JP4899709B2 - スイッチング電源装置および電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチング電源装置、特に複数の出力端子を備えるスイッチング電源装置、およびそれを備えた電子装置に関する。
従来のスイッチング電源装置として、商用交流電源電圧を整流用ダイオードブリッジで整流し、整流した後の非平滑な電圧をトランスの1次巻線に印加して、スイッチング素子によるスイッチングを行うとともに、トランスの2次巻線に得られた電圧を整流・平滑して、直流の出力電圧を得るコンバータが知られている。
このように1次側に平滑用コンデンサを備えないコンバータでは、2次側から出力する直流電圧を検出して、その直流電圧の平均値が略一定電圧となるようにPWM制御によりスイッチング素子のオンデューティ比が制御される。これにより、商用交流電源電圧のピーク付近以外の低い電圧期間でも入力電流が流れ、商用交流電源電圧の一周期の全体にわたって電流が流れるので、高調波電流が抑制される。
また、トランスの2次巻線に整流ダイオードと平滑コンデンサを備えて第1の直流電圧を出力するフライバックコンバータ部を構成するとともに、トランスの1次巻線とスイッチング素子が直列接続された接続点に、整流ダイオードと平滑コンデンサを接続して第2の直流電圧を出力するブーストコンバータ部を構成したスイッチング電源装置が特許文献1に開示されている。
以下に特許文献1を参考にした回路構成を図に基づいて説明する。図1(A)にスイッチング電源装置の回路構成を示す。
スイッチング電源装置100は商用交流電源電圧を受ける入力部113を備える。この入力部113は、全波整流回路Da、コンデンサC3を備える。全波整流回路Daの入力側は商用交流電源の入力端子123−133に接続されている。全波整流回路Daの出力側には、高周波成分をカットするフィルタとしてのコンデンサC3が縦続接続されている。入力部113にはトランスTの1次巻線N1と、スイッチング素子Q1が直列に接続されたスイッチング回路部115が縦続接続され、スイッチング素子Q1の一端は1次側グランド131に接続されている。より詳細に説明すると、全波整流回路Daの出力側の一端はトランスTの1次巻線N1に接続され、他端は1次側グランド131に接続されている。スイッチング素子Q1の一端は全波整流回路Daの出力側に1次巻線N1を介して接続され、スイッチング素子Q1の他端は1次側グランド131に接続されている。
また、スイッチング電源装置100はトランスTの2次側から絶縁直流電圧を出力するための第1の整流平滑回路112を備えている。この第1の整流平滑回路112は、整流用のダイオードD2と平滑用のコンデンサC2とで構成されている。この第1の整流平滑回路112と入力部113とスイッチング回路部115とによりフライバックコンバータ部102が構成されている。
また、スイッチング電源装置100はトランスTの1次側から非絶縁直流電圧を出力するための第2の整流平滑回路111を備える。この第2の整流平滑回路111は、整流用のダイオードD1と平滑用のコンデンサC1とで構成されている。この第2の整流平滑回路111と入力部113とスイッチング回路部115とによりブーストコンバータ部101が構成されている。
このような構成のスイッチング電源装置100において、入力電圧Vinは、商用交流電源(例えば100V、50Hz)の交流電圧であり、その電圧が全波整流回路Daに入力される。全波整流回路Daの出力電圧は全波整流波形である1次側整流電圧Vinrになる。なお、全波整流回路Daの出力側には高周波成分除去用のコンデンサC3を設けられているが、このコンデンサC3は、全波整流波形の基本波周波数(この例では100Hz)よりもかなり高い周波数成分をカットするものであり、コンデンサC3があっても1次側整流電圧Vinrは、全波整流電圧波形と殆んど同一の波形である。ここで1次側整流電圧Vinrの波形を図1(B)に示す。
