JP4899613B2 - 車両交通システム及び車両用走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の走行路を複数の閉塞区間に分割し、その閉塞区間内の車両の停止と進行を制御する技術に関する。
従来から、自動運転可能な車両が複数の閉塞区間に分割された専用軌道を走行し、それらの車両の衝突や追突を防止する、車両交通システムにおける保安制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この保安制御システムは、閉塞区間の出口に通信装置を備え、その通信装置上に車両が存在する間、車両の存在を示す信号をその通信装置を介して検知する一方で、その車両の存在を示す信号に基づいて車両の停止を指示する停止信号や次の閉塞区間への車両の進行を指示する進行信号を当該通信装置を介して車両に対し送信するものである。
特開2003−29834号公報
しかしながら、上述の従来技術では、停止信号を受信することにより車両が停止に向けて減速を開始したとしても、通信装置が敷設されている範囲内に停止しなければ、車両は停止状態から再発進するための進行信号を当該通信装置を介して受信することができない。したがって、減速開始時の車両速度が増加するにつれて、あるいは、車両の制動距離が長く必要になるにつれて、通信可能範囲が広くなるように通信装置の敷設範囲を大きくしなければならない。例えば、通信装置の敷設範囲が大きくなるほど、敷設場所の確保や保守作業の増大などの不都合が生じることとなる。
そこで、本発明は、閉塞区間毎に敷設される通信装置の敷設範囲を小さくすることができる車両交通システムの提供と当該車両交通システムに適した車両用走行制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明として、
自動運転が可能な車両が複数の閉塞区間に分割された走行路を走行する車両交通システムであって、
前記車両を停止させる停止信号を送信する第1の通信装置及び前記車両を進行させる進行信号を送信する第2の通信装置が、前記複数の閉塞区間内の前記車両の走行方向の終端側のそれぞれに敷設され、
前記第1の通信装置は前記第2の通信装置の前記車両の進行方向の手前に所定間隔空けて敷設されており、
前記第1の通信装置からの停止信号を受信した前記車両が、該第1の通信装置と同じ閉塞区間内の前記車両の走行方向の終端側に敷設された前記第2の通信装置からの進行信号を受信可能な範囲に停止するように当該車両の走行を制御する車両走行制御手段を備える、ことを特徴とする車両交通システムを提供する。
また、前記車両走行制御手段は、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置に切替回路を介して接続されるものであって、
前記停止信号が前記第1の通信装置から送信された後、前記車両走行制御手段の接続先が前記切替回路によって前記第1の通信装置から前記第2の通信装置に切り替えられて、前記進行信号が前記第2の通信装置から送信される。
また、本発明は、
前記車両は単独、または複数の車両から編成された車両群であり、
前記第1の通信装置が該第1の通信装置の通信可能範囲に前記車両群の先頭車両が存在していることを示し得る先頭車両在線信号を受信した場合、前記先頭車両在線信号を受信した前記第1の通信装置が敷設される閉塞区間の一つ前にある閉塞区間に敷設される前記第1の通信装置は、前記停止信号を送信し、
前記第1の通信装置が該第1の通信装置の通信可能範囲に前記車両群の最後尾車両が存在していることを示し得る最後尾車両在線信号を受信した場合、前記最後尾車両在線信号を受信した前記第1の通信装置が敷設される閉塞区間の二つ前にある閉塞区間に敷設される前記第の通信装置は、前記進行信号を送信する、ことを特徴とするものである。
また、発明は、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置は、通信アンテナである、ことを特徴とするものである。特に、前記通信アンテナは、前記走行路に埋設されるループアンテナであると好適である。
また、上記発明に係る車両交通システムに適した車両用走行制御装置として、
複数の閉塞区間に分割された走行路を走行する自動運転が可能な車両の走行を制御する車両用走行制御装置であって、
前記閉塞区間内の前記車両の走行方向の終端側に敷設された第1の通信装置から前記車両を停止させる停止信号を前記車両が受信したときに、前記第1の通信装置と同じ閉塞区間内の前記車両の走行方向の終端側に敷設される第2の通信装置であって前記第1の通信装置よりも進行方向前方側に所定間隔空けて敷設されるものの通信可能範囲に前記車両を停止するように制御し、
前記第2の通信装置から前記車両を進行させる進行信号を前記車両が受信したときに、前記車両を発進させるように制御する、ことを特徴とする車両用走行制御装置を提供する。
本発明によれば、閉塞区間毎に敷設される通信装置の敷設範囲を小さくする車両交通システムが実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。本発明に係る車両交通システムは、自動運転が可能な車両やその車両群が専用道路を走行する車両交通システム(例えば、IMTS(Intelligent Multimode Transit System))に使用することが可能である。IMTSなどの車両交通システムでは、路線を複数のブロック(閉塞区間)に分割し、1つのブロックには1つの列車しか入れない鉄道系の閉塞制御と同様に、車両又は車両群同士の衝突や追突を防止する保安制御が必要である。
図1は、本発明に係る車両交通システムの実施形態の全体構成を示す図である。自動運転が可能な車両やその車両群Xが走行する専用道路はいくつかの閉塞区間に分割され、閉塞区間毎に通信コイル1及び通信コイル2が車両の走行方向に沿って並べて敷設されている。通信コイル1及び通信コイル1は、閉塞区間に存在する車両と通信可能な範囲に敷設され、例えば、路面下に埋設されている。通信コイル1及び通信コイル2は、専用道路の路側に閉塞区間毎に設置された地上通信装置3に接続され、各地上通信装置3は地上側の適当な場所に設置される地上保安制御装置10に接続される。
