JP4903589B2 - コンバインの穀粒排出オーガ - Google Patents
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Description
本発明は、耐久性に優れ、かつ伸縮可能なコンバインの穀粒排出オーガを低コストで実現することを目的とする。
本発明の第1特徴は、円筒状の第1ケースと、前記第1ケースに対してスライド移動可能に構成した円筒状の第2ケースと、前記第1ケースと前記第2ケースとに亘って設けられた伸縮機構とを備え、前記第1及び第2ケースの内部に、搬送上流側に位置する第1スクリュと搬送下流側に位置する第2スクリュとを備えて、前記第1スクリュの第1スクリュ羽根の巻き方向と前記第2スクリュの第2スクリュ羽根の巻き方向とを同じ巻き方向に設定して、前記第1ケースの搬送上流側の端部に位置する供給口から前記第2ケースの搬送下流側の端部に位置する排出口に向って穀粒を搬送可能で、かつ、伸縮可能に構成してあるコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記伸縮機構により前記第1及び第2ケースを伸縮させると、前記第2スクリュを前記第1スクリュと重なり合いながら前記第1スクリュに対してスライド移動させるスライド機構を備え、
前記スライド機構を、前記第1又は第2スクリュの一方に設けられた螺旋状の案内溝と、前記第1又は第2スクリュの他方に設けられた案内部材とを備え、前記案内溝に前記案内部材を係合させて構成し、
前記案内部材を、前記第1又は第2スクリュの一方に備えられた軸と前記軸に外嵌するように前記第1又は第2スクリュの他方に備えられた筒軸とに亘る状態で前記軸と前記筒軸との間に内装してある。
本発明の第1特徴によると、第1及び第2スクリュを回動駆動させなくても、伸縮機構により第1及び第2ケースを伸縮させると、スライド機構によって第2スクリュが第1スクリュと重なり合いながら第1スクリュに対してスライド移動し、穀粒排出オーガを伸縮することができる。その結果、穀粒排出オーガを伸縮させる構造を簡素化できる。
本発明の第1特徴によると、穀粒排出オーガを伸縮させる構造を簡素化できるため、部品点数が少なくなって製造コストを削減することができる。また、穀粒排出オーガを伸縮させる構造を簡素化できる結果として、穀粒排出オーガの重量を軽減できるため、穀粒排出オーガの旋回部等に無理な曲げモーメントが働き難くなって、耐久性に優れた穀粒排出オーガを実現できる。
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記軸の外周部に前記案内溝を形成し、前記筒軸の内周面に案内部材取付部を凹入形成してある。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴のコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記案内部材取付部を、前記案内部材取付部に係入する前記案内部材の本体部分が前記筒軸の内周面から突出しない深さを有するように形成してある。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴のいずれか一つのコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記案内溝に係合する前記案内部材の係合部を前記案内溝に沿う方向に細長い長円形に形成してある。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第1〜第4特徴のいずれか一つのコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
前記案内部材の本体部分を前記案内溝に係合する前記案内部材の係合部よりも前記案内溝に沿って前記案内部材が移動する方向と直交する方向での長さが大きくなるように前記案内部材を構成してある。
本発明の第6特徴は、本発明の第1〜第5特徴のいずれか一つのコンバインの穀粒排出オーガにおいて、
断面形状が矩形状になるように、前記案内溝を構成するとともに、前記案内溝に沿って前記案内部材が移動する方向に直交する方向での前記案内溝に係合する係合部の断面形状が矩形状になるように、前記案内部材を構成し、
前記案内部材を前記第1又は第2スクリュの径方向に沿う軸心周りに回動自在に支持してある。
(作用)
本発明の第6特徴によると、螺旋状の案内溝に沿って案内部材が移動する際に、回動自在に支持した案内部材が自ら回転することで、矩形状に形成した案内溝と矩形状に形成した案内部材の係合部の係合がロックされることが少なくなって、案内溝に沿って案内部材を無理なく移動させることができる。その結果、無理なくスライド移動させることのできるスライド機構を構成することができ、穀粒排出オーガを無理なく伸縮することができる。
本発明の第6特徴によると、破損し難く耐久性に優れたスライド機構及び穀粒排出オーガを実現できる。
図1及び図2に本発明に係る穀粒排出オーガを備えた自脱型コンバインを示す。図1及び図2に示すように、クローラ走行装置1の上部に設けた走行機体2の前部に刈取部3が設けられ、走行機体2に、操縦部4、刈取穀稈を脱穀及び選別する脱穀部5、脱穀部5から供給される穀粒を貯留するグレンタンク6、このグレンタンク6から機外に穀粒を排出するアンローダ7等を備えて自脱型コンバインが構成されている。
図3〜図11に横オーガ9の詳細構造を示す。図3は、横オーガ9の全体図を示す。図3(イ)は、最も伸長した状態における横オーガ9の穀粒の搬送方向での縦断面図を示し、図3(ロ)は、最も短縮した状態における横オーガ9の穀粒の搬送方向での縦断面図を示す。また、図4〜図7は、図3(イ)の状態でのA〜Dの位置における横オーガ9の詳細縦断面図をそれぞれ示し、図8〜図10は、図3(ロ)の状態でのE〜Gの位置における横オーガ9の詳細縦断面図をそれぞれ示す。なお、図11は、図10のX―X断面図を示す。
