JP4899114B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体集積回路の近傍に実装し、半導体集積回路の高周波領域における安定動作に寄与するデカップリングキャパシタに適用して好適な固体電解コンデンサに関する。
高周波電圧で駆動するLSIにおいては、同時スイッチングにより発生する電源電圧の変動(同時スイッチングノイズ)による誤動作を防止するため、ノイズを吸収するいわゆるデカップリングコンデンサを電源系に並列に挿入し、電源系のインピーダンスを低下させる方法が用いられている。
電源系のインピーダンスZは、以下の(1) 式で表される。
Z∝V/n・i・f ・・・(1)
Z:電源系のインピーダンス
V:駆動電圧
n:LSI当たりの素子数
i:スイッチング電流
f:駆動周波数
LSIの低電圧化、素子の高集積化、高周波数化の進展により、要求されるインピーダンスは、急激に低下している。また、デカップリングコンデンサのインピーダンスは以下の(2)式で表される。
Z=2πfL+(1/2πfC)+R ・・・(2)
L:コンデンサのインダクタンス
C:コンデンサの容量
R:コンデンサの直流抵抗
特開2003−133507号公報
低インピーダンスを得るには、デカップリングコンデンサの低インダクタンス化と大容量化が必要である。インピーダンスの急激な低下、更にはデバイスの高周波化により、デカップリングキャパシタの大幅な大容量及び低インダクタンスが要求されている。特に、例えば100MHz以上の高周波で駆動するデカップリングコンデンサについて、深刻な状況となりつつある。通常、デカップリングコンデンサは、LSIの周辺に積層セラミックコンデンサを配置する方法が一般的に用いられている。しかしながら、動作周波数が数百MHz程度まで高くなると、積層セラミックコンデンサではインダクタンスが大きく、対応しきれなくなる。
バイパスコンデンサの低インダクタンス化を狙い、高誘電率のセラミック薄膜を絶縁基板上に形成してなる薄膜コンデンサが提案されている。薄膜コンデンサは、半導体プロセスが利用でき、ハンダバンプによる表面実装が可能であるため、バンプピッチを短くして、低インダクタンス化を図ることができる。しかしながら、薄膜コンデンサでは、積層セラミックコンデンサ並みの容量を得ることは困難である。
また、半導体素子及びキャパシタ等を備えたいわゆるシステムインパッケージにおいて、大容量化を図るデカップリングコンデンサが案出されされている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、未だ十分な容量を得るには至っていない。
このような背景の下、複数のバンプを同一平面に狭ピッチで形成することで、低インダクタンスと大容量を両立する平面型の固体電解コンデンサが案出されている。
しかしながら固体電解コンデンサでも、更なる大容量が要求されており、これに応える新たな手法が模索されている現況にある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、インダクタンスを増加させることなく、更なる大容量を得ることを可能とする信頼性の高い平面状の固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明の固体電解コンデンサは、弁金属からなる第1の導電層と、前記第1の導電層の少なくとも表面及び裏面を覆い、電気的に一体化されてなる第2の導電層と、前記第1の導電層が陽極酸化されてなり、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間に設けられた誘電体膜と、前記第1の導電層の表面側における同一平面上に形成された、前記第1の導電層と電気的に導通する複数の第1の電極パッド及び前記第2の導電層と電気的に導通する複数の第2の電極パッドとを含み、前記第1の導電層、前記誘電体膜及び前記第2の導電層を含む積層体が複数積層されており、複数の前記積層体のうち、最表面部に位置する前記積層体に前記第1の電極パッドが接続形成されるとともに、隣接する前記積層体の前記第2の導電層同士が電気的に接続されており、複数の前記積層体のうち、前記最表面部に位置する前記積層体以外の前記積層体において、前記各第1の導電層の端部が、前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドと同一平面上に設けられた第3の電極パッドと一体接続されてなる
本発明によれば、インダクタンスを増加させることなく、更なる大容量を得ることを可能とする信頼性の高い平面状の固体電解コンデンサが実現する。
図1Aは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図1Bは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図2は、第1の実施形態による固体電解コンデンサの周波数特性を比較例と共に示す特性図である。 図3Aは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図3Bは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図3Cは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図3Dは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図3Eは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図4Aは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図4Bは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図4Cは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図5は、第1の実施形態の変形例による固体電解コンデンサの周波数特性を比較例と共に示す特性図である。 図6−1Aは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図4Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図6−1Bは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図4Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図6−1Cは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図4Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図6−1Dは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図4Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図6−1Eは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図4Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図6−2Aは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図4Aの破線II−IIに沿った断面に相当する。)