りに無理なく回動するように構成されている。
案内部材取付部45dは、図13(イ)における筒状部材45cの紙面下方側から加工されており、この案内部材取付部45dを加工するための加工穴45eを、案内部材51を案内部材取付部45dに取り付ける取付穴として兼用することができ、図13(イ)における紙面下方側から案内部材51を筒状部材45cの案内部材取付部45dに内嵌挿入できるように構成されている。そのため、案内部材51の組立作業の作業性を向上できる。
図12〜図14に示すように、案内部材51は、磨耗し難い焼入れ等を施した鉄鋼材によって構成されており、円筒状の本体部分51aと、この本体部分51aから突出する係合部51bとを一体成形することによって構成されている。係合部51bは、案内溝47bに沿って案内部材51が移動する方向に直交する方向の断面形状が矩形状に形成されて、加工穴45e側から見た形状が、四隅を湾曲させた長円形に形成されている。このように、係合部51bの加工穴45e側から見た形状を、四隅を湾曲させた長円形に形成することにより、案内部材51の係合部51bが螺旋状の案内溝47bに沿って無理なく移動できる。
案内部材51の係合部51bの幅は、中間軸47の案内溝47bの幅より少し小さく設定されており、案内部材51を取り付けた状態で案内部材51の係合部51bと中間軸47の案内溝47bとの間に一定の隙間を形成できるように構成されている。このように構成することにより、案内溝47bに対する案内部材51の係合部51bの方向が変更され易くなり、案内部材51が無理なく回転できるように構成されている。
案内部材取付部45dに案内部材51を内嵌した状態で、中間軸47に形成された案内溝47bに案内部材51の係合部51bを係合させて、筒状部材45cに中間軸47を内嵌することで、案内部材51を組み付けることができるように構成されている。
図13(ロ)に示すように、伸縮機構33により第1及び第2ケース23,24を伸縮させて第2ケース24が第1ケース23に対してスライド移動して、例えば中間軸47に対して案内部材51が搬送上流側(図13(ロ)中の白矢印の方向)に移動すると、案内部材51の係合部51bが案内溝47bの搬送上流側の案内面に接当して、回動自在に支持された案内部材51が少し回転し、適度な摩擦力を案内部材51の係合部51bと案内溝47bとの間に作用させながら、案内部材51が案内溝47bに沿って無理なく移動するように構成されている。
案内部材51は第1筒軸45の案内部材取付部45dに回動自在に支持されているため、伸縮方向を逆方向に転換した場合や伸縮している最中に案内部材51の係合部51bの移動が妨げられた場合等に、案内部材51が自ら回転することにより案内溝47bに対する案内部材51の係合部51bの方向が少し変更されて、係合部51bが無理なく案内溝47bを移動できるように構成されている。
また、案内部材51の本体部分51aが必要以上に回転しないため、案内部材51の本体部分51aが磨耗されて筒状部材45cの案内部材取付部45dとの間の隙間が大きくなることによるガタツキや案内部材51及び案内取付部45dの損傷を防止できる。
中間軸47の外周部に形成した螺旋状の案内溝47bの搬送方向のピッチは、第1スクリュ羽根46及び第2スクリュ羽根49の搬送方向のスクリュピッチと略同一の間隔に設定されており、また、第2スクリュ41に対して第1スクリュ40が回転しながら移動する際に、第2スクリュ羽根49の搬送方向のスクリュピッチの略中間位置を第1スクリュ羽根46が移動するように案内溝47bが加工されている。
以上のように、第1スクリュ羽根46と第2スクリュ羽根49を上述した形状に形成し、第1筒軸45の筒状部材45cを第2スクリュ41の中間軸47と第2筒軸48との間に嵌合させて、案内溝47bに沿って案内部材51を案内させることによって、第2スクリュ41を第1スクリュ40と重なり合いながら第1スクリュ40に対してスライド移動させるスライド機構が構成されている。
このように、中間軸47の案内溝47bのピッチ、並びに、第1スクリュ羽根46及び第2スクリュ羽根49のスクリュピッチを略同一に設定し、第2スクリュ羽根49の搬送方向のスクリュピッチの略中間位置を第1スクリュ羽根46が移動するように構成することにより、第1搬送スクリュ20を伸縮する際に、第1スクリュ40の第1スクリュ羽根46と第2スクリュ41の第2スクリュ羽根49との間の隙間を確保することができるため、横オーガ9を伸縮する際に、第1スクリュ羽根46と第2スクリュ羽根49との間に穀粒が挟まれて穀粒が損傷することを防止することができる。