図6、図10及び図11に示すように、第1ケース23と第2ケース24とに亘って、横オーガ9を伸縮する伸縮機構33が設けられており、伸縮機構33を操作すると、第2ケース24が第1ケース23に入り込むことによって横オーガ9の長さを調節できるように構成されている。
図3に示すように、横オーガ9が最も伸長した状態(図3(イ)の状態)から伸縮機構33によって第1ケース23に対して第2ケース24が搬送上流側に移動すると、第2ケース24の内部に位置する駆動軸42は第3筒軸56の内部を搬送下流側に移動する。そして、第1搬送スクリュ20の搬送上流側の端部と第2搬送スクリュ21の搬送下流側の端部の間の長さが短くなって、第1搬送スクリュ20及び第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41,41が搬送上流側に押し込まれる。そして、第1搬送スクリュ20の第1スクリュ40が、第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に相対回転しながら第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41の方に入り込んで、第2搬送スクリュ21の第1スクリュ40が、第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41に対して穀粒を排出口9bに搬送する方向とは逆方向に相対回転しながら第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41の方に入り込む。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、第1搬送スクリュ20に加えて、第2搬送スクリュ21及び第3搬送スクリュ22を備えた横オーガ9(穀粒排出オーガ)を例に示したが、第1搬送スクリュ20のみによって横オーガ9を構成してもよく、また、第1搬送スクリュ20と第3搬送スクリュ22との組み合わせによって横オーガ9を構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、案内溝47bの断面形状を矩形状に形成し、案内部材51の係合部51bの断面形状を矩形状に形成した例を示したが、案内溝47b及び案内部材51の形状は異なるものであってもよく、例えば案内部材51を球状の伝動ボール(図示せず)で構成し、案内溝47bの断面形状を半円弧状に構成して、筒状部材45cに伝動ボールを回動自在に支持し、案内溝47bに沿って伝動ボールを移動させる構成を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、伸縮機構33をラック32、ピニオンギア37等を用いて構成した例を示したが、同様の機能を果たすものであれば異なる構造を採用してもよく、例えば送りネジ(図示せず)等を用いて伸縮機構33を構成してもよい。
9a 供給口
9b 排出口
23 第1ケース
24 第2ケース
33 伸縮機構
40 第1スクリュ
41 第2スクリュ
45 筒軸
45d 案内部材取付部
46 第1スクリュ羽根
47 軸
47b 案内溝
49 第2スクリュ羽根
51 案内部材
51a 本体部分
51b 係合部
P 軸心
Claims (6)
- 円筒状の第1ケースと、前記第1ケースに対してスライド移動可能に構成した円筒状の第2ケースと、前記第1ケースと前記第2ケースとに亘って設けられた伸縮機構とを備え、前記第1及び第2ケースの内部に、搬送上流側に位置する第1スクリュと搬送下流側に位置する第2スクリュとを備えて、前記第1スクリュの第1スクリュ羽根の巻き方向と前記第2スクリュの第2スクリュ羽根の巻き方向とを同じ巻き方向に設定して、前記第1ケースの搬送上流側の端部に位置する供給口から前記第2ケースの搬送下流側の端部に位置する排出口に向って穀粒を搬送可能で、かつ、伸縮可能に構成してあるコンバインの穀粒排出オーガであって、
前記伸縮機構により前記第1及び第2ケースを伸縮させると、前記第2スクリュを前記第1スクリュと重なり合いながら前記第1スクリュに対してスライド移動させるスライド機構を備え、
前記スライド機構を、前記第1又は第2スクリュの一方に設けられた螺旋状の案内溝と、前記第1又は第2スクリュの他方に設けられた案内部材とを備え、前記案内溝に前記案内部材を係合させて構成し、
前記案内部材を、前記第1又は第2スクリュの一方に備えられた軸と前記軸に外嵌するように前記第1又は第2スクリュの他方に備えられた筒軸とに亘る状態で前記軸と前記筒軸との間に内装してあるコンバインの穀粒排出オーガ。 - 前記軸の外周部に前記案内溝を形成し、前記筒軸の内周面に案内部材取付部を凹入形成してある請求項1記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
- 前記案内部材取付部を、前記案内部材取付部に係入する前記案内部材の本体部分が前記筒軸の内周面から突出しない深さを有するように形成してある請求項2記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
- 前記案内溝に係合する前記案内部材の係合部を前記案内溝に沿う方向に細長い長円形に形成してある請求項1〜3のいずれか一つに記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
- 前記案内部材の本体部分を前記案内溝に係合する前記案内部材の係合部よりも前記案内溝に沿って前記案内部材が移動する方向と直交する方向での長さが大きくなるように前記案内部材を構成してある請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
- 断面形状が矩形状になるように、前記案内溝を構成するとともに、前記案内溝に沿って前記案内部材が移動する方向に直交する方向での前記案内溝に係合する係合部の断面形状が矩形状になるように、前記案内部材を構成し、
前記案内部材を前記第1又は第2スクリュの径方向に沿う軸心周りに回動自在に支持してある請求項1〜5のいずれか一つに記載のコンバインの穀粒排出オーガ。
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