JP4898504B2 - 発熱コード - Google Patents

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本発明は、電気毛布や電気カーペット等の面状採暖具に好適な発熱コード、さらに詳しく言えば、漏れ磁界を低減でき、かつ端末コネクタ加工性の優れた経済性の高い発熱コードに関する。
交流磁界の人体に与える影響を軽減するために、電気毛布や電気カーペット等に使用する漏れ磁界の発生を少なくしたいという要望があり、そのための開発が行われている。
特許文献1記載のヒータ線の発明は、通電時に発生する磁界を互いに打ち消すようにしたものである。
この特許文献1記載のヒータ線(本発明による発熱コードに対応)では、第1の実施形態(同文献の図1参照)において、芯線の外周に第1の発熱素線がスパイラル状に捻回され、その外周に第1の熔断層が設けられている。そしてその第1の熔断層の外周に第2の発熱素線が第1の発熱素線とは逆向きにスパイラル状に捻回されている。さらに、その外周に第2の熔断層が設けられている。第2の熔断層の外周には信号線がスパイラル状に捻回され、さらにその外周に絶縁層が設けられた構造である。
第1の発熱素線と第2の発熱素線とには逆向きの電流が流れるよう結線され、発生する磁界が互いに打ち消され漏れ磁界が低減されるよう作用するものである。
特許文献2にはヒータ線の複数の実施形態が示されている。
第1の実施形態(同文献の図1参照)は、芯線の外周に発熱素線がスパイラル状に捻回され、その外周に熔断層が設けられた2本の発熱線が対撚りされ、その外周に信号線がスパイラル状に捻回され、さらにその外周に絶縁層が形成された構造である。
第3の実施形態(同文献の図7参照)は、外周にスパイラル状に捻回された信号線を有する第1の発熱線と、第2の発熱線とが対撚りされ、かつ前記2本の発熱線の周囲に断面が略円形の絶縁層が形成された構造である。
この第1および第3の実施形態においては、前述の特許文献1と同様、2本の発熱線の発熱素線は逆向きの電流が流されるよう結線され、発生する磁界が互いに打ち消され漏れ磁界が低減されるよう作用するものである。
特許文献3のヒータ線の発明においては、芯線の外周に発熱素線がスパイラル状に捻回され、その外周に絶縁層が設けられた電熱線と、前記電熱線と同構造の戻り線と、芯線の外周に信号線がスパイラル状に捻回され、その外周に絶縁層が設けられた検知線とが撚り合わされた、または引き揃えられた束の外周に、全体として丸みを帯びた断面輪郭形状の絶縁層が形成された構造である。前記電熱線と戻り線には逆向きの電流が流されるよう結線され、発生する磁界が互いに打ち消され漏れ磁界が低減されるよう作用するものである。
特開平10−335046号公報 特開平10−340778号公報 特開2005−183018号公報
特許文献1に示すヒータ線においては、第1の発熱素線をスパイラル状に捻回し、その外周に第1の熔断層を設ける第1工程と、第1の熔断層の外周に第2の発熱素線をスパイラル状に捻回し、その外周に第2の熔断層を設ける第2工程と、第2の熔断層の外周に信号線をスパイラル状に捻回し、更にその外周に絶縁層を設ける第3工程がすべて重複工程になるため極めて生産性が低いという経済的問題点があった。
また、前述のような3重構造において、信号線や発熱素線に傷をつけることなく絶縁層や熔断層の被覆剥きをすることは、非常に熟練を要する作業であり、作業効率や信頼性に劣るという大きな問題点があった。
さらにそのような構造において、要求発熱量の点から第1の発熱素線と第2の発熱素線を直列に接続して使用しなければならない場合がある。このような条件で発生する磁界を打ち消し漏れ磁界を低減するには、第1の発熱素線の一端と第2の発熱素線の一端を短絡し、発熱コードの他端から導出される第1の発熱素線の端と第2の発熱素線の端及び信号線の両端を採暖具への敷線を考慮して、端末コネクタの内部端子へ接続する構成が必要である。
