JP4903026B2 - 遅延プロファイル解析回路及びそれを用いた装置 - Google Patents

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本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いるデジタル放送やデジタル伝送における受信信号の測定装置に関わり、特に、到来する遅延波の遅延時間分布である遅延プロファイルの雑音成分を適応的に除去して、伝送路特性のみが含まれる遅延プロファイルを生成及び表示する遅延プロファイル解析回路及びそれを用いた装置に関する。
図3は、従来の遅延プロファイル解析回路の構成を示すブロック図である。この遅延プロファイル解析回路1は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5、FFT部6、伝送路応答算出部7、及びIFFT部8を備えている。周波数変換部2は、被測定信号を入力し、当該被測定信号をIF帯の信号に変換し、IF信号を出力する。A/D変換部3は、IF信号を入力し、図示しない同期再生部からのサンプリングクロックを用いてアナログIF信号をデジタルIF信号に変換する。直交復調部4は、デジタルIF信号を入力し、当該デジタルIF信号を直交復調して等価ベースバンド信号を出力する。
GI除去部5は、等価ベースバンド信号を入力し、図示しない同期再生部からOFMD信号のシンボル周期及びタイミングを示す信号(シンボルタイミング)を用いて、ガードインターバル(GI:Guard Interval)に相当する期間を除去し、有効シンボル期間に相当する時間長の信号(有効シンボル期間分の時間領域のOFDM信号)を抽出する。FFT部6は、有効シンボル期間分の時間領域のOFDM信号を入力し、FFT(Fast Fourier Transform)して、周波数領域信号であるキャリヤシンボルに変換する。伝送路応答算出部7は、キャリヤシンボルを入力し、当該キャリヤシンボルから伝送路応答(伝送路特性)を算出する。IFFT部8は、伝送路応答を入力し、当該伝送路応答をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)し、遅延プロファイルを求める。このように、遅延プロファイル解析回路1は、被測定信号を入力して解析し、遅延プロファイルを出力する。
図4は、図3に示した伝送路応答算出部7の構成を示すブロック図である。この伝送路応答算出部7は、パイロット信号抽出部7−1、パイロット信号生成部7−2、除算部7−3、及び補間部7−4を備えている。パイロット信号抽出部7−1は、図3のFFT部6により変換されたキャリヤシンボルを入力し、予め定められたシンボル番号及びサブキャリヤによって伝送されたパイロット信号を抽出する。基準パイロット信号生成部7−2は、予め定められた振幅及び位相を有する基準パイロット信号を生成する。
除算部7−3は、パイロット信号抽出部7−1により抽出されたパイロット信号を、基準パイロット信号生成部7−2により生成された基準パイロット信号で除算し、伝送路応答として出力する。補間部7−4は、除算部7−3から伝送路応答を入力し、シンボル間において伝送路応答を補間する。このように、伝送路応答算出部7は、パイロット信号を用いて伝送路応答を算出することができる。
このような遅延プロファイル解析回路1を用いた装置が、例えば特許文献1〜3に記載されている。
特開2000−115087号公報 特開2003−224536号公報 特開2003−300131号公報
通常、図3に示した遅延プロファイル解析回路1は、伝送路における遅延波の遅延時間分布(遅延プロファイル)を求めるものである。しかし、実際は、遅延プロファイル解析回路1に入力される被測定信号には、伝送路を通る前後において様々な雑音が加わっている。この雑音成分は遅延プロファイル上に一様に分布することから、求める遅延プロファイルのうち、実際の遅延波と雑音成分とを弁別することは容易でない。
そこで、本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、被測定信号に含まれる雑音成分を適応的に除去し、伝送路特性のみが含まれる遅延プロファイルを生成可能な遅延プロファイル解析回路及びそれを用いた装置を提供することにある。
本発明とともに開発した遅延プロファイル解析回路は、入力されるOFDM信号を、周波数領域のキャリヤシンボルにFFTするFFT部と、該FFT部により変換されたキャリヤシンボルから伝送路応答を算出する伝送路応答算出部と、該伝送路応答算出部により算出された伝送路応答を、時間軸上の遅延プロファイルにIFFTするIFFT部と、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのチャネル等化を行うチャネル等化部と、該チャネル等化部により等化された等化後のキャリヤシンボルに基づいてしきい値を設定し、前記IFFT部により変換された遅延プロファイルに対してしきい値処理し、雑音成分を除去する雑音成分除去部とを備えることを特徴とする。
また、本発明とともに開発した遅延プロファイル解析回路は、前記雑音成分除去部が、前記チャネル等化部により等化された等化後のキャリヤシンボルとの信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルを、実際に送信されたキャリヤシンボルの推定値として判定する判定部と、該判定部により判定された送信キャリヤシンボルの推定値と前記チャネル等化部により等化された等化後のキャリヤシンボルとの間の誤差を算出する誤差算出部と、前記判定部により判定された送信キャリヤシンボルの推定値及び前記誤差算出部により算出された誤差から、全てのデータシンボルを用いて変調誤差比を算出する変調誤差比算出部と、該変調誤差比算出部により算出された変調誤差比から遅延プロファイルのS/Nを推定し、しきい値を設定するしきい値設定部と、前記IFFT部により変換された遅延プロファイルから、前記しきい値設定部により設定されたしきい値以下の信号成分を除去するしきい値処理部とを有することを特徴とする。
また、本発明とともに開発した遅延プロファイル解析回路は、前記伝送路応答算出部が、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルから、予め定められたシンボル番号及びサブキャリヤ番号のサブキャリヤによって伝送されるパイロット信号を抽出するパイロット信号抽出部と、予め定められた振幅及び位相を有する基準パイロット信号を生成する基準パイロット信号生成部と、前記パイロット信号抽出部により抽出されたパイロット信号を、前記基準パイロット信号生成部により生成された基準パイロット信号で除算し、前記パイロット信号が伝送されるサブキャリヤの周波数における伝送路応答を算出する除算部とを有することを特徴とする。
また、本発明とともに開発した遅延プロファイル解析回路は、前記伝送路応答算出部が、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルから、予め定められたシンボル番号及びサブキャリヤ番号のサブキャリヤによって伝送されるパイロット信号を抽出するパイロット信号抽出部と、予め定められた振幅及び位相を有する基準パイロット信号を生成する基準パイロット信号生成部と、前記パイロット信号抽出部により抽出されたパイロット信号を、前記基準パイロット信号生成部により生成された基準パイロット信号で除算し、前記パイロット信号が伝送されるサブキャリヤの周波数における伝送路応答を算出する除算部と、該除算部により算出された伝送路応答の補間を行う補間部と、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルを、前記補間部により補間された伝送路応答で除算し、チャネル等化を行う除算部と、該除算部の出力する等化後のキャリヤシンボルとの信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルを、実際に送信されたキャリヤシンボルの推定値として判定する判定部と、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルを、前記判定部により判定された送信キャリヤシンボルの推定値で除算し、伝送路応答を算出する除算部とを有することを特徴とする。
請求項1に係る遅延プロファイル解析回路の発明は、入力されるOFDM信号を、周波数領域のキャリヤシンボルにFFTするFFT部と、該FFT部により変換されたキャリヤシンボルから伝送路応答を算出する伝送路応答算出部と、該伝送路応答算出部により算出された伝送路応答を、時間軸上の遅延プロファイルにIFFTするIFFT部と、該IFFT部により変換された遅延プロファイルについて、その信号電力の最小値を算出してしきい値を設定し、しきい値処理を施して雑音成分を除去する雑音成分除去部とを備え、前記雑音成分除去部が、前記IFFT部により変換された遅延プロファイルを、遅延時間毎に複数のブロックに分割する分割部と、該分割部により分割された遅延プロファイルのブロック毎に、遅延プロファイルの単位離散時間あたりの平均信号電力を求める平均信号電力算出部と、前記分割数分の単位離散時間あたりの平均信号電力の最小値を求める最小値算出部と、該最小値算出部により算出された平均信号電力の最小値に、予め定められた定数を乗算し、しきい値として出力する乗算部と、前記IFFT部により変換された遅延プロファイルから、前記乗算部により出力されたしきい値以下の信号成分を除去するしきい値処理部とを有することを特徴とする。