この1次側整流電圧Vinrは、スイッチング素子Q1および第1の整流平滑回路111からなる並列回路とトランスTの1次巻線N1との直列回路に印加される。スイッチング素子Q1は、スイッチング制御用IC114によってPWM制御される。スイッチング制御用IC114は、スイッチング周波数を一定(例えば70kHz)とし、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を制御する。
ブーストコンバータ部101では、スイッチング素子Q1のオン期間には、第2の整流平滑回路に電流が流れずスイッチング素子Q1に電流が流れて、1次巻線N1が励磁される。ダイオードD1には常に逆バイアス電圧が印加され、平滑用のコンデンサC1が放電する。スイッチング素子Q1のオフ期間には、入力電圧と1次巻線N1に励磁されたエネルギがダイオードD1を介して放出され、第2の整流平滑回路に電流が流れ、平滑用のコンデンサC1が充電される。
フライバックコンバータ部102では、スイッチング素子Q1のオン期間にダイオードD2がオフ状態となり、1次巻線N1に電流が流れて1次巻線N1が励磁される。スイッチング素子Q1のオフ期間には、ダイオードD2が導通してトランスTの1次巻線N1の励磁エネルギが2次巻線N2から放出される。すなわちスイッチング素子Q1のオフ期間にはダイオードD2に順バイアス電圧が印加され、コンデンサC2が充電される。スイッチング素子Q1のオン期間にはダイオードD2に逆バイアス電圧が印加されるので、コンデンサC2への充電はなく、放電されることになる。
特開平8−298769号公報
上記の特許文献1に開示されたスイッチング電源装置100は、ブーストコンバータ部101が主電源として用いられ、フライバックコンバータ部102が補助電源として用いられるものであった。したがって、フライバックコンバータ部102の出力端子122に接続される負荷は、ブーストコンバータ部101の出力端子121に接続される負荷に比べて十分に小さく、このフライバックコンバータ部102側の出力が入力部113の入力電流に与える影響は小さい。そのため、従来は商用交流電源からの入力電流の波形が正弦波状から大きく外れることがなく、高調波電流が問題となることも無かった。したがって、回路的にも、ブーストコンバータ部101の出力電圧を安定化することに主眼が置かれ、ブーストコンバータ部101の出力電圧を抵抗により分圧してフィードバックし、スイッチング素子Q1を制御する仕組みとなっている。
しかしながら、仮にフライバックコンバータ部102に接続する負荷がブーストコンバータ部101に接続する負荷に対して無視できなくなる程度にまで大きくなると、フライバックコンバータ部102側の出力が入力部113の入力電流に与える影響が大きくなり、商用交流電源からの入力電流の波形が正弦波状から大きく外れることがあり、高調波電流が問題となる。
ここで上記の問題について詳しく説明する。
スイッチング素子Q1がオンの時、1次巻線N1にはエネルギが蓄積される。スイッチング素子Q1がオフした時、入出力電圧及び負荷の条件によっては、ブーストコンバータ部101のダイオードD1のアノード電位よりもカソード電位の方が高くなり、フライバックコンバータ部102は動作するが、ブーストコンバータ部101は非動作となる状態が発生し得る。
または、フライバックコンバータ部102、ブーストコンバータ部101が共に動作する状態が発生し得る。
さらに、フライバックコンバータ部102のうち、2次巻線N2に発生する電圧が、ダイオードD2のカソード電圧より低かった場合、フライバックコンバータ部102は非動作となり、ブーストコンバータ部101だけが動作するという状態も発生し得る。
すなわち、スイッチング素子Q1がオフしている期間中に、瞬時的には
・ブーストコンバータ部101のみが動作している状態
・フライバックコンバータ部102のみが動作している状態
・ブーストコンバータ部101とフライバックコンバータ部102が共に動作している状態
が混在していることになる。
この時のブーストコンバータ部101の出力電圧Vout1の波形例を図2(A)に示す。この図では、コンデンサC1が無い場合のブーストコンバータ部101の出力電圧Va1の波形を破線で示している。出力電圧Va1は1周期が商用交流電源周期の1/2倍(周波数:100Hz)である。