例えば電気毛布の場合、端末コネクタの内部端子の配列構成に関する要求は、外側2本を発熱コード用、内側2本を信号線用とするのが標準的とされており、第1の発熱素線か第2の発熱素線の一方を裸線のまま相当長くしなければならず、これは安全上好ましくなく絶縁被覆された中継線が必要になり、非常に熟練と時間を要する作業となる。このように、採暖具への敷線を考慮した上で発熱コードと信号線の端末コネクタの内部端子への配線を信頼性高く経済的に構成することが非常に困難であった。
前述の特許文献2の第1の実施形態に示すヒータ線は、芯線の外周に発熱素線がスパイラル状に捻回され、その外周に熔断層が設けられた発熱線が2本対撚りされ、その外周に信号線がスパイラル状に捻回され、さらにその外周に絶縁層が形成された構造となっている。
そのため、前述の特許文献1記載の実施形態に比べ重複工程が1つ削減されるが、対撚りの工程が1つ増加する。
また2本対撚りの断面は略円形とならないので、2本対撚り構造体の外周に捻回された信号線は最外周の絶縁層の形成時に切れ易いという重大な問題点がある。
さらに、このような断面において、信号線に傷をつけることなく絶縁層の被覆剥きをすることは、非常に熟練を要する作業であり、作業効率と信頼性に劣るという大きな問題点があった。
ただし、2本の発熱線は絶縁被覆されているので、採暖具への敷線を考慮した端末コネクタの内部端子への配線を信頼性高く経済的に構成することは可能となった。
さらに、前述の特許文献2の第3の実施形態に示すヒータ線においては、外周にスパイラル状に捻回された信号線を有する第1の発熱線と、第2の発熱線とが対撚りされ、かつ2本の発熱線の周囲に断面が略円形の絶縁層が形成された構造なので、前述の特許文献1の実施形態に比べ重複工程が1つ削減されるが、対撚りの工程が1つ増加するという不経済な問題点がある。
この構造のヒータ線が、巻線工程、絶縁被覆押出し工程、端末コネクタの内部端子への配線工程のすべてにわたり合理的で経済的な工程となっているにも拘わらず、この対撚り工程の増加という問題点を抱える原因は、第1の発熱線にのみ信号線が捻回されるので、当該発熱線から発生する磁界をある程度遮蔽するため、2本の発熱線の漏れ磁界の強度に不均衡が発生する。この不均衡を解消させずに所定の漏れ磁界強度の低減を得るため、対撚りの構造が必要となるものである。
特許文献3に示すヒータ線は、芯線の外周に発熱素線がスパイラル状に捻回され、その外周に絶縁層が設けられた電熱線と、前記電熱線と同構造の戻り線と、芯線の外周に信号線がスパイラル状に捻回され、その外周に絶縁層が設けられた検知線とが撚り合わされた、または引き揃えられた束の外周に、全体として丸みを帯びた断面輪郭形状の絶縁層が形成された構造なので、構成される3本の電熱線と戻り線と検知線は各々重複しない並列的な工程で製造することが可能となり生産効率の向上は図れる。
また、この電熱線と戻り線と検知線は各々独立した被覆を有しているので、各素線に傷をつけることなく絶縁層の被覆剥きをすることは容易であり、作業効率や信頼性の劣化を招くという大きな問題点はない。
また、採暖具への敷線を考慮した端末コネクタの内部端子への配線も、前記電熱線と戻り線と検知線は各々独立した被覆を有しているので、信頼性高く経済的に構成することが容易である。このように特許文献3においては、前述の特許文献1および2の問題点が大幅に改善されている。しかしながら、このような3本の内部被覆を有する構造は発熱コードの外径を太くし敷線された採暖具としての使い心地を非常に悪くするという別の大きな問題点を発生させる。
本発明の目的は、漏れ磁界を大幅に低減することができ、芯線,発熱素線,被覆部よりなるコード要素の異常発熱時に発熱素線と検知線とが確実に先に短絡し、その後通電時に2本の発熱素線が短絡することを防止できる発熱コードを提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、生産効率及び加工性の向上を実現できる発熱コードを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載の発熱コードは、
第1の芯線、第1の芯線に所定のピッチで螺旋巻きされた第1の発熱素線、前記第1の発熱素線を絶縁被覆する第1の被覆部、前記第1の被覆部の外周に螺旋巻きされた検知線を含む第1のコード要素と、
