JP4900294B2 - 分割固定子製造方法 - Google Patents
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Description
一方、固定子コアを複数個に分割して、巻線を組み付けた分割固定子を用いる方法も、固定子の製造方法として知られている。分割固定子の場合には、焼きバメリングで複数の分割固定子を一体的に組み立てることが行われている。
分割コアに対して、成形済みコイルを装着することが、特許文献1に記載されている。記載されている図では、隣り合う成形済みコイル同士が接触しているが、コイル間の絶縁性を確保する点からは問題がある。
この問題を解決するために、成形済みコイル同士の間に相間絶縁紙を装着することが行われている。
一方、相間絶縁紙を用いなくても、コイル間の隙間が例えば、0.2mm以上確実に確保できれば、空間により絶縁性を確保できるのであるが、分割固定子コアに取り付けられたインシュレータの外周寸法と、成形済みコイルの内周寸法との間には、各々公差があるため、樹脂モールドしたときに、高い圧力で樹脂が注入され、樹脂の押圧力が直接成形済みコイルにかかるため、成形済みコイルの位置が固定子コアに対して円周方向(隣り合うコイルの方向)に、+0.3mm〜−0.3mmの幅でずれる。これにより、隣り合うコイル間の隙間を、確実に0.2mm以上確保することは、実際上困難であった。
(1)幾重かに巻かれた巻線を成形して形状を確定した成形済みコイルが、成形金型内にインサートされた、分割コアにインシュレータを介して装着され、前記成形済みコイルの周囲に、樹脂を成形する分割固定子製造方法において、前記成形済みコイルの外周面であって、製品状態で他の成形済みコイルと隣り合う面の一部を、前記成形金型に直線状に形成された凸条の先端部に、直接接触させることにより、前記巻線の各々を前記インシュレータを介して前記分割コアに近づく方向に押し付けて位置決めした状態で、樹脂成形する。
(2)(1)に記載する分割固定子製造方法において、前記分割コアは、前記成形済みコイルを装着されるティース部が、根本に向かって幅広に設けられていること、前記成形済みコイルは、前記製品状態で他の成形済みコイルと隣り合う面が、前記ティース部の根元に向かうほど外側に広がっており、台形形状に形成された前記凸条によって前記巻線の平行が確保された状態であることを特徴とする。
本発明の分割固定子製造方法の第1工程においては、第1成形金型(例えば、固定型)に分割コアをセットし、さらに分割コアのティース部にインシュレータをセットし、さらに成形済みコイル(例えば、成形済みエッジワイズコイル)をインシュレータの上にセットする。
次に、第2成形金型(例えば、可動型)を第1成形金型に当接させて、キャビティを構成する。
また、成形済みコイルと接触する部分が、スロット側面の中央位置で凸条であるので、通常、樹脂注入口を、成形済みコイルの両端部に設けたときに、樹脂の流入経路が同じ条件となるため、樹脂モールド用樹脂を、キャビティ内に均一に流入させることができる。また、凸条であるので、成形済みコイルの外周で樹脂モールドが形成されない部分が所定幅のみであるため、成形済みコイルからの熱の放熱にほとんど影響を与えることがない。
図1に、分割固定子の製造手順を示す。分割固定子コア10は、成形済みのコイルが装着されるティース部11を備えている。分割固定子コア10は、プレス打ち抜きで製造された鋼板を積層して構成している。ここでは、分割固定子コア10は、18個組み合わさることにより、環状の完成した固定子コアになる構造とする。分割固定子コア10を(a)に示す。次に、分割固定子コア10のティース部11に、インシュレータ12が装着された状態を図1の(b)に示す。インシュレータ12は、ティース部11を覆う筒部12b、分割固定子コア10のティース部11が突き出した以外の内面部分を覆い、上下方向に延設されたカバー部12a、筒部12bの上下に突き出した2箇所の突起部12cを備
えている。ここで、インシュレータ12bの側面の厚みは、0.2〜0.3mmである。インシュレータは、本実施例では、ガラス繊維フィラを50%程度含有する熱可塑性樹脂であるPPS樹脂を材質としている。