ブーストコンバータ部101の出力電圧Va1がコンデンサC1の両端電圧を超える期間(Tn+1〜Tn+2)が、ブーストコンバータ部101が支配的に動作する期間であり、ブーストコンバータ部101が実質的に非動作状態となっている期間(Tn〜Tn+1)がフライバックコンバータ部102が支配的に動作する期間と言える。実際には、ブーストコンバータ部101及びフライバックコンバータ部102各々に接続された負荷の大きさに応じて、Tn、Tn+1、Tn+2のタイミング前後に、ブーストコンバータ部101及びフライバックコンバータ部102が共に動作する期間が存在するが、その期間は各コンバータ回路に接続された負荷に応じて変化するため、どの程度の長さになるかは明言できない。
ここで、図3に一般的なブーストコンバータ部とフライバックコンバータ部の回路電流波形を示す。一般的なブーストコンバータ部は図3(A)で示すようにスイッチング素子Q1のオン期間及びオフ期間共に電流が流れるが、一般的なフライバックコンバータ部では図3(B)で示すようにスイッチング素子Q1のオン期間にのみ電流が流れ、スイッチング素子Q1のオフ期間には電流は流れない。すなわち、ブーストコンバータ部の方が、フライバックコンバータ部よりも、条件が同じであれば、流れる回路電流の平均値は高いものとなる。
したがって、上記の特許文献1に開示されたスイッチング電源装置100において、フライバックコンバータ部102に接続する負荷をブーストコンバータ部101に接続する負荷に対して仮に同程度にまで大きくした場合、スイッチング素子Q1のデューティ比を商用電源周期1周期に渡ってほぼ同じであるとすると、図2(B)に例示するように、ブーストコンバータ部101が支配的に動作する期間(Tn+1〜Tn+2)では入力電流Iinの変化割合が大きくなり、フライバックコンバータ部102が支配的に動作する期間(Tn〜Tn+1)では、入力電流Iinの変化割合が小さくなり、入力電流波形が大きく歪んでしまう。
入力電流Iinの平均値が正弦波状から程遠い波形となれば、高調波成分を多く含むものとなり、高調波規制をクリアできないという問題があった。
そこで本発明は、フライバックコンバータ部とブーストコンバータ部とのそれぞれから直流電圧を出力するスイッチング電源装置であっても、それぞれの回路に接続される負荷によらずに高調波電流が抑制できるスイッチング電源装置およびそれを備えた電子装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、交流電源に接続される1次側整流回路と、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、前記1次側整流回路の出力に前記トランスの1次巻線とともに直列に接続されて前記トランスの入力電圧をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子に並列に接続されて第1の直流電圧を出力する、第1ダイオードを備えた第1の整流平滑回路と、前記トランスの2次巻線に接続されて第2の直流電圧を出力する第2の整流平滑回路と、を備えたスイッチング電源装置において、前記1次側整流回路により整流された電流を検出するとともに、当該電流の平均値が、入力電圧波形に相似した略正弦波状を成すように前記スイッチング素子のオンデューティ比を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記第1ダイオードのアノード電位よりもカソード電位が高くなる期間は、前記スイッチング素子のオンデューティ比を高くし、それ以外の期間は、前記スイッチング素子のオンデューティ比を低くすることを特徴としている。
また、本発明の前記制御部はさらに、前記第1の整流平滑回路の出力電圧を検出し、前記スイッチング素子の制御端子に印加する制御信号を調整して、前記出力電圧を略一定にするものである。
また、本発明の電子装置は、上記のスイッチング電源装置と、当該スイッチング電源装置の前記第1の整流平滑回路の出力に接続されるインバータ回路と、を電源回路部に備える。