第2の芯線、前記第2の芯線に前記第1の芯線に螺旋巻きされた前記第1の発熱素線より疎に螺旋巻きされた第2の発熱素線、前記第2の発熱素線を絶縁被覆する第2の被覆部を含む第2のコード要素と、
前記第1のコード要素と第2のコード要素を実質的に近接して平行部分を持つように配置して被覆する外被覆層と、を具備し、
前記第1および第2の発熱素線に通電したときに各発熱素線の発生する磁界が互いに打ち消されるようにしたことを特徴としている。
本発明による請求項2記載の発熱コードは、請求項1記載の発熱コードにおいて、
前記外被覆層の外形断面は円状であることを特徴としている。
本発明による請求項3記載の発熱コードは、請求項1記載の発熱コードにおいて、
前記各発熱素線は箔帯状または丸線状であることを特徴としている。
本発明による請求項4記載の発熱コードは、請求項1記載の発熱コードにおいて、
前記検知線は感熱抵抗特性を有することを特徴としている。
本発明による請求項5記載の発熱コードは、請求項1記載の発熱コードにおいて、
前記各発熱素線を絶縁被覆する各被覆部は融点を有する樹脂であることを特徴としている。
本発明による請求項6記載の採暖具用の発熱コードは、前記発熱コードが採暖具に配置されている請求項1記載の発熱コードにおいて、
前記第1および第2の発熱素線の各一端を互いに接続し、各他端をそれぞれ電力端子に接続し、前記検知線の両端をそれぞれ検知端子に接続することにより、
前記電力端子から電力の供給を受けるとともに前記検知端子から検知出力が送出されることを特徴としている。
本発明による発熱コードによれば、検知線が螺旋状に捻回された第1の発熱素線はインダクタンスが大きいので、同じ通電電流により第2の発熱素線に比べ発生磁界の強度は大きくなる。このように発生磁界の増加と検知線による発生磁界の遮蔽作用のバランスを取ることにより2本の発熱素線から発生する磁界強度を同程度にでき、相互に磁界を打ち消すことができるので、発熱素線の対撚り工程を削減しても、発熱コードからの漏れ磁界強度の低減を実現できる。
2本の束ねられた絶縁被覆発熱素線を用いているので、前述の特許文献1に示されるような重複工程が削減され、生産効率の向上を図れる。
検知線は、第1の発熱素線の略円形の絶縁被覆部上、即ち第1のコード要素上に螺旋状に捻回されるので、最外周の絶縁層の形成時に検知線が切れ易いという重大な問題点が解決できる。
一方の発熱素線を被覆する略円形の絶縁被覆部上に検知線が螺旋状にしっかり捻回されるようにすれば、それに並列に他方の発熱素線を被覆する被覆部が配置されていても、検知線に傷をつけることなく最外周の絶縁層の被覆剥きをすることは比較的容易な作業であり、作業効率と信頼性の向上を図れる。発熱素線の異常発熱時においては、絶縁被覆部の溶融により発熱素線と検知線とが先に確実に短絡し、通電時に2本の発熱素線が短絡することを防止できる。
絶縁被覆発熱素線は2本なので最外周に絶縁被覆を施した発熱コードでもそれほど太くならず、それが敷線された採暖具での使い心地に違和感を与えることはなく、前述の特許文献3記載のもののように太くなってしまい、使用者に違和感を与えるという問題を解決できる。
本発明による発熱コードでは、発熱素線が螺旋状に捻回されているので、必要な発熱量を得る抵抗値を螺旋・ピッチの変更で容易に変更できる。さらに、一方の発熱素線のインダクタンスの増加、すなわち螺旋状捻回数の増加に対し、発熱素線の線径を太くすることによりもう一方の発熱素線の抵抗値すなわち発熱量と同等にできる。
絶縁被覆された発熱素線においては、端末コネクタの内部端子の配列要求によって2本の発熱素線の一方を相当長くしなければならない場合でも、採暖具への敷線を考慮した端末コネクタの内部端子への配線を信頼性高く経済的に構成することが可能となる。これは後述する図2において、端末コネクタのコネクタボディ7b,7c間の配線を中継せずに絶縁被覆されることになるので、安全性と経済性の両面で従来の問題点を解決できる。