である。 図6−2Bは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図4Aの破線II−IIに沿った断面に相当する。)である。 図7Aは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図7Bは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図7Cは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図8は、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサにおける概略構成の他の例を示す概略平面図である。 図9Aは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサにおける概略構成の他の例を示す模式図である。 図9Bは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサにおける概略構成の他の例を示す模式図である。 図9Cは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサにおける概略構成の他の例を示す模式図である。 図10は、第2の実施形態による固体電解コンデンサの周波数特性を比較例と共に示す特性図である。 図11Aは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図11Bは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図11Cは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図11Dは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。 図12Aは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図12Bは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図12Cは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図である。 図13Aは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサにおける概略構成の他の例を示す模式図である。 図13Bは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサにおける概略構成の他の例を示す模式図である。 図13Cは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサにおける概略構成の他の例を示す模式図である。 図14は、第2の実施形態の変形例による固体電解コンデンサの周波数特性を比較例と共に示す特性図である。 図15−1Aは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図12Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図15−1Bは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図12Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図15−1Cは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図12Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図15−1Dは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図12Aの破線I−Iに沿った断面に相当する。)である。 図15−2Aは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図12Aの破線II−IIに沿った断面に相当する。)である。 図15−2Bは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図12Aの破線II−IIに沿った断面に相当する。)である。 図15−2Cは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図12Aの破線II−IIに沿った断面に相当する。)である。 図15−2Dは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図(図12Aの破線II−IIに沿った断面に相当する。)である。
−本発明の基本骨子−
本発明者は、複数の電極パッド(及びバンプ)が同一平面に狭ピッチで形成されてなる、いわゆる多端子平面型の固体電解コンデンサにおいて、更なる大容量を得るべく鋭意検討した結果、本発明に想到した。
本発明による平面型の固体電解コンデンサでは、弁金属からなる第1の導電層(陽極)の表面のみならず裏面も容量結合に利用する。具体的に、本発明の平面型の固体電解コンデンサにおける基本構成は、第1の導電層の少なくとも表面及び裏面が陽極酸化膜である誘電体膜を介して第2の導電層で覆われ、第1の導電層の表面側における同一平面上に当該第1の導電層と電気的に導通する複数の第1の電極パッド及び前記第2の導電層と電気的に導通する複数の第2の電極パッドが設けられるものである。
当該基本構成では、第1の導電層の表面側では多端子平面型の固体電解コンデンサとして機能し、裏面側では無端子平面型の固体電解コンデンサとして機能することになる。この構成を採ることにより、インダクタンスを損なうことなく、陽極層の片面のみを容量結合に利用する場合と比較して、同じ占有面積で2倍以上の容量を得ることができる。
−本発明を適用した具体的な諸実施形態−
以下、本発明を適用した好適な諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
[固体電解コンデンサの構成]
図1A,図1Bは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図であり、図1Aが平面図、図1Bが図1Aの破線I−Iに沿った断面図である。
本実施形態による固体電解コンデンサは、弁金属からなる陽極として機能する第1の導電層1と、第1の導電層1の表面が陽極酸化されてなる誘電体膜2を介して、第1の導電層1の表面1a、側面1c及び裏面1bにかけて覆う、陰極として機能する第2の導電層3とを有し、第1の導電層1と第2の導電層3とが容量結合してなるキャパシタ部10を備える。