図3,図8〜図10に示すように、第1搬送スクリュ20を上記のように構成することによって、伸縮機構33により第1及び第2ケース23,24を伸縮させて第2ケース24が第1ケース23に対して搬送上流側にスライド移動すると、第1スクリュ40の第1筒軸45が第2スクリュ41の中間軸47と第2筒軸48との間を案内溝47bに案内されて、第2スクリュに対して穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に相対回転しながら第2スクリュ41の方に入り込んで、第1スクリュ40の第1スクリュ羽根46が第2スクリュ41の第2スクリュ羽根49のスクリュピッチの間を第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に相対回転しながら第2スクリュ41の方に入り込むことによって、第1搬送スクリュ20が短縮するように構成されている。
一方、伸縮機構33により第1及び第2ケース23,24を伸縮させて第2ケース24が第1ケース23に対して搬送下流側にスライド移動すると、第1スクリュ40の第1筒軸45が第2スクリュ41の中間軸47と第2筒軸48との間を案内溝47bに案内されて、第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向に相対回転しながら搬送上流側に相対移動するとともに、第1スクリュ40の第1スクリュ羽根46が第2スクリュ41の第2スクリュ羽根49のスクリュピッチの間を第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向に相対回転しながら搬送上流側に相対移動して、第1搬送スクリュ20を伸長するように構成されている。
また、伸縮機構33を操作せずに駆動軸42が回転して第2スクリュ41が回転すると、搬送方向の力が働かないため、駆動軸42の動力が中間軸47及び案内部材51を介して第1筒軸45の筒状部材45cに伝達されて、第1スクリュ40が第2スクリュ41と一体回動するように構成されている。このように、案内部材51、中間軸47に設けた案内溝47b、第1筒軸45に設けた案内部材取付部45d等によって、第1スクリュ40が第2スクリュ41と一体回動するように構成することによって、例えば、第1及び第2スクリュ40,41をそれぞれ独立して回動駆動させて、横オーガ9を伸縮可能に構成する場合に比べて、第1及び第2スクリュ40,41を回転駆動させる機構を別個に設ける必要がなくなって、第1及び第2スクリュ40,41を回転駆動させる機構を簡素化することができる。
なお、駆動軸42と一体回動する中間軸47に螺旋状の案内溝47bを設けて、この中間軸47と第2筒軸48との間に案内部材51を設けた第1筒軸45を配置することによって、案内溝47bを加工した中間軸47,案内部材51,筒状部材45c等の部品を第2スクリュ41の第2筒軸48の内部に収容することができる。そのため、横オーガ9内を通過する穀粒の粉塵や水分が中間軸47や案内部材51等に付着し難くなって、無理なくスライド移動させることができるとともに、中間軸47や案内部材51等が錆び付くことを防止できる。
図4に示すように、伸縮機構33を操作せずに駆動軸42を回転させて穀粒を排出口9bに向って搬送している状態においては、第1スクリュ40の第1スクリュ羽根46及び第2スクリュ41の第2スクリュ羽根49は、いずれも穀粒を排出口9bに搬送する方向に回転する。しかし、伸縮機構33により第1及び第2ケース23,24を伸縮させて第2スクリュ41が第1スクリュ40に対して搬送上流側に移動すると、案内溝47bに案内されて第1スクリュ40の第1スクリュ羽根46は、穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に回転する。すなわち、伸縮機構33により第1及び第2ケース23,24を伸縮させて横オーガ9を短縮させる状態においては、第1スクリュ40が横オーガ9の供給口9a側に向って穀粒を搬送する方向に回転する。
そのため、第1搬送スクリュ20を伸縮させて、第2スクリュ41に対して第1スクリュ40を回転させたとしても、穀粒が横オーガ9の排出口9bに向って供給されることが少なくなって、横オーガ9を短縮させることによって排出口9bから穀粒が排出される穀粒ロスを少なくすることができる。特に、駆動軸42を停止し第2スクリュ41が回転していない場合においては、第2スクリュ41が停止し第1スクリュ40のみが横オーガ9の供給口9a側に向って穀粒を搬送する方向に回転している状態になるため、伸縮機構33により第1及び第2ケース23,24を伸縮させて横オーガ9を伸縮する際に、排出口9bから穀粒が排出されてしまう穀粒ロスを更に少なくすることができる。
図5及び図6に示すように、第2搬送スクリュ21は、上述した第1搬送スクリュ20と同様に、第1スクリュ40と第2スクリュ41とを備えて、伸縮機構33により第1及び第2ケース23,24を伸縮させて第2ケース24が第1ケース23に対して搬送上流側にスライド移動すると、第1スクリュ40の第1筒軸45が第2スクリュ41の中間軸47と第2筒軸48との間を案内溝47bに案内されて第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に相対回転しながら第2スクリュ41の方に入り込んで、第1スクリュ40の第1スクリュ羽根46が第2スクリュ41の第2スクリュ羽根49のスクリュピッチの間を第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に相対回転しながら第2スクリュ41の方に入り込むことによって、第2搬送スクリュ21が短縮するように構成されている。
