JP4900838B2 - 位置検出装置及び直線駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固定子に対する可動子の位置を検出する位置検出装置、及び直線駆動装置に関する。
特許文献1には、N極とS極が交互に配列された磁気部材と、その磁気部材の磁極配列面に対向する複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子とを有する磁気式位置検出装置が開示されている。
特開2006−023179号公報(図1、図7)
特許文献1の図1及び図7に記載のスピンバルブ型GMR素子は、複数個で1つの感磁面を構成している。しかし、磁極配列の為す磁界と感磁面の関係については詳細に記載されておらず、位置検出精度を更に高めるための構成も開示されていない。
そこで、本発明の目的は、位置の検出精度が高い位置検出装置及び直線駆動装置を提供することである。
(第1の位置検出装置)
本発明の第1の位置検出装置は、多磁極列を表面に有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知する第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスとを備えた位置検出装置であって、前記第1のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、前記第2のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX02とセンサブリッジY02とを内蔵し、前記センサブリッジX01,Y01,X02及びY02は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のフルブリッジであり、前記フルブリッジ中の隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジY01及びセンサブリッジY02は固定層磁化方向が前記固定子の多磁極列の向きに沿うように配置されており、前記センサブリッジX01の固定層磁化方向とセンサブリッジX02の固定層磁化方向とは位置がλ/4又はλ/4±nλ/2(但し、λは多磁極列の同極性の磁極のピッチ、nは整数である。)異なるように配置されており、前記フルブリッジのそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた差動出力を得て、前記差動出力を基にして位置信号を得ることを特徴とする。
固定子の多磁極列の配列方向(多磁極配列方向)に沿って可動子が移動すると、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子自体は機械的に回転しないが、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子に作用する磁界は相対的に回転磁界に相当するので、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の自由層の磁化方向は磁気的に回転する。この自由層の磁化方向の回転角度に応じた出力をスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を用いたセンサデバイスから得る。得られた出力に逆正接演算を含む処理を行って位置信号を得る。前記自由層における磁化方向の回転の周期は固定子の磁極の周期に対して1/N倍(Nは2以上の整数である。)となり、分解能が高くなる。
センサデバイス中にはセンサブリッジが2つあり、センサブリッジ同士はエレメントの固定層磁化方向が直交する。4個のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は電気的なフルブリッジ回路を構成する4個のエレメント(素子)に相当する。差動出力は、オペアンプを利用してフルブリッジの中点で得られる2つ出力の差動をとったものである。
前記センサブリッジX01と前記センサブリッジY02とで独立に検出される角度情報を基に第1の回転角度信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01と前記センサブリッジX02とで独立に検出される角度情報を基に、前記第1の回転角度信号から電気角で90deg.遅れている第2の回転角度信号(サイン信号)を得るのが好ましい。サイン信号とは、1波長が電気角360deg.に相当する波形である。詳しく言い換えると、フーリエ級数展開したときに、理想的正弦波(sin)の基本波と回転角度誤差の原因となる高調波とに分けることができる波形である。コサイン信号とは、フーリエ級数展開したときに、理想的余弦波(cos)の基本波と高調波とに分けることができる波形である。
固定子と可動子は、固定子に対して可動子が平行移動したときに、エレメントであるスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の自由層が回転するという関係を満たすように、固定子とセンサデバイスの距離を設定する。このように、1つのセンサデバイス内のセンサブリッジでエレメント同士が90deg.傾けて配置されているため、センサデバイス同士の位置が90deg.位相差(すなわち、λ/4位相差)になっていなくても、センサデバイスの位置を正確に測定できる。
前記センサブリッジY01及び前記センサブリッジY02は、それぞれの感磁方向が固定子の磁極が配列される1方向に対して同一の位相を持ち、前記センサブリッジX01で検出される出力信号と、前記センサブリッジY02で検出される出力信号を反転した出力信号とを、差動増幅を行うことにより第1の出力信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01と前記センサブリッジX02とで独立に検出される出力信号を差動増幅して前記第1の出力信号から電気角で90deg.位相の遅れた、第2の出力信号(サイン信号)を得る信号処理部分を有する。
前記第1のセンサデバイスと第2のセンサデバイスとは互いに固定子の多磁極列の位置においてほぼλ/4±nλ/2離れた位置(但し、λは多磁極列の同極性の磁極のピッチ、nは整数である。)に設置されているこのが好ましい。前記第1のセンサデバイスと第2のセンサデバイスとは互いに固定子の多磁極列の位置においてほぼλ/4離れた位置に設置されているのが好ましい。
固定子の多磁極列面の厚みtは、固定子の磁石の厚さ寸法に相当する。前記センサデバイスの中心とは、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の中心、又はスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が複数個ある場合にはそれらからほぼ等距離にある中心点とする。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の厚さは固定子の磁石よりも十分薄いので、前記中心はスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を形成する基板上にあるとして差し支えない。すなわち、前記センサデバイスの中心はセンサ面上にあるといえる。