キャパシタ部10には、第1の導電層1の表面1a側において、第2の導電層3及び誘電体膜2を貫通して第1の導電層1の表面1aを露出させる複数の開孔11が形成されており、当該キャパシタ部10の全体を絶縁物で覆う保護層4が形成されている。
第1の導電層1の表面1a側において、保護層4(及び不図示のバリア層)の開孔11に位置整合する部位に第1の導電層1の表面1aを露出させる第1の接続孔12が、保護層4の隣接する開孔11間の部位に第2の導電層3の表面を露出させる第2の接続孔13がそれぞれ形成されている。そして、第1の接続孔12を介して第1の導電層1と電気的に接続される第1の電極パッド5と、第2の接続孔13を介して第2の導電層3と電気的に接続される第2の電極パッド6とが形成され、各電極パッド5,6上にハンダバンプ7が形成されて、固体電解コンデンサが構成される。ここで、各電極パッド5,6(及びハンダバンプ7)は、保護層4の表面である同一平面上に、マトリクス状に配設されている。
本実施形態の固体電解コンデンサでは、第1の導電層1の表面1a側では多端子平面型の固体電解コンデンサ(コンデンサAとする)として機能し、裏面1b側では無端子平面型の固体電解コンデンサ(コンデンサBとする)として機能することになる。この構成を採ることにより、インダクタンスの増加を抑えつつ、陽極層の片面のみを容量結合に利用する場合と比較して、同じ占有面積で2倍以上の容量を得ることができる。
またこの場合、第2の導電層3は言わば電気的に一体形成されているため、第1の電極パッド5と並設される第2の電極パッド6のみにより第2の導電層3の電気的導通をとる、比較的簡素な構成とすることができる。
ここで、本実施形態による固体電解コンデンサの周波数特性について、従来の陽極層の片面のみを容量結合に利用する多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサとを単純に並列接続したコンデンサとの比較に基いて調べてみた。その結果を図2に示す。図2のように、本実施形態による固体電解コンデンサでは、多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサに比べて、中間周波数における周波数特性が大幅に改善されていることが判る。これは、本実施形態による固体電解コンデンサでは、コンデンサA,Bにおいて陽極パッドである第2の電極パッド6が共通化されていることに起因するものである。
このように、本実施形態によれば、インダクタンスの増加を抑えつつ、陽極層の片面のみを容量結合に利用する場合と比較して、同じ占有面積で2倍以上の容量を得ることができる。
[固体電解コンデンサの製造方法]
以下、上記構成の固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
図3A〜図3Eは、第1の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。
先ず、図3Aに示すように、第1の導電層1の表面1a上にレジストパターン21を形成する。
詳細には、弁金属、ここでは例えば厚み100μm程度のアルミニウム(Al)箔を第1の導電層1として用い、この第1の導電層1の表面1a上にレジストを塗布し、これをパターニングして、陽極端子である第1の電極パッド5の形成部位に、例えば400μmピッチで200μm径のレジストパターン21を形成する。ここで、第1の導電層1の弁金属としては、粗面化処理及び表面の陽極酸化が可能な金属であれば良く、Alの代わりに、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、更にはこれらの合金等も使用可能である。また、銅をコア材にして表面にAl箔を張り合わせた積層板等を第1の導電層1して用いても良い。
続いて、図3Bに示すように、誘電体膜2及び第2の導電層3を順次形成する。
詳細には、先ず、例えば塩酸水溶液中で第1の導電層1を電解エッチングし、第1の導電層1の表面1a及び裏面1bを粗面化する。その後、例えばアジピン酸アンモニウム水溶液中で表面1a(レジストパターン21下の部分を除く)、側面1c及び裏面1bを陽極酸化し、表面1a(レジストパターン21下の部分を除く)、側面1c及び裏面1bに、即ち第1の導電層1の露出部分に陽極酸化膜を形成する。この陽極酸化膜が誘電体膜2となる。
次に、誘電体膜2の露出面上に、例えばピロールモノマーを含む水溶液を塗布、重合、乾燥を数回繰り返し、ポリピロールからなる導電性高分子層(不図示)を形成する。導電性高分子としては、一般的な電解コンデンサに使用される各種材料が適用可能であり、例えばポリピロール以外にも、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)、ポリチオフェン、ポリアニリン等を用いることができる。
更に、導電性高分子層上に銀ペーストを塗布して、電極層となる銀層(不図示)を形成する。導電性高分子上に形成する電極層については、銀ペースト以外にも、カーボンペースト、Cu,Ni,金(Au)等の金属メッキ膜、蒸着膜、スパッタリング膜を形成しても良い。
導電性高分子層及び銀層の積層体が第2の導電層3となる。
そして、レジストパターン21を除去する。以上により、第1の導電層1と、誘電体膜2を介して第1の導電層1の表面1a、側面1c及び裏面1bにかけて覆う、陰極として機能する第2の導電層3とを備え、第1の導電層1と第2の導電層3とが容量結合してなるキャパシタ部10が完成する。
続いて、図3Cに示すように、キャパシタ部10を包含するように覆う保護層4を形成する。
詳細には、第1の導電層1の表面1aのレジストパターン21が除去された部位にSiO膜からなるバリア層(不図示)を例えばCVD法により形成した後、例えばポリイミドを材料として用い、キャパシタ部10を包含するように保護層4をする。
続いて、図3Dに示すように、保護層4(及びバリア層)に第1の接続孔12及び第2の接続孔13をそれぞれ形成する。
詳細には、所定のレーザを用いて、保護層4(及びバリア層)の開孔11に位置整合する部位に第1の導電層1の表面1aを露出させる第1の接続孔12を、保護層4の隣接する開孔11間の部位に第2の導電層3の表面を露出させる第2の接続孔13をそれぞれ形成する。
続いて、図3Eに示すように、第1の電極パッド5及び第2の電極パッド6、並びにハンダバンプ7を形成する。
詳細には、例えばニッケル(Ni)メッキにより、第1の接続孔12及び第2の接続孔13を埋め込み表面1a上で例えば円板上となる第1の電極パッド5及び第2の電極パッド6を形成する。その後、各電極パッド5,6の円板上にハンダバンプ7を形成する。
しかる後、例えば全面に耐水性バリア膜として例えばSiO膜を形成し、多端子平面型の固体電解コンデンサを完成させる。
ここで、耐水性バリア膜としては、SiO膜の代わりにSi膜、Al膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜等も適用できる。また、使用方法によっては耐水性バリア膜を形成しなくても良い場合もある。
また、上記の製造プロセスにおいては、各接続孔12,13を形成するに際して、初めに第1の導電層1にレジストパターン21を形成する場合を例示したが、保護層4の形成後等に孔開け加工を行うようにしても良い。