本発明によれば、1次側整流回路により整流される電流を検出して、その電流の平均値を入力電圧波形に相似した略正弦波状にするので、単一のトランスを用いてフライバックコンバータ部とブーストコンバータ部とのそれぞれから直流電圧を出力するスイッチング電源装置であっても、それぞれの回路に接続される負荷によらずに高調波電流抑制ができる。
以下、本発明の電子装置およびスイッチング電源装置の第1の実施形態について説明する。この実施形態では、フライバックコンバータ部の出力電圧を検出し、1次側のスイッチング制御用ICにフィードバックする構成としている。
第1の実施形態における電子装置60の電源回路部の回路構成を図4に示す。電子装置60の電源回路部は、スイッチング電源装置50と、インバータ回路52と、コンバータ回路51と、を備える。
スイッチング電源装置50は、商用交流電源からの入力を受ける入力部13を備える。この入力部13は、この発明に係る1次側整流回路である全波整流回路Da、コンデンサC3を有する。入力部13には1次巻線N1および2次巻線N2を有するトランスT、スイッチング素子Q1、スイッチング制御用IC14、入力電流検出用の抵抗R1からなるスイッチング回路部15が接続されている。
全波整流回路Daの入力側は商用交流電源の入力端子23−33に接続している。全波整流回路Daの出力側には、高周波成分をカットするフィルタとしてのコンデンサC3を縦続接続している。また、全波整流回路Daの出力側の一端はトランスTの1次巻線N1に接続し、他端は1次側グランド31に接続している。スイッチング素子Q1の一端は全波整流回路Daの出力側に1次巻線N1を介して接続し、スイッチング素子Q1の他端は1次側グランド31に接続している。スイッチング素子Q1の制御端子には、このスイッチング素子Q1をオン/オフ制御するスイッチング制御用IC14を接続している。
スイッチング回路部15のスイッチング制御用IC14は、1次側整流回路に流れる入力電流Iinを、入力電流検出用の抵抗R1の電圧降下から検出し、全波整流回路DaとトランスTの1次巻線N1との接続点から1次側整流電圧Vinrを検出する。また、フライバックコンバータ部2の出力である第2の出力端子22の出力電圧Vout2を絶縁回路41により検出し、1次側整流回路に流れる入力電流Iinが正弦波状となり、かつフライバックコンバータ部2の平均出力電圧が一定となるようにスイッチング素子Q1のオンデューティ比を制御する。入力電流を正弦波状とするため、この制御回路の遮断周波数は数百Hz〜数kHzに設定され、スイッチング周波数(例えば70kHz)よりも十分に低い遮断周波数となる。なお、絶縁回路41としては、フォトカプラを用いた一般的な回路構成を用いればよく、ここでは説明を省く。
また、スイッチング電源装置50は、トランスTの1次側から非絶縁直流電圧を出力するための第1の整流平滑回路11を備える。この第1の整流平滑回路11は、1次巻線N1とスイッチング素子Q1との接続点にアノードが接続され、第1の出力端子21にカソードが接続される整流用のダイオードD1と、このダイオードD1のカソード側に一端が接続され、他端が1次側グランド31に接続される平滑用のコンデンサC1とを備える。この第1の整流平滑回路11と入力部13とスイッチング回路部15とによりブーストコンバータ部1を構成する。
また、スイッチング電源装置50はトランスTの2次側から絶縁直流電圧を出力するための第2の整流平滑回路12を備える。この第2の整流平滑回路12は、2次巻線N2の一端にアノードが接続され、カソードが第2の出力端子22に接続される整流用のダイオードD2と、ダイオードD2のカソード側に一端が接続され、他端が2次側グランド32に接続される平滑用のコンデンサC2とを備える。ダイオードD2はトランスTの2次巻線N2に生じる励起電圧を整流し、コンデンサC2はその整流出力を平滑する。この第2の整流平滑回路12と入力部13とスイッチング回路部15とによりフライバックコンバータ部2を構成する。