(第2の位置検出装置)
本発明の第2の位置検出装置は、多磁極列を表面に有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスを備えた位置検出装置であって、
前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、
前記センサブリッジX01及びY01は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、
前記センサブリッジX01及びY01において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
前記センサブリッジX01及びY01の固定層磁化方向を含む平面が、前記固定子の多磁極列面の厚み中心点を通りかつ多磁極列面に垂直な平面に対して傾いており、
前記センサブリッジX01及びY01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして位置信号を得ることを特徴とする。
(第3の位置検出装置)
本発明の第3の位置検出装置は、多磁極列を表面に有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスを備えた位置検出装置であって、
前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、
前記センサブリッジX01及びY01は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、
前記センサブリッジX01及びY01において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
前記センサデバイスの中心は、前記固定子の多磁極列面の厚み中心点を通りかつ多磁極列面に垂直な平面から、固定子の多磁極列面の厚さ方向に離れており、
前記センサブリッジX01及びY01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして位置信号を得ることを特徴とする。
(第4の位置検出装置)
本発明の第4の位置検出装置は、多磁極列を表面に有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知する第一のセンサデバイス及び第二のセンサデバイスとを備えた位置検出装置であって、前記第1のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、前記第2のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX02とセンサブリッジY02とを内蔵し、前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02の固定層磁化方向を含む平面が、前記固定子の多磁極列面の厚み中心点を通りかつ多磁極列面に垂直な平面に対して傾いており、前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして位置信号を得ることを特徴とする。
センサブリッジX01及びY01の固定層磁化方向を含む平面、及びセンサブリッジX02及びY02の固定層磁化方向を含む平面を、それぞれセンサ面(感磁面)と称する。
(第5の位置検出装置)
本発明の第5の位置検出装置は、多磁極列を表面に有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知する第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスとを備えた位置検出装置であって、
前記第1のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、
前記第2のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX02とセンサブリッジY02とを内蔵し、
前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、
前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
前記第1のセンサデバイス及び前記第2のセンサデバイスの中心は、前記固定子の多磁極列面の厚み中心点を通りかつ多磁極列面に垂直な平面から、固定子の多磁極列面の厚さ方向に離れており、
前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして位置信号を得ることを特徴とする。
スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は2個又は4個用いられ、それぞれが電気的なハーブブリッジ回路又はフルブリッジ回路を構成する2個又は4個のエレメント(素子)に相当する。
前記第4又は5の位置検出装置において、前記センサブリッジX01と前記センサブリッジY02とで独立に検出される位相情報を基に第1の出力信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01と前記センサブリッジX02とで独立に検出される出力信号を基に、前記第1の出力信号から電気角で90deg.遅れている第2の出力信号(サイン信号)を得るのが好ましい。
前記第4又は5の位置検出装置において、前記第1の出力信号(コサイン信号)と前記第2の出力信号(サイン信号)とをデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と、変換されたデジタル信号を位置信号に演算する位置演算部とを有するのが好ましい。
前記第1のセンサデバイスと第2のセンサデバイスとは互いに前記固定子の多磁極列の位相においてほぼλ/4±nλ/2離れた位置(λは多磁極列の同極性の磁極のピッチ、nは整数である。)に設置されているのが好ましい。さらに、前記第1のセンサデバイスと第2のセンサデバイスとは互いに前記固定子の多磁極列の位置においてほぼλ/2離れた位置に設置されているのが好ましい。
前記固定子のN極対に対して、第1のセンサデバイスと第2のセンサデバイスの相対的な位置関係は±λ/4+Nλ/2で表されるのが好ましい。また、前記センサブリッジY01及びセンサブリッジY02は固定層磁化方向が前記固定子の多磁極列の方向に沿うように配置されており、前記センサブリッジX01の固定層磁化方向とセンサブリッジX02の固定層磁化方向とは位置がλ/4又はλ/4±nλ/2(nは整数である。)異なるように配置されていることが望ましい。
(第6の回転角度検出装置)
本発明の第6の位置検出装置は、多磁極列を有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える位置検出装置であって、前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、磁束を前記感磁面と交差させて、前記感磁面内で直交する磁束密度成分同士の振幅の大きさが等しくなるように、前記固定子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする。