エッジワイズコイル13は、カバー部12aを介して、分割固定子コア10に密着している。また、エッジワイズコイル13は、左右方向は筒部12bを介してティース部11により位置決めされている。また、上下方向は、インシュレータ12の突起部12cにより位置決めされている。これにより、エッジワイズコイル13は、分割固定子コア10に対して、定位置に位置決めされている。エッジワイズコイル13には、カバー部12a近くで上に突き出ている長端末13aと、ティース部11先端付近で上に突き出ている長端末13bが備えられている。
本実施例では、成形済みコイルとして、エッジワイズコイル13について説明するが、断面が丸形でも、角形でも、成形されて形状が確定しているものであれば、他の種類のコイルでも同じである。
樹脂モールドされた分割固定子18の断面図を図3に示す。この断面図は、エッジワイズコイル13と樹脂モールド14との位置関係を示すものである。
分割固定子コア10にインシュレータ12を介して、エッジワイズコイル13が装着され、エッジワイズコイル13のコイル部分を囲む部分にのみ樹脂モールド14が形成されている。図3は、分割固定子コア10の上にバスバー17を保持する樹脂製のバスバーホルダ16が取り付けられている状態を示している。バスバー17に対して、長端末13a,13bが曲げられて、接続される。
次の工程において、図示していないが、分割固定子18の長端末13aは、左側に2つの分割固定子を越えた3つ目の分割固定子18の長端末13bと、バスバーホルダ16内のバスバー17により接続される。このように、18個の長端末は、順次バスバーホルダ16内のバスバー17により接続され、U,V,W相の3つのモータコイルを構成される。
樹脂モールドを成形する成形金型構造について説明する。図4及び図8に示すように、第1金型である固定型21は、固定型本体21d、分割固定子コア10を左右から挟みこむ一対のスライド型21a、固定型本体21dから突出した一対のガイド部21c、一対のガイド部21cにガイドされて摺動するスライド型21bを備えている。
分割固定子コア10は、両側から一対のスライド型21aにより挟まれ、かつスライド型21aが挟む方向と直交する方向でスライド型21bにより固定されている。分割固定子コア10のティース部11には、インシュレータ12が装着されている。インシュレータの厚みは、本実施例では、0.3mmであるが、図中見やすくするため、厚く記載している。
図8に示すように、エッジワイズコイル13は、2つの長端末13a、13bを備えている。略立方体形状のコイル把持ブロック20には、エッジワイズコイル13の長端末13a、13bの端部を挿入して嵌合する保持孔20a、20bが形成されている。また、コイル把持ブロック20には、一辺に傾斜部が形成されている。
図8に、コイル把持ブロック20の保持孔20a、20bに、エッジワイズコイル13の長端末13a、13bの端部が挿入して嵌合されている状態を示す。製造工程においては、コイル把持ブロック20は、多数個用意されており、予め、エッジワイズコイル13を図8の状態にして準備しておく。そして、成形モールドが終了すると、コイル把持ブロック20は回収され、何度でも治具として利用される。
図4に示すように、固定型21に分割固定子コア10が固定された状態で、上型である可動型22が全開した状態で、コイル把持ブロック20を、固定型21に装着する。これにより、コイル把持ブロック20は固定型21の一部を構成する。その状態を図9に斜視図で示す。
一方、可動型は、ガイド型26及びスライド型22より構成されている。スライド型22には、固定型21のスライド型21aの内周面に対応して、突状部22aが形成されている。
凸条22bを台形形状として上辺に所定の幅を持たせているのは、当接するエッジワイズコイル13の各々の巻線が可動型に対して平行を確保するためである。
図5に、ガイド型26がティース部11の上面に当接し、スライド型22がスライド型21aに当接した、型が閉まった状態を示す。ティース部11の外周に装着されたインシュレータ12の外周面、固定型本体21d、突状部22aの内周面、スライド型22により、キャビティ空間が形成されている。この状態では、未だ樹脂モールド用樹脂の注入を開始していない。