上記のようにして形成した、例えば5mm角の固体電解コンデンサを、電気特性評価用の基板にハンダバンプ実装し、ネットワークアナライザを用いて電気特性を評価した結果、以下の特性を得た。ここで、ESRは等価直列抵抗、ESLは等価直列インダクタンスである。
静電容量:25μF
ESR :0.5mΩ
ESL :4pH
この評価対象とした固体電解コンデンサのインピーダンス特性を示した図が図2となる。従来の陽極層の片面のみを容量結合に利用する多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサとを単純に並列接続したコンデンサに比べて、1MHz付近のインピーダンスが低くなっており、より広い周波数帯域で低インピーダンスを確保できることが判る。
[変形例]
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。本例では、第1の実施形態と同様に多端子平面型の固体電解コンデンサ及びその製造方法を開示するが、キャパシタ部の構造が若干異なる点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態と同様の構成部材等については同符号を付す。
[固体電解コンデンサの構成]
図4A〜図4Cは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図であり、図4Aが平面図、図4Bが図4Aの破線I−Iに沿った断面図、図4Cが図4Aの破線II−IIに沿った断面図である。
本例による固体電解コンデンサは、弁金属からなる陽極として機能する第1の導電層1と、第1の導電層1の表面が陽極酸化されてなる誘電体膜2を介して、第1の導電層1の表面1a及び裏面1bをそれぞれ覆う、陰極として機能する第2の導電層3とを有し、第1の導電層1と第2の導電層3とが容量結合してなるキャパシタ部20を備える。
第1の導電層1には、各電極パッド5,6と異なる位置に複数の貫通孔1dが形成されており、誘電体膜2が各貫通孔1dの内壁面を覆うように形成されるとともに、第2の導電層3が誘電体膜2を介して各貫通孔1dの内壁面を覆うように形成される。この構成により、第2の導電層3が全体として電気的に一体接続される。
キャパシタ部20には、第1の導電層1の表面1a側において、第2の導電層3及び誘電体膜2を貫通して第1の導電層1の表面1aを露出させる複数の開孔11が形成されており、当該キャパシタ部20の全体を絶縁物で覆う保護層4が形成されている。
第1の導電層1の表面1a側において、保護層4(及び不図示のバリア層)の開孔11に位置整合する部位に第1の導電層1の表面1aを露出させる第1の接続孔12が、保護層4の隣接する開孔11間の部位に第2の導電層3の表面を露出させる第2の接続孔13がそれぞれ形成されている。そして、第1の接続孔12を介して第1の導電層1と電気的に接続される第1の電極パッド5と、第2の接続孔13を介して第2の導電層3と電気的に接続される第2の電極パッド6とが形成され、各電極パッド5,6上にハンダバンプ7が形成されて、固体電解コンデンサが構成される。ここで、各電極パッド5,6(及びハンダバンプ7)は、保護層4の表面である同一平面上に、マトリクス状に配設されている。
本例の固体電解コンデンサでは、第1の導電層1の表面1a側では多端子平面型の固体電解コンデンサ(コンデンサAとする)として機能し、裏面1b側では無端子平面型の固体電解コンデンサ(コンデンサBとする)として機能することになる。この構成を採ることにより、インダクタンスを損なうことなく、陽極層の片面のみを容量結合に利用する場合と比較して、同じ占有面積で2倍以上の容量を得ることができる。
ここで、第2の導電層3における、当該第2の導電層3内を通る距離(「層内距離」と言う)を考える。第1の実施形態による固体電解コンデンサでは、第2の導電層3において、その裏面1b側の例えば中央部位から側面1cの部分を通って最も近い位置である端部の第2の電極パッド6に至るまでの層内距離は、キャパシタ面積が大きくなるほど長大化し、コンデンサBとしてのインダクタンスが大きくなる。本例の固体電解コンデンサでは、第1の導電層1に複数の貫通孔1dが適宜形成されているため、裏面1b側の部分と当該部分から最も近い位置にある第2の電極パッド6までの層内距離は、貫通孔1dを通る経路が形成されることにより極めて短くなり、インダクタンスが大幅に低減する。
本例による固体電解コンデンサの周波数特性について、従来の陽極層の片面のみを容量結合に利用する多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサとを単純に並列接続したコンデンサとの比較に基いて調べてみた。その結果を図5に示す。図5のように、本例による固体電解コンデンサでは、多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサに比べて、中間周波数における周波数特性が更に大幅に改善されていることが判る。これは、本例による固体電解コンデンサでは、コンデンサA,Bにおいて陽極パッドである第2の電極パッド6が共通化されていることに加え、貫通孔1dにより表裏面の第2の導電層3を接続することにより更にインダクタンスが低減したことに起因するものである。
このように、本実施形態によれば、更なるインダクタンスの低減を実現するも、陽極層の片面のみを容量結合に利用する場合と比較して、同じ占有面積で2倍以上の容量を得ることができる。
[固体電解コンデンサの製造方法]
以下、上記構成の固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
図6−1A〜図6−1E及び図6−2A,図6−2Bは、第1の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図であり、図6−1A〜図6−1Eが図4Aの破線I−Iに沿った断面に、図6−2A,図6−2Bが図4Aの破線II−IIに沿った断面にそれぞれ相当する。
先ず、図6−1A及び図6−2Aに示すように、第1の導電層1の所定部位に複数の貫通孔1dを形成した後、第1の導電層1の表面1a上にレジストパターン21を形成する。
詳細には、先ず、第1の導電層1の所定部位(但し、各電極パッド5,6の形成部位以外の部位)に例えばパンチングにより複数の貫通孔1dを、内壁面に誘電体膜2を形成しても孔内が閉塞しない程度に大きい径、例えば100μm径に形成する。
次に、弁金属、ここでは例えば厚み100μm程度のアルミニウム(Al)箔を第1の導電層1として用い、この第1の導電層1の表面1a上にレジストを塗布し、これをパターニングして、陽極端子である第1の電極パッド5の形成部位に、例えば400μmピッチで200μm径のレジストパターン21を形成する。ここで、第1の導電層1の弁金属としては、粗面化処理及び表面の陽極酸化が可能な金属であれば良く、Alの代わりに、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、更にはこれらの合金等も使用可能である。また、銅をコア材にして表面にAl箔を張り合わせた積層板等を第1の導電層1として用いても良い。
続いて、図6−1B及び図6−2Bに示すように、誘電体膜2及び第2の導電層3を順次形成する。