通信コイル1及び通信コイル2は、専用道路を走行する自動運転車両と地上保安制御装置10との間でやり取りされるデータ(路車間通信データ)を送受信するためのアンテナである。これらの通信コイルの具体例として、ループアンテナ、ダイポールアンテナ、ビームアンテナなどが挙げられる。
地上通信装置3は、専用道路に離散的に敷設された通信コイル1及び通信コイル2を介して路車間通信データを送受信する。
地上保安制御装置10は、地上通信装置3によって受信された路車間通信データに基づいて、車両又は車両群の存在を閉塞区間毎に認識し、車両又は車両群の走行を遠隔制御して、衝突防護区間(閉塞区間)内への車両又は車両群の進行と停止を制御することが可能である。
一方、車両又は車両群Xは、専用道路の路面に車両の走行方向に沿って所定間隔毎に設置されたマーカ(磁気マーカ)を通過するごとに、車両に搭載したマーカセンサ(磁気センサ)から出力されるマーカと当該車両との相対的な位置関係を反映した検出信号に基づいて当該車両の専用道路における横変位(マーカからの横変位)を検出している。そして、車両又は車両群Xは、このマーカ通過ごとに検出される横変位に基づいて専用道路から外れないように操舵制御を実行する。なお、GPS装置によって検出される車両位置データに基づいて、専用道路における横変位を検出することも可能である。
図2は、本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態の制御動作の概要を説明するための図である。図2に例示する車両群は先頭車両20と後続車両30(最後尾車両30)の2台から構成され、それらの車両は、車両アンテナ21(31)、車両通信装置22(32)及び車両制御装置23(33)をそれぞれ搭載する。先頭車両20に搭載される車両制御装置23は、磁気マーカ又はGPS装置等によって自車車両位置を認識し、メモリに記憶された所定のプログラム(例えば、車両の加減速を制御するための加減速プログラムや車両の操舵を制御するための操舵プログラム)に基づいて、後続車両30に搭載される車両制御装置33と車車間通信等の無線通信を介して連携して、複数の車両が隊列を組んで走行するように、自動運転を実行する。
車両又は車両群は、路側の通信コイル1及び通信コイル2と通信可能な位置に取り付けられた車載の車両アンテナ21又は31を介して、路車間通信データ(例えば、車両又は車両群毎に付与される車両IDや車両群ID、隊列走行する車両群の各車両の位置関係を示す車両群内順位など)を送信し、地上通信装置3は通信コイル1又は通信コイル2を介してそれらの路車間通信データを受信する。また、地上保安制御装置10は、地上通信装置3からの路車間通信データに基づいて、当該通信コイル上の車両の存在を認識し(車両ID等によって、先頭車両、最後尾車両、その中間車両なのかを判別し)、閉塞区間内の車両又は車両群の有無を判断するとともに、地上通信装置3を介して、通信コイル1及び通信コイル2から閉塞区間への進入可否を示す路車間通信データ(例えば、車両の進行を指示する進行信号や車両の停止を指示する停止信号)を送信する。
閉塞区間の車両の走行方向の終端側に並んで敷設された通信コイル1及び通信コイル2のうち走行方向の手前側に存在する通信コイル1を介して停止信号を受信した車両又は車両群の先頭車両は、通信コイル1から走行方向に所定の間隔離れて設置された通信コイル2の上で自動停止するように制動動作を行い、現走行中の閉塞区間の走行方向に隣接する閉塞区間への進入を行わない。通信コイル2の上で自動停止した車両又は車両群の先頭車両は、通信コイル2を介して進行信号を受信した場合に自動で再発進を行い、その隣接する閉塞区間への進入を行う。
すなわち、車両制御装置23は、車両通信装置22が受信した路車間通信データに基づいて、停止信号を受信した場合に予めメモリに記憶された減速度等を規定した停止パターン(マップ)に従って車両群Xを停止させ、停止中に進行信号を受信した場合に赤ら締めメモリに記憶された加速度等を規定した加速パターン(マップ)に従って車両群Xを発進させる。
図3は、本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態の全体的な動作の流れを説明するための図である。図3は、車両群が専用道路を走行する一場面(シーン)を時系列で縦に並べて示している。
シーン0において、2台の自動運転車両が隊列を組む車両群が閉塞区間Cを走行している。車両群が存在する閉塞区間Cの1つ前にある閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bで車両群の最後尾車両は検出済みであるため、閉塞区間Bの1つ前にある閉塞区間Aに敷設された通信コイル1a及び通信コイル2aからは停止信号が出力される。これにより、後続の車両又は車両群に対して閉塞区間Bへの進入が禁止される。
続いて、シーン1において、閉塞区間Cに敷設された通信コイル1cに車両群の最後尾車両が到達したことで、閉塞区間B内に車両群が存在しないと認識されるとともに閉塞区間C内に車両群が存在すると認識される。そこで、車両群が存在すると認識された閉塞区間Cの2つ前にある閉塞区間Aに敷設された通信コイル1a及び通信コイル2aには進行信号が出力され、閉塞区間Cの1つ前にある閉塞区間Bに敷設された通信コイル1b及び通信コイル2bには停止信号が出力される。これにより、後続の車両又は車両群に対して、閉塞区間Aから閉塞区間Bへの進入が許可される一方で、閉塞区間Cへの進入が禁止される。
続いて、シーン2において、車両群が閉塞区間Cを進出して閉塞区間Dを走行している。車両群は閉塞区間Dの通信コイル1dには到達しておらず、この段階では各通信コイルの進行状態はシーン1と変化していない。