本発明による発熱コードでは、第1のコード要素と第2のコード要素が空間的に並列に配置されるので、2本の絶縁被覆された発熱素線の捻回方向を逆方向にした場合は、2本の絶縁被覆発熱素線を電気的に並列に接続し同じ方向に電流を供給することにより、また捻回方向を同方向にした場合は、2本の絶縁被覆発熱素線を電気的に直列に接続し反対方向に電流を供給することにより、発生する磁界の方向を逆にすることができ、それぞれ磁界を相殺することを可能にし、漏れ磁界を減少させることができる。
本発明による発熱コードでは、検知線が感熱抵抗特性を有するので、これを電気信号に変換して制御することにより、発熱コードが敷線された採暖具の温度制御を可能にする。
以下、図面等を参照して本発明による発熱コードの実施の形態をさらに詳しく説明する。図1Aは本発明による発熱コードの一方端を示す斜視図である。図1Bは、図1Aに示す発熱コードの断面形状を示す図である。
発熱コード30は、それぞれ発熱素線2a,2bを含む第1のコード要素10と第2のコード要素20を実質的に平行部分を持つように近接して配置し、外被覆層6で被覆したものである。第1のコード要素10に含まれている検知線5は、異常を検知するための電線を意味するものであり、過熱による絶縁被覆部4aの溶融によって発熱素線2aと短絡し異常を検知するものでもよいし、温度による抵抗値の変化によって異常を検知するものでもよい。なお、発熱素線は、発熱のために電流を流す電線を意味する。
第1のコード要素10は、第1の芯線1aに所定のピッチで第1の発熱素線2aを螺旋巻きしたものである。第1の被覆部4aは、この螺旋巻きされた第1の発熱素線2aを絶縁被覆する。検知線5は、第1の被覆部4aの外周に螺旋巻きされている。
第2のコード要素20は、第2の発熱素線2bを含み、この第2の発熱素線2bは、第2の芯線1bに、第1の芯線1aに螺旋巻きされた第1の発熱素線2aと同じ方向(第1の発熱素線2aが右巻きならば第2の発熱素線2bも右巻き)で、第1の発熱素線2aより疎に螺旋巻きされている。
なお、本明細書において、右巻きとは芯線を固定して発熱素線端を回転させる方向が右巻き(時計方向)であれば右巻きとする。つまり、発熱素線の捻回方向が右であれば右巻き、左であれば左巻きとする。
第2の発熱素線2bは第2の被覆部4bで絶縁被覆されている。この例では、磁界を相殺するために反対方向の電流が供給される。発熱素線2aと2bは、右端(図示せず)で接続されている。
第2の発熱素線2bは第2の被覆部4bとともに、後述するように、第1のコード要素10の芯線1aや第1の被覆部4aなどより長く伸びだした状態で使用されるが、第1のコード要素10との対比を容易にするために長さを揃えて示してある。
(電気毛布用発熱コード組立)図2は発熱コード30を電気毛布への使用(実装)を予定した場合の組立体を示す平面図である。発熱コード30は電気毛布内を蛇行するように配置され相当の長さ,例えば13m〜19m,になるので、中間を省略して両方の端末のみを示してある。
絶縁成形物である端末コネクタのコネクタボディ7a,7b,7c内で発熱素線同士、発熱素線と端子、検知線と端子の電気的な接続がなされる。接続状態の理解を容易にするために絶縁成形物である端末コネクタを形成するコネクタボディ7a,7b,7cの一部を破断して示してある。
発熱コード30の一端、第1のコード要素10の一端はコネクタボディ7bに支持されている。発熱コード30の他端、第1のコード要素10の他端、および第2のコード要素20の一端はコネクタボディ7aに支持されている。第2のコード要素20の他端は、コネクタボディ7cに支持されている。第1の芯線1aに螺旋巻きされた第1の発熱素線2aは電力端子H1に接続されている。検知線5は検知端子S1に接続されている。
第2のコード要素20は第2の発熱素線2bが露出されていない状態でコネクタボディ7bの後端から引き出されている。
コネクタボディ7bの後端から引き出された発熱コード30は、コネクタボディ7aで終端される。発熱コード30中の第2のコード要素20の第2の発熱素線2bと、第1のコード要素10の終端の第1の発熱素線2aはコネクタボディ7aで互いに接続される。これにより、コネクタボディ7a,7b間に対の発熱素線2a,2bが配置される。検知線5はコネクタボディ7aで検知端子S2に接続されている。