詳細には、先ず、例えば塩酸水溶液中で第1の導電層1を電解エッチングし、第1の導電層1の表面1a及び裏面1bを粗面化する。その後、例えばアジピン酸アンモニウム水溶液中で表面1a(レジストパターン21下の部分を除く)、側面1c及び裏面1bを陽極酸化し、表面1a(レジストパターン21下の部分を除く)、側面1c及び裏面1b、並びに各貫通孔1dの内壁面に、即ち第1の導電層1の露出部分に陽極酸化膜を形成する。この陽極酸化膜が誘電体膜2となる。
次に、誘電体膜2の露出面上に、例えばピロールモノマーを含む水溶液を塗布、重合、乾燥を数回繰り返し、ポリピロールからなる導電性高分子層(不図示)を形成する。導電性高分子としては、一般的な電解コンデンサに使用される各種材料が適用可能であり、例えばポリピロール以外にも、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)、ポリチオフェン、ポリアニリン等を用いることができる。
更に、導電性高分子層上に銀ペーストを塗布して、電極層となる銀層(不図示)を形成する。導電性高分子上に形成する電極層については、銀ペースト以外にも、カーボンペースト、Cu,Ni,金(Au)等の金属メッキ膜、蒸着膜、スパッタリング膜を形成しても良い。
導電性高分子層及び銀層の積層体が第2の導電層3となる。
そして、レジストパターン21を除去し、第1の導電層1の側面に存する第2の導電層3及び誘電体膜2を切断除去する。なお、図示の例では当該切断除去後の場合を例示するが、この切断除去工程を行わなくても良い。以上により、第1の導電層1と、誘電体膜2を介して第1の導電層1の表面1及び裏面1b、並びに各貫通孔1dの内壁面を覆う、陰極として機能する第2の導電層3とを備え、第1の導電層1と第2の導電層3とが容量結合してなるキャパシタ部20が完成する。
続いて、図6−1Cに示すように、キャパシタ部10を包含するように覆う保護層4を形成する。
詳細には、第1の導電層1の表面1aのレジストパターン21が除去された部位にSiO膜からなるバリア層(不図示)を例えばCVD法により形成した後、例えばポリイミドを材料として用い、キャパシタ部20を包含するように保護層4をする。
続いて、図6−1Dに示すように、保護層4(及びバリア層)に第1の接続孔12及び第2の接続孔13をそれぞれ形成する。
詳細には、所定のレーザを用いて、保護層4(及びバリア層)の開孔11に位置整合する部位に第1の導電層1の表面1aを露出させる第1の接続孔12を、保護層4の隣接する開孔11間の部位に第2の導電層3の表面を露出させる第2の接続孔13をそれぞれ形成する。
続いて、図6−1Eに示すように、第1の電極パッド5及び第2の電極パッド6、並びにハンダバンプ7を形成する。
詳細には、例えばニッケル(Ni)メッキにより、第1の接続孔12及び第2の接続孔13を埋め込み表面1a上で例えば円板上となる第1の電極パッド5及び第2の電極パッド6を形成する。その後、各電極パッド5,6の円板上にハンダバンプ7を形成する。
しかる後、例えば全面に耐水性バリア膜として例えばSiO膜を形成し、多端子平面型の固体電解コンデンサを完成させる。
ここで、耐水性バリア膜としては、SiO膜の代わりにSi膜、Al膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜等も適用できる。また、使用方法によっては耐水性バリア膜を形成しなくても良い場合もある。
また、上記の製造プロセスにおいては、各接続孔12,13を形成するに際して、初めに第1の導電層1にレジストパターン21を形成する場合を例示したが、保護層4の形成後等に孔開け加工を行うようにしても良い。
上記のようにして形成した、例えば10mm角の固体電解コンデンサを、電気特性評価用の基板にハンダバンプ実装し、ネットワークアナライザを用いて電気特性を評価した結果、以下の特性を得た。
静電容量:100μF
ESR :0.2mΩ
ESL :1pH
この評価対象とした固体電解コンデンサのインピーダンス特性を示した図が図5となる。従来の陽極層の片面のみを容量結合に利用する多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサとを単純に並列接続したコンデンサに比べて、300kHz〜10MHzにかけてのインピーダンスが低くなっており、より広い周波数帯域で低インピーダンスを確保できることが判る。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に多端子平面型の固体電解コンデンサ及びその製造方法を開示するが、キャパシタ部を積層構造とする点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態と同様の構成部材等については同符号を付す。
[固体電解コンデンサの構成]
図7A〜図7Cは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図であり、図7Aが平面図、図7Bが図7Aの破線I−Iに沿った断面図、図7Cが図7Aの破線II−IIに沿った断面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成部材等については同符号を付す。
本実施形態による固体電解コンデンサは、複数層(図示の例では3層)のキャパシタ部31が積層されてなる、キャパシタ積層体30を備える。
各キャパシタ部31は、弁金属からなる陽極として機能する第1の導電層1と、第1の導電層1の表面が陽極酸化されてなる誘電体膜2を介して第1の導電層1を覆う、陰極として機能する第2の導電層3とを有し、第1の導電層1と第2の導電層3とが容量結合するように構成されている。第2の導電層3は、誘電体膜2を介して、第1の導電層1の表面1a及び裏面1bをそれぞれ覆う(図7B参照)とともに、第1の導電層1の表面1a、側面1c及び裏面1bにかけて覆う(図7C参照)ように形成されており、全体として電気的に一体接続されている。
隣接するキャパシタ部31間には導電材料からなる接続電極22が設けられている。隣接するキャパシタ部31のうち、一方のキャパシタ部31の第2の導電層3の裏面側部分と、他方のキャパシタ部31の第2の導電層3の表面側部分とが接続電極22により電気的に接続される。この構成により、キャパシタ積層体30では、各キャパシタ部31の第2の導電層3が全体として電気的に一体接続されたものとなる。キャパシタ積層体30には、その全体を絶縁物で覆う保護層23が形成されている。
キャパシタ積層体30において、最表面部(図7A,図7Bでは最下部)のキャパシタ部31には、第1の導電層1の表面1a側において、第2の導電層3及び誘電体膜2を貫通して第1の導電層1の表面1aを露出させる複数の開孔11が形成されている。
最表面部のキャパシタ部31には、第1の導電層1の表面1a側において、保護層23(及び不図示のバリア層)の開孔11に位置整合する部位に第1の導電層1の表面1aを露出させる第1の接続孔12が、保護層23の隣接する開孔11間の部位に第2の導電層3の表面を露出させる第2の接続孔13がそれぞれ形成されている。そして、第1の接続孔12を介して第1の導電層1と電気的に接続される第1の電極パッド5と、第2の接続孔13を介して第2の導電層3と電気的に接続される第2の電極パッド6とが形成され、各電極パッド5,6上にハンダバンプ7が形成されて、固体電解コンデンサが構成される。ここで、各電極パッド5,6(及びハンダバンプ7)は、保護層23の表面である同一平面上に、マトリクス状に配設されている。