続いて、シーン3において、閉塞区間Dに敷設された通信コイル1dに車両群の最後尾車両が到達したことで、閉塞区間C内に車両群が存在しないと認識されるとともに閉塞区間D内に車両群が存在すると認識される。そこで、車両群が存在すると認識された閉塞区間Dの2つ前にある閉塞区間Bに敷設された通信コイル1b及び通信コイル2bには進行信号が出力され、閉塞区間Dの1つ前にある閉塞区間Cに敷設された通信コイル1c及び通信コイル2cには停止信号が出力される。これにより、後続の車両又は車両群に対して、閉塞区間Bから閉塞区間Cへの進入が許可される一方で、閉塞区間Dへの進入が禁止される。
このように、本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態によれば、所定の距離間隔を空けて車両位置を検知する不連続検知を採用した車両交通システムの場合でも、閉塞制御による衝突・追突回避等の安全性を確保することができる。
ここで、本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態において、車両又は車両群が停止信号を受信したときの動作及び進行信号を受信したときの動作について、さらに詳細に説明する。図4は、本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態における、停止信号を受信した車両の減速・停止・再発進動作を詳細説明するための図である。図4は、先行車両群Yと後続車両群Xが専用道路を走行する一場面(シーン)を時系列で縦に並べて示している。
シーン0において、2台の自動運転車両が隊列を組む先行車両群Yが閉塞区間Dを走行している。また、2台の自動運転車両が隊列を組む後続車両群Xが閉塞区間Bを走行している。先行車両群Yが存在する閉塞区間Dの1つ前にある閉塞区間Cに敷設された通信コイル1cで先行車両群Yの最後尾車両は検出済みであるため、閉塞区間Cの1つ前にある閉塞区間Bに敷設された通信コイル1b及び通信コイル2bのうち少なくとも通信コイル1bからは停止信号が出力される。これにより、後続車両群Xに対して閉塞区間Cへの進入が禁止される。
続いて、シーン1において、後続車両群Xの先頭車両が閉塞区間Bに敷設された通信コイル1b及び通信コイル2bのうち少なくとも通信コイル1bから停止信号を受信すると、その停止信号を受信した後続車両群Xの先頭車両に搭載される車両制御装置は、通信コイル1bから走行方向に所定距離離れた通信コイル2b上に(通信コイル2bと通信可能な所定位置)に自動停止するように、減速制御を開始する。
続いて、シーン2において、減速制御を開始した後続車両群Xの先頭車両は通信コイル2b上で停止することができる。
続いて、シーン3において、閉塞区間Dに敷設された通信コイル1dに先行車両群Yの最後尾車両が到達したことで、閉塞区間Bに敷設された通信コイル1b及び通信コイル2bからは進行信号が出力され、閉塞区間Cに敷設された通信コイル1c及び通信コイル2cのうち少なくとも通信コイル1cからは停止信号が出力される。これにより、後続車両群Xに対して、閉塞区間Bから閉塞区間Cへの進入が許可される一方で、閉塞区間Dへの進入が禁止されるので、後続車両群Xが再発進することができる。
したがって、停止/進行を指示するための通信コイル1と停止後の再発進のために必要な進行を指示するための通信コイル2とを所定間隔空けて別々に設けることで、各々のコイル長を短く設定することが可能である。
すなわち、通信コイルが別々に設けられているのではなく1つ設けられている図5のような車両交通システムでは、車両又は車両群の先頭車両が通信コイルから停止信号を受信した場合に、その停止信号を受信した車両又は車両群がその通信コイル上に(その通信コイルと通信可能な範囲に)自動停止できる長さが、その通信コイルには必要である。停止した車両群の先頭車両が進行信号を受信して再発進するためには、必ず通信コイル上に停止する必要があるからである。つまり、図5に示されるような車両交通システムでは、車両の走行速度や停止までに必要とする制動距離に応じて通信コイルに必要な長さが変動することになる。例えば、走行速度や制動距離が長くなるほど通信コイルは長くなるので、コストアップや保守作業が困難になるなどの弊害が生じるおそれがある。図5に示されるような車両交通システムにおける通信コイルに必要な長さは、通信コイルから送信されたデータの受信確定に必要な通信確定時間とその際の車両速度との積である「通信確定距離」とその際の車両速度から所定の減速度で停止するまでに必要とする「制動距離」と自動運転車両が減速して停止した際の停止位置の精度を示す「停止精度」と設計上必要な「余裕距離」の合計値である。
一方、図4に示されるような本発明に係る車両交通システムの実施形態においては、通信コイル1については、車両通信装置22が路車間通信データを確実に受信できる分の長さだけ敷設すればよく、その設計上の長さは、通信コイル1から送信されたデータの受信確定に必要な通信確定時間とその際の車両速度との積である「通信確定距離」に相当する。また、通信コイル2については、自動運転車両が減速から停止した際に想定される停止位置の誤差を示す「停止精度」に、設計上必要な「余裕距離」を加算した長さでよい。なお、通信コイル1と通信コイル2の間隔については、少なくとも、自動運転車両が出すことができる最高速度で通信コイル1からの停止信号を受信した場合に通信コイル2上で自動停止できるような長さに設定すればよい。
つまり、本発明に係る車両交通システムの実施形態における通信コイルに必要な長さは、図5に示されるような車両交通システムにおける通信コイルに必要な長さに比べ、「制動距離」分だけ短く敷設することが可能となる。
図6は、本発明に係る車両交通システムの実施形態における、通信コイル1と通信コイル2に関する寸法を説明するための図である。図6に示されるように、通信コイル1の長さをlとし、通信コイル2の長さをlとし、通信コイル1と通信コイル2の間隔をlと定義する。
