JP4900763B2 - ブラックインク組成物、及びこれを用いた記録方法及び記録物 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてフォトブラックインク用のインク組成物、詳細には、通常の45度方向の照明に対して、正反射45度よりも2度だけ法線から離れた反射色(ブロンズカラー)がニュートラルになるだけでなく、目視での色(通常の45度方向の照明に対して、正反射45度よりも20度だけ法線から離れた反射色)もニュートラルにすることのできるブラックインク組成物に関する。
従来から、補色顔料を用いることによってニュートラルな黒を出力できるブラックインク組成物が種々開発されている。
英国特許第2370580A号明細書には、補色顔料として、フタロシアニン系顔料とジオキサン系顔料とを同時に含有することで、低彩度なブラックインク組成物が得られることが開示されている(特許文献1)。しかし、かかるブラックインク組成物では、樹脂コート層を有するメディアに記録した際、目視で感じられる色がニュートラルにならない。
また、米国特許第5803958号明細書及び米国特許第6565202B2号明細書にも、補色顔料を用いたブラックインク組成物が開示されている(特許文献2及び3)。しかし、これらのブラックインク組成物は、補色顔料/カーボンブラック顔料の比が0.66以上であり、前記公報に開示のものと同様に、目視で感じられる色がニュートラルにならない。
英国特許第2370580A号明細書 米国特許第5803958号明細書 米国特許第6565202B2号明細書
本発明が解決しようとする問題点は、前述した従来技術における問題点である。
従って、本発明の目的は、ブロンズカラー(2度測色値)及び目視で感じられる色(20度測色値)の双方において、光沢感及び黒色感に優れたニュートラルな黒を出力することのできるブラックインク組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、20度測色値及び2度測色値の双方において、光沢感及び黒色感に優れたニュートラルな黒を出力することのできる記録方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、補色顔料として特定の顔料を用いたブラックインク組成物が、前記目的を達成し得ることの知見を得た。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、下記1を提供するものである。
1.フタロシアニン系顔料と、ベンズイミダゾロン系顔料と、カーボンブラック顔料とを含有するブラックインク組成物であって、前記フタロシアニン系顔料が、C.I.ピグメントブルー15:4又は15:3であり、前記ベンズイミダゾロン系顔料が、C.I.ピグメントバイオレット32であり、前記フタロシアニン系顔料と前記ベンズイミダゾロン系顔料との重量比が、1/2〜1/10である
また、本発明は、下記2〜11をそれぞれ提供するものである。
2.前記フタロシアニン系顔料と、前記ベンズイミダゾロン系顔料と、前記カーボンブラック顔料との重量比が、0.01〜0.15/0.01〜0.15/1.5である、前記1記載のブラックインク組成物。
3.前記ブラックインク組成物を少なくとも用いて記録する記録方法
4.前記ブラックインク組成物を少なくとも用いて記録された記録物
本発明によれば、20度測色値及び2度測色値の双方において、光沢感及び黒色感に優れたニュートラルな黒を出力することのできるブラックインク組成物が提供される。
〔ブラックインク組成物〕
以下に本発明に係るブラックインク組成物について、その好ましい実施態様に基づき説明する。
本発明に係るブラックインク組成物は、上述の通り、フタロシアニン系顔料と、ベンズイミダゾロン系顔料と、カーボンブラック顔料とを含有するものである。
本発明のブラックインク組成物は、樹脂コート層を有するメディアに記録した際に、20度測色のL*値が0.5以下の場合、20度測色のa*値が2度測色のa*値よりも0以上1.3以下の範囲で大きいことが好ましい。かかる範囲にあれば、20度測色値及び2度測色値の双方において、光沢感及び黒色感に一層優れたニュートラルなニュートラル黒色感記録物を出力することができる。
ここで、2度測色とは、通常の45度方向の照明に対して、正反射45度よりも2度だけ法線から離れた反射色(ブロンズカラー)をいう。
また、20度測色とは、通常の45度方向の照明に対して、正反射45度よりも20度だけ法線から離れた反射色をいう。
a*値及びL*値とは、それぞれ国際照明委員会(CIE)が規定するD65光源におけるCIE Labに準拠した値である。
また、本明細書において、「樹脂コート層を有するメディア」とは、前述したブラックインク組成物を用いて画像を形成する面(被記録面)が少なくとも樹脂による塗工層で被覆されているものの全てを意味する。この樹脂コート層を有するメディアは、通常、85度光沢度が120以下のものが用いられる。ここで、85度光沢度は、日本電色工業株式会社製の「PG1M」等を用いて測定される。尚、測定に際しては、標準光沢板85度光沢度が100を示すように予め測定装置を調整しておく。
樹脂コート層を有するメディアとしては、85度光沢度が70〜120である鏡面調メディア、例えば、1m以上離れたところから蛍光灯を当てた場合に該蛍光灯の写像の輪郭が目視で確認できるような樹脂コート層を有するメディア等が挙げられ、その代表的な一例として、85度光沢度が81であるセイコーエプソン社製の「PGPP(Premium Glossy Photo Paper)」、「写真用紙<光沢>」等が挙げられる。