また、請求項2に係る遅延プロファイル解析回路の発明は、入力されるOFDM信号を、周波数領域のキャリヤシンボルにFFTするFFT部と、該FFT部により変換されたキャリヤシンボルから伝送路応答を算出する伝送路応答算出部と、該伝送路応答算出部により算出された伝送路応答を、時間軸上の遅延プロファイルにIFFTするIFFT部と、該IFFT部により変換された遅延プロファイルについて、その信号電力の最小値を算出してしきい値を設定し、しきい値処理を施して雑音成分を除去する雑音成分除去部とを備え、前記雑音成分除去部が、前記IFFT部により変換された遅延プロファイルに、重み付け移動平均処理を施す重み付け移動平均処理部と、該重み付け移動平均処理部により重み付け移動平均処理が施された遅延プロファイルにつき、該遅延プロファイルの最小値を算出する最小値算出部と、該最小値算出部により算出された遅延プロファイルの最小値に、予め定められた定数を乗算し、しきい値として出力する乗算部と、前記IFFT部により変換された遅延プロファイルから、前記乗算部により出力されたしきい値以下の信号成分を除去するしきい値処理部とを有することを特徴とする。
また、請求項3に係る回り込みキャンセラの発明は、受信信号をフィルタリングし、回り込み波のレプリカ信号を生成する適応フィルタと、該適応フィルタにより生成されたレプリカ信号を受信信号から減算する減算部と、前記遅延プロファイルを、回り込み波のレプリカ信号を生成するためのフィルタ係数として生成する請求項1または2に記載の遅延プロファイル解析回路とを備え、前記受信信号から、送受信アンテナ間の結合により生じる回り込み波をキャンセルすることを特徴とする。
本発明によれば、入力されるOFDM信号に含まれる雑音成分を適応的に除去し、伝送路特性のみが含まれる遅延プロファイルを生成することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明の実施の形態は、遅延プロファイル解析回路の第1の構成(遅延プロファイル解析回路/実施例1)、遅延プロファイル解析回路の第2の構成(遅延プロファイル解析回路/実施例2)、遅延プロファイル解析回路の第3の構成(遅延プロファイル解析回路/実施例3)、遅延プロファイル解析回路の第4の構成(遅延プロファイル解析回路/実施例4)、回り込みキャンセラの第1の構成(回り込みキャンセラ/実施例1)、回り込みキャンセラの第2の構成(回り込みキャンセラ/実施例2)、回り込みキャンセラの第3の構成(回り込みキャンセラ/実施例3)、及び回り込みキャンセラの第4の構成(回り込みキャンセラ/実施例4)の8つに分けて説明する。第1の回り込みキャンセラは第1の遅延プロファイル解析回路を用いた装置であり、第2の回り込みキャンセラは第2の遅延プロファイル解析回路を用いた装置であり、第3,4の回り込みキャンセラはそれぞれ第3,4の遅延プロファイル解析回路を用いた装置である。遅延プロファイル解析回路は、被測定信号のキャリヤシンボルから所定の処理によりしきい値を設定し、当該しきい値を用いて遅延プロファイルから雑音成分を除去することを特徴とする。また、回り込みキャンセラは、前記遅延プロファイル解析回路を用いて、回り込み波のレプリカ信号から雑音成分を除去することを特徴とする。
[遅延プロファイル解析回路/実施例1]
まず、遅延プロファイル解析回路の実施例1について説明する。図1は、本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路の第1の構成を示すブロック図である。この遅延プロファイル解析回路100−1は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5、FFT部6、伝送路応答算出部30を有するチャネル等化部10、雑音成分除去部20、及びIFFT部41を備えている。チャネル等化部10は、伝送路応答算出部30及び除算部15を備え、雑音成分除去部20は、判定部21、誤差算出部22、変調誤差比算出部23、しきい値設定部24、及びしきい値処理部25を備えている。また、伝送路応答算出部30は、SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、及び補間部14を備えている。
図1に示す遅延プロファイル解析回路100−1と図3に示した従来の遅延プロファイル解析回路1とを比較すると、両者は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5及びFFT部6をこの順番の構成で備えている点で同一であるが、遅延プロファイル解析回路100−1は、伝送路応答算出部30を有するチャネル等化部10、雑音成分除去部20及びIFFT部41を、遅延プロファイル解析回路1の伝送路応答算出部7及びIFFT部8の代わりに備えている点で相違する。以下、図1において、図3と共通する部分には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
図1において、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5及びFFT部6は、図3に示したものと同等の機能を有する。ここで、FFT部6により変換されたキャリヤシンボルは2分配され、一方がチャネル等化部10の除算部15へ、他方がチャネル等化部10の伝送路応答算出部30におけるトレーニング信号抽出部であるSP信号抽出部11へそれぞれ入力される。
SP信号抽出部11は、FFT部6からキャリヤシンボルを入力し、予め定められたシンボル番号及びサブキャリヤ番号のサブキャリヤによって伝送されたパイロット信号であるSP(スキャッタードパイロット:Scattered Pilot)信号を抽出して出力する。基準SP信号生成部12は、予め定められた振幅及び位相を有するSP信号を生成し、基準SP信号として出力する。除算部13は、SP信号抽出部11から被測定信号のSP信号を入力し、基準SP信号生成部12から基準SP信号を入力し、被測定信号のSP信号を基準SP信号で除算し、伝送路応答を算出して出力する。補間部14は、除算部1から伝送路応答を入力し、シンボル間における伝送路特性の補間を行い出力する。ここで、補間部14により出力された伝送路応答は2分配され、一方が除算部15へ、他方がIFFT部41へそれぞれ入力される。
除算部15は、FFT部6からキャリヤシンボルを入力し、除算部15から伝送路応答を入力し、キャリヤシンボルのうちのデータシンボルを、当該サブキャリヤにおける伝送路応答で除算することにより、チャネル等化して出力する。ここで、除算部15により出力された等化後のデータシンボルは2分配され、一方が誤差算出部22へ、他方が判定部21へそれぞれ入力される。
判定部21は、除算部15から等化後のデータシンボルを入力し、当該等化後のデータシンボルと既知の送信シンボルとの間において、信号空間上のユークリッド距離が最も小さい関係にある既知の送信シンボルを送信シンボルの推定値とし、当該送信シンボルの推定値を出力する。尚、判定部21、誤差算出部22、変調誤差比算出部23、しきい値設定部24及びしきい値処理部25を備えた雑音成分除去部20の詳細については後述する。ここで、判定部21により出力された送信シンボルの推定値は2分配され、一方が誤差算出部22へ、他方が変調誤差比算出部23へそれぞれ入力される。
誤差算出部22は、除算部15から等化後のデータシンボルを入力し、判定部21から送信シンボルの推定値を入力し、これらの間の誤差を算出して出力する。変調誤差比算出部23は、誤差算出部22から等化後のデータシンボルと送信シンボルの推定値との間の誤差を入力し、判定部21から送信シンボルの推定値を入力し、全てのデータシンボルを用いて、当該誤差及び送信シンボルの推定値から変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)を算出して出力する。しきい値設定部24は、変調誤差比算出部23から変調誤差比を入力し、当該変調誤差比から遅延プロファイルのS/Nを推定し、しきい値を設定して出力する。
IFFT部41は、補間部14から伝送路応答を入力し、当該伝送路応答をIFFTし、遅延プロファイルに変換して出力する。しきい値処理部25は、IFFT部41から遅延プロファイルを入力し、しきい値設定部24からしきい値を入力し、当該遅延プロファイルに対してしきい値を用いたしきい値処理を行い雑音成分を除去し、当該雑音成分除去後の遅延プロファイルを出力する。
以上のように構成された図1の遅延プロファイル解析回路100−1について、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)伝送方式の地上デジタル放送に適用した場合の動作を以下に示す。
地上デジタルテレビジョン放送の放送方式であるISDB−T方式やDVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)方式においては、図7に示すように、特定のシンボルの特定のサブキャリヤが、パイロット信号としてSPに割り当てられている。図7において、SPを黒丸で、データシンボル等その他のキャリヤシンボルを白抜きの丸で示している。以下、SPの配置について、連続するシンボルにおけるサブキャリヤ方向の間隔をN、同一のサブキャリヤにおけるシンボル方向の間隔をNとする。SPは、その振幅及び位相が予め定められた値であるため、受信側(図1に示した遅延プロファイル解析回路100−1の基準SP信号生成部12)でも同じ信号を生成することができる。
SPの配置は、シンボル番号をi、サブキャリヤ番号をkとすると、
Figure 0004903026