図7は、図4に示される本発明に係る車両交通システムの実施形態及び図5に示されるような通信コイルを分割していない車両交通システムにおける通信コイルのコイル長を比較した表である。図7は、IMTSの設計値や実績値を用いてコイル長を計算した結果である。図5に示されるような通信コイルを分割していない車両交通システムにおける通信コイルのコイル長は、車両速度の二乗に比例して極端に長くなるが、図4に示される本発明に係る車両交通システムの実施形態の通信コイル1に関しては車両速度が増しても十分に敷設可能な長さであり、通信コイル2については一定の長さに抑えることが可能である。なお、通信コイル1の算出に際し、「通信確定時間」を仮に480[msec]とし、通信コイル2の算出に際し、「停止精度+余裕距離」を仮に2.0[m]とする。また、図5に示されるような未分割の通信コイルの算出に際し、仮に減速度を0.1[G]とし、余裕距離を2[m]とする。
図8は、本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態の信号処理フローの一例を示す図である。本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態を示す図4を参照しながら、図8について説明する。
はじめに、衝突防護区間(閉塞区間)B,C,D内のいずれにも車両群が存在していないとする。このとき、通信コイル1a及び2a、通信コイル1b及び2b、並びに、通信コイル1c及び2cに進行信号が出力される(ステップ10,20,30)。
区間Bに進入した先行車両群Yが通信コイル1b又は通信コイル2b上に到達すると、地上通信装置3bは先行車両群Yの先頭車両の車両通信装置22が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3bは、地上保安制御装置10に対して、先頭車両が通信コイル1b又は2b上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3bから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間B内に車両群が存在すると判断し、区間Bの一つ前にある区間A内の通信コイル1a及び2aに停止信号を出力する(ステップ12)。これにより、後続の車両又は車両群に対して区間Bへの進入が禁止される。
その後、通信コイル1b及び通信コイル2bからの進行信号に基づいて区間Cに進入した先行車両群Yが通信コイル1c又は通信コイル2c上に到達すると、地上通信装置3cは先行車両群Yの先頭車両の車両通信装置22が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3bは、地上保安制御装置10に対して、先頭車両が通信コイル1c又は2c上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3cから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間C内に車両群が存在すると判断し、区間Cの一つ前にある区間B内の通信コイル1b及び2bに停止信号を出力する(ステップ22)。これにより、後続の車両又は車両群に対して区間Cへの進入が禁止される。つまり、この時点でたとえ後続車両群Xが区間Bに進入していたとしても、後続車両群Xの先頭車両が通信コイル1b上で停止信号を受信することによって、停止に向けて減速を開始し、その後続車両群Xの先頭車両が通信コイル2b上で停止することができる。
また、通信コイル1b及び通信コイル2bからの進行信号に基づいて区間Cに進入した先行車両群Yの最後尾車両が通信コイル1c上に到達すると、地上通信装置3cは先行車両群Yの最後尾車両の車両通信装置32が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3cは、地上保安制御装置10に対して、最後尾車両が通信コイル1c上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3cから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間B内に車両群が存在しないと判断し、区間Cの2つ前にある区間Aに敷設された通信コイル1a及び通信コイル2aに進行信号を出力する(ステップ14)。
その後、通信コイル1c及び通信コイル2cからの進行信号に基づいて区間Dに進入した先行車両群Yが通信コイル1d又は通信コイル2d上に到達すると、地上通信装置3dは先行車両群Yの先頭車両の車両通信装置22が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3dは、地上保安制御装置10に対して、先頭車両が通信コイル1d又は2d上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3dから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間D内に車両群が存在すると判断し、区間Dの一つ前にある区間C内の通信コイル1c及び2cに停止信号を出力する(ステップ32)。これにより、後続の車両又は車両群に対して区間Dへの進入が禁止される。つまり、この時点でたとえ後続車両群Xが区間Cに進入していたとしても、後続車両群Xの先頭車両が通信コイル1c上で停止信号を受信することによって、停止に向けて減速を開始し、その後続車両群Xの先頭車両が通信コイル2c上で停止することができる。
また、通信コイル1c及び通信コイル2cからの進行信号に基づいて区間Dに進入した先行車両群Yの最後尾車両が通信コイル1d上に到達すると、地上通信装置3dは先行車両群Yの最後尾車両の車両通信装置32が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3dは、地上保安制御装置10に対して、最後尾車両が通信コイル1d上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3dから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間C内に車両群が存在しないと判断し、区間Dの2つ前にある区間Bに敷設された通信コイル1b及び通信コイル2bに進行信号を出力する(ステップ24)。これにより、後続車両群Xの先頭車両が通信コイル2b上で進行信号を受信することにより、先頭車両が通信コイル2b上から再発進する。これにより後続車両群Xは区間Cへの進入が可能になる。