また、樹脂コート層を有するメディアの別の例としては、85度光沢度が10〜70であるセミグロス調メディアや、85度光沢度が10以下であるマット調メディア等が挙げられる。
本発明に用いられるフタロシアニン系顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:4、15:3、15:2等が挙げられる。これらの顔料は、一種又は二種以上で用いられる。
本発明に用いられるベンズイミダゾロン系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントバイオレット32、及びC.I.ピグメントレッド185等が挙げられる。これらの顔料は、一種又は二種以上で用いられる。
本発明に用いられるカーボンブラック顔料としては、特に制限はなく、通常ブラック顔料に用いられるカーボンブラックを用いることができる。
本発明において、フタロシアニン系顔料及びベンズイミダゾロン系顔料の合計と、カーボンブラック顔料との重量比は、1/2以下であることが、20度測色のL*および2度測色のL*が小さくなるので好ましい。
また、フタロシアニン系顔料と、ベンズイミダゾロン系顔料と、カーボンブラック顔料との重量比は、0.01〜0.15/0.01〜0.15/1.5であることが、光沢感及び黒色感に優れたニュートラルな黒を出力できる点で好ましい。
また、ベンズイミダゾロン系顔料はフタロシアニン系顔料に対して、重量比で、1/2〜1/10であることが、ニュートラルな黒を出力できる点で好ましい。
フタロシアニン系顔料とベンズイミダゾロン系顔料とカーボンブラック顔料の合計量は、本発明のブラックインク組成物中、1.0〜4.0重量%であることが好ましい。
本発明に係るブラックインク組成物は、前述した顔料の他に、湿潤剤として高沸点有機溶媒を含むことが好ましい。高沸点有機溶媒を加えることによって、インクジェット記録用に用いた場合に、インクの乾燥を防いでインクジェットプリンタのヘッドでの目詰まりが抑制される。高沸点有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ、糖アルコール等の糖類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
高沸点有機溶媒の含有量は、本発明のブラックインク組成物中、5〜30重量%、特に10〜20重量%であることが好ましい。
特に、本発明に係るブラックインク組成物には、目詰まり防止の向上と、記録画像の光沢を向上させるために、グリセリンを12重量%以上加えることが好ましい。グリセリンとともに、トリエタノールアミン等の有機アルカリを添加してもよい。トリエタノールアミンは、インクのpH調整剤および分散安定剤としての機能をも有するものであり、インク中において0.1〜10重量%の範囲内で使用することが好ましい。
本発明に係るブラックインク組成物は、色材として前述した特定の顔料を使用するとともに、該顔料を分散するための分散剤を含有するものが好ましい。分散剤は、この種の顔料インクに使用可能であるものを特に制限なく用いることができ、例えば、カチオン性分散剤、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤や界面活性剤等が挙げられる。アニオン性分散剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。また、アニオン性界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等が挙げられ、ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、顔料の分散安定性を高める観点から、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を用いることが好ましい。
分散剤は、本発明のブラックインク組成物中において、前記顔料の合計重量を基準として、固形分換算で、通常140重量%以下で含まれる。
前記分散剤は、前記顔料の重量を基準として、固形分換算で好ましくは10〜140重量%、更に好ましくは10〜100重量%含まれる。また、インク量に対する分散剤の含有量は、固形分換算で好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.3〜3重量%である。
また、本発明に係るブラックインク組成物は、記録媒体への濡れ性を高めてインクの浸透性を高める観点から、浸透促進剤を含有させることができる。浸透促進剤としては、例えば、メタノール、エタノール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル;1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等のジオール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル若しくは1,2−ヘキサンジオール、またはこれらの2種以上を用いることが好ましい。
前記浸透促進剤は、前記インク中、好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは5〜15重量%含有される。