また、最表面部を除く各キャパシタ部31(図示の例では2層目及び3層目)では、各第1の導電層1の両端部にリード1Aがそれぞれ設けられており、最端部の各電極パッド5,6に隣接して保護層23の表面である同一平面上に配設された第3の電極パッド8と各第1の導電層1とが各リード1Aを介して電気的に接続されている。第3の電極パッド8上にもハンダバンプ7が形成されている。
ここで、図7Aでは、電極パッド5,6のマトリクスにおける各行毎に一対の第3の電極パッド8を配設する場合を例示したが、例えば図8のように、当該マトリクスにおける全行に共通するように保護層23上でライン形状に延在する一対の第3の電極パッド9を配設し、構成の簡略化を図るようにしても良い。
また、図9A〜図9C(図9Aが平面図、図9Bが図9Aの破線I−Iに沿った断面図、図9Cが図9Aの破線II−IIに沿った断面図)に示すように、第3の電極パッド8の配設を省略し、最表面部を除く各キャパシタ部31における各第1の導電層1の両端部に設けられた各リード1Aを、保護層23内で各端部毎にまとめて接続し(図示の例では、当該マトリクスにおける各行毎に各端部でまとめて接続し)、更なる構成の簡略化及びキャパシタ占有面積の縮小化を図るようにしても好適である。
本実施形態の固体電解コンデンサは、キャパシタ積層体30において、最表面部のキャパシタ部31では、第1の導電層1の表面1a側では多端子平面型の固体電解コンデンサ(コンデンサAとする)として機能し、裏面1b側では無端子平面型の固体電解コンデンサ(コンデンサBとする)として機能する。そして、最表面部を除く各キャパシタ部31では、表面1a側及び裏面1b側の双方において、無端子平面型の固体電解コンデンサ(それぞれコンデンサCとする)として機能することになる。この構成を採ることにより、インダクタンスの増加を抑えつつ、同じ占有面積で第1の実施形態による固体電解コンデンサのキャパシタ積層数倍以上(図示の例では3倍以上)の容量を得ることができる。これは、通常の陽極層の片面のみを容量結合に利用する固体電解コンデンサとの比較では、キャパシタ積層数×2倍以上(図示の例では6倍以上)の大容量となる。
またこの場合、各第2の導電層3は言わば全体で電気的に一体形成されているため、最表面部のキャパシタ部31において、第1の電極パッド5と並設される第2の電極パッド6のみにより第2の導電層3の電気的導通をとる、比較的簡素な構成とすることができる。
ここで、本実施形態による固体電解コンデンサの周波数特性について、従来の陽極層の片面のみを容量結合に利用する多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサとを単純に並列接続したコンデンサとの比較に基いて調べてみた。その結果を図10に示す。図10のように、本実施形態による固体電解コンデンサでは、多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサに比べて、中間周波数における周波数特性が大幅に改善されていることが判る。これは、本実施形態による固体電解コンデンサでは、コンデンサA,B,Cにおいて陽極パッドである第2の電極パッド6が共通化されていることに起因するものである。
このように、本実施形態によれば、インダクタンスの増加を抑えつつ、陽極層の片面のみを容量結合に利用する場合と比較して、同じ占有面積で極めて大きい容量を得ることができる。
[固体電解コンデンサの製造方法]
以下、上記構成の固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
図11A〜図11Dは、第2の実施形態による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図である。なおここでは、作製の容易性等を考慮して、図7A〜図7Cとは若干異なる構成例で説明する。
本実施形態では、図11Aに示すように、第1の接続孔12、第2の接続孔13及びを介して第1の電極パッド5、第2の電極パッド6及び第3の電極パッド8がマトリクス状に配設され、更に当該マトリクスの両端部で第3の接続孔33を介して第3の電極パッド8が配設されてなるプリント基板32を用いる。各電極パッド5〜7は、同一平面上に隣接して配設されている。勿論、所定の基板に、第1の接続孔12及び第2の接続孔13、及び第1の電極パッド5及び第2の電極パッド6をマトリクス状に形成し、更に第3の接続孔33及び第3の電極パッド8を形成して、当該基板を以下の諸工程に供するようにしても良い。
なお、プリント基板の代わりに、セラミック基板又はガラス基板等を用いても良い。
初めに、図11Bに示すように、最表面部のキャパシタ部31を形成し、プリント基板32に接続する。
詳細には、先ず、第1の実施形態における図3A,図3Bと同様の工程により、最表面部のキャパシタ部31を形成する。そして、この最表面部のキャパシタ部31を、各開孔11から露出する第1の導電層1の表面1aの部分が第1の電極パッド5と、第2の導電層3の表面の部分が第2の電極パッド6と電気的に接続されるように、例えば導電性接着剤33によりプリント基板32に貼り合せる。
続いて、図11Cに示すように、最表面部のキャパシタ部31上に、電極パッドのないキャパシタ部31を接続電極22を介して複数(図示の例では2層)積層する。
詳細には、先ず、両端部にリード1Aをそれぞれ有する第1の導電層1を用意し、レジストパターン21を形成することなく、第1の実施形態における図3Bと同様の工程を実行し、各キャパシタ部31を形成する。
次に、最表面部のキャパシタ部31上に、例えば銀ペーストからなる接続電極22を介してキャパシタ部31を接着固定し、同様にキャパシタ部31上に接続電極22を介してキャパシタ部31を順次積層する。以上により、キャパシタ積層体30が完成する。
続いて、図11Dに示すように、リード1Aの接続、保護膜23の形成、及びハンダバンプ7の形成を行う。
詳細には、先ず、各キャパシタ部31における第1の導電層1の各リード1Aを適宜折り曲げ、プリント基板32に配設された、当該リード1Aに対応する第3の電極パッド8と例えばレーザ溶接により接続する。
なお、レーザ溶接の代わりに、スポット溶接、超音波ボンディング、又はハンダ接続等を用いても良い。
次に、例えばモールド樹脂を用いて、キャパシタ積層体30及び各リード1Aを覆うように保護膜23を形成する。ここで、モールド樹脂の代わりに、メタルキャップにより封止するようにしても良い。
そして、各電極パッド5〜7の円板上にハンダバンプ7を形成する。
しかる後、例えば全面に耐水性バリア膜として例えばSiO膜を形成し、多端子平面型の固体電解コンデンサを完成させる。
ここで、耐水性バリア膜としては、SiO膜の代わりにSi膜、Al膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜等も適用できる。また、使用方法によっては耐水性バリア膜を形成しなくても良い場合もある。