第2搬送スクリュ21を構成する第1スクリュ40の搬送上流側の端部は、第1搬送スクリュ20を構成する第2スクリュ41の中間軸47に固定されたナット部材47aにすべり軸受52を介して回動自在に支持されており、第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41と一体で伸縮方向にスライド移動し、駆動軸42に対して相対回転するように構成されている。一方、第2搬送スクリュ21を構成する第2スクリュ41の搬送下流側の端部は、第2スクリュ41の中間軸47に固定されたナット部材47aに外嵌したベアリング55を介して、第2ケース24の搬送上流側の端部のスリーブ27に固定された支持部材53に回動自在に支持されており、駆動軸42と一体回動し、第2ケース24が第1ケース23に対してスライド移動すると第2ケース24とともに駆動軸42に対して伸縮方向にスライド移動するように構成されている。
図6及び図7に示すように、第1搬送スクリュ20及び第2搬送スクリュ21の搬送下流側に第3搬送スクリュ22を備え、第1搬送スクリュ20と第2搬送スクリュ21によって第2ケース24に搬送されてきた穀粒を第2ケース24の搬送下手側の端部に設けた排出口9bに向って搬送するように構成されている。
第3搬送スクリュ22は、円筒状の第3筒軸56と、この第3筒軸56の外周部の全長に亘って巻き付けられて固着された螺旋状の第3スクリュ羽根57等を備えて構成されている。
第3搬送スクリュ22の第3筒軸56の搬送下流側の端部から支軸56aが延出されており、この支軸56aがベアリング58を介して第2ケース24に回動自在に支持されている。一方、第3搬送スクリュ22の第3筒軸56の搬送上流側の端部には、六角穴が加工されたナット部材56bが固着されており、このナット部材56bに断面形状が六角形状の駆動軸42の先端部が内嵌されている。
以上のように、第3搬送スクリュ22を構成することによって、ベベル伝達機構19を介して駆動軸42が回転すると、第3搬送スクリュ22もこの駆動軸42と一体回動して、第2ケース24に搬送されてきた穀粒を第2ケース24の搬送下流側の端部に設けた排出口9bに向って搬送するように構成されている。
〔伸縮機構の構造〕
図6、図10及び図11に示すように、第1ケース23と第2ケース24とに亘って、横オーガ9を伸縮する伸縮機構33が設けられており、伸縮機構33を操作すると、第2ケース24が第1ケース23に入り込むことによって横オーガ9の長さを調節できるように構成されている。
第1ケース23の搬送下流側端部の上側にブラケット34が固定されており、このブラケット34に電動モータ35が減速機36を介して取り付けられている。減速機36の出力軸36aには、ピニオンギア37が固定されており、第1ケース23の上側に設けた開口23aを介して、このピニオンギア37が第2ケース24の上側に設けたラック32のラック溝32aに係合するように構成されている。このように、第1ケース23側に電動モータ35を設け、第2ケース24側にラック32を設けて伸縮機構33を構成することによって、電動モータ35への配線が容易になる。また、第1ケース23及び第2ケース24の上側に伸縮機構33を設ける構成を採用することによって、例えば横オーガ9を旋回させる際に、伸縮機構33を構成するブラケット34、電動モータ35、減速機36等が旋回の邪魔になることを防止でき、横オーガ9の旋回作業の作業性を向上させることができる。
以上のように伸縮機構33を構成することによって、操縦部4に設けた横オーガ伸縮レバー60(図1参照)を伸長側に操作すると電動モータ35が回転するとともに減速機36の出力軸36aが回転して、この出力軸36aに固定されたピニオンギア37が回転する。そして、第2ケース24が第1ケース23に対して搬送下流側に移動して横オーガ9を伸長させることができる。一方、操縦部4に設けた横オーガ伸縮レバー60を短縮側に操作すると、電動モータ35が逆回転するとともに減速機36の出力軸36aが逆回転して、この出力軸36aに固定されたピニオンギア37が逆回転する。そして、第2ケース24が第1ケース23に対して搬送上流側に移動して横オーガ9を短縮させることができる。
このように、第2ケース24側に設けたラック32と第1ケース23側に設けた電動モータ35及びピニオンギア37によって、第1ケース23に対して第2ケース24をスライド移動させる構成を採用することによって、構造を簡素化することができ、製造コストを削減できる。
〔横オーガの伸縮状態〕