この第1の実施形態では、強化絶縁を施したフライバックコンバータ部2の出力端子に接続したインバータ回路52には特に強化絶縁を施していない。一方、ブーストコンバータ部1の出力端子に接続したコンバータ回路51の1次・2次間には強化絶縁を施している。このようにして第1・第2の絶縁出力を得ている。
以上のように本実施形態では電子装置60およびスイッチング電源装置50を構成する。
次に、この電子装置60およびスイッチング電源装置50の動作について説明する。
電子装置60およびスイッチング電源装置50において、入力電圧Vinは、商用交流電源(例えば100V、50Hz)の交流電圧であり、その電圧が全波整流回路Daに入力される。全波整流回路Daの出力電圧は全波整流波形である1次側整流電圧Vinrになる。なお、全波整流回路Daの出力側には高周波成分除去用のコンデンサC3を設けているが、このコンデンサC3は、全波整流波形の基本波周波数(この例では100Hz)よりもかなり高い周波数成分をカットするものであり、コンデンサC3があっても1次側整流電圧Vinrは、全波整流電圧波形と殆んど同一の波形である。ここで1次側整流電圧Vinrの波形を図5(A)に示す。
この1次側整流電圧Vinrを、スイッチング素子Q1および第1の整流平滑回路11からなる並列回路とトランスTの1次巻線N1と抵抗R1との直列回路に印加する。スイッチング素子Q1のオン/オフは、スイッチング制御用IC14によってPWM制御される。スイッチング制御用IC14は、スイッチング周波数を一定(例えば70kHz)とし、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を制御する。
フライバックコンバータ部2は、スイッチング素子Q1のオン期間にダイオードD2がオフ状態となり、1次巻線N1に電流が流れて1次巻線N1が励磁される。スイッチング素子Q1のオフ期間には、ダイオードD2が導通してトランスTの1次巻線N1の励磁エネルギが2次巻線N2から放出される。すなわちスイッチング素子Q1のオフ期間にはダイオードD2に順バイアス電圧が印加され、コンデンサC2が充電される。スイッチング素子Q1のオン期間にはダイオードD2に逆バイアス電圧が印加されるので、コンデンサC2への充電はなく、放電されることになる。
一方、ブーストコンバータ部1では、スイッチング素子Q1のオン期間には、第2の整流平滑回路には電流は流れずスイッチング素子Q1に電流が流れて、1次巻線N1が励磁される。ダイオードD1に常に逆バイアス電圧が印加され、平滑用のコンデンサC1が放電する。スイッチング素子Q1のオフ期間には、入力電圧と1次巻線N1に励磁されたエネルギがダイオードD1を介して放出され、第2の整流平滑回路に電流が流れ、平滑用のコンデンサC1が充電される。
上記動作をさらに詳しく説明する。スイッチング素子Q1がオンの時、1次巻線N1にはエネルギが蓄積される。
スイッチング素子Q1がオフした時、入出力電圧や負荷の条件によっては、ブーストコンバータ部1のダイオードD1のアノード電位よりもカソード電位の方が高くなり、フライバックコンバータ部2は動作するが、ブーストコンバータ部1は非動作となる状態が発生し得る。
または、フライバックコンバータ部2、ブーストコンバータ部1が共に動作する状態が発生し得る。
さらに、フライバックコンバータ部2のうち、2次巻線N2に発生する電圧が、ダイオードD2のカソード電圧より低かった場合、フライバックコンバータ部2は非動作となり、ブーストコンバータ部1だけが動作するという状態も発生し得る。
すなわち、スイッチング素子Q1がオフしている期間中に、瞬時的には
・ブーストコンバータ部1のみが動作している状態
・フライバックコンバータ部2のみが動作している状態
・ブーストコンバータ部1とフライバックコンバータ部2が共に動作している状態
が混在していることになる。
この時のブーストコンバータ部1の出力電圧Vout1の波形例を図5(B)に示す。この図では、コンデンサC1が無い場合のブーストコンバータ部1の出力電圧Va1の波形を破線で示している。出力電圧Va1は1周期が商用交流電源周期の1/2倍(周波数:100Hz)を示している。