次に、本発明に係る車両交通システムにおいて、上述の第1の実施形態と異なる第2の実施形態について説明する。
図9は、本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態の制御動作の概要を説明するための図である。第1の実施形態と同様の機能や構成については、同一の符号を付与しているため、その説明は省略又は簡略する。本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態は、地上通信装置3に切替回路4を設けている。地上保安制御装置10は、詳細は後述するが、所定の規則に従って通信コイル1と通信コイル2のいずれかを接続先とすることを指示する選択指令を送信し、その選択指令に従って切替回路4が通信対象の通信コイルを切り替える。これによって、シリアル通信ポート又は地上通信装置自体の員数を削減することができる。
通常は、通信コイル1が選択されており、切替回路4によって地上通信装置3と通信コイル1が接続された状態にあり、通信コイル2は非接続の状態である。よって、通常の路車間通信データの送受信は、自動運転車両と通信コイル1間のみで行われる。
車両又は車両群は、路側の通信コイル1及び通信コイル2と通信可能な位置に取り付けられた車載の車両アンテナ21又は31を介して、路車間通信データ(例えば、車両又は車両群毎に付与される車両IDや車両群ID、隊列走行する車両群の各車両の位置関係を示す車両群内順位など)を送信し、地上通信装置3は切替回路4によって切り替え選択された通信コイル1又は通信コイル2を介してそれらの路車間通信データを受信する。また、地上保安制御装置10は、地上通信装置3からの路車間通信データに基づいて、当該通信コイル上の車両の存在を認識し、閉塞区間内の車両又は車両群の有無を判断するとともに、地上通信装置3を介して、切替回路4によって切り替え選択された通信コイル1又は通信コイル2から閉塞区間への進入可否を示す路車間通信データ(例えば、車両の進行を指示する進行信号や車両の停止を指示する停止信号)を送信する。
閉塞区間の車両の走行方向の終端側に並んで敷設された通信コイル1及び通信コイル2のうち走行方向の手前側に存在する通信コイル1を介して停止信号を受信した車両又は車両群の先頭車両は、通信コイル1から走行方向に所定の間隔離れて設置された通信コイル2の上で自動停止するように制動動作を行い、現走行中の閉塞区間の走行方向に隣接する閉塞区間への進入を行わない。通信コイル2の上で自動停止した車両又は車両群の先頭車両は、切替回路4によって切り替えられた通信コイル2を介して進行信号を受信した場合に自動で再発進を行い、その隣接する閉塞区間への進入を行う。
図10は、本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態の全体的な動作の流れを説明するための図である。図10は、車両群が専用道路を走行する一場面(シーン)を時系列で縦に並べて示している。
シーン0において、2台の自動運転車両が隊列を組む車両群が閉塞区間Cを走行している。車両群が存在する閉塞区間Cの1つ前にある閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bで車両群の最後尾車両は検出済みであるため、閉塞区間Bの1つ前にある閉塞区間Aに敷設された通信コイル1aからは停止信号が出力される。これにより、後続の車両又は車両群に対して閉塞区間Bへの進入が禁止される。
続いて、シーン1において、閉塞区間Cに敷設された通信コイル1cに車両群の最後尾車両が到達したことで、閉塞区間B内に車両群が存在しないと認識されるとともに閉塞区間C内に車両群が存在すると認識される。そこで、車両群が存在すると認識された閉塞区間Cの2つ前にある閉塞区間Aに敷設された通信コイル1aには進行信号が出力され、閉塞区間Cの1つ前にある閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bには停止信号が出力される。これにより、後続の車両又は車両群に対して、閉塞区間Aから閉塞区間Bへの進入が許可される一方で、閉塞区間Cへの進入が禁止される。
続いて、シーン2において、車両群が閉塞区間Cを進出して閉塞区間Dを走行している。車両群は閉塞区間Dの通信コイル1dには到達しておらず、この段階では各通信コイルの進行状態はシーン「1」と変わっていない。
続いて、シーン3において、閉塞区間Dに敷設された通信コイル1dに車両群の最後尾車両が到達したことで、閉塞区間C内に車両群が存在しないと認識されるとともに閉塞区間D内に車両群が存在すると認識される。そこで、車両群が存在すると認識された閉塞区間Dの2つ前にある閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bには進行信号が出力され、閉塞区間Dの1つ前にある閉塞区間Cに敷設された通信コイル1cには停止信号が出力される。これにより、後続の車両又は車両群に対して、閉塞区間Bから閉塞区間Cへの進入が許可される一方で、閉塞区間Dへの進入が禁止される。
このように、本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態によれば、所定の距離間隔を空けて車両位置を検知する不連続検知を採用した車両交通システムの場合でも、閉塞制御による衝突・追突回避等の安全性を確保することができる。