図3に示すように、横オーガ9が最も伸長した状態(図3(イ)の状態)から伸縮機構33によって第1ケース23に対して第2ケース24が搬送上流側に移動すると、第2ケース24の内部に位置する駆動軸42は第3筒軸56の内部を搬送下流側に移動する。そして、第1搬送スクリュ20の搬送上流側の端部と第2搬送スクリュ21の搬送下流側の端部の間の長さが短くなって、第1搬送スクリュ20及び第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41,41が搬送上流側に押し込まれる。そして、第1搬送スクリュ20の第1スクリュ40が、第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に相対回転しながら第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41の方に入り込んで、第2搬送スクリュ21の第1スクリュ40が、第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に相対回転しながら第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41の方に入り込む。
一方、横オーガ9が最も短縮した状態(図3(ロ)の状態)から伸縮機構33によって第1ケース23に対して第2ケース24が搬送下流側に移動すると、第2ケース24の内部に位置する駆動軸42は第3筒軸56の内部を搬送上流側に移動する。そして、第1搬送スクリュ20の搬送上流側の端部と第2搬送スクリュ21の搬送下流側の端部の間の長さが長くなって、第1搬送スクリュ20及び第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41,41が搬送下流側に引っ張られる。そして、第1搬送スクリュ20の第1スクリュ40は、その搬送上流側の端部が第1ケース24に支持されているため、第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41のみが搬送下流側に移動し、第1搬送スクリュ20の第1スクリュ40は第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向に相対回転する。また、第2搬送スクリュ21の第1スクリュ40は、その搬送上流側の端部が第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41に支持されているため、第1搬送スクリュ20に対して第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41のみが搬送下流側に移動し、第2搬送スクリュ21の第1スクリュ40は第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41及び第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向に相対回転する。
図3(ロ)に示すように、伸縮機構33によって第2ケース24が第1ケース23に対して搬送上流側に2L移動すると、第1搬送スクリュ20及び第2搬送スクリュ21がそれぞれL短縮する。すなわち、第1搬送スクリュ20の第1スクリュ40が第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41に対してL入り込むことによって、第1搬送スクリュ20がL短縮し、第2搬送スクリュ21の第1スクリュ40が第2搬送スクリュ21の第2スクリュ40に対してL入り込むことによって、第2搬送スクリュ21がL短縮する。
このように、第1スクリュ40及び第2スクリュ41を備えた第1搬送スクリュ20に加えて、第1スクリュ40及び第2スクリュ41を備えた第2搬送スクリュ21を設けて横オーガ9を構成することによって、横オーガ9を伸縮する長さを長く確保することができ、横オーガ9を広範囲で伸縮することができる。また、駆動軸42が第3搬送スクリュ22の第3筒軸56の内部に入り込むように構成するとともに、駆動軸42によって第1搬送スクリュ20、第2搬送スクリュ21及び第3搬送スクリュ22のすべてを回動駆動可能に構成することができる。すなわち、第1搬送スクリュ20、第2搬送スクリュ21及び第3搬送スクリュ22の配置やその駆動構造等の特性を有効に活用して、伸縮可能な横オーガ9を簡素な構造で、かつ、機能性に優れたものにすることができる。