上記のようにして形成した、例えば7mm角の固体電解コンデンサを、電気特性評価用の基板にハンダバンプ実装し、ネットワークアナライザを用いて電気特性を評価した結果、以下の特性を得た。
静電容量:250μF
ESR :0.5mΩ
ESL :4pH
この評価対象とした固体電解コンデンサのインピーダンス特性を示した図が図10となる。従来の陽極層の片面のみを容量結合に利用する多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサとを単純に並列接続したコンデンサに比べて、極めて大きな容量が得られているとともに、1MHz付近のインピーダンスが低くなっており、より広い周波数帯域で低インピーダンスを確保できることが判る。
[変形例]
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。本例では、第2の実施形態と同様に多端子平面型の固体電解コンデンサ及びその製造方法を開示するが、キャパシタ積層体の構造が若干異なる点で第2の実施形態と相違する。なお、第2の実施形態と同様の構成部材等については同符号を付す。
[固体電解コンデンサの構成]
図12A〜図12Cは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの概略構成を示す模式図であり、図12Aが平面図、図12Bが図12Aの破線I−Iに沿った断面図、図12Cが図12Aの破線II−IIに沿った断面図である。なお、第2の実施形態と同様の構成部材等については同符号を付す。
本例による固体電解コンデンサは、複数層(図示の例では3層)のキャパシタ部41が積層されてなる、キャパシタ積層体40を備える。
各キャパシタ部41は、弁金属からなる陽極として機能する第1の導電層1と、第1の導電層1の表面が陽極酸化されてなる誘電体膜2を介して第1の導電層1を覆う、陰極として機能する第2の導電層3とを有し、第1の導電層1と第2の導電層3とが容量結合するように構成されている。第2の導電層3は、誘電体膜2を介して、第1の導電層1の表面1a及び裏面1bをそれぞれ覆うように形成されており、全体として電気的に一体接続されている。
各キャパシタ部41において、各第1の導電層1には、各電極パッド5,6と異なる位置に複数の貫通孔1dが形成されており、誘電体膜2が各貫通孔1dの内壁面を覆うように形成されるとともに、第2の導電層3が誘電体膜2を介して各貫通孔1dの内壁面を覆うように形成される。この構成により、第2の導電層3が全体として電気的に一体接続される。
隣接するキャパシタ部41間には接続電極22が設けられている。隣接するキャパシタ部41のうち、一方のキャパシタ部41の第2の導電層3の裏面側部分と、他方のキャパシタ部41の第2の導電層3の表面側部分とが接続電極22により電気的に接続される。この構成により、キャパシタ積層体40では、各キャパシタ部41の第2の導電層3が全体として電気的に一体接続されたものとなる。キャパシタ積層体40には、その全体を絶縁物で覆う保護層23が形成されている。
キャパシタ積層体40において、最表面部(図12A,図12Bでは最下部)のキャパシタ部41には、第1の導電層1の表面1a側において、第2の導電層3及び誘電体膜2を貫通して第1の導電層1の表面1aを露出させる複数の開孔11が形成されている。
最表面部のキャパシタ部41には、第1の導電層1の表面1a側において、保護層23(及び不図示のバリア層)の開孔11に位置整合する部位に第1の導電層1の表面1aを露出させる第1の接続孔12が、保護層23の隣接する開孔11間の部位に第2の導電層3の表面を露出させる第2の接続孔13がそれぞれ形成されている。そして、第1の接続孔12を介して第1の導電層1と電気的に接続される第1の電極パッド5と、第2の接続孔13を介して第2の導電層3と電気的に接続される第2の電極パッド6とが形成され、各電極パッド5,6上にハンダバンプ7が形成されて、固体電解コンデンサが構成される。ここで、各電極パッド5,6(及びハンダバンプ7)は、保護層23の表面である同一平面上に、マトリクス状に配設されている。
また、最表面部を除く各キャパシタ部41(図示の例では2層目及び3層目)では、各第1の導電層1の両端部にリード1Aがそれぞれ設けられており、最端部の各電極パッド5,6に隣接して保護層23の表面である同一平面上に配設された第3の電極パッド9と各第1の導電層1とが各リード1Aを介して電気的に接続されている。第3の電極パッド9上にもハンダバンプ7が形成されている。
ここで、図12Aでは、電極パッド5,6のマトリクスにおける全行に共通するように保護層23上でライン形状に延在する一対の第3の電極パッド9を配設し、構成の簡略化を図る場合を例示したが、例えば、電極パッド5,6のマトリクスにおける各行毎に一対の第3の電極パッドを配設するようにしても良い。
また、図13A〜図13C(図13Aが平面図、図13Bが図13Aの破線I−Iに沿った断面図、図13Cが図13Aの破線II−IIに沿った断面図)に示すように、第3の電極パッド8の配設を省略し、最表面部を除く各キャパシタ部41における各第1の導電層1の両端部に設けられた各リード1Aを、保護層23内で各端部毎にまとめて接続し(図示の例では、当該マトリクスにおける各行毎に各端部でまとめて接続し)、更なる構成の簡略化及びキャパシタ占有面積の縮小化を図るようにしても好適である。
本実施形態の固体電解コンデンサは、キャパシタ積層体30において、最表面部のキャパシタ部31では、第1の導電層1の表面1a側では多端子平面型の固体電解コンデンサ(コンデンサAとする)として機能し、裏面1b側では無端子平面型の固体電解コンデンサ(コンデンサBとする)として機能する。そして、最表面部を除く各キャパシタ部31では、表面1a側及び裏面1b側の双方において、無端子平面型の固体電解コンデンサ(それぞれコンデンサCとする)として機能することになる。この構成を採ることにより、インダクタンスの増加を抑えつつ、同じ占有面積で第1の実施形態による固体電解コンデンサのキャパシタ積層数倍以上(図示の例では3倍以上)の容量を得ることができる。これは、通常の陽極層の片面のみを容量結合に利用する固体電解コンデンサとの比較では、キャパシタ積層数×2倍以上(図示の例では6倍以上)の大容量となる。
ここで、各キャパシタ部41において、各第2の導電層3における、当該第2の導電層3内を通る距離(「層内距離」と言う)を考える。第2の実施形態による固体電解コンデンサでは、各第2の導電層3において、その裏面1b側の例えば中央部位から側面1cの部分を通って最も近い位置である端部の第2の電極パッド6に至るまでの層内距離は、キャパシタ面積が大きくなるほど長大化し、コンデンサBとしてのインダクタンスが大きくなる。本例の固体電解コンデンサでは、第1の導電層1に複数の貫通孔1dが適宜形成されているため、裏面1b側の部分と当該部分から最も近い位置にある第2の電極パッド6までの層内距離は、貫通孔1dを通る経路が形成されることにより極めて短くなり、インダクタンスが大幅に低減する。