次に、図10に示すように、2箇所の樹脂モールド注入口21eより50kPaの高圧の樹脂が注入される。図10は、固定型21と可動型22とが型締めされたときの状態を示す部分断面図である。本実施例の金型は横締めタイプであるので、2箇所の樹脂モールド注入口21eから注入された樹脂モールド材料25は、エッジワイズコイル13の外周に沿って、エッジワイズコイル13の長手方向に流動する。エッジワイズコイル13の各巻線間には、ほとんど隙間がなく、エッジワイズコイル13の外周には、十分な空間があるため、樹脂モールド材料25は、始めにエッジワイズコイル13の内周部に回り込むことがなく、エッジワイズコイル13の外周に形成されている空間を満たす。
この製造方法によると、図1(d)に示すように,分割固定子18の側面に、凸条22bと同じ幅の凹溝14aが形成される。
これにより、図2に示すように、分割固定子18を組み合わせたときに、図11に示すように、隣り合うエッジワイズコイル13Aとエッジワイズコイル13Bとの間の隙間を、図中Wで示すように、W=0.2mm以上とすることができる。これにより、隣り合うエッジワイズコイル13Aとエッジワイズコイル13Bとの間の絶縁性を確実に確保することができる。
これにより、図2に示すように、分割固定子18を組み合わせて固定子19を完成させたときに、図11に示すように、隣り合うエッジワイズコイル13Aとエッジワイズコイル13Bとの間の隙間を、図中Wで示すように、W=0.2mm以上とすることができる。これにより、隣り合うエッジワイズコイル13Aとエッジワイズコイル13Bとの間の絶縁性を確実に確保することができる。
第1実施例では凸条22bが、突状部22aの表面に形成されていたが、本実施例では、図12から図14に示すように、表面に凸条22bが形成された2個の凸条スライド30が、突状部22aに対して、スライド可能に保持されている。そして、図13に示すように、可動型22が閉じた状態では、凸条スライド30は、未だ下降しておらず、可動型22が閉じた後で、図14に示すように、凸条スライド30が下降して、エッジワイズコイル13の側面と当接して、エッジワイズコイル13を位置決めする。
第2の実施例によれば、凸条スライド30によるエッジワイズコイル13の位置決めのみを単独の作用として行うことができるため、エッジワイズコイル13の位置決めを安定して確実に行うことができる。
例えば、本実施例では、凸条22bを一直線状としているが、少しずれた位置で2直線状としても良い。それにより、樹脂モールド用樹脂の流れを遮断しない効果を奏する。
また、本実施例では、隙間を0.2mm以上確保することを目的としたが、使用する電圧等により、必要な隙間に応じて、凸条22aの高さを決定すればよい。
また、エッジワイズコイルについて説明したが、コイル巻線の断面が丸や正方形等であっても、コイルとして成形されておれば、本発明が適用できることは、明解である。
また、本実施例では、熱可塑性樹脂を使用する場合について説明したが、熱硬化性樹脂を用いた場合についても、本発明を利用することは可能である。
11 ティース部
12 インシュレータ
13 エッジワイズコイル
13a、13b 長端末
14 樹脂モールド
14a 凹溝
18 分割固定子
20 コイル把持ブロック
21 固定型
21a、21b スライド型
21d 固定型本体
22 可動型
22a 突状部
22b 凸条
30 凸条スライド
Claims (2)
- 幾重かに巻かれた巻線を成形して形状を確定した成形済みコイルが、成形金型内にインサートされた、分割コアにインシュレータを介して装着され、前記成形済みコイルの周囲に、樹脂を成形する分割固定子製造方法において、
前記成形済みコイルの外周面であって、製品状態で他の成形済みコイルと隣り合う面の一部を、前記成形金型に直線状に形成された凸条の先端部に、直接接触させることにより、前記巻線の各々を前記インシュレータを介して前記分割コアに近づく方向に押し付けて位置決めした状態で、樹脂成形することを特徴とする分割固定子製造方法。 - 請求項1に記載する分割固定子製造方法において、
前記分割コアは、前記成形済みコイルを装着されるティース部が、根本に向かって幅広に設けられていること、
前記成形済みコイルは、前記製品状態で他の成形済みコイルと隣り合う面が、前記ティース部の根元に向かうほど外側に広がっており、台形形状に形成された前記凸条によって前記巻線の平行が確保された状態であること
を特徴とする分割固定子製造方法。
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