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、第1搬送スクリュ20に加えて、第2搬送スクリュ21及び第3搬送スクリュ22を備えた横オーガ9(穀粒排出オーガ)を例に示したが、第1搬送スクリュ20のみによって横オーガ9を構成してもよく、また、第1搬送スクリュ20と第3搬送スクリュ22との組み合わせによって横オーガ9を構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、第1スクリュ40を、一端部を固着し一定の隙間を開けて巻き付けられた螺旋状の第1スクリュ羽根46を備えて構成し、第2スクリュ41を、全長に亘って固着された螺旋状の第2スクリュ羽根49を備えて構成した例を示したが、第1スクリュ40を、全長に亘って固着された螺旋状のスクリュ羽根を備えて構成し、第2スクリュ41を、一端部を固着し一定の隙間を開けて巻き付けられた螺旋状のスクリュ羽根を備えて構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、第2スクリュ羽根49の搬送方向のスクリュピッチの略中間位置を第1スクリュ羽根46が移動するように構成した例を示したが、穀粒が圧縮されることを防止でき、第1スクリュ羽根46と第2スクリュ羽根49の間に摩擦力が働き難い位置であれば、第2スクリュ羽根49に対して第1スクリュ羽根46が移動する位置は異なる位置であってもよい。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、案内溝47bの断面形状を矩形状に形成し、案内部材51の係合部51bの断面形状を矩形状に形成した例を示したが、案内溝47b及び案内部材51の形状は異なるものであってもよく、例えば案内部材51を球状の伝動ボール(図示せず)で構成し、案内溝47bの断面形状を半円弧状に構成して、筒状部材45cに伝動ボールを回動自在に支持し、案内溝47bに沿って伝動ボールを移動させる構成を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、案内部材51の材質を鉄鋼材で構成した例を示したが、案内部材51の材質を異なる材質で構成してもよく、例えば、他の金属や磨耗し難い樹脂で構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、案内部材51の係合部51bの加工穴45e側から見た形状を、四隅を湾曲させた長円形に形成した例を示したが、図15及び図16に示すように、案内部材51の係合部51bの形状は、断面形状が矩形状になる形状であれば異なる形状であってもよい。なお、図15(イ)〜(ハ)は、案内部材51の部品図を示し、図15(イ)〜(ハ)の上方及び下方に示す図は、案内部材51の側面図及び底面図をそれぞれ示す。また、図16は、図15(ハ)の案内部材51を採用した場合における案内部材51と案内溝47bの位置関係を示す詳細横断面図を示す。
図15(イ)に示すように、係合部51bの加工穴45e側から見た形状を楕円状に形成し、断面形状の幅が滑らかに変化するように構成してもよく、図15(ロ)に示すように、係合部51bの加工穴45e側から見た形状を屈曲させた直線状に形成し、係合部51bの先端部に面取り加工を施した形状を採用してもよい。
また、図15(ハ)に示すように、係合部51bの形状を円柱状に形成してもよく、このように円柱状に形成することにより、案内溝47bに沿って案内部材51を更に無理なく移動させることができるため、無理なくスライド移動させることのできるスライド機構を構成することができ、横オーガ9を無理なく伸縮することができる。
具体的に説明すると、図16に示すように、伸縮機構33により第1及び第2ケース23,24を伸縮させて第2ケース24が第1ケース23に対してスライド移動して、例えば中間軸47に対して案内部材47が搬送上流側(図16中の白矢印の方向)に移動すると、案内部材51の係合部51bが案内溝47bの搬送上流側の案内面と接当することによって、この案内面との摩擦力が案内部材51を回転させる方向(図16中の黒矢印の方向)の力として作用して、回動自在に支持された案内部材51が回転しながら案内溝47bに沿って移動する。その結果、案内部材51及び案内溝47bに無理な力が働き難くなって、案内溝47bに沿って案内部材51を更に無理なく移動させることができる。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において示した案内溝47b、案内部材51及び案内部材51の取付構造に代えて、図17に示すような案内溝47b、案内部材51及び案内部材51の取付構造を採用してもよい。なお、図17(イ)及び(ロ)は、案内溝47bに沿って案内部材51が移動する方向に直交する方向の詳細縦断面図を示す。
図17(イ)に示すように、案内部材51の係合部51bを円錐状に形成し、螺旋状の案内溝47bの断面形状を少し斜めに傾斜させた台形状に構成してもよい。少し斜めに傾斜させた傾斜面によって案内部材51の係合片51bに働く周方向の力成分の一部が、図17(イ)の紙面上方へ案内部材51を推す力として働くため、係合部51bの破損を防止することができ、係合部51bを無理なく移動させることができる。