を満足する。但し、modは剰余を示す。以下、式(1)を満足するi,kをそれぞれi,kとする。
図1において、SP信号抽出部11により抽出される被測定信号のSPをY(i,k)、基準SP信号生成部12により生成される基準SPをX(i,k)とすると、シンボル番号i,サブキャリヤ番号kにおいて、除算部13により算出される伝送路応答H(i,k)は次式で表される。
Figure 0004903026

ここでは、パイロット信号としてISDB−T方式で採用されているSPを用いて説明したが、受信側において既知のシンボルであればSPでなくても同様に伝送路応答を求めることができる。
IFFT部41は、伝送路応答H(i,k)をIFFTすることにより、遅延プロファイルh(i,m)を求めることができる。
Figure 0004903026

ここで、mは遅延プロファイルの離散時間を示す。
また、FFT部6によりFFTされた被測定信号のキャリヤシンボルをY(i,k)とすると、次式で表される。
Figure 0004903026

ここで、D(i,k)は送信信号を、N(i,k)は加法性雑音を示す。
よって、式(3)は次式のようになる。
Figure 0004903026

Figure 0004903026
以上のように、SPを用いた遅延プロファイル解析においては加法性雑音が加わっている。一般に、遅延プロファイル上では遅延波がsinc関数として現れるのに対し,雑音成分は遅延時間上に一様に分布する。そこで、雑音成分除去部20のしきい値処理部25は、sinc関数として現れる遅延波及び遅延時間上に一様に分布する雑音成分の性質を利用し、遅延プロファイルに対して、振幅が所定のしきい値以下の成分である雑音成分を除去する。これにより、被測定信号に含まれる雑音成分を適応的に除去し、伝送路特性のみが含まれる遅延プロファイルを生成可能な遅延プロファイル解析回路を実現することができる。
[遅延プロファイル解析回路/実施例2]
次に、遅延プロファイル解析回路の実施例2について説明する。図2は、本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路の第2の構成を示すブロック図である。この遅延プロファイル解析回路100−2は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5、FFT部6、雑音成分除去部20、チャネル等化部10を有する伝送路応答算出部30、及びIFFT部41を備えている。伝送路応答算出部30は、チャネル等化部10、判定部21、及び除算部31を備え、チャネル等化部10は、SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、補間部14、及び除算部15を備えている。また、雑音成分除去部20は、伝送路応答算出部30の一部と重複する判定部21、誤差算出部22、変調誤差比算出部23、しきい値設定部24、及びしきい値処理部25を備えている。
図2に示す遅延プロファイル解析回路100−2と図1に示した遅延プロファイル解析回路100−1とを比較すると、両者は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5及びFFT部6をこの順番の構成で備えている点で同一であるが、チャネル等化部10、雑音成分除去部20、及び伝送路応答算出部30の構成が相違する。
図2において、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5及びFFT部6は、図1及び図3に示したものと同等の機能を有する。ここで、FFT部6により変換されたキャリヤシンボルは3分配され、除算部15、トレーニング信号抽出部であるSP信号抽出部11、及び除算部31へそれぞれ入力される。
SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、補間部14及び除算部15は、図1に示したものと同等の機能を有する。すなわち、SP信号抽出部11はキャリヤシンボルからSP信号を抽出し、基準SP信号生成部12は基準SP信号を生成し、除算部13は伝送路応答を算出し、補間部14は伝送路応答の補間を行う。ここで、補間部14により出力された伝送路応答は、除算部15へ入力される。また、除算部15は等化後のデータシンボルを算出する。
判定部21、誤差算出部22、変調誤差比算出部23及びしきい値設定部24は、図1に示したものと同等の機能を有する。すなわち、判定部21は、送信シンボルの推定値を判定する。ここで、判定部21により出力された送信シンボルの推定値は3分配され、誤差算出部22、変調誤差比算出部23及び除算部31へそれぞれ入力される。誤差算出部22は、等化後のデータシンボルと送信シンボルの推定値との間の誤差を算出する。変調誤差比算出部23は、全てのデータシンボルを用いて、誤差及び送信シンボルの推定値から変調誤差比を算出する。しきい値設定部24は、変調誤差比から遅延プロファイルのS/Nを推定し、しきい値を設定する。
除算部31は、FFT部6からキャリヤシンボルを入力し、判定部21から送信シンボルの推定値を入力し、当該キャリヤシンボルを送信シンボルの推定値で除算し、伝送路応答を算出して出力する。IFFT部41は、除算部31から伝送路応答を入力し、当該伝送路応答をIFFTし、遅延プロファイルに変換して出力する。
しきい値処理部25は、図1に示したものと同等の機能を有する。すなわち、しきい値処理部25は、遅延プロファイルに対してしきい値処理を行い雑音成分を除去し、当該雑音成分除去後の遅延プロファイルを出力する。
このように構成された図2の遅延プロファイル解析回路100−2について、その動作を以下に示す。除算部15は、FFT部6により出力されたキャリヤシンボルのうちのSP以外のキャリヤシンボル(データシンボル)Y(i,k)について、補間部14から出力された伝送路応答H(i,k)で除算することにより、チャネル等化データ(等化後のデータシンボル)Z(i,k)を算出する。伝送路応答の推定が理想的に行われるとすると、Z(i,k)は次式のようになる。
Figure 0004903026