コネクタボディ7bの後端から引き出された第2のコード要素20はコネクタボディ7cで終端され、発熱素線2bは電力端子H2に接続される。
以上の接続により、検知端子S1とS2から発熱コード30に関する情報を検出することができる。また、電力端子H1とH2に交流電源を接続して、加熱電力を供給することができる。
ここで、コネクタボディ7bからコネクタボディ7cへ渡る第2のコード要素20は絶縁被覆されているので、別の絶縁線で中継接続する必要はなく直接接続が可能となる。このように、採暖具への敷線を考慮した端末コネクタ配列でありながら、発熱素線と検知線の端末コネクタの内部端子への配線を、作業性よく信頼性高く実現できることは明らかである。
図1Aおよび図1Bに示した実施形態についてのデータは次のとおりである。

芯線(1a,1b)の材質:ポリエステル繊維束
芯線1aの直径:D3=0.3mm
芯線1bの直径:D4=0.3mm

外被覆層6の材質:耐熱塩化ビニル樹脂
外被覆層6の直径:D1=3.0mm

被覆部4aの材質:ナイロン12
被覆部4aの直径:D2=0.9mm
被覆部4bの材質:耐熱塩化ビニル樹脂
被覆部4bの直径:D5=1.2mm

断面形状(mm) ピッチ(mm) 巻き方向 材質
発熱素線2a 0.06×0.42 0.66 右 銅
発熱素線2b 0.06×0.42 0.69 右 銅
検知線5 φ0.09 0.86 左 純ニッケル

なお、検知線5は1本であり、20℃の抵抗値が1030Ωとなるように捻回ピッチが選ばれている。
発熱素線2aの消費電力は、発熱素線2aの端子間電圧がAC100Vを半波にした実効値50Vのとき160Wである。
発熱素線2bの消費電力は、発熱素線2bの端子間電圧がAC100Vを半波にした実効値50Vのとき160Wであり、発熱素線2aと2bを直列に接続し、両端にAC100Vを半波にした実効値50Vを印加したときの消費電力は、80Wになる。
(比較データ取得のための発熱素線のピッチの変更)
発熱素線2bは、消費電力がAC100V(60Hz)を半波にした実効値50Vで160Wになるように、捻回ピッチが選ばれている。
これは160Wの発熱素線を直列に接続しAC100Vを半波にした実効値50Vを印加すると、電圧は変わらず抵抗値が2倍となるので、80Wとなる。
発熱素線2aは、インダクタンス増加の作用を試験するため、発熱素線2bに対して螺旋状捻回数を各々5%、10%、15%、20%増加させた試料を用意した。
なお、上記調整を行なわない状態で、発熱素線2aと発熱素線2bは直列接続となるよう一端で結ばれ、消費電力がAC100V(60Hz)を半波にした実効値50Vで80Wの定格消費電力となる。
図3は、本実施例における捻回数増加率と、漏れ磁界の強度を磁気測定器で測定した結果を示すグラフである。
前述のように一端が直列接続された発熱素線2aと発熱素線2bの他端にAC100V(60Hz)を半波にした実効値50Vを加え、発熱素線2aのインダクタンスの増加、すなわち螺旋状捻回数の増加率に対する発熱コードの漏れ磁界強度を測定したものである。図に示すように発熱素線2aのインダクタンスが10%増のときの漏れが最小になっている。
つまり、本発明による螺旋状捻回数の増加率に対する発熱コードの漏れ磁界強度は、検知線の磁界遮蔽作用とのバランスに基づいた最小値の存在が示され、その値は螺旋状捻回数を増加させなかった場合に比較して、約1/4に低減させ得ることが明らかである。
図4は、本実施例における消費電力に対する漏れ磁界の強度を示すグラフである。
発熱素線2aと発熱素線2bの他端にAC半波(60Hz)の電圧を序々に上げていったときの消費電力に対する漏れ磁界の測定強度を三角印で示す。比較例として、コード要素20のみに上記と同様な通電をしたときの消費電力に対する漏れ磁界の測定強度を丸印で示す。比較例において、漏れ磁界の強度は電圧の上昇にしたがって図示のように増加している。これに対して、本発明による発熱コードの漏れ磁界の強度は、消費電力80Wにおいて比較例に比べて1/100程度に低減されている。