ここで、多磁極列を有する固定子は、少なくとも2つのN極と2つのS極が1方向に並ぶように着磁されているものであればよい。この固定子としては、例えば、1つの磁極を有する磁石を直線上に複数個配列した磁石列、多極に着磁された磁石を直線上に複数個配列した磁石列、ハルバック磁気回路を直線上に複数配列した磁石列などが挙げられる。
(第7の位置検出装置)
本発明の第7の位置検出装置は、多磁極列を有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える位置検出装置であって、前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、空間磁束密度の振幅比K0=B⊥0/B//0≠1となる位置で、前記感磁面内で直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となるように、前記固定子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする。
(直線駆動装置)
本発明の直線駆動装置は、前記いずれかの位置検出装置と、前記固定子の多磁極列面に対向すると共に前記可動子に設けられたコイルとを備えることを特徴とする。
本発明の位置検出装置は、位置の検出精度が高いため、直線駆動装置に好適である。
(実施形態1)
図1には、固定子11に対するセンサデバイス12aの位置を検出する位置検出装置を示す。図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。固定子11は、焼結磁石のブロックが隣あうように1列に連結されており、N極とS極が交互になるようにλ/2で並び、多磁極列を構成する。太い矢印で表わした磁化の向きに直交する側面(磁束の出入りする側の面)が、多磁極列面である。この構成ではセンサデバイス12aが可動子に相当し、固定子11の磁極の配列方向に沿って平行移動可能に配置されている。センサデバイスを平行移動させると、多磁極列からセンサデバイスが回転磁界を受けるので、自由層が回転し、位置に応じた出力をセンサデバイスから取り出すことができる。センサデバイスに接続する電子回路の詳細は後述する。固定子の厚み中心を通り且つ多磁極列面に直交する平面とセンサデバイス12aの感磁面との距離はh’≠0である。固定子の厚み中心を通り且つ多磁極列面に平行な平面とセンサデバイス12aの中心(感磁面の中心)との距離はrである。センサデバイスの感磁面内において、磁極の配列方向(多磁極列方向)に沿った磁束密度成分の振幅の大きさと磁極の配列方向に直交する磁束密度成分の振幅の大きさとがほぼ等しくなるように、センサデバイス12aをZ軸方向に距離h’ずらして配置している。この位置検出装置を直線駆動装置に適用すると、直線駆動装置の可動子の位置を高精度に検出することができる。
(比較形態1)
図2には、多磁極列の真横(χ=0、h'=0)にセンサデバイス12aを配置する位置検出装置を示す。図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。h'=0以外の構成は図1と同様である。ただし、この配置では、センサデバイスの感磁面内において、磁極の配列方向(多磁極列方向)に沿った磁束密度成分の振幅の大きさと磁極の配列方向に直交する磁束密度成分の振幅の大きさとが等しくないので、センサデバイスを平行移動させてその位置を求めても、直線変位量の誤差が大きい。
(実施形態2)
図3には、多磁極列の横(χ≠0、h'=0)にセンサデバイス12aを配置する位置検出装置を示す。図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。固定子の厚み中心点を通り且つ多磁極列面に直交する平面に対してセンサデバイス12aの感磁面をχ傾けている以外の構成は、図1と同様である。ただし、センサデバイスの感磁面内において、磁極の配列方向(多磁極列方向)に沿った磁束密度成分の振幅の大きさと磁極の配列方向に直交する磁束密度成分の振幅の大きさとがほぼ等しいので、直線変位量の誤差は実施形態1と同程度に抑制することができる。
(実施形態3)
図4には、図2の構成に更にセンサデバイス12bを加入している位置検出装置を示す。第1のセンサデバイス12aに対して感磁面の中心同士がλ/4離隔するように第2のセンサデバイス12bを配置すると2つのセンサデバイスを一体で平行移動させる以外は図2と同様である。2つのセンサデバイスの出力を合成する際に誤差成分が相殺されるので、比較形態よりも直線変位量の誤差を小さくすることができる。
(実施形態4)
図5には、固定子11に対するセンサデバイス12aの位置を検出する他の位置検出装置を示す。第1のセンサデバイス12aに対して感磁面の中心同士が3λ/4離隔するように第2のセンサデバイス12bを配置する以外は図4と同様である。直線移動に係る変位量検出の場合は、2つのセンサデバイスの位置関係(感磁面の中心同士の位置関係)は、λ/4±nλ/2で規定される。そのため、図5のように第2のセンサデバイスを3λ/4離れた位置に配置しても同様の効果を得ることができる。
(実施形態5)
図5の構成について、さらに各々のセンサデバイス12a,12bを共にz軸方向にh’平行移動させたところ、図1の直線変位量の誤差を更に抑える変位検出装置を得る。
(実施形態6)
図5の構成について、さらに各々のセンサデバイス12a,12bを共に図3のようにχ傾斜させたところ、図5と同等のレベルに直線変位量の誤差を抑える変位検出装置を得る。
(固定子と可動子の位置関係)
図6には、固定子の多磁極列と、可動子のセンサデバイスの位置関係の例を示す。図6(a)は図1〜5の(a)と同様に位置検出装置の上面図であり、図6(b)は(a)のA−A断面図に相当する。(a)において太い矢印は1つのブロック毎の着磁方向を表わし、曲線状の細い矢印は磁力線を表わす。図6(b)は2通りのセンサデバイス12a’’、及びセンサデバイス12a’’の配置を示すものである。センサデバイス12a’は、h’=0のX−Y平面上にセンサデバイスの感磁面の中心を配置し、その感磁面をX−Y平面に対してセンサ傾斜角χだけ傾けている。センサデバイス12a’’は、センサ配置角φ'の位置にあり、X−Y平面に対してχ'傾けている。センサデバイス12a’’の中心は、固定子11の厚み中心点を通りかつ多磁極列方向に垂直な平面(X−Y平面に平行な面)からZ軸方向にh’離れている。センサデバイス12a’’の位置において、磁束の方向はX軸からε'傾いている。固定子の磁石の厚みtはZ軸方向の寸法である。固定子11の厚み中心点は、固定子のX−Y断面中央とZ軸断面の中央が交差する点であり、XYZ軸の原点に相当する。なお、図6の磁石とセンサデバイスの相対的位置関係は、基本的には図9でセンサデバイスをZ軸方向にずらして配置する構成と同様であるが、磁石の回転中心が存在しないため、センサ配置角φの基準は、磁石のX軸の中心とZ方向の中心と見なす。
(実施形態7)