ブーストコンバータ部1の出力電圧Va1がコンデンサC1の両端電圧を超える期間(Tn+1〜Tn+2)が、ブーストコンバータ部1が支配的に動作する期間であり、ブーストコンバータ部1が実質的に非動作状態となっている期間(Tn〜Tn+1)がフライバックコンバータ部2が支配的に動作する期間と言える。実際には、ブーストコンバータ部1及びフライバックコンバータ部2各々に接続された負荷の大きさに応じて、Tn、Tn+1、Tn+2のタイミング前後に、ブーストコンバータ部1及びフライバックコンバータ部2が共に動作する期間が存在するが、その期間は各コンバータ回路に接続された負荷に応じて変化するため、どの程度の長さになるかは明言できない。
本実施形態では、スイッチング回路部15の入力電流経路に設けた抵抗R1によって入力電流Iinを検出し、この入力電流Iinが1次側整流電圧Vinrと同位相の正弦波状となるようにスイッチング素子Q1のオンデューティ比を制御することで、図5(C)に実線で示すように、入力電流Iinの平均値を入力電圧波形に相似した略正弦波状にする。具体的には、フライバックコンバータ部2が支配的に動作する期間(Tn〜Tn+1)はQ1のオンデューティ比(前記Duty2(t))を高くし、ブーストコンバータ部1が支配的に動作する期間(Tn+1〜Tn+2)にはQ1のオンデューティ比(Duty2(t))を低くする。
なお、実際にはスイッチング周波数(例えば70kHz)でスイッチング素子Q1がスイッチングされるので、電流の瞬時値もその周波数で変動するが、図4におけるコンデンサC3によって正弦波状となる。
ここで、スイッチング制御用IC14の構成を図6に示す。フライバックコンバータ部2の出力電圧Vout2を分圧した電圧が誤差増幅器43Aの反転入力端子に入力され、誤差増幅器43Aの非反転入力端子に入力される基準電圧Voと比較され、その差が増幅されたフィードバック信号は、絶縁回路41を介してスイッチング制御用IC14の乗算器44に入力される。乗算器44に入力される1次側整流電圧Vinrの信号は誤差増幅器43Aの出力信号によって、その振幅が変化される。乗算器44の出力は、誤差増幅器43Bの反転入力端子に入力され、誤差増幅器43Bの非反転入力端子に入力される電圧(R1×Iin;抵抗R1に流れる入力電流Iinを電圧として検出したもの)と比較され、その差が増幅される。誤差増幅器43Bの出力信号は、PWM回路に入力される。また、PWM回路45には発振器46が接続される。PWM回路45の出力信号は、増幅器47を介して、スイッチング素子Q1のゲート端子に入力される。
PWM回路45は、例えばRSフリップフロップなどを含む回路構成であり、発振器46の出力信号に基づく鋸波と、誤差増幅器43Bの出力信号に基づくコントロール信号とを比較することで、PWM回路45の出力信号のパルス幅が誤差増幅器43Bの出力にしたがったものになる。このスイッチング制御用IC14は、1次側整流電圧Vinrと同位相に、入力電流Iinの平均値に応じてスイッチング素子Q1のオンデューティ比を制御する。
但し、この際の絶縁回路41からのフィードバック制御は商用交流電源周波数に近い遮断周波数(数百Hz〜数kHz)特性を有しており、発振周波数(例えば70kHz)に対して非常に小さい。
このような構成により、入力電流Iinの平均値が図5(C)に示す実線のように1次側整流電圧Vinrの電圧波形と同位相の正弦波状となり、スイッチング電源装置50は、高調波電流を抑制しながら、電源装置50にて1次−2次間の強化絶縁が必要な負荷に対してはフライバックコンバータ部から電力を供給し、電源装置50にて、1次−2次間の強化絶縁が不要な負荷に対しては効率の良いブーストコンバータ部から電力を供給することで、全体として効率良く複数の直流出力を得ることができる。
なお、本実施形態では、スイッチング回路部15に抵抗R1を設けて、その降下電圧から入力電流を検出するようにしたが、入力電流を検出または推定できればどのような位置から電流を検出してもよく、また、そのための回路構成も抵抗R1に限るものではない、本発明の思想に反しない範囲でどのようにも実施できる。