ここで、本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態において、車両又は車両群が停止信号を受信したときの動作及び進行信号を受信したときの動作について、さらに詳細に説明する。図11は、本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態における、停止信号を受信した車両の減速・停止・再発進動作を詳細説明するための図である。図11は、先行車両群Yと後続車両群Xが専用道路を走行する一場面(シーン)を時系列で縦に並べて示している。
シーン0において、2台の自動運転車両が隊列を組む先行車両群Yが閉塞区間Dを走行している。また、2台の自動運転車両が隊列を組む後続車両群Xが閉塞区間Bを走行している。先行車両群Yが存在する閉塞区間Dの1つ前にある閉塞区間Cに敷設された通信コイル1cで車両群の最後尾車両は検出済みであるため、閉塞区間Cの1つ前にある閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bからは停止信号が出力される。これにより、後続車両群Xに対して閉塞区間Cへの進入が禁止される。
続いて、シーン1において、閉塞区間Dを先行車両群Xが走行中で、各通信コイルの信号状態は変わらない。後続車両群Xの先頭車両が閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bから停止信号を受信すると、その停止信号を受信した後続車両群Xの先頭車両に搭載される車両制御装置は、通信コイル1bから走行方向に所定距離離れた通信コイル2b上に(通信コイル2bと通信可能な所定位置)に自動停止するように、減速制御を開始する。
続いて、シーン2において、後続車両群Xが進行することにより閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bの通信可能範囲を超えて、通信コイル1bを介して後続車両群Xの先頭車両からの路車間通信データが受信できなくなるため、地上保安制御装置10は後続車両群Xの先頭車両が通信コイル1bから進出したと判断する。
この時点で、後続車両群Xの先頭車両が通信コイル1bから進出したと判断した地上保安制御装置10は、地上通信装置3bに対して通信コイルの接続先を通信コイル1bから通信コイル2bに切り替え指示する信号を出力する。これにより、切替回路4によって、閉塞区間Bにおいて、地上通信装置3bと通信コイル2bが接続された状態となり、地上通信装置3bと通信コイル1bは非接続の状態となる。
続いて、シーン3において、先行車両群Yは閉塞区間Dを走行中である。一方、減速を開始した後続車両群Xの先頭車両は閉塞区間Bに敷設された通信コイル2b上で停止することができる。
続いて、シーン4において、閉塞区間Dに敷設された通信コイル1dに先行車両群Yの最後尾車両が到達したことで、閉塞区間C内に車両群が存在しないと認識されるとともに閉塞区間D内に車両群が存在すると認識される。そこで、閉塞区間Bに敷設された通信コイル2bからは進行信号が出力され、閉塞区間Cに敷設された通信コイル1cからは停止信号が出力される。これにより、後続車両群Xに対して、閉塞区間Bから閉塞区間Cへの進入が許可される一方で、閉塞区間Dへの進入が禁止されるので、後続車両群Xが再発進することができる。
続いて、シーン5において、閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bに後続車両群Xの最後尾車両が到達したことで、閉塞区間A内に車両群が存在しないと認識されるとともに閉塞区間B内に車両群が存在すると認識される。そこで、閉塞区間Aに敷設された通信コイル1aには停止信号が出力される。これにより、後続の車両又は車両群に対して閉塞区間Bへの進入が禁止される。
シーン6において、後続車両群Xが進行することにより閉塞区間Bに敷設された通信コイル2bの通信可能範囲を超えて、通信コイル2bを介して後続車両群Xの最後尾車両からの路車間通信データが受信できなくなるため、地上保安制御装置10は後続車両群Xの最後尾車両が通信コイル2bから進出したと判断する。
この時点で、後続車両群Xの最後尾車両が通信コイル2bから進出したと判断した地上保安制御装置10は、地上通信装置3bに対して通信コイルの接続先を通信コイル2bから通信コイル1bに切り替え指示する信号を出力する。これにより、切替回路4によって、閉塞区間Bにおいて、地上通信装置3bと通信コイル1bが接続された状態となり、地上通信装置3bと通信コイル2bは非接続の状態となる。
したがって、第1の実施形態と同様に、停止/進行を指示するための通信コイル1と停止後の再発進のために必要な進行を指示するための通信コイル2とを所定間隔空けて別々に設けることで、各々のコイル長を短く設定することが可能である。
図12は、本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態の信号処理フローの一例を示す図である。本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態を示す図11を参照しながら、図12について説明する。
はじめに、衝突防護区間(閉塞区間)B,C,D内のいずれにも車両群が存在していないとする。このとき、通信コイル1a,1b及び1cに進行信号が出力されるが、通信コイル2a,2b及び2cには切替回路4によって非接続のため信号の出力はされない(ステップ60,70,80)。
区間Bに進入した先行車両群Yが通信コイル1b上に到達すると、地上通信装置3bは先行車両群Yの先頭車両の車両通信装置22が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3bは、地上保安制御装置10に対して、先頭車両が通信コイル1b上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3bから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間B内に車両群が存在すると判断し、区間Bの一つ前にある区間A内の通信コイル1aに停止信号を出力する(ステップ62)。このとき、通信コイル2aには出力されない。これにより、後続の車両又は車両群に対して区間Bへの進入が禁止される。