また、本発明に係るブラックインク組成物は、前記浸透促進剤と同様に、記録媒体への濡れ性を高めてインクの浸透性を高める観点から、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤を用いることもでき、特に、アセチレングリコール系化合物やシリコーン系化合物を用いることが好ましい。該アセチレングリコール系化合物としては、市販されているものを用いることができ、例えば、オルフィンY、サーフィノール82、440、465、485(何れも商品名、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(何れも商品名、日信化学株式会社製)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、オルフィンE1010、サーフィノール465を用いることが好ましい。また、該シリコーン系化合物としては、市販品としてBYK347、348またはBYKUV3510(ビックケミージャパン製)等のポリシロキサン系化合物を用いることができる。特に、光沢感と耐擦性の観点から、ポリシロキサン系化合物が好ましい。
アセチレングリコール系化合物及び/又はシリコーン系化合物は、前記インク中、好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは0.1〜1.0重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%含有される。
また、本発明に係るブラックインク組成物は、インクの乾燥時間を短縮する観点から、低沸点有機溶媒を含むことができる。該低沸点有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロプルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、一価アルコールが好ましい。
本発明に係るブラックインク組成物は、前述した顔料、分散剤、高沸点有機溶媒、浸透促進剤、アセチレングリコール系化合物及び/又はシリコーン系化合物等の成分を含有し、通常、バランスとして水を含有するものである。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。
本発明に係るブラックインク組成物には、更に必要に応じて、水溶性ロジン類等の定着剤、安息香酸ナトリウム等の防黴剤・防腐剤、アロハネート類等の酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤、pH調整剤等の添加剤を含有させることができ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
本発明に係るブラックインク組成物は、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミル等を使用して、従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製に際しては、メンブレンフィルターやメッシュフィルター等を用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
本発明に係るブラックインク組成物は、その用途に特に制限はないが、ノズルからインクの液滴を吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて文字や図形等の画像を形成する記録方法であるインクジェット記録方法に用いられることが好ましく、特にオンデマンド型のインクジェット記録方法に用いられることが好ましい。オンデマンド型のインクジェット記録方法としては、例えば、プリンターヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方法、プリンターヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法等が挙げられ、何れのインクジェット記録方法にも好適に使用できる。本発明は、主として写真用紙等の記録媒体上に形成されるフォトブラック画像用のインク組成物として、また、前記ブラックインク組成物を含むインクカートリッジの形態として提供することができる。
本発明に係るブラックインク組成物は、画像を形成するための記録媒体として、インクジェット記録方法等において通常用いられる記録媒体に制限なく適用できるが、前述した樹脂コート層等の塗工層を有するメディアや普通紙(被記録面に繊維が露呈している記録媒体)等に好適に適用される。特に、本発明に係るブラックインク組成物は、樹脂コート層を有するメディアに適用すれば、画像を形成した際のドット表現による粒状性の目立ちの抑制を顕著に得ることができる。
〔記録方法〕
本発明は、前述したブラックインク組成物を用いて画像を形成する記録方法であり、特に、前述した実施形態に係るブラックインク組成物を用いるインクジェット記録方法等の記録方法が好適である。尚、本発明の記録方法は、前記ブラックインク組成物を用いる点以外については、通常のインクジェット記録方法等と同様にして実施される。
本発明に係る記録方法によれば、20度測色値及び2度測色値の双方において、光沢感及び黒色感に優れたニュートラルな黒色感記録物を出力することができる。
本発明の記録方法においては、Duty100%のインク重量が、7〜13mg/inch2となるように画像を形成することが好ましい。
また、混合色は、Duty120%のインク重量が、8〜16mg/inch2となるように画像を形成することが好ましい。
尚、本明細書において、「Duty」とは、下記式で定義され、算出される値Dの単位を示すものである。