図7の(a)には、固定子40の多磁極列方向に沿って、可動子49を平行移動させる直線駆動装置を断面図(X−Y断面図)で示す。固定子40は、NdFeB系焼結型永久磁石で構成したリング磁石41を多段に積み重ねて、そのリングの貫通孔に非磁性のシャフト42を装着している。隣り合うリング磁石同士はY方向で着磁方向(太矢印)が逆になるように多磁極列を構成する。個々のリング磁石の着磁方向はリング磁石の軸方向に相当する。可動子49は、磁界を発生する駆動円筒部と、センサデバイスを有する検知円筒部を備える。前記駆動円筒部は、軟磁性のヨーク43に励磁用の巻線のコイル44を設けている。コイルに流す励磁用電流とそれによる磁界を制御することで、可動子49を駆動又は停止させる。
検知円筒部は、センサデバイス12a及び12cを支持する円筒状の非磁性部45aと、センサデバイス12b及び12dを支持する円筒状の非磁性部45bと、前記非磁性部45bの外周の設けた矩形の非磁性部46及びセンサデバイス12eとを備える。非磁性部45a及び45bの間には駆動円筒部が固定されており、3つの部材は一体の円筒型を為す。前記センサデバイスは、センサデバイスの感磁面内において、磁極の配列方向(多磁極列方向)に沿った磁束密度成分の振幅の大きさと磁極の配列方向に直交する磁束密度成分の振幅の大きさとがほぼ等しくなるように、非磁性部45a又は45bに固定する。
非磁性部46に設けるセンサデバイス12eは、固定子と同様に固定されており、非磁性の基準レール48上に1箇所だけ設ける基準磁極47を検知して、位置の基準とし、可動子の制御に用いる。基準レール48は固定子と同様に動かない。センサデバイス12eによりセンサデバイス12a〜12dが検知するのが幾つ目のλであるかを判別することができる。これらセンサデバイスから得られる位置情報を用い、前記駆動円筒部を制御すると、可動子を正確に駆動又は停止させることができ、高精度の直線駆動装置となる。
図7において、センサデバイス12a〜12d及び12eは図12の(a)〜(f)に示すセンサデバイス12a,12bと同様のものを用いる。図7でセンサデバイス12a及び12bは固定子の多磁極列方向において2λ+3λ/4の位置関係を為すように固定している。図示を省略するが、センサデバイスに接続する電子回路は図13の回路を構成している。検知円筒部では、リングに通す貫通孔の内面はシャフトと円滑に摺動するよう処理されているが、リングに通すこと以外には特に位置を保持する部材を設けてはいない。
また、図7の(a)の構成において、固定子40を図7(b)に示すように多段に積み重ねた円柱磁石41bに置換えることも可能である。前記円柱磁石41bは非磁性円筒内に積み重ねて固定することが望ましい。また、ヨーク43を同じ形をした非磁性体(すなわちボビン)で置き換える場合もある。リング磁石41と非磁性のシャフトの組合せは、例えば、径方向にラジアル着磁したリング磁石に非磁性のシャフトを通したもの、或いは外周面に着磁したリング磁石に軟磁性のシャフトを通したものに置換えることができる。また、ヨーク等の一部又は全部を非磁性体に置き換える場合もある。これらの変更は、コイルの巻数やそれに流す電流、可動子の重量や必要とする駆動力等との関係を踏まえ、適宜行うことができる。
(実施形態8)
図8には、固定子50の多磁極列方向(Y方向)に沿って、可動子59を平行移動させる他の直線駆動装置を断面図(X−Z断面図)で示す。固定子50は、軟磁性の側板ヨーク52a,52b及び基板ヨーク52cで構成されるコの字型のヨークと、側板ヨークの内側に各々固着された磁石列51a及び52bと、前記側板ヨーク及び基板ヨークを固定する強度を高める為の補強部材58a及び58bを備え、ヨークと磁石で磁気回路を為す。可動子59は、励磁用のコイル54とそれを支持する枠体53及びテーブル56と、前記テーブル56を固定子50に対してY方向で移動可能に支持するガイド部57a及び57bと、センサデバイス12a及び12bとを備える。前記センサデバイス12aは枠体53の面に直接固定され、センサデバイス12bは支持基板55を介してテーブル56に支持されている。
図8において、上述の磁気回路に対して可動子が平行移動する際に、センサデバイスに印加される磁石からの磁界が回転磁界となる位置に、センサデバイスを配置している。
B−B線の左側と右側では、別々の態様を図示している。左側の構成は、磁極よりの領域の磁界を検知し、センサデバイスの感磁面に対して磁力線が傾斜するように配置している。右側の構成は、磁極中間の領域の磁界を検知し、磁力線に対してセンサデバイスの感磁面が傾斜するように配置している。双方の構成について、センサデバイスの感磁面内において、磁極の配列方向(多磁極列方向)に沿った磁束密度成分の振幅の大きさと磁極の配列方向に直交する磁束密度成分の振幅の大きさとが等しくなるように、センサデバイスを配置している。
図8において、センサデバイスを設置する箇所の他の形態例として、センサデバイス12c,12d及び12eを点線で表示する。これらのセンサデバイスは、Y軸方向における枠体53の端面に固定する。センサデバイス12cの場合、磁石列51a,51b間に形成される平行磁界(向きが交互に変わる磁界)を受けるので、座標のX−Y平面に対して感磁面を傾けている。センサデバイス12d、12eの場合、磁石列の端近傍で磁力線が曲がるので、センサデバイスの感磁面内において磁極の配列方向(多磁極列方向)に沿った磁束密度成分の振幅の大きさと磁極の配列方向に直交する磁束密度成分の振幅の大きさとがほぼ等しくなる位置のうち、センサデバイスをX−Y平面に対してほぼ平行にできる位置を選択し、配置している。
直線上を平行移動する可動子及びセンサデバイスと、多磁極列を有する固定子との位相関係をそのままで数式をもって詳細に説明することは簡単ではない。そこで、変換可能なモデルとして回転する磁石回転子と固定したセンサデバイスからなる回転角度検出装置の角度検出原理を説明する。まず、このリング磁石の外径が限りなく大きく、極数が非常に多い場合を考える。この場合、センサデバイス側から見ると、リング磁石の回転は1列に並んだ多数の磁極が直線移動している状態と等価と考えることができ、直線変位量を検出できる。したがって、直線変位量の説明を回転角度検出の説明で相互に置き換えることができる。
(1)回転角度検出原理
回転方向に2N極(Nは自然数)を有する磁石回転子について、本発明の回転角度検出装置の角度検出原理を説明する。この磁石回転子はN極対の磁石を有していると言い換えることができ、N回の軸対称性を有している。ある基準角の機械角θは電気角θelによって式(1)で表される。特に、2極(N=1)の場合は式(2)で表され、電気角と機械角が等しくなる。
Figure 0004900838
Figure 0004900838
単純化のために軸方向に無限に長い磁石回転子を仮定する(すなわち、軸方向には磁場は一様に分布していると仮定する)。このとき磁石回転子から発生する磁場を測定位置(r,θ)の関数とした空間ベクトルで表すと、半径方向の磁場成分Hと回転方向の磁場成分Hθとはそれぞれ式(3−1)及び式(3−2)で近似できる。
Figure 0004900838
さらに、式(3−1)及び式(3−2)において、基本波成分がゼロでなく(すなわちAがゼロではない)場合、rがある程度大きく3次以上の高調波がAで表される基本波に比して小さいときには、式(4−1)及び式(4−2)のように簡略化可能である。
Figure 0004900838
これは、測定点に対して磁石回転子が角度θだけ動くと磁場の向きがθel変化することを意味する。すなわち、磁場の大きさに関係なく、磁場の方向を検知することにより磁石回転子の回転角度が測定可能であることを意味している。