その後、通信コイル1bからの進行信号に基づいて区間Cに進入した先行車両群Yが通信コイル1c上に到達すると、地上通信装置3cは先行車両群Yの先頭車両の車両通信装置22が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3cは、地上保安制御装置10に対して、先頭車両が通信コイル1c上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3cから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間C内に車両群が存在すると判断し、区間Cの一つ前にある区間B内の通信コイル1bに停止信号を出力する(ステップ72)。このとき、通信コイル2bには出力されない。これにより、後続の車両又は車両群に対して区間Cへの進入が禁止される。つまり、この時点でたとえ後続車両群Xが区間Bに進入していたとしても、後続車両群Xの先頭車両が通信コイル1b上で停止信号を受信することによって、停止に向けて減速を開始できるようになる。
減速を開始した後続車両群Xがさらに進行することにより閉塞区間Bに敷設された通信コイル1bの通信可能範囲を超えて、通信コイル1bを介して後続車両群Xの先頭車両からの路車間通信データが受信できなくなるため(在線信号が未受信)、地上保安制御装置10は後続車両群Xの先頭車両が通信コイル1bから進出したと判断する。
通信コイル1b上からの進出により、在線信号が受信されなくなるので、通信コイルの接続先が通信コイル1bから通信コイル2bに切り替えられ、通信コイル2bに停止信号が送信される(ステップ74)。このとき、通信コイル1bには出力されない。これにより、後続車両群Xの先頭車が通信コイル2b上で通信コイル2bからの停止信号により停止することができる。
また、通信コイル1bからの進行信号に基づいて区間Cに進入した先行車両群Yの最後尾車両が通信コイル1c上に到達すると、地上通信装置3cは先行車両群Yの最後尾車両の車両通信装置32が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3cは、地上保安制御装置10に対して、最後尾車両が通信コイル1c上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3cから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間B内に車両群が存在しないと判断し、区間Cの2つ前にある区間Aに敷設された通信コイル1aに進行信号を出力する(ステップ64)。このとき、通信コイル2aには出力されない。
その後、通信コイル1cからの進行信号に基づいて区間Dに進入した先行車両群Yが通信コイル1d上に到達すると、地上通信装置3dは先行車両群Yの先頭車両の車両通信装置22が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3dは、地上保安制御装置10に対して、先頭車両が通信コイル1d上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3dから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、区間D内に車両群が存在すると判断し、区間Dの一つ前にある区間C内の通信コイル1cに停止信号を出力する(ステップ80)。このとき、通信コイル2cには出力されない。これにより、後続の車両又は車両群に対して区間Dへの進入が禁止される。つまり、この時点でたとえ後続車両群Xが区間Cに進入していたとしても、後続車両群Xの先頭車両が通信コイル1c上で停止信号を受信することによって、停止に向けて減速を開始できるようになる。
さらに、先行車両群Yの最後尾車両が通信コイル1d上に到達すると、地上通信装置3dは先行車両群Yの最後尾車両の車両通信装置32が送信する路車間通信データを受信する。路車間通信データを受信した地上通信装置3dは、地上保安制御装置10に対して、最後尾車両が通信コイル1d上に存在することを示す在線信号を送信する。地上通信装置3dから在線信号を受信した地上保安制御装置10は、閉塞区間C内に車両群が存在しないと判断し、区間Dの二つ前にある区間Bに敷設された通信コイル2bに進行信号を出力する(ステップ76)。このとき、通信コイル1bには出力されない。これにより、後続車両群Xの先頭車両が通信コイル2b上で進行信号を受信することにより、後続車両群Cが通信コイル2b上から再発進することができる。
再発進した後続車両群Xがさらに進行することにより閉塞区間Bに敷設された通信コイル2bの通信可能範囲を超えて、通信コイル2bを介して後続車両群Xの先頭車両からの路車間通信データが受信できなくなるため(在線信号が未受信)、地上保安制御装置10は後続車両群Xの先頭車両が通信コイル2bから進出したと判断する。
通信コイル2b上からの進出により、在線信号が受信されなくなるので、通信コイルの接続先が通信コイル2bから通信コイル1bに切り替えられ、通信コイル1bに進行信号が送信される(ステップ78)。このとき、通信コイル2bには出力されない。
したがって、上述の本発明に係る車両交通システムによれば、通信コイル1と通信コイル2が分割され、その間に間隔を空けることができるので、通信コイルの通信可能範囲が広くなるように通信コイルの敷設範囲を大きくすることなく、車両の速度増加や車両の制動距離の延長に対応することが可能となる。
また、従来技術の一つの通信コイルの長さに比べ、通信コイル1及び2の合計長さを短くすることができるので、その短い分だけ外的ノイズの影響を受けにくくなる。また、通信コイルのインピーダンスの調整をしやすくなる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、車両群が2台の場合について説明したが、1台の車両でも3台以上の車両群であってもよい。