このように、Z(i,k)は、式(6)の第2項により信号点D(i,k)を中心に分散する。ここで、D(i,k)は送信信号、N(i,k)は加法性雑音を示す。
判定部21は、等化後のデータシンボルZ(i,k)と最も信号空間上におけるユークリッド距離の小さい既知の送信シンボルを送信シンボルの推定値として出力する。送信シンボルの推定値は、式(7)のようになる。
Figure 0004903026

Figure 0004903026

Figure 0004903026

このように、除算部31は、式(8)により、伝送路応答を算出する。尚、伝送路応答H(i,k)の算出方法以外は、図1に示した遅延プロファイル解析回路100−1の第1の構成と同様であるため、説明を省略する。
[雑音成分除去部]
次に、図1及び図2に示した雑音成分除去部20について詳細に説明する。除算部15により出力される等化後のデータシンボルZ(i,k)を次のようにベクトル表現する。
Figure 0004903026

ここで、δZ(i,k)は雑音による誤差成分を表している。変調誤差比算出部23により算出される変調誤差比は、次式で定義される。
Figure 0004903026
変調誤差比及びC/Nは、その主な劣化要因がガウス雑音であるときは等価であり、線形の関係にあることが知られている(“ETR290:Measurement guidelines for DVB systems”,ETSI Technical Report(1997).を参照)。つまり、変調誤差比を求めることにより、被測定信号のC/Nを推定することができる。
遅延プロファイルのノイズフロアであるS/Nの平均値SNR(dB)は、遅延プロファイルの算出に用いたサブキャリヤ数をN、全てのサブキャリヤのC/Nの平均値をCNR(dB)とすると次式で表すことができる。
Figure 0004903026
例えば、遅延プロファイル解析回路100−1において、ISDB−Tモード3の場合、遅延プロファイルの算出に用いられる全サブキャリヤ数は1873であり、遅延プロファイルのS/Nは受信信号のC/Nよりも約32.7dB(=10log101873)大きく観測される。また遅延プロファイル解析回路100−2において、ISDB−Tモード3の場合、遅延プロファイルの算出に用いられるキャリヤシンボルの数は5617であり、遅延プロファイルのS/Nは受信信号のC/Nよりも約37.5dB(10log105617)大きく観測される。また、加法性雑音n(i,m)の振幅がSNRのノイズフロアを中心として正規分布になるとすると、離散時間mにおける遅延プロファイルh(i,m)にはSNRより低いレベルにノイズフロアが現れる。よって、しきい値設定部24は、SNR(dB)に雑音のピークマージンM(dB)を減じた値をしきい値thとして設定し出力する。
Figure 0004903026

雑音のピークマージンMは、10〜20dB程度にするとよい。図8に、最も振幅の大きい到来波に対する振幅比が10dB、遅延時間10μsである遅延波が存在し、また遅延プロファイルの算出に用いた全サブキャリヤの平均のC/Nが20dBの場合に、遅延プロファイル解析回路100−2を用いて求めた遅延プロファイルの例を示す。この例は、IFFT部41により出力され、雑音成分除去部20へ入力される遅延プロファイルを示している。また、図9に、雑音成分除去部20からの出力例であるしきい値以下が除去された遅延プロファイルを示す。
しきい値処理部25は、IFFT部41により出力される遅延プロファイルの各離散時間mにおいて、しきい値設定部24により出力されるしきい値thを用いて、振幅がth以下の成分を除去する。しきい値th以下の成分を除去する遅延プロファイルは、式(13)のようになる。
Figure 0004903026

尚、遅延プロファイル解析回路100−1,2は、しきい値処理部25により出力される雑音成分除去後の遅延プロファイルを、再度FFTして雑音成分除去後の周波数応答として出力するようにしてもよい。
以上のように、実施例1の遅延プロファイル解析回路100−1及び実施例2の遅延プロファイル解析回路100−2によれば、雑音成分除去部20が、SP信号を用いて伝送路特性を等化した後のキャリヤシンボルから変調誤差比を求め、求めた変調誤差比から遅延プロファイルのS/Nを推定し、しきい値を設定し、IFFT部41により伝送路応答をIFFTして求められた遅延プロファイルに対して、前記しきい値以下の成分を除去するためのしきい値処理を行うようにした。これにより、被測定信号に含まれる雑音成分を適応的に除去し、伝送路特性のみが含まれる遅延プロファイルを生成可能な遅延プロファイル解析回路を実現することができる。
[遅延プロファイル解析回路/実施例3]
次に、遅延プロファイル解析回路の実施例3について説明する。図10は、本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路の第3の構成を示すブロック図である。この遅延プロファイル解析回路100−3は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5、FFT部6、伝送路応答算出部33、IFFT部41、及び雑音成分除去部26を備えている。伝送路応答算出部33は、SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、及び補間部14を備えている。また、雑音成分除去部26は、しきい値処理部25及びしきい値設定部70を備えている。
図10に示す遅延プロファイル解析回路100−3と図1に示した遅延プロファイル解析回路100−1とを比較すると、両者は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5、FFT部6及びIFFT部41を備えている点で同一であるが、遅延プロファイル解析回路100−3は、伝送路応答算出部33及び雑音成分除去部26を、遅延プロファイル解析回路100−1のチャネル等化部10及び雑音成分除去部20の代わりに備えている点で相違する。
図10において、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5及びFFT部6は、図1に示したものと同等の機能を有する。ここで、FFT部6により変換されたキャリヤシンボルは、伝送路応答算出部33のSP信号抽出部11へ入力される。
伝送路応答部33のSP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13及び補間部14は、図1に示したものと同等の機能を有する。すなわち、SP信号抽出部11はキャリヤシンボルからSP信号を抽出し、基準SP信号生成部12は基準SP信号を生成し、除算部13は伝送路応答を算出し、補間部14は伝送路応答の補間を行う。ここで、補間部14により出力された伝送路応答は、IFFT部41へ入力される。
IFFT部41、及び雑音成分除去部26のしきい値処理部25は、図1に示したものと同等の機能を有する。すなわち、IFFT部41は、伝送路応答をIFFTして遅延プロファイルに変換し、しきい値処理部25は、IFFT部41から遅延プロファイルを、しきい値設定部70からしきい値をそれぞれ入力し、遅延プロファイルに対してしきい値処理を行い雑音成分を除去する。
[しきい値設定部]
まず、図10に示したしきい値設定部70の第1の構成について説明する。図11は、しきい値設定部70の第1の構成を示すブロック図である。このしきい値設定部70−1は、分割部71、分割部71により分割された遅延プロファイルの遅延時間範囲毎の平均電力算出部72、最小値算出部73、及び乗算部74を備えている。分割部71は、IFFT部41から遅延プロファイルを入力し、求める遅延プロファイルの遅延時間範囲を複数のブロックに分割し、分割した遅延時間ブロックにおける遅延プロファイルを平均電力算出部72にそれぞれ出力する。
各平均電力算出部72は、分割部71から遅延時間ブロックにおける遅延プロファイルをそれぞれ入力し、当該遅延プロファイルについて単位離散時間あたりの平均信号電力を求めて出力する。最小値算出部73は、平均電力算出部72から遅延時間ブロック毎の遅延プロファイルの単位離散時間あたりの平均信号電力を入力し、その最小値を算出して出力する。乗算部74は、最小値算出部73から最小の平均信号電力を入力し、当該最小信号電力に予め定められた定数を乗算し、その結果をしきい値として出力する。
次に、図11に示したしきい値設定部70−1について詳細に説明する。IFFT部41が出力した遅延プロファイルを
Figure 0004903026