図17(ロ)に示すように、案内部材51と第1筒軸45とに亘って弾性部材61を設けて、案内部材51を中間軸47の案内溝47bに押し付ける反力を作用させるように構成してもよい。弾性部材61を設けることにより、案内部材51に無理な力が作用した場合には、弾性部材61の反力に抗して案内部材51が図17(ロ)の紙面上方に逃げることができるため、係合部51bを更に無理なく移動させることができる。なお、図17(イ)の案内部材51に、図17(ロ)の弾性部材61を適用する構成を採用してもよい。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、伸縮機構33をラック32、ピニオンギア37等を用いて構成した例を示したが、同様の機能を果たすものであれば異なる構造を採用してもよく、例えば送りネジ(図示せず)等を用いて伸縮機構33を構成してもよい。
コンバインの全体右側面図 コンバインの全体平面図 横オーガの全体構造を示す縦断面図 横オーガを伸長させた状態におけるA部の詳細構造を示す縦断面図 横オーガを伸長させた状態におけるB部の詳細構造を示す縦断面図 横オーガを伸長させた状態におけるC部の詳細構造を示す縦断面図 横オーガを伸長させた状態におけるD部の詳細構造を示す縦断面図 横オーガを短縮させた状態におけるE部の詳細構造を示す縦断面図 横オーガを短縮させた状態におけるF部の詳細構造を示す縦断面図 横オーガを短縮させた状態におけるG部の詳細構造を示す縦断面図 伸縮機構の構造を示すX―X断面図 案内部材及び案内溝の詳細構造を示す縦断面図 案内部材及び案内溝の構造を示す詳細図 案内部材の部品図 発明の実施の第2別形態における案内部材の部品図 発明の実施の第2別形態における案内部材及び案内溝の構造を示す詳細図 発明の実施の第2別形態における案内部材の構造を示す概略図
符号の説明
9 横オーガ(穀粒排出オーガ)
9a 供給口
9b 排出口
23 第1ケース
24 第2ケース
33 伸縮機構
40 第1スクリュ
41 第2スクリュ
45 筒軸
45d 案内部材取付部
46 第1スクリュ羽根
47
47b 案内溝
49 第2スクリュ羽根
51 案内部材
51a 本体部分
51b 係合部
軸心

Claims (6)

  1. 円筒状の第1ケースと、前記第1ケースに対してスライド移動可能に構成した円筒状の第2ケースと、前記第1ケースと前記第2ケースとに亘って設けられた伸縮機構とを備え、前記第1及び第2ケースの内部に、搬送上流側に位置する第1スクリュと搬送下流側に位置する第2スクリュとを備えて、前記第1スクリュの第1スクリュ羽根の巻き方向と前記第2スクリュの第2スクリュ羽根の巻き方向とを同じ巻き方向に設定して、前記第1ケースの搬送上流側の端部に位置する供給口から前記第2ケースの搬送下流側の端部に位置する排出口に向って穀粒を搬送可能で、かつ、伸縮可能に構成してあるコンバインの穀粒排出オーガであって、
    前記伸縮機構により前記第1及び第2ケースを伸縮させると、前記第2スクリュを前記第1スクリュと重なり合いながら前記第1スクリュに対してスライド移動させるスライド機構を備え、
    前記スライド機構を、前記第1又は第2スクリュの一方に設けられた螺旋状の案内溝と、前記第1又は第2スクリュの他方に設けられた案内部材とを備え、前記案内溝に前記案内部材を係合させて構成し
    前記案内部材を、前記第1又は第2スクリュの一方に備えられた軸と前記軸に外嵌するように前記第1又は第2スクリュの他方に備えられた筒軸とに亘る状態で前記軸と前記筒軸との間に内装してあるコンバインの穀粒排出オーガ。
  2. 前記軸の外周部に前記案内溝を形成し、前記筒軸の内周面に案内部材取付部を凹入形成してある請求項1記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
  3. 前記案内部材取付部を、前記案内部材取付部に係入する前記案内部材の本体部分が前記筒軸の内周面から突出しない深さを有するように形成してある請求項2記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
  4. 前記案内溝に係合する前記案内部材の係合部を前記案内溝に沿う方向に細長い長円形に形成してある請求項1〜3のいずれか一つに記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
  5. 前記案内部材の本体部分を前記案内溝に係合する前記案内部材の係合部よりも前記案内溝に沿って前記案内部材が移動する方向と直交する方向での長さが大きくなるように前記案内部材を構成してある請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
  6. 断面形状が矩形状になるように、前記案内溝を構成するとともに、前記案内溝に沿って前記案内部材が移動する方向に直交する方向での前記案内溝に係合する係合部の断面形状が矩形状になるように、前記案内部材を構成し、
    前記案内部材を前記第1又は第2スクリュの径方向に沿う軸心周りに回動自在に支持してある請求項1〜5のいずれか一つに記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
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