本発明に係る車両交通システムの実施形態の全体構成を示す図である。 本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態の制御動作の概要を説明するための図である。 本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態の全体的な動作の流れを説明するための図である。 本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態における、停止信号を受信した車両の減速・停止・再発進動作を詳細説明するための図である。 通信コイルが単一の場合の車両交通システムの実施形態を示す図である。 本発明に係る車両交通システムの実施形態における、通信コイル1と通信コイル2に関する寸法を説明するための図である。 図4に示される本発明に係る車両交通システムの実施形態及び図5に示されるような通信コイルを分割していない車両交通システムにおける通信コイルのコイル長を比較した表である。 本発明に係る車両交通システムの第1の実施形態の信号処理フローの一例を示す図である。 本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態の制御動作の概要を説明するための図である。 本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態の全体的な動作の流れを説明するための図である。 本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態における、停止信号を受信した車両の減速・停止・再発進動作を詳細説明するための図である。 本発明に係る車両交通システムの第2の実施形態の信号処理フローの一例を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c,1d,2,2a,2b,2c,2d 通信コイル
3,3a,3b,3c,3d 地上通信装置
4 切替回路
10 地上保安制御装置
20,30 車両
21,31 車両アンテナ
22,32 車両通信装置
23,33 車両制御装置
X 後続車両群
Y 先行車両群

Claims (7)

  1. 自動運転が可能な車両が複数の閉塞区間に分割された走行路を走行する車両交通システムであって、
    前記車両を停止させる停止信号を送信する第1の通信装置及び前記車両を進行させる進行信号を送信する第2の通信装置が、前記複数の閉塞区間内の前記車両の走行方向の終端側のそれぞれに敷設され、
    前記第1の通信装置は前記第2の通信装置の前記車両の進行方向の手前に所定間隔空けて敷設されており、
    前記第1の通信装置からの停止信号を受信した前記車両が、該第1の通信装置と同じ閉塞区間内の前記車両の走行方向の終端側に敷設された前記第2の通信装置からの進行信号を受信可能な範囲に停止するように当該車両の走行を制御する車両走行制御手段を備える、ことを特徴とする車両交通システム。
  2. 前記車両走行制御手段は、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置に切替回路を介して接続されるものであって、
    前記停止信号が前記第1の通信装置から送信された後、前記車両走行制御手段の接続先が前記切替回路によって前記第1の通信装置から前記第2の通信装置に切り替えられて、前記進行信号が前記第2の通信装置から送信される、請求項1に記載の車両交通システム。
  3. 請求項1又は2に記載の車両交通システムであって、
    前記車両は単独、または複数の車両から編成された車両群であり、
    前記第1の通信装置が該第1の通信装置の通信可能範囲に前記車両群の先頭車両が存在していることを示し得る先頭車両在線信号を受信した場合、前記先頭車両在線信号を受信した前記第1の通信装置が敷設される閉塞区間の一つ前にある閉塞区間に敷設される前記第1の通信装置は、前記停止信号を送信し、
    前記第1の通信装置が該第1の通信装置の通信可能範囲に前記車両群の最後尾車両が存在していることを示し得る最後尾車両在線信号を受信した場合、前記最後尾車両在線信号を受信した前記第1の通信装置が敷設される閉塞区間の二つ前にある閉塞区間に敷設される前記第の通信装置は、前記進行信号を送信する、車両交通システム。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の車両交通システムであって、
    前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置は、通信アンテナである、車両交通システム。
  5. 請求項に記載の車両交通システムであって、
    前記通信アンテナは、前記走行路に埋設されるループアンテナである、車両交通システム。
  6. 複数の閉塞区間に分割された走行路を走行する自動運転が可能な車両の走行を制御する車両用走行制御装置であって、
    前記閉塞区間内の前記車両の走行方向の終端側に敷設された第1の通信装置から前記車両を停止させる停止信号を前記車両が受信したときに、前記第1の通信装置と同じ閉塞区間内の前記車両の走行方向の終端側に敷設される第2の通信装置であって前記第1の通信装置よりも進行方向前方側に所定間隔空けて敷設されるものの通信可能範囲に前記車両を停止するように制御し、
    前記第2の通信装置から前記車両を進行させる進行信号を前記車両が受信したときに、前記車両を発進させるように制御する、ことを特徴とする車両用走行制御装置。
  7. 前記進行信号は、前記停止信号が前記第1の通信装置から送信された後、路側の通信装置が前記第1の通信装置から前記第2の通信装置に切り替えられて、前記第2の通信装置から送信される信号である、請求項6に記載の車両用走行制御装置。
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