とする。ここで、iは時間、mは遅延プロファイルに関する離散時間を示す。尚、以下の説明においてiは省略する。
分割部71は、測定対象となる遅延時間幅をK個の遅延ブロックに分割し、次式に示す信号を出力する。
Figure 0004903026

ここで、Nは各遅延ブロックに含まれる遅延プロファイルの標本数を示し、N=M/Kである。
ここでは説明を簡単にするため、K及びNをMの約数としているが、必ずしも同じ標本数毎に分割する必要はない。また、それぞれの遅延ブロックが重なっていてもよい。例えば、遅延ブロックkに対して、h(n)の離散時間nからm個の標本を取り出して、次式に示す信号を出力するようにしてもよい。
Figure 0004903026
平均電力算出部72は、遅延ブロック毎に、次式のように、遅延プロファイルの単位離散時間あたりの平均信号電力を求める。
Figure 0004903026
ここでは説明を簡単にするため、遅延ブロック内の平均値を求めているが、遅延ブロック内の各離散時間に対して重み付けをして、次式のように、平均信号電力を求めるようにしてもよい。
Figure 0004903026

ここで、ωは、遅延ブロック内の離散時間nにおける重みを示す。
尚、それぞれの遅延ブロックにおいて、有意な遅延波が存在する場合には、前述の平均信号電力Pは大きくなり、有意な遅延波が存在しない場合には、平均信号電力Pは遅延プロファイルのS/Nとなる。
最小値算出部73は、平均電力算出部72により算出された平均信号電力について、以下のkの範囲における最小値を求め、出力する。
Figure 0004903026
乗算部74は、雑音のピークマージンを持たせるため、最小値算出部73により算出された最小信号電力に、予め定められた定数αを乗算し、次式のように、しきい値として出力する。
Figure 0004903026
尚、それぞれの遅延ブロックに含まれる標本数M/Kは、遅延波が存在しない場合においても平均信号電力Pが標本値の平均となるのに十分な数にする必要がある。また、遅延ブロック数Kは、少なくとも一つの遅延ブロックに遅延波が存在しないように、大きい数にする必要がある。
図13は、図11に示したしきい値設定部70−1によるしきい値設定手法を説明するための図であり、遅延プロファイルの例が波形図で示してある。図13に示すように、しきい値設定部70−1は、遅延プロファイルに対し、点線で示した遅延時間におけるその間隔を遅延時間幅として複数の遅延ブロックに分割し、遅延ブロック毎の信号電力のうちの最小信号電力を求め、それをしきい値として出力する。
次に、図10に示したしきい値設定部70の第2の構成について説明する。図12は、しきい値設定部70の第2の構成を示すブロック図である。このしきい値設定部70−2は、重み付け移動平均処理部75、最小値算出部76、及び乗算部77を備えている。重み付け移動平均処理部75は、IFFT部41から遅延プロファイルを入力し、当該遅延プロファイルの時間方向に重み付け移動平均処理を施して遅延プロファイルを平滑化し、平滑化した遅延プロファイルを出力する。
最小値算出部76は、重み付け移動平均処理部75から平滑化された遅延プロファイルを入力し、各離散時間における遅延プロファイルの標本値のうちの最小値を求め、最小信号電力として出力する。乗算部77は、最小値算出部76から最小信号電力を入力し、当該最小信号電力に予め定められた定数を乗算し、その結果をしきい値として出力する。
このように構成された図12のしきい値設定部70−2については、前述のmを定数とし、nk+1−n=1とした場合に相当するため、数式を用いた詳細な説明は省略する。
以上のように、実施例3の遅延プロファイル解析回路100−3によれば、伝送路応答算出部33が、SP信号を用いて伝送路特性を算出し、雑音成分除去部26が、IFFT部41により伝送路応答をIFFTして求められた遅延プロファイルに対し、遅延プロファイルにおける最小信号電力に基づいたしきい値を用いて、しきい値以下の成分を除去するためのしきい値処理を行うようにした。これにより、被測定信号に含まれる雑音成分を適応的に除去し、伝送路特性のみが含まれる遅延プロファイルを生成可能な遅延プロファイル解析回路を実現することができる。
[遅延プロファイル解析回路/実施例4]
次に、遅延プロファイル解析回路の実施例4について説明する。図14は、本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路の第4の構成を示すブロック図である。この遅延プロファイル解析回路100−4は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5、FFT部6、伝送路応答算出部34、IFFT部41、及び雑音成分除去部26を備えている。伝送路応答算出部34は、チャンネル等化部10、判定部21、及び除算部31を備え、チャンネル等化部10は、SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、補間部14、及び除算部15を備えている。また、雑音成分除去部26は、しきい値処理部25及びしきい値設定部70を備えている。
図14に示す遅延プロファイル解析回路100−4と図2に示した遅延プロファイル解析回路100−2とを比較すると、両者は、同一構成のチャンネル等化部10及び伝送路応答算出部30,34を備えている。また、図14の遅延プロファイル解析回路100−4と図10に示した遅延プロファイル解析回路100−3とを比較すると、両者は、同一構成のIFFT部41及び雑音成分除去部26を備えている。つまり、遅延プロファイル解析回路100−4は、遅延プロファイル解析回路100−2に備えた伝送路応答算出部30と、遅延プロファイル解析回路100−3に備えたIFFT部41及び雑音成分除去部26とを組み合わせて構成されている。
図14において、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5及びFFT部6は、図1,2及び図10に示したものと同等の機能を有し、伝送路応答部34は、図2に示したものと同等の機能を有し、IFFT部41及び雑音成分除去部26は、図10に示したものと同等の機能を有する。
以上のように、実施例4の遅延プロファイル解析回路100−4によれば、伝送路応答算出部34が、SP信号を用いて伝送路特性を算出し、雑音成分除去部26が、IFFT部41により伝送路応答をIFFTして求められた遅延プロファイルに対し、遅延プロファイルにおける最小信号電力に基づいたしきい値を用いて、しきい値以下の成分を除去するためのしきい値処理を行うようにした。これにより、被測定信号に含まれる雑音成分を適応的に除去し、伝送路特性のみが含まれる遅延プロファイルを生成可能な遅延プロファイル解析回路を実現することができる。
[回り込みキャンセラ/実施例1]
次に、回り込みキャンセラの実施例1について説明する。図5は、本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路100−1(実施例1の遅延プロファイル解析回路)を用いた回り込みキャンセラの第1の構成を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ200−1は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、適応フィルタ54、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、周波数変換部58、及び回り込み伝搬路推定部61を備えている。回り込み伝搬路推定部61は、GI除去部5、FFT部6、伝送路応答算出部30を有するチャネル等化部10、雑音成分除去部20、キャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52、及び遅延部53を備えている。チャネル等化部10は、伝送路応答算出部30及び除算部15を備え、伝送路応答算出部30は、SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、及び補間部14を備えている。また、雑音成分除去部20は、判定部21、誤差算出部22、変調誤差比算出部23、しきい値設定部24、及びしきい値処理部25を備えている。
図5において、周波数変換部2は、受信信号を入力し、当該受信信号をIF帯の信号に変換し、IF信号を出力する。A/D変換部3は、IF信号を入力し、図示しない同期再生部からのサンプリングクロックを用いてアナログIF信号をデジタルIF信号に変換する。直交復調部4は、デジタルIF信号を入力し、当該デジタルIF信号を直交復調して等価ベースバンド信号を出力する。減算部55は、直交復調部4から等価ベースバンド信号を入力し、適応フィルタ54から回り込み波のレプリカ信号を入力し、当該等価ベースバンド信号から回り込み波のレプリカ信号を減算し、レプリカ信号減算後の等価ベースバンド信号を出力する。ここで、減算部55により出力された等価ベースバンド信号は3分配され、直交変調部56、適応フィルタ54、及び回り込み伝搬路推定部61のGI除去部5へそれぞれ入力される。
直交変調部56は、減算部55から等価ベースバンド信号を入力し、当該等価ベースバンド信号を直交変調してデジタルIF信号を出力する。D/A変換器57は、デジタルIF信号を入力し、図示しない同期再生部からのサンプリングクロックを用いてデジタルIF信号をアナログIF信号に変換して出力する。周波数変換部58は、アナログIF信号を入力し、当該アナログIF信号を周波数変換し、送信信号として外部へ出力する。
GI除去部5は、減算部55からもう一方の等価ベースバンド信号を入力し、図示しない同期再生部からOFMD信号のシンボル周期及びタイミングを示す信号(シンボルタイミング)を用いて、1つのOFDM伝送シンボル期間のうちのGIに相当する期間を除去し、有効シンボル期間に相当する時間長の信号(有効シンボル期間分の時間領域のOFDM信号)を抽出する。FFT部6は、有効シンボル期間分の時間領域のOFDM信号を入力し、FFTして周波数領域信号であるキャリヤシンボルに変換する。ここで、FFT部6により変換されたキャリアシンボルは2分配され、一方が除算部15へ、他方がSP信号抽出部11へそれぞれ入力される。
SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、補間部14及び除算部15は、図1に示したものと同等の機能を有する。すなわち、SP信号抽出部11はキャリヤシンボルからSP信号を抽出し、基準SP信号生成部12は基準SP信号を生成し、除算部13は伝送路応答を算出し、補間部14は伝送路応答の補間を行う。ここで、補間部14により出力された伝送路応答は2分配され、一方が除算部15へ、他方がキャンセル残差算出部51へそれぞれ入力される。また、除算部15は等化後のデータシンボルを算出する。
判定部21、誤差算出部22、変調誤差比算出部23及びしきい値設定部24は、図1に示したものと同等の機能を有する。すなわち、判定部21は、送信シンボルの推定値を判定する。ここで、判定部21により出力された送信シンボルの推定値は2分配され、誤差算出部22及び変調誤差比算出部23へそれぞれ入力される。誤差算出部22は、等化後のデータシンボルと送信シンボルの推定値との間の誤差を算出する。変調誤差比算出部23は、全てのデータシンボルを用いて、誤差及び送信シンボルの推定値から変調誤差比を算出する。しきい値設定部24は、変調誤差比から遅延プロファイルのS/Nを推定し、しきい値を設定する。
キャンセル残差算出部51は、補間部14から伝送路応答を入力し、等価ベースバンド信号に含まれる回り込みのキャンセル残差の伝送路応答を算出して出力する。IFFT部41は、キャンセル残差算出部51から回り込みのキャンセル残差の伝送路応答を入力し、当該伝送路応答をIFFTし、回り込み伝搬路のインパルス応答の更新分に変換して出力する。加算部52は、IFFT部41からインパルス応答の更新分を入力し、遅延部53から前回更新後のフィルタ係数を入力し、当該インパルス応答の更新分をフィルタ係数に加算し、フィルタ係数として出力する。しきい値処理部25は、加算部52からフィルタ係数を入力し、しきい値設定部24からしきい値を入力し、当該フィルタ係数に対してしきい値を用いたしきい値処理を行い雑音成分を除去し、当該雑音成分除去後のフィルタ係数を出力する。ここで、しきい値処理部25により出力されるフィルタ係数は2分配され、一方が適応フィルタ54へ、他方が遅延部53へそれぞれ入力される。
遅延部53は、しきい値処理部25からフィルタ係数を入力し、当該フィルタ係数を次回のフィルタ係数更新時まで遅延及び保持し、次回のフィルタ係数更新時に加算部52へ出力する。適応フィルタ54は、しきい値処理部25からフィルタ係数を入力し、減算部55から等価ベースバンド信号を入力し、当該フィルタ係数を用いて等価ベースバンド信号をフィルタリングし、回り込み波のレプリカ信号を生成して、減算部55に出力する。
このように構成された図5の回り込みキャンセラ200−1について、その動作を以下に示す。回り込みキャンセラは、受信信号の周波数と同一周波数で再送信を行うSFN放送波中継局において、送受アンテナ間の結合により生じる回り込み波を受信信号からキャンセルし、親局信号のみを再送信するための装置である。
回り込みは、送信アンテナから放射された電波の一部が回り込み伝搬路を通った後、受信アンテナで受信されて生じるものである。このため、回り込みキャンセラの内部で、回り込み伝搬路と同じ特性を有する回路を実現することができれば、回り込み波のレプリカ信号を生成することができる。
回り込みキャンセラの動作原理は、内部で生成した回り込み波のレプリカ信号を受信信号から減算することにより回り込みをキャンセルし、親局信号のみを取り出すというものである。回り込み伝搬路と同じ伝送路特性を実現するのが、図5に示した適応フィルタ54であり、適応フィルタ54が入力するフィルタ係数は、回り込み伝搬路の遅延プロファイルに基づいて生成される。
図5に示した回り込みキャンセラ200−1における回り込み伝搬路推定部61に、図1に示した遅延プロファイル解析回路100−1を用いることができる。図5に示した回り込み伝搬路推定部61と図1に示した遅延プロファイル解析回路100−1との間の違いは、回り込み伝搬路推定部61が、補間部14とIFFT部41との間にキャンセル残差算出部51を備えている点、及び、加算部52の後段に雑音成分除去部20を備えている点にある。尚、回り込みキャンセラの詳細については、特開平11−355160号公報「回り込みキャンセラ」や学会発表論文「地上デジタル放送SFNにおける放送波中継局用回り込みキャンセラの基礎検討」(映像情報メディア学会誌 Vol.54,No.11,pp.1568−1575(2000))に記載されているため、ここでは説明は省略する。
[回り込みキャンセラ/実施例2]
次に、回り込みキャンセラの実施例2について説明する。図6は、本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路100−2(実施例2の遅延プロファイル解析回路)を用いた回り込みキャンセラの第2の構成を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ200−2は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、適応フィルタ54、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、周波数変換部58、及び回り込み伝搬路推定部62を備えている。回り込み伝搬路推定部62は、GI除去部5、FFT部6、チャネル等化部10を有する伝送路応答算出部30、雑音成分除去部20、キャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52、及び遅延部53を備えている。伝送路応答算出部30は、チャネル等化部10、判定部21、及び除算部31を備え、チャネル等化部10は、SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、補間部14、及び除算部15を備えている。また、雑音成分除去部20は、判定部21、誤差算出部22、変調誤差比算出部23、しきい値設定部24、及びしきい値処理部25を備えている。
図6に示す回り込みキャンセラ200−2と図5に示した回り込みキャンセラ200−1とを比較すると、両者は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、及び周波数変換部58をこの順番の構成で備え、回り込み波のレプリカ信号を減算部55へフィードバックする適応フィルタ54を備えている点で同一であるが、回り込み伝搬路推定部62の構成、すなわち、チャネル等化部10、雑音成分除去部20、及び伝送路応答算出部30の構成が相違する。
図6において、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、周波数変換部58、GI除去部5及びFFT部6は、図5に示したものと同等の機能を有する。ここで、FFT部6により変換されたキャリヤシンボルは3分配され、除算部15、トレーニング信号抽出部であるSP信号抽出部11、及び除算部31へそれぞれ入力される。
SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、補間部14及び除算部15は、図5に示したものと同等の機能を有する。ここで、補間部14により出力された伝送路応答は、除算部15へ入力される。
判定部21、誤差算出部22、変調誤差比算出部23及びしきい値設定部24は、図5に示したものと同等の機能を有する。ここで、判定部21により出力された送信シンボルの推定値は3分配され、誤差算出部22、変調誤差比算出部23及び除算部31へそれぞれ入力される。
除算部31は、FFT部6からキャリヤシンボルを入力し、判定部21から送信シンボルの推定値を入力し、当該キャリヤシンボルを送信シンボルの推定値で除算し、伝送路応答を算出して出力する。
キャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52、しきい値処理部25及び遅延部53は、図5に示したものと同等の機能を有する。すなわち、キャンセル残差算出部51は、除算部31から伝送路応答を入力し、等価ベースバンド信号に含まれる回り込みのキャンセル残差の伝送路応答を算出して出力する。IFFT部41は、伝送路応答をIFFTし、回り込み伝搬路のインパルス応答の更新分に変換して出力する。加算部52は、インパルス応答の更新分をフィルタ係数に加算し、フィルタ係数として出力する。しきい値処理部25は、フィルタ係数に対してしきい値を用いたしきい値処理を行い雑音成分を除去し、当該雑音成分除去後のフィルタ係数を出力する。遅延部53は、フィルタ係数を次回のフィルタ係数更新時まで遅延及び保持し、次回のフィルタ係数更新時に加算部52へ出力する。また、適応フィルタ54は、フィルタ係数を用いて等価ベースバンド信号をフィルタリングし、回り込み波のレプリカ信号を生成して、減算部55に出力する。
このように構成された図6の回り込みキャンセラ200−2については、伝送路応答H(i,k)の算出方法以外は図5に示した回り込みキャンセラ200−1と同様であるため、以下説明を省略する。
[回り込みキャンセラ/実施例3]
次に、回り込みキャンセラの実施例3について説明する。図15は、本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路100−3(実施例3の遅延プロファイル解析回路)を用いた回り込みキャンセラの第3の構成を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ200−3は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、適応フィルタ54、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、周波数変換部58、及び回り込み伝搬路推定部63を備えている。回り込み伝搬路推定部63は、GI除去部5、FFT部6、伝送路応答算出部33、キャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52、雑音成分除去部27、及び遅延部53を備えている。伝送路応答算出部33は、SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、及び補間部14を備えている。また、雑音成分除去部27は、しきい値設定部70及びしきい値処理部25を備えている。