D=〔実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)〕×100また、Duty100%とは、画素に対する単色の最大インク重量を意味する。
〔記録物〕
本発明は、前述したブラックインク組成物を用いて画像が形成されてなる記録物であり、特に、前述した実施形態のブラックインク組成物を用いたものが好適である。
〔変更形態〕
本発明は、前述した各実施形態を好適に提供するものであるが、これらの実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
以下に、本発明の実施例及び試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により何等制限されるものではない。
〔ブラックインク組成物の出力物測色〕
表1に示す組成のブラックインク組成物をそれぞれ調製し、インクジェットプリンタPM960C(セイコーエプソン株式会社製)のインクカートリッジに、各インク組成物を供給した。このプリンタを用いて、写真用紙<光沢>(セイコーエプソン株式会社製、樹脂コート層を有するメディア)に、Duty20%・40%・60%・80%、解像度1440*1440dpiで出力した。
Figure 0004900763
<光沢性評価>
得られた記録物について、自動変角光度計(GP−200型、村上色彩技術研究所製)を用いて、入射角45度(スリット幅:入射側φ1mm、反射側φ1.5mm)、感度500、煽り角度0度で、反射角42〜48度の反射光強度を測定した。このとき、光源に12V−50Wのハロゲンランプ、フィルターにND−10を用い、標準版の光沢度が42.5になるように、光源に印可する電圧を調整した。記録物の光沢度は、この測定条件下で測定された反射光強度の各値のうち最高値を意味する。なお、繰り返し誤差は±2.0以下であった。
下記式により記録物の光沢感を算出した。
光沢感=(光沢度)/(鮮映性)2
ここで、光沢度とは、上記測定で得られた光沢度を意味し、また、鮮映性とは、記録画像の鮮映の程度を示すもの(写像性ともいう)であり、上記の光沢度測定の際に測定された反射光強度の各値の中から、その値が0.6以上となる反射角度の幅をいう。なお、上記式で算出された光沢感は、人の目視による光沢性の評価と略一致するものである。評価基準は以下の通りとした。
A:単色の光沢感が4.0以上
B:単色の光沢感が4.0未満
<黒色感評価>
得られた記録物について、この出力物を偏角測色システム(日本分光社製の2度と20度の同時測定が可能な分光側色計システム(ARM-500V、V550、VWCT-615))を用いて、D65光源において、ベースラインをX,Y,Z=0,0,0に設定し、2度と20度の両角度で測色した。この測色値からDutyごとにΔa*をそれぞれ求め、全DutyにおけるΔa*の平均値(平均角度依存)を算出した。この値は、ブロンズカラーと20度測色の色相ずれ、すなわち、色が光源の角度に依存する程度を示している。小さいほど、光源の角度が変わっても黒さや色相が変化していないこと、すなわち色の角度依存がないことを示す。
また、このΔa*の全Dutyにおける、最大値と最小値の差(黒色感)を算出した。よって、この値は、ブロンズカラーと20度測色の色相ずれを全Dutyにわたって評価しているので、この値が小さいほど、Dutyや光源の角度が変わっても黒さや色相が変化し難いことを示す。
実施例1、比較例1〜3の各ブラックインク組成物による出力物の光沢感、平均角度依存及び黒色感は、次の通りであった。
光沢感 平均角度依存 黒色感
実施例1: A 0.6 1.0
比較例1: A 1.3 0.9
比較例2: A 0.4 1.2
比較例3: A 0.6 1.9
よって、比較例1では、光源の角度が変わったときに、2度測色のa*が高いため、赤く光って観える場合があり、茶色っぽい黒に観える。比較例2及び3では、Dutyによって、2度測色のa*が大きく変化するので、安定したモノクロ画像を形成することが困難である(図1に示すグラフ参照)。
本発明は、20度測色値及び2度測色値の双方において、光沢感と平均角度依存と黒色感に優れたニュートラルな黒を出力することのできるブラックインク組成物として、産業上の利用可能性を有する。
実施例及び比較例の各インク組成物を用いた場合の2度測色のa*とb*との関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. フタロシアニン系顔料と、ベンズイミダゾロン系顔料と、カーボンブラック顔料とを含有するブラックインク組成物であって、
    前記フタロシアニン系顔料が、C.I.ピグメントブルー15:4又は15:3であり、
    前記ベンズイミダゾロン系顔料が、C.I.ピグメントバイオレット32であり、
    前記フタロシアニン系顔料と前記ベンズイミダゾロン系顔料との重量比が、1/2〜1/10である、ブラックインク組成物
  2. 前記フタロシアニン系顔料と、前記ベンズイミダゾロン系顔料と、前記カーボンブラック顔料との重量比が、0.01〜0.15/0.01〜0.15/1.5である、請求項1に記載のブラックインク組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のブラックインク組成物を少なくとも用いて記録する記録方法。
  4. 請求項1又は2に記載のブラックインク組成物を少なくとも用いて記録された記録物。
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