(2)スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子
前述の原理による磁気センサを実現するためのエレメント(素子)として、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子がある。磁気抵抗効果素子は磁場を感知してその抵抗値が変化するエレメント(素子)であり、通常はエレメント(素子)の異方性方向の磁場成分を一次元的に検知するように使用される。エレメント(素子)を回転磁場中に入れた場合の抵抗変化に着目している。回転磁場に対してcosα(αは固定層の磁化と自由層の磁化とのなす角)の抵抗変化をするエレメント(素子)、符号が逆の(−COSα)の抵抗変化をするエレメント(素子)、又はそれらを組み合わせた素子対を用いる。直流電圧印加時に、COSαに比例する電圧を出力するエレメント(素子)を適用することにより、式(5)に示すようにRresが出力される。式(5)において、δは抵抗変化率である。
Figure 0004900838
スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を使用した場合、固定層の磁化の向きは製造工程によって決まり、外部磁場の動きによって変化しない。一方、自由層の磁化は、外部磁場の方向と同一であることから、抵抗変化は外部磁場の方向にのみ依存し、磁場の絶対値の大きさにはよらない動作が可能となる。このように、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子では、磁場と感磁方向のなす角度に応じた出力が得られるため、電気角の1周期に対して1周期分の波形出力が得られ、逆正接演算によって絶対角度を求めることができる。また磁石回転子から印加される磁束に応じて自由層の磁化はスムーズに回転する。このため、本発明に使用するエレメント(素子)として適している。なお、逆正接演算とは、第1の正弦波状出力信号x(例えばセンサブリッジX01から得る信号)、及び第2の正弦波状出力信号y(例えばセンサブリッジY01から得る信号)から、tanθ=y/xの関係となるθを求めることである。
上記において、HとHθの振幅は等しいとして説明を行ったが、磁石回転子の軸方向寸法(すなわち磁石回転子厚み)が有限である場合、振幅は等しくならない。以下に、振幅が等しくないときの角度演算方法を説明する。回転の軸芯を座標の原点とした永久磁石の外周近傍にセンサデバイスを設置する場合、その最適配置は以下のように求まる。磁石回転子の中心を原点とする座標系(X,Y,Z)において、位置(X,Y,Z)に、後述する内部に平行反平行方向の固定層磁化方向を有するスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子がブリッジ接続されているセンサデバイス12aを配置する。センサブリッジX01の固定層磁化方向をX軸と平行に配置し、センサブリッジY01の固定層磁化方向はY軸と平行(磁石回転の接線方向)に配置した。X−Y平面と、前記磁石の原点とセンサデバイスの中心とを結ぶ線とがなす角をセンサ配置角φとすると、磁石回転子が円周方向にθ回転したときのX,Y及びZ方向の磁束成分B、B及びBはそれぞれ式(6−1)、式(6−2)及び式(6−3)で表される。ただし、磁石回転子を1個の磁気モーメントmに近似して考えた。
Figure 0004900838
このとき、BをB//とし、残りのY軸に直交する成分をBと表すと、式(7−1)及び式(7−2)となる。
Figure 0004900838
//0はB//の振幅であり、B⊥0はBの振幅である。これらの振幅比である空間磁束密度振幅比K0は、式(8)で表される。
Figure 0004900838
=0の場合は、B=0であるため、B//とBはともにX−Y平面内に存在する。Z≠0の場合、すなわちあるセンサ配置角φ(φ=90deg.を除く)の位置にセンサデバイスを設置すると、センサデバイスの中心ではX−Y平面からε傾いた平面(以下、ε面と称する)内で空間磁束密度振幅比K0の回転磁場が得られる。
一方、φ=0deg.の場合、空間磁束密度振幅比K0=B⊥0/B//0=2で、90deg.位相の異なる磁束を受けることとなり、センサ出力は正弦波とはならず、センサブリッジX01の出力はほぼ台形波、センサブリッジB01の出力はほぼ三角波となる。その結果、±20deg.という非常に大きな誤差が発生してしまう。このとき、センサブリッジY01の固定層磁化方向を回転軸としてχ傾けたとき、センサデバイス内のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が実効的に受ける磁束密度のY方向成分B//eff、それに直交する方向の成分B⊥eff、及び実効磁束密度振幅比Keffは、それぞれ式(9−1)、式(9−2)及び式(9−3)で表される。B//eff0はB//effの振幅であり、B⊥eff0はB⊥effの振幅である。
Figure 0004900838
直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となる状態、つまり振幅の大きさを等しい状態にするのが好ましい。Keffの好ましい範囲はKeff=0.93〜1.08であり、より好ましくはKeff=0.96〜1.04であり、理想的にはKeff=1.0である。
χを最適センサ傾斜角χbest[式(9−3)においてKeff=1.0のときのχがχbestである。]にした場合、センサデバイスの固定層磁化方向を感磁面内で回転させても角度誤差は発生しない。これは、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向を直交させて、1対のセンサブリッジが2軸の直交関係になっていれば、感磁面内で固定層磁化方向を回転させてもセンサブリッジの出力の位相がθに対して進むか又は遅れるだけで、出力の振幅及び出力の精度には影響しないためである。以上のようにして、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は、Bx、By及びBzの3軸成分を有する磁束の方向を検知する。
前述の式(9−1)〜(9−3)は、センサデバイスをχ傾けることで、K0より小さい任意の実効磁束密度振幅比を得られることを示している。例えば、χ=60deg.としたとき、B⊥effとB//effの実効磁束密度振幅比Keffは1.0となる。このとき、センサデバイス内のセンサブリッジX01,Y01の出力は正弦波状となり、逆正接演算を行っても角度誤差は発生しない。
ここで、磁石回転子を磁気モーメントmに近似したが、実際には回転軸方向に薄い扁平形状をした円板状磁石が多く用いられるため、磁石回転子の反磁場係数やセンサデバイスの取り付け位置に依存して、空間磁束密度振幅比K0は変化する。しかしながら、センサデバイスの取り付け位置を、磁石回転子表面とのギャップの距離が数mmになるように離した場合、磁気モーメントmで近似可能となる。