図15に示す回り込みキャンセラ200−3と図5に示した回り込みキャンセラ200−1とを比較すると、両者は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、及び周波数変換部58をこの順番の構成で備え、回り込み波のレプリカ信号を減算部55へフィードバックする適応フィルタ54を備えている点で同一であるが、回り込み伝搬路推定部63の構成が相違する。
図15において、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、適応フィルタ54、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、周波数変換部58、GI除去部5及びFFT部6は、図5に示したものと同等の機能を有する。ここで、FFT部6により変換されたキャリヤシンボルは、SP信号抽出部11へ入力される。
SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13及び補間部14は、図5に示したものと同等の機能を有する。ここで、補間部14により出力された伝送路応答は、キャンセル残差算出部51へ入力される。
キャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52及び遅延部53は、図5に示したものと同等の機能を有する。ここで、IFFT部41の出力は2分配され、雑音成分除去部27のしきい値設定部70及び加算部52へそれぞれ入力される。しきい値設定部70及びしきい値処理部25は、図10に示した遅延プロファイル解析回路100−3のものと同等の機能を有する。
[回り込みキャンセラ/実施例4]
次に、回り込みキャンセラの実施例4について説明する。図16は、本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路100−4(実施例4の遅延プロファイル解析回路)を用いた回り込みキャンセラの第4の構成を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ200−4は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、適応フィルタ54、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、周波数変換部58、及び回り込み伝搬路推定部64を備えている。回り込み伝搬路推定部64は、GI除去部5、FFT部6、チャンネル等化部10を有する伝送路応答算出部34、キャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52、雑音成分除去部27、及び遅延部53を備えている。伝送路応答算出部34は、チャンネル等化部10、判定部21、及び除算部31を備え、チャンネル等化部10は、SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、補間部14、及び除算部15を備えている。また、雑音成分除去部27は、しきい値設定部70及びしきい値処理部25を備えている。
図16に示す回り込みキャンセラ200−4と図6に示した回り込みキャンセラ200−2とを比較すると、両者は、同一構成のGI除去部5、FFT部6、及び伝送路応答算出部30,34を備えている。また、図16に示す回り込みキャンセラ200−4と図15に示した回り込みキャンセラ200−3とを比較すると、両者は、同一構成のキャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52、雑音成分除去部27、及び遅延部53を備えている。つまり、回り込みキャンセラ200−4は、回り込みキャンセラ200−2に備えたGI除去部5、FFT部6、及び伝送路応答算出部30と、回り込みキャンセラ200−3に備えたキャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52、雑音成分除去部27、及び遅延部53とを組み合わせて構成されている。
図16において、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、適応フィルタ54、減算部55、直交変調部56、D/A変換器57、周波数変換部58、GI除去部5及びFFT部6は、図5,図6及び図15に示したものと同等の機能を有する。ここで、FFT部6により変換されたキャリヤシンボルは3分配され、除算部15、SP信号抽出部11、及び除算部31へ入力される。
SP信号抽出部11、基準SP信号生成部12、除算部13、補間部14、除算部15、判定部21、及び除算部31は、図6に示したものと同等の機能を有する。ここで、除算部31により出力された伝送路応答は、キャンセル残差算出部51へ入力される。キャンセル残差算出部51、IFFT部41、加算部52、しきい値設定部70、しきい値処理部25及び遅延部53は、図15に示したものと同等の機能を有する。
以上のように、図5、図6、図15及び図16に示した回り込みキャンセラ200−1,2,3,4の回り込み伝搬路推定部61,62,63,64に、図3に示した従来の遅延プロファイル解析回路1を用いた場合は、推定される回り込み伝搬路特性(回り込み伝搬路推定部61,62,63,64が出力するフィルタ係数)に、送信信号に含まれる雑音成分を含んでしまう。このため、適応フィルタ54は、回り込み波のレプリカ信号を生成する際、同時にこれに相当する雑音成分をも生成してしまう。雑音成分は加法性であるため、受信信号から回り込み波のレプリカ信号を減算しても雑音成分は加算され、その結果、送信信号の品質を劣化させてしまう。
しかし、図1、図2、図10及び図14に示した本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路100−1,2,3,4を用いた場合は、推定される回り込み伝搬路特性(フィルタ係数)から雑音成分が除去されており、つまり当該フィルタ係数には雑音成分が含まれない。このため、適応フィルタ54は、不要な雑音成分を生成することがない。したがって、回り込みキャンセラ200−1,2,3,4は、受信信号に含まれる回り込み成分を良好にキャンセルすることができる。
以上、実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上記実施例では、遅延プロファイル解析回路100−1,2,3,4を用いた回り込みキャンセラ200−1,2,3,4の例を示したが、回り込みキャンセラ以外の装置、例えば補償器、中継装置またはデータ処理装置にも遅延プロファイル解析回路100−1,2,3,4を用いることができる。
また、図1、図2、図5、図6、図10、図14、図15及び図16において、遅延プロファイル解析回路100−1,2,3,4及び回り込みキャンセラ200−1,2,3,4は、周波数変換部2、A/D変換部3、直交復調部4、GI除去部5の順番で構成するようにしたが、A/D変換部3及び直交復調部4の配置を逆にし、すなわち周波数変換部2、直交復調部4、A/D変換部3、GI除去部5の順番で構成するようにしてもよい。この場合、直交復調部4であるアナログ直交復調部がI,Qの等価ベースバンド信号を出力し、2つのA/D変換部3のうちの1つのA/D変換部3がIの等価ベースバンド信号を入力してデジタル信号を出力し、もう一方のA/D変換部3がQの等価ベースバンド信号を入力してデジタル信号を出力する。
本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路の第1の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路の第2の構成を示すブロック図である。 従来の遅延プロファイル解析回路の構成を示すブロック図である。 図3の伝送路応答算出部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路を用いた回り込みキャンセラの第1の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路を用いた回り込みキャンセラの第2の構成を示すブロック図である。 SPの配置を説明する図である。 遅延プロファイルの例を示す波形図である。 本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路により求められる遅延プロファイルの例を示す波形図である。 本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路の第3の構成を示すブロック図である。 図10におけるしきい値設定部の第1の構成を示すブロック図である。 図10におけるしきい値設定部の第2の構成を示すブロック図である。 しきい値設定手法を説明するための遅延プロファイルの例を示す波形図である。 本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路の第4の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路を用いた回り込みキャンセラの第3の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による遅延プロファイル解析回路を用いた回り込みキャンセラの第4の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,100−1,100−2,100−3,100−4 遅延プロファイル解析回路
2,57 周波数変換部
3 A/D変換部
4 直交復調部
5 GI除去部
6 FFT部
7 伝送路応答算出部
7−1 パイロット信号抽出部
7−2 パイロット信号生成部
7−3,13,15,31 除算部
7−4 補間部
8,41 IFFT部
10 チャネル等化部
11 SP信号抽出部
12 基準SP信号生成部
14 補間部
20,26 雑音成分除去部
21 判定部
22 誤差算出部
23 変調誤差比算出部
24,70 しきい値設定部
25 しきい値処理部
30,33,34 伝送路応答算出部
51 キャンセル残差算出部
52 加算部
53 遅延部
54 適応フィルタ
55 減算部
56 直交変調部
57 D/A変換器
60,61,62,63,64 回り込み伝搬路推定部
71 分割部
72 平均電力算出部
73,76 最小値算出部
74,77 乗算部
75 重み付け移動平均処理部
200−1,200−2,200−3,200−4 回り込みキャンセラ