また、第1の整流平滑回路11の出力にコンバータ回路51を設け、第2の整流平滑回路の出力にインバータ回路52を設ける構成を示したが、コンバータ回路51およびインバータ回路52は必ずしも本発明に必須の構成ではなく、この第1・第2の整流平滑回路に接続される機器はどのようなものであっても本発明は好適に実施できる。
さらに、図7に示すように、電圧検出回路をフライバックコンバータ部2側ではなく、ブーストコンバータ部1側に設けても良い。
このようにして、入力電流Iinの平均値が1次側整流電圧Vinrの電圧波形と同位相の正弦波状となり、スイッチング電源装置50は、高調波電流を抑制しながら電源装置50にて1次−2次間の強化絶縁が必要な負荷に対してはフライバックコンバータ部から電力を供給し、1次−2次間の強化絶縁が不要な負荷に対しては効率の良いブーストコンバータ部から電力を供給することで、全体として効率良く複数の直流出力を得ることができる。
従来のスイッチング電源装置の回路を説明する図である。 従来のスイッチング電源装置での入力電流と出力電圧の波形図である。 一般的なコンバータ回路での入力電流の波形図である。 第1の実施形態のスイッチング電源装置および電子装置の一部の回路図である。 第1の実施形態のスイッチング電源装置における電圧波形および電流波形を示す図である。 第1の実施形態のスイッチング電源装置におけるスイッチング制御用ICの回路図である。 第2の実施形態のスイッチング電源装置の回路図である。
符号の説明
1,101−ブーストコンバータ部
2,102−フライバックコンバータ部
11,12,111,112−整流平滑回路
13,113−入力部
14,114−スイッチング制御用IC
15,115−スイッチング回路部
21,22,121,122−出力端子
23,33,123,133−商用交流電源入力端子
31,131−1次側グランド
32,132−2次側グランド
41−絶縁回路
42−電圧検出回路
43A,43B−誤差増幅器
44−乗算器
45−PWM回路
46−発振器
47−緩衝増幅器
50,100−スイッチング電源装置
51−コンバータ回路
52−インバータ回路
60−電子装置
Da−全波整流回路
Q1−スイッチング素子
R1−抵抗
C1,C2,C3−コンデンサ
D1,D2−ダイオード
T−トランス
N1−1次巻線
N2−2次巻線
Iin−入力電流
Vin−入力電圧
Vinr−1次側整流電圧
Vout1,Vout2−出力電圧
Duty1,Duty2−オンデューティ比

Claims (3)

  1. 交流電源に接続される1次側整流回路と、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、前記1次側整流回路の出力に前記トランスの1次巻線とともに直列に接続されて前記トランスの入力電圧をスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子に並列に接続されて第1の直流電圧を出力する、第1ダイオードを備えた第1の整流平滑回路と、前記トランスの2次巻線に接続されて第2の直流電圧を出力する第2の整流平滑回路と、を備えたスイッチング電源装置において、
    前記1次側整流回路により整流された電流を検出するとともに、当該電流の平均値が入力電圧波形に相似した略正弦波状を成すように前記スイッチング素子のオンデューティ比を制御する制御部を備え
    前記制御部は、前記第1ダイオードのアノード電位よりもカソード電位が高くなる期間は、前記スイッチング素子のオンデューティ比を高くし、それ以外の期間は、前記スイッチング素子のオンデューティ比を低くする、
    スイッチング電源装置。
  2. 前記制御部はさらに、前記第1の整流平滑回路の出力電圧を検出するとともに、当該出力電圧を略一定にするものである請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 請求項1または2に記載のスイッチング電源装置と、当該スイッチング電源装置の前記第1の整流平滑回路の出力に接続されるインバータ回路と、を電源回路部に備える電子装置。
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