上記のように、2極着磁の磁石においては、磁気モーメントmに近似可能な解析によって、実効磁束密度振幅比Keffが1となる、最適センサ配置角φbest及び最適センサ傾斜角χbestを求めることができる。しかしながら、多極に着磁されたリング磁石のように、着磁パターンが複雑な場合は、磁気モーメントmでの解析が困難となってくる。このような場合は、有限要素法などの磁場解析によって、任意の点の磁束密度成分から空間磁束密度振幅比K0を求め、実効磁束密度振幅比Keffが1となるように、センサデバイスをX−Y平面からχ傾ければ、角度誤差の少ない回転角度検出装置を構成することができる。同様に、実効磁束密度振幅比Keffが1となるように、センサデバイスをX−Y平面からZ方向に移動させても、角度誤差の少ない回転角度検出装置を構成することができる。
(2デバイス、4ブリッジの重要性)
逆正接演算により回転角度を表す角度信号を得るには、サイン信号とコサイン信号の2信号が必要である。センサブリッジX01とセンサブリッジY01の出力は、それぞれの信号がコサイン信号とサイン信号に対応しており、この2個のセンサブリッジのみでも回転角度出力を得ることは可能である。しかし、上述の式(3)にあるように、磁石回転子からの磁束密度は必ずしも基本波成分のみではなく、高調波を含んでいる。また、式(9−1)〜(9−2)に示すように、傾き角χや、軸ずらし量hをセンサデバイスに設けない場合は、センサデバイスの設置位置における半径方向と回転方向の磁束密度が異なることから、さらに出力信号は高調波を含むこととなる。すなわち、磁石回転子の近傍でセンサデバイスの出力を測定する場合、磁石回転子の回転角度を横軸に、センサデバイスの出力を縦軸にとった場合、固定層磁化方向が半径方向を向いているセンサブリッジの出力は台形波状(sinカーブが台形的に歪んだ波形)となり、固定層磁化方向が回転方向を向いているセンサブリッジの出力は三角波状(sinカーブが三角形的に歪んだ波形)になる。このため、電気角で90deg.離れた位置に設置した第2のセンサデバイスからの出力X02とY02を加えることで基本波成分を増加させ、かつ高調波成分を相殺して減少させることが可能になる。このような信号処理により、角度信号の誤差をより低減することができる。第1のセンサデバイスと第2のセンサデバイスは必ずしも電気角で90deg.の隣接個所に設置する必要はない。例えば、第1のセンサデバイス12aから、第2のセンサデバイス12bが電気角で90deg.+180deg.離れた位置に設置された場合、センサブリッジX01の出力を基準にして、それぞれのセンサブリッジの出力のを基本波は式(16−1)〜(16−4)で表される。
Figure 0004900838
ここで、X02を反転して、Y01出力とX02反転出力とを差動処理する必要がある。X01出力とY02出力とは、反転処理のないまま差動増幅器の入力端に入力可能である。なお、位相関係を変えずに配置と結線を変えることで、同様の精度で回転角度を検知することも可能である。よって、上記の第1のセンサデバイスと第2のセンサデバイスの設置位置に関しては、電気角で90deg.及び、電気角90±360deg.に限定されるものではなく、その相対位置は90±180ndeg.(nは整数)の任意の角度を取ることが可能である。ただし、このようにセンサデバイス同士の間隔を広げると、位置検出装置を直線駆動装置に付け合せる際に、組立て精度の影響を受けて位置の検出精度が制約されることがある。従って、センサデバイス同士の間隔を小さくするのがより好ましい。
以上のように、センサデバイスを傾斜、軸方向に平行移動、センサデバイスを複数個配置することで、リング磁石の回転角度を高精度に測定することができることを述べた。今、このリング磁石の外径が限りなく大きく、極数が非常に多い場合を考える。この場合、センサデバイス側から見ると、リング磁石の回転は多磁極列の直線移動と等価と考えることができ、直線変位量を検出できる。図6に多磁極列の磁石とセンサデバイスの位置関係を示す。直線変位量を検出する場合は、図11のλを求める必要がある。上記までの説明は角度θelもしくはθを検出する手法であるため、λを得る場合は、角度を距離に変換する必要がある。リング磁石の半径をr、極数を2N極(但し、Nは2以上の整数である。)とすると、電気角1周期あたりの距離λは、2rπ/Nで求められる。たとえば、直径100mm、8極の磁石の場合、電気角1周期当たりの距離は、λ=39.27mmとなる。
(参考形態1、2)
参考形態1として、多極の磁石回転子21と1つのセンサデバイス12aを用いて構成する回転角度検出装置を図9(a)及び図9(b)に示す。図9(b)は図9(a)のA−A断面図である。磁石回転子21の内周面側にはシャフトを通して固定しているが、図示は省略する。センサデバイスはセンサ傾斜角χ=0、h=0で配置する。参考形態2として、図10はセンサ傾斜角χ傾けてセンサデバイスを配置する以外、図9に示す回転角度検出装置と同様に構成する。
磁石回転子(4極以上)の磁束とセンサデバイスの位置関係を図11(a)及び図11(b)に示す。図11(a)において、磁石回転子のリング状永久磁石31の各磁極内の磁化の向きは直線状の太矢印で表し、磁極表面から発生する磁束を曲線状の太矢印で表した。センサデバイス32fはX軸の向きの磁束を受けている。λは表面磁束密度分布を測定したときのサイン信号の1波長(電気角で360deg.)に相当し、リング状永久磁石31では1対の磁極表面の周方向長さに相当し、図6の固定子では同極性の磁極間距離に相当する。rは、リング状永久磁石31の径方向に沿ってみたときの、センサデバイス32fの感磁面の中心とリング状永久磁石31の表面との距離である。このとき、センサデバイス32fはX軸の向きの磁束を受けている。リング状永久磁石31を周方向に電気角で90deg.だけ回転させると、センサデバイス32fはY軸の向きの磁束を受けるようになる。Z軸は、リング状永久磁石31の孔の中心oを通り磁石の回転平面と直交する軸で、磁石回転子の回転軸に相当する。θは、磁石回転子の機械的な回転を表す機械角である。
図11(b)は2通りのセンサデバイス32f、及びセンサデバイス32f’の配置を示したものである。センサデバイス32fは、Z=0のX−Y平面上にセンサデバイスの感磁面の中心を配置し、その感磁面をX−Y平面に対してセンサ傾斜角χだけ傾けている。センサデバイス32f’は、センサ配置角φ’の位置にあり、X−Y平面に対してχ'傾けている。センサデバイス32f’の中心は、リング磁石31の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面からZ軸方向にh’離れている。センサデバイス32f’の位置において、磁束の方向はX軸からε’傾いている。リング磁石の厚みtはZ軸方向の寸法である。リング磁石31の厚み中心点は、リング磁石のX−Y断面中央とZ軸断面の中央が交差する点であり、XYZ軸の原点に相当する。このリング磁石の孔には回転軸となるシャフトを固定することができる。
本発明の位置検出装置は、図1、図4等に示すセンサデバイス12a,12bとして、図12の(a)〜(f)に示すように、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子8個で2つのフルブリッジ回路を構成し、非磁性リードフレームを利用して10個の端子23を形成し、樹脂系材料でモールドしたセンサデバイス12a,12bを用いる。