Claims (3)

  1. 入力されるOFDM信号を、周波数領域のキャリヤシンボルにFFTするFFT部と、
    該FFT部により変換されたキャリヤシンボルから伝送路応答を算出する伝送路応答算出部と、
    該伝送路応答算出部により算出された伝送路応答を、時間軸上の遅延プロファイルにIFFTするIFFT部と、
    該IFFT部により変換された遅延プロファイルについて、その信号電力の最小値を算出してしきい値を設定し、しきい値処理を施して雑音成分を除去する雑音成分除去部とを備え、
    前記雑音成分除去部が、
    前記IFFT部により変換された遅延プロファイルを、遅延時間毎に複数のブロックに分割する分割部と、
    該分割部により分割された遅延プロファイルのブロック毎に、遅延プロファイルの単位離散時間あたりの平均信号電力を求める平均信号電力算出部と、
    前記分割数分の単位離散時間あたりの平均信号電力の最小値を求める最小値算出部と、
    該最小値算出部により算出された平均信号電力の最小値に、予め定められた定数を乗算し、しきい値として出力する乗算部と、
    前記IFFT部により変換された遅延プロファイルから、前記乗算部により出力されたしきい値以下の信号成分を除去するしきい値処理部とを有することを特徴とする遅延プロファイル解析回路。
  2. 入力されるOFDM信号を、周波数領域のキャリヤシンボルにFFTするFFT部と、
    該FFT部により変換されたキャリヤシンボルから伝送路応答を算出する伝送路応答算出部と、
    該伝送路応答算出部により算出された伝送路応答を、時間軸上の遅延プロファイルにIFFTするIFFT部と、
    該IFFT部により変換された遅延プロファイルについて、その信号電力の最小値を算出してしきい値を設定し、しきい値処理を施して雑音成分を除去する雑音成分除去部とを備え、
    前記雑音成分除去部が、
    前記IFFT部により変換された遅延プロファイルに、重み付け移動平均処理を施す重み付け移動平均処理部と、
    該重み付け移動平均処理部により重み付け移動平均処理が施された遅延プロファイルにつき、該遅延プロファイルの最小値を算出する最小値算出部と、
    該最小値算出部により算出された遅延プロファイルの最小値に、予め定められた定数を乗算し、しきい値として出力する乗算部と、
    前記IFFT部により変換された遅延プロファイルから、前記乗算部により出力されたしきい値以下の信号成分を除去するしきい値処理部とを有することを特徴とする遅延プロファイル解析回路。
  3. 受信信号をフィルタリングし、回り込み波のレプリカ信号を生成する適応フィルタと、
    該適応フィルタにより生成されたレプリカ信号を受信信号から減算する減算部と、
    前記遅延プロファイルを、回り込み波のレプリカ信号を生成するためのフィルタ係数として生成する請求項1または2に記載の遅延プロファイル解析回路とを備え、
    前記受信信号から、送受信アンテナ間の結合により生じる回り込み波をキャンセルすることを特徴とする回り込みキャンセラ。
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