次に、第1のコード要素10と第2のコード要素20の異常発熱による発熱素線2aまたは2bと検知線5との短絡試験を行った。発熱コード30を保温状態に置き、一端が直列接続された発熱素線2aと発熱素線2bの他端に60HzのAC全波100Vを連続的に加えたところ、第1のコード要素10と第2のコード要素20は異常発熱状態になり、第1のコード要素10の被覆部4aが熔融し、発熱素線2aと検知線5との接触が電気的測定で確認された。
実施例1の第1のコード要素10の発熱素線2aの被覆部4aを耐熱塩化ビニル樹脂に変えたものである。
このような発熱コードにおいて、実施例1とまったく同じ条件で第1のコード要素10と第2のコード要素20の異常発熱による発熱素線2aまたは2bと検知線5との短絡試験を行った。
その結果、第1のコード要素10の被覆部4aが熔融し、発熱素線2aと検知線5との接触が電気的測定で確認された。
(変形例)以上詳しく説明した実施例について、本発明の範囲内で種々の変形を施すことができる。
発熱素線として金属箔である銅箔を利用する例を示したが、金属線を用いることもできる。これらの材料を他の材料たとえば銅と亜鉛の合金とすることもできる。
さらに、金属箔の断面形状または金属線の直径を変えることにより、抵抗値を変えることもできる。なお、1本の金属箔を利用する例を示したが、複数本の金属線の撚り線または金属の単線を用いることも可能である。
芯線について、同一の直径の例を示したが、異なる直径の芯線を用いることによりこれに巻き付けられる発熱素線の巻径を変えることができ、発熱素線の抵抗値やインダクタンスの調整をすることもできる。
本発明の発熱コードは、電気毛布や電気カーペット等の暖房器具のヒータとして利用できる。
本発明による発熱コードの実施例を示す斜視図である。 本発明による発熱コードの実施例の断面構造を説明するための断面図である。 本発明による発熱コードを電気毛布用発熱コード組立に利用する場合の端末の構成を説明するための平面図である。 実施例1における捻回数増加率と、漏れ磁界の強度を磁気測定器で測定した結果を示すグラフである。 実施例1における消費電力に対する漏れ磁界の強度を示すグラフである。
符号の説明
1a,1b 芯線
2a,2b 発熱素線
4a,4b 被覆部
5 検知線
6 外被覆層
7a,7b,7c コネクタボディ(端末コネクタの絶縁成形物)
10,20 コード要素
30 発熱コード
H1,H2 電力端子
S1,S2 検知端子

Claims (6)

  1. 第1の芯線、第1の芯線に所定のピッチで螺旋巻きされた第1の発熱素線、前記第1の発熱素線を絶縁被覆する第1の被覆部、前記第1の被覆部の外周に螺旋巻きされた検知線を含む第1のコード要素と、
    第2の芯線、前記第2の芯線に前記第1の芯線に螺旋巻きされた前記第1の発熱素線より疎に螺旋巻きされた第2の発熱素線、前記第2の発熱素線を絶縁被覆する第2の被覆部を含む第2のコード要素と、
    前記第1のコード要素と第2のコード要素を実質的に近接して平行部分を持つように配置して被覆する外被覆層と、を具備し、
    前記第1および第2の発熱素線に通電したときに各発熱素線の発生する磁界が互いに打ち消されるようにしたことを特徴とする発熱コード。
  2. 請求項1記載の発熱コードにおいて、前記外被覆層の外形断面は円状である発熱コード。
  3. 請求項1記載の発熱コードにおいて、前記各発熱素線は箔帯状または丸線状であることを特徴とする発熱コード。
  4. 請求項1記載の発熱コードにおいて、前記検知線は感熱抵抗特性を有することを特徴とする発熱コード。
  5. 請求項1記載の発熱コードにおいて、前記各発熱素線を絶縁被覆する各被覆部は融点を有する樹脂であることを特徴とする発熱コード。
  6. 前記発熱コードが採暖具に配置されている請求項1記載の発熱コードにおいて、
    前記第1および第2の発熱素線の各一端を互いに接続し、各他端をそれぞれ電力端子に接続し、前記検知線の両端をそれぞれ検知端子に接続することにより、
    前記電力端子から電力の供給を受けるとともに前記検知端子から検知出力が送出されることを特徴とする採暖具用の発熱コード。
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