図12(a)に示すように、1つのセンサデバイス12a内には、エレメントとしてX,Y,−X,−Y方向のいずれかを固定層磁化方向としたスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が8個内蔵されている。図中の太い矢印は1個のエレメントにおける固定層磁化方向を表す。1つの基板に固定層磁化方向が同じである2個のエレメントを形成したものを4個用いる。これら8個のエレメントについて、X,−X方向を固定層磁化方向とするエレメントは図12(b)の回路図のように接続し、センサブリッジX01を構成する。同様にY,−Y方向を固定層磁化方向とするエレメントは図12(c)の回路図のように接続し、センサブリッジY01を構成する。X,−X方向は反平行の関係にあり、Y,−Y方向は反平行の関係にあり、X及び−X方向は、Y及び−Y方向と直交するように形成する。
同様に、図12(d)に示す通り、もう1つのセンサデバイス12b内には、X,Y,−X,−Y方向のいずれかを固定層磁化方向としたスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が8個内蔵されている。X,−X方向を固定層磁化方向とするエレメントは図12(e)の回路図のように接続されており、センサブリッジX02を構成する。同様にY,−Y方向を固定層磁化方向とするエレメントは図12(f)の回路図のように接続されており、センサブリッジY02を構成した。センサブリッジX01は多磁極列の配列方向と直交する方向に固定層磁化方向を有し、センサブリッジY01は多磁極列の配列方向に固定層磁化方向を有し、センサブリッジX02は多磁極列の配列方向と直交する方向に固定層磁化方向を有し、センサブリッジY02は多磁極列の配列方向に固定層磁化方向を有するようにセンサデバイスを位置検出装置に設ける。
図12(a)では、2個のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22,22b,22c及び22dを図12(b)および(c)のように結線し、リードフレームによる10本の端子23と接続し、樹脂で一体にモールドしてセンサデバイス12aを形成する。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22a及び22dの太矢印は、図1(a)において多磁極列の配列方向(すなわちセンサデバイスの移動方向)と直交するように配置する。図12(b)のブリッジ回路では、一定の直流電圧Vccxを印加して、ブリッジ接続の中点からVx1とVx2とを出力する。Gndx1、Gndx2、Gndy1及びGndy2は接地(アース電位)である。なお、図12(a)では、1つの基板に固定層磁化方向が同じである2個のエレメントを形成したものを4個用いるが、8つのエレメントを1つの基板に形成したものや1つのエレメントを形成した基板8個用いてもよい。固定層磁化方向をすべて同じ向きに形成したウェハから、エレメントを1個ずつ切り出し、図12(a)のように配列し、ブリッジを組むように配線することもできる。なお、図示は省略しているが、図12(a)に示すそれぞれのスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は、非磁性基板上に、下地層(Cr)/固定層(Co/Ru/Co)/Cu層/自由層(Co/NiFe)/キャップ層(Ta)という順に積層してパターニングし、通電用の電極膜を設け、絶縁被覆を施したものである。これに代えて、セルフピン構造のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を用いて、エレメントの固定層磁化方向を決定することもできる。
このように、それぞれのセンサデバイスは固定層磁化方向が直交した2個のセンサブリッジを内蔵しており、それぞれのセンサブリッジの固定層磁化方向は、リソグラフィ手法又は超精密な位置決め精度を有する機械による部品配置でエレメントを形成することにより、センサデバイス同士をプリント基板等に実装する場合に比べ、より高精度に位置決めを行う。固定層磁化方向を直交させることで、高い精度で位置検出することが可能になる。また、第1のセンサデバイスと第2のセンサデバイスに同一仕様のものを用いることにより、異なる仕様のセンサデバイスを用いる場合に発生する実装時の誤りを回避することができる。同一仕様のものとは、同じ条件で作製したセンサデバイスのことである。例えば、エレメントをウェハープロセスで作製する際に、ロットの異なるウェハ上に形成されていても製造条件が同一である範囲を同一の仕様と称する。
図12の(a)〜(f)で示されている通り、各センサデバイスはブリッジ回路を2個有しており、VccとGnd間に直流電圧を印加して、磁石回転子の磁界内にセンサデバイスを置くことにより、Vx1とVx2間と、Vy1とVy2間にそれぞれ差動出力を得ることができる。この4つのセンサブリッジX01,Y01,X02及びY02から出力される差動出力は、図13に示すようにそれぞれ差動増幅器(オペアンプ26a,26b,26c,26d,26e,26f)によって増幅され、増幅されたX01及びY02から出力される第1の出力信号、及び増幅されたY01及びX02から出力される第2の出力信号は、A−D変換部27でデジタル変換され、位置演算部28において演算が行われ、最終的に電気角に対応する信号(位置信号)が出力される。この場合、第1の出力信号と第2の出力信号の位相差は90deg.異なっており、第1の出力信号をコサイン信号とみなしたときに、第2の出力信号をサイン信号とみなすことが可能であり、これらの信号から逆正接演算(tan−1)を行うことで、0からλに対応する位置信号を得る。
本明細書において、センサブリッジは4つのエレメント(スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子)を電気回路的なブリッジに組んだものに相当する。さらに2つのセンサブリッジを搭載したものをセンサデバイスと称する。固定子とセンサデバイスを対向させる構成を位置検出装置(ユニット)と称する。なお、位置検出装置に取り付けることができるように複数のセンサデバイスを組み合わせた単位をモジュールと称する。
本発明を以下の実施例により図面を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図14には、実施形態1の構成において、λ=45mm、r=6mm、h’=6mmとして、センサデバイス12aを平行移動させたときの変位量と変位量誤差の関係を示す。センサデバイスの直線変位量の誤差は後述の比較例に比べて約1/7に低減できた。
(比較例)
図15には、比較形態の構成において、h’=0mmとした以外は、実施例1と同様の条件として、センサデバイス12aを平行移動させたときの変位量と変位量誤差の関係を示す。直線変位量の誤差は±1.5mmを超えており、高い精度で変位量を測定することは難しかった。
(実施例2)
図16には、実施形態3の構成において、λ=45mm(即ち、感磁面の中心同士の距離λ/4は11.25mmである。)、r=6mm、h’=0mm、χ=0mmとして、センサデバイス12a及び12bを一体として平行移動させたときの変位量と変位量誤差の関係を示す。センサデバイスの直線変位量の誤差は、比較例が±1.7mm程度であるのに比べて、実施例2は±0.3mm以下に低減できた。2個のセンサデバイスを用いることによる精度改善できることがわかる。