本実施形態による固体電解コンデンサの周波数特性について、従来の陽極層の片面のみを容量結合に利用する多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサとを単純に並列接続したコンデンサとの比較に基いて調べてみた。その結果を図14に示す。図14のように、本実施形態による固体電解コンデンサでは、多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサに比べて、中間周波数における周波数特性が更に大幅に改善されていることが判る。これは、本実施形態による固体電解コンデンサでは、コンデンサA,B,Cにおいて陽極パッドである第2の電極パッド6が共通化されていることに加え、各キャパシタ部41において貫通孔1dにより表裏面の第2の導電層3を接続することにより更にインダクタンスが低減したことに起因するものである。
このように、本実施形態によれば、更なるインダクタンスの低減を実現するも、陽極層の片面のみを容量結合に利用する場合と比較して、同じ占有面積で極めて大きい容量を得ることができる。
[固体電解コンデンサの製造方法]
以下、上記構成の固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
図15−1A〜図15−1D及び図15−2A〜図15−2Dは、第2の実施形態の変形例による多端子平面型の固体電解コンデンサの製造方法について、工程順に示す概略断面図であり、図15−1A〜図15−1Dが図12Aの破線I−Iに沿った断面に、図15−2A〜図15−2Dが図12Aの破線II−IIに沿った断面にそれぞれ相当する。
なお本例では、図11A〜図11Dの諸工程に、貫通孔1dの形成工程が加わる。貫通孔形成工程は、第1の実施形態の変形例と同様である。
本実施形態では、第2の実施形態の図11A,図11Bと同様に、先ず図15−1A及び図15−2A、図15−1B及び図15−2Bの各工程を経る。
続いて、図11C及び図15−1C及び図15−2Cに示すように、最表面部のキャパシタ部41上に、電極パッドのないキャパシタ部41を接続電極22を介して複数(図示の例では2層)積層する。
詳細には、先ず、両端部にリード1Aをそれぞれ有する第1の導電層1を用意し、レジストパターン21を形成することなく、第1の実施形態の変形例における図6−1B及び図6−2Bと同様の工程を実行し、各キャパシタ部41を形成する。
次に、最表面部のキャパシタ部41上に、例えば銀ペーストからなる接続電極22を介してキャパシタ部41を接着固定し、同様にキャパシタ部41上に接続電極22を介してキャパシタ部41を順次積層する。以上により、キャパシタ積層体40が完成する。
続いて、図11D及び図15−1D及び図15−2Dに示すように、リード1Aの接続、保護膜23の形成、及びハンダバンプ7の形成を行う。
詳細には、先ず、各キャパシタ部31における第1の導電層1の各リード1Aを適宜折り曲げ、プリント基板32に配設された、当該リード1Aに対応する第3の電極パッド8と例えばレーザ溶接により接続する。
なお、レーザ溶接の代わりに、スポット溶接、超音波ボンディング、又はハンダ接続等を用いても良い。
次に、例えばモールド樹脂を用いて、キャパシタ積層体40及び各リード1Aを覆うように保護膜23を形成する。ここで、モールド樹脂の代わりに、メタルキャップにより封止するようにしても良い。
そして、各電極パッド5〜7の円板上にハンダバンプ7を形成する。
しかる後、例えば全面に耐水性バリア膜として例えばSiO膜を形成し、多端子平面型の固体電解コンデンサを完成させる。
ここで、耐水性バリア膜としては、SiO膜の代わりにSi膜、Al膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜等も適用できる。また、使用方法によっては耐水性バリア膜を形成しなくても良い場合もある。
上記のようにして形成した、例えば12mm角の固体電解コンデンサを、電気特性評価用の基板にハンダバンプ実装し、ネットワークアナライザを用いて電気特性を評価した結果、以下の特性を得た。
静電容量:1000μF
ESR :0.2mΩ
ESL :1pH
この評価対象とした固体電解コンデンサのインピーダンス特性を示した図が図14となる。従来の陽極層の片面のみを容量結合に利用する多端子平面型の固体電解コンデンサ、及び多端子平面型の固体電解コンデンサと無端子平面型の固体電解コンデンサとを単純に並列接続したコンデンサに比べて、極めて大きな容量が得られているとともに、100kHz〜10MHzにかけてのインピーダンスが低くなっており、より広い周波数帯域で低インピーダンスを確保できることが判る。
本発明によれば、インダクタンスを増加させることなく、更なる大容量を得ることを可能とする信頼性の高い平面状の固体電解コンデンサが実現する。

Claims (5)

  1. 弁金属からなる第1の導電層と、
    前記第1の導電層の少なくとも表面及び裏面を覆い、電気的に一体化されてなる第2の導電層と、
    前記第1の導電層が陽極酸化されてなり、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間に設けられた誘電体膜と、
    前記第1の導電層の表面側における同一平面上に形成された、前記第1の導電層と電気的に導通する複数の第1の電極パッド及び前記第2の導電層と電気的に導通する複数の第2の電極パッドと
    を含み、
    前記第1の導電層、前記誘電体膜及び前記第2の導電層を含む積層体が複数積層されており、
    複数の前記積層体のうち、最表面部に位置する前記積層体に前記第1の電極パッドが接続形成されるとともに、隣接する前記積層体の前記第2の導電層同士が電気的に接続されており、
    複数の前記積層体のうち、前記最表面部に位置する前記積層体以外の前記積層体において、前記各第1の導電層の端部が、前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドと同一平面上に設けられた第3の電極パッドと一体接続されてなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記各積層体の前記第2の導電層は、前記第1の導電層をその表面、一部の側面及び裏面にかけて覆うように一体形成されてなることを特徴とする請求項に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記各積層体の前記第1の導電層に貫通孔が形成されており、前記貫通孔の内壁面を介して前記第2の導電層が一体形成されていることを特徴とする請求項に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記各第1の導電層の端部から延在する接続体が設けられており、
    前記各接続体とそれぞれ接続されるように、複数の前記第3の電極パッドが設けられていることを特徴とする請求項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記各第1の導電層の端部から延在する接続体が複数設けられており、
    前記各接続体が一体接続されるように、ライン形状の前記第3の電極パッドが設けられていることを特徴とする請求項に記載の固体電解コンデンサ。
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