(実施例3)
実施形態3の2つのセンサデバイスの相対的位置関係は変更せず、両方ともh'=6mmとして同様の実験を行ったところ、更なる精度改善が確認された。
(参考例1、2)
参考形態1において磁石回転子外周からセンサデバイス中心までの距離を約3mmとし、参考形態2においてセンサ傾斜角χ=55deg.とした。磁石回転子21は12極着磁とした為に、機械角で360deg.回転すると6周期の出力が得られた。この場合、機械角が60deg.で電気角の1周期となる。得られたデータを、図17に(a)機械角とセンサ出力のグラフ、(b)機械角に対する検出角度と電気角誤差のグラフ、及び(c)前記(b)を一部拡大したグラフとして示す。歪み具合に差はあるが、センサブリッジX01が台形波、センサブリッジY01が三角波となっており、電気角1周期あたりの角度誤差は±10deg.以上と非常に大きな値をであった。一方、参考形態2を実施して得られたデータを、図18のグラフ(a)〜(c)に示す。各センサブリッジからの出力はほぼ正弦波及びほぼ余弦波となり、電気角の角度誤差は±3deg.程度となり、大きな角度誤差の改善が見られた。この回転角度検出装置をモータに適用し回転角度を高精度に検出することができた。
本発明の位置検出装置の概略図を示す。 比較形態の位置検出装置の概略図を示す。 本発明の他の位置検出装置の概略図を示す。 本発明の他の位置検出装置の概略図を示す。 本発明の他の位置検出装置の概略図を示す。 位置検出装置の座標等を説明する概略図である。 本発明の直線駆動装置の概略図を示す。 本発明の他の直線駆動装置の概略図を示す。 参考形態の回転角度検出装置の概略図を示す。 他の参考形態の回転角度検出装置の概略図を示す。 参考形態の回転角度検出装置の座標等を説明する概略図である。 センサデバイスにおけるエレメント(素子)の配置及びブリッジ回路を示す模式図である。 本発明に用いる回路の一例を示す図である。 実施例の変位量と変位量誤差を示すグラフである。 比較例の変位量と変位量誤差を示すグラフである。 他の実施例の変位量と変位量誤差を示すグラフである。 参考例の機械角とセンサ出力の関係、機械角に対する検出角度と電気角誤差の関係を示すグラフである。 他の参考例の機械角とセンサ出力の関係、機械角に対する検出角度と電気角誤差の関係を示すグラフである。
符号の説明
11:固定子、 12a,12b,12c,12d,12e:センサデバイス、
12a’:センサデバイス、 12a’’:センサデバイス、
22a,22b,22c,22d:スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子、
23:端子、 26a,26b,26c,26d,26e,26f:オペアンプ、
27:A−D変換部、 28:位置演算部、
40:固定子、 41:リング磁石、 41b:円柱磁石、 42:シャフト、
43:ヨーク、44:コイル、 45a,45b:非磁性部、
46:非磁性部、 47:基準磁極、 48:基準レール 49:可動子、
50:固定子、 51:磁石列、
52a,52b:側板ヨーク、 52c:基板ヨーク、 53:枠体、 54:コイル、
55:支持基板、 56:テーブル、 57a,57b:ガイド部、
58a,58b:補強部材、 59:可動子

Claims (5)

  1. 多磁極列を表面に有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスを備えた位置検出装置であって、
    前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、
    前記センサブリッジX01及びY01は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、
    前記センサブリッジX01及びY01において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
    前記センサブリッジX01及びY01の固定層磁化方向を含む平面が、前記固定子の多磁極列面の厚み中心点を通りかつ多磁極列面に垂直な平面に対して傾いており、
    前記センサブリッジX01及びY01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして位置信号を得ることを特徴とする位置検出装置。
  2. 多磁極列を表面に有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスを備えた位置検出装置であって、
    前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、
    前記センサブリッジX01及びY01は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、
    前記センサブリッジX01及びY01において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
    前記センサデバイスの中心は、前記固定子の多磁極列面の厚み中心点を通りかつ多磁極列面に垂直な平面から、固定子の多磁極列面の厚さ方向に離れており、
    前記センサブリッジX01及びY01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして位置信号を得ることを特徴とする位置検出装置。
  3. 多磁極列を有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える位置検出装置であって、
    前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、
    磁束を前記感磁面と交差させて、前記感磁面内で直交する磁束密度成分同士の振幅の大きさが等しくなるように、前記固定子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする位置検出装置。
  4. 多磁極列を有する固定子と、前記固定子の多磁極列面に対して平行移動すると共に前記固定子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える位置検出装置であって、
    前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、
    空間磁束密度の振幅比K0=B⊥0/B//0≠1となる位置で、前記感磁面内で直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となるように、前記固定子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする位置検出装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の位置検出装置、前記固定子の多磁極列面に対向する可動コイルを設けることを特徴とする直線駆動装置。
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